スポーツ産業論I 提出レポート

スポーツ産業論I
提出レポート
提出者;
1199156Y
滝澤 幸一郎
81099
桑原 雅規
81240
松尾 紀史
81276
山岡 寛明
61005
秋草 賢司
テーマの設定動機
そもそも、私がサッカーくじについて調べようと言いだしたのですが、このテーマを選んだ
理由は今非常にホットな話題だからです。それとサッカーくじを導入したことで、社会にど
んな影響を与えるのか予想してみたかったというのもあります。
目次…
(1) サッカーくじの導入経緯等について(担当:松尾)――――P.2
(2) サッカーくじの販売現場について(担当:桑原)―――P.5
(3) サッカーくじは是か?非か?(担当:滝澤)――――P.8
(4) 海外におけるサッカーくじ(担当:山岡)――――P.11
(5) サッカーくじの拡充に向けて(担当:秋草)――――P.14
(6) 補足―――P.18
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サッカーくじの導入経緯等について(担当:松尾)
1.サッカーくじとは
サッカーくじは正式にはスポーツ振興くじといい、子供からお年寄りまで誰もが身近にスポー
ツに親しめる環境整備や、国際競技力向上のための環境整備など、新たなスポーツ振興政策を実
施するため、その財源確保の手段として導入されたものである。以下にスポーツ振興くじが目指
すスポーツ振興計画についてあげておく。
(スポーツ振興くじ公式ホームページより抜粋)
「スポーツ振興くじが目指すスポーツ振興政策」
1.誰もが身近にスポーツを楽しめる環境の整備
週休二日制、学校週五日制、高齢化社会などに対応し、子供からお年寄りまで、家族や仲間
で身近にスポーツに親しめる環境作り。
2.トップレベル選手の国際的競技力向上のための環境整備
ナショナルトレーニングセンターなど、オリンピックなどの国際競技大会で活躍する選手の
ための拠点整備。
3.国際的スポーツ活動への支援
わが国で開催されるオリンピック競技大会、アジア大会、ワールドカップサッカーなどの国
際的なスポーツ大会の開催の支援。
4.スポーツ指導者の養成、資質の向上
スポーツに親しむ人が、いつでも、気軽に、優れたスポーツ指導者による指導を受けられる
体制の整備。
このようなくじは、ヨーロッパや南米などでは多くの国々ですでに長い伝統をもっており、そ
の性格は、宝くじのように夢を買うことで小口の寄付を募るというものであるとともに、試合振
興のための貴重な財源となっている。たとえば、イタリアなどでは「半分は子供たちのために、
そして半分は自分の夢のために」として広く親しまれている。
次に導入に経緯についてであるが、スポーツ振興くじは、平成四年一月(財)日本体育協会、
(財)日本オリンピック協会から各政党およびスポーツ議員連盟などに提出されたのが始まりで
あり、その後スポーツ議員連盟においてプロジェクトチームが結成され、スポーツ振興くじの導
入が検討され、制度案の確立がなされていった。そしてその後、平成十年に衆参両議院において
「スポーツ振興投票の実施に関する法律」が可決され、平成十年五月二十日に公布、同年十一月
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十九日施行されることになったのである。またこの法律の施行後、昨年度には静岡においてサッ
カーくじのテスト販売が行われ、今年度から本格的に全国においてJリーグを対象としたくじが
販売されることになっている。
2.サッカーくじ(スポーツ振興くじ)の販売システムと売上金の流れ
サッカーくじはJリーグが実施する公式試合を対象とし、13 試合の結果について 3 通り(ホ
ームチームの勝ち・引き分け・ホームチームの負け)を予想するくじである。平成 13 年は、J
リーグの試合について 30 試合ほど実施される予定である。また、
「13 試合3通り」以外の組み
合わせのくじについては、100万通り以上の選択肢があれば発売できることになっている。投
票方法は、一口100円からでマークシートに試合結果の予想を記入することになっており、原
則として、対象試合の行われる日の1週間前から前日までの8:00∼22:00に販売され、
19歳以上の人が購入できるようになっている。販売場所はガソリンスタンドなどなど日常にお
いて親しまれている場所となっているが、当面の間スポーツ振興投票部によるアンケート調査結
果の1位コンビニエンスストア、2位スタジアムなどの場所においては販売される予定はないよ
うである。また、当選は、1等(全試合的中)
、2等(1試合外れ)
、3等(2試合外れ)となっ
ており、売上金の50%を当せん金として、当選者に分配されることになっている。また、以下
に売上金の流れを表記しておく。
売上金のうち、収益は、下図に示すような割合で、スポーツ振興事業のための資金と、国庫納付金
に充てられる。また、収益の使途に関する国会への報告等、情報公開がおこなわれる。
3
(*)国庫納付金は、青少年の健全育成、教育・文化の振興、自然環境の保全、スポーツの国際交
流等に充てられる。
・作業日程
リサーチ;1月中旬∼下旬
・リサーチを終えての感想
サッカーくじは自分たちの周りでも結構関心が高く、調べていくうちにいろんな疑問が見えてき
ました。特に、販売方法や、資金の使い道については疑問も多くありました。自分たちの考えが、
パーフェクトではないと思いますが、このレポートに目を通す人がいて、こんな考えを持ってい
る人もいるんだと一人でも思ってくれれば大変うれしく思います。
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サッカーくじの販売現場について (担当
桑原)
サッカーくじとは?
サッカーくじの仕組みを簡単に説明すると、J リーグ13試合の結果について、勝ち、負け、引き分け
の3パターンを予想し、全試合的中すると1等、1試合ハズレで2等、2試合ハズレで3等の当せん金が
もらえるというものです。ちなみに当せん確率は1等から順に1/160万、1/6万、1/5千となっています。
当せん金の最高限度額は、1等一口につき1億円、2等は1等を、3等は2等を超えない金額となります。
一口100円から購入できます。
テスト販売について
サッカーくじは、今年2001年度の J リーグ第1節から全国で導入されることになっていますが、これ
に先駆けて、昨年11月に静岡県においてテストのための地域限定販売が行われました。
テスト販売は計2回行われましたが、合計で2億1千万円の売上があり、発券枚数は30万枚に 達す
るなどかなりの盛況でした。(ちなみに全国販売した際には、年30試合で1600∼2000億円の売上を
見込んでいるそうです) テスト販売は大きなトラブルもなく、概ね順調に進みましたが、購入者の年齢
確認が徹底されていない、販売店が限られているなどの問題もありました。
今後、サッカーくじが我々にとってより身近な存在になるためには、このような問題に対してどのよう
な改善策があるのかについて考えてみました。
ⅰ)販売店について
テスト販売では、ガソリンスタンド、携帯電話ショップ、タバコ販売店、旅行代理店、(一部宝くじ売り
場)などにおいて実際にサッカーくじが販売されましたが、消費者がくじを買いたい場所ベスト3は、コン
ビニエンスストア(49%)、スタジアム(12%)宝くじ売り場(9%)となっており、消費者の希望と実際の
販売店舗はかなり異なる結果となりました。TOTO の発表によると、当面コンビニエンスストアでの販売
は行わないということですが、その理由は「コンビニは、青少年が多く集まる場所なので、彼らがくじを購
入する恐れがあるから」ということです。スタジアムでのくじの販売は諸外国でも行っていないので、日
本でも販売はしないとのことです。また宝くじ売り場での販売は、テスト販売でも少数ながら例が見られ
るので、今後宝くじと一緒にサッカーくじが売られる可能性はあります。
サッカーくじが我々にとって身近な存在であるためには、当然のことながら販売店も身近な存在であ
る必要がります。TOTO の計画では、全国販売に向けて当面1万店舗(将来的には1万5千店舗)でくじ
を販売する予定とのことですが、その内訳は、ガソリンスタンドなどで3千店、タバコ販売店、旅行代理
店、チケットショップなどで3千店、酒販店中古車販売店などで2千店、というのが主なところです。
確かにこれらのお店は、我々にとって身近な存在ではありますが、ガソリンスタンドや
旅行代理店、中古車販売店などは、購入者が特定の目的を持って行くところであり、サッカーくじを買う
ためにわざわざこれらの店を訪れるのには違和感を感じます。またタバコ販売店などは、今やその存在
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さえ脅かされている状況にあるのではないでしょうか?
消費者が、くじを買いやすい店舗の条件としては、駅前や、ロードサイドなどの生活圏内にあり、気軽
に立ち寄れる雰囲気であることなどが挙げられると思いますが、この条件に当てはまる店舗としては、
やはりコンビニや宝くじ売り場ということになると考えられます。コンビニでの販売に関しては、その影響
力の大きさから、TOTO は慎重な姿勢を見せていますが、宝くじ売り場での販売はすでに実現している
わけですし、今後一層広まっていくことを期待します。ちなみにサッカーくじを買った人の6割は、ナンバ
ーズやミニロトは購入しないと答えているので、宝くじ売り場にとってもこういった顧客を獲得するよい機
会になるのではないかと思います。
ⅱ)購入者の年齢確認について
コンビニに限らず、19歳未満の若者がサッカーくじを買えない仕組みを作り上げることは、今後サッ
カーくじが健全に発展していくためには不可欠な要素です。そこでまず、
今回のテスト販売において、購入者の年齢確認がどの程度徹底されていたかについて見てみようと思
います。
今回のテスト販売では、覆面購入調査員(シャドウバイヤー)が実際に各店舗を巡回し、年齢確認がき
ちんと行われているかをチェックしました。その結果、年齢確認が実施されていた店舗は、第1回販売に
おいては46%と低い値にとどまりました。その後直ちに販売店本部を通じて改善指導を行った結果、第
2回販売では75%と実施率が向上しました。
今後全国販売するにあたっては、100%の実施率を目指して努力すると TOTO は言っています。
しかし、販売員が年齢の確認を行うとすると、100%の実施率というのは現実的には難しいと考えら
れます。そこで注目されるのが、今後全国販売するにあたって導入される予定になっている S-MMS と
いう自動販売端末です。現在サッカーくじには、TOTO 会員制度という制度があり、会員になるには身分
証明書の提示が必要です。そこで、自動端末機では TOTO 会員しかくじを購入できないような仕組みに
すれば、19歳未満の人の購入を防止することが容易に行えます。この端末機をコンビニに置くのが、
青少年のくじ購入の恐れもなく、消費者にとって最も買いやすい方法ではないかと思われます。
コンビニでサッカーくじを売ることは、確かに世の中に与える影響は大きいし、問題も多いとは思いま
すが、今やコンビニは、まさに生活の中心であり、コンビニで売らずしてはサッカーくじの発展はありえな
いと思います。ぜひ早めにコンビニでの販売に踏み切ってほしいものです。 参照したホームページ
スポーツ振興くじ
hthttp://www.kuji.ntgk.go.jp/index.html p://www.kuji.ntgk.go.jp/index.html
作業スケジュール
役割分担を決定(私は販売現場について)
サッカーくじの目指すべき方向性について、我々独自の提案の模索
12月
6
1月
各自の調査結果を持ち寄ってミーティング。目指すべき方向について再確認
最終レポートの完成
リサーチを終えての感想
当初、サッカーくじを導入することによって、サッカーがギャンブルの対象になることによって、選手にど
のような心理的影響を与えるのかということが気になっていたのだが、調べてみると選手はあまりサッカ
ーくじのことは意識していないようだったので、「そんなものか」と感じた。当初は、あえてサッカーくじ導
入による悪影響に注目してリサーチを進めていたが、もう既に認められている法案だけあって、悪影響
のほとんどは、回避可能なものだったので、今度は、ではどうしたらサッカーくじの運営を成功させること
ができるのかということに興味が移っていった。販売現場を担当した私の感想としては、サッカーくじは、
競馬、競輪などに比べると払戻金が少ないし、宝くじなどに比べると当たった時の当せん金が少ないし、
くじとしての魅力が少ないように感じた。そうよようなくじを、ガソリンスタンドなどのあまり便利とは言えな
い店舗で売っても、消費者にとっては魅力が少ないと思う。やっぱりコンビニや、宝くじ売り場で早急に
売り出す必要があるだろう。
サッカーくじに対する社会の関心もまだまだ低いので、正直言ってこのままではサッカーくじはあまり
成功しないと思う。それはやっぱりこのくじの理念が「スポーツ全体の振興」というあいまいなものだから
であり、もっとサッカー自体の振興のためのくじにした方が、サッカーファンの支持も得られ、成功の可
能性も高まると思う。
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サッカーくじは是か?非か?(担当:滝澤)
1.スポーツ振興投票実施法(サッカーくじ法)成立
1999年5月12日、Jリーグの試合を対象に、1口100円から購入できるサッカーく
じ法が可決された。運営主体は文部省の特殊法人「日本体育・学校健康センター」であり、
売り上げの50%は払い戻し金、35%を収益、15%を経費に充てる。そしてこの収益は
2/3をスポーツ助成金として地方自治体とスポーツ団体に配分し、」1/3は国庫に納め
る。実に成立まで7年の歳月を要したのは、とりもなおさずその是非が問われていたからに
ほかならない。「スポーツの振興とは無縁」とし、東京都生活協同組合連合会をはじめとする
13団体が、サッカーくじ法の成立前に提出していた要望書の概要は以下の通りである。
(1) 同法には19歳未満への販売禁止が明確に規定されているにもかかわらず、真偽の
まとめによると、「青少年が多く出入りするような場所および19歳未満のものが販売
に多く関わる販売場所については、夜遅く販売しない、19歳未満のものの購入禁止
の確実性を高めるなど、他の場所よりも厳重な担保措置を講ずる」とし、事実上コンビ
ニエンスストアでの購入を容認しているなど、「適切な配慮をする」とした国会の付帯
決議にも矛盾するものである。
(2) 最高払い戻し金を1億円としたり、最高500口まで購入可能にしたり、当選率を
高めるために3等をもうけるなど、国会での枠以上にギャンブル制が高められている。
(3)スポーツ振興の基本計画が先立つはずなのに、
資金調達のための「まずサッカーくじ実
施ありき」となっている。
……どれも一貫して、国会の規定、条件の枠から、運営主体の方針が逸脱している、という
のが主張の柱になっている。
2.Jリーグ関係者・選手の声
中山雅史(ジュビロ磐田)サッカー界が盛り上がるのはいいけど、変な方向に行ってしまう
のは困るナ。非行とかが増えないように対策をしっかりやって欲しいよ。
三浦知良(京都サンガ・当時)競技人口の割に日本が弱いのは施設面が充実していないから
というのもある。資金運用にはいいのではないか。関心が高まるのもいい。
山口素弘(名古屋グランパス)家族の安全とか大丈夫なんでしょうか。
松本郁夫(サンガGM)4年前のW杯でコロンビアのエスコバル選手がオウンゴールで殺され
たのも金が背後にあったからのはず。選手の安全を考えたい。
……以上を総括すると、くじができたことによりサッカーへの関心の向上や、レベルアップ
のための施設充実に必要な資金運用には有効だが、くじがサッカーから一人歩きして単なる
ギャンブルとかしてしまうのは困る、というところである。
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3.東京弁護士会の鋭い指摘
サッカーくじのついての矛盾は確かにあるが、それに突いての根本的意見はあまりにも少な
かった。そこで、東京弁護士会会長二宮忠氏(1998年当時)斬新な指摘をしている。
「保健体育審議会スポーツ振興特別委員会は平成10年10月12日、「スポーツ振興投票
制度について(審議のまとめ)」を発表した。「審議のまとめ」によれば、「19歳未満の子
供には販売禁止を徹底する」としている。これは、サッカーくじと、教育基本法1条に定め
る「心身ともに健康な国民の育成」とが相反していることに他ならない。(中略)…倒壊は保
健体育審議会の「審議のまとめ」の根本的な再検討を求めるとともに、国会に対しては、サ
ッカーくじに反対する国民の広範な声に耳を傾けることを強く要望する。
」
……衆議院可決でも矛盾を孕んだものであったことを見事に指摘している声明文である。
4.問題指摘から解決へ
以上を総括すると、サッカーくじはスポーツ振興に確かに寄与するものでありそうだが、ギ
ャンブルが一人歩きしてしまうのは困り、その妥協案として、青少年保護の規定を設けたが、
運営主体がその枠を逸脱してしまっている、というところである。現在はまだ試行段階であ
り、コンビニ販売などが実施されてみないとどうなるか分からない点がある。そこで、これ
から特に注意していくべき(とわたしが思う)点を以下に挙げる。
1. サッカーくじの必要性(ギャンブルが一人歩きしないために)
2. 少年非行の問題(コンビニでの販売の是非を問うために)
3. 資金運用の透明性(まず基本理念ありき、を守るために)
……最後に、我々なりの解決策を解決策を述べようかと思う。一つには、くじの運営団体を
現在のように中央に一つ置くのではなく、中央の管轄下ではあるが、民間の法人レベルでど
んどん増やしていけばいいと思う。そうすれば、悪質な見せや何らかの危険の発生しうる店
は淘汰され健全性が保たれるのではないか、という案である。一種の起業評価のように我々
側から監査していく体制を作っていく、という案である。
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海外におけるサッカーくじ
担当
商学部3年
81276 山岡
寛明
海外でのサッカーくじはどのようになっているのだろうか?
イタリアのサッカーくじ
1、イタリアのサッカーくじの始まり
1946年、イタリア・オリンピック委員会(CONI)が「トト・カルチョ」を立案し、民
間会社に委託
1948年、CONI が直接「トト・カルチョ」を運営
1994年、プロ全32試合のうち得点の多い8試合を当てる「トト・ゴール」開始
1998年、指定された6試合の得点をあてる「トト・セイ」開始
2、トト・カルチョのルール
13試合を対象に勝ち負け、引き分けを予想し、12試合以上正解すると賞金を獲得できる。
13試合の内訳は、原則的にセリエ A の9試合、セリエ B の2試合、セリエ C1の2試合
であるが、代表チームの試合などでセリエ A の試合がない週はセリエ B や C1の13試合
となる。
3、トト・カルチョを買うまでの流れ
アルコールを扱う喫茶店や、たばこ屋にはほとんど販売されている。
1口(これを「1コロンナ」と呼ぶ)の参加料金は800リラ(約40円)で2コロンナ以
上買わなければならない。
マークシート用紙にホームチームの勝ちなら「1」
、アウェーチームの勝ちなら「2」
、引き
分けなら「 」をつけて提出する。
締め切りは試合前日の24時。購入の制限は無し。
4、トト・カルチョの過去の高額配当
1993年11月、52億5663万5320リラ(約4億2000万円)
(3人)
1988年11月、43億6135万475リラ(約3億4000万円)
(3人)
などがある。
5、トト・カルチョの収益配分
販売業者へのマージン・・・8%
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運営団体の売上総額・・・92%
正解者への配当・・・38%
税金・・・26.8%
CONI の収入・・・25.2%
運営費・・・7%
スポーツ振興基金・・・3%
スポーツ振興基金は、1960年のローマ五輪や1990年の W 杯の施設建設費用などに
あてられた
イギリスのサッカーくじ
1923年からフットボール・プールズという名称で開始。
1、購入方法
約20000店あるくじの小売店、訪問販売などで、1口60ペンス(約100円)かかる。
また、16歳未満は購入が禁止されている。
2、ルール
・8試合のうちの引き分けの試合を予想するもの
・49 試合のうち引き分けの試合を8試合予想するもの
など多数の種類がある。
3、収益配分
払戻金・・・35%
国庫納付金・・・26%
スポーツ関係支援金・・・9%
運営費・・・30%
収益金は、具体的には競技場の修理やスポーツ振興基金などにあてられる。
スイスのサッカーくじ
スポーツトト協会により、TOTO−R、TOTO−X という名称で販売
1、購入方法
キオスク、デパート、タバコ店、レストラン、薬局、郵便局など約3700箇所、2口で2
スイスフラン(約130円)で販売。
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締め切りは試合前日の14時。年齢制限は無し。
2、ルール
TOTO―R は、サッカーとアイスホッケーの13試合を対象に勝敗を予想し、10試合以上
的中で払戻し。
TOTO―X は、サッカーとアイスホッケーの38試合を対象に引き分けになる6試合を予想。
3、収益配分
払戻金・・・50%
各スポーツ団体・・・36.75%(施設、クラブ、備品などに使われる)
オリンピック委員会・・・12.25%
国庫納付金・・・1%
以上から、
・ 年齢制限やルールには国によって個性がある
・ 販売場所については年齢制限のある国においても、購入者が購入しやすい場所で販売してい
るという点で共通している。
・ 各国のくじの収益金は、サッカー振興に生かされている。
などのことが分かる。
参考文献
・富樫洋一、高山港
著
「セリエ A スーパー観戦術」262ページ TOTO CALCIO
・http://www.kuji.ntgk.go.jp
・ スポーツ新聞
リサーチを終えての感想
日本において、サッカーくじというものを一般に浸透させるには、それを馴染み易いものにし
なければならないのだが、販売場所を制限するというのは、それだけ購入する人間を限定するこ
とになる。つまり、サッカーが好きな人間とギャンブル目的の人間である。こうして購買層が限
定されるとサッカーくじに否定的な人々にとって、「やっぱりサッカーくじはギャンブルする人
がお金儲けで買うものだ」というイメージを持たれるであろう。そうなれば、販売場所がコンビ
二などに拡大することはなくなる。逆にはじめから様々な場所でサッカーくじを購入できるよう
にしておけば、興味で買う人や、運試しぐらいの気持ちで買う人など購買層も様々になり、サッ
カーくじに否定的な人々にも「サッカーくじ=ギャンブル」という直結したイメージが薄まるで
あろう。だから、サッカーくじを広めるには、サッカーくじの開始時、それが無理だとしてもで
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きるだけ早く購入制限をなくせるよう J リーグも国も動かないといけないと思った。そういった
意味でもサッカーくじの自動販売機ができればいいとおもった。
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サッカーくじの拡充に向けて(担当:秋草)
この項では、他の「ギャンブル」とどこが違うか、そして、今後TOTOが売り
上げを伸ばす上で、それぞれのどの部分が学ぶ材料になるか考えてみました。
1.相違点、共通点(予想の仕方に関して)
(1)宝くじ
宝くじ(普通に窓口で求めるもの)は、最大で億単位の当選金がもらえるのが魅力
となっています。ただ、買い手が、買うにあたって選択できるものは、「買う場所」、
そして「連番」か「バラ」のみです。一方で、昨年発売されたLOTO6は、買い手
が、番号を選べるというもので、どちらかといえば、TOTOに近いものがあるでし
ょう。
ここでは、サッカーくじにより近いLOTO6に関して、話を進めてみたいと思
います。こちらは、買い手が、1から43までの中から、6種類の数字を選び、それ
が抽選番号と一致すれば大当たりというしくみになってあり、当選金は、当選本数(す
べての販売数に対する当選数の割合)によって決定します。この2点がTOTOと共
通する点となっています。
では違う点に関して考えてみましょう。こちら(宝くじ)は、目(数字)の出る
確率が均等になっているのに対して、TOTOでは、「目」は、Jリーグサッカーの
結果なので、チームの基礎力の差がある限り、目の確率は均等ではありません。確か
に、LOTO6において、過去の出目を研究し、次の目を予測するという事はありま
すが、これはオカルトの域を出ないものです。チームという、「人格」をもったもの
同士が戦うものだからこそ、試合の結果を予想して、目を考える楽しみがあるといえ
ましょう。
(2)競馬、競輪など
競馬や競輪は、対象となる一つのレースに関して、勝者を予想するものです。レ
ースで走るのは、馬だったり、自転車だったりしますが、投票に関するルールはほぼ
同じです。また、的中した場合の当選金については、売り上げの75%が払い戻し金
に充てられます。
サッカーくじとは、スポーツの結果を予想するという点で共通していますが、当
たる確率という点で、天と地との差があります。サッカーくじの組み合わせが3の1
3乗で、1,594,323通りあるのに対して、最大18頭立ての競馬の場合は、
連勝複式で163通り、9車立ての競輪の場合は、連勝単式で72通りしかありませ
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ん。また、競馬は、予想の対象となるのは1レースなのに対して、サッカーくじは、
その節に行われるすべての試合に関して予想しなければなりません。その点で、著し
い違いがあります。
2.相違点(儲かるという目的に照らし合わせて)
では、多くの購買者にとって主目的になるであろう「儲かるか?」という視点に
立って考えてみたいと思います。
宝くじは、年末ジャンボ宝くじの場合、当選の確率は、確実に30万分の1です。
しかし、1枚あたりの最高当選金が、1等の2億円となっています。
一方で、サッカーくじの場合は、組み合わせが313=1,594,323 通りあり、す
べての試合での結果(勝ち、負け、引き分け)の出る確率が均等だと仮定した場合に、
1等、2 等、3 等の当たる確率がそれぞれ 1/1,594,323、1/531,441、1/177,147 とな
っていて、
理論的に計算した場合、当選金はそれぞれ¥37,466,590、¥7,493,318、¥1,665,818 と
なるはずなのですが、昨年に静岡で試験的に実施された時の100円あたりの配当金
は以下の通りでした。
1等当選金 /2等当選金 /3等当選金
第 1 回:実施日 00/11/5-8
¥5,994,897 / ¥175,573 /
¥6,990
第 2 回:実施日 00/11/18-19
¥239,757 /
¥5,061 /
¥930
(理論値:¥37,466,590 /¥7,493,318 /¥1,665,818)
※理論値というのは、各組み合わせへの投票数がずべて等しいと仮定した場合の配当
金。
たった2回のサンプルではありますが、この結果を見ると、当選金は理論値に比べて
あまりにも小さい事が分かります。この理由は簡単で、対象となる J リーグチームの
力の差が大きいからだと言えます。「このチームはあのチームに絶対勝てない」とい
う予想が裏切られる事は稀で、購買者もそれを分かった上で「ありえそう」な組合わ
せに投票し、なのではないでしょうか。
では、同じ視点で公営ギャンブルに目を転じてみるとどうでしょうか。競馬、競
輪などのレースは、程度の差こそあれ、「本命」が存在し、人気が偏ります。サッカ
ーくじと同じく、当然人気のある組み合わせで決まれば、当選票の数は多くなり、配
当は安くなるのですが、調べてみると、競馬、競輪の場合は決して安く決まっている
わけではないことに気づきます。
ここに、2000年12月31日のスポーツ新聞があります。これによると、前
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日(12月30日)のレースの結果、配当金が載っています。これで、東日本地区の
競輪(ほとんどのレースが9車立て、組み合わせが72通りなので平均の計算がしや
すい)の配当金を調べてみました。
12月30日、関東地方の5競輪場で行われた56レースの配当に関して、
最大で¥55,230、最小で¥350。平均で¥5,141。1万円以上の配当:7本
(理論値:¥5,400)
このように見てみると、組み合わせから計算される理論値に対して、決して小さい配
当しか出ないわけではなく、それなりに大きい配当も出ていることになります。試合
で「大番狂わせ」が起きた場合、競輪の場合はそれが直接的に配当に顕れるのに対し
て、サッカーくじの場合は、あくまで13分の1の結果しか産み出しません。この点
から見ても、サッカーくじがあまり大きい配当が出ずらいことがわかります。
これらの比較により、宝くじか、競馬か、どちらかのギャンブルをやったことが
ある人は、このサッカーくじにはあまり魅力を感じないのは否めないでしょう。
3.サッカーくじの発展に関して
では、どのようにすればサッカーくじは売れるようになるのでしょう。それを一
般的な視点と、ファンからの視点とで考えてみたいと思います。
まず、一般の視点で考えてみます。滝沢担当の分でも書きましたが、「サッカー
くじ」と聞くと、一般の人の中には、競馬や競輪、しかも操蹂事件のあった昔の「鉄
火場」みたいなのを想像するひともまだいるようです。滝沢の項でも触れましたが、
安全な運営を心がけ、鉄火場のイメージを払拭してもらうよう、アピールするほかな
いようです。
また、そういった偏見を持ってないファンに対しては、桑原の項で述べたように、
できる範囲で、「買いやすい」ようにするのが重要ではないでしょうか。
次に、ファンの立場から考えてみたいと思います。
今回のテスト販売で、くじを買った人の45%は J リーグに非常に関心がある、
30%やや関心がある、ということだったので、やはり、元々のサッカーファン協力
なしにサッカーくじの成功はのぞめないでしょう。
しかしながら、自分の身の回りのサッカーファン数人に聞いてみたところ、積極
的に買ってみたいという意見はあまり聞かれませんでした。なぜかと聞いてみると、
「売り上げがやっている当事者に行かない」「儲かるわけじゃない」という声が聞か
れます。前者の理由に関しては、もし好きなチームを金銭的に援助したいなら、スタ
ジアムに行くとか、グッズを買うとかで用が足せるわけです。後者の理由は先ほど述
べたので省略します。以上のことにより、サッカーファンだからといって、サッカー
くじの売り上げに直接貢献するとは限らないことになります。
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その解決方法としては、売上金の一部をサッカーの当事者(クラブチーム)にも
配分するということがあります。そのメリットは、ファンと、クラブチームの両方に
あるといえます。ファンにとっては、好きなチームに金銭的な面で援助できるという
こと、そして、クラブチームにとっては、等しく金銭的な援助を受けられるというこ
とがあります。
たとえば、想定される2000億円売り上げの2%をクラブチームへの援助に充てる
とすると、40億円(1チーム当たり約2.5億円)が、クラブチームの毎年の運営費
用になることになります。これは、クラブチーム維持のため、ひいては「質の高い試
合を提供する」ために、重要なことではないでしょうか。
そもそも、「サッカー」を材料にしているくじであるにもかかわらず、やってい
る選手や、クラブチームにまったく売り上げが行かないというのは、客観的に見て問
題であると考えます。競馬や競輪の場合、勝敗によって額は変わるものの、馬や選手
に賞金という形で金銭が行くことになっています。サッカーくじも、得た売り上げを、
まずやっている当事者に還元し、「場」の維持を優先するべきでしょう。。それで、サ
ッカーくじを含めた「システム」が安定してはじめて、他の場所への援助が成立する
のではないでしょうか。
「サッカーくじ」が事業として成立するには、以上に挙げたことが、不可欠であ
ると考えます。
4.参考文献
サッカーくじ関連サイト http://www.toto-dream.com
日刊スポーツ(2000年12月31日付)
5.作業日程
・10∼11月 チーム結成
・12月 ほかのギャンブルに関して調べる。実際競輪場にいってみたりも
・1月 まとめ
6.作業を感想
実際に作業をしてみて、本文に書いたように、サッカーファンでもそうでない人
も、現在の段階でサッカーくじに関してあまり興味を持てないことがわかった。これ
からの段階で、いかに魅力をアピールできるかが勝負であろう。
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補足…プレゼンテーション後のコメントに対する回答
Q:
「くじ購入にIDカードを作ると余計なコストがかかると思いますが?販売機自体のコスト
と、会員の管理などのコストなど…・」
A:運営団体のコストは、例えばカラオケボックスの会員カードののように、最初にIDカード
発行の手数料を取るなどすれば解決されますが、そうした場合会員数の減少が考えられるので具
体的な手数料の決定には慎重さが必要です。
Q:
「確かに販売方法については疑問が残る。これだけ規制されては売上げが上がらないと思う。
この問題もTOTO1年目を経験して次第に間違いなく解消されると思う。
」
A:規制が緩和されればギャンブル性が一人歩きしてしまうことがかなり考えられるので、この
バランスについては施行されていく過程で保っていくしかないと思っています。
Q:
「ヨーロッパだけでなく、日本がサッカーくじを導入するのはいいことだと思います。ただ、
八百長などダークな部分が生まれては行けないと思う。
」
A:この問題については実際に施行過程で解決していくしかないと思っておりますが、ただ、資
金の流れの透明性や情報量が保たれさえすれば悪いイメージは結局資金集めの悪さとして還元
されてくるので、必ず主催側は努力してくるでしょう。
Q:
「なぜJリーグが賭けの対象になったのかの経緯が知りたい。
(野球でもよいのでは?)
」
A:TOTOの基本理念は①スポーツの振興②選手の育成のための資金つくりなどを掲げており、
第三者がくじをやるためにサッカーを選んだわけではありません。
Q:
「スポーツにギャンブルを導入するのはよくないと思う。
」
A:単純に、焦点となるのはここだと思います。メリットとデメリットがはっきりしているので
その合理化を求める姿勢が必要です。
Q:
「サッカー関係のほうに資金があまりまわらないのはおかしい。
」
A:確かに、スポーツ振興事業とは、必ずしもサッカーの振興のために使われるとは限らないも
のとなっています。これは基本理念と矛盾する側面をもつので、合理化されるべきだと思ってい
ます。具体的には収益の何割かが直接サッカー関係にまわるようにすべきだと思います。しかし、
スポーツ振興という大枠には、TOTOは以外にイタリアなどより大きな割合をあてています。
Q:
「TOTOに関する問題は、買うにあたっての情報が少ないというのがあるのではないでし
ょうか。メディアへの露出が少ないなど、買い手への情報提供不足が普及の阻害要因になるので
は?」
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A:恐らく主催側が「スポーツ選手の育成」という理念と、購入できる年齢制限を設けることの
矛盾にまだ明確な答えが出せていないのが大きいと思います。
Q:
「カード方式は、カードさえ持っていれば誰でも買えるという反面があるのではないか。や
はり人がきちんと確認すべきではないか。
」
A:現段階では店頭の販売員が「若そうな人」を主観で選んで身分証明書の提示をしてもらって
いるようですが、それをもっと厳しくするとともに、一人が複数発行してもらいそれを青少年層
が乱用することのないように各カードに個人情報を盛り込むなどして厳重に対応することが必
要だと思います。
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