東京成徳大学 子ども学部教授 今井和子氏より引用 ~~~~赤ちゃんが泣く意味~~~~ 昔から「泣く子は育つ」と言われてきました。また赤ちゃんは、泣くのが商売、 「泣くことで周りの人を自分 に呼び寄せるのだから泣いたら放っておかずになぜ泣くのか訊いてやりなさい」と教えられてきました。 ところが今日の育児不安の主な原因は「泣かれたときはどうしていいかわからない」 「泣き止ませるためにお っぱいを飲ませてしまう」というものです。育児がいかに伝承されていないか・・・心が痛みます。 今、赤ちゃんの泣きは、確かに母親を困惑させるものかもしれません。しかし「赤ちゃんがどんな時に泣く のか?何故泣くのか?」その意味や発達をたどってみると泣きに秘められた赤ちゃんの訴えや思いが伝わって きます。 そればかりでなく 「人がなぜ生きるのか?」 、 その謎時にもつながる面白さを掴めるようなきがします。 それこそが子育ての喜び、真髄なのではないでしょうか。 生後 6 ヶ月頃まで<不快を快に変え、心をかよわせてくれる人を求める泣き> 2~3 ヶ月頃までの赤ちゃんは、泣くことでしか人と関わる手段がありません。いいかえれば、泣く力をあ たえられているからこそ人とコミュニケーションできるのです。おむつがぬれて気持ちが悪い、お乳が飲み たい、痛みを感じるなど、快と不快が分化してくるため、泣くことで不快感を訴えます。また大きな音や強い 光などに驚いて泣くこともあります。泣く理由がわからないことも多いのですが、何か泣かずにはいられな い赤ちゃんの思いがあるのでしょう。そんな時はやさしく抱っこし、好きな歌でも歌ってあげましょう。 生後2~3 ヶ月頃になると赤ちゃんの知恵がついてきて「呼べば誰かが来 てくれる」ことがわかってきます。だから泣いて訴えているのに誰もかまって くれないとき、赤ちゃんは顔を真っ赤にして怒ったように泣くようになります。 不安を快に転化してくれる大人の存在がわかってきた証拠です。 4~5 ヶ月頃になると、泣き方に表情が出てきます。赤ちゃんによって泣き 方は異なりますが、たとえば眠い時はぐずり泣き、おなかがすいた時は怒っ たように泣く、人を求めての甘えなきもあります。泣き方で何を訴えているかわかるようになるので泣く回数 もぐんと減ってき育児が多少、楽になってきます。
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