自主研究報告書 4 回生 0315 倉田 靖桐 今回、8 月の夏休みを利用して、米田教授のご紹介でトロントの Sunnybrook H ospitalで心臓血管外 科の見学をさせていただきました。まだ日本の医療のシステムについてあまり詳しく知らないので、 日本と比べてどうこう言うことはできませんが、個人的に受けた印象としては、トロントでも「当た り前のことを普通にやる」というだけで、別にそこに特別な医療が存在するわけではないようです。 ただ、やはり最も異なるのは症例数で、カナダのジャンクな食生活の影響もあってでしょうか、基本 的に 1 日4例の手術が行なわれていました。多くの手術を見学させていただき、また不勉強な私の質 問にも親切に答えてくださった先生方のおかげで、教科書で学んでいては何の実感も得ることのでき ない知識を瑞々しい形で習得できました。また、ホームステイや日常生活を通しても学ぶことがとて も多く、それらについて少しではありますが報告させていただこうと思います。 トロントに行くということで、一応もはや完全に忘れかけている英語をもう一度勉強しました。特 にリスニングは重要だと思ったので、C D を使ったりして練習していったのですが、やはり生きた英語 というやつはとても速く、またしっかり話さない人とかも多く苦労させられました。スピーキングは もっと難しく、短い文でシンプルに自分の言いたいことを伝えるのはとても難しいことです。自分を 表現できないことはとてももどかしいことで、向こうの学生と話をしている時とかに、ああこんなに おもしろいこと思いついたのに〜、ということもよくありました。外国で笑いを取るのはとても難し いことです。どうでもいいことのようですが実は重要なことで、英語ができなければその人の魅力は 半減ということです。実際に日本人が外国で働くにあたって最も障害となるのはスピーキングの試験 だそうで、これからどうにかしなければならない課題の一つです。 また、自分の意見をはっきり言わなければ損をするということも学びました。外国人はあきらかに おかしい状況であっても、何も文句を言わなければ、問題なしとみなしてきます。逆に、文句さえ言 えば非常に flexible な対応をしてくれます。滞在中に観光バスに乗る機会があったのですが、何故か私 たちの乗る予定のバスが消滅していて、係りの女の子が、「ごめんね〜、次のバスに乗せてあげるから 許してね♪」みたいな事を言ってきて、とてもかわいい子だったということもあってか、思わず日本 人的に笑顔で許してしまいました。そして次のバスの時間になって来てみたら今度は満席で乗れず、 さすがに頭にきてごねまくったら、無料になりました。やっぱりビシッと言わないとだめですね。 あと、外国人はとてもフレンドリーです。バス待ちの時とかにも普通によこにいるおっさんとかが 話しかけてきますし、逆に話しかけたら気さくに話をしてくれます。もちろん病院のスタッフもみな 親切で、廊下で出会って話をしただけで自分の職場に連れていって説明とかをしてくれる人もいまし た。おかげで循環器内科なども見学することができました。が、ゲイのカナダ人と仲良くなってしま い、ちょっと恐かったです。やはりやりすぎは禁物です。 帰りの飛行機の中の機内食で、 「beef or chicken?」と聞かれたときに、きちんと「W ould you give m e both?」と言えたことに我ながら成長を感じました。短い期間でしたが、異文化と触れ合えたことはと ても刺激的で楽しい経験でした。現地で私たち学生の世話を本当に親切になさってくださった三和先 生、援助をしてくださった東先生、そしてこのような貴重な機会を与えてくださった米田教授には非 常に感謝しています。ありがとうございました。 費用:航空券 16 万円(関空からデトロイト経由カナダ行き) 宿泊費 8 万円(ホームステイ、コンタクトカナダという会社に斡旋してもらいました。朝食、 夕食込みです) その他、観光やお土産、あるいは外食の時などに使うお金 ・ホームステイではおばあちゃんの一人暮らしの家にステイしました。気を使うこともありますが、 英 語の勉強にもなるし、お勧めです。病院まではバスで40分くらいの場所でした。病院の住所を伝 え れば、近いところを探してくれます。 ・観光では、ナイアガラの滝は近所にありますし、トロントブルージェイズもあるので、1 ヶ月くらい いればきっと松井やイチローの試合も見られるでしょう。トロントは観光名所がたくさんあるので、 休日はとても楽しいです。 ・外食では、ファーストフードが多いです。きちんとした食べ物をとろうと思うと、1200円くら い はかかるでしょう。 平均的な 1 日の予定 だいたい朝は 8 時くらいに病院に行きます。カンファレンスや、講義があるときはもう少し早く行き ます。まあそもそも時差ぼけしているので、早起きは全く苦になりません。最初は。 手術は 1 日に 4 例(2 部屋で 2 例ずつ) 、午前に 1 例、午後に 1 例見学します。手術の内容としてはほ とんどが、CABGですが、たまに、弁置換や off pum p bypass などがあります。個人的に仲良くな った循環器内科の先生に、内科の勉強をさせていただいたりもしました。 だいたい 5 時くらいには 2 例目の手術は終了し、その後は友達と夕食をとるか、家に帰るかします。 映画を見ることもありました。かなり安いですが、内容はよくわかりません。 三和先生にはとてもお世話になりました。普段の手術の前、最中に説明していただいたり、休日にど こに遊びに行ったらいいかなど、本当に全面的にお世話をしてくださいました。 準備していったらいいと思うもの 200CADくらいの現金 クレジットカード 国際学生証 長袖の服(けっこう寒いです) ホームステイするならお土産 他には留学の本とかにかいてある物を適当に持っていってください。
© Copyright 2024 Paperzz