失敗しない為の資金計画

( マイホーム FP 活⽤⼩冊⼦ Ver.3.0 )
愛するご家族のための『マイホーム購⼊』
失敗しない為の資金計画
自分の条件で試算すれば、無理のない資金計画が見えてくる。
さあ、個別相談に出かけよう!
『マイホームの購⼊診断(事例)
』
ご主⼈(30才、会社員)、奥さん(パート)、お⼦さん2⼈のご家族。
今のアパート(家賃7万)で、賃貸暮らしを5年続けています。
このまま賃貸暮らしを続けた場合、そして、マイホームを購⼊した場合について、
どのようなことが考えられるのか? 8つの質問から考えてみます。
平成 23年9⽉1⽇
目
次
■はじめに
・・・
1頁
■【事例1】40才でマイホームを購入したA氏。
・・・
2頁
■【事例2】30才でマイホームを購入したB氏。
・・・
3頁
Q1:無理なく購入できる物件価格は?(その1)-毎月の支払額から把握-
・・・ 4頁
Q2:無理なく購入できる物件価格は?(その2)-年収から把握-
・・・ 6頁
Q3:生涯賃貸暮らしを続けた場合に背負うことになるリスクとは?
・・・ 8頁
Q4:早期完済テクニックとは?(その1)-月々貯めて繰上返済にまわす-
・・・10頁
Q5:早期完済テクニックとは?(その2)-住宅ローン減税で戻るお金-
・・・12頁
Q6:早期完済テクニックとは?(その3)-戻るお金の有効活用-
・・・13頁
Q7:最適な購入時期とは?
・・・14頁
今すぐ?
それとも頭金を貯めてから?
Q8:最後に、マンション購入と一戸建て購入の比較
・・・16頁
■さあ、個別相談に出かけよう!
・・・18頁
■終わりに
・・・19頁
■はじめに
冷
静に、考えてみて欲しいことがあります。
“帰る実家”がない限り、賃貸生活を生涯続けるか、
あるいは、マイホームを購入するしかないのです。
・マイホーム購入を考えた場合、
いつ購入するのが望ましいのでしょうか?
・望ましい時期に購入しなかった場合、
どのようなリスクを背負うことになるのでしょうか?
まず、購入時期が遅くなった方の事例をご紹介します。
ご主人は、“30才”でマイホーム購入を考え始め、いろいろ悩んでいる間に、
あっという間に“10年”が過ぎていたそうです。
最終的には、
“40才”で、マイホーム購入を決断されています。
なぜ、決断できず、ずるずると購入時期が遅くなったのか。その後、どのようなことから決断したのか。
そして、購入時期が遅くなったことによるリスクとして何が考えられるのか。実話ベースでお話します。
次に、比較的早く購入を決断された方の事例をご紹介します。
ご主人は、“30才”でマイホーム購入を決断されています。どのようなきっかけで、
マイホーム購入を考えはじめ、そして、どのような“判断根拠”から、決断されたのでしょうか。
マイホーム購入には、将来を見据えた上での“判断”と“決断”が必要です。
しっかりとした根拠に基づいた“判断材料”を、金額ベースで整え、
建てるにはどうすれば良いのか、建てなければどうなるのか、
じっくりと比較して、判断して頂きたいのです。
そして、愛するご家族のために、“最適な時期”に、“最適な場所”に、
“最適な規模”の
マイホームを構築して頂きたいのです
個別 相談に出 かけ、ご 自身の条 件でいろ いろと試 算をして みません か?
きっと、“最適なプラン”が見えてくることと思います。
1
【事例1】40才でマイホームを購入したA氏。(奥さん:パート、子供:2人)
生
まれ故郷に、30才でUターンしたA氏。
実家からの通勤が不便な為、賃貸アパート(7万円)に入居。
数年後、マイホーム購入を考え始めました。
まずは、間取りについての“夢・希望”と言えば、
・家族がいつも集まり、話がしやすいように、広い居間が欲しい。
・子供たちと料理がしやすいように、台所はL字型にしたい・・・etc。
そして、いざ、具体的に考え始めると、
・今の年齢と年収で、無理なく購入できる物件価格(土地・建物)はいくらなのか?
・住宅ローンを組んで、ちゃんと返せるのか?
頭金にあてる貯金はあまりない。
・子供たちが県内の国立大学に入ってくれれば良いが、もし、県外の私立大学となれば、
教育費・生活費等で、いったいいくらかかるのか?
・固定資産税がかかるのでやめておいた方がいいと言われたが、いくらかかるのか・・・etc。
わからないことだらけで、判断できず、なかなか決断できません。
仕事から帰ると、奥さんから、「ねえ、どうするの?」と問われる日々。
困った!なにを根拠に考えればいいのか?
わからないことだらけ・・・。
「今夜はもう遅い。明日も早いので、またにしよう。」
こんな毎日の繰り返し・・・。あっという間に10年が過ぎ去っていきました。
そして、そんなある日、A氏にこんな出来事がありました。以下は、A氏本人からです。
当時はアパート暮らしで狭いため、子供部屋はひとつでした。
ある日、仕事が遅くなり深夜に帰宅すると、高校受験を控えた長女が
アパートの狭い台所で、勉強をしていました。
「部屋が明るいと妹が寝づらいだろう」との思いで、そうしていたのでしょう。
私は一人涙しました。
“長女の優しさ”と“私の不甲斐なさ”に。
なかなかマイホーム購入を決断できなかったのです。
そして、このことがきっかけとなり、ついに、
「えいやー!」の思いで、決断をしました。
でも、「もっと早くに決断できていれば、・・・」と悔やんでいます。
なぜ、決断が遅れたのか。それは、
“判断材料”が揃わなかったからです。
判断材料が整えば、もっと早くに決断ができ、返済計画もスムーズにいったのです。
2
【事例2】30才でマイホームを購入したB氏。(奥さん:パート、子供:2人)
奥
さんの友達が、M工務店で家を建てた話を聞いたB氏。
M工務店の営業マンは、間取り、棚の工夫など、快適な生活空間を
提案するとともに、気になる資金と税金面についても、
親身になって相談に乗ってくれたということでした。
早速、奥さんの友達に紹介をしてもらい、M工務店の営業マンを
訪ねることにしました。そして、話は、“資金面”のことに・・・。
Bさんご夫婦と営業マンとの“やりとりの一部”をみてみましょう。
Bさん
:「まず、どのくらいの物件(土地・建物)なら持てるのか、目安がわからなくて。
それに、住宅ローンのこともよくわからないので、凄く、不安です。」
営業マン:「そうですね。今の生活のペースをそう崩さずに持てる物件価格は、
一番気になりますよね。
それと、住宅ローンには、注意が必要です。
“いくらだったら借りられるか”ではなく、
“いくらならちゃんと返せるか”
を考えておくことが大切です。
ちゃんと返すためには、
“返済可能額”を把握することと、
“早期完済”のテクニックを
しっかりと理解することが必要です。」
Bさん
:「資金計画は難しそうで・・・。」
営業マン:「資金計画は難しいことではありません。基本的なことをしっかりとおさえておけば、
大丈夫です。住宅ローン減税とか、返済に大きく影響する金利のことなども含めて、
“最適な購入時期”についても確認してみましょう。
それと、もし、マイホームを持たず、このまま生涯賃貸暮らしを続けた場合、
どんなリスクを背負うことになるのか、このことについても考えてみましょう。
Bさんの条件で、いろいろと試算してみれば、
“最適なプラン”がみえてきます。」
Bさん
:「はい、宜しくお願いします。」
3
Q1:無理なく購入できる物件価格は?(その1)-毎月の支払額から把握-
なぜ試算が必要?
営業マン:「夢・希望を先行して、マイホーム購入のプランを
作成すると、最後に予算の都合で“間取りを削る”
検討が始まります。
これでは、
“夢のマイホーム”への“取り組み意欲”
も減退してしまいます。
“最適なプラン”を検討するには、まず、
“無理なく購入できる物件価格”を知る必要があります。
【ポイント】
この“無理なく購入できる物件価格”を知ることで、はじめて“現実的な間取り”
を検討できるのです。
Bさん
:「そうですね・・・。でも、先ほどお話したように、まず、
“どのくらいの物件(土地・建物)なら持てるのか” の目安がわかりません。
ですから、間取りについては、今も具体的な検討ができないでいます。」
営業マン:「わかりました。では、1つずつ考えてみましょう。
【ポイント】
まずは、将来のことも想定し、毎月の支払可能額から、“おおまかな借入可能額”
を考えてみるのが良いでしょう。
“住宅ローン”は、“いくら借りることができるのか” ではなく、
“いくらならちゃんと返せるか” ということが重要です。
そのことを前提に、ご自身の条件で試算を行い、マイホームを購入するための
“判断材料”を、金額ベースで整える必要があります。
“無理なく購入できる物件価格”をもとにプランを作成すれば、マイホーム購入後は、
返済に苦しむことなく、安心して、快適な生活を送ることができるのです。
では、早速ですが、将来の教育費なども考慮しながら、毎月の支払可能額から
“無理なく購入できる物件価格”を概算で考えてみましょう。」
Bさん
:「宜しくお願いします。
」
4
試算の根拠は?
営業マン:「毎月いくらまでなら無理なく返済できますか?
現在の家賃(駐車場代込)を目安にお考えになればいいかと思います。」
Bさん
:「今の家賃は7万円ですが、ちょっとがんばって、9万円にしてみます。」
営業マン:「わかりました。次に、ボーナス時はいくら加算できますか?」
Bさん
:「15万円でお願いします。」
営業マン:「返済期間は35年、金利は、3.0%とします。」
営業マン:「最後に、頭金はいくら用意できますか?」
Bさん
:「500万円くらいでしょうか。」
試算の結果は?
営業マン:「では、試算結果をみてみましょう。
返済可能額からみた借入可能金額は、2,986万円です。
諸経費は、180万円です。
無理なく購入できる物件価格は、消費税込みで、3,306万円です。
いかがですか。
これで、おおまかな借入可能額を、概算で確認できたかと思います。
【試算根拠】
■毎月無理なく返済できる額
:
9万円/月
■ボーナス時に加算できる額
:
15万円
■自己資金
:
500万円
■返済期間
:
35年
■金利
:
3.0%
【試算結果】
★①返済可能額からみた借入可能金額
②諸経費
★③無理なく購入できる物件価格
:
2,986万円
:
180万円
:
3,306万円
(借入可能金額+自己資金-諸経費)
5
Q2:無理なく購入できる物件価格は?(その2)-年収から把握-
なぜ試算が必要?
営業マン:「では、次に、精度を高めた“本来の借入可能額”
について、確認してみたいと思います。
【ポイント】
銀行の住宅ローン融資の借入可能額には、基準が
あり、“年収”と“住宅ローンの金利”等で決まり
ます。ですから、この“本来の借入可能額”を
知る必要があります。
では、確認してみましょう。」
Bさん :「宜しくお願いします。
」
試算の根拠は?
営業マン:「承知しました。では、ご主人の税込年収から教えて下さい。」
Bさん
:「456万円です。」
営業マン:「奥さんの収入は、合算されますか?」
Bさん
:「子供のこともありますので、収入合算は、“なし”でお願いします」
営業マン:「返済期間は35年、金利は、3.0%とします。
年収に対する借入限度率は、35%です。」
営業マン:「頭金は、500万円でしたね。」
試算の結果は?
営業マン:「では、試算結果をみてみましょう。
返済可能額からみた借入可能金額は、3
3,456万円です。
諸経費は、2
205万円です。
無理なく購入できる物件価格は、消費税込みで、3
3,751万円です。」
Bさん
:「先ほど、毎月の支払可能額から確認したおおまかな額より、実際は、
470万円も多く借りられるということですね。」
6
営業マン:「そうですね。しかし、ここで把握しておかなければならない大切なことがあります。
それは、住宅ローン以外の“その他のローン”のことです。
この“その他のローン”があると、借入可能額は少なくなります。」
Bさん :
「そうですか。今、年間で36万円ありますが、どのくらい借入可能額が減りますか?」
営業マン:「はい。では、試算してみましょう。
“その他のローン”の年間返済額36万円を条件に加えると、
返済可能額からみた借入可能金額は、2,676万円です。
諸経費は、約163万円位です。
無理なく購入できる物件価格は、消費税込みで、3,013万円です。
いかがですか。本来の借入可能額をご確認頂けたかと思います。
因みに“その他のローン”は、先に返してしまえば借入可能額が増えて有利といえます。
ご両親等に相談されてみるのも良いでしょう。
次に考えなければならないことは、
“ちゃんと返せるか”ということです。
後ほど、早期完済のテクニックについて、お話します。」
【試算根拠】
■税込年収
:
456万円/月
■収入合算額
:
0万円
■年収に対する借入限度率
:
35%
■自己資金
:
500万円
■返済期間
:
35年
■金利
:
3.0%
■その他のローンの年間返済額
:
36万円
【試算結果】
<その他のローンが“ない”場合(A)>
①返済可能額からみた借入可能金額
:
3,456万円
②諸経費
:
205万円
③無理なく購入できる物件価格
: 3,751万円
<その他のローンが“ある”場合(B)>
★①返済可能額からみた借入可能金額
:
②諸経費
★③無理なく購入できる物件価格
:
:
2,676万円 (Aとの差:780万円)
163万円
3,013万円 (Aとの差:738万円)
(借入可能金額+自己資金-諸経費)
7
Q3:生涯賃貸暮らしを続けた場合に背負うことになるリスクとは?
なぜ試算が必要?
営業マン:「
“賃貸暮らしが気楽で良い”と思われている方も
いらっしゃるかと思います。ですが、
賃貸暮らしを生涯続けた場合には、どのような
負担を背負うことになるのでしょうか?
例えば、年金が貰えない期間の家賃はどうすれば、
いいのでしょうか、等々・・・。
【ポイント】
賃貸暮らしを生涯続けた場合の負担をしっかりと把握し、対策を取らねば、
老後に破綻することにもなりかねません。
また、このまま賃貸暮らしを続けることが、実は、例えば、
“いくらの住宅ローンを組むことと同じ”ことになるのか?
仮に、3,000万円の住宅ローンを組んで、マイホームを購入した方と
同じ状態だとしたら・・・どうですか?
住宅ローンを組んだ方には、マイホームが残りますが、
賃貸暮らしを続けていれば、当然ですが、なにも残りません。
ご自身の条件でしっかりと試算して、様々な“背負うべきリスク”を
確認しておくことが大切です。ひとつずつ、確認してみましょう。」
Bさん
:「はい。ぜひ、お願いします。」
試算の根拠は?
営業マン:「ご主人は、今、おいくつですか?」
Bさん
:「30才です。
」
営業マン:
「現在の家賃は、7万円だったかと思いますが、過去何年賃貸住まいをされていますか?」
Bさん
:「5年です。
」
営業マン:「現在の手取り年収は、いくらですか?」
Bさん
:「360万円です。」
営業マン:「ご主人は今30才ですので、男性の平均寿命(76才)から計算して、あと48年間
賃貸生活を続けるものとして、背負うことになるリスクを確認してみます。」
8
試算の結果は?
営業マン:「現在の家賃は7万円ですが、
上昇率を1.5%とすると、
生涯の家賃総額は、5,843万円です。
住宅ローンに換算した場合の借入金額は、
3,095万円です。
(金利3%、返済期間48年(仮定)の
元利均等返済で計算しています。
)
家賃の捻出のみの為に働く期間は、16.2年になります。
60才時点の家賃は、10.9万円になります。
ご主人は、60才から5年間、年金が貰えませんので、60才までに、
654万円(10.9万円×12ヶ月×5年)を貯めておく必要があります。」
Bさん
:「3,095万円の住宅ローンを借りているのと、同じということですよね。
驚きました。それに、家賃の捻出だけに16年間も働くことになるとは。
本当にショックです。あと、654万円も貯めるのは、正直、無理だと思います。」
営業マン:「賃貸暮らしを続けることのリスクについて、ご理解頂けたかと思います。」
【試算根拠】
■ご主人の年齢/年収
:
30才 / 360万円/月
■現在の家賃(駐車場代含む)
:
7万円/月
■過去賃貸住宅に住んだ期間
:
5年
■生涯賃貸住宅に住む場合の期間
:
■住宅ローン換算する場合の金利
:
3.0%
■家賃の上昇率
:
1.5%
①過去支払った家賃総額
:
401万円
②生涯支払う家賃総額
:
5,843万円
★③住宅ローン換算した場合の借入金額
:
3,095万円
★④家賃の捻出だけに働く期間
:
16.2年
⑤48年後の家賃
:
14.3万円/月
★⑥60才時点の家賃
:
10.9万円/月(60~65 の家賃:654万円)
★⑦60才時点で貰える年金の額
:
48年 (男性の平均寿命:78 才)
【試算結果】
0円/月
9
Q4:早期完済テクニックとは?(その1)-月々貯めて繰上返済にまわす-
なぜ試算が必要?
営業マン:「先ほど、ご主人は、
“60才から5年間、年金がもらえない“
ことを確認しました。
“賃貸生活を生涯続けた場合”は、
“60才以降の5年間分の家賃を事前に貯めておく”
必要があり、大変であることを合わせて確認しました。
【ポイント】
“マイホームを購入した場合”は、
ご主人は、現在30才ですから、例えば、35年返済であれば、
60才時点ではまだ残債があり、年金もない中、返済が大変でしょう。
ですが、“マイホームを購入した場合”は、“賃貸暮らしの場合”と異なり、
早期完済に向けた良い方法があります。
“60才までに完済、又は、残債を少なくすることが可能”です。
先ほど『Q2』で確認した借入可能額を前提に、2,600万円を
借りた場合の早期完済の方法を確認してみます。
」
Bさん
:「そんないい方法があるのですか。ぜひ、教えて下さい。」
試算の根拠は?
営業マン:「まず、4年後に100万円、そして、
8年後に100万円、
繰上返済(期間短縮型)をすると、
どのくらいの効果があるのかを試算してみます。」
Bさん
:「ちょっと待って下さい。
4年間で100万円も貯めるのは、無理です。
」
営業マン:「4年間で100万円と思うと確かに大変ですけど、
どうでしょう、毎月2万円貯めると考えてみてはいかがでしょうか。
」
10
営業マン:「例えば、煙草も1日に2箱吸えば、それだけで、毎月2万円貯まります。
禁煙までしなくても、健康のために、減煙したり、お酒を少し控えたり、
また、マイホーム購入の決意表明として、お小遣いを少し減らして・・・。
それと、マイホームを購入すれば、団体信用生命保険がついていますので、
現在かけていらっしゃる保険の見直しをされれば、他の工夫も含めて、
毎月2万円の捻出は可能かと思いますが、いかがでしょうか。」
Bさん
:「言われてみれば、確かにそうですね。できるような気がします。」
試算の結果は?
営業マン:「繰上返済をすると、当初条件との差額は252万円になり、
3年9ヶ月返済期間が短くなります。」
Bさん
:「毎月2万円を貯めて繰上返済をすることで、当初条件との差額は252万円になり、
その上、3年9ヶ月も返済期間が短くなるとは。ビックリしました。
」
営業マン:「先ほど確認しましたが、ご主人は60才から5年間は年金が貰えません。
ですから、60才までに完済できればベストです。
完済できなくても、なるべく残債が少なくなると良いですね。
そこで、残りの返済期間を短くする方法ありますので、確認してみましょう。」
Bさん
:「ぜひ、お願いします。
」
【試算根拠】
■借入総額
:
2,600万円/月
■返済期間
:
35年
■金利
:
3.0%
■繰上返済(4年後)
:
100万円
■繰上返済(8年後)
:
100万円
★①当初条件との差額
:
252万円
★②短縮できる期間
:
【試算結果】
3年9ヶ月
11
Q5:早期完済テクニックとは?(その2)-住宅ローン減税で戻るお金の確認-
なぜ試算が必要?
営業マン:「住宅ローン減税を活用した早期完済について、確認してみたいと思います。」
【ポイント】
■毎年のローン残高に一定割合をかけた金額をその年の所得税から控除します。
所得税から引ききれない分は住民税から控除できます。
但し、所得税の課税所得の 100 分の 5 を乗じた額(最高 9 万 7500 円)が限度です。
■長期優良住宅は10年間で最高 600 万円、一般住宅は最高 500 万円の税額控除を
受けられます。(一般住宅は平成23年より最高 400 万円)
Bさん
:「自分で試算するのは、大変そうですね。」
営業マン:「そうですね。自分で試算するのは大変かと思います。確認してみましょう。」
試算の根拠は?
営業マン:「税込年収は456万円でしたね。扶養人数は、
どのような想定で、試算しましょうか?」
Bさん
:「5歳と2歳の2人の想定でお願いします。」
試算の結果は?
営業マン:「10年間で、所得税が1,062,880円、住民税が975,000円、
(合計2,037,880円)控除されます。
」
【試算根拠】
■入居予定
:
23年
■借入総額
:
■返済期間
:
35年
■金利
:
3.0%
2,600万円
■税込年収
:
■扶養人数
:
【試算結果】
①税額控除累計額(控除期間10年)
:
2,037,880円
12
456万円
2人
Q6:早期完済テクニックとは?(その3)-戻るお金の有効活用-
なぜ試算が必要?
営業マン:「では、住宅ローン減税で戻ってくるお金の有効活用
の方法を確認してみます。
【ポイント】 1,
毎年、所得税 1,062,880 円の 10 分の 1 が、年末に
戻りますので、これを別の口座を用意して10年間
貯め、繰上返済をすることで早期完済も可能です。
これは、戻ってくるお金を貯めるのですから、新たな負担があるわけではないです。
どうですか。これなら、取り組みやすいですよね。」
Bさん
:「はい。これは、ぜひ実行してみたいと思います。」
試算の根拠は?
営業マン:「10 年後に、100 万円を、先ほどQ4で試算した繰上返済に追加してみます。」
試算の結果は?
営業マン:
「すると、当初条件との差額は337万円になり、5年3ヶ月返済期間が短くなります。
この住宅ローン減税の効果は、いかがでしたでしょうか。」
Bさん
:「そうですね。今、マイホーム購入を決断すれば、年金が貰えない60才までに、
住宅ローンをほぼ完済することも可能ですね。ですが、今は、頭金が500万円
ですので、もう少し貯めてからがいいと思っています。どうでしょうか?」
営業マン:「では、今、500万円の頭金でマイホームを購入する場合と、
毎月いくらかを貯めて、何年後かに購入する場合を比較してみましょうか。」
Bさん
:「お願いします。」
【試算根拠】
■繰上返済(10年後)
:
100万円
★①当初条件との差額
:
337万円
★②短縮できる期間
:
【試算結果】
5年3ヶ月
13
Q7:最適な購入時期とは?-今すぐ?
それとも頭金を貯めてから?-
なぜ試算が必要?
営業マン:「それでは、今すぐにマイホームを購入する場合と、
毎月いくらかを貯めて、何年後かに購入する場合を
比較してみたいと思います。
【ポイント】
先延ばしをすると、その間に土地、建物、家賃、
金利の上がり、下がりが生じ、負担が変わります。
そのため、適正な購入時期を考える必要があります。
では、実際に、試算をしてみましょう。」
Bさん
:「はい。宜しくお願いします。」
試算の根拠は?
営業マン:「まず、物件価格を定義してみます。
土地は、坪単価20万円で、面積は50坪とし、
建物は、坪単価50万円で、面積は38坪としてみます。
消費税込みで、2,995万円です。
これは、Q2で確認した“無理なく購入できる物件価格”が、
3,013万円でしたので、適正な価格の範囲内です。
次に、毎月いくら貯めて、何年後の購入で試算しますか?」
Bさん
:「毎月3万円貯めて、5年後の想定でお願いします。」
営業マン:「わかりました。毎月3万円貯めると、5年間で180万円になりますね。
では、500万円の頭金で、今すぐ購入する場合と5年後に、680万円の
頭金で購入する場合について、試算してみましょう。
土地はそのまま、建物は0.8%上がり、家賃はそのまま、
金利は、1.2%上がって、4.2%になった想定で試算してみます。」
Bさん
:「はい。お願いします。
」
14
試算の結果は?
営業マン:「試算結果は、以下の通りです。
今すぐ購入の総費用は、4,778万円。
5年後購入の総費用は、5,965万円。
差額は、1,187万円になります。
日々、6,505円も“損”をします。」
奥さん
:「毎日6千円以上も“損”をするのには、
本当に驚きました。食費等、日々の
節約が馬鹿らしくなります。」
営業マン:「頭金が少ないということで先延ばしを
すると、土地、建物、家賃、金利等の条件が変わってきます。
特に金利の動向には、注意が必要です。
また、自己資金として貯めるお金と、家賃として消えていくお金の
バランスをしっかりと考える必要があります。
」
Bさん
:「そうですね。貯めることしか考えていませんでした。
家賃のことは、なるべく考えないようにしていましたが、
ちゃんと向き合う必要があるということが、良くわかりました。
5年間で180万円貯めても、家賃として420万円も消えていくわけですから。
やはり、マイホームを持つなら、早い方が良さそうですね。」
【試算根拠】
■土地の坪単価/面積
:
20万円 / 50坪
■建物の坪単価・面積
:
50万円 / 38坪
■物件価格
:
■現在の家賃/自己資金
:
2,995万円
7万円/月 / 500万円
■住宅購入積立金/入居予定/返済期間:
3万円/月 / 5年後 / 35年
■値上り率(土地/建物/家賃)
:
0% / 0.8% / 0%
■金利(現在/将来)
:
3.0% / 4.2%
【試算結果】
①5年後の自己資金
:
680万円
②今すぐ購入した場合の総費用
: 4,778万円
③5年後に購入した場合の総費用
:
5,967万円
★④差額
:
1,190万円
★⑤一日遅れるごとに
:
6,519円
15
の “損”
Q8:最後に、マンション購入と一戸建て購入の比較
なぜ試算が必要?
営業マン:「ここまでいろいろと、賃貸暮らしを続ける場合と、
マイホームを購入する場合の比較をしてきましたが、
いかがでしたでしょうか?」
Bさん :「そうですね。マイホームを購入するなら、
年齢、住宅ローン減税、金利等の条件を考えると、
早い時期に決断した方が良いことが、
大変良くわかりました。
でも、正直言いまして、すごくお話しづらいのですが、マイホーム購入に
ついては、マンションと一戸建て、どちらが良いのか迷ってしまいます。」
営業マン:「構いませんよ。皆さん、やはり同じ悩みを持っていらっしゃいます。
【ポイント】
マンション購入は、住宅ローン以外に管理費等(修繕積立金、管理費、駐車料金)
を払わなければなりません。しかも、住宅ローンが終わっても、管理費等は生涯
払い続けなければならないのです。費用総額をきちんと把握することが大切です。
では実際に、マンションと一戸建て、費用面について、比較してみましょうか。」
試算の根拠は?
営業マン:「今、マンションを購入するとしたら、いくら位のものをお考えですか?
Bさん
:「そうですね。2,500万円位でしょうか。
」
営業マン:「はい。では、2,500万円のマンションを考えてみます。
自己資金500万円、金利は3.0%、返済期間は35年とします。
管理費等(修繕積立金、管理費、駐車場代)の月額は、3万円、
管理費の上昇率は、2.0%とします。
ご主人の手取り年収は、360万円、年齢は30才でしたね。
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試算の結果は?
営業マン:「試算結果は、以下の通りです。
■ローン完済までの費用総額は、
5,822万円です。
■ローン完済までに支払う管理費等の
累計額は、1,800万円です。
■ローン完済時(65才)における
管理費等の月額は、6万円です。
■管理費累計も合わせてローン換算すると、2,500万円のマンションは、
3,529万円の一戸建てに匹敵します。
その差額は、1,029万円にもなります。
いかがでしたでしょうか?
マンションと一戸建ての費用面の違い、おわかりいただけましたか?」
Bさん
:「はい。大変参考になりました。
家内と一戸建ての購入を、具体的に検討してみたいと思います。
あと、諸経費や税金のことなども、確認してみたいのですが・・・。
来週の日曜日、また、伺ってもいいですか?」
営業マン:「もちろん、いいですよ。お待ちしています。
」
【試算根拠】
■マンションの価格/自己資金
: 2,500万円 / 500万円
■借入金利/返済期間
:
■管理費等の月額/上昇率
:
■手取年収/年齢
:
3.0%
/ 35年
3万円 / 2.0%
360万円 / 30才
【試算結果】
マンション購入の場合で
管理費等の累計額も合わせてローン換算すると、
2,500万円のマンション購入は、
3,529万円の一戸建て購入に匹敵します。 (差額:1,029万円)
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■さあ、個別相談にでかけよう!
ご
自身の条件で、試算をしてみると、“最適なプラン”がみえてきます。
まずは、ご家族揃って、気軽に個別相談においで下さい。
40才でマイホームを購入されたA氏ですが、
個別相談においでになり、いろいろと試算をして、“ご自身にとって相応しい返済計画”をお立てに
なりました。確かに遅いスタートではありましたが、“工夫をすれば、返済計画は見えてくる”のです。
A氏の場合は、逆に、マイホーム購入を諦めて、“賃貸生活を続けていることの方が、背負うべき負担が
大きかった“ことを実感していらっしゃるとのことです。
【重要】
そして、A氏は、おっしゃいます。
「遅いスタートなので、返済計画は厳しいものになりましたが、それでもマイホーム購入を決断して
良かったことがあります。それはもし自分に万が一のこと(死亡・高度障害)があった場合のことです。
“団体信用生命保険”のおかげで、
“住宅ローンのない家”を家族に残せるということです。」
あってはならないことですが、“もしものこと”がおきても大丈夫なように、ご家族のためにできる
“最大限の準備”を整え、“安心を確保”できたからこそ伝わる“安堵感”を、A氏から感じ受けました。
30才でマイホームを購入されたB氏ですが、
最初は、わからないことも多いので、マイホーム購入など、まだまだ先のことと思っていらしたようです。
ですが、個別相談においでになり、ひとつひとつ、ご自身の条件で試算をしてくことで、最適な購入時期
を見いだされました。それが、B氏の場合は、30才だったのです。
【重要】
年収、年齢、家族構成、将来計画・・・etc。その内容は、
“人それぞれ”です。
“最適な購入時期”も、その方の実情により異なりますので、“人それぞれ”なのです。
ですから、ご自身の条件で、試算をしてみてこそ、“最適なプラン”が見えてくるのです。
まずは、ご自身の条件で試算をして、確認をしてみてはいかがでしょうか?
例えば、こんなことについて、確認してみたい方、個別相談においでください。お待ちしています!
■自分の年齢と年収で、どれくらいの家が建てられるか知りたい方
■毎月の家賃はどう考えても無駄だと思うが、
“住宅ローンは怖い”と悩んでいる方
■頭金を貯めてから建てるべきか、今建てた方がいいかで悩んでいる方
■年金はいつから、どれだけ貰える?老後と返済計画の関係を知りたい方
■住宅ローンの早期完済の方法、住宅ローン減税の有効活用の方法を知りたい方
■固定資産税等の税金や諸経費が、いくらかかるか知りたい方・・・etc
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■終わりに
愛
するご家族のための『マイホーム購入』・失敗しない為の資金計画は、
いかがでしたでしょうか。
将来、帰る実家がある場合は良いですが、そうでない場合は、『賃貸生活を生涯続けるか』、
『マイホームを建てるか』の決断をする必要があります。
賃貸生活を生涯続ける場合は、年金の貰えない期間を把握し、その期間の家賃を事前に、
貯金しておく必要があります。その額は、事例ベースでご確認頂けたかと思います。
また、高齢になれば、賃貸住まいを続ける環境・条件も厳しくなってきます。
マイホームを購入する場合は、今の生活のペースをそう崩さずにもてる物件価格、
借入可能額、最適な購入時期、早期完済方法等を確認・検討する必要があります。
これらの重要な判断材料・根拠も、事例ベースでご確認頂けたと思います。
金利や優遇税制(住宅ローン減税)などを十分にご考慮頂き、マイホーム購入を
ご検討頂ければと思います。
今回のご案内が、愛するご家族のために、お役に立てれば幸いです。
発行所:株式会社システムデザイン・アクティ
〒690-0044
島根県松江市浜乃木7-9-7
事業内容:施主の「お金に関する不安や疑問」を解消するために、住宅販売業者
の営業マンを対象に、「お金の相談にのれる人材育成」等を目的とした
研修会の開催。
「お金に関する個別相談」を支援するためのシミュレーション
ソフト『マイホームFP』の開発と販売。
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