充電時に発生するガスについて

使える「バッテリー知識」をお届けする
【作成】
㈱ジーエス・ユアサ バッテリー
営業企画部
2012年7月17日 第34号
充電時に発生するガスについて
カーバッテリーは充電され、満充電に近づくとバッテリー内部の電解液にガス(気泡)が発生
します。今号では充電時に発生するガスについてお話しします。
●発生するガスの種類と危険性
充電終期になると充電電流は電解液中の水分(H2O)の電気分解に使用され、ガス(気泡)が発生し
+極板側から酸素ガス(O2)、-極板側から水素ガス(H2)がそれぞれ1:2の割合で生成されます。
水の電気分解反応 2H2O→2H2+O2
酸素ガス・・・それだけでは燃えませんが、可燃物が混在している状況で、火種があれば火災や爆発
など激しい燃焼が引き起こされます。
水素ガス・・・爆発限界が極めて広く、空気中の濃度が4~75% 発火点500℃で爆発するという性質を
持っています。
危険
バッテリーから発生するガスの2/3は水素ガスであり、静電気やタバコ
などの火気が水素ガスに引火すると爆発などの事故につながります。
●充電時に発生するガス量
充電終期に於ける、理論ガス発生量(12V電池の場合)
1Ah(1Aで1時間)の充電で発生するガス量
分解される水の量
2.016㍉㍑
発生する水素ガス量(H2)
2.508㍑
発生する酸素ガス量(O2)
1.254 ㍑
※
発生する合計のガス量
3.762 ㍑
※
※
※標準状態:0℃、1気圧
上の表より、わずか約2㌘の水から2.5㍑の水素ガスが発生することが分かります。
何気なく行っているバッテリーの充電ですが、実際には多くのガスが発生しています。
充電される際は換気に充分注意しましょう!
・充電時に発生するガスは、主に爆発の危険性がある水素ガスです。
・充電終期における水素ガスの発生量は12V電池で1Ahあたり2.5㍑です。
・充電場所は火気厳禁!換気の良い場所で行いましょう。
バッテリーを充電する際は、換気条件の良い場所で行い、
充電作業中のスパークなど、火花には充分に注意するよう
お願いいたします。