リサイコー最高! い わ た かずひろ 山陰労災病院・中央検査部・岩田和宏 【テーマの設定理由】 中央検査部では患者サービスの一環として検査の豆知識という広報誌を発行しており、患者様が手に取りたくなるよ うにカラー印刷を採用し好評を得ている。しかしながら大変好評な為、年 5000 枚以上の印刷が必要となり、またレーザ ープリンターの廃トナーの処理も責任の所在が不明確の為、廃トナーが検査控え室の寝室などを占拠し、非常に邪魔 である。なんとかならないものだろうか? 【活動スケジュール】 計画: 6月 実施: 7月 8月 9月 テーマの設定 現状の把握 目標値の設定 原因の究明 対策の検討 改善の実施 成果の確認 成果の定着化 まとめと反省 今後の取り組み 1 10 月 11 月 12 月 1月 2 月~ 【現状把握①】 *まず検査部内のプリンターのメーカーと種別調査(レーザー?or インクジェット?)(表 1) 検査部内、全プリンター台数:17 台 表 1 検査部内プリンターメーカー及び種別調査 *次に廃トナー、インクカートリッジのリサイクル状況調査 *廃棄 or?→廃棄しているか、リサイクルしているつもり?の数 (実際にはリサイクル出来ていない数) Total 表 2 廃トナー、インクカートリッジリサイクル状況調査 2 【現状把握②】 *まとめ Ⅰ:廃トナーカートリッジのリサイクルの現状 確実にリサイクルされていたトナーは病院契約のリユーストナーカートリッジのみであった。 他の廃トナーは廃棄か、用度係に運んで処理してもらうが、業者が回収後、本当にリサイクルされているか、 わからない状況であった。 用度係も大量処理は大変である。 Ⅱ:廃インクカートリッジのリサイクルの現状 検査控え室に廃インクカートリッジ入れ?(レジ袋)が置いてあるが、そこに入れて リサイクルしているつもりであった。(図 1) その先の処理手順は未定であり、 実はリサイクル出来ていなかった。 図 1 廃カートリッジ 確実にリサイクルされていた廃カートリッジは病院契約のリユーストナーカートリッジのみで、 他はすべて廃棄かリサイクルしているつもりであり、リサイクル率はたったの 40%であった。 【目標値の設定】 リサイクル率を現状の 40%から 100%とすることを目標に設定した。 【原因の究明】 フィッシュボーンを用いて原因の究明を行った(図 2) 体制 意識 面倒くさい がまだ徹底されていない やる気がない 他人がやると思っている 面倒くさい 習慣がない とりあえず入れる袋がある 本当にリサイクルされているの? カートリッジを入れる専用BOXがない どうしたらリサイクル出来るかわからない トナーが大きくて邪魔 容器 背景 図 2 フィッシュボーン 3 ゴミの山すっきり整頓リサイクル 最近はなんでもディスポ 病院でトナー、カートリッジのリサイクル 【対策の検討】(表 3) 表 3 対策の検討 【改善の実施①】(表 4) 表 4 改善の実施 【改善の実施②】 Ⅰ:廃トナー、カートリッジの回収箱を Ⅱ:リサイクルの意識を高める為に、 オリエンテーションを実施。(図 4) わかりやすい場所に設置。(図 3) 図 4 中央検査部内オリエンテーション 図 3 廃トナー、カットリッジ回収箱 Ⅲ:各メーカーの廃トナー、インクカートリッジのリサイクルシステムを利用し回収する。 用度係にまとめて持っていくと処理が大変である為、検査部で無料のリサイクルシステムを 利用して回収することとした。 各メーカーのホームページで回収システムを調査中・・・・・・・・・。 EPSON ・ brother ・ Canon はベルマーク運動でエコ活動している事を発見。 ということは廃トナー、インクカートリッジをベルマークの点数に換えることが出来る!(図 5) インクカートリッジ:5 点 トナーカートリッジ:50 点 図 5 廃トナー、インクカートリッジをベルマーク点数へ 4 ⇒ベルマーク運動に参加することに! ベルマーク運動とは? 協賛会社が商品に付けているマークを PTA や公民館などが集め、ベルマーク財団に送ると 1 点 1 円に換算され てベルマーク預金になる。その預金で自分たちの学校に必要な設備、教材を協力会社から購入でき、また教育 援助活動にも使われる。 参加資格は学校や幼稚園、大学、公民館に限られており、病院としては点数を預金することはできない。そこで今 回、私たちは『応援』という形で、廃トナー・インクカートリッジをベルマークとして点数化したものを、小学校に贈呈 して地域貢献する事とした。(図 6) 企業 HP より回収箱請求 シートをダウンロード 専用回収箱と 必要事項を 着払い伝票が届く 記入し FAX ベルマーク財団に参加 登録し登録番号を取得する ベルマーク点数証明書を近隣 専用回収箱がいっぱいになったら の学校に贈呈し地域貢献 ベルマーク点数証明書が届く 集荷依頼をかけて送る。 図 6 ベルマーク回収システムの流れ 【成果の確認(有形効果)】 ベルマークは純正カートリ ッジしか点数化出来ない (リサイクル品はダメ!) 純正品なのでベル マークとして点数化 表 5 廃トナー・インクカートリッジのリサイクル状況調査 純正の廃カートリッジ 21 種類(EPSON13 種類、brother8 種類)をベルマークとして点数化してリサイクルし、 病院契約のリユーストナーカートリッジ 14 種類と合計すると、35 種類全部がリサイクル出来た。(表 5) リサイクル率 40%が→100%のリサイクル率に!尚且つ地域貢献も同時に出来た。⇒目標達成!! 5 【成果の確認(無形効果)】 • オリエンテーション・回収 BOX の設置で、スタッフのリサイクルに協力しようという意識が高まった。 • 検査控え室、寝室がきれいに片付いた。(図 8) • ベルマークを点数化し近隣の小学校へ贈呈することで 地域貢献ができた。(図 9) (平成 25 年 1 月までに 2650 点小学校に寄贈) 図 8 カートリッジの整理前後の検査室の一角 図 9 近隣の小学校へのベルマーク贈呈 【成果の定着化】(表 6) 表 6 成果の定着化 【活動のまとめ】 • 検査控え室の山積みの廃トナーカートリッジを整理し、すっきりした。 • 廃トナー、インクカートリッジを 100%リサイクル出来た。 • 廃トナー、インクカートリッジをベルマークとして点数化し近隣の小学校に贈呈することで エコロジー且つ、地域貢献が出来た。 【活動の反省点と今後の取り組み】 • 今回、用度係のみなさんにご協力を頂いたが、病院全体の調査まで出来ず 検査部内での活動になってしまった。 • 廃トナー、インクカートリッジのリサイクルは可能になったが、根本的にスタッフの不必要な カラー印刷を制限しモノクロ印刷への切り替えを推奨することも重要と考えられた。 • 今後、検査部では一層リサイクル及び、無駄の改善を推進し、病院全体にリサイクル運動が起きるよう 取り組みたい。 6
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