局所換気 設計資料編 11 続 必要換気量の求め方 床面積当り必要換気量に基づく方法 必要換気量 (m3/h) =室の床面積当り換気量 (m3/m2・h) ×室面積 (m2) 番号 ■居室の必要換気量 (CO2基準) 理論廃ガス量 都 市 ガ ス 13 A 0.93m3/kW・h 都 0.93m3/kW・h 市 ガ ス 6 B 0.93m3/kW・h LPガス(プロパン主 体 ) 標準在室密度 (m2/人) 5.0 4.2 5.0 3.3 1.5 1.0 0.5 1.0 1.7 0.8 10.0 0.6 0.8 2.0 3.3 1.0 1.7 5.0 3.3 1.0 2.0 必要換気量 (m3/m2・h) 6.0 7.2 6.0 9.1 20.0 30.0 60.0 30.0 17.7 37.5 3.0 50.0 37.5 15.0 9.0 30.0 17.7 6.0 9.0 30.0 15.0 備考 必要換気量は、室内炭酸ガス許容濃度0.1%となるよう、一人あたりの換気 量を30m3/hとして算出した。 [HASS102換気 (案) より] 理論廃ガス量により求める方法 ●火気を使用する場合 建築基準法施行令第20条の3第2項において理論廃ガス量によって 換気風量を求めるように定められています。 必要換気量V =定数×理論廃ガス量K×燃料消費量Q V:必要換気量 (m3/h) または理論廃ガス量 (m3/kg) K:理論廃ガス量 (m3/kW・h) (m3/h) Q:発熱量 (kW) または燃料消費量 (kg/h) 定数:数字 (図11-1∼図11-3参照) ●火を使用する台所などが主体ですが、居室でも開放形の燃焼器具を使 用する場合など、 条件によりこれに準ずることが望ましい。 ●必要換気量の算出方法は換気方法により、 次の3通りがあります。 灯 12.1m3/kg 油 ■ガス器具と燃料消費量 (Q) (参考値) ガ ス 器 具 1口 コ ン ロ 燃料消費量 1時間当たりの発熱量 0.22m3/h 2.91kW 3 2口 6.40kW 0.5m /h 3 3口 0.72m /h 9.30kW 13 湯 沸 器 5号 0.9m3/h 11.63kW ガスがま 2L 0.14m3/h 1.80kW 1口 0.18kg/h 2.51kW 2口 0.4kg/h 5.58kW 3口 0.65kg/h 9.07kW 湯 沸 器 5号 0.78kg/h 10.88kW ガスがま 2L 0.16kg/h 2.23kW A︶ プロパン ガス 事 務 所( 個 室 ) 事 務 所( 一 般 ) 銀 行 営 業 室 商 店 売 場 デ パ ート( 一 般 売 場 ) デ パ ート( 食 品 売 場 ) デ パ ー ト( 特 売 場 ) レ ストラン 喫 茶( 普 通 ) レ ストラン 喫 茶( 高 級 ) 宴 会 場 ホ テ ル 客 室 劇 場・映 画 館( 普 通 ) 劇 場・映 画 館( 高 級 ) 休 憩 室 娯 楽 室 小 会 議 場 バ ー 美 容 室・理 髪 室 住 宅 ・ ア パ ー ト 食 堂( 営 業 用 ) 食 堂( 非 営 業 用 ) 燃料の種類 都市ガス︵ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 室 名 ■理論廃ガス量 (K) コ ン ロ ※燃料消費量は機器により異なりますので、 ご確認ください。 ■計算例 〈Qが発熱量 (kW) で判っている場合〉 =定数×理論廃ガス量 (m3/kW・h) ×発熱量 (kW) ●V (m3/h) で判っている場合〉 〈Qが燃料消費量 (kg/h) =定数×理論廃ガス量 (m3/kg) ×燃料消費量 (kg/h) ●V (m3/h) 〔例題〕 台所で下記の燃焼器具を使用した場合の必要換気量を求めます。 使用器具 3口コンロ (燃料消費量) 0.72m3/h 5号湯沸器 2L炊きガスがま 0.9m3/h 0.14m3/h ※都市ガス13Aを使用の場合 ●ガスコンロにはレンジフードを使用するものとする。 上記、計算式より、 V1=30KQ (3口コンロ) ①必要換気量=30×0.93×12.8×0.72≒257m3/h V2=40KQ (5号湯沸器と2L炊きガスがま) ②必要換気量=40×0.93×12.8× (0.9+0.14) ≒495m3/h V1+V2=257m3/h+495m3/h=752m3/h の中から見合った風量の機種を選定することになりますが、 ここでの風量は、機器 の設置条件によるダクト等の抵抗による損失分を加味してありません。 次ページでダクト損失分の求め方をご覧ください。 電化厨房の換気について 電化厨房機器については、法令上燃焼廃ガスの排出を目的とする換気量基準は 設計資料編 1 排気フードのない場合 設けていないが、不快感の除去、結露防止等、 良好な室内環境を維持するために、 図11-1 散する熱量は少ないが、油煙、水蒸気、臭気等に配慮し、 ミニキッチン用では 2 排気フードⅡ型使用の場合 200m3/h程度とし、一般家庭用では300m3/h以上の換気量を目安とするこ 不燃材料 5cm以上 H (1m以下) 火源 H ー以上 2 燃焼器具 V=20KQ 3 排気フードⅠ型使用の場合 図11-3 V=30KQ と。 なお、気密性の高い住宅等で、給気口がないと換気ファンの作動により厨 10゜ 以上 図11-2 11 局所換気 必要換気量の求め方 次のような換気設備を設けることが望ましい。 (1) 一般家庭用電化厨房については、燃焼器具の調理熱効率が高く、室内に放 V=40KQ 房内が負圧となり、浴室、便所等の排気系により逆流することがあるので、換 気上有効な給気口を設けること。 (2) 業務用電化厨房については、厨房器具の調理熱効率が高く、室内に放散す る熱量は少ないが、多量の油煙、水蒸気、臭気等が発生するため、厨房内の 排気フード 型は図の如き寸法の フードが相当します。 衛生環境の確保が大切となる。 したがって、業務用の大型厨房機器には、排 排気フードⅠ型 火源等 (火源または排気のための開 口部) を覆うことができ、廃ガスを一 様に捕集できる形状のフードを使用 し、 火源からフード下端までの高さが 1m以下 (実際は約80cmが適当) の 場合。 (レンジフード・キッチンフード はこれに相当します) 安は次の①又は②による。 気フードⅠ型を設けるとともに機械換気設備を設置すること。 なお、換気量の目 ① V=30・Q V:換気量 (m3/h) Q:定格消費電力 (kW) ② 厨房の換気回数を20回/h [参考文献] 電化厨房における必要換気量に関する基礎的研究 (1989.3) : (財) ベターリビング 業務用電化厨房設計の指針 (1999) :電化厨房資料委員会編 資料編 35 675
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