特集 1232 [12] [13] [14] [15] “Construction of Rapid Simulation Tool for Automotive CFD,”8th International Conference on Numerical Grid Generation in Computational Field Simulation, pp. 81-90, (2002) C. S. Peskin,“A Three-Dimensional Method for Blood Flow in the Heart I. Immersed Elastic Fibers in a Viscous Incompressible Fluid,”J. Comput. Phys., 81, pp. 372-405, (1989) J.A. Sethian,“Level Set Methods and Fast Marching Methods,”Cambridge University press,(1996 ) S. Osher and R. Fedkiw,“Level Set Methods and Dynamic Implicit Surface,”Springer-Verlag,(2003 ) T. Yabe, H. Mizoe, K. Takizawa, H. Moriki, H.N Im, and Y. Ogata,“Higher-order schemes with CIP method and adaptive Soroban grid towards mesh-free scheme,”J. Comput. Phys, 194, pp. 57-77,(2004 ) [16] 白 崎 実、 小野 謙二、大竹 豊、“陰関数と直交格子ソル バー群のカップリング” 、第18回数値流体力学シンポジ ウム講演要旨集、p. 233,(2004 ) [17] 渡辺大介、茅暁陽、小野謙二、金小鋼、“視線情報に基 づくながれの可視化システム” 、第33回可視化情報シン ポジウム講演論文集、D211, pp. 255-258,(2005) [18] 藤 井 孝 藏、 “CFD に 関 わ る 可 視 化 技 術” 、可視化情報 Vol.25, No.98, pp. 187-192,(2005 ) [19] 小野謙二、吉川広幸、俵展丈、 “次世代可視化システム のプラットホーム” 、第33回可視化情報シンポジウム講 演論文集、D209, pp. 249--250,(2005 ) [20] 小野謙二、吉川広幸、“マルチプラットホーム可視化 API の設計と開発”、可視化情報学会全国講演会講演論文 集、(2005) [21] http://www.wxwidgets.org/ [22] http://xmlsoft.org/index.html 計算機好きのCAE分野での仕事歴 清水 史也 第二回 PC用解析ソフト群の開発 今回は、1980年代の中ごろにパソコン用の解析ソフト群を開発した際の裏話を紹介させていただき ます。 開発環境が構築可能なコンピュータのオーナーとなったのは、冬の賞与支給後に秋葉原に出向いて ハードディスク(10MB)を搭載した最初の機種であるPC98F3(CPUはインテル8086)を購入した1984年 初頭のことになります。標準実装メモリは128KBなのでフル装備(1024KB)に増設し、浮動小数点演 算プロセッサも購入しました。(当時コプロだけでも15万円位したはずです。)全体価格は、賞与支給 額を上回っていましたが、出費よりも自己所有のマシンを入手した喜びが大きかったはずです。PC用 解析ソフトの開発には、この他MRIで導入したPC98XA、IBM5550、J3100等も活躍してくれることに なりました。 自宅での開発作業を想定して、ハードディスクが搭載されるマシンが発売されるまで、待っていた ということです。当時のパソコンでの開発は、使用言語はBASICというのが、ほぼ必然的な選択肢だっ たはずですが、Fortranを使って業務対応ということを当初から想定していました。N88-BASICの限界 に関してはパフォーマンスや演算精度の問題があったわけですが、私自身の信念がパソコンも一種の コンピュータということであり、より上位の機種群と異なる開発環境や言語を使用する特殊な世界の プレーヤにはなりたくないと考えていました。当時のPC98用には、MIFESなどの性能的にも画期的な エディタソフトが出現し始めたころで、日本語が簡単に扱えることと相俟って、開発環境としてもか なりのレベルだったはずです。少なくとも、IBM系の汎用大型機との比較では雲泥の差で使い勝手が 良くなっていました。 会社の業務で蓄積されたFortranでのソフトウェア資産を、PC上で商品化するという発想も、ある時 点から強く意識しました。シンクタンク業界の仕事は、原則として受託ベースであるため、業務経験を 重ねるとともに技術・ノウハウは蓄積されるのですが、あくまで個人の技術でしかありません。また、 特定テーマのプロジェクトは長くても数年のスパンであり、結局は常に最先端を行くための研鑽・チャ レンジを続けることになります。このこと自身はこの業界のおもしろさ・やりがいではあるものの、長 い会社人生を考えたり、高残業体質からの脱皮の議論が出たりすると、後に私の上司が言い出した「ス トック型事業」の典型パターンとして、PC版解析ソフトの開発・販売を意図したのだと記憶しています。 (P15へ続く) (10) 計算工学 CFD最新技術 ■参考文献 [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] 2002, pp. 490-496. [11] Ito, Y. and Nakahashi, K.,“Surface Triangulation for Polygonal Models Based on CAD Data,”International Journal for Numerical Methods in Fluids, Vol. 39, Issue 1, 2002, pp. 75-96. [12] Zhou, T. and Shimada, K.,“An Angle-Based Approach to Two-dimensional Mesh Smoothing,”Proceedings of the 9th International Meshing Roundtable, 2000, pp.373-384. [13] 伊藤 靖、Shih, A. M. and Soni, B. K.,“生 医学的応用のため の非構造格子生成、”第18回数値流体力学シンポジウム、 東京、2004. [14] Ito, Y., Shum, P. C., Shih, A. M., Soni, B. K. and Nakahashi, K.,“Robust Generation of High-Quality Unstructured Meshes on Realistic Biomedical Geometry,”International Journal for Numerical Methods in Engineering, to be published. Lorensen, W. E. and Cline, H. E.,“Marching Cubes: A High Resolution 3D Surface Construction Algorithm,”Computer Graphics, Vol. 21, No. 4, 1987, pp. 163-169. Yerry, M. A. and Shephard, M. S.,“A Modified Quadtree Approach to the Finite Element Mesh Generation,”IEEE Computer Graphics and Application, Vol. 3, 1983, pp. 39-46. Yerry, M. A. and Shephard, M. S.,“Three-Dimensional Mesh Generation by Modified Octree Technique,”International Journal for Numerical Methods in Engineering, Vol. 20, 1984, pp. 1965-1990. ` Vide,”Izvestia Akademii Nauk Delaunay, B.,“Sur la Sphere SSSR, Otdelenie Matematicheskikh i Estestvennykh Nauk, Vol. 7, 1934, pp. 793-800. Shewchuk, J. R.,“Adaptive Precision Floating-Point Arithmetic and Fast Robust Geometric Predicates,”Discrete & Computational Geometry, Vol. 18, 1997, pp. 305-363. Lawson, C. L.,“Software for C1 Surface Interpolation,” Mathematical Software III (Rice, J. R., editor), Academic Press, New York, 1977, pp. 161-194. Muller, J. D. Roe, P. L. and Deconinck, H.,“A Frontal [15] Miller, G. L., Talmor, D. and Teng, S.-H.,“Optimal Coarsening of Unstructured Meshes,”Journal of Algorithms, Vol. 31, 1999, pp. 29-65. [16] Ito, Y., Shih, A. M. and Soni, B. K.,“Reliable Isotropic Tetrahedral Mesh Generation Based on an Advancing Front Method,”Proceedings of the 13th International Meshing ‥ Roundtable, Williamsburg, VA, 2004, pp. 95-105. [17] Ito, Y. and Nakahashi, K.,“Improvements in the Reliability and Quality of Unstructured Hybrid Mesh Generation,” International Journal for Numerical Methods in Fluids, Vol. 45, Issue 1, 2004, pp. 79-108. [18] Ito, Y., Shih, A. M., Soni, B. K. and Nakahashi, K.,“An Approach to Generate High Quality Unstructured Hybrid Meshes,”44th AIAA Aerospace Sciences Meeting and Exhibit, Approach for Node Generation in Delaunay Triangulations,” AGARD Report 787, Special Course on Unstructured Grid Methods for Advection Dominated Flows, 1992, pp. 9.1-9.7. Mavriplis, D. J.,“An Advancing Front Delaunay Triangulation Algorithm Designed for Robustness,”Journal of Computational Physics, Vol. 117, 1995, pp. 90-101. [9] Marcum, D. L. and Weatherill, N. P.,“Unstructured Grid Generation Using Iterative Point Insertion and Local Reconnection,”AIAA Journal, Vol. 33, No. 9, 1995, pp.1619-1625. [10] Ito, Y. and Nakahashi, K.,“Direct Surface Triangulation Using Stereolithography Data,”AIAA Journal, Vol. 40, No. 3, [8] Reno, NV, January 2006, accepted. [19] Murayama, M., Yamamoto, K., and Kobayashi, K.,“Validation of Flows on High-Lift Configurations by Structured- and Unstructured- Mesh Method,”AIAA Paper 2005-1226, 2005. (P10より続く) PC版解析ソフトの開発は、大別して二つのパターンで実施 していきました。一つは、プロジェクトの中に解析ソフトの 開発作業(主としてVAX)が含まれていて、著作権がMRIに残っ ていたものです。熱伝導解析、熱流動解析ソフトなどがこの 範疇でした。磁場解析ソフトは、最初からPC上での運用を想 定し、新卒採用スタッフの教育も兼ねて自主開発しました。 もう一つのパターンは、米国で開発された公開コードをベー スに、MRIで開発したプリ・ポスト機能を添付して商品化し たものです。衝撃解析ソフト等がこの範疇です。図は、これ らのソフト群を紹介した往時のパンフレットになります。 (P20へ続く) Vol.10, No.4 2005 1237 (15) 特集 1242 は持たない。自乗量保存特性を満足する差分スキーム の導入により、数値散逸等を加えずに非線形不安定性 を抑制できる。エネルギー保存形の高次精度移流項差 分スキームについては文献[2]を参照のこと。 最後に、従来の LES でも大規模な線形方程式を時間 ステップ毎に解く必要はあったが、LES の適用が近年 ますます複雑な流れ場へと拡がっており、LES でも従 来の工学的 CFD 並みあるいはそれ以上により高速でロ バストな線形方程式の解法の導入が不可欠になってき た。大規模疎行列の繰り返し解法に関して最近の教科 書[3]を挙げておく。 夫として、エネルギー(自乗量)保存形の移流項差分ス キームの導入がある。これは、非粘性の極限において 質量および運動量の保存則から従属的に運動エネル ギーの保存則が導かれるという解析的な関係が離散的 にも満足される移流項の差分スキームである。図5に説 明されるとおり、離散化された保存則は変数の平均値 に対する拘束力は持つが、変動の成長に対する拘束力 自乗量非保存 初期場 ■参考文献 [1] 時間経過 [2] 自乗量保存 [3] 図5 非定常計算における自乗量保存特性の重要性 P. Sagaut, Large Eddy Simulation for Incompressible Flows, Second ed., Springer(2002 ). Y. Morinishi, T.S. Lund, O.V. Vasilyev, P. Moin, Fully Conservative Higher Order Finite Difference Schemes for Incompressible Flow, J. Comput. Phys. 143(1998 ), pp.90-124. Y. Saad, Iterative Methods for Sparse Linear Systems, Second ed., SIAM(2003 ). (P15より続く) 動的非線形解析のPC用ソフト群に関しては、成果等を機械設計誌の1986年8月号に紹介させていた だいております。二次元陽解法FEMのHONDO2と非線形バネ・質量系解析のSHOCKが対象で、前者に 関しては、機械学会の放射性輸送容器の落下に関する委員会のベンチマーク問題や、拡張機能として 要素単位での非常にプリミティブな破壊を考慮可能な弾塑性モデルを組み込んでトライした貫通問題 などを記載しています。この記事は、韓国のMACHINE DESIGN誌の1988年8月号にハングル語に翻訳 されて転載されています。自分が読むことができない言語に論文が翻訳されるというのは、かなり不 思議な体験であることを実感した次第です。 PC用の解析ソフトの商品化は、1)メモリ制約との戦い、2)良い開発環境の選択、3)グラフィック 機能との調和がポイントでした。(グラフィック機能に関しては次回記事で触れます。) SAPが最初かどうかはわかりませんが、FEMソフトのメモリ使用効率を最大化する手法として、一 次元の大配列に全ての情報を格納する、というアプローチが採用されている例が多かったと思います。 MRIが自主開発したソフト群では、この手法は採用せず、モデル情報は個別のCOMMON中の配列群 で定義していた例が多く、これらの配列のサイズが節点数・要素数の上限を決定していました。メモ リを最も消費するのは、なんと言っても全体剛性マトリックスになります。(この観点では陽解法動 解析ソフトは全体剛性を持たないので、PC向きではありました。)これを搭載する配列をどう扱うか が、対象モデルのサイズをできる限り大きくしたいというニーズに対応する、工夫のしどころになる わけです。メモリサイズの制約は、MS-DOSの場合は640KBだった(OS使用部分も含めて)のですが、 初期の汎用大型機でも同様の制約があったわけであり、先人の論文資産を参考に、剛性マトリックス 格納用の配列のインデックスを関数経由で渡して、この関数が実質的な仮想記憶(ワーク用ファイル I/Oを使用したページング)の処理を実現するというテクニックも実装していました。さらには、解析 コード部分に関してもオーバーレーを使用するなどの涙ぐましい努力を施しても、結局二次元FEM解 析ソフト群では2000節点程度の制限が課せられていました。 (P26へ続く) (20) 計算工学 特集 1248 107(2002), 4609. Xiao,F., Computational Fluid Dynamics. 2002, eds. S. Armfield et al., Springer,2003, 106. [10] Xiao,F., J. Comput. Phys., 195(2004), 629. [11] Xiao,F., R.Akoh, S.Ii, J. Comput. Phys., in press(2005). [12] Xiao,F., A.Ikebata and T.Hasegawa, Computers & Structures, 83(2005), 409. [13] Ii,S., M.Shimuta, F.Xiao, Comput. Phys. Commun. In press (2005). [14] 伊井、紫牟田、肖、第18回計算力学講演会、筑波大学、 2005年11月. [15] Yabe,T., P.Y.Wang, J. Phys. Soc. Japan, 60(1991), 2105. [16] Shu,C.W., SIAM J. Sci. Stat. Comput. 150(1988), 1073. [17] Hirt, C.W., J. Wind Eng.Ind. Aerodyn. 46-47(1993), 327. [18] Peskin, C.S., J. Comput. Phys. 10(1972)252. [19] Hu,C., C.W.Shu,J. Comput. Phys. 150(1998), 97. [20] Wang,Z.J.,J. Comput. Phys. 178(2002)210. [21] Cockburn,B., C. W. Shu,Math. Comput. 52(1989)411. 謝辞 [9] 本稿の作成に当たって、大学院生の伊井君、赤穂君 の協力を得た。記して謝意を表する。 ■参考文献 [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] T. Yabe,and T. Aoki,Comput.Phys.Commun. 66(1991), 219. 矢部、内海、尾形、CIP 法:原子から宇宙までを解くマ ルチスケール解法、森北出版社,2003. Aoki,T, Comput. Phys. Commun. 102(1997), 132. Tanaka,R., T.Nakamura and T.Yabe, Comput. Phys. Commun. 126(2000), 232. Yabe,T., R.Tanaka, T.Nakamura and F.Xiao, Mon. Wea. Rev., 129(2001), 332. Nakamura,T, R.Tanaka, T.Yabe and K.Takizawa, J. Comput. Phys., 147(2001), 171. Xiao,F. and Yabe,T., J. Comput. Phys., 170(2001), 498. Xiao,F., T.Yabe, X.Peng and H.Kobayashi, J. Geophys. Res. (P20より続く) このMS-DOSのメモリ限界を打破するOS環境として、1986年にOS/2が出現しました。80286でハー ド的には実装された16ビット環境を生かす、最初の本格的OSでもありました。16MBまでの主メモリ がサポートされ、OS/2のV1.0のリリースに連動した先行開発作業の際には、NECやIBMから提供され るOS/2アプリケーション開発支援の仕組みも、大いに活用させて頂きました。 MS-DOSとOS/2では、8086のセグメントとオフセットによるメモリアドレス指定の伝統が色濃く残っ たメモリモデル(スモール、ラージなど)の概念があり、64KBを超えるサイズの配列を自由に扱うた めには、ヒュージ(Huge)モデルを使用する必要がありました。86系のメモリアドレス表現には、一種 の非線形性(同一アドレスに複数の表現が対応)があり、これを吸収した処理を実現できるのがヒュー ジモデルになるわけです。PC用のFortranは数多く出荷されていましたが、ヒュージモデルの配列を(パ フォーマンスを含めて)正常に扱える処理系は以外に少なく、MS-FortranもしくはRM/Fortranを開発の 主対象にしていました。(当時の主なPC用Fortranの一部はヒュージモデルの配列を下位サブルーチン に渡すことができないなどの致命的なバグを抱えていました。)MS-Fortranに関してはANSIの Fortran77規格という観点ではサブセットであり、OS/2リリース直後は、このFortranのみがOS/2サポー トだったため、先祖帰り的な苦労も発生しました。MS-DOS用のRM/Fortranには、PLINK86というオー バーレーを本格的にサポートしたリンカーが添付されていて重宝しました。(マイクロソフト社の LINKのオーバーレー機能はごくプリミティブでした。)今ならばこのような開発環境の制約等に関す る世界中の情報を、インターネット検索・入手できるわけですが、パソコン通信さえない80年代では、 基本的には、マニュアルとハードベンダーからの情報等を頼りに、自分自身で発見・確認する必要が ありました。 (P44へ続く) (26) 計算工学 1266 CAE 私の履歴書 このような考えに基づき、2001年に、東京大学生産 技術研究所の小林敏雄先生などと、わが国の計算科学 技術用ソフトウェアの開発・保守体制の確立を目指すプ ロジェクトを提案いたしました。幸い、文部科学省 情報課のプロジェクト「戦略的基盤ソフトウェア開発」 として実現しました。このプロジェクトに関連し2002 年5月にソフトウェア開発・保守を担う企業 アドバン スソフト株式会社を設立しました。戦略的基盤ソフト ウェア開発プロジェクトはアドバンスソフトと生産技 術研究所が協力して推進し、当初の目的を前倒しで達 成し今年終了しました。新たに「革新的シミュレーショ ン・ソフトウェア開発」が2005年から開始されています。 現在、アドバンスソフトは約70名の社員を有し、技 術者の90%以上が博士というわが国有数の企業に発展 しました。ソフトウェアの開発をしたいという優れた 人材が存分に腕を振るえる企業を作るというのが私の 目的です。有能な人材がアドバンスソフトに参加し活 躍してくれることを期待しています。 感 想 担当編集委員から お忙しい中、執筆いただいた小池氏は日本のシミュレー ションソフトウェアの将来を危惧し、それを打破しよう と多方面で活動されている方であり、今回その思いを熱 く語っていただき、とても示唆に富んだお話をいただき ました。 有名な熱流体解析ソフト「α-FLOW」プロジェクト開発 の中心人物であり、T-CAD等、過去にいろいろなプロジェ クト等をコーディネートしてきた経験から、今、日本の ソフトウェア開発の一番の問題点を鋭く指摘されており、 産官学連携を中心に自ら先端的なソフトウェア開発会社 を立ち上げ、世界に通用する日本発ソフトウェア開発に 真剣に取り組んでいる姿には、愛着と深い尊敬の念を感 じざるを得ません。 ソフトウェア開発に必要な持久力を如何に継続していく か、先端的シーズソフトウェアをどのように実用化して 行くか、という難題にいかに取り組むべきかを痛感させ られる記事になっており、ぜひ一読いただきたい。 (佐々木) (P26より続く) 計算工学の実務ソフトの開発には、コンパイラの機能・性能が大きく左右することをこれらの開発 業務で、骨の髄まで実感しています。マイクロソフトのMS-Fortranは、その後DEC→コンパック→HP、 さらには、インテル社へと、開発者も含めて売却・買収という変遷をたどることになったことを振り 返ると、感慨深いものがあります。Fortranからは撤退したベンダーも多々あり、GNU/GCCに関して も、g77・gfortranは後追い感が否めない状況であり、これからの開発言語としてFotranにこだわるのも 限界があると感じざるをえません。ただし、Fortranで書かれたソフトウェア資産群には、単に数値解 析のテクニックだけではなく、設計のノウハウや実験データに基づく経験式などが組み込まれている 例も多々あり、他の言語への移行の壁となっている面もあるはずです。例えば、Intel社のFortranで Pentium4のSSE3を活用するオプションを使用すると、ベクトル型スパコンCray向けに完全ベクトライ ズが施された解析ソフトが、そのままでもかなりの効率アップとなることなども経験しており、今時 のCPUの性能を有効に引き出すツールとなってい 筆者紹介 ることも事実です。CPUのクロックアップがほぼ しみず ふみや 限界点にまで到達した現在、これからのデュアル エム・アール・アイ システムズ (株)エンジニアリ ングソリューション部長。1954年9月生まれ。 コアさらにはマルチコア時代のPCの性能を引き出 1982年東京大学大学院卒、理学博士。同年(株) すコンパイラが出現してくれること(できればハー 三菱総合研究所に入社後、主として構造解析 関係の業務に従事。2001年10月より現職。 ドの進化と同期した出荷タイミングで)を切に願 2000年から日本大学生産工学部講師を兼任。 う次第です。 ブログのURL:http://blog.livedoor.jp/caesolution (44) 計算工学
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