1.今年度の歩み - 日本キリスト教海外医療協力会

1.今年度の歩み
1.今年度の歩み
<常務理事 畑野研太郎>
今年度、2005 年度に定めた「今後 5 年間(2006 年~2010 年)の方向性」に沿った活動は 4 年
目を迎えました。「今後 5 年間の方向性」とは、次のとおりです。
「平和を実現するものとしての JOCS」
」
JOCS は積極的に平和を実現するもの、赦しと和解を来たらせるもの、隔ての壁を取り
除くものでありたい。
「JOCS の活動の今後 5 年間の焦点」
今後 5 年間は特に女性と子ども、障がい者、少数民族、HIV 陽性者を対象とした活動
に焦点を当てる。
「弱くされた人と共に生きることを喜びとするワーカー」
ワーカーの人選においては、何よりも弱くされた人と共に生きることを喜びとする賜
物を大切にする。
会員1の皆様、支援者の皆様、ボランティアの皆様のご理解とご協力によって、この方針に基づ
いた活動を展開できましたことを心より感謝申し上げます。
2009 年度の特記すべき活動を以下に記します。
(1) 海外諸活動
①ワーカー派遣:
長期派遣ワーカーは 8 名であった。ネパールでは、細井さおりワーカーが受刑者の子どもたち
を引き取って共同生活をしているホームをまわり、子どもたちの心と身体のケアにあたった。楢
戸健次郎ワーカーは、西部チョウジャリ病院で妊婦健診や予防接種に来る母子への予防教育を行
う準備を進めた。
バングラデシュでは、岩本直美ワーカーがラルシュ・マイメンシン・コミュニティで、ハンデ
ィを持った人たちが行う作業に新しいメニューを導入し、ともに生活するアシスタントの養成に
力を注いだ。山内章子ワーカーはビザ発給で日本滞在が長引いたものの、マイメンシンに戻って
からは障がいを持つ人たちへの理学療法の提供とスタッフ育成を続けた。宮川ワーカーは二期目
の活動を開始した。病院の救急救命室に運び込まれる患者の多くが抱えている高血圧や糖尿病な
どの治療と予防のため、現地の医師・看護師を指導している。
カンボジアでは諏訪惠子ワーカーが、女性保護施設でカンボジア人スタッフと力を合わせて、
暴力の被害を受けた女性たちを新たな社会生活へ送り出した。タンザニアでは、清水範子ワーカ
ーが家庭菜園プログラムを開始し、村のお母さんと子どもたちの栄養改善に取り組んだ。パキス
タンでは青木盛ワーカーが、重い病気を持って生まれてきた赤ちゃんを助けるため、人工呼吸器
を導入して治療している。
12 月には、これら 8 名のワーカーがネパールに会し、12 年ぶりとなる「ワーカーリトリート会
1
会員:本報告書の中で特にことわりのない場合は、社員会員及び一般会員の皆様を指します。
-1-
議」を行った。場所は異にしながらも同じ使命を持って働く者たちがしばし持ち場を離れて集ま
り、黙して祈る。それぞれの持つ課題や喜びを共有し、再び黙して祈る。この癒しと交わりの時
は各ワーカーにとって大きな恵みとなった。彼らが各地の持ち場に戻り、共に働く人々との歩み
を更に進めていくことを願っている。
短期ワーカーの派遣は 2 名であった。宮尾陽一ワーカーは 3 度目のタンザニア派遣となり、ン
ダラ病院などで様々な外科手術を行った。島田恵子ワーカーは、知的ハンディを持つ人々とアシ
スタントたちが共に暮らす共同体であるラルシュのコミュニティ形成を助けるため、バングラデ
シュで岩本直美ワーカーに助言を行った。
②奨学金支援:
保健医療従事者の人材育成は、彼らが所属する病院や団体の保健医療サービスを充実させ、そ
の地域に住む多くの人たちの健康を守ることにつながる。しかし、人材育成に割かれる予算は十
分でない病院や団体も多い。JOCS の奨学金支援事業はこのニーズに応えるものである。研修を受
けた後に地域に戻って働く人材の選考に努め、今年はインド、インドネシア、ウガンダ、カンボ
ジア、ネパール、バングラデシュ、タンザニアの 78 名に奨学金を支給した。JOCS の奨学金で学
んだ人が、その病院・団体で指導者となって若手スタッフを育成している例も増えてきた。少し
ずつ草の根の働きが実を結んでいる。
③プロジェクト・りとる(Living together with the people:協働プロジェクト)に向けた調査
アジア・アフリカの人々や現地 NGO が主体になって行う活動に対し、JOCS が資金協力を行う
という事業形態を模索し始めた。事務局で調査を行い、バングラデシュでの「学校保健教育プロ
ジェクト」をそのパイロットモデルとして選び、準備を開始した。
(2) 国内諸活動
JOCS の活動を一般のかたに伝える上で大きな役割を果たしているのが地区 JOCS である。各地
で多くの皆さんの助けをいただき様々なイベントが催された。また、今年度は 2 年に 1 度の地区
JOCS ミーティングも行われた。広報のしかたや財政状況について話し合い、交流を持つことがで
きた。会員ツアーはバングラデシュ・マイメンシンのテゼ共同体を訪問した。地域の中で困難な
立場におかれた人々が支えあう活動にふれていただくことができた。
海外保健医療協力セミナーと勉強会は、将来のワーカーと出会うための種まきともいえる働き
である。今年度は講義形式の勉強会に加えてフィールドに出て学ぶ勉強会も開催し、学びの幅を
広げることができた。
1964 年に始まった使用済み切手運動は 45 周年を迎えた。会報誌で特集記事を組んだほか、各
地で 45 周年イベントを開催した。切手収集箱やポスターの配布も積極的に行い、1 月 23 日を「切
手の日」として 1 月 23 日の消印が押されたハガキや手紙を送ってもらうキャンペーンでは多くの
人にご協力いただいた。切手協力への参加を呼びかける紙芝居も完成し、ウェブサイトから誰で
も紙芝居を入手することが可能になった。
-2-
(3) 運営会議、事務局
4 月に開催した第 48 回社員総会では、前年度報告と今年度計画が承認された。
定例理事会、常任理事会、委員会では、
「今後 5 年間の方向性」に沿った活動を模索した。公益
社団法人としての認定を受けるため、定款の改定や規程の整備等の準備を進めている。
2010 年に JOCS は創立 50 周年を迎える。今年度はこの 50 年の歩みを様々な形で感謝し記念す
る行事を行うための準備の年でもあった。感謝記念礼拝、記念イベント、絵本の出版、記念グッ
ズの販売などが企画され、感謝の気持ちを表す時を待っている。
今年度もまた、ボランティアの皆さんが日々の私たちの活動を支えてくださいました。心より
感謝を申し上げます。この一年、私たちの歩みを祈り、支えてくださった多くの皆様に、改めて
感謝申し上げます。
≪2009 年度の主な動き≫
4月
1日 高橋淳子職員入局
24日-26日 浅草スタンプショウに出店
29日 第48回社員定期総会(日本キリスト教会館)
5月
7日-21日 川口恭子海外担当主事 ネパール、バングラデシュ出張
9日 関西事務局バザー(大阪聖パウロ教会)
9日-19日 ボランティアフォトグラファ北嶋陽子氏タンザニア訪問
10日 足利 JOCS のつどい
16日-17日 広島スタンプショウに出店
20日 エマオまつり(日本基督教団東北センター・エマオ)に出店
22日 海外保健医療勉強会(日本キリスト教会館)
31日 四国高知 JOCS ミニバザー(高知教会)
6月
5日-6日 東西事務局スタッフ合同ミーティング(軽井沢)
14日 町田 JOCS のつどい(玉川教会)
20日 神戸 JOCS のつどい(多聞教会)
20日-21日 海外保健医療協力セミナー(東京スポーツ文化館)
27日-28日 ボランティアテックミーティング(東京事務局)
30日 山内章子ワーカー、ビザ取得のため一時帰国
7月
4日 大阪 JOCS のつどい(大阪聖パウロ教会)
5日 国際協力切手まつり in 大曲(大曲ルーテル同胞教会)
12日 国際協力切手まつり in 松本(松本教会)
14日 海外保健医療勉強会(日本キリスト教会館)
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17日 国際協力切手まつり in 愛媛八幡浜(八幡浜教会・八幡浜幼稚園)
18日 関西 JOCS2009(大阪国際交流センター)
-チャリティ映画会-
25日 タンザニアスタディツアー事前勉強会(東京事務局)
26日 宮川眞一ワーカー派遣祝福式(福岡女学院教会)
8月
1日 地区 JOCS 全体ミーティング
9日 宮川眞一ワーカー派遣祝福式(甲子園教会)
9日-23日 岩本直美ワーカー 一時帰国
17日-27日 川口恭子海外担当主事 バングラデシュ出張
29日-9月7日 タンザニアスタディツアー
9月
1日 宮川眞一ワーカー バングラデシュへ第二期赴任
1日 佐々木陽子職員関西事務局入局
1日-7日 関屋スミ子氏 カンボジア出張
12日 使用済み切手運動 45 周年記念「森祐理ファミリーコンサート」(信濃町教会)
12日-13日 ボランティアテックミーティング(東京事務局)
26日 京都 JOCS チャリティコンサート(府民ホールアルティ)
26日-27日 四国高知スタンプショウに出店(高知イオン)
30日 佐々木陽子職員退職
10月
3日-4日 グローバルフェスタに出展(日比谷公園)
3日-12日 大江浩総主事 ウガンダ出張
5日 仙台 JOCS 仙台地球フェスタに出店
28日-11月18日 川口恭子海外担当主事、高橋淳子職員(-21日)バングラデシュ出張
31日 足利 JOCS バングラデシュ料理教室(足利市勤労青少年ホーム)
11月
7日 ネパールミニ勉強会(東京事務局)
21日-12月3日 島田恵子短期ワーカー バングラデシュへ派遣
22日 町田 JOCS チャリティバザーに出店
29日 仙台 JOCS サポセン 10 周年感謝祭に出店(仙台市市民活動サポートセンター)
播州 JOCS 秋の講演会(姫路野里キリスト教会)
12月
5日 足利市民クリスマス(足利市民会館別館ホール)
5日-13日 ワーカーリトリート会議(ネパール):日本から小島莊明会長、
植松功常任理事、大江浩総主事、川口恭子海外担当主事が出席
16日 厚生労働省 立入検査
18日 海外保健医療勉強会(日本キリスト教会館)
22日 関西ボランティアクリスマス会(関西事務局)
1月
-4-
12日 バングラデシュ会員ツアー準備会(東京事務局)
13日-2月21日 宮尾陽一短期ワーカー タンザニアへ派遣
16日 ネパールミニ勉強会(関西事務局)
18日 東京事務局ボランティア交流会(日本キリスト教会館)
20日 山内章子ワーカー
バングラデシュへ再赴任
20日-27日 川口恭子海外担当主事、カンボジア出張
23日 大阪 JOCS のつどい(大阪聖パウロ教会)
24日 芦屋 JOCS のつどい(芦屋聖マルコ教会)
24日-31日 バングラデシュ会員ツアー
30日-31日 ボランティアテックミーティング(東京事務局)
2月
6日 バングラデシュ勉強会(東京事務局)
6日-7日 ワンワールドフェスティバルに出展(大阪国際交流センター)
11日 東西事務局スタッフ合同ミーティング
21日 フィールド勉強会(横浜寿地区)
26日-28日 国際協力切手まつり in 山口
3月
13日-14日 ボランティアテックミーティング(東京事務局)
18日-22日 小宅泰郎理事 パキスタン出張
28日-4月9日 川口海外担当主事、森田真実子職員 インドネシア出張
2.海外諸活動
[2-1
2-1]
2-1 ネパール
[2-1-1
2-1-1]
2-1-1 楢戸健次郎ワーカー (医師)
<ワーカー 楢戸健次郎>
派遣先:HDCS(Human Development and Community Services)
シニアワーカーとして 2 年目、通算 5 年目。4 月から 6 月中旬まで日本に滞在し休暇と報告会活
動を行った。報告会の期間は 1 ヵ月余と短かったが、
全国で 30 回以上の報告をさせていただいた。
(1) HDCS での活動
夏と冬に通算で 4 ヵ月近く HDCS が運営するネパール西部ルクム郡のチョウジャリ病院を手
伝う。診療、病院運営への助言に加え、今年度は特に病院の予
防部門の充実に力点を置く。2 人の准看護師を JOCS プロジェク
ト費で雇い入れ、外来の妊婦健診、乳幼児健診で予防活動を開
始した。また今後の活動のための基礎調査、その第一段階とし
て外来者 300 人に住民が直面している保健問題についてのアン
村の学生と一緒に
-5-
ケート調査を行う。その他病院が行った過疎地での訪問診療にも参加した。
(2) JOCS 独自の活動
12 年ぶりにワーカー会議がネパールで開催された。12 月 5 日から 13 日まで 8 泊 9 日。8 人
のワーカー全員がそろい、日本からも会長、総主事、海外担当主事、植松理事が加わり有意義で、
参加者皆が「JOCS ファミリー」を強く感じたリトリートであった。その他、昨年に引き続き JOCS
奨学生応募者のネパールでのとりまとめを行った。
(3) その他
昨年度に引き続き、横須賀衣笠病院医療チームの訪問あり。HDCS が運営するラムジュン病
院で皮膚科外来を中心とした 3 日間の医療協力を行う。淀川キリスト教病院からも院長が引率す
る研修チーム 6 人がネパールを訪れ、タンセン病院、アナンダバン病院、ビル病院などを見学し
それぞれの病院が抱える問題などについて意見交換した。その他、埼玉県立大学学生チーム、下
関の梅光学院大学学生チーム、個人では薬剤師、看護学生、医学生など多数の訪問があった。こ
の中で一人でも将来ネパールに深くかかわってくれる方が現れることを願う。
[2-1-
2-1-2
2-1-2] 細井さおりワーカー (看護師)
<ワーカー 細井さおり>
派遣先:PFN(Prison Fellowship Nepal)
(1) PFN「平和を愛する子どもの家」での活動
3 つのホームで子どもたちと信頼関係を作ることに重点を置き、共に過ごし一人ひとりの置
かれている状況、個性などを少しずつ把握していった。また、職員と子どもたちの問題を共有し、
職員との関係作りを行った。
① ポカラ:6~17 歳の女の子たちの家 (1~3 週間/月)
4 人の新しい女の子たちを迎え、ホームの環境作り、学校への適応のための対応。
休日のレクリエーション(散歩、集団遊び、絵画、折り紙、編み物、読み聞かせ)
健康管理、怪我、疾病時の世話、通院付き添い
保健教育
教材提供
水問題への対応
畑、鶏小屋などの整備
スタッフカンファレンス開始
スタッフの休暇保障:ポカラはスタッフ一人で休暇を取るこ
ホームの女児と細井ワーカー
とが出来なかったが、休暇を取っていただくことを始めた
② ゴタタール:9~17 歳の男の子 12 人と 6 歳の女の子 2 人の家(カトマンズ滞在時 2 日/週)
移転後の生活環境作り、カウンセリング
生活改善
図書の貸し出し
休日のレクリエーション(散歩、集団遊び、工作、お絵描き、絵本読みきかせ、映画鑑
賞)
-6-
保健教育
平和教育
疾病時の介護、通院付き添い
スタッフミーティング
③ ラジンパット:3~4 歳の子どもたちの家(カトマンズ滞在時 2~3 日/週)
疾病時の世話、通院付き添い
休日のレクリエーション(絵画、ぬりえ、折り紙、集団遊び、読み聞かせ)
生活介助(シャワー、散髪、整理整頓、宿題)
スタッフミーティング
(2) PFN でのその他の活動
ディストリクトボランティアコーディネーター会議(チトワンにて 2 泊 3 日)への参加
[2-2
2-2]
2-2 バングラデシュ
[2-2-1
2-2-1]
2-2-1 宮川眞一ワーカー (医師)
<ワーカー 宮川眞一>
派遣先:CHC(Christian Hospital Chandraghona)
バングラデシュでは AL(アワミリーグ)が政権に返り咲き、CHC がある CHT(チッタゴン丘
陵地帯)での政策転換も公表されたが、大きな進展はない。リーマンショック以降の経済不況は、
特に農作物価格の高騰を生み、貧しい人たちの生活は、より圧迫されている。
私は 2009 年 9 月より CHC に 2 期目再赴任した。今期 1 年目は同所に於ける病院業務を主に、
一部 CHP(Community Health Project)での活動を継続した。
(1) 病院・診療業務
①
病棟業務:月~土曜の朝、現地医師と共に回診しスーパーバイズを継続、医師不足のため
単独回診を行う日も多かった。毎日帰宅前の個人回診を継続。
複雑症例のコンサルテーション及び担当。依頼を受けた超音波検査を行った。
②
外来業務:週1回木曜日のメタボリッククリニック(専門外来)を継続。状況により一般
外来も週 2 回ほど担当した。
特に専門外来では、患者数が増加したため、効率化を図るためのシステムを考案したが、
試行錯誤中である。また、糖尿病に関しては各種データを蓄積中であり、検討の後、CHP
での予防プロジェクトにつなげたいと考えている。
③
医療機器整備:1 期目に救急プロジェクトとして導入した各種機器、および専門外来用機
器のメインテナンスを行った。残念ながら整備不十分なものもあり、管理システムの再考
を行い、担当看護師による責任制とした。現在経過観察中である。
④
病棟業務:1 期目に導入した病棟システムの管理・維持、複雑症例の担当と現地医師への
スーパーバイズを継続した。
また、糖尿病入院患者が増えたため、病棟での看護師教育・システム化を継続中である。
-7-
(2) 地域保健医療 (Community Health Project : CHP)
CHP は、1Union(行政地区)で構成される CHP1 と 3Union を含む CHP2 に分類される。全て
の地区での活動が継続されている。今年度末には、新たな 2Union への展開が計画され、現在、
準備段階である。私は、医師不足により、病院業務が主となっているため、現在のところ進展状
況の情報収集のみに終わっている。
①
Basic Medical Worker(以下 BMW)
:CHP1・2(4 地区)の BMW は、各地区での通常業務
(個別訪問・医療相談・薬剤配布・統計調査・拡大予防接種計画担当など)を継続。月 1
回の月例会で報告・反省・講習を継続した。CHP2 各 BMW に RDT(マラリア迅速診断キ
ット)が配布され、初期診断・投薬などを継続。
②
Mobile Team
(以下 MT)
:職員で構成される MT が、CHP1 の 2 拠点 CHP2 の 5 拠点の Mobile
Clinic (以下 MC)での定期診療(9~15 時)を継続した。
③
啓発活動:村での啓発劇(HIV・下痢・マラリア予防と対処)の実施、小中学校・高校教
員向け医療セミナー、小中学校・高校生徒への衛生授業、公立病院での患者向け共同教育、
地域指導者向けセミナー、FGD(Focus Group Discussion:リスクグループとのセミナー)
を開催した。今年度より TBA(伝統的助産師)・呪術師を招いたセミナーも開催された。
④
統計・調査・解析:過去 3 年間の基礎統計調査・MC と BMW が診た疾患統計・水とトイ
レに関する KAP 調査(Knowledge Attitudes and Practices Survey)を終了。マラリア関係の
調査・解析を終了した。
(3) 医療廃棄物問題
委員会は開催出来ていない。1 期目に導入したシステムは自主継続され、a)病棟内分別、b)
感染性不燃物・可燃物の処理徹底、c)処理システム履行、d)焼却施設・
周囲の環境は維持されている。
(4) 教育
病棟では時間が許す限り看護学生にケーススタディーを実施、クラス
も数回担当した。看護師・医師向けには実地救急セミナー(ヘビ咬傷・
Basic Life Support)を開催した。
(5) ツアー受け入れ
NGO・個人の訪問を可能な限り受け入れた。
看護学生教育中の宮川ワーカー
[2-2-2
2-2-2]
2-2-2 山内章子ワーカー (理学療法士)
<ワーカー 山内章子>
派遣先: Mymensingh: CCH(Community Centre for the Handicapped)
その他の活動地: Kailakly: カイラクリ・クリニック
Dhaka:
デイサービス(SMSM Sisters 主催、韓国人主催)
Dinajpur: ダンジュリミッション
Rajshahi: HCH(Handicap Children’s Home)
(1) ビザ関連
現地 NGO カリタスを通して NGO ビザをもらっていたが、本年度はビザを出せないという不
-8-
測の事態が 4 月中旬に判明し、ブラザー・フランクと相談の上、急きょ宣教師ビザを取得するこ
ととなった。現活動に関係する PIME Sisters(イタリアのカトリック修道会)に手続きをお願い
した。
(2) バングラデシュでの活動
①マイメンシン
アノンドクラブ(重度身体障がいの若者のレクリエーシ
ョンを中心とした集まり)、ビューティクラブ(片麻痺
女性のグループ訓練)の 2 つを主催。
②ダンジュリミッション
訪問部門を強化中
③ダッカ
スキルアップのための講座を予定していたが、山内の
リハビリの様子
帰国のために保留になった。
④ラッシャヒ
訪問を継続するか、ファーザー・フランチェスコ、ブラザー・フランクと協議中。
(3) 一時帰国 6 月 30 日~1 月 20 日
現地への問合せの度に、ビザは数日内に発行されるという返事だったため、1、2 週間毎に
航空券の日程変更手続きを余儀なくされた。その間、研修計画が十分にたてられず、東京事務局
ベースに活動を行った。
①教会表敬訪問
任期終了後の報告会活動のお願いと共に教会や牧師を訪問し、JOCS の広報活動を行った。
②研修
前職場における情報収集と共に、単発の研修をいくつか受けた。
③JOCS 関係
JOCS の各種イベント(大阪チャリティ映画会、森祐理ファミリーコンサート、京都 JOCS
チャリティコンサート、関西事務局クリスマス)でのワーカー挨拶。
JOCS 広報用教材(切手パネル、バングラデシュ紹介紙芝居)の作成。
50 周年記念の歌「みんなで生きるために」録音。
④報告活動など
学校関係 5、教会関係 3 で報告。
グローバルフェスタ 2009 JOCS ワークショップで報告。
ハーベストタイム出演。
他、バングラデシュ委員会、JCMA 関東部会での報告。
⑤卒論・論文インタビュー
国際協力をテーマとした卒論、論文を執筆中の学生のインタビューを受けた。
⑥その他
バングラデシュスタッフへ e-mail による通信教育
(4) ネパールワーカーリトリート会議出席 12 月 5 日~13 日
現在活動中のワーカーそれぞれがしている活動を聞くことを通し、JOCS の働きを再認する機
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会を得た。
(5) 会員ツアー 1 月 24 日~31 日
岩本直美ワーカーと共に JOCS 会員のツアーにマイメンシン内をご案内した。13 名の会員の
方々が、事故や大きな病気に見舞われることなく無事に日程を過ごされ帰国なさった。
[2-2-
2-2-3
2-2-3] 岩本直美ワーカー (看護師)
<ワーカー 岩本直美>
派遣先: テゼ共同体
(1) 概要
本年度は、ラルシュ・マイメンシン・コミュニティとしての基礎作り 3 年のうちの最初の年
であった。このため組織としての構成を整えること、必要に応じた委員会の設置と開催、そして
コミュニティ生活の年間を通してのリズムを整えることなどに力を注いだ。
(2) アシスタントの養成
ラルシュについて、障がいに関する全般について、コミュニティ生活についてなどアシスタ
ント・デイワーカーたちが学ぶべきことは多く、毎週半日をフォーメーション(養成)にあてた。
また基礎学力が十分でないアシスタントたちの毎日の学習、また通信過程を通して基礎教育レベ
ルの向上を計った。現在 20 名。
(3) 家のプログラム
異なった経緯でマイメンシンに集まったコアメンバーとアシ
スタントたちは、当初は三つの家で個々に生活をしていた。最初
の頃は互いに訝しげであったメンバーたちが少しずつ心を開き、
同じコミュニティに生きる兄弟姉妹としてお互いを許し、受け容
れあう歩みへと導かれた一年であった。身体的なハンディを持つ
コアメンバーの内、4 名は新しい生活場所が与えられ、他の施設
へと移っていった。現在 20 名(約 10~30 歳)のコアメンバーが
コアメンバーと岩本ワーカー
生活している。
(4) ワークショップ
プログラム全体の年間を通しての構成作りに努めた。ハンディの重いコアメンバーが多いた
め、全体としては療育的なワークショップと言える。仕事としてはロウソク作り、ビーズ刺繍、
カード作り、絞り染めなどがあり、昨年末からは荒地をただで借り受け、畑作りを始めた。毎週
ベンガル語の歌と踊りのクラスがあり、理学療法士の指導を受けて音楽療法やゲーム療法も始め
た。コアメンバーは個々の役割があり、アシスタントがサポートするが、コアメンバーへの関わ
り方や具体的なサポートの方法などについて理解が乏しく、質を高めるためには、共にワークシ
ョップで長期で働くことの出来る外国人ボランティアが必要と考える。現在 31 名(うち 13 名は
家に暮らすコアメンバー)が通っている。
(5) デイケア
この一年のうちに、デイケア担当のアシスタントを 1 名から 6 名に増やし、ボランティアに
頼る形で運営されていた活動を、アシスタントが責任を担う形へと変えた。毎週のフォーメーシ
- 10 -
ョン(養成)とミーティングで、各コアメンバーとその家族の必要について検討し、アシスタン
トたちが的確な目標を設定できる練習を重ねた。週 5 日のデイケアと毎月の親の会は、母親たち
からも歓迎された。現在 21 名が通う。
(6) アウトリーチ
地域に暮らす知的な障がいを持つコアメンバーとその家族を、ラルシュに暮らすコアメンバ
ーたちが訪問することは、彼等の大切なミッションである。アシスタントたちも毎週土曜の午後
コアメンバーに同伴し、それぞれの担当家族を訪問した。デイケア・ワークショップに通う家族
の他、様々な事情でどのプログラムにも参加できない 6 名の知的ハンディを持つ青年男女とその
家族を継続して訪問し、コミュニティの特別なお祝いには彼等を招いた。アウトリーチは、ラル
シュに暮らすメンバーたちが、困難な現実を生きる人たちと常に近く留まるためにも大切なプロ
グラムと言える。
[2-2-4]
2-2-4] 短期派遣 島田恵子ワーカー(看護師)
派遣先:テゼ共同体
期間: 2009 年 11 月 21 日~12 月 3 日
活動:
テゼ共同体の知的ハンディを持つ人々のプログラムについての助言、及びラルシュコミ
ュニティリーダーとしての岩本直美ワーカーの活動に対しての助言を行った。
[2-3
2-3]
2-3 タンザニア
[2-3-1
2-3-1]
2-3-1 清水範子ワーカー (助産師・看護師
助産師・看護師)
看護師)
<ワーカー 清水範子>
派遣先:タボラ大司教区内医療施設
2009 年度活動を保健部門とイプリ保健センターの 2 点から報告する。
(1) 保健部門 目標:保健部門機能強化
①
スーパービジョン:4 回実施
全医療施設 10 ヵ所(病院 1 ヵ所、保健センター3 ヵ所、診療所 5 ヵ所、VCT センター1
ヵ所)を 3 ヵ月毎に訪問し、人材と保健動向のデータベースを作成した。
(VCT:Voluntary
Counceling and HIV Testing、HIV カウンセリング・検査)
ⅰ)人材データベース
各保健施設の人材状況をデータ化し、3 ヵ月毎に更新
ⅱ)保健動向データベース
各保健施設の動向をデータ化し、3 ヵ月毎に更新
ⅲ) 各県の医局長、母子保健担当者を訪問、課題のシェアと交渉
②
ヘルスボードミーティング:4 回開催
スーパービジョン後に全医療施設長たち同士を顔合わせ (2 月、6 月、8 月、11 月)
スーパービジョンのフィードバック問題・課題のシェア
③
母子保健に関するセミナー
- 11 -
タボラ州の母子保健局長にセミナー講師を依頼し、全医療施設で妊婦健診や分娩室で活動
しているスタッフを集め、合計 14 名の参加者で、10 月に 20、21、22 日で開催。
④
2008 年年間報告書の作成
2007 年版をもとに作成し、情報収集、データ収集の関連組織と依頼方法を明確にした。
⑤
政府との連携強化
ⅰ)バスケットファンドの申請手順など、全医療施設を集めて勉強会を開催
ⅱ)スーパービジョン前に、州母子保健局長から情報収集やセミナーなどの政府機関か
らの連絡事項を確認する。スーパービジョンでの不足物品に関しても、余分にある
ものを提供してもらうなど交渉した。
ⅲ)政府機関企画のセミナーに参加
⑥
タンザニアキリスト者医科連盟 (Tanzania Christian Medical Association)
日本の JCMA のタンザニアバージョンで、全国のミッション病院、保健センター、教会の
保健事務所などが参加して 3 泊 4 日の分かち合い、勉強会に参加し、保健事務所も TCMA メ
ンバーになった。
(2) イプリ保健センター
目的:妊産婦、5 歳未満児の健康向上
目標:1)栄養指導を開始し、栄養改善を目指す
2)野菜の種を渡し、自宅の台所で種を蒔き育て、栄養改善を目指す
3)健康教育を開始し、妊婦健診、5 歳未満児健診受診率の向上を目指す
対象:Reproductive and Child Health(以下 RCH)の妊婦、5 歳未満児の母親
場所:RCH クリニックとアウトリーチの 3 つの村
<栄養指導、保健指導>
カリタスの地元女性リーダーと一緒に村に行き、テーマごとに話をして頂いた。
<野菜の種の配布>
健診前後に、野菜の種の種類選択や栽培方法などを母親たちと相談した。
ムチチャの種を、雨期 2 回、乾期 1 回配布した。
<妊婦健診、5 歳未満児健診受診>
妊婦健診の受診数は増加とともに、分娩件数の増加につながったと考えている。また妊婦健診、
分娩後の 5 歳未満児の健診数も増加した。(表 1、2、3)
<表1.妊婦健診受診数>
年
2007
2008
2009
妊婦健診新受診数
258
680
874
妊婦健診再診数
527
1,801
2,325
- 12 -
<表2.5 歳未満児健診受診数>
年
2007
2008
2009
5 歳未満健診新受診数
229
634
736
2,155
3,246
8,416
5 歳未満健診再診数
<表3.分娩件数>
年
2007
2008
2009
分娩件数
130
415
490
妊婦健診をする清水ワーカー
[2-3-
2-3-2
2-3-2] 短期派遣 宮尾陽一ワーカー
宮尾陽一ワーカー (医師)
医師)
<短期ワーカー 宮尾陽一>
派遣先:タンザニア、タボラ大司教区 Ndala Hospital(ンダラ病院)
期間:2010 年 1 月 13 日~2010 年 2 月 21 日
活動:ンダラ病院のスタッフと協力して、約 50 件の手術(腹膜炎・腸閉塞・ヘルニア・甲状腺腫
瘍などの外科的手術、子宮外妊娠・帝王切開などの産婦人科手術、陰嚢水腫・前立腺肥大などの
泌尿器科手術、骨折や軟部腫瘍整形外科手術など)を行った。今回は、甲状腺手術が多かったこ
と、研修中の AMO(Assistant Medical Officer)がいたため手術手技の伝達を行ったことが特徴
であった。他に外来手術室で軽症患者の手術や経過観察を行い、病棟では術前後の患者の回診を
行った。手術患者以外の入院患者の診察も手掛けた。また、その他の医療施設への巡回も実施し
た。
[2-4
2-4]
2-4 パキスタン
[2-4-1
2-4-1]
2-4-1 青木 盛ワーカー (医師)
<ワーカー 青木 盛>
派遣先:St. Raphael’s Hospital(聖ラファエル病院)
(1) St. Raphael’s Hospital(聖ラファエル病院)での業務
① 外来
月曜から土曜、1 日 3 時間程。その他時間外の診察。
多い疾患は肺炎、気管支炎、下痢、皮膚病(疥癬など)、
脳性麻痺など。
ガラガラなどのおもちゃ、子どもの発達を診るために床
に敷くマットを用意した。
救急用の酸素ボンベ、アンビュバックを常備した。
② 小児の入院
月数名(肺炎、下痢など)
③ 新生児室
- 13 -
新生児を診る青木ワーカー
回診と病的新生児の治療にあたっている。
他院へ紹介した新生
分娩数 経膣分娩 帝王切開 児数
院内死亡し
た新生児数
2008 年
1692
853
839(49%)
16
(5)
26
人工呼吸器
を使用した
新生児数
42
2009 年
1632
809
823(50%)
18
(9)
40
24
(内、呼吸障害が原因)
人工呼吸器を使用した新生児の転帰
生存
死亡
他院紹介
IMV
N-CPAP
0
11
4
6
0
0
4
17
N-CPAP + IMV
0
3
0
3
11
13
IMV : 間歇的強制換気
0
24
N-CPAP : 経鼻持続陽圧換気
例年より新生児の院内死亡数が多かった。
死亡原因は早産児(特に在胎 28 週未満)、超低出生体重児、新生児仮死、呼吸窮迫症候
群、胎便吸引症候群、敗血症、先天異常など。
④ 近隣の診療
水曜日の午後と金曜日の午前に、病院から看護師と学生を送り、近隣の地域(クリスチ
ャンコロニー)での診療を行っていた。診療に使っていた教会が一つ借りられなくなり、
2009 年から 1 ヵ所となった。
青木は新生児室のマネージメントのため、出張診療へは同行できなくなった。
(2) プロジェクト費
人工呼吸器用のエアーコンプレッサーを購入した。その他パルスオキシメーター用のセ
ンサープローブなどを購入した。
(3) 奨学金
2009 年度の申請なし。
[2-5
2-5]
2-5 カンボジア
[2-5-1
2-5-1]
2-5-1 諏訪惠子ワーカー (看護師)
<ワーカー 諏訪惠子>
派遣先: RENACER, Walk with Women
任期 3 年の 2 年めは、昨年度に引き続き、カトリック礼拝会が中心となって設立したカンボジ
ア政府登録 NGO「RENACER, Walk with Women」
(日本法人は「NPO 法人 レナセール・女性と
ともに歩む会」)(RENACER はスペイン語で「生まれ変わる」の意)がプノンペンで運営する女
性シェルター(一時保護施設)の活動に参加した。今年度は 3 月にレナセールの代表からシェル
タースタッフの“まとめ役”という職務の依頼を受け、JOCS 事務局側と協議の結果、4 月からはシ
ェルタースタッフ活動に加えてシェルタースタッフ全体の管理活動も実施した。また、9 月初め
に看護学生時代の恩師で現役の看護師である関屋スミ子氏をカンボジアに招聘し、諏訪のシェル
- 14 -
ター活動に対する評価と助言を受け、管理活動のあり方を調整して取り組んだ。更に 2010 年 1 月
下旬、川口海外担当主事がカンボジアを訪問し、レナセール・カンボジアの現状視察、諏訪と 2
者協議、レナセールの代表と諏訪との 3 者協議を行い、諏訪の活動のこれまでと残りの任期 1 年
間の課題を検討した。
今年度、シェルターで対応した総件数、児同伴件数、入所者内訳は以下の表1で、現地スタッ
フと共に入所者に対する日常生活支援(傷病時のケア、健康教育、精神的な問題に対する対応な
ど)や自立に対する支援(他団体との連携による女性の職業訓練や同伴児の就学の提供、就職先
や収入源、住居に対する相談)などの活動を展開した。これらを通して、スタッフ全員で入所者
が新たな社会生活へと歩み出したという喜びを得ることもあったが、なかなか解決の道を見出せ
ないケースも多く、支援のあり方の難しさも痛感した。スタッフのまとめ役として取り組んだス
タッフミーティングの定例化推進や活動スケジュールの管理、スタ
ッフへの保健教育、活動日誌の充実、スタッフ間の連携促進、シェ
ルターと事務所の情報共有の強化、スタッフ一人ひとりの個性に沿
った能力向上に対するサポートでは、それぞれが前進・向上したと
考える。このようにして、レナセール女性シェルターの機能は強化
され、行き場を失った女性や母子の緊急一時保護施設として、しっ
シェルターの女性と子どもたち
かりと確立してきた。
表1.2009 年度(2008 年 4 月~2010 年1月末)のシェルターで対応した入所者の結果
総件数(昨年度からの在所者も含む)
28 件
児同伴件数
19 件
入所者総数(同伴児も含む)
64 人
年齢層別入所者数
18 歳以上
: 25 人
15 歳以上 18 歳未満
: 2人
6 歳以上 15 歳未満
: 15 人
3 歳以上 6 歳未満
: 8人
3 歳未満
: 14 人
入所の主な理由
DV、レイプ、性的暴力・搾取、貧困母
子家庭、児童就労
[2-6
2-6]
2-6 研修生・奨学金支援
2009 年度に支援した奨学生は、インドネシア 24 名、ネパール 15 名、カンボジア 2 名、バング
ラデシュ 1 名、インド 5 名、ウガンダ 21 名、タンザニア 10 名の合計 78 名である。詳細は 2009
年度研修生一覧(16~20
ページ)参照。
年度研修生一覧
- 15 -
- 16 -
- 17 -
- 18 -
- 19 -
- 20 -
[2-7
2-7]災害救援復興支援
2-7 災害救援復興支援
[2-7-1
2-7-1]バングラデシュ
2-7-1 バングラデシュ
2009 年 5 月 25 日、バングラデシュの南西海岸部をサイクロン「アイラ」が直撃し、大きな被
害をもたらした。JOCS は緊急支援金として、現地 NGO2 団体(Uttaran、Shed Board)へ各
3,000 ドル、計 6,000 ドルを送金した。
両団体ではそれを受けて、以下のような緊急の食糧および医療品援助を実施した。
Uttaran では、2,300 世帯に対し、干米や黒砂糖、ビスケット、ORS(経口補液用パケット)、
水浄化剤を配布した。
Shed Board では、260 世帯に対し、米やじゃがいも、塩、食用油などの他、ORS(経口補液
用パケット)を配布した。
両団体とも、貧しい人や土地のない人、母子家庭、障がい者、高齢者など弱い立場におかれて
いる人々への援助を重点的に行った。
[2-7-2
2-7-2]インドネシア
2-7-2 インドネシア
2009 年 9 月 30 日、インドネシアの西スマトラ島で大地震が発生し、大きな被害をもたらした。
ICAHS(インドネシア・キリスト者保健サービス協会)からの救援依頼にこたえて、JOCS では
1,000 ドルの見舞金を送金した。
3.国内諸活動
[3-1
3-1]
3-1 国内活動全般
(1) 会員増強のための取り組み
会費 1 年以上未納者への働きかけ
2009 年 9 月より、会費を 1 年以上納めていない方にタンザニアの清水範子ワーカーからメッ
セージと共に払込用紙を送る取り組みを行っている。来年度も、清水ワーカーの帰国まで継
続する予定。
コンビニエンス・ストアでの会費支払
従来の郵便局と銀行に加え、2009 年度からコンビニエンス・ストアでも会費納入ができるよ
うにした。これにより、会費納入率が向上した。
クレジットカードでの入会・寄付
2009 年 4 月より、JOCS ホームページでクレジットカード決済での入会・寄付ができるように
した。4 月以降ホームページ上で入会した 16 名のうち、クレジットカードで会費を支払った
のは 9 名。また、4 月以降のクレジットカードによる寄付は 23 件。導入初年度であるため、
件数はまだ多くはないが、今後活用方法や広報を工夫しながら継続することにより、クレジ
ットカード決済による入会・寄付が増えることが期待される。
- 21 -
JOCS メールニュース
第 77 号から 88 号まで発行、参加者は 338 名となった。
(2) ワーカー活動報告会
楢戸健次郎ワーカーが 3 月から 6 月まで一時帰国し、その間 5 月 7 日から 6 月 9 日までの 34
日間で計 30 回の報告会を行った。主に学校を訪問し、ネパールの人々の生活や活動地であるチ
ョウジャリ病院の様子について報告した。
(3) 地区 JOCS 活動(仙台・足利・町田・京都・大阪・神戸・芦屋・播州・岡山・四国高知)
2009 年度中に開催された地区 JOCS イベントは以下のとおり。必要に応じて委員、理事、事
務局が参加して支援を行った。また、2009 年 8 月 1 日に関西事務局で第 6 回地区 JOCS 全体ミ
ーティングを開催した。
2009 年
5 月 10 日
足利 JOCS のつどい(足利市勤労青少年ホーム)
・楢戸健次郎ワーカー報告会
5 月 30 日
京都 JOCS・JCMA 京都部会共催(京大会館)
・楢戸健次郎ワーカー報告会
5 月 30 日
仙台 JOCS-エマオまつり(日本基督教団東北センター・エマオ)に出店
5 月 31 日
四国高知 JOCS のつどい(高知教会)・宮尾陽一タンザニア短期ワーカー報告会
6 月 14 日
町田 JOCS・玉川教会共催(玉川教会)・宮尾陽一タンザニア短期ワーカー報告会
6 月 20 日
神戸 JOCS のつどい(多聞教会)・宮尾陽一タンザニア短期ワーカー報告会
7月 4日
大阪 JOCS のつどい(大阪聖パウロ教会)・宮尾陽一タンザニア短期ワーカー
報告会
7月 5日
大曲 JOCS-国際協力切手まつり(大曲ルーテル同胞教会)
9 月 26 日
京都 JOCS-チャリティコンサート(京都府民ホールアルティ)
9 月 26~27 日 四国高知 JOCS・高知スタンプショウに出店
10 月 5 日
仙台 JOCS-仙台地球フェスタに出店(仙台国際センター)
10 月 31 日
足利 JOCS-バングラデシュ料理教室(足利市勤労青少年ホーム)
11 月 22 日
町田 JOCS-チャリティバザーに出店(町田カトリック教会)
11 月 29 日
仙台 JOCS-サポセン 10 周年感謝祭に出店(仙台市市民活動サポートセンター)
播州 JOCS・姫路野里キリスト教会共催 秋の講演会
12 月 5 日
細井順医師
足利 JOCS・足利 YMCA 共催-市民クリスマス(足利市民会館)
2010 年
1 月 23 日
大阪 JOCS のつどい(大阪聖パウロ教会)-北川恵以子医師講演会
1 月 24 日
芦屋 JOCS のつどい(芦屋聖マルコ教会)-北川恵以子医師講演会
(4) バングラデシュ会員ツアー
日時:2010 年 1 月 24 日(日)~31 日(日)
訪問地:バングラデシュ・マイメンシン、ダッカ
参加者:13 名(女性 10 名、男性 3 名)
引率:植松 功(常任理事)、小池宏美(事務局担当)
内容:岩本直美ワーカー、山内章子ワーカーの活動地を訪ねるツアーを開催した。岩本ワーカ
ーがコミュニティリーダーを務めるラルシュの家で、知的障がいを持つコアメンバーや
アシスタントと食事を共にし、月に一度開催されるラルシュコミュニティミーティング
- 22 -
と「喜びの光」に参加して交流を行った。またテゼ共同体の運営する障がい者センター
を訪問して山内章子ワーカーの活動を見学した。小グループに分かれての家庭訪問も行
い、活動が地域に根差している様子を見ることができた。テゼ共同体のお御堂で静かな
祈りの時を持つことができたことも、参加者にとって大きな恵みであった。
[3-2
3-2]
3-2 ワーカー育成プログラム
(1) 海外保健医療協力セミナー
日程:
2009 年 6 月 20 日(土)12 時~21 日(日)14 時
場所:
東京スポーツ文化館(東京都江東区夢の島)
テーマ:
地域保健医療の現場から学ぶ-共に生きるとは-
講師:
宮川眞一ワーカー(JOCS バングラデシュ派遣ワーカー、医師)
チャプレン: 土井直彦氏(日本キリスト教団教務教師、清教学園教諭)
サブ講師:
川口恭子(JOCS 海外担当主事)
スタッフ:
大江 浩(総主事)
、小池宏美・高橋淳子(担当)
参加費:
社会人 11,000 円、学生 9,000 円 (JOCS 会員は 1,000 円割引)
参加者:
4 名(女性 3 名、男性 1 名)+ワークショップには事務局から 3 名(女性)が参加。
学生 1 名(看護 1 名)、社会人 3 名(保健師 1 名、医師 2 名)
会員 2 名、会員以外 2 名
内容:
①アイスブレーキング(無言でじゃんけん、手をつないで立ち上がる)
②宮川眞一ワーカー講演
③ワークショップ「健康教育の実践」
④ワークショップ発表
⑤報告:タンザニアにおける JOCS の活動を通して
⑥祈りの時間
(2) 海外保健医療勉強会
今年度は勉強会を 4 回開催した。うち 2 回は帰国中のワーカーを講師に、1 回は外部講師を
招いて開催した。また 1 回はフィールドでの一日勉強会として横浜寿地区で開催した。勉強の機
会の提供のみならず、参加者同士の交流の場ともなり、また、参加者に JOCS とのつながりを持
ち続けてもらう場ともなった。
第1回
日
時:2009 年 5 月 22 日(金)18:30~20:30
場
所:日本キリスト教会館 4 階 A 会議室
題
名:日本の家庭医、ネパールの MDGP(家庭医)
講
師:楢戸健次郎ワーカー
参加者:合計 9 名【看護師 5 名、医師 1 名、作業療法士 1 名、学生 1 名、不明 1 名】、
【女性 9
名】
内
容: ネパールでの活動報告や、自身の北海道での家庭医としての活動について語った。そ
- 23 -
の後、参加者からの質疑に応じる形で会が進められ、日本における家庭医の役割、ネ
パールの医療事情、医療援助を行う際に求められるもの、などについての質疑応答が
なされた。
第2回
日
時:2009 年 7 月 14 日(金)18:30~20:30
場
所:日本キリスト教会館 4 階 A 会議室
題
名:タンザニアの母子保健活動から考えていること、分かち合いたいこと
講
師:清水範子ワーカー
参加者:合計 20 名【助産師 7 名、看護師 4 名、医師 2 名、学生 2 名、大学教員・公務員・JICA
職員・元ワーカー各 1 名、不明 1 名】、【女性 14 名、男性 6 名】
内
容:活動場所であるタボラ大司教区保健部門の概要や組織形態、保健施設内の外来患者内訳
や医療者内訳などのデータを説明しながら、自身のタンザニアでの母子保健活動につ
いて報告し、質疑応答が行われた。また、
「新しい命のために亡くなってしまう命があ
る」という現実について、参加者との意見交換がなされた。
第3回
日
時:2009 年 12 月 18 日(金)18:30~20:30
場
所:日本キリスト教会館 4 階 A 会議室
題
名:HIV/エイズと向き合うこと、寄りそうこと
講
師:佐藤 光氏
参加者:合計 19 名【看護師 7 名、会社員 3 名、学生 3 名、青年海外協力隊候補生 2 名、作業療
法士・病院事務・介護員各 1 名、不明 1 名】、
【女性 16 名、男性 3 名】
内
容:日本の薬害エイズの問題の背景や原因、世界各国の抗 HIV 薬の価格の変遷について、
自身の経験や医師という立場から話した。また、名古屋で関わったエイズ検査と診療
の現状、ケニア・ナイロビでの医療キャンプの様子、そこでの HIV 陽性者との交わり
などについて話した。そしてそれらを通して、自身が考える HIV 陽性患者との接し方
を語った。
第4回
フィールド勉強会
日
時:2010 年 2 月 21 日(日)10 時~17 時
場
所:日本基督教団神奈川教区寿地区センター 他
参加者:合計 10 名【看護師 4 名、医師・栄養士・グラフィックデザイナー各 1 名、無職・その
他 3 名】、【女性 9 名、男性 1 名】
内
容:寿地区センターと同じビルにある「なか伝道所」の礼拝に出席後、同伝道所の渡辺英俊
牧師に寿地区の歴史や概要、活動内容、地区センターの取り組みについてお話いただ
いた。その後、医療班の活動を見学し、血圧測定などを実施した。また地区内の診療
所や簡易宿泊所などを見学した。最後に分かち合いの時をもち、学びを共有した。
- 24 -
(3) スタディツアー
期間:
2009 年 8 月 29 日(土)~9 月 7 日(月)(10 日間)
訪問地:タンザニア タボラ大司教区
参加者:7 名【看護師 2 名、助産師 1 名、栄養士 1 名、国際助産学学生 1 名、看護学生 2 名】、
【女性 6 名、男性 1 名】
引率:
山下諭子(事務局職員)
内容:
清水範子ワーカー(助産師)の活動地であるタボラ大司教区を訪問した。同大司教区
が管轄する病院・保健センター・診療所・アウトリーチ活動のほか、政府系の病院や
国連開発計画のプロジェクトなどを見学した。様々な保健医療協力の現場を見て現地
の実情を学び、互いに話し合いを通じて国際協力に関する考えを深めた。また、タボ
ラや首都ダルエスサラームの街を見学し、現地と日本の生活を比較することで、多く
の気づきを得た。
[3-3
3-3]
3-3 広報
(1) 「みんなで生きる」
2009 年度は 7 回発行。 9,100 部/月
A4 版 16 または 20 ページで編集し、会員、一般へ送付した。
隔月発行とし、10・11 月号と 12・1 月号の間に子ども号を発行した。
原則として 16 ページでの編集とし、情報量にあわせて 20 ページでの編集と、柔軟に対応し
た。
今年度も読者アンケートを参考にしつつ、その都度レイアウトの微調整を行った。
昨年に引き続き、
「子ども号」の表・裏表紙をカラー印刷とした。中は今まで通り、2 色刷り。
特集は、
「平和・健康・いのちを考える」というテーマで、パキスタンの青木盛ワーカー、タ
ンザニアの清水範子ワーカーに文章を書いてもらい、他のワーカーにも同じテーマで「ワー
カーからの手紙」に原稿をいただいた。
12・1 月号の表紙に、細井ワーカーの夫君(護氏)がデザインしたネパールの子どもたちの絵
を使用した。原本がカラーなので、それを活かすために今回は表裏面をカラー印刷とした。
「みんなで生きる」の特集は、
4・5 月号…… JOCS と災害支援―ミャンマー・中国災害支援を振り返って―、タンザニア
での活動から
6・7 月号…… JOCS 社員総会報告・募金報告
8・9 月号…… 第 1 期バングラデシュでの活動を終えて・・・宮川眞一ワーカーインタビュー
10・11 月号…. 使用済み切手運動 45 周年記念
12・1 月号...... メリークリスマス ワーカーからのクリスマスメッセージ
2・3 月号........ タンザニアスタディツアー報告
とした。毎月の掲載としては、小島会長の巻頭言、恭子ディディの視点から、JOCS と私(理
事・監事)
、切手部通信、Kids JOCS、ときのことば、総主事デスクから、であった。
また、6・7 月号より、「教えて!ドクター 感染症のはなし」を連載している。
- 25 -
(2) ホームページ
2008 年末から始めたホームページのデザインリニューアルに引き続いて、募金のお願いのペ
ージを増設した。今までホームページ上から積極的に募金お願いなどの項目がなかったことと合
わせ、オンラインで募金が出来るシステムを導入するためであった。
オンライン募金は 4 月から稼働し、少しずつ募金者が増えている。
(3) 視聴覚資料(ビデオ、DVD、写真パネル)
2009 年 11 月に貸出料を見直し、これまでビデオ、DVD1 本、又は写真パネル 10 枚 1 セット
が 1,000 円だったものを 500 円に変更した。
「使用済み切手でアジアに医療協力を」に関しては、
JOCS ホームページからもダウンロードできるようにし、貸出も無料とした。
2009 年度の貸出資料一覧と貸出状況は以下の通りである。
アジアの呼び声に応えて
1件
エイズと向き合う
3件
クメールの人々とともに
1件
使用済み切手でアジアに医療協力を
6 件 (うち 1 件は贈呈)
日本のお友だちへ
1件
はるかなるネパールの村へ
3件
オカルドゥンガ診療所にて
0件
世界の屋根のヒゲ・ドクター
0件
ノーレンの目が見えた
0件
ヒマラヤの結核キャラバン
0件
写真パネル
2件
(4) 出版物、マスコミなどへの掲載(付録参照)
2009 年 4 月 1 日発行:教師の友 2009 年 4、5、6 月号
2009 年 5 月発行:日本バプテスト同盟「JB」第 206 号
2009 年 7 月 12 日発行:カトリック新聞 第 4011 号
2009 年 7 月 22 日発行:愛媛新聞
2009 年 8 月発行:仙台市市民活動サポートセンター通信「ぱれっと」
2009 年 9 月 1 日発行:月刊「新医療」 No.417
2009 年 9 月 1 日発行:NCC 教育部ネットワークニュース No.28
2009 年 9 月 29 日発行:福岡女学院教会発行「かしら石」第 54 号
2009 年 11 月 1 日発行:熊本 YMCA NEWS
2009 年 11 月 14 日発行:キリスト新聞 第 3119 号
2009 年 12 月 14 日発行:週刊 医学界新聞 第 2859 号
2009 年 12 月 25 日発行:キリスト新聞 第 3124 号
2010 年 2 月 10 日発行:体験派医療人マガジン「ラティス」
2010 年 2 月 13 日発行:日本基督教団「教団新報」 第 4692 号
2010 年 3 月 15 日発行:水戸市社会福祉協議会広報誌「みんなのしあわせ」 第 140 号
2010 年 3 月 26 日発行:毎日新聞「ひと」
- 26 -
[3-4
3-4]
3-4 募金
今年度の募金協力件数は以下のとおり。心からの感謝をもって報告する。
協力率
13.9%
33.4%
-
寄付金総額
1,901 万円
6,053 万円
1,244 万円
9,198 万円
夏期募金送付先
会員
寄付協力者
教会、学校、幼稚園、友の会、その他団体
依頼書発送数
4,508 通
9,523 通
7,198 通
協力数
687 件
2,055 件
207 件
年末募金送付先
会員
寄付協力者
教会、学校、幼稚園、友の会、その他団体
依頼書発送数
4,735 通
9,911 通
7,246 通
協力数
1,674 件
4,209 件
1,437 件
夏期募金
年末募金
その他の募金
総計
依頼数
21,229 件
21,892 件
-
協力数
2,949 件
7,320 件
-
今年度も夏期募金は「みんなで生きる」6・7 月号に募金趣意書、払込用紙を封入する方法をと
った。また年末募金は会長からの募金依頼状や活動について説明した募金趣意書と払込用紙を社
員、会員、寄付や未使用切手で協力をいただいている方々、また教会や社会福祉協議会などに例
年通り発送したのに加え、4~5 年に1回実施している試みとして切手協力者にも発送した。今年
度はホームページよりクレジットカードで募金ができるシステムが導入され、年間で 23 件の利用
があった。
募金目標額 1 億円には達しなかったが、多くの方々からお心のこもったご協力をいただいた。
[3-5
3-5]
3-5 使用済み切手運動
今年度の切手受託累計と本会計繰入額は、昨年度と比較し以下の通りである。
使用済み切手受託件数
〃
受託量(Kg)
〃
本会計繰入額
2008 年度
2009 年度
19,963 件
17,162 件
16,606Kg
17,240Kg
2,000 万円
1,600 万円
切手不足により換金に供するキロボックスの在庫不足が本格化したため、2009 年 1 月より寄付
基準額は据え置いて重量のみを 2 キロ減の 7.5 キロに改定した。当初は在庫不足が解消出来たが、
実質的な値上げの影響もあり業者の換金が減少したため、在庫不足は一時的だが減少した。切手
の協力状況は、この 3 年間は 15 トン~16 トンを推移し、ほぼ横ばい状態が続いている。
切手タスク:山中 信職員(委員長)、渋江理香職員、山下諭子職員、森田真実子職員
2009 年度は、切手運動 45 周年の年であり「切手運動 45 周年記念」と銘打ち、以下のとおり各
地でイベントを行った。
- 27 -
(1) 9 月 12 日(土) 日本キリスト教団信濃町教会
使用済み切手運動 45 周年記念「森祐理ファミリーコンサート」
東京事務局スタッフとボランティアで当日運営された。
(2) 7 月 12 日(日) 日本キリスト教団松本教会
国際切手まつり in 松本:切手のお話、JOCS の紹介、青木ワーカーの活
動紹介など。小島会長と山下職員が行った。チ
ャイとカレーのサービスもあった。
(3) 7 月 17 日(金) 日本キリスト教団八幡浜教会と八幡浜幼稚園
国際切手まつり in 愛媛八幡浜:切手まつり、
JOCS 活動紹介、チャイのサービス、手工芸品
販売など。渋江職員が行った。
(4) 2010 年 2 月 26 日~28 日 山口県防府市アスピラート
八幡浜幼稚園にて
「国際協力切手まつり」in 山口:パネルやビデオ、元ワーカーでもある
川口恭子海外担当主事による講演会、バングラデシュのカレーを食べ語
り合う会&野島こども合宿参加者の集いなど。渋江職員が行った。
[3-
3-6
3-6] 関西事務局バザー
5 月 9 日(土)に第 15 回関西事務局バザーを大阪聖パウロ教会にて開催した。15 回目を記念し
て、
「使用済み切手を持って、バザーに行こか!」をキャッチフレーズにチラシを作成した。今年
度もボランティアの方々のご協力で物品販売の他、福引では特に豪華な景品を用意するなど、楽
しいイベントを企画した。使用済み切手は当日約 25 キロ集まり、入場者数は約 370 名、純利益は
140 万円程となった。
[3-7
3-7]
3-7 講師派遣プログラム
JOCS の活動や使用済み切手運動の紹介のため、依頼に応じて事務局内外から講師を派遣してい
る。今年度は以下の諸団体(47 ヵ所延べ 51 回)に派遣した。
同志社高等学校、同志社中学校、京都大学 YMCA、捜真女学校、白百合学園中学校、玉川教会、
関東学院六浦中学校、関東学院六浦高校、聖学院高校、横浜聖クリストファー教会、大阪女学院
大学、明治学院東村山中学校、明治学院東村山高校、関西学院大学神学部、秋田桜教会、大曲ル
ーテル同胞教会、桃山学院大学、関西 NGO 協議会、ルーテル学院大学、市川三本松教会、桜美林
中学校、豊沢教会、大阪聖和教会教会学校、熊本 YMCA フィランソロピー協会、谷村教会、清教
学園、青山学院初等部、足利 JOCS、京都 YMCA、堺川尻教会、都立葛西南高校、千葉 YMCA、
出町教会、日本キリスト教団中部教区富山地区呉西伝道圏、フェリス女学院、桃山学院大学、恵
泉女学園中学高等学校、川崎 YMCA、同仁みどり幼稚園、土浦めぐみ教会マナ愛児園、浦和母の
会幼稚園、秋田県国際交流をすすめる女性の会、相愛教会、日本 YMCA 同盟、社会貢献国際協力
入門講座、神村学園高等部看護学科専門課程、横浜 YMCA 学院専門学校作業療法科
- 28 -
[3-8
3-8]
3-8 事務局見学受入
使用済み切手がどのように活用されているのか、JOCS はアジア・アフリカでどのような活動を
行っているのかを学ぶ機会を提供するため、中学生・高校生のグループをはじめとする団体の事
務局訪問の受け入れを行っている。今年度は以下の諸団体(東京:12 団体 65 名、関西:3 団体
21 名)を受け入れた。
<東京事務局>
青山学院初等部(東京)、仙台市立中山中学校(宮城)、楢戸ワーカー同窓生有志(東京)、名古屋
市立宝神中学校(愛知)、いなべ市立藤原中学校(三重)、田園調布雙葉中学校(東京)、東京カト
リック神学院(東京)、香蘭女学校バザー委員(東京)、新庄市立新庄中学校(山形)、慶応大学
YMCA(東京)
、国際基督教大学教養学部学生(東京)、CLA 青年部会(東京)
<関西事務局>
ECC 社会貢献センター(大阪)
、プール学院大学(大阪)
、神戸松蔭女子学院大学(兵庫)
[3-9
3-9]
3-9 50 周年記念事業タスク
2010 年に創立 50 周年を迎えるにあたり、今後の活動につながるプログラムとして次のような
企画をたて、準備を進めた。
(1) 感謝礼拝:2010 年 9 月 23 日(木・祝)に開催。バングラデシュ・テゼ共同体のブラザー・
フランクを奨励者に迎える。
(2) リトリート:2010 年 10 月 9 日(土)10:00~15:30 を予定。
(3) 地区 JOCS 企画によるイベント:各地区 JOCS が、特色を活かした 50 周年記念イベント
を開催する。
(4) 記念スタディツアー:教会牧師や学校教師などを主たる対象にしたツアー(2011 年度実
施予定)。
(5) 50 周年記念映画祭:JOCS の原点である戦争をテーマにした映画の上映(2011 年度実施予
定)。
(6) JOCS 紹介 DVD:JOCS 支援者獲得、拡大のための活動紹介映像を DVD にする。
(7) 出版:子ども向け絵本「1 ルピーの贈り物」を出版する。
(8) 「みんなで生きる」表紙展:会報「みんなで生きる」に使用された写真をパネルにし、各
地で展示ができるようにする。
(9) 記念の歌:和田浩氏(関西地区活動委員)の作詞作曲による「みんなで生きるために」が
完成し、CD を作成した。理事会や職員会議で歌を練習した。感謝記念礼拝でも歌う予定。
(10) 50 周年記念グッズ:T シャツとバッグを制作した。細井護氏によるデザインで、ネパー
ルで製作している。2010 年度より頒布を開始する。
[3-10
3-10]
3-10 ネットワーク活動
現在、
「国際協力 NGO センター(JANIC)」
「関西 NGO 協議会」
「障害分野 NGO 連絡会(JANNET)」
「カンボジア市民フォーラム」に加入している。関西 NGO 協議会では理事団体に選出され、運営
に携わった。カンボジア市民フォーラムにおいては、世話人として 8 回のセミナー、1 回の国際
シンポジウムの運営に協力し、JANNET においては、各種報告会、勉強会への参加、ニュースレ
- 29 -
ター執筆などの協力を行った。
4.運営会議
[4-1
4-1]
4-1 第 48 回社員定期総会
2009 年 4 月 29 日(水・祝日)午後 1 時半より、東京都新宿区の日本キリスト教会館にて、61
名の社員の出席と 293 通の委任状をもって開催した。議事に先立ち、カトリック小金井教会主任
司祭、山本量太郎神父より「百倍の実を」と題して奨励をいただいた。議事は 2008 年度事業報告
及び決算報告の承認、2009 年度事業計画及び予算案の承認がなされた。
議案審議の終了後、公益法人制度改革に向けて、総主事から今後の動きについて説明がなされ
た。バングラデシュでの第一期活動を終え、第二期の準備中の宮川眞一ワーカーより挨拶と活動
報告がなされた。その後、楢戸健次郎ネパールワーカー、青木盛パキスタンワーカー、タンザニ
アへ短期派遣された宮尾陽一ワーカーより挨拶がなされた。新職員 2 名の紹介ののち、閉会祈祷
をもって会を終了した。
[4-2
4-2]
4-2 理事会
今年度の定例理事会及び常任理事会は以下の日程で開催された。
2009 年
2010 年
4 月 29 日
常任理事会(東京事務局)
5 月 23 日
常任理事会(東京事務局)
6 月 27 日
常任理事会(東京事務局)
6 月 27 日
定例理事会(日本キリスト教会館)
7 月 25 日
常任理事会(東京事務局)
9 月 19 日
常任理事会(関西事務局)
9 月 19 日
定例理事会(大阪聖パウロ教会)
10 月 24 日
常任理事会(東京事務局)
11 月 21 日
常任理事会(東京事務局)
12 月 19 日
常任理事会(東京事務局)
12 月 19 日
定例理事会(早稲田奉仕園)
1 月 16 日
常任理事会(関西事務局)
2 月 13 日
常任理事会(東京事務局)
3 月 13 日
常任理事会(東京事務局)
3 月 13 日
定例理事会(早稲田奉仕園)
尚、今年度の理事ならびに監事は次のとおり。(敬称略)
小島莊明(会長)
畑野研太郎(常務理事)
大江 浩(総主事)
石井光子(常任理事)
植松 功(常任理事)
大友 宣(常任理事)
島田 恒(常任理事)
中嶌裕一(常任理事)
仁科晴弘(常任理事)
- 30 -
石川信克(理事)
石田 裕(理事)
内坂 徹(理事)
宇山 進(理事)
小澤英輔(理事)
小宅泰郎(理事)
影山隆之(理事)
川口恭子(理事・海外担当主事)
佐藤 光(理事)
高梨愛子(理事)
高橋 一(理事)
武田伸二(理事)
田代順子(理事)
原島 博(理事)
榛木恵子(理事)
柳澤理子(理事)
関根義夫(監事)
辻本嘉助(監事)
[4-3
4-3]
4-3 委員会
<関西地区活動委員会>
委員長:船戸正久
委員:大谷 透、小野勝正、彼谷廣子、加輪上敏彦、酒井照子、島田 恒、高谷泰市、
畑野めぐみ、船戸正久、和田 浩
(1) 委員会は 2 ヵ月に一度関西事務局で、2009 年度は 6 月 1 日、7 月 6 日、9 月 14 日、11 月
9 日、2010 年 1 月 18 日、3 月 8 日に開催した。委員会の出席者は、大谷透、小野勝正、
彼谷廣子、加輪上敏彦、酒井照子、島田恒、高谷泰市、畑野めぐみ、船戸正久、和田浩の
各氏と関西在住の法人理事(宇山進、榛木恵子、辻本嘉助)で、事務局の渋江理香、久家
郁子、中村愛を加え、平均出席人数は 10 名であった。
(2) 毎回委員会では、関西基金運用状況の確認、各地区 JOCS の活動報告、募金報告、バザー、
関西 JOCS の集いに関する協議・反省などを行なった。
(3) 特に JOCS50 周年のイベントについて協議した。和田委員に JOCS のテーマソング「みん
なで生きるために」の作詞作曲をしてもらい、50 周年記念事業で用いられることとなっ
た。
(4) 恒例の関西 JOCS バザーは 2009 年 5 月 9 日(土)に大阪聖パウロ教会を借用して開催、
昨年同様ボランティアの方々のよき協力のおかげで、入場者は約 350 名。純益 1,463,013
円の内 10 万円を次回バザーの準備金とし、残りを本部会計へ送金した。
(5) 関西 JOCS の集いは、「関西 JOCS2009 チャリティ映画会」と銘打ち、今回初めて映画会
を行った。東京のチャリティ映画会で上映された中国映画「變臉(へんめん)」を大阪国
際交流センターの小ホールにて上映した。収益 12,775 円を JOCS に寄付した。
(6) 今年度特記すべきことは、新公益法人の認定申請に向け、関西 JOCS 基金を公益目的事業
に積極的に使っていくため、6,000 万円(国債)を「海外保健医療協力資金」へ移行する
ことである。残金の普通預金の分は、関西事務局の賃借料の支払いを含め、関西地区の活
動のために支出していくこととした。
<研修生・奨学金委員会>
委員長:柳澤理子
委員:小宅泰郎、加輪上敏彦、高梨愛子、長尾真理、細谷たき子、宮城航一
- 31 -
(1) 2009 年度奨学金選考結果
対象国
インド
インドネシア
カンボジア
ネパール
バングラデシュ
ウガンダ
タンザニア
合計
2009 年度後期
2010 年度前期
希望者数
支給決定者数
希望者数
支給決定者数
3
3
6
8
10
30
3
2
3
4
4
16
2
3
11
5
24
6
51
0
3
4
5
8
2
22
支給決定
者合計
3
5
7
5
12
6
38
(2) 過去5年間の奨学生数と給付額の推移
(3) その他
2009 年度予算 1000 万円のうち 8,078,515 円は、前年度までに採用された奨学生への継続支給
(修学が複数年に渡るため)であった。従って、2009 年度の新規決定額は 1,921,485 円であった。
2009 年 10 月にウガンダ、2010 年 3 月にインドネシアで、それぞれ奨学生のフォローアップ(関
連団体の訪問、元奨学生との面談)を行い、奨学金の適正使用や研修の効果について検証した。
2006 年度頃から引き続き、応募数が承認数を超過している状態である。アジア各国は元より、
ウガンダとタンザニアからの申請が特に増加している。この背景には、JOCS 奨学金の存在が知
られるようになったこと、近年ワーカーが多くなるにつれて対象国や団体が増加したこと、フ
ォローアップの際に現地の関連団体と直接協議したことにより、奨学金制度についての理解が
進んだことなどがあると考えられる。
従来は、すでに研修が始まっている学生に対する学費の遡及的支給は原則として認められて
いなかったが、2010 年度前期に支給を開始する奨学生の選考(2010 年 2 月)から、このルール
を一部変更し、すでに研修が始まっている学生でも、研修開始 1 年以内であればその分の学費
- 32 -
を支給できるようにした。国やコースによって研修の開始時期が異なり、JOCS 奨学金の募集の
タイミングと合わないという意見が、各国の関連団体から寄せられたためである。
奨学金の適正規模・段階的支援・支給額の妥当性については、今後継続して検討していく。
<広報委員会>
委員長:宇山 進
委員:北嶋陽子、西谷誠子、畑野めぐみ、渡辺玲子
2 ヵ月に 1 回のペースで 6 回のミーティングを持った。
(1) 出版物による広報活動
①
「みんなで生きる」
今年度は 7 回発行(うち子ども号 1 回)
。
A4 版
9,100 部/月(2009 年 12 月~)
16 または 20 ページで編集し、会員、一般へ送付した。詳細は[3-3
3-3]
「み
3-3 広報(1)
んなで生きる」(25 ページ)参照
②
「フォーラム」
通常、年 1 回、4 月 29 日に発行し、社員総会時に出席者(社員会員・一般会員)に配布して
いるが、2009 年度は原稿が集まらなかったため、出版を見送った。
③
「募金趣意書」
夏期募金趣意書は、
「みんなで生きる」5・6 月号に A4 版表裏 2 色刷りの趣意書を挟み込み、
会員の方々に送付した。また、冬期募金趣意書は、A3 版 2 つ折り、外側 2 色刷り、内側 1 色刷
りで作成した。作成にはボランティアテックのデザイナー(羽山直人氏)に協力いただいた。
(2) ボランティアテックの活動
今年度は 4 回、ミーティングを持った(6、9、1、3 月)。50 周年記念イベントについて話し
合った。特に「みんなで生きる」表紙展と絵本の作成準備を行った。
(3) ホームページの活動
ブログのカテゴリーを統一し更新の頻度を上げるようにした。
ホームページ上からカード支払いによる募金ができるようにした。
動画を You Tube 経由で掲載できるようにした。
切手紙芝居のデータをダウンロードできるようにした。
<国内活動委員会>
委員長:高橋 一
委員:有田憲一郎、植松 功、小野志乃、柏木牧子、白石仁美、高柳昌久、眞鍋まり
委員会を 3 回開催し、
会員増強のための取り組み、50 周年記念グッズ、使用済み切手運動の PR、
ホームページの改善等について協議した。2009 年 8 月に第 6 回地区 JOCS 全体ミーティングを開
催し、地区活動を担うメンバー間の意見交換と交流の機会を持った。具体的な取り組みについて
は[3-1
3-1]国内活動全般
ページ)参照。
3-1 国内活動全般(21
国内活動全般
- 33 -
<財務委員会>
委員長:佐藤 光
委
員:柏 明史、中嶌裕一
今年度の委員会開催と主な協議、決定事項は以下のとおりであった。
第 1 回 2009 年 5 月 30 日
今年度当委員会協議スケジュール検討
公益法人改革対応:財務上課題の検討(特定資産の検討、軽井沢土地、事務所購入他)
第 2 回 2009 年 9 月 5 日
遺贈(500 万円)取り扱い
公益法人改革対応:現行特定資産の対応検討
第 3 回 2009 年 11 月 28 日
今年度決算見込み及び来年度予算案
公益法人改革対応:特定資産規定整備
軽井沢土地・事務所スペースについて
第 4 回 2009 年 2 月 6 日
今年度決算見込み及び来年度予算案(第二案)
公益法人改革対応:特定資産規定整備
概要
3 年前よりワーカー数が増加するも会費・寄付の減少などにより単年度赤字が続いており、一
方、基金など資産は年間予算の数年分を有している。今期 2008、2009 年度、公益法人改革への対
応準備の中で、新公益法人制度が、JOCS の資産を経常会計で活用できるような形となるように努
めてきた。しかしこれは同時に、現資産額を 10 年で消費することを表しており、その間にそれ以
降の継続性を保証する方策を考えることが必要となってくる。
<ネパール委員会>
委員長:石田 武
委員:猪狩友行、角田正恵、武田伸二、田村光三、俵 友惠、宮﨑伸子、森脇弘隆
今年度は委員会と勉強会をそれぞれ 2 回開催した。2009 年 5 月 23 日の第 1 回委員会では、シ
ニアワーカーとして第 2 期に入った楢戸ワーカーから HDCS とネパールの現状について聞いた。5
月にネパールを訪問した川口恭子海外担当主事からは、細井さおりワーカーの受け入れ団体であ
る Prison Fellowship Nepal についての報告を受けた。2009 年 11 月 7 日はネパールミニ勉強会を開
催し、識字教育を行っている松浦紀子氏を迎えてお話をうかがった後、第 2 回委員会を開催した。
今後の勉強会の持ち方について協議したほか、HDCS の近況を共有した。2010 年 1 月 16 日は、淀
川キリスト教病院の招聘によりラリトゥプール看護学校校長の Rebecca Sinha 氏が来日中であった
ので、ミニ勉強会を関西事務局で開催し、同看護学校についての話をうかがった。
- 34 -
<バングラデシュ委員会>
委員長:小宅泰郎
委員:石川信克、石田 裕、植松 功、辻本嘉助、仁科晴弘、原島 博
今年度は 2 回の勉強会を開いた。委員は皆多忙で、全員同時に集まることが困難な状況にあっ
たため、第 1 回目の勉強会は事前に各自で課題図書を読んでその後委員会に集まった時に、その
内容について話し合うという形を試みた。チッタゴンで働く 21 人のセックスワーカーに対して行
ったインタビューが主な内容である「私はセックスワーカー」という本を読んで、分かち合いの
時をもった。セックスワーカーという問題のみならず、その周辺に存在する何重にもわたる問題
点、背景についてよい学びの時をもつことが出来た。またこの時、一時帰国中の山内章子ワーカ
ーから、活動内容についてお話を聞いて、分かち合いの時をもった。
第 2 回目の勉強会は、シャプラニールの藤岡恵美子氏をお招きして、バングラデシュの家事使
用人として働く少女たちに対する支援活動について学んだ。この勉強会においても、私たちが知
らなかったとても多くのことを学ぶことが出来た。
<ワーカー育成委員会>
委員長:大友 宣
委員:影山隆之、倉辻忠俊、田代順子、土井直彦、山 嘉信、山本眞美子
今年度は委員会を 3 回開催した。現状プログラムの協議実行と、個々のプログラムについての
改善、新規プログラムの検討を行った。定例のプログラムとしては、6 月に海外保健医療協力セ
ミナーを行ったが、今年は非常に人数が少なかった。タンザニアへのスタディツアーを実施した。
4 回海外保健医療勉強会を開催し、そのうち 1 回は横浜寿地区でのフィールド勉強会とした。詳
細は、[3-2
3-2]
ワーカー育成プログラム
ページ)を参照。今後も、参加者の中から海外保健
3-2 ワーカー育成プログラム(23
医療協力の芽が育ち、ワーカーが立てられることを願って止まない。
<ワーカー派遣委員会>
委員長:植松 功
委員:石井光子、石田 武、内坂 徹、大友 宣、小宅泰郎
今年度は、2 回委員会を開催し、志願書が提出された 3 名の方について書類審査をした。その
内、乾眞理子氏と倉辻忠俊氏と面接を行った。乾氏は短期ワーカーとしてバングラデシュのカイ
ラクリ・クリニックに派遣することを常任理事会に提案した。また倉辻氏については、シニアワー
カーとして派遣することを常任理事会に提案し、派遣先の候補地としてはタンザニアのタボラ大
司教区が考えられる旨を伝えた。
<50 周年記念誌出版委員会>
委員長:小澤英輔
委員:石川典子、塩月賢太郎、榛木恵子、平野 翠、三宅直子
- 35 -
JOCS50 周年記念誌出版委員会は、記念誌を、当初創立 50 周年を迎える 2010 年度の社員会員総
会での配布を目指して着手した。だが、現在に至るこの 25 年の歴史の通覧と文章化に難渋し、拙
速をとらないとの立場から、時間をかけて制作に取り組んでいる。基本的な考え方としては、重
大局面や評価の困難な事態については、座談会を開催するという手法を採用し、誰か独りの卓見
に依存するというより、賛同と議論の要点を記述するといった方法で、複眼的な見解を採用する
こととした。
「第 3 回バンコク会議」
「第 4 回バンコク会議」
「この 25 年を振り返って」などの座談会を開催
して、これまでの JOCS の歩みと歴史的な転換点の検証を試みた。次に JOCS の草創期などの事実
と人物についてはインタビュー形式で、また JOCS に影響を及ぼした卓越した思想あるいは人「ひ
とそのもの」について人物史のごとき形で表現したいと考えた。しかし、上記したように本誌の
ハイライトの一つであるこの 25 年を捉えるには、いまだ様々な角度からの点検・評価を要してお
り、粘り強く進めたい。
[4-
4-4
4-4] 評価
(1) 活動終了前レビュー
次のワーカーに関し、活動終了前レビューを行った。
楢戸健次郎ワーカー
第2期
2009 年 12 月
青木盛ワーカー
第1期
2010 年 3 月
(2) ワーカー自記式アンケート
ワーカー派遣後 1 年ごとに行う自記式アンケートを次のワーカーに対して行い、回答を常任理
事会で検討した。
岩本直美ワーカー
1 年目
2009 年 4 月
山内章子ワーカー
2 年目
2009 年 8 月
清水範子ワーカー
2 年目
2009 年 8 月
細井さおりワーカー
1 年目
2009 年 9 月
楢戸健次郎ワーカー
1 年目
2009 年 9 月
青木盛ワーカー
2 年目
2009 年 9 月
(3) 「今後 5 年間の方向性」モニタリング
2005 年度に定めた「今後 5 年間(2006 年~2010 年)の方向性」の具体的活動について、各担
当部署(理事会、委員会、事務局)が進捗状況と今後の課題を提出し、2010 年 3 月の定例理事会
で確認した。
- 36 -
5.事務局
<総主事 大江 浩>
2009 年度の主な事務局の動きは下記のとおりである。
第 1 に、各国各地でそれぞれのワーカーがより良い働きができるよう、連絡を密に取り、決め
細やかな心配りに努めながらサポートを心がけた。
12 月には約 10 年ぶりにワーカーリトリート会議(ネパール)が開催された。同会議の実施主
体はワーカーだが、ワーカー全員が互いに霊的に満たされ、勇気付けられる場を下支えできたこ
とは事務局にとって大きな喜びであった。
第 2 に、奨学金支援のニーズは年々拡大し、重要性が増している。今年度はウガンダとインド
ネシアの奨学生モニタリングを行い、その有効性を確認できたことは有難い。一人ひとりの働き
を祈りつつ奨学金支援をしっかり支えたい。
第 3 に、2010 年度から開始予定のバングラデシュ学校保健教育プロジェクトの予備調査と計画
立案のため、川口海外担当主事と高橋職員が現地を訪れた。今後の新しい事業展開に期待したい。
第 4 に、国内活動の面では、「使用済み切手運動 45 周年」関連の各種イベントの開催と並行し
て創立 50 周年記念の諸事業に向けて具体的な準備に入った年となった。感謝礼拝とリトリートの
企画、記念グッズ・記念ソング・記念 DVD の製作他、様々な特別プログラムの調整役を担った。
第 5 に、組織運営の面では、公益社団法人の認定申請準備(2010 年度社員会員総会での承認を
得た後に申請予定)が詰めの段階を迎え、新定款や新組織の運営の仕組みを作り、事業・会計の
改編、諸規程の整備などを行った。
第 6 に、12 月に実施された厚生労働省の立入検査のため、諸準備が必要となったが、すべての
項目において「A」との評価をいただいた。今後も支援者の皆様から信頼される事務運営・会計
処理に努めたい。
第 7 に、JOCS の運営に関する重点課題は、引き続き「会員増強・寄付拡大」である。HP の刷
新、入金システムの多様化(コンビニ入会など)
、クレジットカード決済募金の導入などを行うと
共に、理事による教会・学校・諸団体などの訪問、関係団体やメディアとの連携協力(例:日本
基督教団・教団新報や NCC 教育部・キリスト教教育週間での協働など)を進めた。
第 8 に、今年度は新人職員 2 名(高橋淳子・森田真実子)が加わった。新しい役割体制のもと
で、それぞれの業務遂行のために新たな学習とスキルアップが必要となった。日々のチャレンジ
や積極的な研修参加が、より深く JOCS の働きを理解し、同時に自己の能力を高めることにつな
がり、幸いである。また 9 月以降導入した Skype 利用による東西事務局ビデオ会議や通話がコミ
ュニケーションの向上とコスト削減双方に役立ったことを記しておきたい。
最後に、事務局を支えてくださったすべての方々、そして主イエスのご加護と導きに心から感
謝したい。
JOCS 総主事 大江 浩
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6.一般
6.一般会員・社員
一般会員・社員会員
会員・社員会員の現状報
会員の現状報告
の現状報告
2010 年 3 月 31 日現在
社員会員
449 名
一般会員
4,330 名
合 計
4,779 名
2009 年度中の社員会員、一般会員の異動
1.社員会員
(1)新しく社員会員となられた方
11 名
(2)社員会員を辞し、一般会員となられた方
(3)退会された方
3名
18 名
2.一般会員
(1)新たに入会された方
66 名
(2)退会された方
344 名
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