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4 月定例記者会見資料
古代ゾーンパンフレット発刊と沖代条里展望施設設置について
平成 25 年 4 月 12 日
文化財課
【はじめに】
中津市の県道 663 号(万田四日市線)は奈良時代に施行された古代のメインストリートである「官道」
を踏襲しており、道沿いには古代の遺跡が分布します。特に相原・永添から薦神社までは古代中津の中心地
で、古代遺跡が濃密に分布しています。現在も地表面でたどれるものが多く、貴重な古代景観が形成されて
います。文化財課では、古代ゾーンを紹介するパンフレットを作成し、古代ゾーンの遺跡の一つである沖代
条里を展望する施設を設置しましたのでご報告します。
【古代ゾーンパンフレット「古代のドアを開けてごらん!」
】
A4判フルカラー12 ページです。古代ゾーン一帯を「現代と古代が交わる場所」ととらえ、ドアを開け
るとすぐ古代に行けるイメージでタイトルをつけました。
掲載している遺跡は「国指定史跡長者屋敷官衙遺跡(ちょうじゃやしきかんがいせき)」「県指定史跡相原廃寺
付塔心礎(あいはらはいじつけたりとうしんそ)」
「県指定史跡相原山首遺跡(あいはらやまくびいせき)」
「古代官道(こ
だいかんどう)」
「県指定史跡薦神社(こもじんじゃ)」
「沖代地区条里跡(おきだいちくじょうりあと)」
「大井手堰(お
おいでぜき)と土水路」です。
「県指定無形民俗文化財鶴市傘鉾神事」も紹介しています。
子供でも親しめるよう、芝犬の小雪ちゃんがドク博士に教えてもらう形式をとりました。パンフレットが
古代の中津を体感してもらう手助けとなることを期待しています。
【沖代条里とは】(正式名称:沖代地区条里跡)
沖代平野に広がる水田は、一辺 109m 四方の正方形が碁盤の目のようにつらなる条里水田で、その起源は
奈良時代にさかのぼります。県道 663 号線は古代につくられた真直ぐな官道を踏襲しており、条里区割り
は官道を南限として北の中津駅のあたりまで展開します。私たちは、古代につくられた道に車を走らせ、古
代に方形につくられた田で稲をつくり続けてきました。条里水田が残るのは県内では沖代条里が最後の一か
所となり、全国的にみても稀有な景観でありますが、近年宅地化の波におされ、1300 年守り伝えられてき
た景観は急速に姿を消しつつあります。(詳しい説明はパンフレット参照)
【沖代条里展望施設とは】
条里についてはあまり知られていないうえ、条里の貴重さを伝えたくても航空写真でしか正方形の形がわ
かりません。また条里は広大であり、「条里を見学するのに良い場所は?」との問合せにもこれまで対応で
きない状態でした。そのため今回、「沖代条里」の存在を広め、価値を伝えるため、条里を見下ろす台地の
突端に見学施設をつくりました。
展望施設には透明の看板があります。看板ごしに目の前の水田を見、看板に描かれたラインをあわせると、
一辺 109 メートルの条里の区割り「一坪」の大きさがわかる仕組みです。さらに、沖代条里の説明だけで
なく、条里水田に住む絶滅危惧種をはじめとした生物たちについても紹介しています。古代ゾーンパンフレ
ットを手に、人々が古代の中津を歩き、条里展望施設で古代景観を感じ、生物たちの命を思いやり、1300
年伝えられてきた美しい景観を今後も守り伝えたいと思っていただけることを願っています。
6 月ごろには、展望施設を利用した条里学習会と生物の見学会を組み合わせたイベントを行う予定です。
*条里展望施設は老人介護施設である「豊寿園」の敷地内にあります。介護施設であるため、施設内への
立ち入りはご遠慮ください。見学施設への立ち入りは 9 時から 17 時までとさせていただきますのでご理解
よろしくお願いいたします。
沖代条里展望施設資料
透明の看板に線を引いて
います。
足跡マークの上に立ち、片
方の目で看板に書かれた
線と目の前の風景をあわ
せると、条里区割りの正方
形の田(一坪)
(109m×109m)の単位が
わかります。
左側の航空写真とあわせ
てご確認ください。
敷地内では、以下の内容
の説明看板を設置してい
ます。
・昭和22年の沖代条里の
写真
・条里の説明
・沖代条里内の発掘調査
・沖代条里内の生物調査
看板に表示したラインは子
供の背にあわせて低く設
定していますので、大人の
方は少しかがんでご覧に
なってください。
豊寿園の施設内への立ち
入りは禁止です。