ニュースレター 2012.5. 発行 NO.2 一般社団法人エビデンスに基づく統合医療研究会(eBIM 研究会) 理事長 伊藤壽記 事務局長 梅名義昭 大阪大学大学院医学系研究科生体機能補完医学講座内 〒565-0871 吹田市山田丘2番2号 TEL 06-6879-3498 URL:http://www.ebim.or.jp/ 運営事務局:日本コンベンションサービス株式会社 (担当:徳田、中村) 〒541-0042 大阪市中央区今橋 4-4-7 京阪神不動産淀屋橋ビル 2 階 TEL:06-6221-5933 FAX:06-6221-5938 ■ Email: [email protected] 厚生労働省「統合医療」のあり方に関する検討会ひらく 伊藤理事長が統合医療のエビデンスについて問題提起 3 月 26 日の第1回につづき 4 月 25 日、厚生労働省に おいて、第2回「統合医療」のあり方に関する検討会(座 長=大島伸一・国立長寿医療研究センター総長)が開 催された。冒頭、小宮山大臣が「統合医療」を推進して いくためには、どんな取組みが必要なのか意見をきき厚 生労働省としても積極的に検討をしていきたい旨を挨 拶した。構成員の一人である伊藤理事長は、「統合医 療」の定義をはっきりさせて議論すべきと問題提起し、 「統合医療」は近代西洋医学とそれ以外のものを組み 合わせて、医師主導でやっていく医療であると強調。何 と何を統合するかについて西洋医学と東洋医学、伝統 医療と未来医療、西洋医学が欠落していると思われる全人的な医療を補完代替医療で補い、補完代替医療に欠 如しているエビデンスを付けていくとの基本的考え方を述べ、いわゆるオミクスの技術やfMRIなど新しいテクノロジー を使えば、将来新たなエビデンスが出てくると強調した。 ■ 第 16 回日本統合医療学会(大阪大会)の準備進む 第16回日本統合医療学会 (IMJ 2012 大阪大会) 会期:平成24年12月8日(土)、9日(日) 会場:大阪大学コンベンションセンター(吹田キャンパス) 大会テーマ:『新たな医療の潮流、全人的統合医療』 特別企画1.「災害と統合医療」 特別企画2.「がんの統合医療」 緒方洪庵「適塾」 会期:12 月 8 日(土)、9 日(日) 会場:大阪大学コンベンションセンター 大阪大会は、会期 12 月 8 日(土)、9 日(日)、会場は大 阪大学コンベンションセンター( 吹田キャンパス )、 テーマは『新たな医療の潮流、全人的統合医療』。特別 企画として「災害と統合医療」と「がんの統合医療」 を討議する。現在、プログラム委員会では、キーワー ドとして、がん、災害、メタボ、医療経済、ストレス、 バイオマーカー、認知症、臓器不全、生体臓器移植な ◆大会事務局◆ 大阪大学大学院医学系研究科 生体機能補完医学講座 TEL:06-6879-3498 FAX:06-6879-3499 どを検討している。 ■ 2 月、国際シンポジウムにて 伊藤理事長が国際統合医療センター構想をアピール 日本統合医療学会が主催した国際シンポジウムが 2 月 17 日(金)・18 日(土)、東京医科歯科大学で開催 された。テーマは、 『統合医療におけるがんの予防と治療』 。 「統合医療によるがん治療のモデル」のセッショ ンにおいて、伊藤理事長が国際統合医療センター構想の意義と立地の戦略について講演した。伊藤研究室は、 病院立地を検討している医療法人協和会と連携して、準備をすすめている。下記は国際統合医療センターコン セプト構想イメージ図。 国際統合医療センター(仮称)プロジェクト構想 Evidence-Based Integrative Medicine (EBIM)の実践 未来医療型病院 臨床・教育・研究の三位⼀体構造 ヘルスケア イニシアティブ研究所 (エビデンス⼯房) ■ 北川 透 統合医療外来 + ⼼と体の健診センター ・メタボWM部⾨ ・メンタルヘルスケア部⾨ ・メディカルアロマ部⾨ ・メディカルフィットネス部⾨ ・鍼灸治療部⾨ ・次世代型薬局活⽤部⾨ ・漢⽅、ハーブ部⾨ ・ヨーガ/ ・ヨーガ/気功部⾨ ・機能性⾷品部⾨ ・医療従事者に対するEBIM 教育事業部⾨ ・医療従事者に対するEBIM教育事業部⾨ ・EBIMに関する社会教育・情報管理⾨ EBIMに関する社会教育・情報管理⾨ ・医療通訳部⾨ 統合医療 連合⼤学院 医療法人協和会協立病院長が『医療の現状と統合医療の可能性』を講演 2 月 23 日、関西電力本店ビルの関電会館において、北 川 透 医療法人協和会協立病院院長・大阪大学大学院 医療経済産業政策学特任准教授が、医療施設関連の異業種交流会で、参加者 50 名を前に講演した。主催は M&B ホスピタルソリューョン会。テーマは『医療の現状と統合医療の可能性』。講演のなかで、北川先生は、日本の医療崩 壊の原因は 90 年代後半からの医療費抑制策、医師数抑制策にあったと指摘。今後、疾病構造の変化などから現代 医療が構造変化し、医療費が急増、国民皆保険制度が破綻すると警告した。米国等で重視されている補完医療と現 代西洋医療を有機的に融合させた統合医療によって、予防医療に力をいれるべきと強調した。最後に、現在進行中 の国際統合医療センター構想に関して、医療法人協和会としても大阪大学と連携して、協力していく計画があること を紹介した。 ■ 認知症研修会 介護職員 250 名対象にケアと予防について 林 紀行 先生が講演 2 月 22 日、大阪市内で、介護職員など 250 名が参加して認知症研修会が開催された。伊藤研究室の林 紀 行 先生(大阪大学大学院医学系研究科助教・医学博士)が、 『認知症高齢者の介護の視点とは~生活行為と認知 機能の理解から~』をテーマに講演した。第 1 部では、認知機能の基礎知識、第 2 部では、中核症状である 認知機能障害について、認知症の種類、疾患別に解説、認知症ケアについて、具体的対応方法を懇切に明ら かにした。第 3 部では、エビデンスに基づく認知症の非薬物療法と効果について取り上げた。 一般に関心の高い認知症予防については、エビデンスに基づき高齢者認知機能低下に関わるリスク要因(う つ病、糖尿病、たばこ、メタボリックシンドロームなど)と防御因子(認知トレーニング、運動、その他の レジャー運動、野菜摂取、地中海ダイエットなど)を紹介。認知トレーニングの ACTIVE スタディと呼ばれ る有名な事例から、単純計算等の速さを鍛える方法が前頭葉機能を活性化している可能性が高いと考えられ ていると紹介。また、エビデンスのある別の研究成果から、運動が認知機能改善だけでなく、うつ症状の改 善、転倒予防、QOL の改善、心血管機能の向上などの健康増進効果が期待されていると紹介した。 ■ 第 15 回補完医療セミナー「災害と医療」日本統合医療学会評議員 2 月 29 日、大阪大学医学部講義棟にて、第 15 回補完医療セミナー が開催され、日本統合医療学会評議員、(財)未来工学研究所、京都 大学大学院医学研究科 小 野 直 哉先生が、『災害と医療~米国と キューバの事例を踏まえて~』をテーマに講演した。生体機能補完医 学講座主催。冒頭、東北大震災における災害医療の現状と課題を強 調。大津波と原発事故により広域が被災した結果、既存の医療システ ムの脆弱性が明らかになり、被災者の震災関連死、支援者の惨事スト レスによる心身疲労、PTSD などが目立ったと紹介。医療資源が限ら れた状況下では、持続可能な災害医療、ヘルスケアの提供が重要で あると強調した。さらに、テロやアフガニスタン・イラク戦争等による PTSD 罹患兵士に対して、疼痛管理の伝統医学や、相補・代替医療 を活用している米国の事例を紹介した。また、国民の医療ニーズを、 伝統医学や相補・代替医療でまかない、年間約 4 万人の医師を国際 災害支援へ派遣して、医療外交を展開しているキューバの例を紹介 した。最後に、近代西洋医学とともに、伝統医学や相補・代替医療を 併用する統合医療の優れた可能性を力説した。 小野直哉先生が講演 ■ フォーラム『予防医療の先端技術と産学連携による新ビジネスの創出』 伊藤教授 前田准教授 3月22日、大阪市北区中之島ビルの関西経済連合会において、関経連、関西学術文化機構が共催する特別フォ ーラムが、『予防医療の先端技術と産学連携による新ビジネスの創出』をテーマに開催された。伊藤教授が、『統合医 療センター構想』について基調講演した。また、前田和久准教授は『バイオマーカー・アディポネクティン分泌作用を 有する食品を用いたテーラーメイド医療』をテーマに講演した。京阪神各地から165名が参加した。 ■eBIM 研究会の会員募集要項 入会申込書のご請求、ご入会に関するお問い合わせは、運営事務局の日本コンベンションサービスまでお願 いします。 担当:徳田、中村 TEL:06-6221-5933 Email: [email protected] ○会員資格及び年会費は次の通り。 ○個人正会員 医師・歯科医師・獣医師(年 5,000 円) 医師以外の医療従事者(国家資格ならびにそれに準ずる者)(年 3,000 円) ・ 看護師、保健師、助産師、薬剤師、臨床検査技師、管理栄養士、はり師、きゅう師、理学療法士、作業療 法士、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師 ・ カイロプラクティック、ヨーガ、健康運動指導士、臨床心理士、気功、アロマセラピスト 研究者 (年 5,000 円) 学生・大学院生 (年 1,000 円) その他理事会が会員として適切であると認めた方(年 3,000 円) ○法人正会員 医療法人(一口 10 万円 一口以上) (なお、法人正会員にご登録いただいた医療法人につきましては、当該医療法人ご所属の方を、一口あたり次の人数ま で、個人正会員に登録させていただきます。 一口 2 名様、二口 3 名様、三~四口 4 名様、五口以上 5 名様) ○賛助会員 ■ 企業(一口 10 万円 一口以上) 伊藤理事長の活動日記 ○2 月 17-18 日 日本統合医療学会主催国際シンポジウム『統合医療におけるがんの予防と治療』講演 ○3 月 2 日 第 46 回糖尿病学の進歩 参加 ○3 月 9-10 日 第 39 回日本膵・膵島移植研究会 参加 ○3 月 14-15 日 第 48 回日本腹部救急医学総会 ○3 月 22 日 関西経済連合会、関西学術研究都市機構共催 参加 シンポジウム『予防医療の先端技術と産学連携による新ビジネスの創出』講演 ○3 月 26 日 第 1 回「統合医療」のあり方に関する検討会(厚労省)参加 ○4 月 25 日 第 2 回「統合医療」のあり方に関する検討会(厚労省)参加
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