Q. -가/이は日本語の「~が」と同じ? (執筆者:奎星)

Q. -가/이は日本語の「~が」と同じ?
(執筆者:奎星)
-가/이は多くの場合日本語の「~が」と同じような意味で用いられます。なので、
初級の段階では、いったん「-가/이 = ~が」と覚えて大丈夫でしょう。
ただし、初級の段階でも、次のような場合には「-가/이 = ~が」とならないので
注意が必要です。
1. -가/이が「~が」にならない場合
まず注意したいのは、-가/이が「~が」とはならない場合です。言い換えれば、日
本語では「~が」以外の助詞が使われているのに、韓国・朝鮮語では-가/이を用いな
ければならない場合があるということです。
次の3つは初級段階でクリアしたいものです。
① -가/이 아니다
~ではない、~じゃない
例:저는 학생이 아닙니다. 私は学生ではありません。
이것은 고양이가 아니예요. これはネコではありません。
이 사람은 친구가 아니라 우리 형이예요. この人は友達じゃなくて僕の兄です。
上の例に見られるように、-가/이は아니다(ちがう)と共に用いられ、「~ではな
い。~じゃない」の「~では。~じゃ」に相当する意味を表します。次の例に見るよ
うに、-가/이と아니다の間に他の語が入って-가/이と아니다が離れてしまうこともあ
るので注意しましょう。
例:이 사람이 정말 아닙니까?
本当にこの人ではないのですか?
述語に아니다が来ていれば、その前の一番近くに来る-가/이は、
「~が」ではなく、
「~では。~じゃ」かも知れないと考えてみるようにしたいものです。逆に、-가/이
が付いていてもその後ろに아니다が来ていれば、「~では。~じゃ」かも知れないと
考えてみるようにしましょう。
また、当然のことながら、日本語を韓国・朝鮮語に訳す場合、「~ではない。~じ
ゃない」は-가/이 아니다だということを忘れないようにしましょう。
② -가/이 되다
~になる
例:얼음이 물이 되었어요. 氷が水になりました。
철민 씨, 철민 씨는 졸업 후에 뭐가 되고 싶어요?
チョルミンさん、チョルミンさんは卒業後、何になりたいですか?
先の아니다の場合と同様、-가/이の後ろに되다が来ていれば、「~に」かも知れな
いと考えてみるようにしましょう。
そして、日本語を韓国・朝鮮語に訳す場合、「~になる」は-가/이 되다だという
ことを忘れないようにしましょう。
(※「~になる」の意味では-가/이 되다のほかに、-(으)로 되다が用いられます。
両者は意味がそれぞれ異なるのですが、そのような違いは中級以降の学習事項だと割
り切って、まずは「~になる」は-가/이 되다だと覚えてしまいましょう。)
③ -가/이 +〈疑問詞〉を伴う疑問文
~は +〈疑問詞〉を伴う疑問文
例:이름이 뭐예요? 名前は何ですか?
집이 어디세요? 家はどこですか?
연세가 어떻게 되세요? お年はおいくつですか?
韓国・朝鮮語では、무엇(뭐)(何)・어디(どこ)・언제(いつ)・어떻게(どの
ように、どう)などの疑問詞を伴う疑問文で、
「~は何ですか?」、
「~どこですか?」
などと尋ねる場合、日本語の「~は」の意味で-는/은ではなく-가/이を用いるのが一
般的です。
仮に、次の例に見るように-는/은を用いると、たとえば、「(ほかはいいので)名
前は何ですか?」、「(名前は分かったので、じゃ)家はどこですか?」といったニ
ュアンスが伝わってしまうので注意しましょう。
例:이름은 뭐예요?
집은 어디세요?
2. 「~が」が-가/이にならない場合
次に注意したいのが、日本語の「~が」に対して-가/이を使えない場合です。初級
の段階では、次のような場合だけしっかり覚えましょう。
~が好きだ。~が嫌いだ:-를/을 좋아하다。-를/을 싫어하다
例:저는 이 가수를 좋아해요.
私はこの歌手が好きです。
성진 씨는 그 사람을 왜 싫어하세요?
ソンジンさんはあの人(のこと)がなぜお嫌いなんですか?
日本語の「好きだ。嫌いだ」はいわゆる形容動詞なので動詞ではありませんが、韓
国・朝鮮語では「好きだ。嫌いだ」の意味で動詞である「좋아하다(好きだ:直訳す
ると「好いている」)。싫어하다(嫌いだ:直訳すると「嫌っている」)」を用いま
す。なので、「제가 가요.(私が行きます。)」のように-가/이を用いると「行く」
人が「私」であることを表してしまうのと同じく、「그 사람이 좋아해요.(あの人が
好きです。)」というと、「그 사람(あの人)」が誰か(何か)を「好きだ」とい
う意味になってしまいます。「(自分が)あの人の事が好きだ。」と言うためには、
「그 사람을 좋아해요.」のように-를/을を用いなければなりません。
同じようなことを伝えるのに、形容詞「좋다(良い)。싫다(嫌だ)」を用いて、
「-가/이 좋다。-가/이 싫다」と言うこともできます。この場合は、-가/이を使いま
す。ただし、「-를/을 좋아하다。-를/을 싫어하다」と「-가/이 좋다。-가/이 싫다」
では、伝わる意味合いが若干異なりますので、まずは「~が好きだ、~が嫌いだ:를/을 좋아하다, -를/을 싫어하다」であることをしっかりマスターしましょう。