MFJアンチドーピング規則 - 日本モーターサイクルスポーツ協会

2013 MOTORCYCLE SPORTS RULES
付則2
MFJアンチドーピング規則
なぜ「アンチ・ドーピング」なのか?
ドーピングを禁止する理由は、大きく分けて以下の4つがあげられます。
(1)選手自身の健康を害する
ドーピングは薬を使用する方法が一般的ですが、競技能力を高めるために意図的に使用される
量と頻度には制限がきかないため、病気や怪我の治療のために使用されるときとは比べられない
危険性があります。本来の想定外の量と頻度で薬を使用することは体を壊してしまう危険性があ
るため、ドーピングは禁止されています。
(2)不誠実(アンフェア)
スポーツ界はドーピングに対してはっきりと反対の姿勢を示していますので、大会に参加する
にはドーピング禁止規程を守ることが条件です。スポーツ界の参加資格としてみんなが守ってい
る禁止規程を自分だけこっそりと守らないで有利になろうとすることは不誠実です。
(3)社会悪
特に一流の選手には青少年に対する役割モデルが期待されています。選手が薬を使って一流に
なっているとなれば、必ずそれをまねする青少年が出てきます。選手が薬まみれにならなければ
大会に参加したり勝てないようでは、そのスポーツは社会的認知を得られません。
(4)スポーツ固有の価値を損ねる
スポーツ固有の価値には、
「倫理観、フェアプレー、誠意、健康、優れた競技能力、人格と教育、
喜びと楽しみ、チームワーク、献身と真摯な取組み、規則・法規への敬意、自他への敬意、勇敢さ、
共同体・連帯意識」があげられ、これらの価値がスポーツの中で、またスポーツを通じて培われ
ると期待されています。決して「優れた競技能力」だけに価値を認めているのではなく、競技能
力は多くの価値の中の一つに過ぎません。
いくら世界記録を出したり、良い成績を残したとしても、ドーピングに手を染めた選手は絶対
に認めてもらえません。
このようにドーピングは、健康への害、不誠実、社会悪といった「悪」につながるだけでなく、
スポーツの価値や意味そのものを「否定」してしまうからこそ禁止されているのです。
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第1章 総則
第1条
ドーピングは、スポーツと医学の倫理に反する。
一般財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会(以下「本協会」という)は、㈶日本アンチ
ドーピング機構(以下JADAという) に加盟し、JADAの定める規則並びにFIMメディカル・ コ
ードを尊重し、アンチ・ドーピングを推進する。
第2条
本協会は、ドーピングを禁止する。
第3条
ドーピングとは、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)規定の禁止リスト並びにFIMメディ
カルコードに規定された禁止物質および禁止方法の使用に該当することをいう。
第4条
本協会は、本協会が公認・承認する競技会に出場する選手、および本協会が国際競技大会へ派
遣する日本代表選手(候補を含む)を対象としてドーピング検査を行う。
第5条
第4条に規程される競技者は、本協会から要請があった場合には、ドーピング検査を受けなけ
ればならない。
検査を拒否した場合は、理由の如何に関らず陽性と判断され、制裁が科される。
第6条
本協会は、ドーピングを行った競技者に対して制裁を科す。
競技者にドーピングを強要したり、勧めた者、また競技者のドーピングを手助けしたり、容認
した者にも制裁を科す。
第7条
ドーピングを行わないことは、競技者自らの義務と責任である。
競技者から禁止物質が検出された場合には、ドーピングの推定を反証する責任は当該競技者にあ
る。
第2章 ドーピング防止規程
1.1 MFJは世界ドーピング防止規程(以下、
「WADA規程」という。
)及び日本ドーピング防止
付 則
1.世界ドーピング防止規程及び日本ドーピング防止規程
規程(以下、
「JADA規程」という)に基づき、ドーピング・コントロールの開始、実施に
対する責任を担うこととなった。
1.2 WADA規程に基づき、MFJは以下の役割及び責任等を担うものとする。
⑴ ドーピング防止方針及び規則がWADA規程及び日本ドーピング防止規程に準拠するこ
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付 則
と。
⑵ 国内競技連盟のドーピング防止方針及び規則がWADA規程及び日本ドーピング防止規
程に準拠することを加盟又は承認の条件とすること。
⑶ ㈶日本アンチ・ドーピング機構(以下、
「JADA」という)と協力すること。
本条項⑷は現MFJとは合到していないが、WADA規程並びにJADA規程との整合性を取るため
に記載するものである。
⑷ 国内競技連盟に通常登録していない競技者に対し、日本代表選手団の一員としてオリ
ンピック競技大会に参加するための条件として、オリンピック競技大会の開催日の1
年前から、 要求された検体採取を受け、 正確な最新の居場所情報をJADAに対し定期
的に提出するよう義務付けること。
⑸ WADA規程又は日本ドーピング防止規程に違反した競技者又は競技者支援要員に対
し、資格停止期間中、交付金及び助成金の交付の全部又は一部を停止すること。
⑹ ドーピング防止教育を奨励すること。
2.ドーピング防止規程の適用
2.1 本規程は以下の者に対して適用される。
⑴ MFJ
⑵ 競技者
⑶ 日本代表選手団のメンバー
⑷ 競技者支援要員
⑸ 国内競技連盟
2.2 ドーピング防止規則違反に対し、制裁措置が適用される。
3.義務
3.1 競技者は、以下の義務を負うものとする。
⑴ 適用されるドーピング防止方針及び規則を理解し、遵守すること。
⑵ 検体採取に応ずること。
⑶ ドーピング防止と関連して、自己が摂取し、使用するものに責任をもつこと。
⑷ 医師に、禁止物質及び禁止方法を使用してはならないという自己の義務を伝え、自己
に施される治療が、WADA規程に従って採択されたドーピング防止の方針及び規則に
違反しないことを確認する責任をもつこと。
本条項(3.2) は現MFJとは合到していないが、WADA規程並びにJADA規程との整合性を取
るために記載するものである。
3.2 MFJに通常登録していない競技者は、日本代表選手団の一員としてオリンピック競技大会
に参加するための条件として、オリンピック競技大会の開催日の1年前から、要求された
検体採取を受け、正確な最新の居場所情報をJADAに対し定期的に提出すること。
3.3 競技者支援要員は、以下の義務を負うものとする。
⑴ 自らに又は支援する競技者に適用されるドーピング防止方針及び規則を理解し、遵守
すること。
⑵ 競技者の検査プログラムに協力すること。
⑶ 競技者の価値観及び行動に対する自己の影響力を行使しドーピング防止の姿勢を育成
すること。
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4.検査
MFJは、WADA規程及び日本ドーピング防止規程に従い、ドーピング防止機関(JADAを含む)
が行う検査の分析結果を承認する。
5.本規程違反
5.1 ドーピング防止規則違反を犯すことは、本規程に違反する。
5.2 ドーピング防止規則違反を犯したか否かを判断するために、WADA規程及び日本ドーピン
グ防止規程の各第1条、第2条、第3条、第4条、第5条、第6条及び第17条が適用される。
6.ドーピング防止規則違反の承認
MFJは、全てのドーピング防止機関による、人がドーピング防止規則違反を犯したとの決定を
承認し、かつ尊重する。ただし、その認定がWADA規程及び日本ドーピング防止規程に準拠し、
関連団体の権限に基づく場合に限る。
7.MFJが科す制裁措置
7.1 ドーピング防止規則違反を犯したと認定された人は、MFJドーピングコントロール委員会
の決定に従い、制裁措置の期間、日本代表選手団又はその選考の資格、MFJからの交付金、
助成金及び補助金の交付の全部又は一部を受ける資格、並びに、MFJで役職に就く資格を
失う。
7.2 制裁措置の期間は、WADA規程及び日本ドーピング防止規程の各第10条及び第11条に従っ
て決定される。
7.3 MFJは、違反が1回目か2回目かを判断するにあたり、いかなるドーピング防止機関によ
って科された以前の制裁措置をも承認する。
8.懲戒措置手続
ドーピング防止規則違反が問われる全ての事件は、WADA規程及び日本ドーピング防止規程に
準拠して判断され、WADA規程及び日本ドーピング防止規程の条項に従って、認定がなされ、不
服申立がなされるものとする。
9.通知
本規程に基づいて制裁措置が科せられた場合には、MFJは科せられた制裁措置の詳細を下記宛
に送付する。
⑴ 国際オリンピック委員会および財団法人日本オリンピック委員会
⑵ WADA規程第14.1項及び日本ドーピング防止規程第14.3項に基づき、 通知を受ける権利を
有する者
⑶ 当該人の国際競技連盟
⑸ MFJが通知を必要と考えるその他の人
付 則
⑷ WADA及びJADA
10.不服申立て
不服申立てについては、日本ドーピング防止規程第13条の規定に従うものとする。
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付 則
11.ドーピング防止規則違反の審査
ドーピング防止規則違反を犯したとして記録された者が後日、当該ドーピング防止規則違反を
犯していないことが判明した場合、又はその他の誤りがCAS、日本スポーツ仲裁機構又はドーピ
ング防止機関により明らかになった場合、MFJはドーピング防止規則違反及びそのドーピング防
止規則違反の結果として科せられた制裁措置を取り消すものとし、本規程第9条により制裁措置
が科された旨通知された全ての人に対し、そのことを報告するものとする。
12.解釈
12.1 本規程中、以下の語は以下の意味を持つものとする。
■「ドーピング防止規則違反」とは、WADA規程及び日本ドーピング防止規程の各第2条
■「競技者」とは、WADA規程及び日本ドーピング防止規程に定義されているとおりの意
に記載されているドーピング防止規則に対する違反をいう。
味を有する。
12.2 本規程で定義されていない語は、文脈より異なる意味を持つものを除き、WADA規程及び
日本ドーピング防止規程で付与された意味を表すものとする。
第3章 本協会が実施するドーピング検査
第8条
ドーピング検査は、事前の通告をもって、または通告無しに実施される。
第9条
ドーピング検査は、本協会ドーピングコントロール委員会が任命する検査員により、検査員の
指定する場所において実施される。
第10条
検体採取は、細則で定める手続きに従って行われる。
検体の分析結果に影響するとは考えられない些細な手続きの違いは、結果に対する影響はない
ものとする。
第11条
検体の分析はWADA認定の検査機関で行われる。
第12条
検体の分析は、世界アンチ・ドーピング機構検体分析規定並びにFIMメディカルコードに則っ
て行われる。
第4章 結果の通告と制裁の手続き
第13条
検査機関からの検査結果は、本協会ドーピングコントロール委員会委員長または委員長が指定
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する代理委員に通告される。
第14条
A検体に違反を疑わせる異常所見があった場合には、本協会ドーピングコントロール委員会委
員長またはその代理委員は、本協会会長に報告する。競技者へは文書で通知し、所見に対する説
明を求める。
第15条
競技者は通知を受けてから14日以内にB検体の確認検査を要求できる。
競技者が確認検査要求の権利を放棄するか、14日以内に確認検査を要求しない場合には、ドー
ピング検査陽性と認定される。
第16条
B検体の検査には、本協会ドーピングコントロール委員会委員1名、本協会の代表者1名、選
手またはその代理人1名が立ち会うことができる。
第17条
B検体の検査結果は本協会ドーピングコントロール委員会委員長または代理委員に報告される。
本協会ドーピングコントロール委員会委員長またはその代理委員は、検査結果を本協会会長に
報告する。
第18条
B検体が陰性の場合には、ドーピング検査陰性とされる。B検体がA検体と同所見の場合には、
ドーピング検査陽性とされる。
ドーピング検査陽性の場合には、本協会は当該競技者ならびに関わりのあった者に対して制裁
を科す。
第19条
本協会は、制裁を決定する前に、競技者ならびに関係者に公正な事情聴取の場を設ける。
第20条
本協会は、本協会規則に従って制裁を科す。
第5章 制裁
第21条
公認・承認競技会への参加資格の停止である。
付 則
競技者に対する制裁は、競技結果の抹消、日本代表選手の認定取り消しおよび本協会に関わる
制裁内容は以下のとおりとし、WADA規定に則って決定する。
⑴ 厳重注意
⑵ 資格停止 2年以内
⑶ 資格停止 2年以上終身
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付 則
第22条
競技者にドーピングを強要したり、勧めた者、また競技者のドーピングを手助けしたり、容認
した者に対する制裁は、第21条に規程する制裁を上限として、必要な修正を加えて科す。
第6章 付則
第23条
このアンチ・ドーピング規程の施行についての細則は別に定める。
付則1.本規則は、2013年1月1日から施行する。
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第1章 ドーピング検査の手続き
第1条
本協会ドーピングコントロール委員会が任命する検査員からドーピング検査を要請された競技
者は、速やかに検査を受けなければならない。
検査員は本協会ドーピングコントロール委員会が発行した検査員としての任命証を競技者に提
示する。
第2条
検査員が訪れた場合には、競技者はその時点で行っている活動を終了させるために必要な相当
の時間を与えられる。なお、競技者は検査が終了するまで検査員の確認下になければならない。
検体採取は可能な限り速やかに行う。
第3条
ドーピング検査は検査員が指定する場所をドーピング検査室として実施する。
ドーピング検査室には、競技者の付き添い1名が同席することができる。
第4条
競技者は密封された採尿容器を複数の中から1つを選び、同性の検査員の確認のもとで、75ml
以上の尿を採取する。
第5条
競技者は、密封された検体容器キットを複数の中から1つ選び、尿をA、Bの検体容器に分けて
入れ、検体容器を密封する。
競技者は、過去7日間にさかのぼって、使用した薬物を申告する。
付 則
第6条
また過去6ヶ月以内の輸血の有無についても申告する。
第7条
競技者ならびに付き添い人は検査用紙、検体容器のコードナンバーがすべて一致していること、
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付 則
手続きが公正に行われたことを確認し、検査用紙に署名する。
第8条
検査員は、検査用紙、検体容器のコードナンバーが一致していること、検査用紙に記載漏れが
無いかを確認して、検査用紙に署名する。
第9条
競技者がサンプル提供を拒否した場合、検査員は検体採取を拒否することにより競技者本人が
こうむる不都合、すなわち、ドーピング検査を拒否したとみなされ処分をうけるということを、
説明しなければならない。それでもなお競技者が検体提供を拒否する場合は、検査員はこの旨を
ドーピング検査用紙に記載、署名し、競技者にも署名するよう要求する。検査員は、他にも特記
すべきことがあればドーピング検査用紙にその旨を記載する。
第2章 制裁決定までの手続き
第10条
A検体に違反を疑わせる異常所見があった場合には、この時点で、当該競技者の本協会に関わ
る事業への参加資格は一時停止される。
第11条
ドーピング検査陽性の場合には、制裁の最終決定がなされる前に、当該競技者ならびに関係者
には公正な事情聴取の場として第13条以下に定める裁定委員会が設けられる。
第12条
裁定委員会の審議をもとに、制裁を決定する。
第3章 裁定委員会
第13条
裁定委員会は、必要に応じてその都度設置する。
第14条
裁定委員会の委員は、MFJドーピングコントロール委員会委員長、当該種目委員会委員長及び
副委員長により構成されることとし、必要に応じて本協会会長が委嘱する。
第15条
裁定委員会は、検査機関に検査データについての説明を、また本協会ドーピングコントロール
委員会の意見を求めることができる。
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本細則は2013年1月1日から施行する。