「協働」とは 「協働」という言葉の定義は様々ですが、この事例集では

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「協働」とは
「協働」という言葉の定義は様々ですが、この事例集では、市民と行政等が、
地域の公共的課題を解決するために、お互いの立場や特性を理解し尊重しなが
ら、対等の立場で協力して共に働くことを前提とします。
例えば、地域の問題を解決しようとする時に、まずは個人で何とかしようと
考えますが、その解決が一人の力では難しい場合は、近所の方や友人あるいは
町内会に助けを求め、必要に応じて行政も加わりながら互いに協力して行動し
ます。こうした地域づくりの手法が「協働」です。
このように「協働」の取組は、多くの市民が活動に関わることになり、行政
のみでは対応できない、地域住民のニーズを満たす「新しい公共」につながり
ます。「新しい公共」は、個人や一団体での「単体」の取組もありますが、町
内会や市民活動団体、企業、行政等が共に協力して働く「協働」の取組により、
目標達成の効果が高まる例も多く見受けられます。
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「協働」の必要性
私達が今いる社会は、個人の価値観や市民ニーズの多様化が進むにつれて、
インターネット等を通じて趣味を同じくする他人同士が情報を頻繁にやり取
りする反面、地域のつながりが薄れ、一部の地域では住民相互の付き合いが
殆どないところもあります。人口減少によるコミュニティの衰退を防ぐこと
や、昔のように地域住民とのつながりや関係性を取り戻すことが大きな課題
となっています。例えば、隣に住む一人暮らしの高齢者や障害者の見守り活
動や除雪支援、災害時に協力して行う避難誘導など、地域住民が支え合い、
協力することが、今後の地域社会において大切なことです。
地域づくりを実践する場としては、町内会や住民組織、地域協議会、NPO
法人などの活動があります。市内には814の町内会や13の住民組織、様々
な分野で活動する74の NPO 法人があり、このほかにも地域づくりの担い手
となる多くの個人や団体が存在します。今後、この豊富な人的資源と各団体
の特性を生かしながら、多様な団体等が連携した「協働」による地域づくり
の輪を広げていくことが重要と考えます。
協働による取組が広がることにより、様々な人が集うコミュニティの場が形
成され、「人と人」、「人と地域」、「地域と地域」の絆が深まることが期待され
ます。こうした交流の活性化により、豊かで活力ある「地域づくり」につなが
るのではないでしょうか。この事例集で紹介した取組を参考にしていただき、
まずは、市民の皆さん一人ひとりが「地域を元気にしたい。」
「困っている人を
助けたい。」と考え、行動する第一歩を踏み出していただければ幸いです。
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