実践的応用力の獲得を目指したネットワーク・サーバ管理講座 報告書

実践的応用力の獲得を目指したネットワーク・サーバ管理講座 報告書
実施責任者
小谷彬(情報学研究科 社会情報学専攻 田中研 修士 1 年)
実施目的
昨今、組織の情報化が進んでおり、コンピュータネットワークなしでは業務が成り立た
ない。大学の研究室においてもこれは当てはまり、個々人のコンピュータをネットワーク
で接続し、ウェブ・メール・ファイルサーバを構築することは必須のこととなっている。
しかしながら、各組織においてネットワーク・サーバ管理に関する教育は完全であるとは
言えず、そのことは不正アクセスや情報漏洩などセキュリティ上の深刻な問題を引き起こ
す原因のひとつとなっている。また、効率的な研究環境のためにもネットワークの整備が
必要である。以上のようにネットワーク・サーバ管理に関する教育は急務かつ重要であり、
組織の各人がその知識を持つことが求められる。
本プロジェクトでは、ネットワーク・サーバ管理者としての心構え・基本的知識の教育
を、社会情報モデル講座の大学院生が主導となって行い、組織の一員としてネットワーク・
セキュリティへの関心を高める。さらには実際の研究室におけるネットワーク・サーバ管
理の具体的事例を交えて、発展的知識を獲得し、実践的な応用力を養う。
実施スケジュール
2006 年 3 月 8 日(水)
田中研究室二条オフィスにおいて、ネットワーク・サーバ管理
講座の開催
・ ネットワーク管理者とは
・ 田中研サーバ管理の歴史
・ ネットワーク概要
2006 年 3 月 9 日(木)
田中研究室二条オフィスにおいて、ネットワーク・サーバ管理
講座の開催
・ LAN と Ethernet
・ IP アドレスとネットワーク
・ TCP,UDP,ポート,コネクション
・ ドメインと DNS
2006 年 3 月 10 日(金) 田中研究室二条オフィスにおいて、ネットワーク・サーバ管理
講座の開催
・ アプリケーションプロトコル
・ 無線 LAN
・ 認証
・ ネットワークセキュリティ
実施体制
本プログラムの目的は学生のリーダーシップ能力育成であるため、本研究科の大学院生
により、企画立案から実施までを行った。また、情報図書館学分野の大学院生のみならず、
専攻内の各分野にも開放して参加者を集めた。さらに兵庫県立大学 環境人間学部 環境人
間学科 社会システム環境学大講座 環境情報コース 情報メディア研究室に対してテレビ
会議システムを用いての遠隔講義も行なった。
・コーディネータ
小谷彬(社会情報学専攻 田中研)
・講師
竹原幹人(社会情報学専攻 田中研)
・講座参加者
(社会情報学専攻 田中研)
大島裕明、高見真也、赤星祐平、服部峻、河重貴洋、山口雅史、郡宏志、
木村塁、伊藤智博、白砂健一、田馳
(社会情報学専攻 石田研)
Cho Heeryon
(社会情報学専攻 生物資源情報学分野)
小邨孝明
(兵庫県立大学)
北山大輔
リーダーシップ養成の効果
計画や当日の進行までを大学院生により行うという経験により得られた成果は、今後研
究活動を進めていく上で有意義であるのはもちろん、所属研究室や研究科全体にもよい影
響を与えるものであると期待できる。講座中にも活発な質疑が行われ、ネットワーク・サ
ーバ管理に対して、興味の高さが伺い知れ多くの学生による知識共有の場にもなった。講
座中に実例のプレゼンテーションやデモンストレーションも行なわれ、実践的な内容であ
った。また、テレビ会議システムを用いての遠隔講義を行なうことにより他大学との大学
院生との交流も行なえた。これらをふまえると、組織の一員としてネットワーク・セキュ
リティへの関心を高め、知識を獲得し、実践的な応用力を養うという目的は達成されたも
のと考えられる。
講座の様子
所感
研究室内のネットワーク管理やサーバ管理については、従来から、学生の自発的な協力
に支えられている面が多々あり、その知識やノウハウは毎年何らかの形で継承されてきて
いる。今回の講座の提案は、管理に関する実践的な知識やノウハウの伝達を、学生が主体
となって組織的・体系的に行うことを目的としており、他研究室からの参加者も得られ、
その目的は十分に達成できたと考えられる。本講座は、当初、サーバ管理を行ってきた学
生の自発的な提案がなされ、それを指導教員が、魅力ある大学院教育イニシャティブ経費
によって支援する価値が十分にあると考え実施したものであるが、学生の自発的・積極的
な取り組みには敬意と謝意を表したい。(田中克己)