環境先進国!ドイツ(ゴミ問題) 川崎 ヨーロッパ全体は環境先進国としてエコに 智世 クルする義務、または責任を負わされています。 対する意識は高いと有名ですが、その中でも特 にドイツのごみ処理法やリサイクルシステム ③包装材(ゴミ)の回収&リサイクルシステム はレベルが高く、日本の手本にもされているほ それぞれの業者が廃棄になった包装材、及び どと言われています。私が実際に今回ドイツを ゴミはどのように回収され、そして再利用され 訪問した中で調べ、そして感じたことをこのレ ているのでしょうか? それは、DSD(デュアルシステム・ドイチュ ポートに書いていきたいと思います。 ラント)というシステムによって賄われている ①なぜドイツは環境先進国なのか? のです。 ドイツは「循環型社会」であり、その意味は リサイクルするだけでなく、日頃の生活から出 ④DSD(デュアルシステムドイチュラント) る廃棄物を最低限まで減らし、なるべくゴミを DSD とは各包装材メーカーや小売業者に代 出さない生活を作りだすことを目指している わり、包装材を回収、そして再利用する代行シ ということです。こうしたシステムをメーカー ステムのことです。各企業が DSD に委託両を などの企業にも植え付け、設計、開発、そして 払い、自社の包装材の回収や再利用を代行して 生産を含める段階からゴミの削減を目指し、ま もらうことができます。委託された商品には た「包装材リサイクル規制令」(②参照)とい 「Grune Punkt(グリューネ・プンクト)」 (⑤ う法律を作り厳しく取り締まられています。こ 参照)というマークがついています。この DSD れらの取り組みは90年代から行われており、 のデュアル(二元)とは、また自治体が行う廃 日本よりも10年も早く始められました。この 棄処分とは別に二つ目の処理法があるという ことで、ドイツは今日環境先進国として有名な 意味が含まれています。 のだと思います。 ②包装材リサイクル規制令 上記でも上げられましたこの法律は、ドイツ で経済活動の中で出る廃棄物をなるべく減ら そうという目的から、1991年に執行されま した。これは、家庭から出る廃棄物のうち、そ の半分(約50%)もが包装材が占めることに 注目し、減量、そして再利用に力を入れるため、 この法が作られました。このことで、包装材メ ーカ、包装材を利用する小売業者や製造者は使 用済みになった包装材を回収し、そしてリサイ 8 □ Weiss[ヴァイス] (=白) ⑤Grune Punkt(グリューネ・プンクト) □ Braun[ブラウン] (=茶色) □ Grün[グリューン] (=緑色) ● ペットボトル “Grune Punkt” が付いている包装材は回収 専用の機械に入れることで、回収されまたそ され、そしてある既定の所に戻されることによ のペットボトル購入時に課されていたデポジ って DSD によりリサイクルされます。DSD ットも返ってきます。 は各メーカーからの委託両を下に全国各地の リサイクル業者と提携し回収、そして再利用を 行っています。消費者はこのマークがついた包 装材を DSD の回収袋や黄色い容器・プラスと いうゴミ箱に入れそれを DSD が回収します。 また、DSD はアルミニウム、ガラス、ブリキ、 紙、段ボール、プラスチックなど各素材に分別 しリサイクルしており、そのため各家庭の仕分 け方もこの分別法に基づいています。もちろん、 ペットボトル回収機 各家庭の協力もとても大切になります。 ペットボトルの回収マーク ⑥ドイツのゴミの分別方法 z Grün Punkt(グリューンプンクト)が付 いた容器・パック類 →黄色い指定の袋へいれ捨てます。 z Altpapier:古紙類 →Blaue Tonne(ブラウエトンネ)という青い ふたのコンテナに捨てます。 z Altglas:ガラス瓶 返ってきたデポジットのレシート →専用のコンテナに入れます →このレシートをレジに持って行くとお金に 色に分けて分別します。 換金してもらえます。 9 ⑦最後に・・・ ドイツへ今回初めて行き、そして初めて環境 へ対する取組みを見たのですが、やはり個々人 のエコへ対する意識の高さに感心しました。例 えば、スーパーでは買い物袋は必ず持参であっ たり、またペットボトルなどの商品にエコデポ ジットが課せられているため機械へ持って行 き、またビンは必ず所定の所へ戻しまた再利用 など・・。日本の取り組みに似た部分も少々あ りましたが、やはりドイツの方が技術的にも取 組み的にも、そして意識レベルの高さとしても 様々な部分で進んでいると思いました。これら は、ドイツとしての取り組み、法律、そして政 策も大切なのですが、ドイツ国民一人一人のエ コに対する意識や協力も大切だと思いました。 今後、日本もドイツを見習って環境先進国の一 員に慣れる日が来ればいいなと思いました。 <参考文献> z ドイツのリサイクルシステム-ドイツのエ コライフ-環境 goo、 http://eco.goo.ne.jp/life/world/germany/r eport3/r3_2_1.html z 環境先進国ドイツ(大阪・神戸ドイツ連邦 共和国総領事館) http://www.german-consulate.or.jp/jp/u mwelt/kreislaufwirtschaft/dsd.html z ドイツのゴミ事情(ドイツでもゴミ処理は 大きな問題) http://www.umwelt.jp/umwelt/abfall/1_ Hausmuell.html 10
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