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『「家を買う」前に知っておいてほしいこと』
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目次
マイホームは世界共通の資産形成法......................................................................................... 1
「不動産はインフレに強いから」は本当か?................................................................................2
サハラ砂漠の高品質マンションか、ニューヨークのオンボロ倉庫か........................................... 3
街は生きている............................................................................................................................. 3
永住するつもりがあるかどうかで選び方は異なる........................................................................4
人気がないなら人気のない値段で買う....................................................................................... 5
個性的な家よりも普通の家...........................................................................................................5
収納スペースにこだわらない選び方も........................................................................................ 6
中古戸建の注意点.......................................................................................................................7
よい家を安く建てるコツとは?......................................................................................................9
契約したけどやっぱり解約したい!.......................................................................................... 10
家を借りるという選択.......................................................................................................................... 11
返済能力は変わる......................................................................................................................11
賃貸とは自由を買うレンタルサービス........................................................................................12
移動とはチャンスを求める意思表示..........................................................................................12
「家賃はドブに捨てるようなもの」は本当か?............................................................................13
老後は賃貸には住めないのか?.............................................................................................. 13
家を消耗品のように買うという選択.................................................................................................... 14
地方で激安住宅に住む.............................................................................................................14
人気エリアを外して激古・激安物件を買う.................................................................................15
現金で買うことの幸せ.................................................................................................................16
「住宅ローンを組んでまで家を持つ必要はない」は本当か......................................................16
ローンで注意すること......................................................................................................................... 17
個人信用情報のキズに要注意..................................................................................................17
自分の与信枠を何に使うのか................................................................................................... 18
住宅ローン返済に困ったら........................................................................................................ 19
マイホームは世界共通の資産形成法
専門家の中には、「日本人の資産は不動産に偏りすぎている」と指摘する人もいます。しかしこ
れは日本に限ったことではなく、海外でも同じく不動産の比重が高いものです。
株は数万円からでも買えますが、不動産は数百万、数千万円もしますから、多くの人はローンを
組んで買います。
世界のどこに行っても、一般市民の買い物で最も高額なものが不動産です。不動産の割合が相
対的に大きくなるのは、良い悪いではなく、そうなるものです。
私は仕事柄、世界の不動産マーケットを調べていて、現地に飛んでは人に会い、話を聞き、見
て回っています。
すると、アメリカでも、シンガポールでも、タイでも、オーストラリアでも、多くの 人々にとっての資産
形成といえば、やはりマイホームだということがわかります。
もっとも、海外(特に新興国)では不動産価格が上昇しており、転売益が見込めますから、日本と
は少し事情が異なります。
しかし、みな一生懸命勉強しています。日本人とは比較にならないくらい、家を買う、売るというこ
とについて勉強しています。
彼らは、必ずしも「家は買えば資産になる」わけではなく、「資産になる家もあれば、ならない家も
ある」ことを知っています。
個人の人生ではもっとも大きな買い物ゆえに、プラスにもマイナスにも大きく作用します。
だからこそ、私たちももっと住宅に関するポリシーと知識を持ち、納得できる買い方をする必要が
あります。
「不動産はインフレに強いから」は本当か?
将来のインフレに備えて不動産を買おう、という考え方もあります。
赤字国債は GDP の 2 倍以上に膨れ上がり、もはや歳入と歳出のバランスによる財政規律だけで
返済できるレベルではありません。
もし将来、国債の引き受け手がいなくなれば、国債価格は下落し、同時に金利が上昇します。そ
れはインフレを誘導します。
インフレが起こると、通貨の価値が目減りします。今持っている 100 円は 10 年後も 100 円です。
しかし、今 100 円で売っているモノが 10 年後に 200 円になるとすれば、資産価値は半分になりま
す。
これなら、今モノを買っておいて、10 年後にそれを売った方がよい、ということになります。
つまり現金を持っていても不利になるので、資産性・換金性のあるものにお金が集まります。そう
した要素を持つ不動産や金(ゴールド)にお金が集まるため、価格が上昇します。
当然、バブル時代のようにすべての不動産にお金が集まるわけではなく、二極分化します。
しかし、ここで勝ち組の不動産を買っておけば、現金で預けているよりも、資産の目減りを防ぐこ
とができます。
ただし、金利が上がると、住宅ローンを変動金利で組んでいる人は返済金額が上昇しますから、
必ずしもメリットばかりではありません。
インフレ時にはその資産を売却して現金化する前提ですから、値上がりしたら自宅を売るぞ、と
いう人にとってのみ、自宅がインフレ対策になります。
そうでない人にとっては、自宅購入の判断とインフレとは、あまり関係のない話です。
サハラ砂漠の高品質マンションか、ニューヨークのオンボロ倉庫か
たとえば、サハラ砂漠のど真ん中にぽつんと建っている、新築の超高級マンション(200 平米)と、
ニューヨークの 5 番街にある築 30 年のオンボロ倉庫(60 平米)があるとします。値段はどちらも
5,000 万円。
あなたならどちらを選ぶでしょうか。あるいは、中古になったり、もっと古くなったりしても買いたい
と思うのは、どちらの物件でしょうか。
不動産は周辺地域の一部です。物件単体では価値を持ちえず、街とひとつになったとき、その
価値が生まれます。
また、その街に合った間取りもあります。ファミリーに人気がある閑静な住宅地に、単身者向けマ
ンションを作ってもなかなか売れないでしょう。
お金もそうです。都市に住めば強力な力を発揮しますが、無人島に行けば札束は焚き木の材料
にしかなりません。
資産としての不動産を買うとは、「その街を買う」ということと同義であり、言い換えれば、「その街
の未来に投資する」ということです。
街は生きている
投資する価値のある街が持つ要素を紹介しましたが、それでも街は生き物です。
今は人気沿線、人気がある場所だからといっても、やはり 30 年後はわかりません。また、郊外に
向かうほど未来は読みにくくなります。
たとえば首都圏では、ある私鉄が開発した路線は人気が高いので有名です。
丘陵地帯を切り開いた路線のため、沿線は高低差が激しいのですが、デベロッパーの見事なブ
ランド戦略が功を奏し、ハイソサエティ、ニューリッチ、上質というイメージが作られました。
そして、団塊世代前後の高額所得者が好んで家を買いました。
しかし現在、その人気路線も、都心から離れた駅周辺から高齢化が進んでいます。もちろん高
齢者が多くても、入れ替わり若者が流入する場所ならよいのです。
ただ、高低差が激しいということは坂道が多いことですから、家を建てた当初は、若く体力もあっ
て平気でも、歳をとると通勤も買い物もしんどくなります。
子供も、親の大変そうな暮らしぶりを見て、その家を継がず自身はもっと都心に近いところに住も
うとする人もいます。都心の物件が手が届く値段になっていればなおさらです。
すると、世代交代による新陳代謝が進まなくなります。
同様の現象が、「○○台」「○○ヶ丘」「○○ヒルズ」とつく地名のところでも起きています。オシャ
レに聞こえますが、山の斜面や丘陵地帯を切り開いている ために、そういう地名がついているので
す。
人は仕事のある場所、チャンスのある場所へ集まります。
そのため、街の歴史が浅いところや、都市部から離れれば離れるほど、未来は流動的になり、資
産価値に影響を与えます。
生き物としての街を読むには、「自分の子供が住みたいと感じそうか」「同じような人ばかりが住ん
でいないか」「自分より若い世代が新規住人として入ってきているか」という視点で、地域を観察して
みることです。
永住するつもりがあるかどうかで選び方は異なる
都心の便利な場所に住めば、近隣で生活が完結するので、転職などがあっても永住が可能で
す。
また、転勤がほとんどない企業に勤めている人や、親子二世帯で住む人も、永住を前提に家を
買います。
人に貸さないし、売ることもない、という前提ですから、資産価値とか、賃貸に出したらいくらで貸
せるかなどとは関係なく、家を選ぶことができます。
地方に在住の場合は顕著で、地元の企業に勤め、定年まで働く人が多いので、家を買うことイコ
ール永住を意味します。
土地信仰も根強く、先祖代々の土地とか、地縁血縁とかの関係もあり、「終の棲家」という考え方
は薄れているとはいえ、まだ残っています。
そんな価値観だけではなく、地方では「転居に迫られる」という局面が少ない点も挙げられます。
ひとつの理由は、勤め先が限られていて大都市ほど選択肢が多くないことと、まだまだ終身雇用
が一般的であるから。
もうひとつは、一見不便と思えるところに住んでいても、たいてい車で通えるからです。
公共交通機関に依存する都市部と違い、 そもそも車社会なので、1時間も満員電車で立ちっぱ
なしということもありません。
さらに地方は信号機の数も交通量も少ないので、同じ時間で走れる距離は段違いに長くなりま
す。仮に転職しても走る距離がちょっと変わるくらいで、意外に長い距離を走っても平気です。
そして地価そのものが安い。
そんなこともあり、地方では家を買うのに迷う要素は少なく、自宅を購入するタイミングも比較的早
い傾向にあります。
こうした場合、いかに安く買えるか、いかにローン比率を抑えられるか、が焦点となります。
そのため、親の土地に戸建を建てる人も大勢います。親の土地なら土地はタダですから、資金
負担が小さくて済みます。親子リレーローンで二世帯住宅を建て、老後の面倒も見てもらうという人
もいます。
かつては親との同居を避ける傾向がありましたが、経済情勢が不透明な今後は、親の資産を活
用させてもらうのもアリではないでしょうか。
人気がないなら人気のない値段で買う
高級な場所でなくても、仮に人気のない場所であっても、そこからあまり下がらないであろう値段
で買えるならば、想定されるキャピタルロスは小さく、資産価値を維持できるということです。
たとえば郊外の始発駅近くに中古物件を買うという人もいます。
値段は十分に下がっているし、そもそも駅前だから、それ以上価格が下がることも少ないだろう。
何より座って会社に行けるから、疲労も少なく、通勤時間を読書などで有効に使える だろう、という
わけです。
あるいは、子供が小さいうちは大自然の中で育てたいとか、子供が巣立った後は静かな田舎で
のんびり過ごしたいという人もいるでしょう。
そういう場合、郊外で土地値程度の価格で中古物件を買うのも悪くない選択です。
個性的な家よりも普通の家
理想の家というのは千差万別で、自分の嗜好を反映させようとすると個性的になります。しかしそ
れは、次の人が買いたい物件には遠くなります。
窓が丸い物件や、屋上に天守閣が乗っている物件は、建てた本人には理想の家でも、自分が
それを中古で買おうとは思わないでしょう。
内装も黒が好きだからと壁面や建て付け家具を黒にすると、自分 は満足でも、他人が買おうとし
たときは躊躇します。
間取りの中央にリビングダイニングを置き、部屋を周囲に配置したレイアウトは、自分は便利でも、
それを便利だと思って買ってくれる人がいるかどうか。
デザイナーズマンションも、たとえば洋画に出てくるような全面ガラス張りのシャワールームを、何
十年も使いたいと思うかどうか。
特に注文住宅では、どうしても個性を出したくなります。
もちろん、永住を前提とすれば問題ないのですが、資産価値を重視する人や、途中で人に貸し
たり売ったりする可能性が高い場合は、外装はもちろん、奇抜な間取り、内装デザインはむしろマ
イナスです。
成功した芸能人が建てた数億円の家というのも、これが個性的なものであればあるほど、売ると
きに値段が下がるものです。
反面、マンションや分譲戸建は既製品ですから、最初から万人に好まれる外観・間取りになって
います。デベロッパーもそのほうが売れるとわかっているからです。
100 人中一人が涙を流して欲しがる物件よりも、100 人中 99 人に嫌われない物件のほうが売りや
すいのです。
これは自分が売るときにも有利に働きます。つまり、次の買い手を見つけやすいということです。
収納スペースにこだわらない選び方も
あえて収納スペースにこだわらない選び方もあります。
収納スペースが少なければ、「これを買っても置くところがない」と考え、余分なものを買おうとは
しなくなります。いらないものは「捨てる」という習慣につながります。
これはむしろメリットと言えるのではないでしょうか。
本書のテーマではありませんが、実はお金持ちの家にはモノは少なく、貧乏人の家ほどモノで溢
れかえっている傾向があります。これには 2 つの理由があります。
ひとつは、買い物をするときに、本当に必要なものかどうかを想像し峻別する力の差です。
「それを買うことで、どういう価値がもたらされるか?」「自分はそれを使いこなせるか?」をイメー
ジして買い物をするので、保管すべきモノがぐっと少なくなります。
つまり、お金持ちは、買ったモノの稼働率が高いため、衝動買いして「いつか使うかもしれないか
ら、とっておこう」というモノが少ないのです。
逆に貧乏人は、あまり深く考えないで買い物をしますから、いらないもの、使わないもの、すぐ飽
きるものを衝動買いし、貯め込んでしまうのです。
二つ目は、不要なモノを処分する決断力です。
貧乏人は決断力がありません。もう使わないとわかっていても、もったいないといってしがみつき
ます。モノに執着しているのです。
執着心が強いので、いったん手に入れたモノやお金を自分のところに囲っておこうとし、手放す
ことができません。
反対にお金持ちは、要不要の決断ができます。モノに対する執着心が薄いので、投資などでも
お金を手放す勇気を持っています。
それはたとえば仕事でも、赤字の事業部から撤退する勇気もあるということです。
つまり、こうした決断力の有無が日常でも現われているわけです。決断力のない人は仕事もそれ
なりですから、結果的に収入が増えないのです。
そこで、仮に収納スペースの少ないマイホームを購入したら、それをきっかけに不要なものを思
い切って処分し、あまりモノを買わない、溜め込まない生活習慣に変える、というのもひとつの考え
です。
中古戸建の注意点
私個人は住まいに対するこだわりは少ない方で、あまり神経質になることはありませんが、絶対に
買わないだろうという物件というのがあります。あくまでも個人的な価値観です。
特に、中古の戸建を買うときです。
ひとつは、雨漏りをした物件です。
まず、雨漏り箇所の特定が難しいケースがよくあります。一度雨漏りをすると、何度も繰り返し発
生する可能性があります。「また漏ってるよ~」となり、雨の日が憂鬱になります。雨漏りのストレスは、
結構大きいものがあります。
また、部材を入れ替えても、その周囲や侵入経路に染み込んだ湿気はなかなか取れず、どこか
らかカビが生える可能性もあります。
こんなふうに、雨漏りのレベルによりますが、完全には元に戻らない事例を何度か見てきました。
そこで、中古でリフォーム前なら天井のシミに要注意です。新築やリフォーム後ではわからない
のですが、もし発生したら、売主や仲介会社にゴネてでも徹底的に工事してもらい、なるべく早め
に売却したほうがよいのではないかと考えています。
もうひとつは、気密性が低い物件です。これは空気が滞留せずに自然循環し、シックハウス 予防
にもなるので健康的だと感じる人もいるでしょう。
しかし、気密性が低いと冷房効率や暖房効率が下がるだけでなく、換気扇や配管、網戸の隙間
から、ハエ・蚊・クモ・ムカデ・アリ・ゴキブリといった愉快な仲間たちが簡単に侵入します。
気にしない人には関係ない話ですが、都市部でも、寝ている間にゴキブリが顔の上を這う、なん
ていうのはよくある話です。
蝶・セミ・カナブン・てんとう虫が飛び込んでくる程度なら風情があってかわいいのですが、天井
を這う巨大グモや巨大ゴキブリを見つけると、かなり鳥肌が立ちます。
特に地方の生き物はサイズが違います。手のひらサイズの巨大ゲジゲジやチワワを越える大きさ
のネズミ(ヌートリア?)も出没します。
私の実家ではネコを飼っていたので、ネズミは捕まえてくれていました。しかしネコは気まぐれで
す。頭だけをかじり、血まみれの胴体部分を部屋の中に転がしたままどこか遊びに行ってしまうの
です。
戸建ならシロアリ対策をまめにやれば、消毒剤などである程度は防げるかもしれません。マンショ
ンなら、虫などが進入しにくい 10 階以上のマンションに住めばよいかもしれません・・・。
さらに、「気」です。「この場所は気が良い、悪い」というのがあります。
これはもう、個人の感じ方でしかないのですが、世の中には明らかに「悪い気」が流れている場
所が存在します。
そこに行くと、なんだか気持ち悪いというか、気分が沈むというか、やる気を削ぐようなどんよりさ
を感じます。
こんなところに住んでいたら、一生成功しないなんじゃないかという場所があります。風水というほ
どではなく、一種のパワースポット的なものかもしれません。
オカルトっぽいと思う人もいるかもしれませんが、未だに土地に建物を建てるときに「地鎮祭」が
行われているように、特に不動産業者はそういう目に見えない縁起をかつぎます。
私は縁起にはまったく興味がなく、仏滅すら気にしないのですが、場所は「気」を重視し、賃貸で
も売買でも、「あ、ここ、良い気が流れている」という場所を選ぶようにしています。
いくら値段が安くても、自分の直感には素直に従ったほうがよいと思います。
よい家を安く建てるコツとは?
昨今は、注文住宅よりも分譲戸建が人気です。なぜなら、マンションよりも安く買えるからです。
大都市郊外でも、土地付き一戸建て 3LDK ・駐車場付きが、1,500 万円程度で買えるものもありま
す。
安いのには、下記のような理由があります。
●下落傾向にある郊外の土地を現金で仕入れることで、土地代が安い
●部材の大量一括仕入れで、材料費が安い
●セントラル工場でパーツを作り現地で組み立てる工法によって、大工の数が減らせるし熟練大工
も不要
こうした分譲戸建は、完成済みで売買されることが多いので、ある程度調べれば、施工不良はわ
かります。
一方で、地方都市ではまだまだ注文住宅が主流です。この場合、欠陥住宅や、施工業者が倒産
し払ったお金が戻ってこない、という問題が起こりやすくなります。
そこで、良い家を安く建てる、ひとつの考え方をご紹介します。
まず、地元で長くやっている小さな工務店に直接発注することです。
地元に根付いて長くやっている工務店は、悪い評判が立つと経営が成り立ちませんから、誠実に
施工しようとします。
もちろん上場している大手企業はコンプライアンスには厳しくその点では同じですが、中小企業
の場合は、ひとつのクレームが死活問題ですから。
また、お互い地元ということで顔が見え意思疎通もできますし、大手のように営業マンが異動など
で変わることも少ないですから、話が通じなくなったりすることも避けられます。
修理なども、いちいち発注して見積書を取ったりすることもなく、電話一本で、「あ、それなら ○○
万円くらいでできますよ」とすぐ対応してくれます。結果としては、満足度の高い家作りにつながりや
すくなります。
大手住宅メーカーよりも安く上がるケースもあります。大手建築会社に依頼すると、その分マージ
ンがかかるからです。
大手は従業員をたくさん雇っていますし、広告宣伝も必要ですから、その経費を回収しなければ
なりません。
さらに、大手も結局は地元の工務店に発注しますから、たとえばあなたから 1,000 万円の建築工
事を受注したら、地元の工務店には 850 万円で発注し、差額 1500 万円を利益として持って行く仕
組みになっています。
前述の通り、部材コストは仕入量がまとまる大手の方が安いため、価格競争力が強い企業もあり
ますので一概には言えませんが、抽象でも良心的な価格の業者はいます。
次に、工務店の倒産リスクを避けるには、建築代金を一括先払いしないことです。工務店との交
渉にもよりますが、完成度に応じて代金を分割払いできると安心です。
そういうバランスの良い工務店を、複数から相い見積もりをとって選ぶのは当然ですが、幸い地元
には、その工務店が立てた家のリアルなサンプルがたくさんありますから、そこに住んでいる人たち
に聞いておきたいものです。
もちろん大手は大手は中小零細企業よりも倒産リスクが小さく、長くアフターサービスを受けられ
るという安心感があります。
どちらを取るか判断は難しいですが、よく話を聞き、経営状況や評判を調べておきましょう。
契約したけどやっぱり解約したい!
いったん契約したけれども、やはりやめたい、という場合もゼロではないでしょう。契約後であれ
ば、通常は手付金を放棄して解約します。
売主側からしても、再び新規の顧客を探すのに広告費やら営業経費がかかるわけですから、手
付金の没収は当然の権利です。
もったいないと思うかもしれませんが、数千万円の負債を抱えて何十年も返済し続けることを考
えれば、数百万円は安いものです。
しかし、どうしても手付金があきらめきれない、という場合もあるでしょう。
新築マンションなどの売主物件であれば、あまりスマートな方法ではありませんが、とりあえずゴ
ネてみる、という方法もあります。
というのも、いったん契約した顧客とモメている間は、その物件を売ることができません。そんな後
ろ向きの対応をしている時間があったら、さっさと新規の販売活動に移り、新しい顧客に売ったほう
がいいと売主は考えるからです。
営業マンと顧客との信頼関係があれば、契約解除の連絡を受けた営業マンは、無理だとわかっ
ていても、そのお客様になんとか手付金を返してあげたいと思います。
そこで賢い営業マンは、すぐに別の顧客を探します。そして、次の買い手が見つかれば、その時
点で会社に前の客がキャンセルになったことを連絡します。
会社としても、売れるなら、手付金返還に応じてでもスムーズに契約解除したほうがよいと考えま
す。
かくして、手付金が戻ってくるケースがあります。
そこで、万一契約解除せざるを得ない事由ができたら、素直に手付金放棄に応じるのではなく、
まずは泣き落としをして、営業マンに引け目を感じさせ、返還してあげたいと思わせる。そして、他
の客を探せば返還できるじゃないかと教えてあげる、という方法もあります。
ただしこれは非常にレアケースです。基本的には手付金は没収されると思っていたほうがよいで
しょう。
家を借りるという選択
返済能力は変わる
中国やインドなどにチャンスがあるとわかっていても、ローン返済のために住み換えができず、 今
の仕事や職場や場所に縛られる人もいます。
人生で最も活躍できる期間を、住宅ローンを気にしながら生きるというのは、それはそれでしんど
いものがあります。
住宅ローンを返済するために働きたい人はいませんが、「住宅ローンが残っているから」という理
由で、定年退職後も働かざるを得ない人もいます。
また、収入が減ったり、会社がなくなり失業したりということも、当たり前のように起こる時代です。
そんなとき、ローン返済につまづく可能性もあります。
中には、夫婦共働きの生活レベルで計算してしまい、奥様が子育てで退職して収入が半分にな
ったとき、お金が足りないとわかった、という笑えない話もあります。
返済が滞る生活は思いのほかしんどく、精神的に追い詰められます。
しかし賃貸ならば、苦しくなったら家賃の安いところに引っ越してしのぐことができます。収入が上
がれば上がったで、広くて高級な物件に住み替えることもできます。
自分の返済能力は変わる可能性がありますが、賃貸はそうした変化にも、自在に対応しやすい居
住形態です。
賃貸とは自由を買うレンタルサービス
六本木ヒルズレジデンスや東京ミッドタウンレジデンスは、月額賃料が 100 万円~500 万円もしま
す。そんな場所を借りている人の多くは起業家や会社経営者です。
なぜ彼らが賃貸に住むかというと、職住近接で時間を買う、という理由だけでなく、会社の業績に
柔軟に対応できるようにするため、という理由もあります。
また、本社の移転とか、中国市場がメインになって上海に住む必要があるとか、インド支社立ち
上げの陣頭指揮を執るとか、拠点も変わる可能性があります。
それに管理組合への参加など、本業に不要なことに煩わされたくないというのもある でしょう。(私
も所有する物件の数だけ「組合の役員になりませんか」と催促が来て、やはり面倒だと感じます)
また、建物のメンテナンスや、内装・設備の修繕などを気にする必要がありません。これらは基本
的に大家の負担だからです。
設備が故障したら大家(もしくは管理会社)に電話すれば、故意や過失でなければ自己負担ゼ
ロで修理してくれます。
移動とはチャンスを求める意思表示
もちろん賃貸にもデメリットはあります。
家賃は相場の変動によって値上げされることがあります。また、2 年ごとに契約を更新し、そのた
びに契約書を交わし、更新料と火災保険料を支払うことになります。
自分で勝手に内装を変えることはできないですし、仮に大家の了解を得て変更しても、退去時
には「原状回復」といって元通りにしなければなりません。確かにそういう制約はあります。
しかし、賃貸で得られるものは自由です。
資産価値などを考える必要もなく、自分にとって最も都合のよい物件を選ぶことができます。
付近の環境が悪化した、近所にヘンな人が住んでいる、間取りが使いにくいという場合でも、引
っ越せばいいだけです。
騒音おばさんやゴミ屋敷といったニュースが話題になることがありますが、そんなものに煩わされ
るくらいなら、さっさと引っ越すに限ります。
転職した、結婚した、子供ができた、収入が上がった、もっと便利な街を見つけた、もっと高品質
な物件を見つけた、という場合でも、最適な場所の最適な物件を選べます。
アメリカでは、「移動とは、何かを成し遂げたいという意思の表現である」と言われます。これは国
土の広さの違いによるものでしょうか。
新しいチャンスを求めて、より最適な場所へ移動するというのは、何もアメリカに限ったことではな
く、日本でも同じです。
東京にチャンスがあれば東京へ、ニューヨークにチャンスがあればニューヨークに。さらに、日本
がヤバくなったら逃げ出せる、という選択肢を持っておくことも必要です。
賃貸とは、そういう身軽さ、自由さを与えてくれる居住形態と言えます。
「家賃はドブに捨てるようなもの」は本当か?
不動産屋の営業マンの営業トークに、「家賃はドブに捨てるようなものですから」というものがあり
ます。
しかし、賃貸をひとつのサービスと考えれば、このセリフは意味がないものとなります。
レンタルビデオ、レンタカーなど、世の中にレンタルビジネスは数多くありますが、いずれも「使っ
た分だけ支払い、使い終わったら返却する」というものです。
ということは、賃貸も住居のレンタルサービスといえます。
たとえばホテルに泊まる宿泊費を「ドブに捨てている」と思う人はいないでしょう。
もちろん一過性の宿泊と、継続して居住するものとは事情が異なりますが、住居 とは基本的に
「何かを成すための手段」に過ぎません。
家賃を、「身軽さ・便利さ」「住み替えやすさ」や、「買うことに対するリスクヘッジ」としての代替コス
トと考えれば、無駄ではなくなります。
つまり、賃貸という居住形態のメリットを享受できるサービス料だと考えれば、合理的な出費 とい
えます。
老後は賃貸には住めないのか?
不動産業界が作った常識に、簡単に自分の財布を預けないようにしたいものです。たとえば、次
のようなセリフもあります。
「老後は賃貸物件が借りられなくなりますよ」というものです。
以前は、現在のような保証制度(保証会社が入居者の支払能力を保証し、仮に滞納があっても
一定期間は保証会社が家賃を立て替えて大家に支払う制度)が なく、保証人を立てられない独居
老人は、賃貸を借りられませんでした。
また、年金のみで収入が少ないとか、居室内で死亡するといったリスクがあるなどで、高齢者は
避けられる傾向がありました。
しかしそれも、貸し手優位の時代だからできたことです。戦後からバブル期にかけて、賃貸物件
の数そのものが少なかった時代の名残りです。
現在、日本の居住物件の空室率は年々上昇しており、 すでに 800 万戸を超える空き部屋がある
と言われています。
人口が減少しているにもかかわらず、新築物件はあちこちで建てられていますから、空き部屋は
もっと増えるでしょう。
すると賃貸物件を所有する大家は、空室に耐えることができなくなります。保証会社が保証してく
れるなら、誰でもいいので入居を決めたいという大家が増えます。
もはや借り手優位の時代の到来です。
人気のエリアの人気物件では、まだまだ大家が強 いため、高齢者単独での入居は難しいかもし
れません。
しかし場所さえ贅沢を言わなければ、「高齢者は賃貸物件を借りられない」、という状況はなくな
っていくでしょう。
家を消耗品のように買うという選択
地方で激安住宅に住む
何十万円もしたブランドバッグを中古買取屋に持ち込んで、「1,000 円です」と言われたらショック
です。しかし、雑貨屋さんで買ったビニールバッグが「0 円です」と言われても気になりませんよね。
人は支払った金額が多ければ多いほど、価値を感じたいと考えます。家も同様に、年収の何倍
もの金額を払うと、どうしても自分の家は価値があると思いたくなります。
でも、非常に安い値段で買えたならば、ビニールバッグとはいかなくてもあまり気にならなくなりま
す。
そこで、場所の制約を受けない働き方をしている人は、思い切って郊外や地方で安く家を買うの
もありです。これは、家の資産価値は捨てる、という考え方です。
郊外や地方では、数百万円で買える物件がごろごろしています。そういう、十分に値段が下がっ
た中古の戸建かマンションを買い、リフォームして住むのです。
都会で 10 万円の家賃の賃貸に住めば、10 年で 1,200 万円払うことになります。それよりも安い
値段で買えば、家に資産価値がなくても、消耗品として割り切ることができます。
賃貸や売却による損得は一切考えず、住み替えが必要になったら捨ててもいい、という前提で
買うならば、あれこれ考える必要もなく、非常にシンプルです。
ネット・電話・FAX ・郵便で仕事が完結する仕事をしている自営業の人であれば、あえて都会に住
む必要はありませんから、場所は自由に選べます。
作家やクリエイターなど自分ひとりでできる職業の人の中にも、地方都市に住み、たまに打ち合
わせで都会に出てくる、という生活をしている人もいます。
クラウド環境の充実によって、電波さえ届けば、物理的な場所にこだわる必要もありません。ネッ
トスーパーの配達エリアであれば、買い物も困りません。
確かにこうした場所は車がなければ不便ですが、リッター 30 キロ走れるコンパクトカーでも 100 万
円ちょっとで買えます。
しかし、やはり老後は不便になりますから、そのときはもっと便利なところに引っ越してもいい。
劇的に安い価格で家を手に入れて住居費を抑えておけば、無理なく貯蓄ができますから、将来
の選択肢も広がります。
人気エリアを外して激古・激安物件を買う
35 年も住宅ローンを払い続けられるという保証はどこにもなく、自分の勤めている会社がこれか
ら 35 年も続くかどうかを考えたとき、不安になる人もいるでしょう。
また、住居とは、自分のライフスタイルを実現するための道具です。その道具のために生活が犠
牲になるのは本末転倒です。
住宅以外にお金をかけたいものは、たくさんあるはずです。
にもかかわらず、お父さんのお小遣いが 3 万円で住居費が 15 万円というのは、本当に充実した
人生になるのか、という疑問が湧きます。
住宅ローンに縛られない生き方をするには、やはりキャッシュで買うことです。
「そんなにキャッシュなんてないよ~」と感じるかもしれませんが、場所と築年数を多少妥協すれ
ば、射程圏内の物件はあります。
地方に行くのは無理だとしても、首都圏でもちょっと人気エリアから外れて、築 30 年以上の物件
を探すと、1 千万円~2 千万円前後で買えるマンションや一戸建てもあります。
マンションなら昭和 56 年の新耐震基準を境に価格がガクッと変わりますから、旧耐震基準の物
件が狙い目です。こうした激安物件をキャッシュで買うのです。
もし 1 千万円で買えるなら、月 15 万円の賃貸に 5 年半住んだと考えれば元が取れます。
「古い耐震基準の物件はちょっとね・・・」と感じても、これなら 目をつむれる人もいるのではない
でしょうか。
現金で買うことの幸せ
現金で買ってリフォームすれば、もはや住宅ローンに汲々することもありません。地価や金利の
動向を気にする必要もありません。
これは精神的にかなり気楽です。
貯蓄も十分に可能ですし、ほかにいろいろお金の使い道が広がります。
住宅ローンのおかげで人生が制約されることなく、趣味でも旅行でも、自分の人生を切り開くた
めにお金を使う余裕が生まれます。
浮いたお金で、リゾート地に中古の別荘を買い、週末はそこで過ごすという生活だってできます。
いくらで売れるか貸せるかもどうでもよく、仮にゼロでも割り切れます。売るときは二束三文でも、
そもそも家賃を払い続けるよりも安い値段で買っていますから、気になりません。
マンションなら、ラッキーなことが起こることもあります。もし建て替えが実現すれば、新築マンショ
ンを通常の半額以下の値段で手に入れられる点です。
実際、建て替え狙いで、あえて人気エリアに劇古のマンションを買っている人もいます。私の知
人にも、恵比寿で築 40 年を超えた古い物件を購入した人がいます。
ただし後述しますが、現時点では、マンションの建て替えは非常に困難ですから、こうしたシナリ
オは賭けのようなものです。
しかし仮に予想とは異なる結果になったとしても、割り切れる ならば、そう悪い選択ではないでし
ょう。
人口が減少し、景気が低迷し、持ち家志向が減退していけば、住宅は大量に余るようになります。
こうした古い激安物件は、今後もたくさん出てくるでしょう。
不透明な時代、より真剣にお金の使い方を考える必要がある時代には、家もこのような消耗品と
して使い捨てるのもアリです。
「住宅ローンを組んでまで家を持つ必要はない」は本当か
「クルマを買うお金がない」という若者が増えると、クルマを買えない自分を正当化するために、
「クルマを買うなんてバカバカしい」という価値観になります。
これは家についても同じです。
家を買えるほどの収入がなく、ローンの返済も心配となると、「所有にこだわってローンに縛られ
るなんてバカバカしい。空き物件が溢れ、家賃ももっと安くなるから賃貸で十分。」という論調が支持
されるようになります。
昨今はそんな主張をする人が増えているので、世の中もそういう価値観に傾いていくことは、ほ
ぼ間違いないでしょう。
今までは年功序列で収入が増えていたので、家賃を払い続けるだけの貯蓄もできたでしょう。
しかし、これからも年収が上がり、貯金も増やしていける時代なのか・・・。
定年退職後も働けばよいのですが、新卒でさえ就職内定率が 8 割を切り、グローバル企業を中
心に国内雇用を減らしている現状です。そんな時代に、高齢者が就けるまともな仕事が、本当にあ
るのか・・・。
収入も十分な貯蓄もなく、家賃で銀行残高が減り続ける生活は恐怖です。
そう考えると、最近耳にする、「貧乏人は家を買え」というメッセージは、そう間違っていないのか
もしれないな、と感じます。
もっとも、日本を飛び出す勇気があれば、その心配もかなり少なくなります。
実際、技術を持っている人は、定年退職後は新興国に職を求めたり移住したりする人が増えて
います。
世界に目を向ければ、大きな希望があることに気がつきます。
ローンで注意すること
個人信用情報のキズに要注意
個人の経済活動の中で、ローンやクレジット、割賦などの信用取引はすべてデータベース化さ
れています。
それがいわゆる「個人信用情報」と言われるものです。回収リスクを低減するために、全国の金融
機関が加入し、個人の経済活動(カードやローンの履歴)を登録しています。
新しくクレジットカードを作るとき、ローンを組むときは、必ず審査があります。そのひとつは、金融
機関の担当者はこのデータベースを閲覧し、問題がないかどうかをチェックするというものです。
ローンやクレジットの遅延や未払いがあると、ここに登録されます。いわゆる「ブラックリスト」と呼
ばれるアレです。
ブラックリストというものが存在するわけではなく、金融事故はすべてここに記録されるため、ほか
の金融機関が見たときに、「この人、危険かも」とわかる、という仕組みになっているのです。
る全国銀行個人信用情報センター、CIC(シーアイシー)などで調べることができます。
前者の全銀は、おもに銀行からの借入や返済状況がわかるもの。後者の CIC はクレジットカード
の履歴やキャッシングの状況などがわかります。
ほかにもいくつかの情報登録機関がありますが、これらはすべてネットワークでつながっており、
延滞などの事故は、どのデータベースからでもわかるようになっています。
事故の記録は 5 年間は消えないとされているので、直近 5 年以内に何か問題があると、家を買い
たくても住宅ローンが組めない、ということにもなりかねません。
たまにあるのが、夫か妻のどちらかが、若い頃にちょっとうっかり延滞事故を起こしていて、いざ
家を買おうとしてもローンが通らない。
ヘンだなと思って個人信用情報センターに行くと、クレジットカードの延滞事故が記録されてい
て、ボーゼンとする、というものです。
延滞事故はなくても、キャッシングをしている人、消費者金融の口座を持っている人、リボ払いを
している人は、ローン審査の上ではマイナス要因になりますので要注意です。
リボ払いも含めてその他のローンは全額返済し、消費者金融の口座も解約しておきましょう。
自分の与信枠を何に使うのか
お金を借りる経済的信用度をはかるモノサシとして、「与信枠」というものがあり、一般個人の場合、
ローンを組める金額には、基本的には上限があります。
住宅ローンであれば、通常は年収の 5 倍程度です。既に住宅ローンを組んでいれば、その残債
と、新しく組む予定のローンの額を一体として計算されます。
自分の年収が 800 万の場合、理論上は 4,000 万までの住宅ローン枠があります。
独身時代に買った住宅のローンがまだ 1,000 万円ある場合、4,000-1,000=3,000 万が追加で
借りられる金額ということになります。
もちろん、これはあくまで一般論です。実際には、本人の金融資産の額や、所有不動産の担保
評価などの条件によって変動します。
賃貸用不動産、いわゆる投資物件を買うときには、もっと大きくなります。
区分マンションで年収の 5~7 倍程度。1 棟アパートや 1 棟マンションであれば、年収の 10~15
倍まで借りることができます。
また、購入後数年経過し返済実績ができてくると、信用力が高まり、さらに追加で融資を受けられ
るケースもあります。
借りられる金額の違いがなぜあるかというと、住宅ローンは自分のフトコロが返済原資なのに対し、
投資ローンは入居者の家賃が返済原資という違いがあるからです。ただしこれも、無尽蔵に借りら
れるというわけではありません。
また、住宅ローンか投資ローンかに関わらず、いったんローンを組むと、通常は数年間、新規のロ
ーンを組みにくくなりますし、前述の通り、借りられる金額にも制約が出てくる場合があります。
読者の中には「不動産投資なんて興味ない」という人も多いでしょう。しかし、「家を買って転勤に
なったから人に貸す」というのは、まさに不動産投資そのものです。
つまり「貸すことになるかもしれない」というのは、「大家になるかもしれない」と同義なのです。
永住しないかもしれない人は、好むと好まざるとにかかわらず、興味のあるなしにかかわらず、全
員が不動産投資家予備軍なのです。
もし不動産投資に興味がある人なら、自分の与信枠の使い方を考えておく必要があります。
たとえば、自宅は買わないで投資物件だけに向けるのか。
自宅オンリーでそれを賃貸に出す方向で行くのか。
自宅を買ったのちに投資物件を買うのか。
投資物件を買ったのちに自宅を買うのか。
自分に与えられた与信枠を何にどういう順序で振り向けるかという、順序と判断を考えておきまし
ょう。
住宅ローン返済に困ったら
多くの人が高額のローンを組むことに不安を覚えます。
それは、「もし生活が苦しくて返済できなくなったら」という状況に直面するかもしれないからです。
その代表格が住宅ローンです。
賃貸なら家賃が払えなくなっても、もっと安いところに引っ越せばよいだけですが、買うとそう簡単
ではありません。
自分は賃貸に引っ越したあと、自宅を貸し出しても、入居者が決まるのに時間がかかれば、返済
と家賃のダブルパンチです。
ギリギリになって何かしようと思っても、選択肢が限られてしまいます。
上記の例だと、引越ししたくても敷金や引越し代すら賄えず、身動きがとれない、ということにもな
りかねません。
そこで、「いよいよヤバイ」という状況で動き始めるのではなく、「ヤバそう」という段階で初動を開始
することです。
まずは金融機関に相談です。
金融機関も債務者にバンザイされては困るので、金利の減免や返済期間延長などの相談に乗っ
てくれるケースが増えています。
それでも苦しい場合は、自宅を貸して、自分は賃貸に引っ越す。
しかし、もしローン返済が家賃を上回ると、かえって負担が増えるため、できない方法です。
そこで物件を売却し、その売却資金でローンを完済することを検討します 。こちらも、ローンが残
る金額でしか売却できなければ、売るに売れません。
仮に金融機関が差し押さえて、任意売却や競売にかけても、残債が残れば返済義務を免れるこ
とはできません。
でももし、どうがんばっても返済できないほどの負債が残りそうなら?
そのとき自己破産を考えます。
弁護士に手数料を支払い、裁判所に自己破産手続きを申請します。認められない場合もありま
すが、通常の努力をしても返済が厳しい残債があれば、ほぼ認められるようです。
でも自己破産はそんなに悲惨ではありません。
自己破産して困ることと言えば、約 7 年間は経済的な信用創造機能が使えないというだけです。
たとえばクレジットカードが作れない、ローンが組めない、一部の公的な職業に就きにくいなど。
自己破産が認められれば、生活に必要なもの以外、たとえば賃貸用不動産などの資産は没収さ
れますが、自動車だって高級車でなければ残すことができます。
官報に掲載されますが、官報なんてだれも見ていないですから、会社にばれることもありません。
お店で商品は買えるし、学校も会社も普通に行ける。海外旅行だって行ける。いつもと変わらな
い日常生活を送ることができます。
そして 7 年経過し、個人信用情報から記録がなくなれば、またローンも組めるしクレジットカードも
作れるようになります。
つまり、自己破産は怖いことではなく、負債をゼロクリアしてやりなおすための、救済措置なので
す。
見栄さえ張らなければ、あるいは自己破産は関係なく追いかけてくる筋からお金を借りたりしなけ
れば、借金を苦にして自殺することなんてない、ということがわかります。