第 45 回ペーシング治療研究会 ̶KOKURA − プログラム抄録集 Nov.26

第 45 回ペーシング治療研究会
̶KOKURA −
プログラム抄録集
Nov.26,2011
DR.Session CE.Session
第 45 回当番世話人
安部 治彦 産業医科大学 不整脈先端治療学講座
合屋 雅彦 小倉記念病院 循環器内科
主催 ペーシング治療研究会
第 45 回ペーシング治療研究会
̶KOKURA −
プログラム抄録集
当番世話人:安部 治彦(産業医科大学 不整脈先端治療学講座)
合屋 雅彦(小倉記念病院 循環器内科)
日時:平成 23 年 11 月 26 日(土)13:00 〜 18:00
場所:北九州国際会議場
北九州市小倉北区浅野 3-9-30
Tel 093-541-5931
* 一般演題の発表時間は、1 演題あたり症例報告 12 分、研究報告
15 分で、質疑応答時間も含まれます。
目 次
会場のご案内
2
会場・交通のご案内
3
発表要領
4
プログラム
5
DR. Session 抄録
10
CE. Session 抄録
28
ペーシング治療研究会協賛会社・展示企業一覧 / 広告
36
−
1
−
会場のご案内
北九州国際会議場
1F
DR. Session
2F
CE. Session
−
2
−
会場・交通のご案内
3F
●交通アクセス
シンボルロード
本 館
西日本総合展示場
新 館
小倉記念病院
展示場
北九州国際会議場
ペデストリアンデッキ
国道 199 号
KMM
ビル
リーガロイヤルホテル小倉
ブルーウェーブイン小倉
JR 小倉駅
ステーションホテル小倉
交通手段
JR の場合
JR 小倉駅より徒歩 5 分
北九州都市高速道路
お車の場合 ( 小倉駅北ランプより 1 分 )
( 足立ランプより 8 分 )
フェリーの場合
日明港より車 10 分
新門司港より車 30 分
砂津港より徒歩 2 分
北九州空港より 路線バス約 40 分
飛行機の場合 ( 小倉駅バスセンター下車 )
車約 30 分
−
3
−
発 表 要 領
ご発表者の先生方へ
PC を使用したご発表のみとさせていただきます。一般演題は症例報告 12 分、研究報告 15 分とし、質
疑応答時間も含みます。
ご発表データの受付は、USB フラッシュメモリまたは PC 持込みとさせていただきます。
※バックアップ用の CD-R もご持参いただくことをお勧めいたします。
後日、ライフサイエンス社より、抄録提出のご案内がありますので、ご協力の程お願い申し上げます。
ページング治療研究会事務局においてスライドファイルを別に保存し、その内容を、研究会記録集に
転載利用させて頂くことがございます。
ご発表用データ作成上の留意点
・USB メモリー又は CD-R でのデータ持込によるご発表
1. 事務局として用意します PC は Windows、プレゼンテーションソフトは Power Point です。
2. メディアを持ち込む場合は、Windows 版 Power Point 2003 又は 2007 で作成されたデータのみとい
)
たします。(Windows 7 にて作成されたデータの場合は、PC 本体を持参下さい。
Machintosh の場合は、各自の PC を持ち込んでの発表をお願いします。
3. 動画(movie file)がある場合には、各自の PC を持ち込んでの発表をお願いします。
4. 音声出力は使用出来ませんので、ご了承下さい。
・PC 持ち込みによるご発表
1. 液晶プロジェクターとの接続は、PC 本体にミニ Dsubl5 ピン外部出力コネクターが使えるものに限
ります。薄型 PC では特殊なコネクター形状になっているものもありますので、必ず付属の変換ア
ダプターを予めご確認の上ご用意をお願いします。
2. 発表中又はその準備中にバッテリー切れになることがありますので、発表には付属の AC アダプ
ターをご用意下さい。(100V)
3. 発表中にスクリーンセーバーや省電力機能で電源が切れないように、設定のご確認をお願いします。
4. 音声出力は使用出来ませんので、ご了承下さい。
・データ及び PC の受付・その他
1. 事務局で用意しますキーボード、マウスを使用し、発表者ご自身で操作して下さい。
2. データ保存する前に必ずウィルスのチェックを行って下さい。
3. 各ご発表の 30 分前までに PC 受付にて、演題受付及び動作確認をして下さい(なるべく受付予定
時間よりも早めにお願いします)。
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4
−
プログラム
12:55
開会の挨拶 当番世話人 合屋 雅彦 先生
DR. Session 大ホール
13:00 一般演題 1
演題 1 〜 5
13:00 〜 14:25
CE. Session 国際会議室
1. 洞機能不全患者における低位心房中隔ペーシン
グのメリット
産業医科大学 循環器内科 渡部 太一 先生 シンポジウム
2. 午前中にのみ心停止をきたす非定型的洞不全症
13:00 〜 14:30
候群の 1 例
九州労災病院 循環器内科 竹政 啓子 先生
3. ペーシング、 センシング不全を繰り返した超高齢
者ペースメーカ留置の一例
北海道社会保険病院心臓血管センター 心臓内科
石丸 伸司 先生
14:35 〜 15:15
一般演題 3
11. 当クリニックにおける遠隔モニタリングシステムの
送信成功率の調査
演題 11 〜 12
榊原記念クリニック 長町 千里 先生
「ペースメーカ ・ ICD ・ CRT デバイスの電磁干渉」
座長:小倉記念病院循環器科 合屋 雅彦 先生
14:40 〜 15:10
演者:USCI ホールディングス㈱ CRDM 事業テクニカ
ルフェロー、日本メドトロニック㈱上席顧問
豊島 健 先生
15:15
15:45 〜 17:00
6. 至適心房 Pacing Site の検討
−心房間伝導時間の観点から−
東邦大学医療センター大橋病院 循環器内科
伊藤 尚志 先生
7. 心室頻拍と心不全のコントロールに難渋した Glenn
術後の単心室症例に CRT-D が奏功した一例
特別講演
榊原記念病院 矢川真弓子 先生
8. リード抜去により治癒しえた MRSA 敗血症を繰り返
15:45 〜 16:45
した感染性心内膜炎の 1 例
小倉記念病院 循環器科 永島 道雄 先生
9. ペースメーカ患者の心不全入院における、 心室
ペーシング比率や QRS 幅の影響について
山口労災病院 循環器科 板垣 和男 先生
10. ペースメーカのポケット作成部位の検討—精神面、
機能的、 および美容的観点から : アンケート調
査を通じて
東邦大学医療センター大橋病院 循環器内科
武中 宏樹 先生
16:45
17:00
17:10 特別講演
17:10 〜 18:00
18:00
12. レートブランチの振り分けミスによる ICD 作動に対
する考察
熊本大学医学部附属病院 ME 機器センター
佐藤 邦昭 先生
休憩 ・ 企業展示 ・ 世話人会 (15:10 〜 15:45)
休憩 ・ 企業展示 ・ 世話人会 (15:15 〜 15:45)
一般演題 2
演題 6 〜 10
1. アンケート報告 (座長より)
CE に任せて不安なこと —メーカーとして−
3) 遠隔モニタリングシステム関連業務の現状と課題
広島大学病院 岡原 重幸 先生
15:10
15:45
江口 祐三 先生
伊藤 朋晃 先生
2) ハイパワーデバイス関連業務の現状と課題
京都桂病院 井野 裕也 先生
5. デバイス患者に室房逆伝導テストを行うことの臨床
的意義
産業医科大学 循環器内科 河野 律子 先生
教育講演
座長:九州医療センター
小倉記念病院
2. シンポジウム
1) ブラディーデバイス関連業務の現状と課題
福岡市医師会成人病センター 濱 孝一 先生
4. 原因不明のデバイスリセットが起こった 2 症例
九州厚生年金病院 総合診療科 菊池 幹 先生
14:25
14:30
14:35
14:40
ペースメーカ業務を再考する
「ICD の不適切、 不必要作動抑制の検討」
座長:産業医科大学不整脈先端治療学講座
安部 治彦 先生
演者:東邦大学大橋病院循環器内科講師
野呂 眞人 先生
閉会の挨拶 当番世話人 安部 治彦 先生
−
5
−
「ペースメーカチェックのポイントとトラブルシューティング」
座長:横浜市立脳血管医療センター
綿引 哲夫 先生
演者:済生会熊本病院 堺 美郎 先生
12:55 〜 13:00
開会の挨拶
当番世話人 合屋 雅彦 先生 DR. Session
13:00 〜 14:25 大ホール
座長:横浜市立大学 循環器内科
石川 利之 先生
板橋中央総合病院不整脈・心不全科 中島 博 先生
一般演題 1
1
洞機能不全患者における低位心房中隔ペーシングのメリット
産業医科大学 循環器内科 渡部 太一 先生
2
午前中にのみ心停止をきたす非定型的洞不全症候群の 1 例
九州労災病院 循環器内科 竹政 啓子 先生
3
ペーシング、センシング不全を繰り返した超高齢者ペースメーカ留置の一例
北海道社会保険病院心臓血管センター 心臓内科 石丸 伸司 先生
4
原因不明のデバイスリセットが起こった 2 症例
九州厚生年金病院 総合診療科 菊池 幹 先生
5
デバイス患者に室房逆伝導テストを行うことの臨床的意義
産業医科大学 循環器内科 河野 律子 先生
14:25 〜 14:35 休憩
14:35 〜 15:15 大ホール
教育講演
座長:小倉記念病院循環器内科 合屋 雅彦 先生
「ペースメーカ・ICD・CRT デバイスの電磁干渉」
USCI ホールディングス CRDM 事業テクニカルフェロー、日本メドトロニック上席顧問 豊島 健 先生
15:15 〜 15:45 休憩 ・ 企業展示 ・ 世話人会
15:45 〜 17:00 大ホール
一般演題 2
6
座長:日本医科大学多摩永山病院循環器内科
産業医科大学 循環器内科
井川 修 先生
荻ノ沢泰司 先生
至適心房 Pacing Site の検討 —心房間伝導時間の観点から−
東邦大学医療センター大橋病院 循環器内科 伊藤 尚志 先生
7
心室頻拍と心不全のコントロールに難渋した Glenn 術後の単心室症例に CRT-D が奏功した一例
榊原記念病院 矢川真弓子 先生
8
リード抜去により治癒しえた MRSA 敗血症を繰り返した感染性心内膜炎の 1 例
小倉記念病院 循環器科 永島 道雄 先生
−
6
−
9
ペースメーカ患者の心不全入院における、心室ペーシング比率や QRS 幅の影響について
山口労災病院 循環器科 板垣 和男 先生
10
ペースメーカのポケット作成部位の検討—精神面、機能的、および美容的観点から:
アンケート調査を通じて
東邦大学医療センター大橋病院 循環器内科 武中 宏樹 先生
17:00 〜 17:10 休憩
17:10 〜 18:00 大ホール
特別講演
座長:産業医科大学不整脈先端治療学講座 安部 治彦 先生
「ICD の不適切、不必要作動抑制の検討」
東邦大学大橋病院循環器内科講師 野呂 眞人 先生
18:00
閉会の挨拶
当番世話人 安部 治彦 先生 −
7
−
CE. Session
13:00 〜 14:30 国際会議室
シンポジウム
座長:九州医療センター 江口 祐三 先生
小倉記念病院
伊藤 朋晃 先生
ペースメーカ業務を再考する
1
アンケート報告(座長より)
CE に任せて不安なこと —メーカーとして—
2
シンポジウム
1)ブラディーデバイス関連業務の現状と課題
福岡市医師会成人病センター 濱 孝一 先生
2)ハイパワーデバイス関連業務の現状と課題
京都桂病院 井野 裕也 先生
3)遠隔モニタリングシステム関連業務の現状と課題
広島大学病院 岡原 重幸 先生
14:30 〜 14:40 休憩
14:40 〜 15:10 国際会議室
一般演題 3
11
座長:株式会社ホクシンメディカル 販売促進部 前川 正樹 先生
当クリニックにおける遠隔モニタリングシステムの送信成功率の調査
榊原記念クリニック 長町 千里 先生
12
レートブランチの振り分けミスによる ICD 作動に対する考察
熊本大学医学部附属病院 ME 機器センター 佐藤 邦昭 先生
15:10 〜 15:45 休憩 ・ 企業展示 ・ 世話人会
15:45 〜 16:45 国際会議室
特別講演
座長:横浜市立脳血管医療センター
「ペースメーカチェックのポイントとトラブルシューティング」
済生会熊本病院 堺 美郎 先生
−
8
−
綿引 哲夫 先生
DR. Session 抄録
一般演題 1 大ホール 13:00 ∼ 14:25
座長
演題 1
横浜市立大学 循環器内科
板橋中央総合病院不整脈・心不全科
石川 利之
中島 博
洞機能不全患者における低位心房中隔ペーシングのメリット
産業医科大学 循環器内科 1、医学部不整脈先端治療学講座 2
○渡部 太一 1、安部 治彦 1,2、荻ノ沢泰司 1、河野 律子 1、尾辻 豊 1
【背景】房室伝導の保たれた洞機能不全患者(SSS)では、低位心房中隔ペーシング(LAS)を行うこ
とにより房室伝導時間の短縮が得られ、不要な心室ペーシングを回避出来る可能性がある。
【目的】SSS 患者において、低位心房中隔ペーシングと右心耳(RAA)ペーシング時の房室伝導時間
及び累積心室ペーシング率を比較検討する。
【方法】デュアルチャンバーペースメーカ(DDD もしくは DDI)を植え込まれた SSS63 症例(平均
74+/-9 歳、男性 26 例、LAS33 例、RAA30 例)を対象とし、心房ペーシング(Ap)時の房室伝導時間
(Ap-Vs)を測定し、3 ヶ月目と 1 年目の累積心房ペーシング率(Cum%Ap)と累積心室ペーシング率
(Cum%Vp)を比較した。
【結果】LAS 群と RAA 群において両群間で患者背景に差を認めなかった。Ap-Vs 時間は 3 ヶ月目(LAS
群 141+/-30 ms に 対 し RAA 群 169+/-45ms、P=0.004) と 1 年 目(LAS 群 148+/-41 ms に 対 し RAA 群
171+/-43 ms、P=0.034)ではいずれも LAS 群で Ap-Vs 時間は有意に短かった。一方、Cum%Ap は 3 ヶ
月目と 1 年目のいずれも両群間で差を認めなかったが、Cum%Vp は 3 ヶ月目(LAS 群 2.2+/-3.3% に対
し RAA 群 11.9+/-22.6%, P=0.012)と 1 年目(LAS 群 3.2+/-6.3% に対し RAA 群 12.2+/-24.1%, P=0.027)
の比較では有意に LAS 群で少なかった。
【結語】SSS における低位心房中隔ペーシングは、右心耳ペーシングと比較して、長期にわたり房室
伝導時間を短縮させることで累積心室ペーシング率を抑制しうる可能性がある。
−
10
−
一般演題 1 大ホール 13:00 ∼ 14:25
演題 2
午前中にのみ心停止をきたす非定型的洞不全症候群の 1 例
九州労災病院 循環器内科
○竹政 啓子、黒田 智寛、尾上 武志、永田 泰史、久原 孝博
症例は 74 歳女性。高血圧にて近医加療中であった。2011 年 6 月頃より午前中の立位や座位時にの
みめまい、気分不良を自覚するため当院紹介受診。血管迷走神経性失神の可能性考え、Head-up tilt 試
験を行ったが異常を認めなかった。ホルター心電図では気分不良と一致して最大 5.6 秒の洞停止を認
めた。症状出現時間が常に午前中に限定されていることや洞停止と関係なく、自覚症状が遷延する
ことより自律神経の関与が疑われたため、起立調節訓練を行った。2 週間の起立調節訓練で症状の程
度や持続時間は改善傾向にはあったが、再度ホルター心電図を施行したところ午前中に最大 4.4 秒の
心停止が確認された。運動負荷心電図では変時不全を疑わせる所見は認めなかった。EPS では SNRT
1327ms, CSNRT 341ms, SACT 92ms といずれも正常範囲であり、薬理学的除神経後も内因性固有心拍
数 64bpm, SNRT 2338ms, CSNRT 1226ms, SACT 85ms と軽度の内因性洞機能低下を認めるのみであった。
モニター心電図で、めまいの自覚と一致した洞停止を頻回に認めるため、恒久的ペースメーカ植込み
術を施行。術後は症状出現なく経過している。
今回の症例では交感神経活動の亢進している午前中のみに心電図異常と症状が出現し、夜間の副交
感神経活動時には全く異常所見を認めていないなど、通常の洞不全症候群とは異なる臨床所見を呈し
た稀なケースと考えられるので報告する。
−
11
−
一般演題 1 大ホール 13:00 ∼ 14:25
演題 3
ペーシング、センシング不全を繰り返した長高齢者ペースメーカ留置の一例
北海道社会保険病院 心臓血管センター 心臓内科
○石丸 伸司、柿木 梨沙、田所 心仁、川崎まり子、木谷 俊介、管家 鉄平、西村 邦治、
五十嵐 正、岡林 宏明、古谷 純吾、五十嵐康己、五十嵐慶一
症例は 92 歳女性。もともと左鎖骨下に VDD ペースメーカが留置されていた。前医でのジェネレー
タ交換時にリードを誤って損傷したため、新たな VDD リードを追加されたが、ペーシング、センシン
グ不全があり当科紹介となった。高齢ではあったが全身状態は良好であったため、固定の悪い VDD タ
インドリードを抜去しスクリューで A, V リードを追加することとし、V リードは中隔に固定した。当
日夜間ペーシング不全となり、胸部写真ではリードの dislodge が認められ V リードの緊急再固定術を
施行。リードを心尖部側に固定しなおした。しかしながら翌日午後再度ペーシング不全となり、再々
リード固定術を施行。心尖部は全体的に電位が悪く、センシング、ペーシングとも良好とは言いがた
かったが何とか許容できる位置に固定した。しかしながら術終了直後よりペーシング閾値の上昇が認
められた。心尖部では何れの場合も画像的にはリードに明らかな dislodge は認められなかった。再開創
しリードを固定することはデバイス、リード感染のリスクが高いと判断し、左のデバイスとリードを
抜去、右鎖骨下より新たに穿刺、ポケットを作成し V リードのみを心室中隔にスクリューで固定した。
その後ペーシング閾値が若干の上昇を認めたものの特に問題なく経過し、現在も外来フォローアップ
でペーシング、センシング閾値に異常を認めていない。超高齢者の心筋は構造的にも、電気的にも変
性が強いことが予想されるため、ペースメーカ留置に際しては注意が必要であると思われる。
−
12
−
一般演題 1 大ホール 13:00 ∼ 14:25
演題 4
原因不明のデバイスリセットが起こった 2 症例
九州厚生年金病院
○菊池 幹、岩井 敏郎、折口 秀樹、吉村 仁、林谷 俊児、宮田 健二、毛利 正博、
山本 雲平、瀬筒 康弘、山本 英雄、野間 充、多治 見司
1 症例目は 90 歳、男性。完全房室ブロックにて 16 年前に DDD ペースメーカ植え込み施行され、
10 年前、5 年前にジェネレータ交換を受けている。ある日ペースメーカ外来受診時に設定がバックアッ
プモードとなっていた。しかしながら無症状であり、原因も不明であった。設定を元に戻し経過を見
たがその後は異常を認めなかった。
2 症例目は 59 歳、男性。拡張相肥大型心筋症に伴う pulseless VT のため ICD 植え込みを行った。植
え込み後 3 年を経過したある日、動悸を自覚し来院した。心電図上、本来の設定では認められないは
ずの V pace が認められていたため、ICD チェックを行ったところバックアップモードに切り替わって
いる事が判明した。製造元にデータ抽出・解析を依頼したところ、ICD がバックアップモードに切り
替わった日時および ICD 内の時計の時間がずれている事が判明したが、原因を特定することは出来な
かった。
製造元によると、このようなデバイスリセットは体外からの電気的除細動や電気メス使用のような
高エネルギーが加わった時に起こりえるとのことであったが、どちらの症例に関しても原因と推察さ
れるようなエピソードは認められなかった。いずれの機種も以前販売されていたモデルであり、現在
のモデルでは自動修復機能がそなえられているとのことであるが、ペースメーカ管理時には認識して
おく事が重要と考えられたため、報告する。
−
13
−
一般演題 1 大ホール 13:00 ∼ 14:25
演題 5
デバイス患者に室房逆伝導テストを行うことの臨床的意義
産業医科大学 循環器内科 1、医学部不整脈先端治療学講座 2
○河野 律子 1、安部 治彦 1,2、荻ノ沢泰司 1、渡部 太一 1、尾辻 豊 1
【 目 的 】 デ バ イ ス 患 者 で は、 室 房 伝 導 の 存 在 に よ り pacemaker mediated tachycardia(PMT)や nonreentrant ventriculo-atrial synchrony(RNRVAS)が発生し、atrial high rate episodes(AHRE)として心房性
不整脈と誤認識されることがある。デバイス患者の経過観察中に逆伝導テストを行うことは、上記の
非心房性不整脈を否定するための臨床的意義があるか否かについて検討した。
【方法】対象は、ペースメーカ植込み患者 58 名(平均 76.1±8.6 歳;男性 24 名、洞不全症候群 34 名(59%)
、
21
<0.5
mV、AHRE
名(36%)、両方 3 名(5%))
。DDD(R)モードとし、心房感度は
房室ブロック
の検出は >190 bpm に設定。AHRE の誤認識を防ぐため、far-field R wave oversensing、筋電位ノイズテ
ストを行い、post ventricular blanking period(PVAB)と postventricular atrial refractory period(PVARP)、
心房感度を適切に設定した。植込み時と 6 ヶ月毎に逆伝導テストにより VA 伝導の有無を確認した。
同時に、記録された AHRE は心内心電図を用いて調べた。
【結果】平均 26.3±12.4 ヶ月のフォローアップ中 、平均来院回数は 5.9±1.8 回であり、58 名中 25 名(43%)
に室房逆伝導の存在が確認された。25 名中 17 名(68%)は、逆伝導テストで確認した(植込み時 7 名、フォ
ローアップ時 10 名)。25 名中 16 名(64%)は、AHRE として心内心電図で確認されたが、その内の 8
名は逆伝導テスト陰性であり、逆伝導テストの偽陰性率は 32% であった。
【結論】ペースメーカ植込み時 1 回のみの逆伝導テストによる VA 伝導の検出感度は 28% と低いものの、
フォローアップ中に逆伝導テストを繰り返し施行することで 68% にまで VA 伝導存在の診断率は上昇
した。しかし逆伝導テストによる室房伝導検出の再現性は低いことも判明した。ペースメーカ植込み
時に VA 伝導が検出されない場合でも、その後の PMT や RNRVAS の出現を否定することはできず、
AHRE による心房性不整脈の診断には、心内心電図での確認が必要である。
−
14
−
MEMO
教育講演 大ホール 14:35 ∼ 15:15
座長
教育講演
小倉記念病院循環器科 合屋 雅彦
ペースメーカ・ICD・CRT デバイスの電磁干渉
USCI ホールディングス㈱ CRDM 事業 テクニカルフェロー日本メドトロニック㈱ 上席顧問
○豊島 健
ペースメーカ・ICD・CRT デバイス等(以下、植込みデバイスという)は、心電位を検出すること
で動作を制御している。このとき、人体に、外部から電界や磁界が照射されると、体内に電流が流れ
始め、これが心電位に雑音として混入する。この雑音の振幅が検出感度を上回ると、植込みデバイス
は雑音に反応してしまい、正常な制御ができなくなる。このような現象を植込みデバイスの電磁干渉
(以下、EMI)という。
植込みデバイスの EMI の問題は、多くが単極電極を標準として語られている。これは、単極電極
の場合、双極電極に比べ、同じメカニズムで混入する雑音が 10 倍程度大きくなり、より EMI の影響
を受けやすいためである。ICD、CRT-D ではすべて双極電極が使用されるが、これらの通常の感度設
定は 0.15 〜 0.3mV であって、ペースメーカより 10 倍程度高感度である。このため、ペースメーカ、
CRT-P に比較するとやや EMI の影響を受けにくい程度となっている。
外部の電磁的要因によって人体に電磁的雑音が混入する経路には、人体に直接電流が流入して雑音
を発生するもの、電極リードがその走行路と電極 - 本体間に存在する生体組織で構成している 1 回巻
きコイルに変動磁界が照射されて発電の原理で雑音を発生するもの、人体の頭上に交流の高電圧が存
在し、それと地面の間に発生する電気力線の中に人体が入ると、体内に電流が誘導されて雑音を発生
するものの 3 種類がある。
身近に存在する EMI 源には、家電製品からの漏電、低周波治療器、筋のトレーニング用の刺激装置、
通電鍼治療器、電気風呂などがある。また、IH 調理器 /IH 炊飯ジャーも要注意である。一方で、高電
圧送電線規制されており、問題になることは少ない。また、職業上では、溶接機、高周波溶解炉、誘
導溶解炉、プラスチックを対象とした高周波ウェルダー等が要注意である。また、発電所、変電所、
事業所の受電装置なども問題になる。さらに医療機器では、電気メスや体外式除細動器、電位治療器、
高周波 / マイクロ波ジアテルミー機器、MRI、放射線治療機器等が問題であり、最近では X 線診断装
置が問題となってきている。携帯電話をはじめとする、電波を発射する機器については、平成 12 年以降、
総務省が毎年「電波の医療機器等への影響に関する調査研究」を行って指針を公表している。
植込みデバイスの EMI に関する網羅的なガイドラインは、日本循環器学会他 10 学会合同の「ペー
スメーカ、ICD、CRT を受けた患者の社会復帰・就学・就労に関するガイドライン」に述べられており、
「http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2008_okunura_h.pdf」からダウロードできるので、是非一読し
て頂きたい。
−
16
−
略 歴
1969 年 3 月
1969 年 4 月
1991 年 9 月
2003 年 10 月
2011 年 10 月
2011 年 11 月
2011 年 11 月
外部経歴
1986 〜 2011 年
2000 年〜
2004 〜 2011 年
2007 〜 2011 年
2007 年〜
東京電機大学工学部電子工学科卒業
東京医科歯科大学医用器材研究所
日本メドトロニック株式会社事業開発本部研究開発部
日本メドトロニック株式会社カーディアックリズムディジーズマネージメント事業部
テクニカルフェロー
日本メドトロニック株式会社定年退職
同 臨床開発・薬事統括本部兼メドトロニック・エデュケーション &
トレーニングセンター 上席顧問
USCI ホールディングス㈱ CRDM 事業 テクニカルフェロー
日本不整脈学会評議員
総務省 電波の医用機器等への影響に関する調査研究会 委員
同 ペースメーカ分科会 副主査
同 各作業部会 主査
日本不整脈学会 電磁波干渉/不具合等に関する検討委員会委員長
日本不整脈学会理事
埼玉医科大学保健医療学部非常勤講師
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一般演題 2 大ホール 15:45 ∼ 17:00
座長
演題 6
日本医科大学多摩永山病院循環器内科
産業医科大学 循環器内科
井川 修
荻ノ沢泰司
至適心房 Pacing Site の検討 −心房間伝導時間の観点から−
東邦大学医療センター大橋病院 循環器内科
○伊藤 尚志、野呂 眞人、榎本 善成、久次米真吾、森山 明義、酒井 毅、熊谷 賢太、
坂田 隆夫、杉 薫
【背景】一般に手技の簡便性等の理由から、心房にリードを留置する場合右心耳 pacing が広く行われ
ている。しかし、心房内伝導遅延があると心房細動(Af)が発生しやすくなり、さらに心房筋のリモ
デリングによる不応期の不一致が生じ Af が維持されやすくなるため、これらを是正する目的で右心
耳以外を pacing するという概念が生じた。現在までに右房内 2 点 pacing、右房と冠静脈洞(Cs)から
同時に pacing を行う両心房 pacing、心房間伝導路である Bachmann 束を直接 pacing する Bachmann 束
pacing、低位心房中隔 pacing など様々な方法が示されているが、いずれの pacing site 及び pacing 方法が
より生理的であるかは未だ明らかとなっていない。両心房間の伝導時間がより短い部位が、心房興奮
の観点からより生理的な心房 pacing site である可能性がある。
【目的】右心房の様々な部位から pacing した際に、右心房内のどの部位が左心房までの興奮伝播時間(心
房間興奮時間)が短いかを検討した。
【方法および対象】上室性頻拍症のためカテーテルアブレーションを施行した 5 例で、高位右房
(Bachmann 束)から pacing した際の Cs 遠位部(左房)までの伝導時間 Cs 入口部から pacing した際
の Cs 遠位部(左房)までの伝導時間 卵円孔から pacing した際の Cs 遠位部(左房)までの伝導時間
を比較検討した。
【結果】それぞれの Pacing 部位での心房間伝導時間を比較検討した結果、Cs 入口部からの pacing が、
今回行った pacing site の中で最も心房間伝導時間が短かった。
【考案】今回の検討では、Af 発生率等までは検討していないが、心房間の興奮伝導時間からの観点か
らは、Cs 入口部からの pacing が心房 pacing の中で最も生理的である可能性が示唆された。
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一般演題 2 大ホール 15:45 ∼ 17:00
演題 7
心室頻拍と心不全のコントロールに難渋した Glenn 術後の単心室症例に
CRT-D が奏功した一例
榊原記念病院
○矢川真弓子、井上 完起、山下 光美、谷崎 剛平、梅村 純
症例は 39 歳男性。出生時に右胸心、右室性単心室、完全大血管転位症、肺動脈弁狭窄症を指摘され
ていた。1982 年に他院で BT shunt 手術をうけるもその後の侵襲的治療は困難と判断され保存的に経過
を見られていた。2006 年に当院を受診し、同年 Glenn 手術、房室弁置換、完全房室ブロックに対してペー
スメーカー(DDD)植え込術を施行された。術後、慢性心不全及び心室頻拍(VT)と心房頻拍(AT)
の頻発に対してβ遮断薬、Amiodalone、Sotalol を導入したが、その後も心不全や不整脈のコントロー
ルに難渋し繰り返し入院加療していた。RV pacing dependent で dyssynchrony であったため 2010 年 3 月
に CRT-D への upgrade を施行した。Glenn 手術後の症例で、経静脈的アプローチが不可であったため右
側開胸術で、左室リードを以前に留置した心室リードの対側の左室側の心室に縫着、経静脈用のショッ
クリードを皮下に留置し、左腹部に CRT-D を植え込みした。重症心不全症例であり心外膜パッチ留置
による拡張障害を危惧して、経静脈用のショックリード皮下留置を選択した。CRT-D 植え込み術後、
心不全コントロールは良好となったが、不整脈に関しては slow VT と AT の rate がいずれも 110bpm 程
度で近似しており、VT detection zone の設定に苦慮した。また AT に VT を伴う dual tachycardia も頻発
していたが、zone の微調整及び AT に関しては APP/ARS 及び AT/AF burst を活用し、VT は rate が遅く
血行動態安定していることもあり、VT に関しては Burst/Ramp の回数を増やすことで shock 作動を減
らし停止し得るようになった。その後も 90 〜 100bpm のより遅い slow VT も document されたが、血
行動態は安定しており、遠隔モニタリングシステムの臨時送信を活用することで早期に対応すること
ができた。今回我々は、コントロール困難な心不全、VT、AT を持つ Glenn 術後の右室性単心室症例
に CRT-D 導入を行うことで良好なコントロールができるようになった一例を経験しため報告する。
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一般演題 2 大ホール 15:45 ∼ 17:00
演題 8
リード抜去により治癒しえた MRSA 敗血症を繰り返した感染性心内膜炎
の1例
小倉記念病院 循環器科
○永島 道雄、合屋 雅彦、廣島 謙一、牧原 優、林 健太郎、福永 真人、安珍 守、
山里将一朗、安藤 献児、延吉 正清
2009 年に発表された Heart Rhythm Society のリード抜去適応基準では繰り返すグラム陽性球菌の菌
血症は Class である。当院では MRSA 敗血症を繰り返す症例に対して、リード抜去が奏功した一例を
経験したので報告する。
症例 80 代女性 主訴は発熱。平成 19 年 9 月に前医で高度房室ブロックに対して左前胸部 DDD
ペースメーカー移植術を施行。平成 22 年 12 月に MRSA 腎盂腎炎の診断で入院加療。平成 23 年 3 月に
MRSA 敗血症の診断で入院。両側肺上葉に肺化膿症を疑う結節陰影あり。バンコマイシン投与し 5 月退院。
退院 2 日後に再度発熱あり、入院し再度 MRSA 敗血症の診断でバンコマイシン投与。7 月に退院。退院
後数日で再度発熱を認め、MRSA 敗血症となり入院。創部に問題はないが、リード感染症疑われ当院
へ転院。当院転院後の血液培養検査では 2 セットで MRSA 陽性であった。左前胸部には局所の感染所
見は認められなかった。入院後に施行した経食道心エコー検査では最大 14mm の Vegetation の付着を
3 か所に認めた。入院 5 日目に経静脈的リード抜去術を施行。心室、心房リードの培養から MRSA を
認めた。感染性心内膜炎に準じて抗生剤治療を 4 週間継続し、抗生剤を中止しても発熱などの感染徴
候なく、培養で陰性であることを確認し、右前胸部へ DDD ペースメーカー移植術を施行した。術後
感染徴候なく経過し、新規移植後 2 週間で退院となった。
結語:MRSA による敗血症を繰り返したリード感染症の一例を経験した。デバイス留置術後の繰り返
すグラム陽性球菌敗血症に対してはリード抜去が有効な症例がある。
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一般演題 2 大ホール 15:45 ∼ 17:00
演題 9
ペースメーカ患者の心不全入院における、心室ペーシング比率や QRS 幅
の影響について
山口労災病院循環器科 1、山口大学医学部保健学科 2、山口大学医学部循環病態内科学 3
○板垣 和男 1、瀧田 覚 1、関耕 三郎 1、佐々木 徹 1、清水 昭彦 2、松崎 益徳 3
方法:当院でペースメーカを植込み術を行った 112 人を対象に、心室ペーシング率や心不全入院の調
査を行い。続いて、右室中隔ペーシング(N=39)と右室心尖部ペーシング(N=22)における QRS 幅
の比較を行った。
(SSS:N=37)の 81% が 30% 未満だが、房室ブロック(AVB:
結果:心室ペーシング率は、洞機能不全症候群
N=53)の 79%、徐脈性心房細動(SAF:N=18)の 67% が、70% 以上であった。心不全入院は、SSS
で 1 人(3%)、AVB で 4 人(8%)、SAF で 5 人(28%)で、あった。その 10 例中 7 例が、心室ペーシ
ング率が 70% 以上であり、その 7 例の QRS 幅は全例 160ms 以上であった。以上から心不全入院にお
いて、心室ペーシングの与える影響は無視できないと考えられた。右室中隔ペーシングの QRS 幅(145
±14ms)は、右室心尖部ペーシングの QRS 幅(159±21ms)より短かく(P<0.01)、心室ペーシングの
悪影響を減じる可能性を示唆した。
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一般演題 2 大ホール 15:45 ∼ 17:00
演題 10
ペースメーカのポケット作成部位の検討 — 精神面、機能的、および、
美容的観点から アンケート調査を通じて
東邦大学医療センター大橋病院 循環器内科
○武中 宏樹、野呂 眞人 、伊藤 尚志、榎本 善成、久次米真吾 、森山 明義、熊谷 賢太、
酒井 毅、杉 薫
【背景】ペースメーカー植込みに際し、pacemaker mode や lead の留置部位、pacemaker のアルゴリ
ズムは考慮されるが、pacemaker generator の留置部位が考慮されることは少ない。症例によっては、
generator の留置部位を精神面、機能的、および美容的見地からも考慮する必要があると考えられる。
【 目 的 】Pacemaker generator の 留 置 部 位 を 留 置 方 法 と 機 能 的、 美 容 的 観 点 か ら 検 討 し た。 さ ら に
Generator 留置部位に関するアンケート実施した。
【方法および対象】Pacemaker 植え込み術が施行された 523 例を対象として、Generator 植え込み部位を
検討し、その部位が選択された理由と部位への留置法、および長期的な合併症の有無を検討した。さ
らに腋窩 10 例、前胸部 119 例を対象に Generator 留置部位に関するアンケート実施した。
【結果】501 名が前胸部、9 名が乳房下、12 名が腋窩、1 名が大鎖骨上窩に generator が留置されていた。
大鎖骨上窩の一名が一年後に pocket 部の皮膚潰瘍を生じた。前胸部に Generator を留置した症例のう
ち 63.0%(75 例)が留置部位に関して何らかの不満を感じているのに対し、腋窩に留置した症例では
90%(9 例)が留置部位に対して満足している結果がえられた。
【考案】多くの症例では前胸部に generator が留置されていたが、女性で特に若年女性の場合には精神的、
美容的観点からも前胸部に generator を留置することで大幅に QOL を損なう可能性がある。このため、
当院では、必要に応じて、generator の留置部位を考慮し、前胸部以外の部位にも generator 留置を試み
ている。generator を腋窩に留置することは精神面、機能的、および、美容的見地からも有用である可
能性がある。
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MEMO
特別講演 大ホール 17:10 ∼ 18:00
座長
特別講演
産業医科大学不整脈先端治療学講座 安部 治彦
ICD の不適切、不必要作動抑制の検討
東邦大学大橋病院循環器内科講師
○野呂 眞人
1980 年に植え込み型除細動器(Implantable cardiovertor defibrillator; ICD)が開発され、多くの大規
模試験により、ICD の心臓性突然死予防効果が明らかにされてきた。しかし、2008 年に、適切でも、
不適切でも、ICD の作動自体が生命予後を悪化させていることが、二つの大規模試験の検討で報告さ
れた。この報告からは、ICD 作動が予後を悪化させるのか、または、ICD の適切、不適切作動を惹起
するような疾患自体の予後が悪いのかは不詳であった。その後の検討で、ICD が適切作動する疾患の
予後が悪いことは示唆されたが、不適切作動が予後を悪化させる機序については明らかにされていない。
これらの検討から、臨床上、考慮すべきことは、不必要、不適切な ICD の作動は抑制し、且つ、ICD
作動による心筋障害を考慮して ICD の出力を抑制することと考えられる。心室頻拍や細動(VT/VF)
が発症した場合、ICD は頻拍の interval で VT/VF と認識して、決められた心拍数を満たした場合に作
動する。この心拍数を延長することで、自然停止する VT/VF や心房細動等での ICD 不必要、不適切
作動抑制が可能となるが、VT/VF を持続させることともなり、その安全性、除細動効果に疑問が残る。
今回、頻拍を感知する心拍数と ICD の不適切・不必要作動抑制効果、除細動効果の検討を、自験例を
含め報告する。
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略 歴
職歴
社会人(会社経営)を経て
平成 3 年 3 月 東邦大学医学部卒業
平成 3 年 5 月 第 85 回医師国家試験合格
平成 3 年 5 月 東邦大学大橋病院第 3 内科入局
平成 4 年 6 月 東芝中央病院循環器科出向
11
4
平成 年 月 大森日赤病院循環器科出向
平成 5 年 6 月 東邦大学大橋病院心臓血管外科出向
平成 6 年 6 月 東邦大学大橋病院第 3 内科循環器科不整脈班
平成 9 年 4 月 東京労災病院循環器科出向
平成 11 年 6 月 東邦大学大橋病院第 3 内科循環器科不整脈班
平成 13 年 5 月 国立国際医療センター循環器科出向
平成 15 年 5 月 東邦大学大橋病院第 3 内科循環器科助手
平成 20 年 12 月 東邦大学医療センター大橋病院循環器内科講師
免許、資格
平成 3 年 5 月 平成 9 年 9 月 平成 12 年 3 月 平成 12 年 9 月 平成 12 年 11 月 平成 18 年 6 月 医師免許取得(医籍番号 344139)
内科認定医取得(13332)
循環器専門医取得(12758)
産業医取得(0002021)
透析専門医取得(3615)
博士号取得
役職
臨床電気生理研究会 幹事
日本不整脈学会 評議員
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MEMO
CE. Session 抄録
シンポジウム 国際会議室 13:00 ∼ 14:30
座長
九州医療センター 江口 祐三
小倉記念病院
伊藤 朋晃
「ペースメーカ業務を再考する」
1
ブラディーデバイス関連業務の現状と課題
福岡市医師会成人病センター
○濱 孝一
当院は、許可病床 120 庄の内科系救急病院であり、日本心血管インターベンション学会の認定施設
である。
臨床工学技士は 1 名であるが、医療技術部の臨床工学科には 2 名が所属しており、1 名は臨床検査
技師である。
心臓カテーテル検査業務は医療技術部臨床検査科と業務を共有している。
昨年 4 月に不整脈専門医が来られまでは、徐脈性不整脈のペースメーカ治療の際は主治医が植え込
みにあたっていた。そのため、ペースメーカチェックも主治医の外来にこられるため臨床工学技士が
その都度ペースメーカチェックを施行していた。
昨年の 10 月より、不整脈専門医によるペースメーカ外来をはじめ、約 5 名〜 10 名の患者をメーカー
施行により行っている。
それに伴い、午前中の臨床検査業務やその他の臨床工学業務の合間にチェックする必要がなくなり、
業務に専念できるようになった。しかしながら透析業務やその他の血液浄化業務に従事している場合に、
緊急のペースメーカチェックやペースメーカ植込みが入った場合などは、業務が重なることも年に何
度か経験する。そのため医療技術部臨床検査科や看護部との業務連携が重要である。しかしながら透
析業務や血液浄化業務も緊急性があるため専門の看護師をつけることが業務シフト上できない。その
ため看護師の主な業務は血圧測定や看護記録に留まっている。またアブレーション治療がはじまり、
今後はアブレーション治療に従事する専門の技師を育てる事が急務となっている。
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シンポジウム 国際会議室 13:00 ∼ 14:30
2
ハイパワーデバイス関連業務の現状と課題
京都桂病院
○井野 裕也
近年、心臓植込み型デバイス治療は多種多様な設定調節が可能となったことで、適応範囲が拡大され、
患者個々で高度な治療効果を得られることが多く経験される。しかし、
その裏側で機能の複雑化が進み、
管理難易度が増した結果、短期間での知識の共有は困難で、不具合の発生へとつながることが問題と
なっている。その中でも、ハイパワーデバイスにおける不適切ショックが、患者の QOL だけでなく
生命予後を脅かす危険因子になりうるとの報告から、不具合の発生に対して多極的な方面から対策を
講じることの重要性に関して多く述べられている。
また、医師や看護師と共にこれらの業務に関わる臨床工学技士の需要が飛躍的に増加している背景
には、平成 20 年 4 月に医療機関等における立会い基準が開始され、メーカーの立会いを制限してい
る施設が増えている社会情勢が大きく関与している。
需要が増加すると必然的に人員の確保が検討されるが、多人数で管理を行うほど周知徹底が困難で
トラブルのリスクが増えるのも事実であるため、至適管理者人数は経験密度を確保しながら、植込み
患者管理人数に応じて変化させ、これからも適宜検討し続けることが必須である。
我々の施設では、2003 年から不整脈専属として臨床工学技士を 1 人配置させることを始め、現在で
は不整脈関連業務を 6 人で行い、その中の 2 人が不整脈専属技士として業務を行っている。現在定期
的に当院の心臓植込み型デバイス外来に通う患者管理人数は 540 名となった。
デバイスを管理する上で、個々の患者に順応させ、治療効果を得られるよう考えることも大切であ
るが、一貫して不具合を発生させないと心がけることも重要視する項目の一つとして挙げている。
そして、不具合を発生させない為に必要な要点は、いかなる場合においても確認を怠らないこと、
さまざまな情報共有の連鎖をいかに工夫して行うかを考えること。また、その得た情報を生かす努力
をし続けることである。
今回は、ハイパワーデバイスにおけるプログラマー操作を行う上での注意点とデーターベースによ
るデバイス管理活用方法を例に挙げて報告し、これらをふまえて、今後の臨床工学技士とデバイス管
理業務との関わりについてディスカッションしたい。
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シンポジウム 国際会議室 13:00 ∼ 14:30
3
遠隔モニタリングシステム関連業務の現状と課題
広島大学病院
○岡原 重幸
【はじめに】
「医療機関等における医療機器の立会いに関する基準」が 2008 年より実施されて以降、植込みデバイ
スに関連する業務を臨床工学技士が新たに担う施設が増加している。当施設もこのような背景のなか、
新規業務としてこれに参入している。ここでは当施設の遠隔モニタリングシステムに関連した業務の
現状と課題を提示する。
【遠隔モニタリングシステム(RMS)】
現在、国内では 3 社の RMS が利用可能である。RMS を活用するメリットには、綿密なデバイス管理 ,
外来時間の短縮 , 経済的負担の軽減などがあり、既に患者にとって有益なツールであることが報告さ
れている。しかし、新たなツールであること、各社のシステムには少なからず違いがあるなど、病院
内での運用方法については、統一されたものはなく、各施設で患者数、スタッフ数などの事情に合わ
せて、運用されていることと推察される。
【広島大学病院での現状と課題】
当施設では、約 600 名のデバイス植込み患者のフォローアップをしているが、このうち、130 名の患
者に対して、3 社の RMS を採用して RMS 管理を行っている。デバイス関連業務は臨床工学技士 5 名
が曜日担当制で対応しているが、RMS 関連業務については責任担当者を 1 名おいて、患者登録、スケ
ジューリング、レポート作成・チェックなどを行い、教育的な目的もあるが、再度数名でチェックを
行い、医師に報告している。RMS の運用に関しては、少人数での管理であるため、できるかぎり煩雑
とならないよう各社共通の運用方法となるよう工夫している。しかし、
地域連携やアラートの対応など、
どこまで関与していくべきか課題もある。
【おわりに】
今後の RMS のあり方として、特にデバイス外来の効率化を進めるために、その代替え手段となり得
るのか、適切な運営方法が求められている。また RMS 運営についてはメーカー側では関与できない
ため、植込みデバイスを熟知している臨床工学技士にかかる期待は大きいものと考える。
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一般演題 3 国際会議室 14:40 ∼ 15:10
座長
演題 11
株式会社ホクシンメディカル 販売促進部
前川 正樹
当クリニックにおける遠隔モニタリングシステムの送信成功率の調査
榊原記念クリニック 1、榊原記念病院 2
○長町 千里 1、井上 完起 2、小野 まい 1、前川 順子 1、鈴木 ゆず 1、宮本 和奈 1、
高田まりこ 1、山下 光美 2、辺泰 樹 1、堀川 良史 1、梅村 純 2、住吉 徹哉 1
【背景】当クリニックは循環器科専門施設である榊原記念病院の外来部門として開設された循環器専
門クリニックである。榊原記念病院(記念病院)では 2009 年 8 月から遠隔モニタリングシステム(RMS:
Remote monitoring system)を導入し、当クリニック(記念 CL)でも 2010 年秋より RMS システムの
導入説明を開始し、2011 年 10 月現在の登録患者総数は 391 名となった。記念病院で導入し退院後記
念 CL 通院や、記念病院から記念クリニックへ通院変更となった患者も多く、登録総数の内 147 名が
記念 CL 登録となりフォローアップが開始されている。
【目的】当クリニックにおける RMS の送信成功率を RMS 導入施設の違いや看護師の介入により送信
成功率が向上し得るかを調査する。
【対象】記念 CL 及び記念病院で Medtronic 社製の RMS を導入し記念 CL 登録となった 147 の内、初回
の定期送信が終了している 107 名。
【方法】RMS のデータ送信は金曜日を最終確認日としている。自動型は水曜日から送信を開始し、手
動型は木曜日を送信日とする。未送信の場合は金曜日に看護師が患者に電話連絡で送信を依頼する。
RMS 導入施設を記念 CL と記念病院に分けて、各々の初回の定期送信成功率について比較検討した。
【結果】データ送信成功率は、記念 CL での導入 30 名中 23 名(77%)に対して記念病院での導入 77
名中 69 名(92%)と記念 CL が低い傾向にあった(p=0.08)。しかし、看護師介入後の定期送信期間
中に送信が得られたのは記念 CL30 名中 30 名(100%)、記念病院 77 名中 76 名(99%)と有意差はな
く高い送信成功率が得られた。なお、記念 CL30 名中自動型 19 名(63%)に対し記念病院 77 名中自
動型 56 名(73%)と一般的に送信成功率の高い自動型の比率には有意差は認めなかった。
【結語】記念 CL の初回の定期送信成功率は、記念病院と比較し低い傾向にあったが、看護師介入によ
り記念病院と変わらず満足のいく定期送信成功率が得られた。今後は導入時の説明の改善に努め、送
信成功率の更なる向上に向け努力したい。
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一般演題 3 国際会議室 14:40 ∼ 15:10
演題 12
レートブランチの振り分けミスによる ICD 作動に対する考察
熊本大学医学部附属病院 ME 機器センター
○佐藤 邦昭、原田 大輝、小原 大輔、芦村 浩一
はじめに
ICD には上室性頻拍を識別する機能を有するが、今回上室性頻拍と思われるイベントに対してレート
ブランチによる振り分けミスによって心室性不整脈と判断され ICD が作動した症例について、その原
因と対策の検討を行なった。
症例
SJM 社製 ICD が植え込まれている患者が、意識下に ICD が作動したと来院した。
イベントに VT 治療が記録されており、上室性頻拍と考えられるイベントに対し ICD が作動していた。
解析結果では、レートブランチで V>A(心室レートが速い)であるため、その他の上室性頻拍識別
機能は使用されず優先的に治療が行われていた。
今回の振り分けミスの原因は、心房波が 1 拍アンダーセンシングしたことにより前後の心房インター
バルが延長したことと判明した。心房アンダーセンシングの原因は、心房波が 110ms のブランキング
内に隠れたためであり、ブランキングが 110ms に延長されていたのは以前のフォローアップでファー
フィールド R 波を隠すために変更した結果であった。対策としてブランキングを 60ms に戻すことに
より、その後の不適切作動はなくなった。
考察
ICD では心房でのファーフィールド R 波を強制的に隠す設定を行うことにより、今回のような心房ア
ンダーセンシングによる不適切作動の原因となりうることから注意が必要である。
今回のようにレートブランチで V>A の場合に、ノミナル設定の場合強制的に治療が行われる ICD は
3 社、他 2 社は別の識別機能が働くことにより治療を抑制出来る可能性があった。
まとめ
ICD にとって上室性頻拍の識別は重要な問題の 1 つである。今回のように原因を特定し対処すること
により不適切作動を防ぐことは患者の QOL に大きく関わることである。
レートブランチで V>A の場合に強制的に治療が行われることは安全上重要ではあるが、状況により
設定変更や使用する ICD を選択することも必要であると考えられた。
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MEMO
特別講演 国際会議室 15:45 ∼ 16:45
座長
特別講演
横浜市立脳血管医療センター 綿引 哲夫
ペースメーカチェックのポイントとトラブルシューティング
済生会熊本病院
○堺 美郎
2008 年 4 月に医療機器立ち会い基準が施行され、3 年が経過しています。また、2010 年 10 月に制
定された「臨床工学技士基本業務指針 2010」にてペースメーカ関連業務についても明記されています。
植え込みデバイス関連業務は、各医療施設スタッフ、特に臨床工学技士へ移行してきている現状です。
当院では 2004 年より、臨床工学技士による植え込みデバイス関連業務を開始しており、植え込み
デバイス患者管理数は総数 1000 人、検査は総件数 1 万件を超えている現状で、臨床工学技士 4 名で
対応しています。
最新の植え込みデバイスは、多機能化、データ解析の複雑化、各メーカ別アルゴリズムなどにより
専門的な知識、技術が必要となってきています。日本不整脈学会 CDR 制度や、日本臨床工学技士会
ペースメーカ関連業務認定技士制度なども制定されたように、専門性に特化した人材が必要とされて
います。しかし、症例数などで施設間での習練度や経験の相違があり、スタッフ育成、教育の問題な
どが課題であると考えます。
今回、当院の植え込みデバイス検査におけるルールなどや、私が体験したトラブルシューティング
をご提示させていただき、議論することで、参加皆様の植え込みデバイス関連業務の向上につながれ
ばと思います。
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略 歴
1999 年 熊本総合医療福祉学院卒
1999 年 済生会熊本病院入職
循環器科心臓カテーテル部門・不整脈部門、高気圧酸素治療部門を兼任。
学会活動・委員
日本不整脈学会 植え込みデバイストラブル関連委員会委員
日本臨床工学技士会 ペースメーカ関連委員会委員
CVIT コメディカル評議委員
ペースメーカフォローアップ研究会世話人
EP・ABL 技術研究会世話人
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ペーシング治療研究会協賛会社一覧
トーアエイヨー株式会社
日本メドトロニック株式会社
日本ライフライン株式会社
ボストンサイエンティフィック株式会社
五十音順 平成 23 年 11 月 14 日現在
ペーシング治療研究会展示企業一覧
セント・ジュード・メディカル株式会社
日本メドトロニック株式会社
日本ライフライン株式会社
フクダ電子株式会社
ボストンサイエンティフィック株式会社
五十音順 平成 23 年 11 月 14 日現在
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