LANケーブルによる静電気放電

LAN ケーブルによる静電気放電
Cable Discharge Event (以下 CDE)によって機器へ電気的なダメージを与えることがあります。これ
はチャージされたツイストペアケーブルを RJ45 コネクタに挿しこんだ時に静電気放電が起こり、
RJ45 コネクタやトランス回路、Ethernet のトランシーバにダメージを与えることを指します。
IEEE802.3 の Sec.14.7.2 には CDE について記載があります。ここには LAN ケーブルからの静電放
電が起きた時のシステムへのダメージの可能性について記載がされています。
ケーブルに電荷がチャージされるのは次のような 理由から起こります。つまり、摩擦や電気誘導
によってケーブル自体に電荷がチャージされます。例えば、ケーブルをカーペット上またはコン
ジット内で引きずると摩擦により静電気が発生します。さらにケーブル周囲の空気の動き、ケー
ブル自身の動きによっても静電気が発生します。またエンハンスド・カテゴリー 5 やカテゴリー 6
といったタイプのハイグレードケーブルは漏れ電流が非常に少ないことから長期間に渡って電荷
がチャージされたままの状態を保ってしまいます。また現在の LAN ネットワークにおいては頻繁
にケーブルの抜挿が行われることに注意する必要があります。
以上のような 各要素が LAN におけるCDE 発生の増加に寄与しています。
ユーザーはツイストペアケーブルを接続する前に、抵抗を介して接地されたグラウンドピン・ブ
ラシを使用することで、ケーブルに蓄積した静電気を適切に放電することができます。これにより
CDE の発生を抑止することが 出来ます。
参考文献
Intel: Cable Discharge Event in the Local Area Network Environment White Paper
http://www.intel.com/design/network/products/lan/whitepapers/24981201.pdf