群馬県大泉町 多言語医療問診票(冊子)を作成 外国人が医療機関を受診しやすくなるよう 多言語医療問診票を活用 群馬県大泉町は、町の総人口 41,238 人に対し、外国人が 6,636 人(平成 27 年 10 月末時点)在 住しており、総人口に占める外国人の割合が 16.1%と外国人比率の高い町である。その内訳とし ては、ブラジル、ペルー、ボリビア等の南米系外国人住民が全外国人住民の 8 割程度を占めてお り、近年ではネパール人をはじめとするアジア系外国人住民が増加している。ポルトガル語圏の 外国人住民に対しては、通訳職員の配置や翻訳対応など、これまでの取組により窓口での対応や 情報提供などの体制が整いつつあるという。しかし一方で、外国人住民の多国籍化により、それ 以外の言語を母語とする外国人住民への対応が課題となっている。 そうした中で、ネパール人住民との会合の中 で、医療機関利用の際の意思疎通に課題がある ことが分かった。同国際協働課で、この課題の 解決法を探っていたところ、NPO 法人国際交流 ハーティ港南台、公益財団法人かながわ国際交 流財団が協働して運営している Web サイト上に 掲げられている「多言語医療問診票」 (http://www.kifjp.org/medical/index.html) にたどり着いた。同 Web サイトでは、内科・外 大泉町国際協働課がまとめた多言語医療問診票の冊 科など 11 の科目別に全 18 言語※の問診票が公 子。ポルトガル語、スペイン語、ネパール語、中国語、 開され、誰でも無料でダウンロードし利用でき 英語の 5 言語 11 科目の問診票がまとめられている。 るようになっている。大泉町では、この問診票 を活用し、町内で特に在住者が多い国籍の言語 をピックアップして、ポルトガル語、スペイン 語、ネパール語、中国語、英語の5言語の問診 票を 1 冊の冊子にまとめた。 問診票には、氏名、性別、生年月日、住所な どの個人情報を記入する欄のほか、症状や既往症についての設問が日本語と外国語で併記されて いる。この問診票は、1997 年に NPO 法人国際交流ハーティ港南台が始めた取組で、日本で医療機 関を受診する外国人の助けになるべく、医師会や語学教師、外国人など多くのボランティアの協 力のもとで作成された。2001 年には(公財)かながわ国際交流財団が NPO 国際交流ハーティ港南 台と協働で Web サイトに掲載した。当初は英語・中国語・スペイン語・韓国語の4言語 10 科目で の翻訳だったが、現在では、タガログ語・ペルシャ語・ラオス語・ネパール語なども含めた 18 言語が公開されている。その当時は、クリニックや病院では外国人医療に対して消極的な面もあ ったが、外国人の増加にともない、年々、多言語問診票の必要性が認識されるようになって来た という。「2020 年の東京オリンピック・パラリンピック大会に向け、利用依頼は現在さらに増加 傾向にある。また、日本語教室で日本語学習の教材として使われるケースもある」と NPO 法人国 際交流ハーティ港南台の担当者は語っている。 大泉町では、問診票をまとめた冊子を、今回の冊子作成のきっかけとなった海外在住ネパール 人協会日本支部群馬コミッティーへ寄贈。さらに町内の医院、歯科医院、薬局などの医療機関に 配布し、日本語を充分に話せない外国人住民が 医療機関を利用しやすい環境づくりを推進して いる。 (平成 27 年度作成) ※ 英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペ イン語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、 クロアチア語、ペルシャ語、アラビア語、タ イ語、インドネシア語、タガログ語、ベトナ ム語、カンボジア語、ラオス語、ネパール語 ネパール語の外科問診票。NPO 法人国際交流ハーティ 港南台/公益財団法人かながわ国際交流財団が協働 で運営する Web サイトからダウンロードできる。 問い合わせ先 問い合わせ先 :大泉町 企画部国際協働課 電話番号 :0276-55-3700 メールアドレス:[email protected]
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