7月 - FCTVインターネットサービス

2010 年 7 月号
597 号 7 月 2 日
【液晶パネル】TCL、8.5G 事業で政府から 5.5 億元の補助金を獲得
DIGITIMES 29-6-2010
中国地場最大の液晶テレビメーカーである TCL は、深圳市政府系の深超(Shenchao)と
合弁で進めている 8.5 世代液晶パネル生産事業に対して、深圳市政府から 5.52 億元(8121
万米ドル)の補助金を獲得したことを発表した。
TCL によると、TCL 本体はこれまでに 2.1 億元の補助金を受領済みで、8.5 世代液晶パネ
ルを直接進めている華星光電(China Star OptoELectronics Technology)が近く 3.42
億元の補助金を獲得できる承認を獲得したという。
なお、TCL は 8.5 世代液晶パネル生産ラインを来年 8 月には試験生産を開始する見通し
を明らかにしている。
【液晶パネル】奇美、3 つの 5 千万枚達成で LGD を抜き世界第 2 位狙う
台湾経済日報 2010/6/29
EMS 最大手の鴻海(Foxconn)傘下の液晶パネルメーカー、群創光電(Innolux)と合併
した奇美電子は 6 月 29 日、合併後初めての株主総会を開催し、同社 CEO 兼総経理の段行
建氏が、合併を通じて今年 555 の目標を達成し、現在世界第 2 位の液晶パネルメーカー
である LGD を抜いて世界第 2 位のシェアを獲得することを明らかにした。
段行建氏が提示した 555 とは、液晶テレビ、ノートパソコン、液晶モニタの 3 大液晶パ
ネル製品ライン全てで、今年の出荷量を 5000 万枚とするもので、そのうち液晶モニタ用
パネルについては 1000 万枚上乗せした 6000 万枚を目指すとしている。
業界関係者は、奇美電子と合併した鴻海傘下の群創(Innolux)は、冠捷(TPV)に次ぐ
世界第 2 位の液晶モニタ OEM メーカーで、奇美電子が年間 5000-6000 万枚の液晶モニタ
用パネルを出荷する目標はそう難しいことではないと指摘する。
また、EU の政策執行機関である欧州委員会が 6 月 28 日、鴻海がソニーのスロバキア及
びメキシコに有する液晶テレビ生産工場を取得することの市場独占懸念について、EMS
最大手の鴻海がたとえソニーの両工場を取得しても、鴻海のブランドメーカーに対する
価格交渉力が劇的に変化することはないとして承認する決定を行っており、液晶テレビ
用パネルについても、鴻海が取得したソニー工場向け大量出荷が期待できること、また
奇美電子が中国内地の液晶テレビ用パネルで最大シェアを持っていることからも、少な
くとも 4000-4500 万枚の出荷は堅く、5000 万枚の目標達成も実現可能と見られている。
一方、ノートパソコン用パネルについては、世界のノートパソコン用パネルが、三星、
LGD、友達の 3 大メーカーによりほぼ独占されている状況にあること、ノートパソコン用
パネルが非常にカスタマイズ性が強い製品であることなどから、奇美電子がこの 3 大メ
ーカーの牙城を崩すには相当の時間が要すると見られている。先ずは友達光電のシェア
を切り崩していくことが当面の課題となると見られている。
足元の市況については、液晶テレビ用パネルの需要は依然旺盛であるが、液晶モニタ用
1
2010 年 7 月号
パネルについては、三星及び冠捷がどちらも発注規模を 5-10%下方修正していることか
ら、7-9 月の出荷量及び価格が下降局面入りすると見ている。ユーロ危機の影響も拡大
していることから、今月末の発注が縮小することがほぼ確実となっており、モニタ及び
ノートパソコン用パネルの 7 月の市況は横ばい若しくは下落する可能性が大きい。
また、奇美電子のモバイルデバイス用パネルを統括する許庭禎・副総裁は、アクティブ
有機 EL パネル事業に言及して、友達光電に先行されることなく、今年 7-9 月にアクティ
ブ有機 EL パネルの量産を開始することを明らかにしている。同氏は、吸収合併した統宝
光電が保有する 3.5 世代低温ポリシリコン(LTPS)液晶パネル生産ラインを活用してア
クティブ有機 EL パネルの試験生産を行っていることを明らかにした。
【スマートフォン】iPhone 4 部材コスト 188 米ドル 勝華がタッチ機能パネル供給
2010-06-29 賽迪網
大手 IT 市場調査機関 iSuppli が今週発表した報告によると、アップルが 6 月 24 日に市
場に投入した iPhone 4 スマートフォンの分解調査から、同機種の部材コストが 187.51
米ドルであることが明らかになった。なお、iSuppli が今回明らかにした iPhone 4 コス
ト分析では、人件費、広告費、ソフトウェア開発費、特許料などのコストは含まれてい
ないとしている。
iSuppli は、iPhone 4 の部材のうち、最もコストがかかっているのは 3.5 インチのディ
スプレイパネルで、人間の網膜が認識できる上限を超えたピクセル密度を実現した
Retina Display 技術を採用していると分析。iSuppli は、iPhone 4 ディスプレイパネル
のサプライヤは LG で、コストは 28.50 米ドルと分析している。
iPhone 事業の売上高はアップルの売上高全体の 4 割を占めることから、iPhone の製造コ
ストをどれだけ低く抑制することができるかが、アップルの高収益確保の生命線となっ
ていると見られている。
iSuppli は今回の分解調査報告で、アップル iPad パソコンも、iPhone 4 同様、三星電子
の A4 プロセッサを採用しており、コストは 10.75 米ドルと分析、加速度センサ、ジャイ
ロセンサのサプライヤは、ST マイクロエレクトロニクスと分析、ジャイロセンサのコス
トは 2.60 米ドル、加速度センサのコストは 0.65 米ドルと分析している。また、タッチ
パネル機能を持ったガラス基板は台湾の勝華(Wintek)、宸鴻科技と独 Balda の合弁会社
TPK-Balda が供給、ワイヤレスチップは Skyworks Solutions、TriQuint Semiconductor
が供給しているとしている。
なお、iSuppli は、iPhone 3GS の部材コストは発売当初は 179 米ドルだったが、直近で
は 134 米ドルまで低下しているとしている。
【LED】璨圓光電、新政策にらみ揚州工場に MOCDV 設備 25 台を配置
DIGITIMES 29-6-2010
LED チップ大手の璨圓光電(Formosa Epitaxy)は、64 億 NTD(1.62 億米ドル)の資金調達
を行い、台湾域内及び中国内地での LED チップの生産能力を拡張することを明らかにし
2
2010 年 7 月号
た。
璨圓光電は今年年末までに両地域での MOCVD 設備保有台数を現在の 43 台から 81 台まで
拡張、38 台を新たに導入する計画で、新導入される 38 台のうち、13 台は台湾域内に、
25 台は中国揚州に配置するという。また、来年 1 年間でさらに新たに 40 台を導入し、
来年末には 120 台体制を構築する計画だという。
中国政府が太陽光発電に対する補助金制度を世帯別に直接支給する方式から太陽光発電
システムを生産するメーカーに間接支給する方式に転換するとの憶測も出ており、璨圓
光電では台湾域内よりも中国揚州での LED 生産能力の拡張を優先する計画だという。
一方、LED 照明分野では、今年 4 月から日本向けに 3W 及び 7W の LED 電球を出荷してい
ることを明らかにした。韓国向けでも既に高輝度 LED チップを出荷しており、来年後半
には米国及び欧州向けでも出荷を開始する計画だという。
【太陽電池】中国政府、西北及び内蒙古に 13 の太陽光発電所を建設
DIGITIMES 29-6-2010
中国のエネルギー政策を統括する中国国家能源局は、中国西北及び内蒙古地区での 13
の太陽光発電所建設に係わる公開入札を行うことを発表した。それぞれの太陽光発電所
の発電容量は 20-30MW、合計容量は 280MW になるとしている。
入札対象は、エネルギー転換効率が単結晶シリコンセルで 15%、多結晶シリコンセルで
14%、アモルファス薄膜セルで 6.5%以上としている。入札は 8 月 10 日に実施、入札結果
は同月末に発表するとしている。
中国政府による太陽光発電に対する補助金が 1 ワット当たり 1.1-1.3 元(0.16-0.19 米ド
ル)となる見通しで、具体的補助金制度の内容が今年 8 月に発表される見通し。
【PCB】欣興、4100 米ドル投じ昆山に新工場建設 車載基板等を生産
2010-6-28 PCB 網城
世界第 2 位のプリント配線基板(PCB)メーカーである欣興電子(Unimicron)は、中国
昆山市の欣興同泰科技に 4100 万米ドルの増資を行い、同社に新工場を建設することを明
らかにした。
新工場は主に自動車用 PCB を生産することになるという。将来的に FPC 生産ラインとの
連携を取り、携帯電話用リジッドフレキ(Rigid Flex)基板も生産するとしている。
欣興電子はリーマンショック以降の需要低迷から、昨年設備投資を凍結する措置を取っ
たが、今年は台湾域内に 40-50 億 NDT、中国内地に 20-25 億 NTD の設備投資を行う計画
を明らかにしている。
欣興電子董事長の曽子章氏は、今後 2 年間は PCB 産業の成長は続く、特に自動車、通信
機器、エネルギー産業向けが成長を牽引、自動車用は年率 8%以上で成長し、今後 3 年間
PCB 産業最大のけん引役になるとの見通しを示した。
3
2010 年 7 月号
【半導体】中国政府、今後 5 年間で半導体産業に 250 億米ドルを投資
2010-06-29 EETimes
半導体市場調査機関 Information Network の最新報告によると、中国内地の半導体産業
の昨年の IC チップ生産高は 400 億米ドルに達し、中国国内需要に対する比率は 2004 年
の 20.9%から 25.1%に拡大したが、今後 5 年間で同比率は 40%近くまで上昇するとの見通
しを明らかにした。
Information Network 総裁の RobertCastellano 氏は、中国政府が半導体産業政策を転換
し、過去 5 年間に 70 億米ドルにとどまった半導体産業への投資額を、今後 5 年間は 250
億米ドルに拡大することから、中国国内の半導体産業が今後急速に生産能力を拡大する
と予想している。また、新たな 5 ヵ年計画で半導体産業に対して投入される 250 億米ド
ルのうち、50 億米ドルは蘇州創投(Suzhou Venture Group)と日本エルピーダ(Elpida)
との合弁企業及び山東華芯半導体有限公司に投じられることが明らかになっているとい
う。こうした状況から、2013 年までには中国内地の半導体産業の生産高は中国国内の IC
チップ需要の 3 分の 1 以上を満たすところまで拡大するとしている。
同氏は、半導体ファウンドリ最大手の台積電(TSMC)が中芯国際(SMIC)に資本参加、
聯華電子(UMC)が和艦科技(Hejian)を買収するなどの海外の大手半導体メーカーの中
国内地への投資も急拡大するとしており、中国国内の半導体製造技術水準も今後飛躍的
に向上すると指摘している。
【受動部品】順絡電子、価格上昇見通しなくインダクタの生産拡張を優先
2010-06-29 電子元件技術
中国地場最大のチップインダクタメーカーである順絡電
子(Sunlord)は近年、40%前後の粗利益率を維持してい
るが、リーマンショック後の新たなデジタル機器ブーム
の機を捉えてチップインダクタの生産能力を大幅に拡張
することで現在の高収益体質を維持すること決め、その
ための資金調達を行ったことを明らかにした。
順絡電子は積層インダクタ分野では中国国内シェアが第
1 位、世界シェアは第 3 位の有力メーカーで、今年 1-3
月の売上高は 1.02 億元で前年同期比 67.58%増、純利益は 2067 万元で同 71.6%増となっ
ている。
ただ、受動部品産業がスケールメリットを追求することでしか利益を拡大できない過当
競争の状況にあること、また価格の上昇が今後も見込めないことから、生産能力の拡張
が利益確保のための最良の選択と判断したという。
今年 5 月に順絡電子は 4.3 億元の資金調達を発表し、そのうち 3.06 億元を投じてチップ
インダクタの生産能力を拡張することを明らかにしている。拡張が完了すれば、同社の
積層チップインダクタの年産能力は 60 億個、コイルチップインダクタの年産能力は 7
億個増えることになるという。
4
2010 年 7 月号
現在、順絡電子のチップインダクタ事業の売上高は売上高全体の 90%以上を占め、通信
機器、デジタル家電、パソコン、自動車などのメーカー向けに年間 150 億個の積層チッ
プインダクタを供給していることから、今回の生産拡張により積層チップインダクタの
年産能力は 210 億個に達することになる。一方、コイルチップインダクタ製品も、LED
ディスプレイ、LED 照明、LCD バックライトメーカー向けに出荷が大幅に増えているとい
う。
また、順絡電子は今回調達した資金の一部を低温焼成セラミック(LTCC)事業にも当て
る計画で、携帯電話やブルートゥース、WLAN、モバイルテレビ、PND 等の高周波電子機
器向けで急増しているチップフィルタ、チップアンテナ、RF モジュールの開発も強化す
る。同社は単価 1 元前後の低価格の LTCC 製品を市場に投入する計画で、来年にはチップ
インダクタの世界市場規模に匹敵する 400 億元市場になると見られている LTCC 事業を今
後の中核事業にしたい考え。
なお、売上高の 6 割が輸出であることから、今後上昇が予想される人民元、高騰してい
る原材料価格などのリスクにも積極的に対応するとしている。
598 号 7 月 5 日
【液晶パネル】中国の高世代液晶パネル事業認可審査、韓国系が高得点
2010-07-01 経済観察報
当初先月末に発表されると見られていた中国政府による高世代液晶パネル事業の認可審
査が当初予定よりも遅れており、中国政府の政策立案を担当する中国国家発展改革委員
会が対象となっている複数案件の評価を点数方式で行っていることが明らかになった。
同採点結果が出れば、中国国務院常務会議で最終的認可企業が決定されることになると
いう。
現在認可を申請している高世代液晶パネル事業の総投資額は 2000 億元に上り、世界最大
の長江三峡ダム建設事業に匹敵する投資規模となっている。関係省庁の関係者によると、
韓国系の三星、LG がそれぞれ蘇州、広州で計画している事業が、上記評価で高得点を獲
得しており、ほぼ認可が取得できる状況にあるという。また、長虹(Changhong)が奇美
(CIC)との提携で成都で計画している事業についても、認可取得の可能性が大きいと見
られており、当初 5 件のうち 2 件が認可されると見られていたが、1 件が追加され 3 件
を認可する方向に傾いているという。一方、京東方(BOE)の合肥事業、及びシャープの
南京事業については、口頭審査の点数が低く、今回の認可は難しいと見られている。
中国国家発展改革委員会の評価採点方法については、明らかにされていないが、蘇州三
星、南京熊猫シャープ、広州 LG、合肥鑫晟(京東方)、成都奇美の 5 案件について、特
許技術移転、経営支配権、核心競争力などに重点を置いた採点を行っていることが明ら
かになっている。
中国国家発展改革委員会関係者は、中国地場側が最終的に事業の支配権を持ち得るのか
否か、合弁企業の研究開発センターが中国域内に建設されるか否か、研究開発センター
が開発した技術の知的財産権が中国地場側に帰属するか否かを重点的に審査していると
5
2010 年 7 月号
いう。また、事業の核心技術の水準も評価の重要な指標になっていることを明らかにし
ている。
これまで地場企業優遇の観点から、京東方の案件は当然認可されると見られていたが、
中央政府は地場企業の単独事業よりも世界最高水準の技術を持つ世界の大手液晶パネル
メーカーからの技術獲得を優先する政策を取ろうとしていることがうかがえるという。
京東方が参画する合肥の 8.5 世代事業は、登録資本 120 億元の全額を合肥市政府直営の
鑫城資産管理公司が出資すること、京東方が技術サポートするのみで資本参加しないこ
となども大きな減点対象となったと見られている。
ただ、北京大学政府管理学院教授の路風氏は、中央政府が外資系を複数認可すれば、近
く完成する京東方の中国国内初となる第 8 世代生産ラインの優位性が薄れ、経営困難に
なる可能性が大きいと指摘する。
今回審査対象となっている 5 事業のうち、蘇州三星が 7.5 世代であるのを除けば、残り
4 事業はいずれも 8.5 世代で、投資規模は広州 LG が最小で 175 億元、残り 4 事業はいず
れも 200-300 億元となっている。
7.5 世代である蘇州三星が当初の予想に反してダークホース的に抜け出した背景には、
三星が口頭審査で将来的に中国内地に建設した研究開発センターを中国地場側に移管す
ること、また研究開発センターが獲得した特許技術を中国地場側に帰属することを表明
したことが好感されたと見られている。さらに、三星は出資比率においても大きな譲歩
をしており、マジョリティを蘇州市政府に与えることも明確にしている。こうした中国
側に歩み寄る姿勢が、中国国家発展改革委員会の好感を得て、今回の審査で三星が高得
点を獲得したと見られている。
一方、南京熊猫シャープの 8G 事業については、シャープは従来からの保守的な態度を崩
して折らず、中国域内に研究開発センターを設立することは表明しているものの、その
研究成果の帰属については譲歩していないことから、低得点になったという。南京熊猫
シャープの 8G 事業は、シャープ及び凸版印刷が 25%、中国電子、中電熊猫、南京市国有
資産委員会傘下の新型工業化投資集団からなる中国地場側が 75%を出資する中国地場
側が圧倒的マジョリティを持つ資本構成になっているものの、技術移転の点数が足を引
っ張った。
ただ、シャープが技術移転に対して保守的姿勢を崩さないのには理由がある。シャープ
は独自に開発した液晶パネル関連特許技術が他社に比べ多く、その技術開発のために巨
額の資本を投下している。そのため、シャープはたとえ相手が韓国メーカーだったとし
ても、技術移転に関しては厳しい対応を続けている。先般もシャープは三星が使用して
いる広視野角 VA 技術に関する特許技術侵害訴訟で勝訴している。
シャープ同様、LGD も独自の IPS 広視野角技術を保有していることから、技術移転につ
いて強気の姿勢を崩していない。LGD と広州市政府が締結している 8.5 世代は登録資本
が 13.4 億米ドルであるが、LGD が 70%、広州市政府が 20%、創維(Skyworth)が 10%の
LGD 主体の資本構成となっている。
なお、四川長虹の 8.5 世代事業は、奇美電子の技術サポートを受けるものだが、設立当
初の資本構成は奇美電子と提携関係にある鴻海富士康(Foxconn)が 45%、成都市政府が
55%となっており、将来的には成都市政府が保有する 55%のうち 20%の持分を長虹に譲渡
6
2010 年 7 月号
する計画となっている。
以上のように、日、韓、台の外資系事業 4 件のうち、LGD を除き、シャープ、三星、奇
美ともにマジョリティを現地政府に譲っていることから、外資系がマジョリティを譲る
ことで認可取得を狙っていることがうかがえるが、その一方で、外資系が中国での事業
の経営支配権を中国現地政府に譲っていることについては、シャープが既に日本国内で
10 世代生産ラインで量産を開始していること、三星も韓国国内で 2 本の 8 世代生産ライ
ンで量産を開始し 10 世代生産ラインの建設も開始していることも忘れてはいけない。
【液晶 TV】台湾液晶テレビ OEM メーカー下期出荷量、上期比 44%増予想
DJ 財経知識庫 2010/7/1
台湾の IT 市場調査機関、拓墣産業研究所は、今年下期の世界の液晶 TV の出荷量が上期
に比べ 23%増加することから、冠捷(TPV)、鴻海(Foxconn)、仁宝(Compal)
、緯創(Wistron)
といった欧米市場向け液晶テレビの OEM を行っている台湾メーカーの今年下期の液晶テ
レビ出荷量は上期比 44%増の 2765 万台に達する見通しを示した。
同機関は、日本のエコポイント制度、中国の大型連休制度も手伝って、今年上期の世界
の液晶 TV の出荷量は 8165 万台で昨年同期比 46%増となったが、緯創、仁宝は主な出荷
先が欧米市場であることから、上期のそれぞれの出荷量は 190 万台、160 万台前後にと
どまった、通年の出荷目標である 600 万台の達成は困難な状況にあると見られている。
ただ、下期については、中国及び日本が引き続き刺激策を続けるほか、欧米市場が需要
ピーク期を迎えることから、両社の出荷量は上期比 1.5 倍近くに増加し、通年目標近く
まで出荷量を伸ばすと予測している。
また、拓墣は LED 液晶 TV 出荷量については、今年 10-12 月には 1681 万台に達し、液晶
TV 市場全体の 32%まで上昇すると予測。仁宝及び緯創が LED テレビに積極的に投資を行
っていることから、両社の下期の出荷量がさらに伸張することが期待できるとしている。
【携帯電話】TCL 通訊、携帯電話世界市場シェアで 1Q に初の 10 強入り
賽迪網 2010/7/1
大手市場調査機関 iSuppli 報告によると、今年 1-3 月の世界の携帯電話出荷量は昨年
10-12 月比 13.9%減の 2 億 8810 万台となったものの、昨年同期比では 13.85 増となった
こと、メーカー別販売台数順位はノキア、三星、LG の 1 位、2 位、3 位は変わらなかっ
たものの、ノキアと三星の差が縮小したこと、4 位はソニーエリクソン、RIM 及びアップ
ルが Smartphone 普及によりそれぞれ 5 位及び 6 位に躍進したこと、モトローラは 8 位ま
で順位を落とした。
中国地場メーカーでは、中興(ZTE)、華為(Huawei)、TCL 通訊がそれぞれ 7 位、9 位、
10 位でトップ 10 入りし、中でも TCL 通訊は初の 10 強入りとなった。TCL 通訊の今年 1-3
月の携帯電話出荷台数は 578.9 万台だった。
7
2010 年 7 月号
【車載電子】台達、呉江/天津に電気自動車用車載電子部品工場建設
網易科技 2010-7-1
世界最大の AC アダプタメーカーである台達電子(Delta)社 CEO の海英俊氏は、中国内
地の電気自動車市場に参入することで、今後 3-5 年で車載電子事業の年間売上高 100 億
NTD 突破を目指す計画を明らかにした。
台達電子は新成長戦略として LED、太陽電池に参入することを既に明らかにしているが、
成長戦略の第 3 の柱として、世界の 3 分の 1 のシェアを占めることが予想されている中
国内地の電気自動車向け車載電子市場に新たに参入することを明らかにした。
台達電子は 18 日に中国呉江工場 10 周年記念式典を開催し、その中で電気自動車向け車
載電子市場に参入することを発表、主な車載電子工場を呉江、天津及びタイに建設する
ことを明らかにした。
台達電子が開発した電気自動車用電力システムは、ハイブリッド自動車及びピュア電気
自動車向けで、既に小型バス、大型バス、大型オートバイ、ゴルフカートに搭載可能で
あることを実験済み、うちゴルフカート用電力システムについては、年末までに正式に
出荷を開始できる見通し。
海英俊氏は、電気自動車用電力システムは、中国内地の大手自動車ブランドメーカーに
集中的に販売する計画で、既に 20 社余りのメーカーと交渉を開始していることを明らか
にしている。うち 3-4 社については、交渉が最終段階に入っており、3 年後には電気自
動車関連車載電子の年間売上高は 100 億 NTD に達する可能性があるとしている。
台達電子は、電源、電磁、放熱、モータ管理で世界有数の技術を有していることから、
中国内地の大手自動車ブランドメーカーからの信頼も厚い。海英俊氏は、電気自動車用
車載電子製品は、台達電子が注力している小型産業ロボット向け製品に似ていることか
ら、小型産業ロボット向け製品工場を増設すれば、電気自動車用車載電子製品の増産に
対応可能で、新たに技術者を養成する必要はないとしている。
【電池】科力遠、湖南省常徳市で自動車動力電池材料事業 1 期着工
湖南常徳商務之窗 2010-7-1
中国地場大手電池メーカー、湖南科力遠(Corun)は、湖南省常徳市徳
山開発区で自動車動力電池材料生産事業 1 期工場の建設を正式に開始し
たことを明らかにした。湖南科力遠:www.corun.com/
【電池】同済高科、合肥に 10 億元投じリチウム電池負極材料工場を建設
人民網安徽频道 2010-7-1
中国安徽省の新エネルギー開発企業、同済高科新能源は 6 月 26 日、合肥市瑶海工業園区
に電気自動車用リチウム動力電池負極材料生産工場を建設することで同地区と正式に契
約を調印した。総投資額は 10 億元で、リチウム動力負極材料となるチタン酸リチウムを
生産する。完成しフル稼働すれば、年間 3 万台分のチタン酸リチウムを生産、年間生産
8
2010 年 7 月号
高は 30 億元に達する見込み。3000 人の雇用を創出することも期待されている。
安徽同済高科新能源の親会社は、上海同済大学が経営権を有する上海同済科技実業股份
有限公司で、上海同済大学の人材、技術を活用できるという強みがある。
【半導体】日月光、1 億米ドル投じ上海に中国内地 6 つ目の子会社設立
2010/7/1 網易科技
世界最大の半導体実装検査企業である日月光半導体(ASE)は 6 月 30 日、中国内地での
事業拡張の一環で、1 億米ドルを投じて中国内地 6 つ目となるチップ製造後工程企業、
日月光集成電路制造(中国)有限公司を設立することを決定したことを明らかにした。
日月光半導体 CFO の董宏思氏は、中国内地に既に子会社 5 社を保有しているが、新たに
設立する子会社は上海金橋工業園区に設立することになるとしている。同氏によると、
日月光半導体の今年の設備投資は当初計画の 4.5-5 億米ドルに比べ 4 割増の 6-7 億米ド
ルに増額されているという。
【半導体】復旦大学、ICC 通じ台積電の 65 ナノ MPW サービス利用可能に
新民晚報 2010-7-1
上海市の上海集積回路技術産業促進センター(ICC)は、半導体ファウンドリ世界最大手
の台積電(TSMC)、上海復旦大学と 65 ナノ集積回路設計領域で提携することで合意、正
式に契約に調印した。
合意内容によると、TSMC は ICC の MPW プラットフォームを通じて、復旦大学に 65 ナノ
先進技術の MPW サービスを提供する。復旦大学はマルチコアプロセッサ、高性能 RF チッ
プ、LSI 等の開発に当たって MPW サービスを通じて試作品を低コストで生産することが
可能となる。
MPW サービスは、いわゆるシャトルバスサービスと呼ばれるもので、1 枚のウエハーを
16 分割して複数デザインがシェアすることで、必要最小ロットを抑えることが出来るた
め、試作や小ロット生産に用いられる。
【磁性材料】福晶、陶瓷科学研と提携し省エネ照明新型磁性材料開発
福州新聞網 2010-7-1
中国福建省の福晶磁性材料有限公司は、高性能省エネ照明用新型磁性材料生産に向けて
閩清県陶瓷科学研究所と技術提携することで契約を締結した。
福建省は厦門通士達(Topstar)、利勝 2 社だけで年間 6 億個余りの省エネ照明を生産し
ていることから、川上の部材メーカーも急成長している。福晶磁性材料有限公司副総総
理の康明山氏は、ソフトフェライトは省エネ照明の核心材料で、その品質の良し悪しが
製品の輝度や寿命といった品質に直接影響を与えることから、中国国内外の有力企業が
高品質製品の開発に鎬を削っているという。
現在、省エネ照明の寿命は 1 万時間以下だが、現在開発している新型磁性材料を使用す
9
2010 年 7 月号
れば、寿命を 1 万 2 千時間以上に延ばすことが可能になるという。また輝度の安定性も
大幅に高まるとしている。康明山氏によると、福晶磁性材料が独自に開発したソフトフ
ェライトリングは、磁気伝導率、磁性飽和感度などの各種技術指標で世界先進水準を達
成しており、通士達、陽光、海莱などの中国地場大手の省エネ照明メーカーに既に試験
的に供給を行っているという。
599 号 7 月 7 日
【EMS】富士康、鄭州に 30 万人規模工場建設 深圳 と同待遇で募集
2010-7-2 中国 PCB 産業協会
中国河南省鶴壁市政府は 6 月 25 日、緊急通知を発して、EMS 世界最大手の富士康科技集
団が中国河南省鄭州市に従業員 30 万人規模の工場を建設することから、近く 10 万人の
工員を募集することを明らかにした。
富士康内部関係者も、深圳工場の 2/3 の生産ラインを内陸部に
シフトすること、深圳工場の工員を 40 万人から 10 万人に削減
することを明らかにしており、鶴壁市が今回の緊急通知で発表
した富士康の河南省鄭州工場の従業員規模 30 万人と一致するこ
とから、深圳工場の 2/3 の生産ラインの移転先が河南省鄭州市
である可能性が大きい。ただ、鶴壁市も富士康工場の誘致に意
欲を示していることから、最終的な深圳工場 2/3 の生産ラインのシフト先については予
断を許さない状況にある。
富士康の河南工場採用責任者によると、富士康の河南新工場は半年後に完成、来年初め
には稼働予定、今後河南省で採用される工員は深圳工場で研修を受け、再び河南工場に
戻って勤務することになるという。
富士康は主にパソコン用コネクタを生産する生産ラインを河南工場に移転する計画で、
アップル製品の ODM 部門及び本社機能については深圳に残す方針を明らかにしている。
また、天津にある携帯電話用バッテリ及び筐体を生産する工場についても、深圳工場と
の統合を進めるとしている。これら移転及び統合が完了すれば、携帯電話事業部は天津
工場、パソコン事業部は重慶工場及び武漢工場に移転する計画で、そのうち重慶工場に
ついてはノートパソコン事業の拠点工場にする計画。
それでは、今回の富士康の内陸部への大移動は、深圳の労動市場にどのような影響を及
ぼすのだろうか。5 月に開催された広東省共産党委員会では、富士康のローテク産業を
深圳から内陸に移転する必要があると明言しており、富士康の内陸移転が単なる一企業
の判断ではなく、共産党の方針に従ったものであることがうかがえる。深圳市政府では、
富士康の内陸移転に伴う雇用喪失を補うため、深圳市に自動車メーカーの工場を誘致す
る計画を進めているという。
また、富士康の内陸移転が、当初は深圳工場の賃金引き上げに伴う 40 億元近いコスト増
を回避するためと見られていたが、同社関係者によると、河南工場の工員の給与が深圳
と同水準とすることから、富士康の内陸シフトが必ずしも人件費増を回避するものでは
10
2010 年 7 月号
ないことが明らかになっている。河南省鶴壁市政府の人員募集通知によると、富士康の
河南工場の工員の基本給与は月額 1200 元、社会保障を含めた月収は 1600-2300 元、入社
後 3 ヶ月は試験期間とし、試験合格者の基本給与は月額 2000 元、月収は 2500-3000 元、
労働時間は原則 1 日 8 時間、1 日の平均残業時間は 3 時間未満、週休 1 日としており、
労働条件は富士康の深圳工場とほぼ同じものとなっている。このことからも、富士康の
内陸シフトが必ずしもコスト要因によるものではなく、政治的要因が強いことがうかが
える。
中国華北の内陸部にある河南省政府は、省内に大きな電子製造業が育っていないことか
ら、様々な優遇策を打ち出して外資の誘致を図ろうとしており、富士康の移転先と目さ
れている鄭州市も人件費については深圳工場同等の待遇を提示しているものの、工場用
地使用料や企業所得税などの税金では様々な減免措置を取っていることから、トータル
コストでは移転効果は大きいと見られている。また、鄭州市の交通物流等のインフラ整
備が進んでいることも大きな要因となっている。
河南省の人口は 1 億近く、中国国内でも人口が最も多い省の 1 つで、出稼ぎ労働者が多
い地区の 1 つ。富士康の中国内地工場で働く出稼ぎ労働者は 80 万人余りといわれている
が、そのうち 16 万人は河南省出身者が占めるといわれている。
【液晶パネル】シャープ、南京の液晶パネル工場の必要性を粘り強く訴えると
DJ 財経知識庫 2010/7/2
日本の液晶パネル最大手のシャープ副社長の浜野稔重氏は 7 月 1 日、世界の液晶テレビ
市場が拡大し続けており、液晶パネルの供給不足の状況があること、また円高基調が今
後当分続く見通しであることなどから、日本以外の海外での生産拡張に注力する方針を
明らかにするとともに、中央政府から認可が下りていない南京中電熊猫集団(CEC Panda)
との南京における第 8 世代液晶パネル工場について言及し、2012 年以降の液晶パネルの
需要を考えると生産過剰とはいえないことを粘り強く中国政府に訴えることで認可獲得
を目指すことを明らかにした。
また、中電熊猫集団に移転する第 6 世代液晶パネル生産設備については、来年 3 月末に
稼働できる見通しで、その時点で液晶パネルの需給がタイトであれば、中電熊猫集団か
ら液晶パネルを調達することもあり得ることを明らかにした。
【携帯電話】鴻海、深圳携帯電話 OEM 工場に 1 億米ドルの増資を実施
2010-7-2 中国 PCB 産業協会
EMS 世界最大手の鴻海集団は 7 月 1 日、董事会を開いて、携帯電話、サーバ、プリント
基板などの事業規模を拡大するため、3 億米ドルの増資を行うことを決定した。
鴻海集団は中国沿海部の生産拠点の内陸部へのシフトを進めているが、今回の事業規模
拡大では、携帯電話の OEM 事業を行っている深圳富泰華工業に 1 億米ドル、サーバ生産
を行っている鴻富錦には 1800 万米ドル、プリント基板生産事業を行っている宏勝精密に
1414 万米ドル、変圧器を生産する昆山貫捷電子に 312 万米ドルの増資を行うという。
11
2010 年 7 月号
【携帯電話】聯発、White-box 取締り強化で中国内地での売上大幅減
DIGITIMES 2-7-2010
White-box 携帯電話チップの 8 割を生産する聯発(MediaTek)は、中国政府が White-box
携帯電話メーカーの脱税行為に対する取締りを強化したことから、中国内地での売上高
が大幅減となり、今年 6 月の総売上高が 90 億 NTD(2 億 8030 万米ドル)の大台を下回る見
通しを明らかにした。また、今年 7-9 月の売上高が 4-6 月並み、粗利益率も低下する見
通しを示した。
中国政府の White-box 取り締まり強化で、深圳市の 70-80 社の携帯電話設計メーカー、
上海市の 10-20 社の携帯電話設計メーカーが、ここ 2-3 週間の間に相次いで操業停止に
追い込まれているという。
【LED】TCL/友達の LED バックライトモジュール合弁、今月中に量産開始
新浪科技 2010/7/2
中国地場最大の液晶テレビメーカーである TCL 集団は、友達光電(AUO)と合弁で進めて
いる LED バックライトモジュール生産事業が今月中にも量産を開始することを明らかに
した。年産能力は 32-55 インチ用 360 万枚。また、TCL 集団は 1.03 億元を投じて LED 及
び液晶テレビなどの核心事業の発展に当てることも明らかにした。
【太陽電池】南陽、物理生成法による低コスト多結晶シリコン製造に成功
新浪網 2010-7-2
中国地場の太陽電池用シリコン材料メーカー、河南南陽迅天宇硅品有限公司は、南陽市
方城県新能源産業集聚区で物理生成法による低コスト多結晶シリコン製造に成功したこ
とを明らかにした。
河南南陽迅天宇が開発した物理法は、SiC14、H2、HC1 等の有害物質の排出がないことか
ら、改良型シーメンス法に比べ生産コストを 1/3 に抑えることができるという。
【STB】中国の高画質有線 STB 出荷量、キャリア販促効果で前年比 2 倍
iSuppli 2010/7/2
IT 市場調査機関 iSuppli は、中国の有線放送キャリアが大都市で高画質(HD)テレビ放送
の普及を進めていることから、今年の中国内地の高画質有線 STB の出荷量は前年比 2 倍
近くに拡大するとの予測を示した。同機関によると、今年の中国内地の高画質有線 STB
出荷量は 120 万台に達する見通しで、2009 年の 41 万台に比べ 192%増となる。iSuppli
は 2014 年には同出荷量は 340 万台になると予測している。iSuppli が示した 2008-2014
年の中国国内の有線高画質 STB 出荷量及び売上高予測は右グラフの通り。
中国内地の有線放送キャリアのうち、北京歌華有線は昨年 10-12 月に 30 万の有線高画質
12
2010 年 7 月号
テレビユーザーを獲得し
ているが、ユーザーに無料
で高画質有線 STB を提供す
るなどのキャンペーンに
より、今年は年間 100 万の
新規ユーザー獲得を狙っ
ているという。北京市政府
も歌華の高画質市場開拓
に対して、STB:1 台当たり
43 米ドルの補助金を支給
している。
歌華の高画質有線 STB は、長虹(Changhong)及び創維(Skyworth)が供給、高画質 STB
用半導体は ST 及び Broadcom が供給している。
【銅箔】霊宝華鑫、7 億元投じた年産 1 万トン高精度電解銅箔 2 期竣工
PCB 信息網 2010-7-5
中国河南省霊宝市に拠点を置く金地金精錬メーカーであ
る霊宝黄金(Lingbao Gold)傘下の霊宝華鑫銅箔有限公司
は 7 月 9 日、7 億元を投じて建設していた年産能力 1 万ト
ンの高精度電解銅箔生産事業第 2 期が完成したことを明らかにした。需要が高まってい
るハイレンジ超薄型電解銅箔及び特殊用途電解銅箔を生産する。
第 2 期では、30 台の直径 2.7 メートルの大型陰極ドラム、30 台の生箔機、4 台の高速表
面処理機、4 台の切断機を日本及び韓国から輸入、厚さ 8-400 ミクロンの品質 IPC-4562 標
準のハイレンジ電解銅箔を製造するとしている。2 期稼働後のハイレンジ電解銅箔年産
能力は 1.5-1.8 万トン、内訳は 8 ミクロン製品 0.2 万トン、12 ミクロン製品 0.3 万トン、
18 ミクロン製品 1 万トン、35 ミクロン/70 ミクロン/105 ミクロン/400 ミクロン製品 0.3
万トン。全製品がハイレンジ FR-4 ガラスクロス基板、多層プリント基板、リチウム電池
向けに供給される。年間売上高 15 億元を見込んでいるという。
霊宝華鑫銅箔:www.wasoncf.com/
【受動部品】無錫新区、センサメーカー 50 社余りを誘致 年産量 2 億個
伝動網 2010-7-2
中国江蘇省無錫市の無錫新区は、今年 6 月 14 日現在で既に 50 社余りのセンサメーカー
を誘致するのに成功しており、地区全体の年間のセンサ生産量は 2 億個に達しているこ
とを明らかにした。
RFID チップ大手の IPICO 社は、オーストラリア、カナダ、デンマークの生産ラインを無
錫に移転、全ての製品のアッセンブリ、検査業務を無錫で行い、世界に出荷しているが、
近く 500 万米ドルを投じて RFID 製品アジアパシフィック地区研究開発センターも無錫に
13
2010 年 7 月号
開設する計画。
無錫新区は、MEMSIC、エプソントヨコム、日新電機など無錫に進出して久しいメーカー
が核となることで、上記の IPICO、富士電機、PREMO の誘致にも成功していることを明ら
かにしている。日本の日新電機の無錫工場は、中国でも有数の電力用コンデンサ設備メ
ーカーに成長、3 年前には研究開発部門を設置し、電圧センサ、電流センサの開発に成
功、昨年から量産を開始している。
【受動部品】派睿電子親会社、国巨のグローバル販売代理権延長に成功
2010-07-02 電子元件技術
中国の派睿電子を傘下に置く英国の大手電子部品商社、Premier Farnell 社は、チップ
レジスタ世界最大手の受動部品メーカー、国巨(Yageo)のグローバル販売代理権契約の
延長に成功したことを明らかにした。
Premier Farnell 社は今回の契約延長により、新たに 500 種類の製品の取り扱いが可能
になり、北米では Newark 社及び element14 社、欧州/豪州/インドは Farnell 社、中国及
び香港では派睿電子、東南アジアでは Farnell Newark 社を通じて国巨製品の販売を行う。
ユーザーは、派睿電子の流通網、派睿電子が構築した電子エンジニア技術資源共有化・
双方向プラットフォームである element14 を通じて、国巨の製品を大量注文することが
可能、また注文の翌日には配送されるサービスを受けることが可能だという。また、ユ
ーザーは無料で各種コンデンサ及びレジスタの再リール(Re-reeling)サービスを受ける
ことも可能という。
一方、国巨米国(Yageo America)総裁兼市場開発部長の Aaron Yang 氏は、Premier Farnell
のグローバルネットワークを活用することで、ユーザー・フレンドリサービスを強化し、
世界最大の受動部品メーカーを目指すことを明らかにしている。同氏は、世界最大手に
なるには、世界水準に対する進取性、ユーザーに対するクィック・レスポンス、これら
を通じて常に最新の受動部品をユーザーに提供し続けること、そして最終的にユーザー
にコミットしたことを実現することが必要だとしている。
600 号 7 月 9 日
【液晶 TV】中国の薄型 TV 出荷量、2012 年に 5 千万台を超える見通し
DisplaySearch 2010/7/6
大手 IT 市場調査機関 DisplaySearch は、中国テレビ市場に関する最新の報告で、中国の
都市化が今後急速に進展すること、毎年年率 10%前後で GDP(国内総生産)が成長すること、
また 2011 年以降に中国域内に複数の液晶テレビ用高世代液晶パネル生産ラインが相次
いで量産することなどから、中国域内の薄型テレビ市場(含む液晶、プラズマ)が今後 5
年間、高成長を維持し、中国内地の薄型テレビの出荷量は 2009 年の 3100 万台から 2014
年には 5900 万台に拡大するとの見通しを明らかにした。今後 5 年間の年平均成長率は
14%に達することになる。また、昨年 70%を超えた薄型テレビの普及率は 2014 年には 100%
14
2010 年 7 月号
近くまで上昇し、伝統的なブラウン管テレビは 2015 年には完全に消失すると予測してい
る。
DisplaySearch は今回の調査で、中国国内の大都市、中小都市、農村部のテレビ市場を
サイズ、技術、機能別に詳細に調査するとともに、中国国内のテレビの製造、輸出、地
場及び海外ブランドメーカーの競
争、液晶パネルメーカーの投資、
薄型テレビのコスト、デジタルテ
レビ市場のトレンドなどについて
も詳細な分析を行っている。これ
ら調査に基づいて DisplaySearch
が纏めた 2008 年から 2014 年まで
の中国内地の薄型テレビ市場の
Tier-1 都市、Tier-2 都市、農村別
販売状況は右グラフの通りで、市
場規模は今年、前年比 1 千万台増
の 4 千万台、2 年後にはさらに 1 千万台増えて 5 千万台に達するとしている。なお、
DisplaySearch は、Tier-1 都市は人口 100 万超、Tier-2 都市は人口 100 万未満としてい
る。
中国内地において、カラーテレビ市場が急成長し始めたのは 1990 年代で、カラーテレビ
の平均寿命が 10 年前後であることから、今後 5-10 年が中国のテレビ市場でブラウン管
テレビから薄型テレビへの買い
替えが急速に進むと見られてい
る。中国全体のテレビ保有台数が
5 億台前後、このうち 4.5 億台前
後のブラウン管テレビが今後
5-10 年で全て薄型テレビに買い
換えられることになる。
DisplaySearch は、来年、中国内
地の薄型テレビ市場は 4700 万台
に達し、北米市場を抜いて、世界
最大の薄型テレビ消費市場となる見通し。2 つ目のグラフは、液晶テレビ世界市場の主
要地域別内訳を示したもの。
【プラズマ】長虹傘下の虹欧、世界プラズマパネル出荷量シェア 4%占める
PChome 2010/7/6
3D テレビの需要拡大に伴って、今年 5 月の世界のプラズマパネル出荷量は前月比 2%増、
前年比 55%増の 167 万枚に達した。出荷金額は 4.9 億米ドルに達し、平均販売価格は 295
米ドルとなっている。
サイズ別では 50 インチ以上が全体の 42%、また Full HD が全体の 33%を占めている。メ
15
2010 年 7 月号
ーカー別に見ると、LG Electronics 及び Samsung SDI の出荷シェアが 55%、Panasonic
が 41%、中国長虹傘下の四川虹欧顕示器件有限公司が 4%のシェアを占めている。
【ゲーム機】光宝 IT、広西自治区の北海工場でゲーム用コンソール等も生産
DIGITIMES 5-7-2010
IT 機器 ODM 大手の光宝 IT(Lite-On IT)は、中国広西チワン族自治区北海輸出加工区の
生産工場で、これまでの光学ディスクドライブに加えて、ゲーム機コンソール及びブル
ーレイディスクプレーヤの生産も開始することを明らかにした。同工場は今年 1 月から
稼働しており、光学ディスクドライブを月間 600 万台出荷している。
また、光宝 IT の親会社である光宝科技が、同輸出加工区に LED 照明などの省エネ製品の
工場を建設することも明らかにした。
【LED】三安光電、今年上期の純利益が前年比 240%増の 6.8 億元
台湾工商時報 2010/7/6
中国地場最大の LED チップメーカーである三安光電は、出荷拡大と価格上昇により、今
年上期の純利益が昨年同期比 240%増の 6.8 億元に達したことを明らかにした。
好調な業績を背景に、三安光電は MOCVD(有機金属化学気相沈積)設備を既に 90 台まで
拡張しているが、新たに 16 台の MOCVD 設備を導入する予定で、中国政府からも 5760 万
元の補助金を獲得している。
三安光電を筆頭として中国内地の LED チップメーカーが急速に生産能力を拡張している
ことについて、LED チップの供給過剰懸念が浮上していることについて、台湾第 2 位の
LED チップメーカーである璨円光電董事長の簡奉任氏は、三安光電の中核事業である中
小型パネル用 LED バックライトの供給過剰は懸念されるが、中国地場メーカーが参入し
ていない大型パネル用 LED バックライト市場については年内の供給過剰は予想していな
い、台湾メーカーは事業の重点を既に大型パネル用 LED バックライトにシフトしている
との見方を示した。
【LED】隆達、6 月売上高が前月比 35%増、通年売上高 100 億 NTD
2010-7-6 中国 PCB 産業協会
世界第 4 位の液晶パネルメーカーである友達光電(AUO)傘下の LED チップ製造・実装メ
ーカー、隆達電子(Lextar)は、今年 6 月の売上高がテレビ用 LED バックライト製品の
出荷増により、前月比 35%増、前年同期比 540%増となり、10 億 NTD の大台を突破、10.25
億 NTD に達したことを明らかにした。また、今年上期の売上高は 36.9 億 NTD、そのうち
4-6 月の売上高が 23.8 億 NTD、1-3 月比 81%増だったこと、出荷している LED 製品のチッ
プの 50%を内製化していることもあり、今年下期の売上高は 60 億 NTD、通年の売上高は
100 億 NTD に達する見通しを明らかにした。
LED 産業の供給過剰懸念については、LED バックライトを搭載した液晶テレビ及び液晶モ
16
2010 年 7 月号
ニタの普及率が 30%を超えてくることから、今年は LED 産業において供給過剰は起きな
いとの見方を示した。
隆達電子は現在、台湾新竹工場に 30-40 台の MOCVD 設備を保有、今年年末までに保有台
数を 60-70 台まで増やす計画で、LED チップ内製化率を下期には 70%近くまで引き上げる
としている。また、蘇州工場も今年 5 月から建設を開始しており、来年 1-3 月には完成、
来年末までに蘇州工場に 50 台の MOCVD 設備を導入する計画も進めている。台湾新竹工場
が来年 10-12 台の MOCVD 設備を新たに導入することから、来年末には 120-130 台の MOCVD
設備での生産体制が構築されるとしている。
【太陽電池】広東愛康、年産 120MW 多結晶シリコン太陽電池工場稼働
索比太陽能网 2010-7-6
中国地場の多結晶シリコン太陽電池メーカー、広東愛康太陽能科
技有限公司は、第 1 期事業として、年産 120MW 多結晶シリコン電
池セル生産ラインを今月正式に稼働させた。第 2 期の年産 240MW
多結晶シリコン太陽電池セル生産ラインも既に設計段階に入って
おり、来年 3 月末に完成・稼働する予定。
愛康太陽能:www.aikosolar.com/
【太陽電池】漢能、年産 1GW のアモルファス薄膜太陽電池工場を建設
電子市場 2010-7-5
中国地場の投資ファンド、漢能(Hina Group)は 6 月 29 日、240
億元を投じて中国最大のアモルファス薄膜太陽電池の開発製造基
地を建設することを明らかにした。年産能力は 1GW(1000MW)、年
間売上高 140 億元、5000 人の雇用創出を見込んでいる。
漢能は、香港のアモルファス薄膜太陽電池メーカーである鉑陽太陽能(Apollo solar)
のマジョリティを取得しており、同社を通じて上記事業を進める計画。
漢能:www.hinagroup.com/
【PCB】深圳地場電子企業の内陸シフト加速 PCB 大手 2 社が四川進出
PCB 信息網 2010-7-6
中国深圳の大手プリント基板メーカーである深圳搏敏興電
子有限公司及び詮脳電路有限公司は 6 月 30 日、四川省遂寧
市(右地図)創新工業園区にそれぞれ総投資額 3 億元及び
1.6 億元を投じて、プリント基板生産工場を建設することで
正式に契約を調印した。
深圳搏敏興電子有限公司が遂寧市で建設する多層プリント
基板工場は稼働すれば、年間 4.5 億元の売上高、1500 人の
17
2010 年 7 月号
雇用を創出することが期待されている。また、詮脳電路有限公司が遂寧フレキ基板生産
工場は稼働すれば、年間売上高 3 億元、1000 人の雇用創出が期待されている。両事業と
もに今年 9 月に正式着工、来年 4 月には稼働する予定。
【電池】成飛集成科技、10 億元を調達し中航のリチウム電池事業に参画
全景网 2010-7-6
中国地場の大手自動車部品金型メーカーである四川成飛集成科技は、10.2 億元の資金調
達を行い、中航集団の洛陽でのリチウムイオン電池事業に資本参加することを明らかに
した。大容量リチウムイオン動力電池の生産に参入することで、自動車部品事業の拡充
を図るとしている。成飛集成:www.cac-citc.com.cn/
【光ファイバ】中天、12 億元投じ年産 400 トンの光ケーブル母材工場建設
証券時報 2010-7-6
中国江蘇省の大手光ファイバメーカー、中天科技(ZTT)董事
会は、事業拡張のため、A 株発行を通じて 16.8 億元の資金調
達を行うことを明らかにした。調達する資金 16.8 億元のうち、
11.8 億元は中天科技精密材料有限公司の光ファイバ母材生産
工場の建設、5 億元は中天科技装備電纜有限公司の輸送設備用
ケーブル生産工場の建設に充てられるとしている。
光ファイバ母材生産工場は 2 年後に完成、年産能力は 400 トン、年間 5.94 億元の売上高
を見込んでいる。輸送設備用ケーブル生産工場も 2 年後に完成、年産能力は船舶用ケー
ブル 1.8 万キロ、車両用ケーブル 1.08 万キロ、風力発電設備用ケーブル 1410 キロ、原
子力発電設備用ケーブル 910 キロで、年間 10 億元の売上高を見込んでいる。
中天科技:www.jszt.com.cn/
【ケーブル】常州金源銅業、年産 30 万トンの光沢銅ロッド生産ライン稼働
中国電線電纜網 2010-7-5
日本の日鉱金属と中国の五鉱資源の合弁で中国国内最大の銅線メーカーである常州金源
銅業有限公司は、年産 30 万トンの光沢銅ロッド生産ラインを正式に竣工、稼働させた。
年間売上高 100 億元を見込んでいる。2 億元を投じて米国から 8 ミリ光沢銅ロッド連続
鋳造圧延生産ラインを導入したという。常州金源銅業の昨年の銅ロッド生産量は 19.37
万トン、売上高は 65.58 億元。常州金源銅業:jinyuantongye.cn.gongchang.com
【ケーブル】天津昭和漆包線、年産 2 万トンの無酸素銅線生産ライン稼動
中国電線電纜網 2010-7-5
日本の昭和電線ケーブルシステムが中国信達資産管理公司と共同で設立した天津昭和漆
18
2010 年 7 月号
包線有限公司は、年産能力 2 万トンの無酸素銅線生産ラインを完成、正式に稼働させた。
年間売上高 10 億元を見込んでいるという。
昭和電線ケーブルシステムは、既に中国の上海、広州、香港などに 10 の工場を展開して
いるが、天津昭和漆包線有限公司は 11 番目の生産拠点となる。天津西青経済開発区に設
立され、登録資本は 1271 万米ドル。昨年 5 月から工場建設を開始、米国 GE 社から無酸
素銅ロッド生産ライン、イタリア SICME 社からエナメル加工設備を導入している。
601 号 7 月 12 日
【EMS】鴻海、3600 万ユーロでソニー欧州液晶 TV 工場の 90%持分取得
2010-7-7 中国 PCB 産業協会
EMS 世界最大手の鴻海(Foxconn)は 7 月 2 日、3600 万ユーロで日本のソニーがスロバキ
アに有する液晶テレビ工場の 90%の持分を取得したことを明らかにした。
ソニーは昨年末にスロバキア工場を売却すること、但し 2500 名の工員の雇用は維持する
こと、売却しても引き続きソニーブランドの液晶テレビの生産を維持することを明らか
にしていた。
【パソコン】広達、6 月売上高 1 千億 NTD 突破 通年 1 兆 NTD も視野に
台湾経済日報 2010.07.09
大手ノートパソコン ODM メーカーの 6 月の業績が発表され、業界第 2 位の広達(Quanta)
の売上高が初めて 1000 億 NTD の大台を突破し、通年の売上高も 1 兆 NTD を突破する見通
しを示した。同業大手の仁宝(Compal)、緯創(Wistron)いずれも業績に予想を上回っ
たことを明らかにしている。
このうち、広達の今年上期のノートパソコン出荷台数は 2470 万台に達し、通年の出荷量
目標 5000 万台を達成できる見通しで、昨年首位の座を奪われた仁宝(Compal)から再び
首位の座を奪い返す可能性が高まっている。広達は 7-9 月の見通しについては、欧米の
入学シーズンが到来すること、商用ノートパソコンの買い替えブームが起きていること、
ユーロ不安が和らいでいることなどから、4-6 月比 10-15%増の出荷を見込んでいるとい
う。広達の 6 月のノートパソコン出荷台数は 480 万台、売上高は 1002 億 NTD で前月比
8.3%増、前年同月比 54.03%増、上期の売上高は 5361.33 億 NTD で前年同期比 64.26%増と
なっている。
また、ノートパソコン ODM 第 3 位の緯創は、今年 6 月の出荷台数が 255 万台、売上高が
561.81 億 NTD で前月比 15%増となったこと、液晶テレビの出荷台数も 40 万台となったこ
とを明らかにしている。7-9 月のノートパソコン出荷量については、4-6 月比 10-15%増
を見込んでいるという。業界第 1 位の仁宝も、6 月の出荷量が過去最高、売上高が 5 月
比 3-5%増となることを明らかにしている。
一方、業界第 4 位の英業達は、6 月の売上高が 347.33 億 NTD で 5 月比 8.8%増となったも
のの、昨年同期比では 4.41%減、上期の売上高も 1678.92 億 NTD で前年同期比 10.28%減
19
2010 年 7 月号
となったことを明らかにしている。
【パソコン】宏碁/華碩、iPad ブームで過剰となった Netbook 処理一段落
DIGITIMES 8-7-2010
ノートパソコン大手でミニノート Netbook の 2 大メーカーである宏碁(Acer)及び華碩
(Asustek)は、iPad ブームで過剰となった Netbook の在庫処理がようやく一段落した
ことを明らかにした。ただ、新機種投入については、両社ともタブレット型パソコンと
の棲み分けが可能か否かを見極める必要があるとして、早くても 8 月以降になるとの見
方を示した。
インテルが近く Netbook 向けにデュアルコア Atom N550 プロセッサを投入するものの、
価格が現有の N455/475 に比べ 11-22 米ドル割高であることも、ブランドメーカーの同プ
ロセッサ採用をためらう要因になっている。また、Atom N550 搭載 Netbook が Celeron
搭載のノートパソコンと同価格帯となることも問題視されている。さらに、インテルが、
Celeron を段階的に生産終了し、Atom CPU をエントリ用ノートパソコンの主力とする計
画であるとの憶測も、ブランドメーカーを様子見とさせる要因となっている。
宏碁、華碩、東芝は、超薄型ノートパソコンの売れ行きについても、iPad の影響を受け
て低調となっているとして、価格を大幅に引き下げる戦略をとっている。
【LED】LG Innotek 社、1 億米ドル投じ広東恵州に LED 実装工場建設
2010-07-09 電子元件技術網
韓国の LG 集団傘下の LG Innotek 社は、1 億米ドルを投じて中国広東省恵州仲愷ハイテ
ク区に LED 実装工場を建設することを明らかにした。恵州市は、米大手 LED チップメー
カーである Cree 社も誘致していることから、LG Innotek 社の恵州工場は Cree 社の恵州
工場からチップを調達することになると見られている。
仲愷ハイテク区管理委員会主任の楊鵬飛氏は、LG Innotek 社は世界有数の LED 実装メー
カーで、恵州工場は来月にも量産を開始する予定だという。中国広東省は LED 実装産業
が最も集積した地域で、関連メーカーは 1000 社余り、実装数量の世界シェアは 50%を超
えている。現在、川上の LED チップ、エピタキシャルウエハなどの産業の誘致に力を入
れている。
米 Cree 社、LG Innotek 社のほか、雷曼光電(Ledman)、純英半導体、訊強電子、TCL 照
明などの LED 関連メーカーも相次いで恵州仲愷ハイテク区に進出しており、恵州市政府
は仲愷ハイテク区に LED 光電産業園を建設することで、2012 年までに生産高 10 億元以
上の LED 企業を 5 社育成し、市全体の LED 産業生産高 100 億元を達成したいとしている。
雷曼光電:www.ledman.cn/
【LED】四聯、重慶のサファイア基板生産ライン稼働 年商 100 億元見込む
中国伝動網 2010-7-7
20
2010 年 7 月号
中国重慶市の大手産業機械メーカー、四聯集団は、2008 年に米ハネウェルから取得した
カナダの LED 結晶成長用サファイア基板製造工場を活用して、重慶両江新区の LED 産業
パークにサファイア基板の製造から実装、応用製品の生産までを一貫して行う生産ライ
ンを完成、正式に稼働させたことを明らかにした。年間 100 億元の売上高を見込んでい
る。四聯集団:www.sicc.com.cn/
【太陽電池】GT Solar 社、協鑫光伏のシリコンウエハ工場に新型設備納入
2010-7-9 GT Solar
太陽電池製造装置及び製造技術を提供する米 GT Solar 社は、中
国地場の太陽電池用シリコン材料メーカーである協鑫光伏の新
工場に新型 DSS450HP シリコン生成システムを納入したことを
明らかにした。
GT Solar 総裁兼 CEO の Tom Gutierrez 氏は、協鑫光伏は GT Solar にとって非常に重要
なユーザーであり、長年のパートナーシップが結実し、今回の新型高性能 DSS450HP シリ
コン生成システム納入が実現したとしている。協鑫光伏:www.gcl-silicon.com/
【太陽電池】尚徳、日本国内太陽電池システム市場で 10%シェア獲得狙う
2010-7-9 索比太陽能
世界第 2 位の太陽電池メーカー、中国の無錫尚徳(Suntech)は、欧州の太陽電池市場が
政府補助金削減により縮小するとの見方から、今後成長が期待できる日本市場への進出
を加速、低価格攻勢で日本市場で 10%のシェア獲得を目指す戦略を打ち出した。
尚徳の日本支店は昨年、日本最大の家電量販チェーンの山田電機(Yamada Denki)、ミサ
ワホーム(Misawa Home)と提携し、日本国内での販売網を拡大、25 年の長期保証を提
供することで販売促進を図っている。
尚徳の日本支店であるサンテックパワージャパン(Suntech Power Japan、旧 MSK)社長
の山田豊氏は、尚徳は日本でも知名度があるものの、日本の消費者が中国メーカーに対
して持っている安かろう悪かろうのイメージを払拭することが次なる大きな課題となっ
ていると指摘する。
今年 1-3 月の日本国内の太陽電池出荷量は 520 メガワット(MW)で前年同期比 2 倍になっ
ており、今年 6 月末から横浜市で開催された PV Japan 2010 に出展した海外メーカー数
が前回比 2 倍になったことからも、海外メーカーの日本市場に対する期待が高まってい
る。山田豊氏は、欧米市場に比べ安定成長が期待できる日本市場に海外メーカーの注目
が集まっていると分析。中でも、V Japan 2010 に出展した中国地場の太陽電池メーカー、
索日新能源科技(Sopray Solar)は、日本メーカーのほぼ半額の 1KW 当たり 30 万円(約
3410 米ドル)の製品を出展し、強烈な販売攻勢をかけている。こうした海外メーカーの
低価格攻勢により、日本メーカーの製品にも値下げ圧力がかかっている。
また、2015 年までに 1 兆ウォン(約 8.2 億米ドル)を太陽電池事業に投じることを明ら
21
2010 年 7 月号
かにしている韓国の LG 電子の動きからも目が離せない。三星電子も 2020 年までに数兆
ウォンを太陽電池事業に投じ、主に日本市場に進出することを明らかにしている。
索日新能源:www.sopraysolar.jp/
【車載電子】TDK、中国の車載電子事業を大幅に拡張 人員を 5 倍に
電子市場 2010-7-8
2008 年に EPC を吸収合併した TDK は、新たに TDK̶EPC を設立し、受動部品の開発に注力
するとともに、今後最も高成長が期待できる中国の車載電子市場に力を入れている。TDK
は中国事業を華北、華東、華南、台湾の 4 ブロックに分けて、それぞれのブロックの市
場特性に合わせたチームを構築、3 年前には 3 名しかいなかった車載電子事業人員を 17
名まで増員している。特に新エネルギーを動力とした自動車に必要となる直流電源コン
バータ、金属磁石、電流センサ、充電器、電池の開発に力を入れている。
TDK のコア・コンピタンスであるフェライト材料では、30 年前から自動車用に製品を供
給してきた実績を生かして、耐熱温度を現有の 85 度から 125 度まで引き上げることに成
功、またエンジン周辺部品で求められる 150 度以上の耐熱温度に対応する製品の開発に
も成功している。
また、TDK は中国域内に電波暗室を設置することで、フィルタ製品やノイズ吸收材料の
性能を現地ですばやく測定することも可能にしており、ユーザーの各種ニーズにスピー
ディに対応できる体制をつくっている。TDK は最新技術及び最新製品を中国市場に投入
することで、急成長する中国国内の車載電子市場でプレゼンスを高めたいとしている。
【電池】襄樊高新青山、リチウム電池動力システム基地建設 年産 3 千台
中国工業報 2010-7-8
中国湖北省襄樊市の新エネルギー開発
企業である襄樊高新青山電動汽車有限
公司は、20 年余りの研究を通じて、電気自動車用リン酸鉄リチウ
ム電池及び 2 極永久磁石ロータ直流モーターシステムの開発に成
功したことを発表した。同システムの耐久走行距離 50 万キロ、1
回の充電で走行できる距離は 500 キロ、世界水準の燃費を達成し
ているという。
高新青山は今後、湖北省政府及び襄樊市政府の支援を得て、襄樊
ハイテク区ハイテクパークに 3 本の電気自動車用動力システム生産ラインを建設、年間
3000 台の動力システムを生産、年間 20 億元の売上高を見込んでいる。また、3 年以内に
年産能力を 10 万台に拡張、中国国内でも有数の電気自動車用動力システム生産基地とす
る計画。襄樊高新青山電動汽車:www.qscdd.com/
【半導体】海太半導体、無錫に 12 インチ半導体実装検査工場を竣工
22
2010 年 7 月号
無錫広電・経済頻率 2010-7-8
中国国内で最高水準の半導体実装検査技術を有する海太半導体(無錫)有限公司は、12 イ
ンチ半導体実装検査工場を無錫輸出加工区に竣工したことを発表した。海太半導体(無
錫)有限公司は、中国地場の無錫太極実業の業態転換の一環で、韓国 Hynix 社との合弁で
設立した半導体実装検査企業で、韓国 Hynix 社にとっても重要な対中投資案件となって
いる。総投資額は 3.5 億米ドルに上り、主に半導体製品の探針検査、実装を行う。
海太半導体(無錫)有限公司の全ての事業がフル稼働すれば、中国国内最大の半導体後
工程企業となり、年間売上高は 3 億米ドル近くに達する見通し。
【半導体】東微世紀、立体音声及び拡声器保護 IC チップの開発に成功
中電網 2010-7-7
中国地場のアナログ半導体開発会社、北京東微世紀科技有限企は、継電器による立体音
声保護機能を持った IC チップ̶EMT1237B の開発に成功、本格的に供給を開始したことを
明らかにした。
EMT1237B は Bipolar 製造技術を採用、実装は SIP8L 方式を採用しており、直流電気が大
量に流れることに伴うコイルの発熱を効率よく制御することが可能であるという、また
スィッチのオン・オフ時のノイズも抑えることが可能だという。
東微世紀科技:www.eastmicrotech.com/
602 号 7 月 14 日
【携帯電話】中国スマートフォン ODM メーカー、Android 採用で低価格攻勢
創 e 時代 2010/7/9
グーグルのカスタマイズフリーのオープン型スマートフォン用基本ソフト Android が、
スマートフォン産業に当初予想しなかった変化を生んでいる。著名な携帯電話市場アナ
リストの Andreas Constantinou 氏は、足もとでスマートフォン産業で進展している変化
はかつてのパソコン産業で起きたトレンドに似ている、スマートフォン OEM メーカーが
大きな影響力を持つ可能性があると分析している。
スマートフォン産業のアナリストは、これまではスマートフォン産業がパソコン産業と
似た成長サイクルを辿るとする見方について、両者のソフトウェア、サービス、流通チ
ャンネル、キャリアなどが異なる中で両者の類似性を語るのは滑稽としてきたが、グー
グルの Android 出現によって状況が一変しようとしている。
Android は、ノキア、マイクロソフト、そしてアップル、RIM への依存を打破するための
有効なツールと認識されており、一気に普及が進展、かつてパソコン産業でマイクロソ
フトの独占を打破した Linux に似た現象が起きているという。
携帯電話のブランドメーカーは、当初は通信キャリアに対して Android を iPhone に比べ
低いコストで iPhone に近いクローン機種をつくることが可能と訴え、2008 年以降、多
くの通信キャリアが Android 機種を採用し始めた。この Android が爆発的に市場に浸透
23
2010 年 7 月号
し始めたのは今年に入ってからで、これまで 90%のハイレンジ端末で伝統的な基本ソフ
トを採用していた三星、LG が今年に入って相次いで Android 機種を投入、既に 10 の新
機種で Android 採用を決めている。
また、中国内地及び台湾のスマートフォン ODM メーカー10 社余りが、Android を積極的
に採用し始めたことも、タッチパネル式スマートフォンの低コスト生産が可能となる大
きな要因となっている。スマートフォン用チップ大手の Qualcomm 及び聯発(Mediatek)
が、Android ベースの表面実装型チップを発表したことから、Android スマートフォンの
開発から量産までの時間が 6-9 ヶ月に短縮、特に聯発の Android チップの量産が始まれ
ば、3 ヶ月まで短縮するといわれている。世界の携帯電話 ODM 工場である中国内地及び
台湾が Android スマートフォンの量産を開始すれば、Android タッチパネル式スマート
フォンの小売価格は 150 米ドル前後まで下落するともいわれている。
Android がきっかけとなったスマートフォン産業の変化は、かつてパソコン産業が辿っ
た低価格化路線に似た様相を呈しており、スマートフォン産業関係者は想定外の変化へ
の対応が迫られている。
中国内地及び台湾のスマートフォン ODM メーカーが、Android 採用を通じてユーザーに
対して低コストのハイレンジスマートフォンを ODM 出荷することが可能となり、特に大
手 ODM メーカーが iPhone に近いタッチパネル機種を 100 米ドル前後で提供するという価
格破壊的攻勢をかけていることが注目されている。
【携帯電話】聯発、中国政府 White-box 機種取締りで 2Q 業績が未達
中国証券報 2010/7/9
White-box 携帯電話 IC チップの 8 割を生産する聯発科技(MediaTek)が、中国政府が
White-box 携帯電話の取締りを強化したこと、新興国市場の携帯電話ブランドメーカー
が需要見通しの下方修正から在庫調整に入ったことなどの影響を受けて、今年 6 月の売
上高が前月比 18.4%減、前年同月比 9.9%減となり、今年 4-6 月の売上高が目標未達とな
ったことを明らかにした。同社は先日、中国税関当局の違法部品輸入取締りの影響によ
り中国内地向け製品の通関が出来なかったことが大きく響いていることを明らかにして
いる。
聯発は 7-9 月については、例年であれば需要期ではあるものの、あまり業績の伸びが期
待できないとの見通しを明らかにしている。同社は今月 30 日に対外的に今年下期の見通
しを正式発表することを明らかにした。
市場は、中国政府の White-box 携帯電話取締りは一時的なもので、8 月以降には落ち着
くとしているが、今回の取締りは長期化する可能性もあり、予断を許さない。
【太陽電池】四川永祥、楽山市で多結晶シリコン工場
建設 年産 9 千トン
慧聡電子網 2010-7-9
24
2010 年 7 月号
中国四川省の多結晶シリコンメーカー、四川永祥多晶硅有限公司は 7 月 7 日、四川省楽
山市で年産能力 3000 トンの高純度多結晶シリコン生産プラント、年産 6000 トンの多結
晶シリコン生産プラントの建設を開始した。高純度多結晶シリコン生産プラントは来年
7 月竣工、年間 20 億元の売上高を見込んでいる。
四川省楽山市は、中国政府指定の国家シリコン材料開発及び副産物利用基地であり、四
川永祥、東汽峨半、楽電天威、新光硅業などの中国地場の複数の多結晶シリコンメーカ
ーが既に入居している。
四川永祥:www.yx-polysilicon.com/
【液晶パネル】TCL、液晶 TV のバリューチェーン構築で地場メーカーをリード
天極網数字家庭頻道 2010/7/9
中国地場最大の液晶テレビメーカーである TCL 集団は、EMS 最大手の鴻海(Foxconn)の
技術協力を受けている深圳市政府系の深超科技と合弁で進めている 8.5 世代液晶パネル
生産事業において、深圳市政府から 15 億元の財政補助金を獲得したことを明らかにし、
同事業が政府の全面的な支援の下、進展していることを強調した。
液晶パネルは液晶テレビ全体コストの 35-40%、液晶パネルモジュールを含めると全体コ
ストの 60̶65%を占めることから、世界で大手といわれるカラーテレビメーカーは全て高
世代液晶パネル量産技術を持ち、カラーテレビ産業のバリューチェーンの中で最も付加
価値が高い領域となっている。TCL が 8.5 世代液晶パネル生産事業への投資を決定した
のは正に TCL がこれからの 10 年を考えた上での判断であり、カラーテレビ産業において
中国地場メーカーが揺るがない収益構造を確立するためにも避けては通れないハードル
という判断で深圳市政府と認識を共有できたためと見られている。
TCL 集団の李東生董事長は、8.5 世代液晶パネル生産ラインは、目下、中国地場メーカー
が薄型ディスプレイ産業において競争力を確保するために必須事業であり、中央政府が
目標としている産業構造のグレードアップにとっても重要プロジェクトになるとしてい
る。それは、これまで長期にわたり中国地場のカラーテレビメーカーを悩ませてきたボ
トルネックからの脱却を意味することであり、三星、LG、シャープ、ソニーといった海
外の大手カラーテレビメーカーと同じ土俵に建つことを意味するとしている。
中国工業情報化省電信研究院シニアエンジニアの陳金橋・博士は、全ての産業において
企業が持つバリューチェーン構築能力はその企業の将来競争力のコアとなるとの見方を
示し、早くから川上の液晶テレビ用モジュール事業に投資していた TCL は、中国地場の
他社メーカーに比べ将来競争力があり、売上高を伸ばして既に中国地場最大の液晶テレ
ビメーカーとなっていると評価する。同氏は、バリューチェーンを構築できるメーカー
は、その業界の平均を上回る高成長及び高収益を達成することが可能で、TCL が液晶パ
ネルモジュールに続いて、8.5 世代液晶パネル量産技術の獲得に乗り出したことは、TCL
が中国国内の液晶テレビ産業で最もバリューチェーン構築に積極的でかつ能力を持った
企業であることを意味し、結果的に中国の液晶テレビ市場で最も多くの果実を受ける受
益者になることを意味するとしている。
また、中国地場の IT 市場調査会社、奥維諮詢の調査によると、今年 1-3 月の中国国内の
25
2010 年 7 月号
インターネットテレビ販売台数は 83 万台、売上高は 60 億元に上るが、TCL はこの分野
でもシェア首位の地位を確保している。TCL は、このように川下であるテレビ放送のコ
ンテンツに対しても積極的に投資を行っており、アップルのスマートフォン iPhone の戦
略に似たビジネスモデルを液晶テレビで実践しようとしている。
インターネットテレビは、国内に世界最大のインターネットユーザーを有し、世界最大
のカラーテレビ市場を有する中国国内のカラーテレビメーカーにとって数十年に一度あ
るかないかの千載一遇のチャンスをもたらすといわれている。それは、白黒テレビから
カラーテレビ、CRT テレビから薄型テレビへの転換に比べてもインパクトは大きく、中
国国内メーカーが初めて日本メーカー、韓国メーカーを超えることができるチャンスと
もいわれている。
中国工業情報化省電子研究院の陳金橋・博士氏は、TCL がこれまで取ってきたグローバ
ル戦略、8.5 世代液晶パネル生産事業への投資、インターネットテレビ、さらに LED、3D
技術などへの投資などから、中国の地場メーカーの中でも最も世界企業に進化できる可
能性をもった企業と評価している。
【PCB】東旭投資、牡丹江市に 25 億元投じ薄膜太陽電池工場建設
東北網 2010-7-9
中国の民間ベンチャーキャピタル、河北東旭投資集団は、黒竜江省牡丹江市に 25 億元を
投じてアモルファスシリコン薄膜太陽電池生産工場を建設することで牡丹江市と正式に
契約を調印した。完成すれば、年間 20 億元の売上高を見込んでい
るという。第 1 期では、13.5 億元を投じて年産能力 60MW の生産ラ
インを建設、年間 10 億元の売上高を見込んでいる。
アモルファスシリコン太陽電池の厚さは 1μm 以下で、結晶型シリ
コン太陽電池の厚さの 100 分の 1 であることから、製造コストを
抑えることが出来るというメリットがある。
【PCB】聯茂/台耀、中間決算・価格下落などから 6 月売上高伸び悩む
2010-7-12 中国 PCB 産業協会
台湾の大手銅箔張り積層板メーカーの 6 月の売上高が、中間決算期にあること、銅箔価
格が下落傾向にあることなどから伸び悩んでおり、聯茂(ITEQ)、台耀(TUC)の 6 月の売上
高が何れも前月比減となった。ただ、4-6 月通じての連結売上高については、台耀が 1-3
月比 3 割増、聯茂が同 26.5%増を達成している。
聯茂は、今年 6 月の連結売上高は 18.83 億 NTD で前月の 18.97 億 NTD を若干下回ったこ
と、ただ需要は依然堅調であることから、無錫工場の月間 30 万枚の新規生産能力を今年
9 月から稼働させる計画は変更しないとしている。また中国内陸部の湖北省での生産拠
点建設についても変更はないとしている。
また、台耀の今年 6 月の連結売上高は 9.02 億 NTD で、前月の 9.1 億 NTD を下回った。今
年 4-6 月に正式稼働した広東省中山工場については、稼働率が 80%に達していることを
26
2010 年 7 月号
明らかにした。
【PCB】志聖、2Q 売上高 1Q 比 25%増 B/B も 4 四半期連続 1.0 超
2010-7-10 funddj
フレキシブル基板(FPD)、プリント基板(PCB)設備メーカー、志聖(C Sun)は、今年
4-6 月の税前利益が 1.24 億 NTD で 1-3 月比 34%増、1-6 月の税前利益は 2.12 億元で昨年
同期比 6.3 倍となったことを明らかにした。
電子機器の需要が回復していることから、今年に入って電子機器製造業の設備投資が大
幅に拡張しており、設備メーカーもその恩恵をダイレクトに受けている。液晶パネル及
びプリント基板ドライ工程設備を主力とする志聖の今年 2Q の連結売上は 8.57 億元で 1Q
比 25%増、2007 年 3Q 以来の最高を記録、連結粗利率も 33%に達している。
志聖は、B/B レシオが既に 4 四半期連続で 1.0 を超えていること、手元に未出荷の確定
受注が 16 億 NTD あること、そのうち液晶パネル設備が 8-9 億 NTD、PCB 設備が 3-4 億 NTD
であることから、今年 7-9 月が据付・入金のピークになることを明らかにしている。
【銅箔】金居、2Q 売上高が過去最高記録 ただ今後の生産拡張抑制
2010-7-10 精実新聞
台湾の大手銅箔メーカー、金居開発銅箔(Co-Tech)は、6 月の売上高は 4.73 億 NTD で 5
月比 15%減となったものの、今年 2Q の稼働率が 95%に達し、2Q の売上高は 16.05 億 NTD、
出荷量は 4300 トンで、いずれも過去最高となったことを明らかにした。
6 月の売上高が前月を 15%下回ったことについては、主に銅価格が下落したこと、ユーザ
ーの姿勢が銅価格下落により市況を見極めたい方向に変わったためと説明している。ま
た中間決算期にあることの影響もあったとしている。
7-9 月の見通しについては、慎重かつ楽観的としているものの、2Q の業績が過去最高と
なったこと、設備利用率も 95%の最高水準に達したこともあって、7-9 月が 4-6 月同様の
水準を維持することは困難であるとの見方を示している。また、夏季に電気料金が通常
月の 3000 万 NTD に比べ 1000 万 NTD 高い 4000 万 NTD となるという影響も勘案する必要が
あるとしている。
下期全体については、プリント基板大手が今後 1-2 年の見通しを楽観視しており、生産
能力拡張を加速していることが追い風になるとしている。ただ、昨年末に月産能力を
1200 トンから 1500 トンに拡張済みであることから、今後の拡張については限定的にな
るため、今後 2 年間は供給がタイトになる可能性があるとしている。
金居が生産している製品の殆どは電解銅箔で、主にプリント基板向けに供給されている
が、現在の月産能力 1500 トンのうち、銅箔張り積層板メーカー向け、プリント基板メー
カー向け出荷比率は 60%、40%となっている。主力ユーザーは、中国地場最大の銅箔張り
積層板メーカーである生益集団(Shengyi)、韓国最大の銅箔張り積層板メーカーである
Dossan で、この 2 社向け売上高は全体の 30-40%を占めている。
金居は、これまでは世界の銅箔市場の 70%は日本の銅箔メーカーにより支配されていた
27
2010 年 7 月号
が、近年は台湾系、中国内地系の銅箔メーカーの台頭により業界地図が大きく変わろう
としていると指摘する。金居の台湾域内での主な競争相手は、南亜、長春、李長栄、台
湾銅箔、台日古河などであるが、そのうち南亜は生産量の 90%をグループ企業向けに供
給、長春も 30%をグループ向けに供給していることから、主に李長栄、台湾銅箔、台日
古河との競争になっているという。中国内地では建滔、江西銅業、山東招遠といった銅
箔メーカーが台頭しているという。
金居は、プリント基板領域向け銅箔市場は競争が激化していることから、今後暫くは生
産拡張は考えていないことを明らかにしている。ただ、リチウム電池用銅箔については、
潜在性があることから、来年 1-3 月に生産ラインの建設を開始、来年 10-12 月から本格
的に量産を開始することを明らかにしている。
603 号 7 月 16 日
【液晶 TV】冠捷、フィリップス液晶 TV 事業の買収でほぼ合意 鴻海に対抗
DIGITIMES 13-7-2010
液晶モニタ・テレビ OEM 最大手の冠捷(TPV Technology)は、鴻海(Foxconn)がソニー
の複数の液晶テレビ工場を取得し急速に液晶テレビ OEM シェアを拡大する中、液晶テレ
ビ OEM シェア首位の地位を確保するための対抗策として、蘭フィリップスの液晶テレビ
事業を買収する方向で交渉中であることが明らかになった。
冠捷は既に買収交渉妥結に向けて合意書のドラフト作成に入っているという。ドラフト
によると、冠捷はフィリップス向けにフィリップスブランドの液晶 TV 製品を供給するこ
とになるという。冠捷は今年、1400-1500 万台の液晶テレビを OEM 出荷する計画。
【パソコン】緯創、上海世紀出版向けに EPD 電子書籍リーダーの出荷開始
DIGITIMES 13-7-2010
ノートパソコン ODM 世界第 3 位の緯創(Wistron)は、今月から中国内地の大手出版社で
ある上海世紀出版集団(Shanghai Century Publishing Group)向けに電子書籍リーダー
の出荷を開始したことを明らかにした。電子書籍リーダー用パネルは、元太科技(Prime
View)傘下の SiPix 社の電子ペーパー(EPD)を採用しているという。
緯創はまた、台湾のソフトウェア開発会社と提携して電子書籍のオンラインダウンロー
ドサービスを提供するプラットフォームも構築しており、出版社からの電子書籍リーダ
ー受注を拡大させているという。
緯創の電子書籍リーダーは、6 インチサイズ、基本ソフトは Android を採用している。
販売価格は 2980 元(436 米ドル)。
【パソコン】和碩、アップルから卓上 PC 受注 MacBook 受注に向けて前進
DIGITIMES 12-7-2010
28
2010 年 7 月号
ノートパソコン大手の華碩(Asustek)から分離独立したノートパソコン ODM 世界第 5
位の和碩(Pegatron)が、アップルからデスクトップ型パソコンを受注したことが明ら
かになった。和碩は当面の目標として嘗て受注していたアップルの MacBook の ODM を再
び再開することを掲げており、和碩のアップルからのデスクトップ型パソコン ODM 獲得
はその目標達成のための大きな一歩といえる。
和碩は、嘗て親会社だった華碩からの受注減少にともなって、今年 6 月の売上高が前月
比 3.1%減、前年同月比 19%減の 316 億 NTD(9 億 8655 万米ドル)となったが、今年上期を
通じての売上高は前年同期比 20.4%増の 2080 億 NTD に達したことを明らかにしている。
また、今年 6 月のマザーボード及びデスクトップ型パソコンの出荷量は 150-160 万台分、
ノートパソコンの出荷量は 110-120 万台、ビデオカードの出荷量は 34 万枚だった。
【液晶パネル】昆山市、今年上期のモニタ輸出額が前年同期比 4 割増
中国質量新聞網 2010/7/13
中国昆山市の税関当局によると、今年上期の昆山市のモニタ輸出額は 1 兆 7719 万米ドル
で前年同期比 44.4%増となった。昆山市が輸出しているモニタの 9 割以上はパソコン用
液晶モニタであることから、その輸出額が前年比 4 割増となったことは、世界の液晶モ
ニタ市場が急速に回復していることをうかがわせる内容といえる。
世界の液晶モニタ市場は、金融危機以降急速に縮小し、昨年上期の世界出荷量は前年比
6 割減となっていたが、各国政府の景気刺激策により急速に回復、特に中国内地などの
新興国市場が世界市場の回復を牽引している。
ただ、今年上期の液晶モニタ輸出が大幅増となったものの、依然として金融危機以前の
2008 年の水準を回復できておらず、ユーロ危機の影響もあることから、今後も回復基調
が続くは予断を許さない状況だという。
市場関係者は、モニタ市場に対して依然非常に悲観的な見方をしており、ノートパソコ
ンの普及によりデスクトップ用モニタ市場は依然として縮小圧力を受けていること、タ
ブレット型パソコンも含めた AIO 型パソコンが今後シェアを拡大してくることを指摘し
ている。
【スマートフォン】神達、アップル iPhone/iPod 用ナビ機能付き防水ケース開発
鉅亨網 2010/7/13
台湾の PDA/GPS 大手の神達(Mitac)は、アップル iPhone が世界を席捲する中、傘下の
GPS 端末ブランド Magellan 事業部門がアップル iPhone 及び iPod touch 向けにナビ機能
及び防水機能を強化した ToughCase を開発したことを発表した。
ToughCase は、IPX-7 防水標準に則り水深 1 メートルの水中で
30 分の防水が可能、また SiRFstar III GPS チップを搭載する
ことでナビ機能の正確性を 3 倍以上に改善している。さらにス
ペアバッテリ搭載により使用時間を 2 倍以上にしている。
29
2010 年 7 月号
神達は、ToughCase はアウトドアを好む iPhone/iPod touch ユーザーをターゲットにし
た製品で、マルチタッチパネルや通話などの従来機能はケースなしの場合と変わりなく
使用できるという。
なお、神達の今年 6 月の売上高は 45.18 億 NTD で前月比 1.22%増、今年上期の売上高は
262.06 億 NTD で昨年同期並みと伸び悩んでいる。
神達 Magellan 事業:www.magellangps.com/
【太陽電池】新日光、欧州 OEM 需要対応で年産能力を 800MW に拡張
人民網 2010-7-15
台湾の大手太陽電池メーカー、新日光能源科技公司(NSP)は、欧州メーカーからの OEM
需要が予想以上に旺盛であることから、当初年内 600MW としていた年産能力拡張を 800MW
に上方修正することを明らかにした。新日光の過去 1 年間の年産量は 240MW であるので、
大幅な生産拡張となる。
拡張幅を引き上げたことで、必要投資額は 27 億 NTD(約 8450 万米ドル)から 40 億 NTD に
増額するとしている。
同社の今年 1-2 月の売上高は 1.9 億 NTD(約 5880 万米ドル)で前年同期比 51%増となって
おり、今年通年の出荷量は前年比 2 倍以上の 400-500MW に達する見通し。また電池のエ
ネルギー転換効率を年内に多結晶シリコン電池で 17.2%、単結晶シリコン電池で 18.5%
に引き上げるとしている。
【太陽電池】英利集団、中国開発銀行から 53 億米ドルの融資を獲得
2010/7/13 索比太陽能
中国政府が世界第 5 位の太陽電池メーカー、英利緑色能源控股(Yingli Green Energy
Holding)への 360 億元(53 億米ドル)の融資を承認したことから、中国内地の太陽電
池生産能力が今後大幅に拡大するとともに、世界の太陽電池産業にも大きなインパクト
を与えることが予想されている。
今般承認された 360 億元の融資は全額、中国政府直営の中国開発銀行により実行される。
中国開発銀行は先般、300 億元(44 億米ドル)の融資を世界第 7 位の太陽電池メーカー
に躍進している天合光能(Trina)に実行しており、中国地場大手 2 社に対して総額 660
億元の融資を行うことになる。
ロンドンに本社を置く New Energy Finance アナリスト部長である JennyChase 氏は、中
国開発銀行による 100 億米ドルに上る融資は、世界の太陽電池市場の新規需要を完全に
カバーするものであり、中国メーカーのプレゼンスがさらに拡大すると指摘する。
英利は既に年産能力 400 メガワットの太陽電池工場の建設を開始しており、今年 9 月に
は総年産能力が 1500 メガワットに達する見通しを明らかにしている。
2009 年の世界の太陽電池出荷量トップ 10 社は以下の通り。
1.First Solar 1057MWp
2.尚徳
598MW
3.Sharp Solar 535MWp
4.Q-Cells
531MW
30
2010 年 7 月号
5.英利益
7.天合
9.Kyocera
525MW
399MW
340MW
6.晶澳
8.SunPower
10.茂迪
509MW
347MW
337MW
【太陽電池】中国/台湾ソーラーメーカー、独政策に拘らず 3Q 値上げ実施
DIGITIMES 13-7-2010
中国内地及び台湾の太陽電池ウエハメーカー及びセルメーカーは、ドイツの補助金削減
要因に拘らず、7-9 月に価格の引き上げを行う計画であること、一部メーカーが既に値
上げに成功していることが明らかになった。
各メーカーは、当初需要の伸び悩みが予想される 7-9 月には値上げは難しいと判断して
いたが、その後来年初めから始まる補助金削減の第 2 ラウンドの前に駆け込み需要が発
生することから、たとえ値上げに伴って在庫水準がある程度上昇したとしても、一定の
在庫は年末にかけて消化できるとの見方が台頭してきたという。
また、ドイツの需要は落ち込むものの、イタリア、フランス、チェコ、日本、中国内地
の需要は堅調に推移していることも、値上げを実施する上での大きな判断材料となった
という。
また、台湾の茂迪、昱晶、新日光、中美晶、緑能といった大手メーカーが、OEM 受注が
旺盛であることから、受注が生産能力を上回る状況が続いていることを明らかにしてい
る。
【PCB】ノート PC 用 PCB メーカー、3Q の売上高について慎重な見方示す
2010-7-12 中国 PCB 産業協会
ノートパソコン用プリント配線基板(PCB)の 7 割を生産する瀚宇博徳(Hannstar)、金
像電子(Gold Circuit)は、ノートパソコン市場の今後の見通しについて楽観的見方と
悲観的見方が混在する中、7-9 月について楽観視はできず、慎重な見方をしていること、
両社とも 7-9 月の売上高が 4-6 月並みにとどまるとの見通しを示しているという。
金像、健鼎、瀚宇博徳、定穎などの大手ノートパソコン用 PCB メーカーの今年 6 月の連
結売上高は予想以上に好調で、金像、健鼎、瀚宇博徳が 5 月を上回る実績を上げたもの
の、7-9 月についてはユーロ不安に伴う需要の低下は避けられないとの慎重な見方をし
ている。
【電池】仏山照明、リチウム電池事業参入でチャルカン塩湖リチウム資源開発
中国証券網 2010-7-15
中国内地大手照明メーカーである広東省仏山照明は 7 月 5 日、新エネルギー事業参入の
一環で、1.6 億元を投じてリチウムイオン電池事業を保有している合肥国軒営銷策划有
限公司の 20%の持分を取得することを明らかにした。国軒営銷策划傘下の国軒高科は、
主にリチウムイオン電池、太陽電池、風力発電などの再生可能エネルギー製品を生産し
31
2010 年 7 月号
ている企業だという。
仏山照明が資本参加することで、国軒高科は現在建設中の国軒
リチウム電池産業パークの経営支配権を掌握することが可能
になるとしている。
一方、仏山照明は、国軒高科への資本参加と同時に、リチウム
電池原材料事業にも参入する計画で、38%の持分を保有する青
海仏照鋰能源開発有限公司が、青海塩湖工業集団股份有限公司
傘下の青海塩湖科技開発有限公司と正式に提携することで合
意、塩湖科技開発の子会社である青海塩湖藍科鋰業股份有限公
司と共同で青海省格爾木(ゴルムド)市にある中国最大の天然
塩湖である察爾汗(チャルカン)塩湖のリチウム資源を開発す
ることを明らかにした。
青海塩湖藍科鋰業は主に塩湖のリチウム資源を開発している企業で、5 億元を投じて建
設した年産 1 万トンの高純度良質炭酸リチウム生産事業が今年 4 月 25 日から正式に稼働
している。
仏山照明は、塩湖リチウム資源開発に参画することで、炭酸リチウムの精製から、リチ
ウム電池電極材料の製造、そして最終製品としてのリチウム電池の生産を一貫して行う
ことが可能となり、リチウム電池事業において強固なバリューチェーンが構築できると
している。
【電池】金居、リチウム電池負極銅箔材料領域に参入 成長性に期待
2010-7-13 中国 PCB 産業協会
IT 機器 OEM 大手の光宝集団(Lite-on)傘下の電解銅箔メーカー、金居铜箔(Co-Tech)は、
プリント配線基板用電解銅箔市場の競争が激しく収益性に陰りが見られることから、将
来性が期待できるリチウム電池用負極銅箔材料事業に参入する計画を明らかにした。来
年下期から本格的に量産を開始する。
プリント配線基板産業の電解銅箔の月間需要は約 3 万 6 千トンであるが、既に南亜、長
春、李長栄、金居、三井、福田、JOMO、建滔、古河、日進、山東招遠、江西銅業などが
競合しており、競争は今後激化することが予想されている。
一方、リチウム電池負極銅箔材料市場は今後持続的成長が期待できる分野で、世界の 10%
の自動車が電気自動車に転換されれば、6000 万台の需要が創出されることになり、月間
1 万トンの負極銅箔材料が必要になるとの試算を明らかにしている。
【半導体】今年 5 月の世界半導体出荷、前月比 5%増の 247 億米ドル
2010/7/13 LED 環球在線
米国半導体工業協会(Semiconductor Industry Association:SIA)は、今年 5 月の世界の
半導体出荷額が単月過去最高となった 4 月の出荷額を 4.5%上回る 246 億 5000 万米ドル
(3 ヶ月の移動平均値)となったこと、2 ヶ月連続で出荷額が過去最高を更新したことを明
32
2010 年 7 月号
らかにした。なお、5 月の出荷額は前年同月比では 47.6%増となっている。
SIA は 6 月 10 日に世界の半導体市場の中期見通しを発表し、今年通年の出荷額を前年比
28.4%増の 2905 億米ドルと予測しているが、5 月の出荷額の実績を踏まえて前年比 28.4%
増の予測は変更しないことも明らかにした。
SIA は、今年のパソコンの世界出荷量は前年比 20%増、携帯電話の世界出荷量は前年比
10-12%増と予測しており、半導体需要の主なけん引役になっているとしている。
【PCB】台湾上場 PCB メーカー 5 月売上高一覧、主要メーカー売上高推移
33
2010 年 7 月号
604 号 7 月 21 日
【液晶パネル】京東方、合肥 6G 生産ラインで 75 億元の銀行融資を獲得
DIGITIMES 16-7-2010
中国地場最大の液晶パネルメーカー、京東方(BOE)は、安徽省合肥市で建設している第
6 世代(6G)液晶パネル生産ラインについて、75 億元の銀行融資を獲得したことを明ら
かにした。
京東方の 6G 液晶パネル生産ラインは、来月に試験生産を開始、今年 10 月に量産を開始
する計画。京東方は、総額 175 億元を投じて 6G 生産ラインを建設する計画で、主に 37
インチ以下の液晶テレビ及び液晶モニタ用パネルを生産する。月産能力は 9 万枚、年間
売上高 120 億元を見込んでいる。
【液晶 TV】TCL、東芝と合弁設立 東芝からの液晶テレビ ODM 受注拡大
DIGITIMES 16-7-2010
中国地場最大の液晶テレビメーカーである TCL は、日本の東芝と合弁で中国広東省恵州
市に Toshiba Visual Products (China)を設立することを発表した。TCL が 2450 万元(362
万米ドル)を出資し 49%、東芝が 2550 万元を出資し 51%の持分を取得する。
TCL は、同合弁を通じて、中国内地市場での売上拡大を期待している東芝から液晶テレ
ビの ODM を受注することになるという。東芝は昨年、1000 万台余りの REGZA シリーズ液
晶テレビを出荷しているが、今年は同シリーズ 1500 万台の出荷を目標として掲げている。
【携帯電話】中国グレー携帯電話、国内の取締り強化で海外出荷を拡大
2010-07-16 電子部件技術
34
2010 年 7 月号
中国内地のグレー(White-box)携帯電話メーカーは、中国政府のグレー携帯電話製品に
対する取締りキャンペーンが続く中、6 月のグレー携帯電話出荷量が 5 月比 25%減となっ
ていることが明らかにな
った。
市場調査機関大手の
iSuppli は、今後、中国
内地のグレー携帯電話メ
ーカーは、販売の矛先を
国内市場から海外市場に
シフトせざるを得ない状
況になるとの見方を示し
ている。
iSuppli は、中国政府のグレー携帯電話に対する取締りは今後も長期間継続される可能
性が高く、中国内地のグレー携帯電話メーカーの中国国内市場向け出荷量は漸減基調が
続く、そのため海外市場向け出荷量を拡大せざるを得ないと予測している。ただ、海外
市場向け出荷量も、海外市場でのグレー携帯電話に対する取締りも今後強化されること
が予想され、2013 年以降は海外市場への出荷量も減少に転じると指摘する。
同機関によると、中国内地のグレー携帯電話の出荷量が 1.72 億台で前年比 18.6%増とな
るものの、2009 年の前年比 43.6%の成長率に比べると大幅減速となる見通し。
なお、グレー携帯電話チップの 8 割を生産する台湾の聯発科技(MediaTek)が、今回の取
締りキャンペーンの影響で売上が大幅減となっており、6 月の携帯電話用 IC チップ出荷
量が約 3000 万ユニット、5 月の約 4000 万ユニットに比べ 25%減となっている。
【パソコン】台湾の 2Q ノート PC 出荷量、ユーロ安の影響受けて伸び悩む
2010-7-16 PCBTN
台湾の IT 市場調査機関 DIGITIMES Research は、台湾の今年 4-6 月のノートパソコン出
荷量が 4480.6 万台、1-3 月比 5.4%増となり、例年の同 6-8%増に比べると伸びが低水準
となったことを明らかにした。
DIGITIMES Research シニアアナリスト兼主任の簡佩萍氏は、伸びが低水準となった背景
として、4 月・5 月のユーロ安がブランドメーカーの出荷に影響を与えた、一部ブランド
メーカーは現在も在庫調整下にあると分析する。また、Netbook の出荷量が 3 四半期連
続で出荷量が前四半期を下回り、4-6 月には初めて前年同期を下回ったことも、台湾の
ノートパソコン出荷量の伸び鈍化につながったと分析している。Netbook 市場のピーク
アウトについては、市場が飽和気味になってきたという側面もあるが、それ以上に iPad
の影響が大きいと見ている。
世界全体で見ると、今年 4-6 月のノートパソコンの出荷量は 4894.5 万台で、当初予想の
5000 万台に届かなかったものの、上期通じてのノートパソコン出荷量は 9670 万台に達
し、前年比 40%増となっている。
ブランドメーカー別に見ると、台湾 ODM メーカーへの発注量を最も拡大させたのはアッ
35
2010 年 7 月号
プル、同発注量を最も減少させたのは HP だった。HP が台湾 ODM メーカーへの発注を減
らした背景には、ユーロ安要因があるものの、同業第 2 位の宏碁(Acer)の販売攻勢を
受けて、HP が欧州市場及び中国内地市場で売上げを落としていることも大きな要因にな
っている。今年 4-6 月の HP と宏碁のノートパソコン出荷量の差はわずか 110 万台まで縮
まっている。
【パソコン】鴻海、英業達に代わり HP の次席ノートパソコン ODM サプライヤに
DIGITIMES 19-7-2010
ノートパソコンブランド最大手の Hewlett-Packard(HP)は、来年のノートパソコン外注
計画をほぼ取り纏め、EMS 最大手の鴻海(Foxconn)への発注を大幅に拡大する計画を明
らかにした。これにより、鴻海が、これまで HP のノートパソコン ODM 次席サプライヤだ
った英業達(Inventec)に代わって HP のノートパソコン ODM 次席サプライヤとなること
がほぼ確実となった。
一方、HP のノートパソコン ODM 筆頭サプライヤである広達(Quanta)は、来年も HP か
ら 1500-1700 万台のノートパソコン受注を確保したことから、引き続き HP のノートパソ
コン ODM 筆頭サプライヤの地位を維持する見通し。
鴻海が来年 HP から受注するノートパソコンは 900-1100 万台に達するのに対し、英業達
の同数量は 800-900 万台にとどまる見通し。また、EMS 世界第 2 位のフレクトロニクス
(Flextronics)の同数量は 400-500 万台と見られている。
、緯創(Wistron)
一方、HP から一定量のノートパソコン ODM を受注していた仁宝(Compal)
は、HP が今年上期から発注を鴻海にシフトしていることから、来年の HP からのノート
パソコン受注量は大幅に減少すると見られている。
仁宝、緯創が HP からのノートパソコン受注を大幅に減少させた背景には、HP の強いコ
ストダウン要請があったと見られており、仁宝、緯創が自主的に HP からの受注を削減さ
せたともいわれている。こうした経緯もあって、HP は大手ノートパソコン ODM メーカー
以上にコスト競争力を持つ EMS メーカーとの提携を模索し始めた模様。
【太陽電池】保定天威薄膜光伏、エリコンから微結晶薄膜製造装置導入
Digitimes 2010/7/19
スイスのチューリッヒに本社を置く薄膜コーティング装置メーカー、エリコン
(Oerlikon)は、中国の太陽電池メーカーである保定天威薄膜光伏(Baoding TianWei
Solar Film)向けにタンデム(Tandem)式微結晶薄膜太陽電池製造装置を納入したこと
を明らかにした。保定天威薄膜光伏は、同装置の導入により、微結晶薄膜太陽電池の年
産能力を現在の 46 メガワットから 75 メガワットに拡大する。
薄膜太陽電池業界では、エネルギー転換効率が 7%のアモルファス薄膜シリコンからエネ
ルギー転換効率が 8-11%のタンデム式微結晶薄膜シリコンにシフトする動きが加速して
おり、生産コストが 1 ワット当たり 0.7 米ドルを実現しているエリコンのタンデム式微
結晶薄膜シリコン太陽電池製造装置への注目が高まっている。
36
2010 年 7 月号
市場調査機関 IMS によると、世界の今年 4-6 月の太陽電池の出荷量は 37 億ワット、売上
高は 71 億米ドルに達し、5 四半期連続で出荷量が拡大しており、7-9 月には売上高は 43
億ワットに達すると見られている。
また、IMS は、4 四半期連続で出荷量を拡大してきた薄膜シリコン太陽電池最大手の First
Solar が今後暫くは生産能力の建設が需要に追いつかず、成長が鈍化する見通しを明ら
かにしている。今年の薄膜シリコン太陽電池モジュールの世界出荷量が前年比 60%増と
なるものの、First Solar の出荷量は前年比 20%増にとどまると予測している。
【太陽電池】晶澳、上期の太陽電池生産量 582MW 中国地場で首位
2010-7-19 索比太陽能
河北省寧晋及び江蘇省揚州に生産拠点を持つ世界第 6 位、中国第 3 位の太陽電池メーカ
ー、晶澳(JA Solar)は、今年上期の太陽電池生産量が 582MW、出荷量が 582MW で、中
国地場メーカーで首位となったことを発表した。また、同期売上
高は 60 億元で前年同期比 500%増となった。
晶澳は、米国ナスダック市場上場で調達した資金を活用して、急
速に生産能力を拡張、現在 42 本の太陽電池生産ラインを保有し、
今年 5 月には太陽電池セルの日産量が 100 万枚を突破、月産量も
100MW に達した。
晶澳は生産能力の拡張と同時に開発にも力を入れており、単結晶
シリコン電池のエネルギー転換効率で 18.7%を達成している。晶澳:www.jasolar.com/
【太陽電池】中国ソーラーメーカー、独補助金削減でミニバブル弾ける可能性
2010-07-16 電子部件技術
世界の 40%余りの太陽電池を生産し、その半数以上をドイツに輸出している中国国内の
太陽電池メーカーは、ドイツ連邦議会が太陽光発電に対する補助金削減案を可決したこ
との影響を懸念していたが、ドイツ政府が 3 ヶ月の移行期間を設けたことから、中国メ
ーカーは移行期間を活用して、出荷を前倒しする戦略に出ていることが明らかになった。
ただ、来月にはフル削減が実施される今年 10 月以降の受注が始まることから、一部のメ
ーカーは値下げ攻勢で需要を喚起する可能性が大きいと見ている。今年上期の世界の太
陽電池出荷量は前年同期比 2 倍に達しているが、その最大の要因がドイツの補助金削減
を前にした駆け込み需要と見られている。
中国地場の大手太陽電池メーカー、常州億晶光電の内部関係者は、世界の太陽電池市場
には明らかにミニバブルの状況が散見される、欧州のブランドメーカーの購買担当者は
需要は旺盛で発注量を増やすというが、その一方でエンドユーザーは需要動向を見極め
る必要があるとして発注を急がないとの慎重な態度を示している、需給ギャップが拡大
している可能性がある、ドイツ政府の補助金削減をきっかけにミニバブルが弾ける可能
性があると指摘する。
37
2010 年 7 月号
【電池】拓邦股份、ナノ技術を使ったリン酸鉄リチウム電池量産を来月開始
鳳凰網財経 2010-7-16
中国地場の電子機器メーカー、深圳拓邦股份は、ドイツ
のナノ・テクノロジーメーカーと提携し開発したナノリ
ン酸鉄リチウム正極材料を使った動力電池が中国政府の国家ハイテク事業動力電池試験
室の試験に合格し、来月から量産を開始することを発表した。
拓邦股份:www.topband-e.com/
【PCB】鴻海、河北省秦皇島の PCB 工場に 2000 万元の増資を実施
PCB 網城 2010-7-19
EMS 世界最大手の鴻海(Foxconn)は、プリント配線基板事業の拡張のため、中国河北省
秦皇島市にあるプリント配線基板工場に 2000 万元の増資を行うことを明らかにした。
【コネクタ】正崴精密、インテルと資本提携 ノートパソコン用コネクタ事業に参入
南方網 2010-7-19
マイクロプロセッサ世界最大手のインテルは、コンピュータプロセッサソケット(CPU
Socket)用コネクタの安定調達を確保するために、鴻海傘下の正崴精密(Foxlink)に資
本参加することでほぼ合意したことが明らかになった。
正崴精密董事長の郭台強氏(鴻海集団董事長・郭台銘氏の弟)は、親会社の鴻海集団の
事業方針に従ってこれまで携帯電話用コネクタ事業以外の事業には参入してこなかった
が、広達(Quanta)、華碩(Asustek)、英業達(Inventec)といったノートパソコン ODM
大手からのノートパソコン用コネクタ生産委託が急増してきたことから、多角化の一環
でノートパソコン用コネクタ事業に参入することを決めたとしている。
正崴精密は、昨年資本参加した鉅航科技(Proconn)がパソコン大手のサプライヤ資格を
持つことから、鉅航科技を通じてノートパソコン用コネクタ生産事業に参入するとして
いる。
一方、パソコンブランドメーカーは、正崴精密に当面はコネクタのみの生産を委託する
が、将来的にはカメラモジュール、パワーサプライ、バッテリ、アンテナ等の生産も段
階的に正崴精密に委託することになるとしている。
インテルが、コネクタ生産のパートナーとして、鴻海集団傘下の正崴精密を選択した最
大の要因は、正崴精密がスケールメリットを発揮できる量産能力を持っていることもあ
るが、鴻海集団傘下にあって将来予想されるプロセッサソケットを巡る特許侵害訴訟リ
スクが小さいことが大きいと見られている。
605 号 7 月 23 日
38
2010 年 7 月号
【PCB】健鼎、湖北省仙桃市に 5 億米ドル投じて大規模 PCB 工場建設
2010-7-20 東湖社区、PCB 中国網
中国湖北省仙桃市招商局によると、台湾の大手プリント配線基板
(PCB)メーカー、健鼎科技(Tripod)が湖北省仙桃市に 5 億米
ドルを投じて年間生産高 60 億元(うち 50 億元は輸出)の PCB 生
産工場を建設することが明らかになった。今年 9 月に着工、来年
10 月稼働予定。約 2 万人の雇用を創出する見通し。
【タッチパネル】正達、鴻海深圳工場に iPad 用表面強化ガラス工場を建設
台湾工商時報 2010/7/21
EMS 最大手の鴻海(Foxconn)傘下の液晶パ
ネル用光学ガラスメーカー、正達(G-Tech)
は、タッチパネル大手の宸鴻(TPK)と合弁で中国厦門市に新工場を設立したのに続いて、
親会社・鴻海の深圳工場敷地内に新会社、宏富達光電を設立、需要が拡大しているタブ
レット型パソコン用表面強化ガラス(Cover Glass)の生産を開始することを明らかにし
た。主に鴻海が最終アッセンブラとなっているアップル iPad 及び iPhone 向けに供給さ
れる見通し。
正達は先日の董事会で今年 10-12 月以降に表面強化ガラス需要が拡大することから、中
国内地に 480 万米ドルを投じて宏富達光電(深圳)有限公司を設立することを決定してい
た。
グループ企業である液晶パネル製造の群創光電(Innolux)と合併した奇美電子(CIC)
が、液晶モニタ及び液晶テレビのアッセンブリ、ノートパソコン用パネル、携帯電話用
パネル、タッチパネル、表面強化ガラス、電子書籍リーダー用パネルの 7 つの分野で世
界一を目指すことを明らかにしており、正達の表面強化ガラス事業がその一角を占めて
いる。正達:www.gtoc.com.tw/
【電子紙】元太、大幅値下げで下期出荷量前年同期比 50%増目指す
台湾経済日報 2010.07.20
電子書籍リーダー用電子ペーパー世界最大手の元太科技(Prime View)董事長の劉思誠
氏は、タブレット型パソコン iPad ブームにより、電子書龍リーダー用電子ペーパーパネ
ルの需要が減退していること、並びに株価が年初の 84.3NTD から直近では 40.4NTD まで
下落していることなどから、大胆な値下げを行うことで下期出荷量の上期比 40-50%増、
通年の出荷量の 1000 万台達成を目指すことを明らかにした。同時に、来年、6 インチ電
子書籍用電子ペーパーパネルの価格を 100-150 米ドルまで引き下げることで出荷量を今
年比 2 倍の 2000 万台達成する計画も明らかにした。
さらに、中国国内最大の電子書籍リーダーメーカーである漢王(Hanvon)を通じて中国
国内の補助教材事業に参入、フリンジフィールド切換技術(FFS)を通じてスマート型携
39
2010 年 7 月号
帯電話及びタブレット型パソコンから特許料を取得する事業も開始することを明らかに
した。
市場関係者は、元太科技が 6 インチ電子書籍リーダー用電子ペーパーパネルの価格を、
当初計画の 150-200 米ドルから、さらに踏み込んで 100-150 米ドルまで引き下げること
を決断したことについて、値下げによるシェア拡大は、iPhone ブームにより値下げ戦略
に転じたスマートフォン大手の宏達(HTC)に酷似している、価格を犠牲にすることで普
及率を上昇させる、普及率を上昇させることでスケールメリットを享受する、スケール
メリットにより粗利率を引き上げるというもので従来型の戦略で、画期的な戦略とはい
えないと指摘する。
iPad をきっかけに爆発的ブームを巻き起こしていることから、今年の世界のタブレット
型パソコンの出荷量は 1600 万台、そのうち 93%は iPad が占めると見られている。iPad
の販売が市場の予想をはるかに超えていることから、市場は元太科技の業績の下方修正
は避けられないと見ている。
【ゲーム機】鴻海/欣興等、ソニー PS3 北米向け出荷量 5 倍増の恩恵享受
2010-7-19 中国 PCB 産業協会
ゲーム機大手のソニーが、モーションコントローラ PS Move の 9 月 19 日北米投入を起爆
剤に PS3 のシェア大幅拡大を狙っていることから、PS3 の最終アッセンブラーである EMS
最大手の鴻海(Foxconn)及び ESM 大手の和碩(Pegatron)に対して発注量を大幅に上乗
せするとともに納期を厳守するよう要請していることが明らかになった。ソニーは今年
7-9 月の北米での PS3 出荷量を 4-6 月比 5 倍以上の 300-400 万台を目標としており、そ
の目標達成には納期厳守が不可欠としている。
一方、アッセンブラーである鴻海、和碩のそれぞれの PS3 受注量は拮抗しているが、鴻
海が既に一部部品の購買権を獲得していることから、筐体、放熱部品を傘下の鴻准に発
注することに成功している。
世界の 3 大ゲーム機メーカー、任天堂、ソニー、マイクロソフトは、今年下期はモーシ
ョンコントローラを巡る争奪戦が激化するとしており、マイクロソフトは XBox ゲーム機
用モーションコントローラ Kinect を今年 11 月に投入、任天堂も Wii Motion Plus の後
継機を開発しているとも伝えられている。ソニーは、北米のゲーム機市場でマイクロソ
フト及び任天堂の後塵を拝していることから、モーションコントローラーを制すること
で PS3 の販売シェアを一気に伸張させたいと考えている。
PS3 の大幅増産により、PS3 の電源及びケーブルを供給する台達(Delta)、鎰勝(I-sheng)、
正崴(Foxlink)、放熱部品を供給している鴻准(Foxconn)、能緹(Nengtyi)、健策(Jentech)、
ワイヤレスモジュールを供給している建漢(CyberTAN)、プリント配線基板を供給する欣
興(Unimicron)、IC チップ搭載基板を供給する南亜(Nanya)などが恩恵を受けると見
られている。
市場調査機関 NPD Group によると、今年 6 月の北米市場における 3 大ゲーム機メーカー
の販売台数は、マイクロソフトが 45.1 万台、任天堂が 42.2 万台、ソニーが 30.4 万台と
なっている。鎰勝:www.isheng.com.tw/ 能緹:www.nengtyi.com.tw/
40
2010 年 7 月号
健策:www.jentech.com.tw/
建漢:www.cybertan.com.tw/
【液晶パネル】京東方、重なる株式増発から資金逼迫懸念する声高まる
第一財経日報 2010/7/20
中国地場最大の液晶パネルメーカー、京東方(BOE)が、昨年 5 月の 50 億株発行による
120 億元の資金調達(合肥の第 6 世代液晶パネル事業向け)、その半年後の株式増発によ
り 100 億元の資金調達(第 8 世代液晶パネル事業向け)に続いて、頻繁に銀行から大口
融資を獲得していることから、市場関係者からは京東方の資金繰りが相当悪化している
とともに、今後、配当、借金返済が続くことから資金がさらに枯渇してくる可能性が大
きいとの懸念が高まっている。
この懸念に対して、京東方は、2004 年に液晶パネル事業に参入してから、2005 年、2006
年とそれぞれ 15.9 億元、17.7 億元の赤字を計上、2007 年には市況が好転したものの、
政府の補助金があったことから、6.9 億元の黒字に転換、しかし 2008 年には金融危機に
より再び 8.07 億元の赤字に転落、昨年は政府の 7 億元の補助金により何とか黒字を確保
したという状況にあり、資金ひっ迫は今に始まったことではないこと、東東方は国策で
ある液晶パネルの国産化を実現するためには、資金を注入し続ける必要があるとして、
資金は逼迫しているものの、ショートすることはないとの見解を示した。
【液晶パネル】中小型パネルモジュールメーカー、タッチパネルへの業態転換加速
2010-7-19 中国 PCB 産業協会
晶采光電(Ampire)、全台晶像(Emerging Display)、光聯科技(United Radiant)、中日
新科技(Star World)といった台湾の中小型液晶パネルモジュールメーカーは、タッチ
パネルが台頭する中、業態転換を余儀なくされており、晶采は中国東莞工場のタッチパ
ネル接合設備を拡張しているほか、全台もタッチパネルモジュールの月産能力を 50 万枚
に拡張、現在台湾高雄にあるタッチパネルモジュール生産ラインを中国東莞に移転する
ことを明らかにした。
また、光聯科技も、タッチパネルモジュール、電子ペーパーパネルモジュール、放熱モ
ジュールの生産を拡張、今年 10 月には蘇州に新工場を稼働させる計画。中日新科技は日
系向けタッチパネルモジュール事業を拡張、中国呉江に第 2 工場を建設している。
晶采:www.ampire.com.tw/ 全台:www.edtc.com 光聯:www.urt.com.tw/
中日新科技:www.starworld.com.tw/
【液晶パネル】大型液晶パネル価格推移 7 月 20 日現在 vs 7 月 5 日
台湾 WitsView
テレビ
スペック
安値
高値
平均
前回平均
変動率
46"W 1920x1080
395
405
400
405
-1 %
41
2010 年 7 月号
モニタ
ノート PC
42"W 1920x1080
310
320
315
320
-2 %
32"W 1366x768
190
195
193
195
-1 %
26"W 1366x768
130
135
133
135
-2 %
21.5"W 1920x1080
89
93
91
92
-1 %
19"W 1440x900
71
74
72
73
-1 %
18.5"W 1366x768
65
69
67
68
-1 %
17" 1280x1024
65
68
66
67
-2 %
15.6"W 1366x768 LED
51
57
54
54
0 %
14.0"W 1366x768 LED
49
55
52
52
0 %
10.1"W 1024x600 LED
30
31.5
31
31
0 %
【太陽電池】保利協鑫、無錫に 2.5 億米ドルで太陽電池生産基地建設
無錫日報 2010/7/20
香港に本社を置く中国地場の太陽電池メーカー、保利協鑫能源控股有限公司は、無錫市
恵山区に 2.5 億米ドルを投じて同地区の太陽電池生産企業、高佳太陽能の生産拡張に参
画することで合意、正式に契約を調印した。今年年末には拡張工事を完成、来年の売上
高は 100 億元を見込んでおり、中国国内最大級の太陽電池生産基地になるとしている。
高佳太陽能の昨年の売上高は 11.4 億元、今年年初に保利協鑫が 8.54 億元で高佳太陽能
の 70.19%の持分を取得することで合意している。
【CCL】中科英華、3 億元投じ中国国内銅箔メーカー/CCL メーカー買収
2010-7-19 和訊網
中国地場大手銅箔メーカー、中科英華高技術股份有限公司は、5500 万元で西寧経済技術
開発区発展集団公司が保有する青海電子材料産業発展有限公司の持分を 100%取得する
こと、また中科英華(香港)商貿有限公司、中科英華(香港)商貿有限公司に 2 億元の
増資を行い、両社の自己資本 5000 万元も投入して、香港聯達銅面基板有限公司が保有す
る江蘇聯鑫電子有限公司の 100%の持分を取得すること、聯合銅箔(恵州)有限公司に対
して 1 億元の増資を行い、電解銅箔製造技術開発センターを拡張することを発表した。
上記の青海電子材料産業発展有限公司(旧青海西鉱聯合銅箔有限公司)は 2007 年 4 月設
立の電解銅箔製品メーカーで、年産能力は 1 万トン、今回の中科英華からの資本注入に
より、新たに年産 1.5 万トンの電解銅箔生産プラントを建設する計画。一方、江蘇聯鑫
は、川下に当たる銅箔張り積層板メーカーで、2 本の自動化生産ラインを有している。
聯合銅箔(恵州)の広東省電解銅箔製造技術開発センターは 2004 年 11 月に設立、今年
5 月には 400 ミクロン大電流用超厚銅箔、リチウム電池負極材料用 8 ミクロン極薄銅箔
の開発に成功している。
42
2010 年 7 月号
青海電子の年産 1 万トンの銅箔プラント稼働、年産 1.5 万トンの銅箔プラント着工、聯
合銅箔の年産能力が来年末までに 2.7 万トンに達することから、中科英華は販売網の構
築にも力を入れており、特にリチウム電池メーカーへの販売網構築に注力している。
【CCL】聯茂、上期売上高 100 億 NTD 突破 無錫工場 2 期を近く稼働
PCB 信息網 2010-7-20
銅箔張り積層板(CCL)大手の聯茂(ITEQ)は、今年 4-6 月の価格引き上げにより、今年
上期の連結売上高が 100.57 億 NTD の大台に達したこと、特に 4-6 月の連結売上高は 55.92
億 NTD で 1-3 月比 26.5%増、税前利益は 6.58 億元で同 53%増となったことを明らかにし
た。また、無錫工場 2 期を近く稼働することも明らかにした。
606 号 7 月 26 日
【半導体】インテル、大連半導体工場への投資縮小 生産能力 25%縮小
2010-7-22 中国 PCB 産業協会
マイクロプロセッサ世界最大手のインテルは、今年 10 月に正式稼働する大連 12 インチ
半導体工場への投資額を縮小することが明らかになった。中国国家環境省のウェブサイ
トから、インテル大連工場の月産能力が当初の 52000 枚から 39000 枚に 25%削減、生産
設備は当初の 1224 台から 534 台に 56%削減されていることが明らかになった。
12 インチ半導体工場の建設費用のうち、工場屋及びインフラの建設費用が全体の 15%前
後、生産設備の導入費用が 80%前後といわれており、インテル大連工場の当初投資額が
25 億米ドルであることから、工場屋及びインフラの建設費用を差し引いた生産設備の費
用はおよそ 20 億米ドル、インテルが生産設備の台数を 56%削減したことにより、事業全
体の投資額がほぼ半減したと見られている。
インテルの大連工場は、インテルの中核製品であるマイクロプロセッサ本体は生産せず、
主にデスクトップ型パソコン用のチップセットを生産する。インテルが世界に展開して
いる 5 つの 12 インチ工場に比べると、その地位は最も低いといわれている。
インテルは、大連工場の生産能力縮小に伴って、原材料の使用量も当初の 75%に削減す
ること、鉛を含む化学品の調達をキャンセルすることを明らかにしている。一方、イン
テルは、中国国家環境省に対して、生産設備は削減するものの、製造技術は 90 ナノから
65 ナノに引き上げることを明らかにしているという。
米国主導で策定された技術輸出を制限するワッセナー・アレンジメントにより、本国国
内の技術が中国に輸出される技術に対して 2 世代以上優位になるよう制限されているこ
とから、インテルは、米国国内の主力 12 インチ工場の製造技術を 32 ナノにシフトする
ことで、中国大連工場の 65 ナノ技術導入を可能にしている。
【パソコン】緯創/仁宝、Dell から計 1700 万台受注 鴻海は 400 万台
43
2010 年 7 月号
DIGITIMES 22-7-2010
世界第 3 位のノートパソコンブランドメーカー、Dell は、来年度のノートパソコン ODM
計画の策定を終え、緯創(Wistron)、仁宝(Compal)にそれぞれ 1000-1100 万台、700-800
万台を発注すること、一方、鴻海(Foxconn)には 400-500 万台、広達(Quanta)には
400 万台を発注することが明らかになった。
以上 4 社のほか、EMS 世界第 2 位のフレクトロニクス(Flextronics)に 100 万台、英業
達(Inventec)に 100 万台を発注することも明らかになっている。
鴻海は、Hewlett-Packard(HP)から来年度分として 1000 万台のノートパソコンを受注し
ていることから、同社の来年度のノートパソコン受注量は既に 1400-1500 万台に達して
いる。
一方、Dell からのノートパソコン受注を減らした広達は、宏碁(Acer)、東芝(Toshiba)、
聯想(Lenovo)からの受注を増やすことで前年の出荷量を上回る受注量を確保できると
している。
【有機EL】彩虹、仏山順徳に 94 億元を投じ有機 EL パネル工場建設
2010-7-21 中国 PCB 産業協会
中国地場最大のブラウン管メーカーである彩虹(Caihbong)は、広東省仏山市順徳区五
沙工業園に 94.2 億元を投じて 4.5 世代 AM(アクティブ・マトリックス)有機 EL パネル
生産ラインを建設することを明らかにした。
今年 10 月に着工予定で、1 期として 49.6 億元を投じて 4.5 世代 AM 有機 EL 生産ライン 1
本を建設する。1 期の月産能力は 730×920mm ガラス基板 3 万枚。彩虹集団は、順徳区に
本社を置く家電メーカー、格蘭仕(Galanz)、美的(Midea)向けに有機 EL パネルを供給
する計画。美的はハイレンジ圧力鍋のディスプレイパネルに彩虹の有機 EL パネルを採用
することを決めている。
彩虹は、上記事業を含めて総額 390 億元を投じて広東省に有機 EL 及び液晶用ガラス基板
生産基地を建設する計画を進めている。
【デジカメ】佳能/華晶、円高長期化で日系大手からのデジカメ受注拡大
Digitimes 2010/7/22
ソニー、ニコン、富士フィルム、カシオ等の日系デジタルカメラブランド大手が、円高
基調が続く中、台湾メーカーへの外注比率を相次いで引き上げており、中でも富士フィ
ルムのデジカメ外注比率は 97%、カシオの外注比率は 80%に達している。自社生産をモッ
トーとしてきたキャノン、パナソニックも、筐体を台湾メーカーに発注していることが
明らかになっている。
パナソニックは、一部デジタルカメラを三洋電機に発注してきたが、台湾の佳能
(Ability)、華晶科技(Altek)、鴻海、亜洲光学への発注を検討しており、提携に向け
て交渉中であることが明らかになっている。
44
2010 年 7 月号
【デジカメ】佳能、今年のデジタルカメラ ODM 出荷量世界首位になる見通し
DIGITIMES 22-7-2010
世界第 2 位のデジタルカメラ ODM メーカー、佳能(Ability Enterprise)は、今年のデ
ジタルカメラの出荷量が 2300 万台に達し、華晶科技(Altek)を抜いて世界最大のデジ
タルカメラ ODM メーカーになる見通しを明らかにした。
佳能の今年上期のデジタルカメラ出荷量は 1000 万台を超え、需要のピーク期となる今年
9-11 月は月産量が 250-300 万台に達する見通しで、7-9 月の出荷量は過去最高の 700 万
台に達するとしている。
【LED】楽百利特、山西省に年産 200 万個の LED 照明産業基地建設
LED 環球在線 2010/7/22
米国スタンフォード大学で物理学を修めた伍永安博士が出身
地である中国山西省孝義市(右地図)で設立した LED 照明企業、
楽百利特(Lebelight)は、総額 50 億元を投じる LED 照明産業
基地の建設を孝義市で正式に開始した。
孝義市の楽百利特 LED 照明産業基地は 3 期に分けて建設され、
1 期は 5 億元を投じて建設、今年年末に稼働予定で、年産能力
は 200 万個、年間 14.8 億元の売上高を見込んでいる。
楽百利特:www.lebelight.com.cn/
【PCB】欣興、HDI 基板の生産能力を 10%拡張 月産 205 万平方フィート
2010-7-21 中国 PCB 産業協会
世界第 2 位のプリント配線基板メーカーである欣興電子(Unimicron)は、アップルの
iPhone 4G が 4 段構造の Anylayer HDI 基板を採用したことから、3 段構造の HDI 基板に
比べ少なくとも 30%の生産能力拡張が必要となっており、年内に HDI 基板向け生産能力
を 10%拡張、年末までに HDI 月産能力を 205 万平方フィートとすることを明らかにした。
完成すれば、世界最大の HDI 基板メーカーとなる。
【PCB】志超、下期に LED 放熱アルミ基板の月産能力を 2 倍に拡張
2010-7-21 中国 PCB 産業協会
液晶パネル用プリント配線基板(PCB)大手の志超科技(TPT)は、ユーザーが LED 液晶
テレビの出荷を拡大していることを受けて、今年 4 月から正式に LED バックライト用放
熱アルミ基板の生産を開始しており、下期には月産能力を現在の 10 万本から 20 万本に
拡張、出荷量を上期比 2 倍になる見通しを明らかにした。
LED バックライト製品の需要拡大を受けて、敬鵬(Chin Poon)、佳総(Gia Tzoong)等
も相次いで放熱アルミ基板事業に参入している。
45
2010 年 7 月号
【PCB】尖点、鴻海と提携し秦皇島市に宏点科技を設立 穴あけ代行
2010-7-21 中国 PCB 産業協会
プリント配線基板(PCB)用穴あけドリルメーカー、尖点科技(Topoint)は、EMS 世界
最大手の鴻海集団(Foxconn)との提携で、780 万米ドルを投じて中国河北省秦皇島市に
穴あけ工程を代行する宏点科技を設立することを明らかにした。
主に鴻海集団傘下の PCB メーカーである鴻勝科技向けに代行サービスを行う。新たに設
立する宏点科技の工場は、鴻勝科技の秦皇島工場の敷地内に建設される。鴻勝科技は、
従来型の PCB のほか、HDI、フレキシブル基板の生産を行っており、鴻海集団向けに製品
を供給している。
なお、尖点科技は、今年 7-9 月の見通しについては、IC 搭載基板ユーザーからの受注は
引き続き旺盛だが、その他のプリント基板の需要については、例年の需要の盛り上がり
があれば、売上高の伸張は期待できると慎重な見方を示している。尖点科技の今年 4-6
月の連結売上高は 5.66 億 NTD で 1-3 月比 23%増、出荷量は同 21.4%増の 5100 万針で、過
去最高を記録している。
【PCB】志聖、友達向け出荷集中で 3Q 売上高 2Q 比 25%増を見込む
2010-7-21 中国 PCB 産業協会
プリント配線基板ドライプロセス設備大手の志聖(C Sun)は、今年 7 月・8 月に液晶パ
ネル大手の友達(AUO)向け出荷が集中することから、7-9 月の連結売上高が 10.34 億 NTD
で前年同期比 121%増、4-6 月比 25%増となる見通しを示した。
志聖は、多結晶シリコン太陽電池のドライ・エッチング設備、LED エッチング装置及び
露光装置の開発にも成功しており、既に出荷も開始している。
【電池】中航工業、成飛を通じて洛陽リチウム電池資金 10 億元を調達
中国電池在線 2010-7-22
中国国有の大型宇宙航空関連メーカーである中航工業は、リチウム電池事業の拡張によ
り、2020 年にはリチウム電池の売上高 500 億元を目指す計画で、傘下の自動車部品金型
メーカーで上場企業でもある成飛集成を通じてリチウム電池事業向け資金調達を行うこ
とを発表した。
中航工業は民用品の売上高を 2020 年までに 5000 億元まで拡大する計画の一環でリチウ
ム電池の売上高 500 億元を目指している。
成飛集成は 10 億元の資金を調達し、中航鋰電(洛陽)有限公司の総投資額 17 億元のリチ
ウムイオン動力電池事業に充てる計画。
【電池】四川宝生、年産 50 億 Ah ニッケル水素動力電池 2 期を年内着工
46
2010 年 7 月号
中国電池在線 2010-7-22
中国四川省地場のニッケル水素電池メーカー、四川宝生新能
源材料有限公司は、第 2 期事業として年産能力 50 億アンペア
アワーのニッケル水素動力電池事業を建設することを明らか
にした。基礎設計、建設案策定などの準備作業を終えたこと
から、年内正式に建設を開始する予定。
四川宝生新能源材料有限公司は主にニッケル水素動力電池を
生産しており、2008 年 10 月に広域の使用温度範囲、大容量、
小型、長寿命、低コスト、無污染のニッケル水素動力電池の開発に成功、量産を開始し
ている。
四川宝生新能源材料が量産している広域の使用温度範囲を持つニッケル水素電池は、マ
イナス 50℃からプラス 60℃の温度範囲で通常の充放電が可能で、ユーザーのニーズに合
わせて使用温度範囲をさらに拡大することも可能であることから、極寒地域、熱帯地域
を問わず、充放電を行うことができる。また、四川宝生の広域使用温度範囲のニッケル
水素電池の蓄電容量は、同サイズの鉛酸電池に比べ 2 倍以上、電気自動車に搭載すれば、
500 キロ前後の走行が可能という。四川宝生のニッケル水素動力電池とガソリンエンジ
ンを組み合わせたハイブリッド車であれば、燃費を 40.5%削減することが可能、また加
速力を 50%引き上げることが可能、また延べ 1000 回以上の大電流充放電が可能で、使用
寿命は鉛酸充電池の数倍としている。
四川宝生の年産 50 億アンペアアワーのニッケル水素動力電池生産事業は、電気バスで
2.5 万台分、乗用車であれば 20 万台分を生産することが可能で、年間 500 億元の生産高
を見込んでいるという。
四川宝生は、原材料から水素吸蔵合金、広域使用温度範囲のニッケル水素電池の生産を
一貫して行うことができる中国国内唯一の企業であること、四川省が豊富なレアアース
資源を有していること、四川大学の科学技術力を活用できることなどから、2012 年まで
に中国最大の水素吸蔵合金の生産基地を建設、年間 3.5 万トンの水素吸蔵合金を供給す
る計画。
607 号 7 月 28 日
【液晶パネル】コーニング、北京に 8 億米ドル投じ LCD ガラス基板工場建設
2010/7/23 中華液晶網
中国内地で初めてとなるガラス熔炉建設を年内に発表するとしてきた液晶パネル用ガラ
ス基板最大手のコーニングは、中国北京市に 8 億米ドルを投じて、LCD ガラス基板工場
を建設することを明らかにした。新工場は北京経済技術開発区内の北京デジタルテレビ
産業園に建設され、8.5 世代液晶パネル用ガラス基板用のガラス熔炉及び後工程生産ラ
インを建設する。今年 9 月に着工、2012 年上期に生産を開始する予定。
コーニングの 8 億米ドルの投資には、世界戦略製品としての EAGLE XG® LCD ガラス基板
及び iPad 及び iPhone 4 にも採用されている Gorilla ガラスの生産能力の拡張も含まれ
47
2010 年 7 月号
る。この発表の前に、コーニングは台湾台中の LCD ガラス工場の拡張を開始したこと、
日本の静岡にある操業停止していたガラス基板工場の操業を近く再開することで、
Gorilla ガラスの増産態勢を強化することを明らかにしているが、北京での 8 億米ドル
の投資を通じて、EAGLE XG 製品需要、急増するタブロイド型パソコン及びスマートフォ
ン向け Gorilla ガラス需要にも対応したいとしている。Gorilla ガラスは、傷がつきに
くく、磨耗にも強いことから、保護層ガラスとしてポータブル機器での需要が爆発的に
拡大していることから、コーニングは Gorilla ガラスの売上高が今年は 2 億米ドル、来
年は今年比 5 倍の 10 億米ドルに達すると予測している。また、Gorilla ガラスの需要は、
スマートフォンやタブロイド型パソコンにとどまらず、液晶テレビ向けでも伸びている
という。
LCD ガラス市場の見通しについては、新興国市場での普及及び成熟市場での新技術採用
などにより、今後数年間は成長は続くと予測しており、ある程度の生産能力の拡張を実
行しても、市況が崩れることはないとしている。
中国内地市場については、世界最大の LCD テレビ消費国であると同時に、数年後には世
界有数の LCD テレビ用パネル生産国にもなることから、このタイミングで中国内地に投
資することは中国内地の液晶パネル市場においてコーニングの地位を確保する上でも必
要と判断したとしている。
【液晶パネル】三星、蘇州 7.5G 認可取得のため TCL 華星に資本参加か
2010/7/23 中華液晶網
日本、韓国、台湾の大手液晶パネルメーカーが中国内地での高世代液晶パネル前工程生
産ライン建設計画を中国中央政府に申請して数ヶ月以上が経とうとしているが、今般、
蘇州での 7.5 世代生産ライン建設を計画している三星が、中国地場最大の液晶テレビメ
ーカーである TCL の 8.5 世代生産ライン建設計画・華星光電(China Star)に 5%前後の
資本参加をする可能性が明らかになった。
業界内部関係者によると、三星が申請していた蘇州での 7.5 世代生産ライン建設計画は、
当初は三星が 9 割を自己出資、残り 1 割を三星の中国法人が出資するという内容であっ
たが、中央政府が外資単独出資に難色を示したことから、江蘇省政府もしくは蘇州市政
府との合弁案を再提示していた。しかし、中央政府が、地方政府との合弁に対して、中
国地場メーカーへの技術移転が期待できないことから、中国地場メーカーとの提携を求
めてきたことから、三星が新たな案として再々提示したのが TCL の華星光電 8.5G 事業へ
の参画と見られている。ただ、TCL の華星光電への資本参加は、技術獲得が主たる目的
ではあるが、もう 1 つの側面として TCL 及び深圳政府側の資金不足も無視できない要因
と見られている。
【液晶パネル】友達、昆山 7.5G 認可条件として 4 千億 NTD の投資必要
2010/7/23 中華液晶網
台湾の液晶パネルメーカーが中国内地での高世代液晶パネル前工程ライン建設計画を相
48
2010 年 7 月号
次いで打ち出す中、台湾第 2 位の液晶パネルメーカーである友達(AUO)董事長の李焜耀
氏は、台湾メーカーは経営支配権と核心技術さえ掌握できれば、単独出資に拘るべきで
はないとの考え方を示し、中国地場メーカーとの合弁を受け入れる姿勢を明確にした。
一方、友達の中国昆山での 7.5 世代液晶パネル前工程ライン建設計画は、台湾経済省の
認可が依然として獲得できておらず、その障害となっているのが、友達が中国昆山市政
府傘下にある液晶パネルメーカーである昆山龍飛と如何なるパートナーシップを構築す
るのかが明確になっていないためといわれている。
また、台湾経済省次官の黄重球氏は、友達の昆山での 7.5 世代生産ライン建設について、
友達に対して台湾域内に 4 千億 NTD 以上の投資を行うことを昆山での 7.5 世代生産ライ
ン建設認可の条件にしている、友達がその条件を受け入れる具体的コミットメントをす
ることが求められていると説明している。
これに対して、友達は、事業環境の変化を理由に、4 千億 NTD の投資について、液晶パ
ネル事業単独ではなく、太陽電池事業への投資も含めた複数領域における合計金額とす
るようカウンターオファーしていると伝えられている。
【パソコン】宏碁、英業達へのノートパソコン ODM 発注を今年で打ち切り
DIGITIMES 23-7-2010
ノートパソコンブランド第 2 位の宏碁(Acer)は、両社のコンセンサスが得れなかった
との理由で、これまで 3 年間継続してきた英業達へのノートパソコン ODM を来年は更新
せず、提携を打ち切ることを明らかにした。
これについて、英業達は宏碁からのノートパソコン ODM を失うことによる出荷減を、日
本の富士通から新規受注で補填できるとしており、英業達の来年度のノートパソコン
ODM 受注は、HP 及び東芝が太宗を占めるものの、富士通及び Dell 向け新規受注があるこ
とを強調した。
英業達は、宏碁との提携打ち切りについて、宏碁から頻繁に提示される ODM オーダーの
修正、宏碁が英業達に対して 13.3 インチ超薄型ノートパソコンのリコールの全責任を負
わせたことが引き金になったと指摘している。
一方、宏碁は、英業達との提携が打ち切りとなったことから、鴻海(Foxconn)もしくは
和碩(Pegatron)を代替起用する見通し。
【パソコン】宏碁、仁宝との提携強化 HP・広達 vs 宏碁・仁宝構図が鮮明
台湾経済日報 2010.07.26
ノートパソコンブランド第 2 位の宏碁(Acer)は、ODM メーカーと来年度のノートパソ
コン ODM 発注で協議を開始、ノートパソコン ODM 最大手の仁宝(Compal)に全体の 5 割
を占める大量発注を行うことが明らかになった。これにより、仁宝が緯創(Wistron)を
抜いて宏碁最大のノートパソコン ODM メーカーとなる見通しで、仁宝と広達(Quanta)
のノートパソコン ODM 首位争いが白熱化している。
宏碁は 1 年前倒しで今年にも HP を抜いてノートパソコン世界首位を達成したい考えで、
49
2010 年 7 月号
HP との関係が強い広達に比べ、仁宝、緯創への発注をより拡大する方針を打ち出してい
る。世界のノートパソコン産業は、HP-広達体制と宏碁-仁宝体制の衝突の様相を呈しつ
つある。
一方、仁宝は昨年に宏碁を筆頭とするミニノート Netbook 生産を急速に拡大したことか
ら、ポジショニングが近い iPad 等のタブレット型パソコンによる市場侵食の影響を最も
ダイレクトに受けており、宏碁からのノートパソコン大量受注により業績は安定すると
見られている。
IDC の調査によると、HP の今年 4−6 月の世界のパソコン市場シェアは 18.1%、Dell の同
シェアは 13%、宏碁の同シェアは 12.6%となっている。ただ、ノートパソコンに市場を限
定すると、宏碁と HP のシェアはほぼ拮抗する状況にあると見られている。
【モニタ】液晶モニタ ODM 出荷量が 3 ヶ月連続前月比減 3Q は回復期待
2010-07-23 電子元件技術網
モニタ市場調査機関 WitsView は、今年 6 月の世界の液晶モニタ ODM 出荷量上位 10 社の
総出荷量は 1201 万台で 5 月比 8.3%減となり、3 ヶ月連続で前月比減となったことを明ら
かにした。ただ、同上位 10 社の今年 4-6 月の液晶モニタ出荷量については 3865 万台で
1-3 月比 0.8%増を確保したとしている。
業界関係者は 7-9 月については、前月比減が終息し回復に向かうとしているが、ギリシ
ャショックを端としたユーロ不安がブランドメーカーの発注を慎重にさせていることか
ら、7-9 月についても液晶モニタの出荷は例年に比べ伸び悩むと見ている。
ただ、世界の出荷量上位 10 社の液晶モニタブランドメーカーの今年 6 月の液晶モニタ総
出荷量は 1117 万台で 5 月比 4%増となっており、ある程度の回復は期待できる見通し。
WisView リサーチマネージャーの林筱茹氏は、液晶モニタブランドメーカーのシェア争
いにより価格下落が続き企業の収益を圧迫することが予想されるものの、シェア争いの
長期化は出荷量の拡大には追い風で、上位 10 社のブランドメーカーの 7-9 月総出荷量は
4-6 月比増となる可能性はあると分析している。
【太陽電池】英利、年産 300MW の単結晶シリコン太陽電池工場を建設
2010-7-23 中国電子部品産業協会
中国河北省発展改革委員会によると、太陽電池出荷量世界第 5 位の保定英利(Yingli)
が、年産 300 メガワットの単結晶シリコン太陽電池生産ライン建設を中国国家発展改革
委員会に申請し、今般認可を取得したことが明らかになった。事業の総投資額は 3 億 8430
万米ドルだという。
【太陽電池】横店東磁、8 億元投じ年産 300MW の太陽電池工場建設
上海証券報 2010-7-26
中国地場最大の永久磁石メーカーである横店東磁は、単結晶シリコンウエハ生産事業に
50
2010 年 7 月号
続いて、年産 300MW の単結晶シリコン太陽電池セル及び年産 50MW の太陽電池モジュール
生産事業に参入することを明らかにした。総投資額は 8.73 億元。年間 31.00 億元の売上
高を見込んでいる。
【電池】建龍重工集団、天津西青区で新型リチウム電池の生産を開始
2010-7-23 中国電子部品産業協会
中国地場民営の鉄鋼メーカーである建龍重工集団は、中国天津市西青区の中北汽車示範
工業園区で建設していた新エネルギー自動車中核部品開発製造基地で新型リチウム電池
の生産を正式に開始したことを明らかにした。
建龍重工集団が開発した新型リチウム電池は、複数の電池を連結した際の振動現象を抑
えることに成功、重量も通常の電動自転車電池の 3 分の 1 に抑えつつ、放電量を鉛酸電
池の 2-3 倍にすることに成功している。電池の使用寿命も中国国内の電動自転車用ハイ
レンジ電池の最高水準を達成している。
また、建龍重工集団は現在 2 本目の 2500 万アンペアアワー(Ah)の年産能力を持つリチ
ウム電池生産ラインを建設中で、9 月から生産を開始する予定。来年の売上高 2.5 億元
を見込んでいる。建龍集団:www.ejianlong.com/
【半導体】中芯国際、65 ナノ技術開発成功で年間売上高 50 億元狙う
2010-7-23 PCBTN
中国地場最大、世界第 4 位の半導体ファウンドリである中芯国際(SMIC)は、中国政府
から受託していた 65 ナノ製造技術開発に成功、量産を開始したことを明らかにした。
65 ナノ製造技術は、現在の半導体チップ製造の主流技術であり、中芯国際がその技術を
獲得したことにより、移動通信、デジタルテレビ、コンピュータ、NC 工作機械、車載電
子向けチップを独自技術でファウンドリ製造することが可能となる。
中芯国際は現在、8 種類の省電力製品を 65 ナノ技術で製造しており、月産能力は 3 千枚、
2 年以内に月産量を 2 万枚に拡大することで、年間生産高を 50 億元まで拡大したいとし
ている。
【PCB】三星電機、携帯電話用 PCB 生産ラインを釜山から昆山に移転
PCB 信息網 2010-7-26
韓国の三星電機は 25 日、中国昆山工場に建設していた携帯電話用プリント配線基板
(PCB)生産ラインが完成、量産を開始したことを明らかにした。昆山工場の携帯電話用
PCB 生産ラインは韓国釜山工場から移転したものという。三星電機の昆山工場の PCB 月
産能力は 3 万平米。
【電子部品】中国の電子部品市場、15 年には 5 兆元市場になる見通し
51
2010 年 7 月号
2010-07-26 賽迪網−CMIC
中国地場の市場調査機関、中国市場情報センター(CMIC)の最新調査報告によると、2009
年下半期以降の世界経済の回復により半導体を始めとする世界の電子部品産業が回復軌
道に入っていること、また中国内地の 3G サービスライセンスの開始、中国政府の一連の
景気刺激策により、中国の電子部品製造業の売上高は 2015 年には 5 兆元、生産量は 5
兆ユニットに達し、そのうち受動部品のチップ化率は 90%に達する見通しを明らかにし
た。
また、中国国内の半導体市場規模は今年は前年比 17%増の約 800 億米ドル、中国国内の
民用電子機器市場は今年は前年比 17%増の 178 億米ドルに達すると予測している。
608 号 7 月 30 日
【EMS】鴻海、成都を PC、鄭州を携帯電話、深圳 を iPad/iPod 拠点に
2010-7-27 中国 PCB 産業協会
EMS 世界最大手の鴻海集団(Foxconn)は、中国内地の生産拠点再配置の一環で、携帯電
話 ODM 事業会社、富士康の山西省太原工場を閉鎖することを明らかにした。
富士康スポークスマンの童文欣氏は、富士康の事業は今後、河北、天津、北京、四川に
集中する方向で、河北、天津、北京、四川の生産能力は全体の 7 割前後に達するとして
いる。
中国沿海部の賃金上昇、工員の相次ぐ工員寮での飛び降り自殺事件などから、鴻海集団
は深圳龍華工場の一部生産を内陸部に移転する計画を加速させており、その重要な移転
先として、四川省の重慶、成都、河南省の鄭州が挙がっている。また鴻海は、生産拠点
の内陸部への移転と同時に、グループ間の中国事業配置についても再編を進めている。
富士康の太原工場は当初 9000 名余りの工員を有していたが、部品の輸送時間を短縮する
目的もあって、太原工場の生産を河北廊坊、天津に移転、閉鎖する太原工場の工場屋及
び工場用地については、親会社の鴻海集団に移管し、鴻海集団が別事業の移転先として
利用するとしている。
鴻海集団の内部関係者は、今後の事業配置について、成都を卓上・ノートを含むパソコ
ン事業の生産拠点、鄭州を携帯電話事業の生産拠点、深圳をアップル iPhone、iPad の生
産拠点とすることを明らかにしている。
【EMS】富士康深圳工場 30 万人、10 月 1 日までに内陸工場に移管
搜狐 IT 2010/7/27
EMS 世界最大手の鴻海集団(Foxconn)は、生産拠点再編の一環で、傘下の富士康控股の
内陸部への移転を加速しており、今年 10 月 1 日までに中国深圳工場の約 30 万人の工員
を内陸部の工場に移管することを明らかにした。
深圳工場には現在 40 万人余りの工員が勤務しているが、内陸部に移管される人員はその
うちの 4 分の 3 に上る。残り 4 分の 1 の人員については、深圳工場でアップル向け iPad
52
2010 年 7 月号
及び iPod 等の生産に従事する。深圳工場に残る 4 分の 1 の工員は、試験を通じて高い技
術を習得していることが確認できたものとしており、アップル製品のアッセンブリに専
門的に従事するという。
今後の地域間棲み分けについては、プリント配線基板事業は河北省の秦皇島工場、照明
事業は山西省の晋城工場、ゲーム機事業は山東省の煙台工場、携帯電話事業は河北省の
廊坊工場、ノートパソコン事業は重慶工場に集約する計画を明らかにしている。
【EMS】フレクトロニクス、太原工場を閉鎖し半数の工員を河北省に移管
DIGITIMES 27-7-2010
EMS 世界最大手の鴻海(Foxconn)に続いて、同業 2 位のフレクトロニクスが、山西省太
原工場を閉鎖することを決め、同工場工員 1 万人の半数を河北省の新工場に移管するこ
とを明らかにした。残り半数の工員については、フレクトロニクスの別事業会社へ転籍
もしくは退職させることになるという。
フレクトロニクスは、太原工場閉鎖の理由として、移転的である河北省の賃金が太原工
場に比べ低いこと、太原にはない各種優遇措置があるためとしている。閉鎖される太原
工場は、同業の鴻海に移管され、再利用されるという。
【液晶 TV】中国の薄型 TV 市場、安定期移行で今後数年は成長鈍化
中国消費者報 2010/7/27
中国電子商会消費電子産品調査弁公室発表の「2010 年上半期の中国の薄型テレビ都市消
費者需要状況」調査報告によると、今年上半期の中国の薄型テレビ需要量は 1050 万台で
前年同期比減となった。一方、今年下半期の中国の薄型テレビ需要量については、上半
期比およそ 1.5 倍の 1500 万台に達すると予測している。
同報告は、中国の薄型テレビ市場が、政府の家電購入助成金制度による大幅成長期を経
て徐々に安定期に移行しつつあり、今後 2-3 年は成長が鈍化する可能性があると指摘し
ている。ただ、インターネットテレビ、LED テレビ、3D テレビ等の新技術製品の需要が
今後の新たな市場のけん引役になる可能性はあるとも予測している。
【パソコン】仁宝/緯創、宏碁から年間 2500 万台/1500 万台 ODM 受注
台湾経済日報 27-7-2010
ノートパソコン世界第 2 位の宏碁(Acer)は、来年度分のノートパソコン ODM として、
ノートパソコン ODM 世界首位及び第 3 位の仁宝(Compal)、緯創(Wistron)にそれぞれ
2500 万台、1500 万台の発注を約束したことを明らかにした。それぞれの数量は、宏碁の
ノートパソコン ODM 数量全体の 50%、30%を占めるという。
一方、ノートパソコン ODM 世界第 2 位の広達(Quanta)が宏碁から受注した来年分ノー
トパソコンは 500-750 万台で全体の 10-15%、和碩(Pegatron)の同数量は 200-250 万台
で全体の 5%と見られている。
53
2010 年 7 月号
【パソコン】ソニー、ノートパソコンの来年度 ODM で和碩の起用を検討
DIGITIMES 27-7-2010
ノートパソコン ODM 世界第 5 位の和碩(Pegatron)は、低コストをアピールすることで
来年度のノートパソコン ODM 受注攻勢をかけており、日本のソニーからノートパソコン
ODM の一部を新規受注できる見通しを明らかにした。
和碩は既にソニーの PlayStation 3 の ODM 生産を開始していることから、その実績をア
ピールすることでノートパソコンの新規 ODM 受注を成功させたいとしている。
ソニーにとどまらず、和碩はアップルからパソコン、宏碁からも携帯端末を相次いで受
注しており、華碩との資本関係を絶ったことで業績の V 字回復を目指している。
和碩がソニーのノートパソコン ODM を真意受注すれば、和碩の来年のノートパソコン出
荷量は同業 4 位の英業達(Inventec)のみならず、同業 3 位の緯創(Wistron)や急速に
台頭している鴻海(Foxconn)をも脅かす存在になる可能性がある。
【太陽電池】蕪湖明遠、安徽省初の単結晶シリコン太陽電池の量産開始
中安在線 2010-7-27
中国安徽省蕪湖市に本社を置く蕪湖明遠新能源科技有限公
司は、安徽省初となる単結晶シリコン太陽電池セルの量産
を正式に開始したことを明らかにした。明遠新能源:www.whmysolar.com/
【太陽電池】中国国内の太陽電池内需、年間 500 メガワット前後に拡大
2010/7/28 SEMI
中国国家能源局副局長の劉琦氏は 27 日、中国南京市で開催された 2010 年中国・台湾再
生可能エネルギー産業交流会で、中国の太陽電池内需市場は成長し始めたばかりではあ
るものの、年間需要は 500 メガワット前後まで達していることを明らかにした。
また、中国政府は現在、中国西部 6 省区で 13 件、計 280 メガワットの太陽電池発電所の
入札募集を行っていること、昨年から助成金制度のもとで開始した年間 300 メガワット
規模の建築用太陽光パネルシステム普及事業によって、中国国内の太陽電池内需が急速
に拡大していることを紹介した。
同氏によると、中国国内の太陽電池販売拡大により、2015 年には中国国内の太陽電池発
電量が 5000 メガワット、2020 年には同発電量は 2 万メガワットに達する見通し。
【太陽電池】中国政府、多結晶シリコン価格高騰で輸入関税引下げ検討
2010/7/29 DigiTimes
中国政府は、中国国内で太陽電池用多結晶シリコンの品薄状況に乗じて国内価格が高騰
していることから、太陽電池用多結晶シリコンの輸入税を引き下げることを検討し始め
54
2010 年 7 月号
たことが明らかになった。
欧米市場の駆け込み需要などから、世界最大の多結晶シリコン太陽電池生産国である中
国国内での太陽電池用多結晶シリコンの現物価格が 1 キロ当たり 50-55 米ドルから 55
米ドル、一部地域では 60 米ドルを突破している。こうした状況を受けて、中国政府は、
中国国内の太陽電池用多結晶シリコンの自給率が依然低く、半数近くを海外からの輸入
に依存している状況を踏まえて、関税を引き下げることで海外からの輸入を拡大し、国
内市場の価格高騰を抑えたいとしている。
ただ、業界関係者からは、中国政府内部には多結晶シリコンの自給率を引き上げるべき
と考える勢力もあり、輸入関税引き下げにはこうした勢力との調整が不可欠で、引き下
げが実行されたとしても、引き下げ幅は小幅にとどまると予想している。
中国国内では、徐州中能、洛陽中硅、新光硅などの中国地場の大手太陽電池用多結晶シ
リコンメーカーが急速に生産能力を拡張しているものの、世界需要の 4 割を生産する中
国国内の太陽電池メーカーの生産能力はそれを上回る速度で拡張しているという。
【半導体】台積電、上海松江工場生産能力を 6 割拡張 来月正式発表
2010/7/28 Digitimes
半導体ファウンドリ世界最大手の台積電(TSMC)は、上海松江工業区の 8 インチウエハ
工場の生産能力を 6 割拡張することが明らかになった。台積電の上海松江工場側は、拡
張は董事会の最終承認を得ておらず、正式発表は今年 8 月になるとしている。
台積電の上海松江工場は 2003 年 8 月に設立、登録資本は 3.71 億米ドル、主に携帯電話、
スマートカード、パソコン周辺コントローラ、DVD コントローラ、LCD ドライバ用チップ
を 0.18 ミクロン、8 インチウエハ技術で生産している。
台積電の今年 1-3 月業績発表によると、上海松江工場の昨年の生産高は 8 インチウエハ
53.1 万枚、平均月産量 4.4 万枚、今年の生産高は 55.7 万枚とされている。
【PCB】精成科技、精星の筆頭株主に PCB 川下の PCB 実装事業統合
2010-7-27 中国 PCB 産業協会
台湾最大のケーブルメーカー、華新麗華(Walsin)傘下の世界最大のノートパソコン用
プリント配線基板(PCB)メーカーである瀚宇博徳(Hannstar Board)は、傘下の PCB
実装メーカーである精星科技の 15%の持分を、同じく傘下にある PCB 実装メーカーであ
る精成科技(GBM)に売却することで、PCB 実装事業を精成科技に統合することを明らか
にした。
精成科技は、同じグループ内の PCB 実装メーカーである精星科技の 15%の持分を取得す
ることで、精星科技の筆頭株主となり、グループ内の PCB 実装事業を集約することにな
る。精成科技、精星科技はそれぞれ PCB 表面実装ラインを 135 本、37 本保有している。
【受動部品】国巨、PC/携帯電話向け好調 3Q 売上高 2Q 比 10%増
55
2010 年 7 月号
DIGITIMES 28-7-2010
チップレジスタ最大手、受動部品大手の国巨(Yageo)は、パソコン、携帯電話、パワー
サプライ向け需要の好調が続いていることから、今年 7-9 月の売上高が 4-6 月比 10%増
となるとの見通しを明らかにした。
ただ、一部受動部品の生産拡張が不十分であることから、下期は需給がやや逼迫する可
能性も明らかにした。今年下期の受動部品全体の需要は上期に比べ 40%増となる見通し
で、積層セラミックキャパシタ(MLCC)及びチップレジスタの生産能力をそれぞれ 30%、
28%引き上げる計画を進めているという。
7-9 月の BB レシオは、MLCC が 1.7-1.8、チップレジスタが 1.3、インダクタが 1.1-1.15
で推移していること、4-6 月の税後利益が 11 億 NTD(3447 万米ドル)で 1-3 月比 10.4%増
となったこと、粗利益率が 26.9%から 29.6%に上昇したことも明らかにした。
【生産統計】中国電子情報産業今年上期生産状況、主要製品生産量
中国工業情報化省
中国の電子情報産業の今年上期の総売上高は 2 兆 8622 億元で前年同期比 29.5%増、その
うち輸出額は 1 兆 6647 億元で同 31.2%増だった。主要製品の生産量は下表の通り。
単位
1-6 月
昨年同期 増減%
携帯電話
万台
36988
26889.9
37.6
通信交換機
万回線
1433.4
2104.3
-31.9
移動通信基地設備
万チャネル
917.2
1544.1
-40.6
電話機
万台
7701.9
6996.8
10.1
ファックス
万台
81.1
161.6
-49.8
カラーテレビ
万台
5299.1
4552.7
16.4
パソコン
万台
10880.4
7759.5
40.2
万台
8891.8
6305.1
41
サーバ
万台
98.4
87.8
12.1
プリンタ
万台
2856.2
1705.7
67.5
モニタ
万台
6779.5
6254.1
8.4
半導体部品
億個
1482
1111
33.5
集積回路
億枚
302.5
202.5
49.4
デジカメ
万台
3989.9
3218.7
24
うちノート型
56