テニスのおけるダイナミックな柔軟性と筋力トレーニング E.Paul Roetert, Ph.D. テニスにおけるいろいろな話において、柔軟性と筋力トレーニングの両方については、最終的には、重要であ ることが多く書かれている。この論説の目的は、少ない用具で、推薦する運動に焦点をおくことである。柔軟性 や筋力トレーニング多くに親しみのある運動のタイプから構成されている。我々の目標は、筋力、コンディショ ニングのプログラムのいくつかの目標を表すことでもある。このことによって、コート上であなたの教えている 選手が、ベストなパフォーマンスを披露できるのである。 筋力、柔軟性トレーニングの重要性を語る前に、いくつかの大切は要素がある。 静的ストレッチング:筋おおび筋群を選手が、少し伸びたと感じる程度にストレッチングすること。約 15∼30 秒程度維持すること。 ダイナミックなウオーミングアップ/ダイナミックな柔軟性トレーニング: 普通の動きのパターンを通してストレッチし、 体温や心拍数を上昇させることが目的である運動・動きである。 筋力トレーニング:増大する負荷抵抗に対して行われる漸進的オーバーロードのタイプである。目標は、筋力 とパワーの増大である。 コンディショニング:エネルギーをより効率よく、利用もしくは生成るうことのできる、身体のエネルギーシ ステムをトレーニングすること。 動きのトレーニング:フットワーク、スピード、方向変換能力(敏捷性)を改良するための特別はドリルや運 動。テニスには、重要なものである。 機能的トレーニング:テニスの動きによく似た特別な筋力の運動である。テニスプレーで用いられる筋のパター ンやスキル(Functional Training) ダイナミックな柔軟性 最近の研究では、練習や試合の前の静的なストレッチングよりもダイナミックな柔軟性の運動を行った方がよ り生産的であることが示されている。 (Faigenbaum et. al. 2005, Young and Behm, 2003). ダイナミックな柔軟性は、 関節のコントロールされた動きや動作の最大範囲を通じての関節などを含んでいる。 テニスでは、これは、スポーツに用いられる動きのパターンとよく似ている。ウオーミングアップの目的は、こ れから行われる運動の動きや強度に対して、準備することである。ダイナミックな柔軟性の利点については、次 のようなことが考えられる。 1、 身体の体温の漸進的な上昇と心拍数の増大 2、 動きを用いることで、筋の活動的なストレッチングによって、筋や腱の弾力性の漸進的増大 3、 筋力要素、バランス、調整力の統合 4、 特別な練習に要求される動きの技術の統合 5、 選手が当別な動きのパターンや身体のコントロールに焦点を当たることによっての調整力と準備の統合 6、 選手が試合中の動きと同じパターンの動きを用いること ダイナミックなウオームアップは、練習や試合前のルーティーンとして非常に重要な要素であり、基本的なス キルの動きからより複雑な動きへと段階的に進めるべきである。運動の順序は、すべての身体の部分を考える 必要がある。選手は、大筋群からスタートし、最後には、小筋群で終わるべきであろう。 いつくかのルーティーン別に運動は分かれている。the USTA’s Dynamic Warm-Ups for Tennis DVD (Human Kinetics, www.humankinetics.com) は下に示している。 Sample Routine I Sample Routine II Glute Bridges Monster Walks Scorpions Leg Cross Overs Sample Routine III Quadruped Exercise Crossover Skipping Backward Lunge & Twist Arm Hugs Arm Swings Knee Hug Lunges Pillar Skipping Sidelying Hip Abduction Handwalks Lateral Skipping Straight Leg March Skipping Lateral Lunge Hip Crossover Shoulder External Rotation Butt Kicks Rapid Rotations Marching Lateral Leg Swings Low to High Chops Caterpillar Alley Hops Trunk Rotations Lateral Reach Lateral Bridge Forward Lunge Table 1. Samples of a dynamic warm-up 選手は、練習や試合前に約 10 分間行うことを薦める。運動は、少なくとも 30 秒必要であり、選手は、運動の 間に短い休息をとるべきである。 スタティック(静的)ストレッチングはどうなのか?まだ、テニス選手にとってこのトレーニングは必要で あるのか。答えは、イエスである。静的ストレッチングは、関節周りの動きの維持には、必要である。実際に は、テニス選手は、ある動きのパターンの繰り返しであり、特別は筋群が固い傾向にあるということが特徴で あろう。静的ストレッチングは、この適応性の固さを軽減することにもなり、怪我の予防としても効力を発揮 する。ストレッチする正しい時間がある。しかしながら、それは、試合の前には、必ずしも正しいことではな い。最近の研究は、ストレッチング直後の一時的な筋力やパワーの低下が示されている。長ければ、ストレッ チング後 60∼120 分後まで続く場合がある。もし選手が、試合前にストレッチをするのであれば、試合開始の 60 分前にあ、ストレッチングのルーティーンを終わらすべきであろう。 多くのテニス選手は、次に示す場所の柔軟性を向上させることを推奨している。 ・ ふくらはぎの筋肉 ・ 股関節屈筋群 ・ 肩の外転筋群(内転筋群も含めて) ・ 背筋群 もちろん、身体全体の柔軟性が推奨される。 (オンコート上でのパフォーマンスを最適にする上でも) 筋力トレーニング 柔軟性の領域と同じように、筋力トレーニングは、非常に過去からいろいろ変化があった。今日のプレーヤー を見ると、高いレベルで成功を収めるためにも、パワーや持久力が必要であることは理解されている。付け加 えて、選手は、練習や試合を完全に行う上でも、怪我の避けることも必要である。結果として、筋力トレーニ ングは、より機能的にも、基本であり、またスポーツ特有のものであり、ボディービルターの筋力トレーニン グではなく、怪我の予防も含めた、テニスの特別な運動により統合されている。 筋力トレーニングプログラムは、2つの明確な要素がある。ケガの予防とパフォーマンス向上である。スポ ーツのアンバランスさの性質のため、テニスは、身体において、筋力のアンバランスさが顕著に目立つ。選手 には、アンバランスさがずっと続いているため、関節機能の正常化やケガのリスクを最低限に抑える必要があ る。テニス選手には、次の領域の筋力を発達させる必要がある。 ・ 肩の外転 ・ 股関節の外転、内転 ・ 肩甲骨を固定するための上部の背筋 ・ 中心の筋肉組織、下部の背筋 筋力づくりにおいて選手の目標は、中程度の負荷を持ちいて、15∼25 回を数セット行うような筋持久力を基本レ ベルとすべきである。この筋力の機能は、最初に発達し、運動やドリルの前に、筋力のアンバランスを直し、そ して最大筋力やパワーを向上させていく。 テニスで用いられる多くの筋力トレーニングの方法は、選手に必要な要素を含んだ多関節運動である。筋力ト レーニングプログラムを計画した時、爆発的な筋力や筋持久力を必要とする、またケガの起こしやすいからだの 部分に焦点をあてる。より高いパフォーマンスでの領域としては、肩、背筋、手首、肘、ハムストリングなどを 鍛えることが必要であろう。 トレーニングの進行 筋力トレーニングを行ってから、すぐには高い強度の運動を行うことができるわけではない。それには、やは り、漸増的に行って以下なければならなく、テニスコート上でどのように伸ばしていくかを考える必要がある。 最初のステップとして、筋力、筋持久力の基本的なレベルを立てなければならない。これは、回数を多くしての 中程度の負荷のトレーニングである。若い(思春期) 、あるいは、ケガからの回復などの選手は、この方法がよい。 他の選手については、筋力が発達した後、より高強度、そしてプライオメトリック運動やオリンピックリフトを 利用して、最大筋力やパワーのより大きな向上を目指すようにする。最終のステップとして、選手は、テニスの 特殊な動きに努力すべきである。これは、動きのパターンやコートで必要なコーディネーションなどをしっかり とトレーニングすべきである。これらの期は、選手の身体の発達の特別な時間に当てられ、1 年間のトレーニン グ期間を通して、含まれるべきである。 (ピリオダイゼーションとして言われている)筋力トレーニングは、長い 時間かかるものである。今日の選手が、助けになるものは何か、実際には、しっかりと統合されたトレーニング 計画であろう。 若い選手について考える 筋力トレーニングは、青年期、青年期以前のテニス選手に安全に用いられ、正しい運動技術が教えられ、また 質の高い筋力・コンディショニングコーチによって指導されるべきである。ガイドラインは次のとおりである。 筋力トレーニングプログラムの焦点は、基礎的な筋力と筋持久力の発達である。これは、低いレベルでのプライ オメトリック運動を含むが、高強度のパワートレーニングは、思春期まで用いるべきではない。この時期は、ア ナボリックホルモン(テストステロンなど)分泌がなく、パワートレーニングの効果はあまり大きくない。若い 選手にとっては、次のようなことを考えてもらいたい。 (安全性も含めて) ・ 選手は、情緒的成熟の期間であり、指導の方向性をしっかりと示し、筋力トレーニングの目標を理解させ るべきである。 ・ 選手間での競争は、避けるべきである。 ・ 最大負荷を試みようとする他の種目の選手の真似をすることなく、15∼25 回(セット)を数セット行うト レーニングを考えること。 ・ オーバーヘッドのような運動は避けるべきである。 ・ 運動の多くは、体重(もしくはそれ以下)を用いるべきである。 ・ セット、回数には、いつも正しい技術を強調すべきである。 道具(用具)なしでのトレーニング 選手が直面する問題として、筋力・コンディショニングプログラムを維持するために、道具(用具)に制限され るということである。用具を用いたトレーニングについては、選手には、非常に効果的とはなるが、他の手段を 用いて筋力・コンディショニング運動を行う多くの方法を持っていることは必要であろう。遠征バックにも間単 に入れておけるトレーニング用具も考えておく必要がある。Elastic bands は、脚部を筋力を発達するのみ用 いられる。(特に、股関節の外転)ストレッチコードは、rotator cuff(回旋腱板)や上背部の筋肉のトレーニ ングに利用される。小さなメディシンボールは、中心部(体幹)や身体のいろいろな部分の爆発的パワーのトレ ーニングとして利用される。コーンは、オンコートでの動きや敏捷性に用いられる。選手の体重、あるいは、他 の選手の体重の負荷抵抗を用い、筋力の発達に利用される。このようにウエイトマシンや他の器具を用いないで もいい環境づくりを行うことも重要となろう。 オンコートでの利用する 下部には、選手の筋力を発達させるための運動を示している。このリストは、大きな身体の部分から小さな部 分と構成されており、ダイナミックストレッチングからスタートし、より大きな筋力要素の強度を増大していく ようになっている。 テニスのための運動 一般的/全身的な身体 ジョギング サイドシャッフル キャリオカ・ステップ ハイ・ニー・マーチング ハイ・ニー ヒール・キック 背中/体幹 スタンディング・トランク・ローテーション ピボットを使ってのスタンディング・トランク・ローテーション ランジでのスタンディング・トランク・ローテーション ハイ・ニー・トランク・ローテーション スピン・ベント・ニー・クロスオーバー スピン・ストレート・レッグ・クロスオーバー プローン・レッグ・オーバー プローン・プレス−アップ 股関節/大腿四頭筋 レッグ・グレイドル ウオーキング・ニー・トゥ・チェスト フォワード・ハードル バックワード・ハードル オーバー・アンド・アンダー フォワード・ランジ 前腕を用いてのフォワード・ランジ バックワード・ランジ リードポジション・サイド・ステップ スピード・スケーティング ハムストリング 反転したトゥ・・タッチ(ホール・イン・ワン) キャタピラー/ハンド・ウオーク 足首 トゥ・ウオーク ヒール・ウオーク アンクル・サイクル 首/肩 ラテラル・フレクション 耳から肩へ ネック・ローテーション 顎から肩へ ネック・フレクション 顎から胸へ ショルダー・シュラッグ アーム・ハッグ ミニ・アーム・サークル フル・レンジ・アーム・サークル 90−90 内転/外転 メディシンボールのコンビネーション運動 サービス・オーバーヘッド グラウンド・ストローク ボレー REFERENCES American Academy of Paediatrics. 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