ほたて養殖漁業における9.7トン型漁船での補助電機推進装置等省エネ

実証試験報告書
Ⅰ
課題名
ほたて養殖漁業における9.7トン型漁船での補助電気推進装置等省エネ効果実証化試験
Ⅱ
実施主体名
北海道
落部漁業協同組合
Ⅲ
実証試験の内容
1
目的
主としてホタテ養殖漁業に従事する漁船の代替建造にあたり、電気補助推進装置の技術
を導入することで、省エネ及び環境対策並びに安全性の向上、騒音や振動など作業環境
の改善を実現することを目的とします。
2
導入技術の概要
(1)導入技術
(P3)添付1電気補助推進装置仕様、(P4)添付2三乗負荷曲線
(P5)添付3船速曲線参照
(2)技術導入の方法(手法)
従来の主機関を3ランク小型化しても、電気推進装置とカップリングすることで、船の
スピードを維持することが可能であり、低速航行・通常航行・高速航行など状況に応じ
た動力発生機関を使用して従来の能力を維持しながら省エネを行います。
(P6)添付4機関室配置比較図、(P7)添付5推進機関比較図、
(P8)添付6船体比較写真、
(P9)添付7主要機器写真1、
(P10)添付8主要機器写真2参照
(3)実施計画内容の変更事項
① 主機関型式の変更
エンジンとモータのカップリング特性及び減速機のギヤ鳴りを考慮した。
変更前
S6D‑MTK2
2320rpm 449kw
変更後
S6B3‑MTK2L 2065rpm 435kw
② インバータの配置変更及びノイズ対策
構成機器の塩害防止のため機関室内から船首下部へ配置変更をした。
無線機にノイズが発生したことから各対策を行った。
(P11.12. 13. 14)添付9ノイズ対策参照
③
燃料管理システムの導入
往復及び操業時における各機関運転時間及び燃料消費量を記録することとした。
1
3
実証試験の方法
(1)実施期間
平成19年4月1日から(4月・10月・1月)
(2)比較対象
ホタテ養殖漁業における通常の操業形態
(3)実験条件
①
漁場往復時は主機関による単独航行及び発電機による船内電力供給
②
操業中は発電機による船内電力供給及び電気推進
4
実証試験結果
(1)技術導入前後の燃油消費量比較
導入前の主機関運転による操業形態と導入後の主機関及び電気推進による操業形態に
おける燃料油消費量、燃料消費率の比較をもって省エネ率とします。
(P15)添付10分析表参照
(2)省エネ評価
操業時において大幅な省エネ効果が認められ、提案書に基づく当初計画である平成
20年1月においては下記結果となった。
(参考、平成19年4月・10月結果表)
o
導入前の7.9トン型漁船と比較して約27%、
o
同型船の9.7トン型漁船と比較して約34%
(P16.P17.P18)添付11試験結果表参照
費用対効果について補助金の交付を受けない場合、回収年約10年を予測しています。
(P19.P20)添付12費用対効果参照
(3)漁獲および操業への影響
推進機関に故障が発生した場合、他の機器が自動的にバックアップすることから、
①
洋上で故障修理を行いながら操業を継続することが可能です。
②
故障部品調達に時間を要する場合でも、その間操業が可能です。
③
操業中の騒音及び振動が少ないことから、作業環境が改善されます。
など、安定した漁獲及び操業を確保します。
(P21)添付13各運航モード参照
5
導入のあり方
当該技術は漁船の操業に類似する運航形態の船舶において省エネ効果を発揮するもので
あり、航行時においても燃料管理システムのecoサインを利用することで更なる省エ
ネ効果が期待できます。
(P22)添付14燃料管理システム報告書参照
既に発電装置を装備する漁船においては換装工事により導入可能であり、今後ノイズ対
策及び塩害対策等の技術を向上させることで、各種船舶において普及させたい。
また、減速機の設計・製作に約6ヶ月を要することから、2年度に跨る補助事業計画に
ついて御検討をお願い致したい。
2
電 気 補 助 推 進 装 置 仕 様
添付1
1.概要
①
②
③
④
⑤
2.仕様
①
所 属
船 名
船 主
主たる漁業
進 水
北海道落部漁業協同組合
第六十六進栄丸(9.7トン)
池 内 忠 俊
ホタテ養殖漁業
平成19年3月25日
主機関 三菱舶用エンジン(S6B3−MTK2L)
減速機 日立ニコトランスミッション(MMGN80B)
・ 最大出力
479kw
・ 連続最大出力 435kw
・ 最大回転数
2065rpm
・ アイドリング 650rpm
・ 使用燃料油
軽油
・ 非常用電動クラッチ (操舵機用・減速機用油圧ポンプ)
②
発電装置 三菱舶用補機(FEG130TH)
・ 出 力
130KVA
・ 電 力
104kw
・ 電 源
225v・60Hz
・ 使用燃料油
軽油
③
電気推進装置 富士電機システムズ(MVK9282A)
最大出力
90kw
連続最大出力
90kw(73kw)
電 源
220v・60Hz
効 率
90%以上(80%)
交流誘導電動機・インバータ方式
防振・防滴型
弾性継手による連結方式
・
・
・
・
・
・
・
④
推進装置
・ プロペラ
・ 最大出力
固定ピッチ 1300D×P1100
569kw(774ps)
⑤
制御システム サンセイエンジニアリング(EEF−10T)
・ 各機器のトータルコントロール
・ 各機器警報システム
・ 自動バックアップシステム(高レベルの警報)
・ クラッチ保護システム(軸馬力計の信号によるレベル3)
・ 燃料管理システム
⑥ 軸馬力計 湘洋エンジニアリング(SE115P)
・ プロペラ軸回転信号
・ プロペラ軸馬力信号
3
添付2
三 乗 負 荷 曲 線
4
添付3
船 速 曲 線
5
機 関 室 配 置 比 較 図
添付4
(縮尺1/40)
(従来型)
発電装置(増速機、発電機、定周波装置)
減速機
主
クレーン
機
関
(540kw)
プロペラ軸
電磁クラッチ
油圧駆動ユニット
(電気補助推進装置)
非常用操舵機ポンプ
(90kw)
減速機
電気推進用モータ
発
電
機
関
主
機
関
(435kw)
発
電
プロペラ軸
電動油圧ユニット
機
軸馬力計
クレーン
(104k
)
6
推 進 機 関 比 較 図
添付5
(導入前)
左側面図
後面図
(導入後)
左側面図
後面図
7
添付6
導 入 前 後 の 比 較
導入前の船体
導入後の船体
導入前の操舵室
導入後の操舵室
導入前の機関室
導入後の機関室
8
導 入 後 の 主 要 機 器
添付7
主
発
機
主
関
電
1
機
発
関
機
関
電
機
関
推 進 モ ー タ
推 進 モ ー タ
9
導 入 後 の 主 要 機 器
添付8
インバータ
2
制御システム
表 示 パ ネ ル
操 作 パ ネ ル
制御ユニット
軸 馬 力 計
10
添付9
ノ イ ズ 対 策
作業報告書
件名
:
第 66 進栄丸(ハイブリット漁船)ノイズ対策
対策作業実施日
自
平成 19 年
9 月 21 日
至
平成 19 年 12 月 19 日
北海道富士電機株式会社
11
□ 目的
ハイブリット漁船(FRP 船)に取り付けたインバータ及び PWM コンバータが発生するノイ
ズにより、27MHz無線機に雑音が多く入り使用出来ない状態となっていた。この雑音
を減少させる。
□
対策実施内容
1.
シールド強化
1−1
1−2
1−3
2.
アース強化
2−1
2−2
2−3
□
インバータ及び PWM コンバータをシールド BOX へ入れる。
インバータ〜モータ間の配線(TPCY)を、シールドケーブル(CV−S)へ変更する。
PWM コンバータ〜入力フィルタ間の配線(TPCY)を、シールドケーブル(CV−S)
へ変更する。
アース極をインバータ類、一般機器と振り分ける。
インバータ類のアースを一括にし、アース極へは一本で接続する。
インバータ〜アース極間のアース線を IV 38sq へ変更(太く)する。
検証方法
モータ運転時(以後、モータモードと呼ぶ)及び PWM コンバータ・インバータ待機状態
(以後、発電モードと呼ぶ)の27MHz無線機の遠距離シグナルレベルと雑音が消えた時の
スケルチの値を記録し、対策前後を比較する。
* シグナルレベル
: 0 〜 10 (レベルが高い程、雑音が多い)
* スケルチ 設定範囲 : 0 〜 10 (10が MAX で受信感度が最も悪い)
□ 対策前の状態
(27MHz無線機)
発電モード
遠距離シグナルレベル
スケルチ
5
8.6
モータモード
遠距離シグナルレベル
スケルチ
7
10(MAX)でも雑音が消
えなかった。
□ 対策実施後の状態
(27MHz無線機)
発電モード
遠距離シグナルレベル
スケルチ
4
7.2
モータモード
遠距離シグナルレベル
スケルチ
6
8.8
12
□ まとめ
今回問題となっている雑音の要因は、インバータ関連の機器や配線から空中を伝わり、
無線機アンテナへ入ったためと推測される。何故なら、無線機アンテナを外した時や無
線機電源を船外バッテリーにて供給した時に、雑音が入らなくなったためである。また、
このハイブリット漁船は FRP 製で、鋼船と違いインバータを設置した部屋でノイズを遮
蔽出来ない点も、ノイズの影響を大きくさせた要因である。
今回の対策は、
「いかに発生したノイズを他へ影響を与えないようにするか?」を重点
に検討し、シールド強化、アース強化を行なうこととした。
結果は、上記の通りモータモードの時に27MHz無線機を使用できるまで改善された。
* 特にアース線を太くしたことが有効であった様に思う。
今回の対策により、結果が得られたが、通常の状態とまでは至っておらず、今後も引
続き対策を行うこととする。
13
1.シールド強化
シールド BOX
シール BOX
取付後
取付前
2.アース強化
ノイズ対策変更点
27MHz無線機
アンテナ
(電源フィルタを追加)
電気推進用電動機
減速機
シールド BOX
縮尺
電動油圧ユニット
約 1/110
発電機
アース極
(インバータ類に使用)
シールド BOX
(BOX 内のインバータ、PWM コンバータのアース線を IV
38SQ へ変更し、一括にてアース極へ接続)
アース極
14
(インバータ類以外に使用)
アース線
(IV 38SQ へ変更)
添付10
エネルギーバランス比較表(被代替機器との比較)
離岸〜漁場
操業開始〜操業終了
漁場〜接岸
導入前運転時間(h)
0.5
8
0.5
9
燃料消費量(L)
50
196
50
296
負荷率
435kw×90%
435kw×18%
435kw×90%
〃 燃料消費率
0.258L/kw・h
0.313L/kw・h
0.258L/kw・h
導入後運転時間(h)
0.56
8
0.56
9.12
燃料消費量(L)
53.9
112
53.9
219.8
負荷率
435kw×85%
0%
435kw×85%
〃 燃料消費率
0.251L/kw・h
0
0.251L/kw・h
〃 燃料消費量
52
0
52
負荷率
104kw×12%
104kw×53%
104kw×12%
〃 燃料消費率
0.275L/kw・h
0.254L/kw・h
0.275L/kw・h
〃 燃料消費量
1.9
112
1.9
主機関
主機関
発電機
合
計
エネルギーバランス比較表(同型船との比較)
離岸〜漁場
操業開始〜操業終了
漁場〜接岸
同型船運転時間(h)
0.5
8
0.5
9
燃料消費量(L)
66
195.7
66
327.7
負荷率
540kw×90%
540kw×15%
540kw×90%
〃 燃料消費率
0.271L/kw・h
0.302L/kw・h
0.271L/kw・h
導入後運転時間(h)
0.56
8
0.56
9.12
燃料消費量(L)
53.9
112
53.9
219.8
負荷率
435kw×85%
0%
435kw×85%
〃 燃料消費率
0.251L/kw・h
0
0.251L/kw・h
〃 燃料消費量
52
0
52
負荷率
104kw×12%
104kw×53%
104kw×12%
〃 燃料消費率
0.275L/kw・h
0.254L/kw・h
0.275L/kw・h
〃 燃料消費量
1.9
112
1.9
主機関
主機関
発電機
合
計
導入後の計算
① 往復時間増加は導入前と比較し速力が約2ノット低下したことによる
② 発電機負荷率は電力計算上、発電機出力(104kw)を基準に計算した
往復使用電力
操舵機等船内消費電力=約12kw
操業使用電力
電気推進電力+油圧装置等船内消費電力=平均約55kw (35kw〜75kw)
③ 燃料消費率は燃料管理システムデータから逆算したものである
15
添付11ー1
電気補助推進装置 省エネ実証試験結果
平成 20 年 1 月
省エネルギー率
運行時間
(h)
往復時間
(h)
操業時間
(h)
燃料消費量
(L)
省エネ量
(L)
燃料消費率
(L/h)
省エネ率
(対消費量)
全体消費率
往復消費率
操業消費率
実証試験船
進 栄 丸
9.7トン型
(435+90kw)
9.12
1.12
8.0
219.8
24.1
導 入 前
進 栄 丸
7.9トン型
(435kw)
9.0
1.0
8.0
296.0
32.9
76.2
25.7%
26.7%
3.8%
42.9%
同 型 船
9.7トン型
(540kw)
9.0
1.0
8.0
327.7
36.4
107.9
32.9%
33.8%
27.1%
42.8%
(1) 実証試験船は当初計画である漁場往復は主機関による単独航行及び発電機による船内電力供給、
操業中は発電機による船内電力供給及び電気推進による試験結果です。
(2) 導入前及び同型船は運転成績表によるデータです。
(3) 操業の判断は漁労用油圧機器(クレーン・揚網機)運転信号を基準にしています。
(4) 省エネルギー率は燃料消費量で判断すると、運行時間に差が生じた場合に正確性に欠けることから、燃料消費率(1時
間当たりの燃料消費量、水色部分)を比較することで各省エネルギー率(黄色部分)をパーセントで算出しています。
1
添付11ー2
電気補助推進装置 省エネ実証試験結果
平成 19 年 4 月
運行時間
(h)
往復時間
(h)
操業時間
(h)
燃料消費量
(L)
省エネ量
(L)
燃料消費率
(L/h)
省エネルギー率
省エネ率
(対消費
量)
全体消費率
往復消費率
操業消費率
実証試験船
進 栄 丸
9.7トン型
(435+90kw)
282.4
77.5
205.0
7956.0
28.2
比較対象船
長 運 丸
9.1トン型
(455kw)
116.3
32.4
83.9
4235.0
36.4
-3721.0
-87.9%
22.6%
0.1%
48.8%
比較対象船
寶 来 丸
9.7トン型
(540kw)
27.0
7.0
20.0
1050.0
38.9
-6906.0
-657.7%
27.3%
7.7%
53.8%
(1) 実証試験船は漁業事情から漁場往復は主機関及び電気推進の併用による高速航行、
操業中は発電機による船内電力供給及び電気推進による試験結果です。
(2) 比較対象船は船主の手書きによるデータで、進栄丸の30日分に対し、長運丸は25日分、寶来丸は7日分の記録で
す。また、ホタテ養殖量について、進栄丸は他船に比較して2件分の量を取り扱います。
(3) 操業の判断は漁労用油圧機器(クレーン・揚網機)運転信号を基準にしています。
(4) 省エネルギー率は燃料消費量で判断すると、運行時間に差が生じた場合に正確性に欠けることから、燃料消費率(1時
間当たりの燃料消費量、水色部分)を比較することで各省エネルギー率(黄色部分)をパーセントで算出しています。
2
添付11ー3
電気補助推進装置 省エネ実証試験結果
平成 19 年 10 月
運行時間
(h)
往復時間
(h)
操業時間
(h)
燃料消費量
(L)
燃料消費
率
(L/h)
実証試験船
進 栄 丸
9.7トン型
(435+90kw)
98.3
24.4
74.1
2484.1
25.3
比較対象船
長 運 丸
9.1トン型
(455kw)
63.4
14.1
49.3
1874.9
29.6
省エネ量
(L)
-609.2
省エネルギー率
省エネ率
(対消費
量)
-32.5%
全体消費率
往復消費率
操業消費率
14.5%
-10.1%
43.5%
(1) 実証試験船は漁業事情から漁場往復は主機関及び電気推進の併用による高速航行、
操業中は発電機による船内電力供給及び電気推進による10月1日から10月15日までの試験結果です。
(2) 比較対象船は燃料管理システム導入による10月1日から10月15日までのデータの記録です。
また、ホタテ養殖量について、進栄丸は他船に比較して2件分の量を取り扱います。
(3) 操業の判断は漁労用油圧機器(クレーン・揚網機)運転信号を基準にしています。(冷凍機は除く)
(4) 同月はエビ篭漁業を同時に行うため、停泊中に冷凍機運転を行うことから、往復時間データの正確性に問題が生じた。
(5) 省エネルギー率は燃料消費量で判断すると、運行時間に差が生じた場合に正確性に欠けることから、
燃料消費率(1時間当たりの燃料消費量、水色部分)を比較することで各省エネルギー率(黄色部分)をパーセントで算
出しています。
3
添付12
費用対効果について
ホタテ養殖漁業における9.7トン型漁船での電気補助推進装置省エネ実証試験における
費用対効果について
記
1.実証試験
(1)新規設備の内訳(合計 ¥30,000,000 円)
① 主機関減速機
1台
¥8,500,000 円
② 発電装置
1台
¥7,600,000 円
③ 電気推進装置
1式
¥6,000,000 円
④ 制御システム
1式
¥5,000,000 円
⑤ 軸馬力計
1式
¥1,500,000 円
⑥ 非常用操舵システム
1式
¥1,400,000 円
(2)設備導入によるコストダウン(合計 ¥11,000,000 円)
① 主機関小型化(540kwから435kwにランクダウン)
¥4,000,000 円
② 主機関駆動補機削減(油圧電磁クラッチ・定周波装置等)
¥4,000,000 円
③ 付属機器合理化(遠隔操縦リモコン・始動器等電気設備)
¥3,000,000 円
(3)イニシャルコスト増加分(船主負担金額 ¥19,000,000 円)
※設計費・工事費・油圧機器を除く
(4)ランニングコスト
① 燃料費削減 o 被代替機器省エネ率26.7%(年間12KL)
(12,000L×20 年×軽油単価 85 円=20,400,000 円)
o 同型船省エネ率33.8%(年間17.5KL)
(17,500L×20 年×軽油単価 85 円=29,750,000 円)
② 主機関交換費削減(耐用年数10年)
o 被代替機器(435kw)¥12,000,000 円
o 同 型 船(540kw)¥16,000,000 円
(5)費用対効果
省エネ量(L)/経費(千円)
o 被代替機器 12,000L÷19,000 千円=0.632
o 同型船
17,500L÷19,000 千円=0.921
回収年
o 被代替機器 19,000 千円÷(20,400+12,000)×20 年=11.7 年
o 同型船
19,000 千円÷(29,750+16,000)×20 年=8.31 年
2.燃料油価格上昇を仮定した場合
(1)燃料費削減 o 被代替機器省エネ率26.7%(年間12KL)
(12,000L×20 年×軽油単価 100 円=24,000,000 円)
o 同型船省エネ率33.8%(年間17.5KL)
(17,500L×20 年×軽油単価 100 円=35,000,000 円)
1
(2)費用対効果
回収年
o 被代替機器
o 同型船
19,000 千円÷(24,000+12,000)×20 年=10.6 年
19,000 千円÷(35,000+16,000)×20 年=7.5 年
3.普及後のコストダウン
一定期間において大量発注があった場合、NC 加工等による製造過程の省力化を行う
とともに、営業利益の削減が可能となります。
具体的には
① 一度に10台以上の発注があった場合
② 単年度で50台以上の発注があった場合
③ 2年度で50台以上の発注があった場合
について、量産効果曲線に相当されるコストダウンが見込まれます。
2
添付13
各
運
航
モ
ー
ド
1.通常運航モード
①
終了モード
発電機関及び各機器の運転を停止状態にします。
②
発電モード
発電機関を運転し、船内の電気機器を使用可能状態にします。
③
モータモード
推進モータ単独による低速航行を可能にします。
④
フルモード
従来の推進機関(主機関)を運転し、推進モータと減速機でカップリ
ングを行うことで、両方の出力を利用した航行を可能にします。
2.警報発生モード
各故障内容を液晶画面に表示・ブザーを鳴らしますが、下記の警報については制御シス
テムにより安全なモードへ自動的に強制移行を行います。
①
発電機関故障(機関モード)
発電機関運転中に故障が発生した場合、自動的に強制アイドリング回転及びクラッチ
中立を行い、主機関単独運転による航行状態にします。
② 主機関故障(モータモード)
主機関運転中(フルモード)において故障が発生した場合、自動的に強制アイドリン
グ回転及びクラッチ中立を行い、推進モータ単独運転による航行状態にします。
③ その他故障(標準モード)
減速機異常、インバータ異常、操舵機故障、操縦システム(エンジンリモコン)異常
が発生した場合、自動的に強制アイドリング回転及びクラッチ中立を行い、発電機は
電力供給・主機関は推進を行う従来の使用方法に切り替えます。
④ プロペラ異常
航行中プロペラにロープ・漁網等を巻き込んだ場合、軸馬力の急激な変動をセンサー
が感知し、重度の場合は自動的に強制アイドリング回転及びクラッチ中立を行います。
(実際の運航データを収集し設定を行います。
)
⑤ 配電盤トリップ
配電盤の保護装置が作動した場合、自動的に強制アイドリング回転及びクラッチ中立
を行い、ACB再投入後モータモード完了の状態にします。
(全てのモードに対応)
3.その他警報
① 制御システム故障
非常用操作ランプが点灯し、押釦などによる手動操作により主機関航行状態にします。
② 海水圧力異常警報
主機関及び発電機関の冷却海水圧力が低下した場合に警報を発生します。
③ 主機関排気温度警報
主機関の過負荷運転を防止するため、過給機出口排気ガス温度上昇警報を発生します。
④ 浸水警報
機関室及び舵機室のビルジが増加した場合に警報を発生します。
⑤ 燃料タンクレベル警報
燃料タンクの残量が設定以下になった場合に警報を発生します。
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添付14
燃 料 管 理 シ ス テ ム報告書
1.
目的
ホタテ養殖漁業における9.7トン型漁船での電気補助推進装置省エネ実証試験にあ
たり、比較対象を行う漁船の運転時間及び燃料消費量などの運行状況をデータとして記
録・保存を行う。また、船舶にとって最も効率の良い状態時にecoサインを点灯させ
ることで、人為的に省エネを行う。
2.概要
日別・月別・年別の主機関運転時間及び燃料消費量並びに燃料代を液晶表示器に表示
するとともに、コンピュータ内部に記録・保存を行う。
GPSからの航海データ及び主機関の負荷・燃料データなどの情報をコンピュータが
分析を行うことで、航行距離に対する最小の燃料消費量の状態において、液晶表示器の
メイン画面にecoサインを点灯させます。
3.
導入のあり方
① 全ての船舶に装備可能で、直ぐに省エネ運行ができます。
② 喫水が変化した場合も再登録を行うことで最適な状態を自動選択できます。
③ eco運転時間・省エネ量・換算金額がリアルタイムで表示され、省エネデータも記
録・表示されることから、省エネ効果を実感できます。
④ 設置スペース及び工事期間が少なく、既存の船舶に容易に装備できます。
4.構成画面
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