ジンバブエ共和国月報(2014年12月) 主な出来事 【内政】 2-7日

ジンバブエ共和国月報(2014年12月)
主な出来事
【内政】
●2-7日、ハラレにて与党 ZANU-PF の第6回党大会が開催された。
●9日、シバンダ大統領府長官は、ムジュル副大統領及びその側近8閣僚の罷免を発表した。
●11日、ムガベ大統領は、ムナンガグワZANU-PF副党首及びムポコZANU-PF副党首の両名を
副大統領に指名し、9名の新大臣及び2名の新副大臣を発表した。
●21日、シバンダ大統領府長官は、2名の国務大臣及び5名の副大臣の罷免を発表した。
【外政】
●29日付ヘラルド紙によると、スイスは、10年以上停止していたジンバブエ政府への二国間援
助を再開した。
●14日、ムガベ大統領は、年次休暇のため東アジア(Far East)に出発した。
【経済】
●18日、ジンバブエ中央銀行は、米ドルの1セント、5セント、10セント、25セント相当のジンバブ
エ国内でのみ使用可能なボンド・コインの導入を開始した。
【内政】
●第6回ZANU-PF党大会の開催
2-7日、ハラレにて与党ZANU-PFの第6回党大会が開催された。同党大会にはムジュル副党首、
ムタサ同党総務局長他、ムジュル派とされている党員が欠席した。党大会決議には、ムガベ大統
領の党首兼第一書記再任の承認の他、政治局会議構成員の削減や中央委員の増員並びに第
二書記兼副党首(2名)及び全国議長を党首による指名で決定することなどを含む党規の改正が
明記された(12月8日付ヘラルド紙、ニューズデイ紙他)。
●ムジュル副大統領他8閣僚罷免の発表
9日、シバンダ大統領府長官は、ムジュル副大統領及びその側近8閣僚の罷免を発表した。右発
表で罷免された9閣僚は以下の通り。ムジュル副大統領、ムタサ大統領府付大臣、シャム情報通
信技術・郵便・クーリエサービス大臣、ゴチェ公共事業・労働・社会福祉大臣、マヴァイレ・エネル
ギー・電力・電力開発大臣、ムチェナ高等教育・科学・技術開発大臣、ネマ青年・現地化・経済強
化大臣、ムダリクワ東マショナランド州担当国務大臣、ムテゾ ・エネルギー・電力・電力開発副大
臣(12月10日付ヘラルド紙、ニューズデイ紙他)。
●ZANU-PF副党首の発表
10日、ZANU-PF 臨時党中央委員会において、ムガベ大統領は、ムナンガグワ司法・法務・議会
大臣とムポコ前駐南ア大使の両名を副党首(第2書記)に指名するとともに、両名が副大統領とな
り、金曜日(12日)に宣誓が行われる旨発言した。また同臨時中央委員会において、党最高幹部
会である政治局員を指名した(12月11日付ヘラルド紙、デイリーニュース紙他)。
●新副大統領及び新閣僚の発表
11日、ムガベ大統領は、ムナンガグワZANU-PF副党首及びムポコZANU-PF副党首の両名を副
大統領に指名し、9名の新大臣及び2名の新副大臣を発表した。12日、新たに指名された副大統
領、大臣、副大臣の宣誓式が大統領府で行われた。空席の女性・ジェンダー・コミュニティ開発大
臣などのポストについては、後日発表が行われる予定。新たに指名された閣僚は以下の通り。ム
ナンガグワ第一副大統領、ムポコ第二副大統領、カヤ・モヨ経済計画大臣(新設ポスト)、ムプミラ
公共事業・労働・社会福祉大臣、ムチングリ高等教育・科学・技術開発大臣、ウデンゲ・エネルギ
ー・電力開発大臣、ムショウェ青年・現地化・経済強化大臣、マンディワンズィラ情報通信技術・郵
便・クーリエサービス大臣、クリストファー・ムチャングワ退役軍人・解放闘争協力者・前政治犯拘
留者・抑留者福祉サービス大臣(新設ポスト)、チメネ・マニカランド州担当国務大臣、マティザ東マ
ショナランド担当国務大臣、ムゼンダ・エネルギー・電力開発副大臣、モニカ・ムチャングワ・メデイ
ア・情報・放送副大臣(12月12日付ヘラルド紙)。
●7閣僚罷免の発表
21日、シバンダ大統領府長官は、ムガベ大統領が2名の国務大臣及び5名の副大臣を業務実績
不振の理由で罷免した旨発表した。右発表で罷免された閣僚以下のとおり。ブカ大統領担当国務
大臣、ングニ副大統領室付国務大臣、チメザ保健・児童福祉副大臣、ムゼンダ公共事業・労働・
社会福祉副大臣、サヴァヌ土地・地方再定住副大臣、カゴニェ運輸・インフラ開発副大臣、チャスィ
司法・法務・議会担当副大臣(12月22日付ヘラルド紙)。
【外政】
●国連による開発支援
3日付ヘラルド紙によると、国連機関は、ジンバブエ・国連による開発支援フレームワーク(ZUND
AF)を延長し、来年3四半期で393万米ドルの支援を行う。ZUNDAFとは、国の開発優先事項及
びミレニアム開発目標を達成するための国連機関の戦略的枠組みであり、2012年以降、12億
米ドルが拠出され,貧困削減,食料・栄養安全保障に大きな役割を果たしてきた。パラジュリ当国
国連地域コーディネーター兼UNDP地域事務所長は、国連が全ての関係機関との協力関係及び
ジンバブエ政府のリーダーシップのもとでこの支援の成果をあげることが可能である旨発言した
(12月3日付ヘラルド紙)。
●ムガベ大統領の年次休暇
14日、ムガベ大統領は、年次休暇のため東アジア(Far East)に出発した。同大統領は、1月中旬
に帰国予定であり、それまでの間、ムナンガグワ新副大統領が大統領代行を務める(12月15日
付ヘラルド紙)。
●世界銀行によるジンバブエ開発基金への支援
18日付ヘラルド紙によると、世界銀行及びドナー各国は、ジンバブエ開発基金に対し、来年1億
米ドル以上の支援を行う予定である。同基金は、これまでジンバブエに対し、4千4百万米ドルの
支援を行っており、さらなる支援が期待されていた。また、今月、世界銀行は、カリバダム改修事
業を承認した。同プロジェクトに対して、国際開発機関から7千5百万米ドルの資金が供与され、さ
らに、スウェーデンから2千5百万米ドル、アフリカ開発銀行から7千5百万米ドル、EUから1億米
ドルが拠出される予定(12月18日付ヘラルド紙)。
●スイスの二国間援助再開
29日付ヘラルド紙によると、スイスは、10年以上停止していたジンバブエ政府への二国間援助
を再開した。スイスは、2週間前にマシンゴの小規模農家の灌漑施設の改修のための630万ドル
の支援パッケージを発表した。ラビザリ・スイス大使は、スイス政府はジンバブエ政府との関係改
善を強く望んでいる旨発言した(12月29日付ヘラルド紙)。
【経済】
●経済特区設置に係るチナマサ財務・経済開発大臣の発言
2日付ニューズデイ紙によると、チナマサ財務・経済開発大臣は、数週間以内に経済特区設置に
係る書類を閣議にかける予定である旨発言した(12月2日付ニューズデイ紙)。
●ジンバブエ鉄道公社と南アフリカ開発銀行との融資交渉
9日付ヘラルド紙によると、ジンバブエ鉄道公社(NRZ)は、南アフリカ開発銀行(DBSA)との間で6
億5300万ドルの融資に係る合意を近日中に締結する予定である。ムポフ運輸・インフラ開発大
臣は、同交渉がほとんど合意に達している旨発言した。本件融資については、かつてDBSAから
提供されたプラムツリー・ブラワヨ・ムタレ間の幹線道路の改修に対する2億600万ドルの融資の
返済方法(幹線道路料金所において徴収された資金から返済)と同様に、鉄道料金から返済が行
われる予定。なお、上述幹線道路の改修は事業の95%が完了している(9日付ヘラルド紙)。
●ボンド・コインの導入
18日、ジンバブエ中央銀行は、米ドルの1セント、5セント、10セント、25セント相当のジンバブエ
国内でのみ使用可能なボンド・コインの導入を開始した。ジンバブエでは複数外貨制が採用され、
主に米ドルが流通し、米ドル及び南アフリカ・ランドの硬貨を使用しているものの、硬貨不足のた
め、おつりが生じる支払いの際、おつりをキャンディやペンなどの現物で支払う場合が散見された。
今次ボンド・コインの導入は、こうした硬貨不足の解消を目的としてなされた(19日ニューズデイ
紙、デイリーニュース紙他)。