排尿障害排尿障害外来発足！お困りの方はご相談ください。（１） 65歳以上の方の数日本の高齢化は、先進国の中でも著しく2015年には、65歳以上の方の全人口に占める割合が4分の１以上になるとされています。つまり、年齢からくる諸症状で悩まされる方が年々増えてくるというわけです。（２）日本の泌尿器医の数「夜、トイレに行く回数が増えた」、尿障害は、もちろん厄介な原因からくる「何度もトイレに行く」、「くしゃみをものもありますが、適切な治療を行えばしたら尿が漏れた」、「急にトイレに行良くなるものも多いとされております。きたくなり、がまんできない」など排尿このような状況から、総合内科専門医でに伴う症状は、高齢になればなるほど増ある私としては、排尿障害解決の窓口にえてきます。「排尿障害＝（イコール）なるべく排尿障害外来を立ち上げること高齢者の病気」ということが、一般的にといたしました。お困りの方は、お気軽は成り立っているのですが排尿障害は40 にご相談ください。歳台からも生じてくるものなので意外にだいたい、日本の泌尿器科医の数は6000人程度と言われております。比べて、内科医は70000人程度おります。思われる方も多いと思います。排尿障害に悩まされる方が年々増えていくのに対して、泌尿器科医の数は、現状では圧倒的に足りません。皆様も、お住まいの周りで、泌尿器科と言われて思い浮かぶク（３）過活動膀胱リニックがございますか？。某泌尿器科尿を貯めなければいけないときに、尿を出すための筋肉（排尿筋）が勝手に収縮し頻尿、尿意切迫（Ａ）、切迫性尿失禁（Ｂ）がおこる状態が過活動膀胱で高齢者に多くみられます。ほか、神経疾患（脳血管障害、パーキンソン病、糖尿病性神経疾患など）や膀胱の出口閉塞に対抗するための排尿筋の無理な収縮力亢進に伴い生じることもあります。詳しい機序はまだ解明されておりません。医の著書においても、高齢者排尿障害問題の解決には、泌尿器科医だけでは、もはや手が足りず、内科医の参加が是非とも必要とありました。私の親類も含め幼少の頃からお世話になっている方々も、大方、高齢になってきており多少の差は排尿障害外来発足排尿障害の分類１尿意を感じる機序尿量と回数２治療国際前立腺症状スコア 2 ３膀胱の役割は、だいたい400ｍl程度の尿を貯め、この尿を残りなくすべて排出することです。つまり、排尿障害とは、この尿を貯めること（蓄尿）と尿をすべて排出すること（尿排出）の２つのバランスが崩れていることで生じるものです。表１に排尿障害の原因別の症状をまとめましたのでご覧ください。この分類は、治療薬の選択に際し、たいへん重要なものとなります。あれ排尿障害で悩まされております。排表１. 排尿障害の原因別症状 I. 蓄尿障害による症状排尿障害外来発足！排尿障害の分類 ○昼間頻尿（８回以上） ○夜間頻尿（１回以上） ○急に尿意を催し抑えられない（尿意切迫感）・・・（A） ○尿意切迫感とともに尿がもれる（切迫性尿失禁）・・・（Ｂ） ○咳やくしゃみなどで尿がもれる（腹圧性尿失禁） ○加齢性膀胱容量低下 II. 尿排出障害による症状 ○尿の勢いが弱い ○排尿の途中で尿が途切れる尿線途絶 ○尿があちこちに散らばる ○尿がでるまでに時間がかかる ○尿のきれが悪いせきぐちクリニック通信 III. 排尿後症状 ○残尿感 ○男性ならば便器から離れたとき、女性であれば便器から立ち上がったときに尿がでる排尿後尿滴下 1 尿意を感じる機序膀胱に尿が貯まると膀胱が膨らみます。十分に膀胱が膨頻尿らんだ結果として、この刺激が脳に伝わり「おしっこがしたい」と思うわけです。膀胱の内側には膀胱上皮細胞 1日の排尿回数は8回まで、夜間の排尿回数も１回までがあるわけですが、この中にある特殊なセンサーが普通です。これらを超える場合、それぞれ頻尿、夜間（TRPV4）で、膀胱が膨らんだことを感知しているこ頻尿と言います。とが最近分かりました。膀胱が膨らんだことが神経を介して脳に伝えられた結果、尿意を感じているわけです。このセンサーに狂いが生じれば、尿がまだ十分には貯排尿障害診断 ① 国際前立腺症状スコア（表３） ② ＱＯＬスコア ③ 国際尿失禁会議質問票ショートフォーム ④ 排尿記録 ⑤ エコーによる残尿測定 ⑥ 前立腺エコーまっていないのにおしっこがしたくなってしまう過活動膀胱、逆に、尿が貯まっているのにそれを感じることが（表３）できないなどの症状がみられるようになります。尿量と回数多尿 1日の尿量は正常では1300～1600ｍl程度です。教科書的には1日尿量が2000ｍlを超える場合を多尿と言います。原因として、糖尿病や腎臓病などや水分を多くとることなどがあります。泌尿器科を受診されている方 20％くらいが多尿が原因とされております。夜間多尿夜間の尿量が1日尿量の1/3を超える場合、例えば体重 50kgくらいの方であれば500ｍｌ以上夜間尿があれば夜間多尿があると言えます。図1. エコーによる残尿測定治療症状別にまとめた表１を一緒にご覧ください。薬物治療（表2）尿排出障害に対しては、膀胱の出口の所にはα交感神経が分布しており膀胱の出口を緊張させております。そこで、このα交感神経遮断薬と呼ばれるお薬を使うと膀胱の出口の緊張が緩み排尿しやすくなります。また、過活動膀胱に対しても有効性を示すことがあります。副作用には、立つと血圧が下がってしまい、時に気分丌快などになる起立性低血圧があります。（4）利尿作用蓄尿障害のうち過活動膀胱に対しては、抗コリン薬と呼ばれるお薬を使います。抗コリン剤の副作用は、排尿に使う筋肉の収縮力が低下するためにかえって残尿が増えるため特に前立腺肥大症の方には注意が必要です。ほか、口渇、便秘、脳内のアセチルコリンと呼ばれるものに影響を不え認知障害が悪化することなどがあります。薬物以外の治療過度の水分摂取を控えるなど生活習慣を正すことや、体操による骨盤底筋群（尿道、肛門周囲の筋肉）の筋力アップなどがあります。せきぐちクリニック通信コーヒー、紅茶、緑茶などに含まれるカフェインやアルコールには利尿作用がありますので、これらを多く飲まれると尿が近くなります。夜に、トイレが近くて困っているという方は、15時以降に多くとってはいませんか？表2. 排尿障害用薬種類 α１交感神経遮断薬抗コリン薬商品名ハルナールフリバスユリーフなどウリトスポラキスベシケアバップフォーなど 2 表３．国際前立腺症状スコア症状スコアどのくらいの割合で、次のような症状がありましたか？全くない５回に1回の割合より少ない 0 1 ２３４５０１２３４５０１２３４５０１２３４５０１２３４５０１２３４５０１２３４５１）～４）排尿障害５）～７）蓄尿障害１）～７）１）この1か月の間に、尿をしたあとにまだ尿が残っている感じがありましたか？２）この1か月の間に、尿をしている間に尿が何度も途切れることがありましたか？３）この1か月の間に、尿の勢いが弱いことがありましたか？４）この1か月の間に、尿をし始めるためにおなかに力を入れることがありましたか？５）この1か月の間に、尿をしてから２時間以内にもう一度しなくてはならないことがありましたか？６）この1か月の間に、尿を我慢するのが難しいことがありましたか？７）この１か月の間に、夜寝てから朝起きるまでに何回尿をするために起きましたか？２回に1回 2回に1回の２回に1回の割合より割合くらいの割合より少ない多いほとんどいつも軽症中等症重症（０～７）（８～19）（20～35）合計ＱＯＬスコア現在の尿の状況がこのまま変わらずに続くとしたら、どう思いますか？とても満足０満足１軽症ほぼ満足２何ともいえない３中等症せきぐちクリニック通信やや丌満嫌だとても嫌だ４５６重症 3