1983 (昭和 58 年) 「第2回アメリカ遠征(ハワイ遠征)」 昭和 59 年卒 斎藤 鉄生 Waseda Univ. Volleyball Team “ Men ” 昭 24 和58年(1983年)2月、私達はその部史にお いて2度目のアメリカ遠征にチャレンジす ることになる。 当時の早稲田は、残念ながら2部に低迷してい た。そのような私達の海外遠征プランに対して、 先 輩諸兄からも様々な意見が寄せられた。例えば 「何 も部員全員が遠征に参加する必要は無い。この遠 征を目標として、出発までの期間にチーム内で切 磋琢磨し、その上で12名程度の遠征メンバーを決 定する事がチーム力の向上に繋がる。」という、今 は亡き大竹六郎先輩からのご意見があった。しか し、当時の最上級生である貝塚耕一・和田修治・斉 藤鉄生の3名は、海外における貴重な体験を部員 全員で分かち合いたいとの思いから、先輩のご自 宅を訪ね、私達の思う所を率直に伝えた。そして、 今は亡き古市英監督そして小宮扶美男コーチとも 合意のうえで、部員全員でハワイ遠征に臨む事を 決めた。 さて、この遠征の最大のテーマはもちろんチー ム力の向上ではあったのだが、これに加えて、 コー トを離れた場面においても、当然の事ながら早稲 田のスポーツマンとして恥ずかしくない行動が求 められた。 例えば、試合の合間にディナーなどに招 待される機会もあるだろうから、その際にナイフ とフォークの扱い方も知らないようでは困る。そ のようなお心遣いをして頂いたのは、今は亡き尾 中郁夫先輩だった。 尾中先輩は、 遠征出発前に遠征 メンバー全員を霞友会館に招き、激励会を兼ねた 「洋食フルコースのテーブルマナー講習会」 を設け て頂いたのである。 このように、様々な事前準備を重ねたうえで、 私 達早稲田大学バレーボール部は、一路ハワイ遠征 へと旅立ったのであった。 慣れない長旅を終えた私達を待ち受けていたの は、南カリフォルニア州立大学との対戦であった。 これは言い訳になるが、初めて飛行機に乗った者 も多く、全員時差ボケのうえ、 同じ大学生同士とは 言え外国人の強豪チームとの対戦でもあり、フル セットに及ぶ大接戦の末、早稲田としては本当に 惜しい試合を落とす結果となった。 しかし、 私達はその試合を終えた段階で、はっき りとした手応えを感じていた。その晩のミーティ ングでは、 「残る3試合は絶対に勝つ。私達にはそ れができるだけの力が充分にある。 」 主将である私 からのこの発言をそれぞれの胸に秘め、その後の 3試合に臨んだ。 対戦結果は、対ハワイ大学3‑1、 対アウトリガー・カヌークラブ1‑3、対ブリガム ヤング大学ハワイ校3‑1。 トータルで2勝2敗と いう戦績でハワイ遠征を終了した。 結果的には4試合とも善戦できた事、とりわけ その年の全米学生チャンピオンになったハワイ大 学に快勝できたことは、早稲田にとっては大きな 自信となった。しかしながら、私達の年代は、結局 は春季2部リーグ3位、秋季2部リーグでも2位 に留まり、悲願の1部復帰は成らなかった。 今にして思えば、 私達同級生3名は、 早稲田のど ん底の時代から這い上がるきっかけを作る年代と して、その役割を充分に果たせたのではないかと 考えている。私達の悲願は、その2年後に叶えら れ、 そしてその翌年には、 実に33年ぶりの1部リー グ優勝へと、早稲田は一気に頂点を極めたので あった。 戦 績 ■ 春季リーグ戦 ● ○ ○ ○ ● ○ ○ ● ■ ○ ○ ○ ● 2‑1 2‑1 2‑1 0‑2 (3‑15,15‑8,15‑7) (12‑15,15‑7,15‑11) (14‑16,15‑9,15‑11) (2‑15,8‑15) (2部2位 全日本インカレ 3回戦 ■ ● 0‑2 法政 (7‑15,8‑15) 定期戦 早慶戦 (優勝) ○ 3‑0 慶應 全早慶明戦 (優勝) ○ 2‑0 全慶應 ○ 2‑0 全明治 早関戦 (優勝) ○ 3‑1 関西学院 (15‑11,15‑7,15‑5) (15‑8,15‑9) (17‑15,15‑12) (15‑8,15‑7,11‑15,17‑15) (ベスト8) ● 1‑3 亜細亜 ○ 3‑0 亜細亜 ○ 3‑0 日本 ○ 3‑1 日本 ● 0‑3 中央 ● 1‑3 中央 ○ 3‑1 専修 ○ 3‑0 専修 ○ 3‑0 明治 ○ 3‑1 明治 (サーブ賞)貝塚 耕一 グループ戦 ○ 2‑0 1回戦 ○ 2‑0 2回戦 ○ 2‑0 5勝3敗) (13‑15,17‑19,15‑9,12‑15) (15‑5,15‑9,15‑9) (15‑9,15‑5,15‑8) (14‑16,15‑13,13‑15,15‑10,15‑10) (16‑14,7‑15,13‑15,15‑4,11‑15) (15‑4,4‑15,15‑11,15‑11) (15‑10,15‑9,10‑15,15‑9) (5‑15,10‑15,14‑16) 慶應 東北学院 中央 順天堂 秋季リーグ戦 個人賞 ■ (2部4位 亜細亜 日本 専修 明治 亜細亜 日本 専修 明治 東日本インカレ 1回戦 2回戦 3回戦 準々決勝 ■ 1‑3 3‑0 3‑0 3‑2 2‑3 3‑1 3‑1 0‑3 7勝3敗) (15‑3,13‑15,3‑15,13‑15) (15‑2,16‑14,15‑12) (15‑9,15‑4,15‑9) (9‑15,15‑12,15‑9,15‑5) (12‑15,10‑15,6‑15) (11‑15,15‑12,9‑15,10‑15) (10‑15,15‑7,15‑6,15‑9) (15‑11,15‑13,15‑8) (15‑10,15‑5,15‑6) (15‑6,15‑3,10‑15,15‑11) ■ その他 ハワイ遠征(2/5 〜 2/13) (2勝2敗) ● 2‑3 南カルフォルニア大 ○ 3‑1 ● 1‑3 ○ 3‑1 ハワイ大 アウトリガー・カヌークラブ ブリガムヤング大 ハワイ校 (13‑15,15‑13,15‑9,11‑15,7‑15) (15‑5,6‑15,15‑6,15‑10) (10‑15,15‑11,8‑15,9‑15) (15‑9,15‑4,8‑15,16‑14) (ベスト 16) 大阪 愛知教育 大阪市立 (15‑4,15‑4) (15‑1,15‑3) (15‑5,15‑7) 世の中の流れ 1月 ・自民党 中川一郎自殺 ・青函トンネル先進導坑貫通 3月 ・第2次臨時行政調査会が最終答申をまとめる ・西独で総選挙保守が圧勝 5月 ・日本海中部地震 東北に大被害 ・OPECが原油価格を$5下げる 6月 ・戸塚ヨットスクール事件で戸塚校長を逮捕 ・米スペースシャトルに初の女性飛行士搭乗 7月 ・ 「免田事件」免田栄被告34年ぶりに無罪判決 8月 ・比アキノ元上院議員暗殺 9月 ・新薬産業スパイ事件 ・大韓航空機撃墜事件 10月 ・三宅島の雄山噴火 ・田中角栄に実刑判決 ・ポーランドワレサ委員長がノーベル平和賞受賞 ・ラングーンで爆弾テロ事件 11月 ・米レーガン大統領来日 ・総選挙で自民党大敗 ■ その他の出来事 ・混迷深まる中東情勢−レバノン紛争、 パレスチナ解放機構の 内紛、ベイルート爆弾テロ、イラン・イラク戦争など ・アメリカ・ソ連の核軍縮交渉(INF,START)暗礁に乗り上げ中断 ・後天性免疫不全症候群(AIDS) アメリカ、 ヨーロッパで流行 流 行 ■ 流行歌 レコード大賞:細川たかし 歌唱賞: 森昌子 「矢切の渡し」 「越冬つばめ」 新人賞: THE GOOD‑BYE 「気まぐれONE WAY BOY」 岩井小百合、大沢逸美、桑田靖子、小野さとる めだかの兄妹、探偵物語、氷雨、キャッツ・アイ、 セカンド・ラブ、フラッシュダンス、め組のひと、 時をかける少女、3年目の浮気、さらば…夏、 エスカレーション、君に胸キュン、悲しい色やね ドラマティック・レイン、 ■ 流行語 いいとも!、○○の輪ッ!、いかにも一般大衆が…、 おじさんは怒ってるんだぞ、 タコがいうのヨ、 積木くずし、 ○○だったらよかったんだけどネ、涅槃で待つ、○○人、 人間やめますか、マ・カ・セ・ナサイッ、やるっきゃない、 いまだ機熟せず、ルンルン、チャップイ チャップイ、 気分は Eチケット、みたなあ〜、胸キュン、不沈空母、 おもしろまじめ、フォーカスされる、戸塚る、 ニューメディア元年、 情報使いすて時代、 気くばりのすすめ 25
© Copyright 2024 Paperzz