リチウムイオン電池の輸送規則変更に関するお知らせ(2016年4

リチウムイオン電池の輸送規則変更に関するお知らせ
2016 年 4 月
お客様が弊社のリチウムイオン電池を輸送するにあたって注意すべき点を説明いたします。ただし、本
資料は規則変更の要約をまとめたものであり、すべてを網羅しているわけではありません。規則の詳細に
つきましては、最新の危険物規則書をご確認ください(末尾の輸送規則書参照)。
■ 航空輸送規則の主な変更内容
2016 年 1 月 1 日発効の IATA 航空危険物規則書 第 57 版の補遺(Addendum)が 2016 年 1 月 19 日およ
び 2 月 26 日に発行され、2016 年 4 月 1 日からリチウムイオン電池の航空輸送規則が一部変更されます。
リチウムイオン電池を単独で輸送する場合の規則(包装基準 965)が下記のとおり変更されます。
① 2016 年 4 月 1 日以降、リチウムイオン電池の旅客機輸送が禁止され、航空輸送は貨物機での輸送に
限定される。これに伴い、包装物に貨物機専用取扱いラベル(CAO ラベル)の貼付が必須となる。
② Section IA、Section IB および Section II のいずれの場合も SOC(State of Charge:充電率)が定格容
量の 30%を超えてはならない。
③ Section IA および Section IB の場合は、発地国および運航者の属する国の当局承認がある場合にの
み SOC が 30%を超えても輸送できる。ただし、Section II の場合は当局承認による SOC30%超の輸
送はできない。
④ Section II の場合、1 貨物あたり 1 個の包装物しか輸送できない。また、Section II の場合、オーバーパ
ック内には 1 個の包装物しか収納できない。
<注 1>SOC30%の制限は、機器に同梱されたリチウムイオン電池を輸送する場合(包装基準 966)および機
器に組込まれたリチウムイオン電池を輸送する場合(包装基準 967)には適用されない。
<注 2>SOC30%の制限は海上輸送および陸上輸送には適用されない。
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1.リチウムイオン電池単体の航空輸送(包装基準 965)
表 リチウムイオン電池を航空輸送する場合(包装基準965)
セクション
Wh値
Section II
Section IB
単電池:2.7Wh以下 単電池:20Wh以下 単電池:20Wh以下
(定格容量x公称電圧)
組電池:2.7Wh以下 組電池:100Wh以下 組電池:100Wh以下
定格容量の30%以下
充電率
制限なし
単電池:8個以下
単電池:9個以上
電池個数
1包装物
組電池:2個以下
組電池:3個以上
当たりの
旅客機: 輸送禁止 旅客機: 輸送禁止
旅客機: 輸送禁止
制限
正味量
貨物機:2.5kg以下 貨物機:制限なし
貨物機:10kg以下
1件の貨物あたりの包装
1個以下
物の数量制限
危険物分類
非危険物扱い
国連規格容器は不要。
包装・容器
包装物は1.2mの落下試験に合格すること。
Section IA
単電池:20Whを越える
組電池:100Whを越える
制限なし
旅客機: 輸送禁止
貨物機:35kg以下
制限なし
Class 9
国連規格容器
ラベル
注1)
注2)
注3)
書類要件
航空貨物運送状(Air Waybill)
追加書類
危険物申告書
Air Waybill
追加書類
教育訓練
職務に応じた適切な指示を
受けていること
危険物教育訓練(試験付き)の受講が必要
危険物申告書
Air Waybill
注1):貨物機専用取扱いラベル 注2):リチウム電池取扱いラベル 注3):Class 9危険性ラベル
・Section IIの場合、Air WaybillのNature and quantity of goods 欄に“Lithium ion batteries in compliance w ith Section II of PI965”および
“Cargo Aircraft Only”または“CAO”の文言を記載すること。
・Section IAおよびSection IBの場合、Air WaybillのHandling Information 欄に“Dangerous Goods as per attached Shipper's Declaration”および
“Cargo Aircraft Only”または“CAO”の文言を記載すること。
・追加書類には、以下の①-④の情報を記載すること。
①包装物はリチウムイオン電池を含んでいること、②包装物は損傷を受けると引火の危険性があるため注意深く取り扱うこと、③包装物が損傷
した場合、必要に応じて検査および再包装を含む特別ね措置がとられること、④追加情報を得るための電話番号。
追加書類の記載文言は、危険物申告書のAdditional Handling Information 欄またはAir Waybillに記載してもよい。
弊社のリチウムイオン電池は、ISO9001 を取得した工場で、品質管理プログラムのもとで生産しており、
UN Manual of Tests and Criteria, Part III, sub-section 38.3 の各試験を満足しています。したがって、
弊社の単電池を航空輸送する場合の適用される Section と具体的な品種は以下になります。
ただし、2 個以上の単電池を直列 and/or 並列に接続した組電池については、Wh 値の合計量によって
Section が変わりますので、弊社営業までお問い合わせください。
Wh 値/単電池
2.7Wh 以下
2.7Wh を超えて、
20Wh 以下
20Wh を超える
製品名
適用 Section
CLB 電池のすべて、ICP382230AQS、
Section II
ICP492547SRU、LP55A1
上記を除く角形リチウムイオン単電池、円筒形リチウ
Section IB
ムイオン単電池、小形ラミネート形リチウムイオン単電
(ただし、8 個以下の場合は、
池
Section II が適用される)
大形ラミネート形リチウムイオン単電池
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Section IA
2.機器同梱のリチウムイオン電池の航空輸送 (包装基準 966)
本包装基準において、”機器(equipment)”とは、リチウムイオン電池からの電力供給により作動する器
具(device)または装置(apparatus)である。
3.機器組込のリチウムイオン電池の航空輸送(包装基準 967)
本包装基準において、「機器(equipment)」とは、リチウム電池からの電力供給により作動する器具
(device)または装置(apparatus)である。
・Section II において 2016 年 1 月 1 日以降、以下の場合は、包装物へのリチウム電池取扱いラベルの
貼付は不要となる。
・ボタン形(コイン形)電池のみを組込んだ機器(回路基板を含む)のみが包装物に収納されている場
合。
・1 包装物あたりに収納されている電池の個数が、単電池で 4 個以下あるいは組電池で 2 個以下で
あって、1 貨物に含まれる包装物が 2 個以下の場合。
注:1 貨物に含まれる包装物が 3 個以上であっても 2016 年 12 月 31 日までは、リチウム電池取扱
いラベル無しで輸送することができる。
【参考用】航空以外の輸送
リチウムイオン電池を非危険物扱いで輸送するためには以下の基本条件を満たすことが必要です。
(1) 品質管理プログラムのもとで生産された単電池あるいは組電池であること。
(2) Wh 値が 20Wh 以下の単電池であること、100Wh 以下の組電池であること。
(3) 単電池および組電池*1)は安全性試験(UN Manual of Test and Criteria, Part III, sub-section 38.3 の
試験)をすべて満足すること。
*1) 組電池とは 2 個以上の単電池が保護回路などの素子に接続されケースに入ったものです。
(4) 電池は、電池を完全に包んだ内装容器に収納し、個々の内装容器は強固な外装容器に収納すること。
(5) 内容物がリチウムイオン電池であること、包装物が損傷を受けたときの取扱い手順および追加情報を
得るための電話番号を外装包装に表示すること。航空輸送時のリチウム電池取扱いラベルを貼付して
も良い。
(6) 出荷ごとに、以下の内容を記載した輸送書類を添付すること。
・包装物はリチウムイオン電池を含んでいること
・包装物は損傷を受けると引火の危険性があるため注意深く取り扱うこと
・包装物が損傷を受けた場合、必要に応じて検査や再梱包を含めた特別な措置が取られること
・追加情報を得るための電話番号
(7) 各包装物は 1.2m の落下試験に合格すること。
(8) 機器同梱または機器組込みの場合を除き、1 包装物あたりの質量は 30kg を超えてはならない。
上記の(2)と(3)の証明書は必要に応じ弊社が提供いたします。(4)-(6)はお客様に実施いただくことになりま
す。(7)は弊社出荷時の梱包をそのままご利用される場合には必要に応じ弊社が証明書を発行いたします
が、お客様が独自に梱包された場合には、その包装物の 1.2m 落下試験はお客様ご自身で実施いただく必
要がございます。また、弊社出荷時の梱包をそのままご利用される場合でも、外装容器に表示している電
3
話番号を削除し、お客様の電話番号を上書きいただきます。
輸送規則書
国連危険物輸送勧告(陸海空)

UN(United Nations) Recommendations on the Transport of Dangerous Goods: Model
Regulations 18th revised edition

UN(United Nations) Recommendations on the Transport of Dangerous Goods: Manual of Test
and Criteria 5th revised edition, Amendment 2
航空輸送規則

The International Civil Aviation Organization (ICAO): Technical Instructions for Safety Transport
of Dangerous Goods by Air, 2015-2016 edition

The International Air Transport Association (IATA): Dangerous Goods Regulations, 57th edition,
ADDENDUM, ADDENDUM II
海上輸送規則

International Maritime Organization (IMO): International Maritime Dangerous Goods (IMDG)
Code, 2014 edition
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