格子法による二相流数値解析 ~格子ガス法・格子ボルツマン法~

2013.12.6 筑波大学 「数値流体力学」
格子法による二相流数値解析
~格子ガス法・格子ボルツマン法~
日本原子力研究開発機構
システム計算科学センター
海老原 健一
はじめに
二相流
• 異なる2つの相(気相、液相、固相)や性質の異なる2つの流体から
成る流れ。 水蒸気-水(気液)、水-油(液液)
流体の数値計算
• ナビエ・ストークス方程式をある境界条件(壁、出入り口)の下で解く。
二相流の数値計算
• さらに、2相の流れの状態(流動状態)の情報が必要となる。しかし、
それは、流れの条件(流動条件)によってさまざまな形態に変化する
ため、扱いが難しい。
• 従来の数値計算では、主に実験によって得られた2相の流動状態
に関する情報を使っている。(流動様式線図、実験相関式)
• 計算結果は、実験の精度に依存することになり、実験とは異なる条
件の2相流の計算は困難。
• さまざまな流動条件の2相の流動状態も計算によって再現したいが、
そのためには、2相界面の挙動の再現が必要。
2013/12/6
筑波大学「数値流体力学」
はじめに
流動様式線図や実験相関式の例
[水平気液二相流の流動様式と流動様式線図] (植田、1981)
層状流
気泡流または
せん状流
気泡流
波状流
スラグ流
環状流
液
相
流
量
環状流
環状噴霧流
[液滴や気泡の流動様式図]
気相流量
(Clift et al., 1978)
[液滴の発生に関する実験相関式]
(Ishii,Grolmes,1975)
Vl =
N m0.8
( N m £ 151 )
0.1146
( N m > 151 )
11.78 N m0.8 Reh-1/ 3 ( N m £ 151 )
1.35 Reh-1/ 3
1.5 Reh-1/ 3
2013/12/6
筑波大学「数値流体力学」
( Reh ³ 1635)
(160 < Re h £ 1635 )
( N m > 151 )
( Re h < 160 )
はじめに
界面の挙動を再現できる計算方法は?
[粒子法]
• そもそも物質は原子や分子の集まりなので、流体も粒子で
表し、界面は相分離した粒子の集まりの境界として表せる
のでは。 分子動力学 など
• 巨視的レベルでの流動をミクロな粒子法で表した場合、膨
大な粒子を扱う必要があるため、膨大な計算時間がかか
り、実質的に計算不可能。 水1cc→水分子~1022個程
[格子法]
• ミクロな粒子法とマクロなナビエ・ストークス方程式の間に
あるメゾスコピックな方法。格子ガス法、格子ボルツマン法
• 格子の上のみを動く粒子(粒子分布)で流体を表す。
• 粒子を区別したり、粒子間の相互作用を入れることで、容
易に2相を表現できる。→界面が自動的にできる。
• 格子の上で粒子(粒子分布)を扱うので計算量は少ない。
• 実際的な二相流へ適用できるのでは!
2013/12/6
筑波大学「数値流体力学」
格子ガス法による流体表現
格子ガス法による流体のシミュレーション方法
格子上での粒子(矢印)の衝突と伝播の繰返しで流体を表す。
衝突則例
衝突:粒子の向きの変化
時
間
発
展
伝播:隣の格子点へ移動
粒子の分布状態で密度や流速を表す。
2013/12/6
筑波大学「数値流体力学」
格子ガス法による流体表現
格子ガス法の時間発展方程式
• 粒子の有無(1か0)を表す関数: ni (x, t ) (i = 0Lb) 三角形格子の時はb=6
• 粒子の方向ベクトル: ci
• 格子ガス法の時間発展方程式: ni (x + ci , t +1) = ni (x, t ) + Di [n(x, t)]
衝突
伝播
sj
(1-s j )
D
[
n
(
x
,
t
)
]
=
a
(
x
,
t
)(
s
'
s
)
n
(
x
,
t
)
{
1
n
(
x
,
t
)}
衝突項: i
å ss'
i
i Õ j
j
s ,s '
s = {s j }, s' = {s ' j }
ass ' ( x, t )
j
:格子点での衝突前と衝突後の粒子配置
:配置sから配置s’への遷移方法を表すブーリアン変数
(aが確率変数のときは非決定論的モデル、そうでないときは決定論モデル)
s = (0,0,1,0,1,0,1)
a =1
s ' = (0,1,0,1,0,1,0) ss '
• 物理量:粒子分布から算出
密度: r ( x , t ) = å ni ( x , t )
i
流速: u(x, t ) = å ci ni (x, t )
i
å n (x, t )
疑問:これで本当に流体を表しているのか?
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i
i
格子ガス法からナビエ・ストークス方程式
ナビエ・ストークス方程式の導出の流れ
格子ガスの時間発展方程式
•統計平均
•分子カオス仮定
粒子分布関数に対する時間発展方程式
[格子ボルツマン方程式]
•低マッハ数展開
•チャップマン-エンスコグ展開
流体力学方程式
[連続の式、非圧縮性ナビエストークス方程式]
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格子ガス法からナビエ・ストークス方程式
粒子分布関数に対する時間発展方程式の導出
• 格子ガス法の時間発展方程式の統計平均(アンサンブル平均)を取る。
→同じ巨視的状態(密度、流速)を表す粒子の分布状態での平均
ni (x, t ) = Ni (x, t) :粒子分布関数:粒子の有無を割合で表す。
• 分子カオス仮定を利用し、衝突項を統計平均の積にする。
→衝突前後で粒子間に相関がない仮定
n an b L n
y
= n
a
nb L n
y
粒子分布関数に対する時間発展方程式 [格子ボルツマン方程式]:
Ni (x + ci , t +1) = Ni (x, t ) + Di [N(x, t)]
Di [N(x, t)] = å Ass' (x, t)(s'i -si )ÕN j (x, t) j {1- N j (x, t)}
(1-s j )
s
s,s'
j
密度: r ( x , t ) = å N i ( x , t ) 流速: u(x, t ) = å ci Ni (x, t )
i
i
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å N (x, t )
i
i
格子ガス法からナビエ・ストークス方程式
平衡粒子分布関数
[
]
eq
• 時間変化に対して一定の粒子分布関数、 Di N (x, t) = 0 を満たす。
1
→フェルミ・ディラック分布型 N ieq =
1 + exp( h + q × c i )
(h、qはパラメータ)
eq
eq
eq
• r = å i N i , u = å i c i N i å i N i の関係から、hとqはρとuの関数
• 流速が粒子速度に対して小さいとして展開(低マッハ数展開)
h( r , u ) = h0 + h2 ( r , u )u 2 + O (u 4 ),
eq
eq
• r = åi N i , u = å i ci N i
å
i
q = q1 ( r )u + O (u 3 )
N ieq に代入、両辺比較で、h 、h 、q を決定。
0
2
1
平衡粒子分布関数の展開形:
ù
ü
Db
b2 ì
c2
N = ê1 + 2 cia ua + G ( r ) 2 íQiab +
d ab ýua u b ú + O (u 3 ), (i = 1Lb)
b ë c bm
bm î
Db
þ
û
2
D b - 2r
c2
r é
c 2b 2 ù
eq
3
G( r ) = 4
, Qiab = cia cib - d ab
N0 =
u ú + O ( u ),
ê1 - G ( r )
b ë
Db m
2c b - r
D
û
eq
i
ré
Dは次元を表す。三角形格子のときは、b=6、bm=b-1、D=2
導出に åi =0 cia cib =
b
bmc2
D
dab の関係を用いた。
ca ca
空間座標の添え字にはアインシュタインの規約を用いる。 ca ca º å
a
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格子ガス法からナビエ・ストークス方程式
流体力学方程式の導出
• チャップマン-エンスコグ展開を粒子分布関数の時間発展方程式に適用。
→平衡状態のゆらぎの大きさ(スケール)で展開し、気体分子運動論の
ボルツマン方程式から流体力学方程式を導出する方法
(マルチスケール展開)
k
• ゆらぎの大きさは空間微分のオーダー O (Ñ ) に対応させ展開
粒子分布関数: N i (x, t ) = N i( 0 ) ( x, t ) + N i(1) ( x, t ) + N i( 2 ) ( x, t ) + L
¶ t = ¶ t1 + ¶ t 2 + L
時間微分:
このとき、 N i( 0 ) (x, t ) = N ieq ( x, t ) とする。
→平衡分布関数を局所平衡分布関数と見なす。
• チャップマン-エンスコグ展開を以下の質量保存式と運動量保存式に適応、
オーダーごとに巨視的な方程式を導出
å N (x + c , t + 1) = å N ( x, t ), å c a N (x + c , t + 1) = å c a N (x, t )
i
i
i
i
i
i
i
i
i
i
i
導出では以下の関係を用いる。
r ( x , t ) = å N i( 0 ) ( x , t ),
åN
i
r ( x , t )u ( x , t ) = å c i N
i
2013/12/6
(k )
i
i
(0 )
i
( x, t ),
( x, t ) = 0
( k ³ 1)
åc N
(x, t ) = 0
i
(k )
i
i
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( k ³ 1)
i
格子ガス法からナビエ・ストークス方程式
流体力学方程式の導出(続き)
• 1次のオーダーについて
å¶
i
t1
N i( 0 ) + å c ia ¶ a N i( 0 ) = 0,
i
i
t1
i
N i( 0 ) + å cia cib ¶ b N i( 0 ) = 0
i
r (x, t )u(x, t ) = å ci Ni(0) (x, t )
r ( x , t ) = å N i( 0 ) ( x , t ) ,
(
å ca¶
i
i
bm c
c
c
c
c
=
åi ia ib ig id D ( D + 2 ) (d ab d gd + d ag d bd + d ad d bg ) ,
b
4
を適用
b
å c ac bc g
i
i
i
=0
i
( 0)
¶t1r (x, t )ua (x, t ) + ¶ b Pab
=0
¶ t1r (x, t ) + ¶a r (x, t )ua (x, t ) = 0,
(0)
P ab
= å cia cib N i( 0 ) ( x , t ) = p ( r , u 2 )d ab + g ( r ) r ua u b
i
{
(
p ( r , u ) = c s2 r 1 - g ( r ) c12 1 +
D
2
c2
-
2 c s2
)u }
2
D b 1 - 2r / b
D2 + 2 bm 1 - r / b
b
c
c s2 = m
bD :格子ガスモデルにおける音速に対応
g (r ) =
2013/12/6
¶ t1 r + ¶ a r ua = 0,
¶ t1 r ua + ¶ b [ g ( r ) r ua u b ] = -¶ a [ p ( r , u 2 )]
1次のオーダーの
連続の式
オイラー方程式に似た式
(粘性がない理想流体の式)
筑波大学「数値流体力学」
)
格子ガス法からナビエ・ストークス方程式
流体力学方程式の導出(続き)
• 2次のオーダーについて
質量保存式より
(0)
(0)
(0)
(0)
1
1
(1) å [¶ t 2 N i + 2 cia cib ¶ a ¶ b N i + ¶ t 1cia ¶ a N i + 2 ¶ t1¶ t 1 N i ] = 0
i
運動量保存式より
(0)
(0)
(0 )
1
1
(2) å [¶ t 2 cia N i + 2 ¶ t1cia ( ¶ t1 + cib ¶ b ) N i + 2 ¶ b cia cib (¶ t1 + cig ¶ g ) N i
i
]
+ ¶ t 1cia N i(1) + ¶ b c ia c ib N i(1) = 0
(1)式(質量保存)について、Σを評価
¶t2r +
1
1
(0)
¶ a ¶ b P ab
+ ¶ t 1 ¶ a ( r ua ) + ¶ t 1 ¶ t 1 r = 0
2
2
1次のオーダーの連続の式 ¶ t1¶ a ( r ua ) = -¶ t1¶ t1 r
と
(0)
オイラー方程式
を代入
¶ t1¶ a ( r ua ) = -¶ a ¶ b P ab
¶t2r = 0
( ¶ t 1 + ¶ t 2 ) r + ¶ a ( r ua ) = 0
連続の式が2次のオーダーまで成り立っている。
2013/12/6
筑波大学「数値流体力学」
格子ガス法からナビエ・ストークス方程式
流体力学方程式の導出(続き)
• 2次のオーダーについて(続き)
å [¶
t2
c ia N i( 0 ) + 12 ¶ t 1 c ia ( ¶ t 1 + c ib ¶ b ) N i( 0 ) + 12 ¶ b c i a c i b ( ¶ t 1 + c ig ¶ g ) N i( 0 )
i
]
+ ¶ t 1 c ia N i(1 ) + ¶ b c ia c ib N i(1 ) = 0
(0)
= 0、
1次の連続の式 ¶ t1 r + ¶a ( rua ) = 0、オイラー方程式 ¶ t1 ( r ua ) + ¶ b P ab
さらにこれらの式と平衡分布関数の展開形から得られる以下の式
( ¶ t1 + cia ¶ a ) N i( 0 ) = c Db Qiab + bb1 d ab ¶ b ( rua )
(
2
m
m
)
N i(1) の一般的な式(X、Ψは任意定数)
(1)
N 0(1) = bm X¶ a ( r ua ), N i = (y cia cib - Xd ab ) ¶ a ( r u b ) (i > 0)
を用い、以下の式を得る。
¶ t 2 rua = ¶ b [n {¶ b ( rua ) + ¶ a ( r u b )}] + ¶ a [n 2 ¶ b ( ru b ) ]
bm c 4
c2
bm c 2
2bm c 4
c2
c2
n =y, n2 = X+ 2
y+
D ( D + 2)
2( D + 2)
D
D ( D + 2)
D ( D + 2) 2bD
(任意定数は、保存則のみから決まらず、衝突則の形から決定される。)
オイラー方程式と合わせ
ナビエ-ストークス方程式に似た式
¶ t 2 rua + ¶ a ¶ b rg ( r )ua u b = -¶ a p + ¶ b [n {¶ b ( rua ) + ¶ a ( ru b )}] + ¶ a [n 2 ¶ b ( ru b ) ]
2013/12/6
筑波大学「数値流体力学」
格子ガス法からナビエ・ストークス方程式
非圧縮性ナビエ・ストークス方程式の導出
¶ t r + ¶ a r ua = 0
(0)
¶ t r ua + ¶ b P ab
= ¶ b S ab
(0)
P ab
= c s2 rd ab - g ( r ) r
(1 +
c s2
c
2
D
2
-
c2
2 c s2
)u d
2
ab
+ g ( r ) r ua u b
= p d ab + g ( r ) r ua u b
Sab = n {¶ b ( rua ) + ¶ a ( r u b )}+ n 2 ¶ b ( ru b )
• 導出した式は、ガリレイ不変でないこと、圧力項に流速依存性があるため、
厳密には、ナビエ・ストークス方程式となっていない。
• 低マッハ数を考えていることから格子ガス流体を非圧縮性流体とすること
ができるので、ρを定数ρ0で置き換え、以下の変換を施す。
t®
t
g(r0 )
, n , n 2 ® g ( r 0 )n ' , g ( r 0 )n 2 '
c rd ab - g ( r 0 ) r 0
2
s
c s2
c
2
(1 +
D
2
-
c2
2 c s2
)u 2d ab ® g ( r 0 ) P ' d ab
¶ a ua = 0,
¶ t ua + u b ¶ b ua = 2013/12/6
1
r0
¶ a P '+n ' ¶ b ¶ b u a
非圧縮ナビエ・ストークス方程式
筑波大学「数値流体力学」
格子ガス法からナビエ・ストークス方程式
粘性係数の算出
• 粘性係数に含まれる任意係数は、衝突則から決定
• 時間発展方程式のチャップマンーエンスコグ展開の一次の部分
( ¶ t 1 + c ia ¶ a ) N i( 0 ) = å L ij N (j1) ,
L ij =
j
æ l00
L ij = çç
è li 0
¶D i
¶N j
Ni = r / b
l0 j ö l00 :停止粒子のみ Aij :移動粒子のみ
÷
Aij ÷ø l0 j , li 0 :停止粒子と移動粒子が関与
• 格子ガスモデルの衝突項の形から、係数行列 L ijは以下の性質を持つ。
格子の対称性 → Aij = A ji , l0 j = li 0 = l01
質量保存 →
bm
åA
ij
+ l01 = 0, l00 + bm l01 = 0
j =1
• 時間発展方程式を停止粒子部分と移動粒子部分に分解
b
¶ t1 N 0( 0 ) = - 1b ¶ a ( r ua ) = l 00 N 0(1) + l 01 å j =1 N (j1)
m
( ¶ t 1 + c ia ¶ a ) N i( 0 ) =
(
D
c bm
2
Qiab +
1
bb m
)
d ab ¶ b ( r ua ) = å j =1 Aij N (j1) + l01 N 0(1)
bm
(1)
• N i の一般的な式を代入
1
X = 2
,y
b bm l 01
2013/12/6
-1
c 2 bm
=
D
å
ij
Qiab Aij Q jab
å Q ab
i
2
i
筑波大学「数値流体力学」
Λijの具体的な形は採用
する衝突側で決まる。
格子ガス法からナビエ・ストークス方程式
格子の対称性と非圧縮性ナビエ・ストークス方程式の導出可能性
•二次元の場合、四角形格子(HPPモデル)では空間対称性が低いため、三
角形格子(FHPモデル)が必要となる。[Frisch,Hasslacher,Pomea(1987)]
空間対称性:軸lに対
する軸対称性、点O
における回転対称性
空間対称性が不十分の時、 Pab (t , x ) = å i cia cib N i (t , x ) の計算において
現れる4階のテンソル å i cia cib cig cid N i (t , x ) が非等方となり、導出された
方程式(特に粘性項)が格子方向に依存するようになってしまう。そのた
め、三角形格子の対称性が必要。
•三次元の場合、最も対称性が高い立方格子でも空間対称性が低いため、
四次元の面心立方超格子(Face-Centered HyperCube:FCHC)が必要と
なる。[アイデア:d’Humieres, et al.(1986)、実現化:Somer, Rem (1992)]
FCHCの速度ベクトル
2013/12/6
FCHCの格子
筑波大学「数値流体力学」
格子ガス法の二相流体モデル
格子ガス二相流体モデルの種類
• 格子ガス法は、粒子の種類分けや粒子間の相互作用を導入することで
容易に二相流モデルに拡張できる。
• 格子ガス法の二相流体モデルは、大きく分け、2成分の二相流体モデル
と1成分の二相流体モデルがある。
[2成分の二相流体モデル]
• 1988年にRothmanとKellerが考案。
• 2種類の粒子を設定し、同種粒子が引き合い、異種粒子が離れる機構
を導入。
• 水と油のように混じり合わない流体の凝集・分離を再現(格子ガス非浸
透格子モデル)
[1成分の二相流体モデル]
• 1992年にAppertとZaleskiが考案。
• 1種類の粒子に引力に相当する相互作用を導入。
• 水と水蒸気のように1成分で密度が異なる流体の相分離を再現(格子
ガス気液モデル)
2013/12/6
筑波大学「数値流体力学」
格子ガス法の二相流体モデル
格子ガス非浸透モデル
[方法]
赤と青の2種類の粒子を導入: ri ( x ), bi ( x )
•同じ種類の粒子が多い
方に向くように回転する。
•通常の衝突操作の後
に行う。
注目点xでの色フラックス:q[r ' ( x ), b ' ( x )] = å ci [ r 'i ( x ) - b 'i ( x )]
i
注目点x周りの色場: f ( x ) = å c i å [ r j ( x + c i ) - b j ( x + c i )]
i
j
フラックスと場の内積 f ( x ) × q[r ' ( x ), b ' ( x )] が最大になるように、
r 'i ( x ), b 'i ( x ) (プライムは変えた後の値を表す)を決める。
この時、注目点xでの各色質量と全体運動量が保存するようにする。
å r ' =å r , å b' =å b
i
i
i
i
i
i
i
i
å c [r ' + b' ] = å c [r +b ]
i
i
i
i
i
i
i
i
[特徴]
スピノーダル分解による相分離(2次相転移による相分離)を表す。
2013/12/6
筑波大学「数値流体力学」
格子ガス法の二相流体モデル
格子ガス気液モデル
[方法]
• 距離 r 離れた外向きの2つの粒子を内向きに向ける。(粒子間相互作用)
• 各方向で同様の操作を行う。
• 通常の衝突操作の後に行う。
r
r
r
r
r
最小相互作用モデル
[特徴]
ファンデルワールスの気液理論に類似の
状態方程式を持ち、核生成を伴う相分離
(1次相転移による相分離)を表す。
p = 3d - 3rd 2 (1 - d ) 2
d º r / b :換算粒子密度
圧力 p
最大相互作用モデル
¶p / ¶d < 0 となる範囲で不安定となり相分
離を起こす。
2013/12/6
換算粒子密度 d
筑波大学「数値流体力学」
格子ガス法の二相流体モデル
格子ガス気液モデル(続き)
[計算例]
相分離計算
r=5
r=7
r=9
r=13
2
2次元:98 、周期的境界、換算密度 d=0.07、最大相互作用 [海老原、渡辺、蕪木(1997)]
t=120
t=240
t=300
t=420
3次元:603、周期的境界、換算密度 d=0.15、r=9、最大相互作用モデル [海老原 (2005)]
2013/12/6
筑波大学「数値流体力学」
格子ガス法の二相流体モデル
格子ガス気液モデル(続き)
[界面特性:界面位置]
Rs
Rs + 2r
換算密度 d
z
Rs - 2r
dL
dV
中心からの距離 z
界面付近(z=Rs)の換算密度分布
d ( z ) = dV +
1
x
é
ù
( d L - d V ) ê1 + tanh ( z - R s ) ú ,
2
r
ë
û
Rs
界面の位置Rsは、 ò0
ギッブスのdividing surfaceとなる。
1
2a
2013/12/6
R s -a
ò
R s -a
d ( z ) dz =
x = -r / 6
(最大相互作用モデル)
¥
[ d L - d ( z )]dz = ò [ d ( z ) - dV ]dz を満たすので
Rs
1
( d L + d V ) の式によって界面の位置を検出
2
a = 2r
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格子ガス法の二相流体モデル
格子ガス気液モデル(続き)
[界面特性:表面張力]
表面張力は、解析的にモデルから与えられないので、シミュレーション
結果から、ラプラス則を用いて決定する。
中心からの距離 z
内部圧力
外部圧力
p in - p out =
ラプラス則のグラフの
傾きからσが決まる。
2013/12/6
s
Rs
r
9
11
13
15
σ
0.49
1.18
1.91
3.15
筑波大学「数値流体力学」
格子ガス法の二相流体モデル
格子ガス気液モデル(続き)
[液滴落下シミュレーション]
• 360x720、周期境界(左右)、跳ね返り壁(上下)、
r=9、d=0.07
• 粒子に下向きに重力に相当する力を加える
重力の入れ方
密度分布
流速分布
t=300
2013/12/6
t=1200
t=2100
筑波大学「数値流体力学」
t=3000
t=3900
格子ガス法の二相流体モデル
格子ガス気液モデル(続き)
[液滴落下シミュレーション:相関図との比較]
Graceの実験相関図と液滴落下シミュレーションの結果を比較する。
Re
エトベス数
Eo = g
de2Dr
s
2
n 4Dr rout
モルトン数 M = g
s3
dU
レイノルズ数 Re = e
n
g :重力加速度 U
D r = r in - r out d e
Eo
2013/12/6
r in :内部密度
rout :外部密度
筑波大学「数値流体力学」
s
n
定常状態の
液滴や気泡
の形状や
各相流体の
物性
終端速度に
関連
:終端速度
:体積等価直径
:表面張力
:周囲流体の
動粘性係数
格子ガス法の二相流体モデル
格子ガス気液モデル(続き)
[液滴落下シミュレーション:相関図との比較(続き)]
静止液滴の考察 粒子密度と外力の関係 液滴落下シミュレーション
g
r out , r in , n , s
U , de
Eo=15
M=6.6x10-4
Re=7.2
45
Reについては、シミュ
レーションによる値が相
関図からの値と異なる。
2013/12/6
EoとMに対応する
液滴形をほぼ再現
筑波大学「数値流体力学」
格子ガス法の二相流体モデル
格子ガス気液モデルの二相流数値解析への適用についての困難
Ø最小相互作用モデルで動的な圧力非等方性が顕著となる。[Ebihara,(2006)]
Ø表面張力の方向依存性がある。[Ebihara,Watanabe,(2000)]
Ø実際的な流動を計算するためには、大きな格子サイズ、長時間計算が必要。
界面厚さが長距離相互作用に比例して大きくなる。
統計ノイズのため結果の統計平均を取る必要がある。
格子ボルツマン法へ
2013/12/6
筑波大学「数値流体力学」
格子ボルツマン法の概要
歴史的背景
格子ボルツマン法:粒子的描像による流動解析を目指し、格子ガス法の
統計ノイズや衝突項の複雑さを除去した手法
(1988)McNamara,Zanetti:
格子ガス方程式の統計平均→非線形格子ボルツマン方程式
(1989)Higuera,Jimenez:
衝突項の線形化→準線形格子ボルツマン方程式
(1992)Qian,d‘Humieres,Lallemand:
・ 平衡分布関数にマックスウェルーボルツマン分布を使用し、巨視的
レベルでのガリレオ不変性を回復
・ 衝突項を1つの緩和定数による平衡分布関数への緩和に置換え
(BGKモデルに置き換え)
→格子BGKボルツマンモデル (BGK:Bhatnagar-Gross-Krook)
(1997)He,Luo:
従来の連続のボルツマン方程式の離散化方法の提案
→ボルツマン方程式からの格子ボルツマン方程式の導出を可能
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
格子ボルツマン法の概要
格子BGKボルツマンモデル[Qian, d'Humieres, Lallemand(1992)]
• 平衡分布関数にマックスウェルーボルツマン分布を用いる。
• 単一の緩和時間を用いた衝突項を導入
N i ( x i + c i , t + 1) = N i ( x i , t ) -
緩和定数:l
{ N (x , t ) - N }
l
1
i
i
eq
i
ì cia ua ua u b
eq
N
=
rw
+
平衡分布関数: i
i í1 +
2
2
c
2
c
s
s
î
æ cia cib
öü
çç 2 - d ab ÷÷ý
è cs
øþ
質量保存、運動量保存、等方性の条件から wi を決定
(格子によって複数の可能性)
w0
w1
w2
w3
cs2
D2Q9
4/9
1/9
1/36
0
1/3
D3Q15
2/9
1/9
0
1/72
1/3
D3Q19
1/3 1/18 1/36
0
1/3
D2Q9
D3Q15
D3Q19
従来の連続のボルツマン方程式の離散化によるモデル[He,Luo(1997)]
• 数学的に厳密な離散化法を用いることで、一義的なモデルが得られる。
• 二相流体モデルで詳細に紹介
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
格子ボルツマン法の概要
二相流体モデルの種類
Ø Gunstensenらのモデル(1991):
格子ガス気液モデルの自然な拡張。密度、粘性を可変にすることも
可能。(1993:Grunau)
Ø ShanとChenのモデル(1993,1994):
格子ガス非浸透モデルの拡張。粒子間ポテンシャルを導入し、二相
化を実現。2成分二相流体モデルへの拡張も可能。
Ø Swiftらのモデル(1995,1996):
ファンデルワールスによって提案された自由エネルギーを導入するこ
とで導かれる圧力を圧力テンソルに組み入れる。局所平衡分布関数を
変形する必要がある。
Ø QainとChenのモデル(1997):
単相の格子ボルツマン方程式に擬似ポテンシャルを外力項として加
える。ShanとChenモデルやSwiftらのモデルと同等であることが示され
ている。(1998:Chen,Doolen,1999:瀬田、他)
Ø He,Chen,Zhang(HCZ)のモデル(1998,1999)
粒子間引力項を含む密な気体の連続のボルツマン方程式の離散化
により、1成分二相流体の格子ボルツマン方程式を得る。
界面での数値不安定性を低減する工夫、レイリー・テイラー不安定性
へ適用(1999:He, et al., 2000:Zhang, et al.)
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
HCZモデル
従来の連続のボルツマン方程式
• 気体分子運動論の基礎方程式
¶f (x,ξ)
+ ξ × Ñf (x,ξ) + a × Ñξ f (x,ξ) = J
¶t
J º ò g (x)[ f (x, ξ' ) f (x, ξ'1 ) - f (x, ξ) f (x, ξ1 )]ξ1 - ξ sdWdξ1 :衝突項
(2体衝突)
f (x, ξ) :位置x、速度ξの粒子の分布関数(速度分布関数)
g (x) :動径分布関数
a :外力
• 2体衝突のイメージ
0
ξ' = ξ' (ξ, ξ1 )
ξ
ξ1
0
1
1
2012/11/15
• 速度ξの粒子0が、速度ξ1の
粒子1と衝突し、それぞれ
が速度ξ’、ξ’1となる
ξ'1 = ξ'1 (ξ, ξ1 )
筑波大学「数値流体力学」
HCZモデル
密な気体に対するボルツマン方程式
• エンスゴック方程式:衝突粒子の半径を考慮→排除体積効果を取り入れる
¶f (x,ξ)
+ ξ × Ñf (x,ξ) + a × Ñξ f (x,ξ) = J
¶t
J º ò [g (x + r0 ) f (x, ξ' ) f (x + 2r0 , ξ'1 )
- g (x - r0 ) f (x, ξ) f (x - 2r0 , ξ1 )] ξ1 - ξ sdWdξ1
:衝突項(粒子半径を考慮した2体衝突)
r0 :粒子半径(1の粒子の中心から方向)
• 粒子半径を考慮した2体衝突のイメージ
ξ' (ξ, ξ1 ) - ξ'1 (ξ, ξ1 )
ξ - ξ1
r0
r0
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
HCZモデル
HCZモデル導出の元となるボルツマン方程式
密な気体に対するボルツマン方程式に粒子間の引力に対応する外力を
加え、BGK近似を適用し、さらに変形した式
¶f
f - f eq (ξ - u) × (F + G) eq
+ ξ × Ñf = +
f
¶t
l
r RT
[He,et al. PRE57(1998)R13]
r :巨視的な密度
u :巨視的な流速 R :気体定数 T :温度
f :粒子分布関数 f eq:平衡粒子分布関数 l :BGK衝突項の緩和定数
F :有効粒子間相互作用力 G = rg :重力
f
eq
=
r
( 2p RT ) D / 2
é (ξ - u ) 2 ù
exp ê ú
2 RT û
ë
:マックスウェルーボルツマン分布
F = rÑ (2ar + kÑ 2 r ) - br 2 RTcÑ ln( r 2 c )
引力
斥力
= -Ñ(br 2 RTc - ar 2 ) + krÑÑ 2 r
= -Ñy + Fs
5
8
y :粒子間ポテンシャル
Fs:表面張力に関する力
c ( r ) = 1 + b r + 0.2969 (br ) 2 + 0.1103 (br ) 3 + L
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
HCZモデル
対応する連続の式、及びナビエ-ストークス方程式
密な気体を表すボルツマン方程式に低マッハ数展開、チャップマンー
エンスコグ展開を施し、以下の巨視的方程式を得ることができる。
¶f
f - f eq (ξ - u) × (F + G) eq
+ ξ × Ñf = +
f
¶t
l
r RT
¶r
= -Ñ × r u ,
¶t
æ ¶r
ö
rç
+ ( u × Ñ u ) ÷ = -Ñ p - Ñ × Π + F s + G ,
è ¶t
ø
p = r RT + y = r RT (1 + b r c ) - a r 2 ,
Π = r n ( u Ñ + Ñ u ),
n = l RT
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
HCZモデル
界面での数値誤差の軽減
¶f
f - f eq (ξ - u) × (-Ñy + Fs + rg) eq
+ ξ × Ñf = +
f
¶t
l
r RT
▽ψが界面付近で非常に大きくなることによる数値誤差
を軽減するため、新たな分布関数を導入
g = f RT + y G ( 0 ),
é (ξ - u ) 2 ù
1
G (u ) =
=
exp ê ú
D /2
r
( 2 p RT )
2
RT
ë
û
f
eq
¶g
1
+ ξ × Ñg = - (g - g eq ) + (ξ - u)[G(u)(Fs + r g) - (G(u) - G(0))Ñy ]
¶t
l
▽Ψに、低マッハ数のとき、比較的小さくなる(Γ(u)-Γ(0))が掛って
いるため、界面付近での∇Ψの増加が抑えられる。
Dr ¶r
=
+ u × Ñr = 0
この導出で非圧縮条件を用いた。
Dt ¶t
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
HCZモデル
密度を判定する方程式
新たに導入した粒子分布関数からは、 p = ò gdξ, rRTu = ò ξgdξ の
2つの物理量が計算される。
このため、新たな粒子分布関数から密度の情報が得られなくなった。
しかし、非圧縮性を仮定していることから、密度変化は、界面から離れ
たところでは、ほぼ一定であり、界面付近のみで現れる。
→界面の有無、密度の大きさを判断するために、密度変化に大きく
反応する項のみを残した以下の式を、密度判定に用いる指標関数
の分布関数が従う式として用いる。
¶f
f - f eq (ξ - u) × Ñy (f )
+ ξ × Ñf = G(u)
¶t
l
RT
f = ò f dξ :指標関数
密度および動粘性係数は、指標関数を用いて以下の式から得る。
r - rl
n -n
r (f ) = r l + h
(f - fl ) , n (f ) = n l + h l (f - fl )
fh - fl
fh - fl
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
HCZモデル
粒子間ポテンシャルと状態方程式
y = b r 2 RT c ( r ) - a r 2
粒子間ポテンシャルに含まれる未定の係数を決める必要があるが、これら
は、本来、粒子の微視的な相互作用によって決まる。
p = r RT + y
粒子間ポテンシャルが状態方程式の補正項となっていることから、巨視的な
状態方程式を与えることによってΨを決める。
ここでは、気液の相分離を起こす状態方程式として、ファンデルワールスの
式を補正したカーナハン・スターリング(Carnahan-Starling)の式を用いる。
1+ r + r 2 - r 3
2
p = r RT
12
RT
r
(1 - r ) 3
æ1+ r + r 2 - r 3
ö
2
÷
y ( r ) = r RT çç
1
12
RT
r
÷
(1 - r ) 3
è
ø
この状態方程式は、ρで展開すると c ( r ) の第2項まで一致する。
計算ではρをΦに置き換えて用いる。
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
3次元拡張HCZモデル
HCZモデルの拡張
HCZモデルのボルツマン方程式
¶f
f - f eq (ξ - u) × (-Ñy + Fs + rg) eq
+ ξ × Ñf = +
f
¶t
l
r RT
¶g
1
+ ξ × Ñg = - (g - g eq ) + (ξ - u)[G(u)(Fs + r g) - (G(u) - G(0))Ñy ]
¶t
l
文献[He, Chen, Zhang, J. Comp. Phys. 152 (1999)642, Zhang, He, Chen,
Compt. Phys. Comm. 129 (2000) 121,]では、上記の式を数学的にあま
り厳密でない方法で離散化し、2次元の1成分二相流体格子ボルツマ
ン法の基礎方程式を用いている。
レーリー・テーラー不安定性の計算に適用
[He, Chen, Zhang, J. Comp. Phys.152 (1999)642
以下では、より厳密な方法で離散化した3次元1成分二相流体格子ボ
ルツマンモデルを3次元拡張HCZモデルとし、紹介する。
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
3次元拡張HCZモデル
空間の離散化
平衡状態の巨視的物理量は、 G = f eq / r を使って計算できる。
p = ò [ r G (u ) RT + y G (0 )]d ξ , r RT u = ò ξ[ r G (u ) RT + y G (0 )]d ξ ,
G
f = ò f eq d ξ = ò rG (u )d ξ ,
は、低マッハ数展開によって、以下のように書ける。
é
1
ξ 2 ùæ
ξ ×u
(ξ × u ) 2
u2
G (u ) =
exp ê +
ú çç 1 +
2
( 2 p RT ) D / 2
2
RT
RT
2
(
RT
)
2 RT
ë
ûè
ö
÷÷
ø
巨視的物理量は、I = ò F (ξ ) exp [- ξ 2 RT ]d ξ と書け、Φ(ξ)は ξ の高々4
次の多項式。
ここで、以下のガウス・エルミートの積分公式で、I を離散的に表す。
n
æ d 2 nV ö
2
ò V ( s ) exp( - s ) ds = å v iV ( x i ) + O çç 2 n ÷÷
2
i =1
vi =
ò
è dx
ø
P ( x ) exp( - x 2 )
dn
n
2
dx , P ( x ) = ( - 1) exp( x ) n exp( - x 2 )
( x - xi )P ' ( xi )
dx
Φ(ξ)が ξ の高々4次の多項式であるため、高次の項(誤差項)はn=3で
0となる。→3点(n=3)の離散化で誤差なく、積分Iを評価できる。
ò V ( s ) exp( - s
2012/11/15
2
) ds = ( p 6 )V ( - 3 2 ) + ( 2 p 3 )V ( 0 ) + ( p 6 )V ( 3 2 )
筑波大学「数値流体力学」
3次元拡張HCZモデル
空間の離散化(続き)
s=
3次元の積分に拡張すると、以下のように離散化できる。
I = ò j (x x , x y , x z ) G (u ) d x x d x y d x z =
æ
ξ i × u (ξ i × u ) 2
u2
Gi ( u ) = v i çç 1 +
+
2
RT
2
(
RT
)
2 RT
è
ö
÷÷
ø
26
å j (x ) G (u )
i=0
i
x
2 RT
i
c = 3 RT
i=0~6
i
v
0
i
8/27
f = å i = 0 f i eq
i=7~18
1,…,6 7,…,18
i=19~26
19,…26
2/27
1/216
p = å i = 0 g ieq
f i eq = r Gi (u )
2012/11/15
1/54
r RT u = å i = 0 ξg ieq
g ieq = r RT Gi ( u ) + y G ( 0 )
筑波大学「数値流体力学」
3次元拡張HCZモデル
時間の離散化
格子ボルツマン方程式を陽的に保ち、二次精度の離散化をする。
[He, Chen, Doolen, J.Comp.Phys.146(1998)282]
以下の新たな分布関数を導入する。
f i = f i - d t f i eq ( ξ - u ) × Ñ y (f ) 2 RT
g i = g i - d t ( ξ - u ) × [Gi (u )( Fs + r g ) - ( Gi (u ) - Gi (a )) Ñ y ( r ) ] / 2
3次元拡張HCZモデルの基礎方程式
f i ( x + ξ id t , t + d t ) - f i ( x , t )
f i - f i eq
t
( ξ i - u ) × Ñ y (f )
= + dt
Gi (u )
t +1/2
t +1/2
RT
g i ( x + ξ id t , t + d t ) - g i ( x , t )
g i - g ieq
t
= + dt
(ξ i - u ) × [G i ( u )( F s + r g )
t +1/2
t +1/2
- ( G i ( u ) - G i ( 0 )) Ñ y ( r ) ]
t = l / dt
f = åi
2012/11/15
1
RT
r
RT
u
=
ξ
g
+
d
p
=
g
d
u
×
Ñ
y
(
r
)
,
fi ,
åi i i t 2 (Fs + rg)
åi i t 2
筑波大学「数値流体力学」
3次元拡張HCZモデル
入力量
[計算パラメータ]
格子サイズ: L x
´ Ly ´ Lz
各相の密度: r l , r h
重力加速度: g
格子間隔: d = 3RT dt
各相の動粘性係数: nh = thdt RT, nl = tldt RT
界面張力に関する力の係数:
[初期条件]
密度、流速、圧力分布:
[境界条件]
流入条件:
k
rini (x), uini (x), pini (x)
r in , u in , p in
粒子分布関数:
f int , g int
粒子分布関数:
f in , g in
流出条件: f out , g out (通常、計算値から外挿)
壁条件: 跳ね返り壁、滑り壁、移動壁、周期的
出力量
密度、動粘性係数:
流速、圧力: u, p
2012/11/15
r, n
指標関数: f =
g
筑波大学「数値流体力学」
å
i
fi
3次元拡張HCZモデルの界面特性
界面特性
静止液滴および気泡をシミュレーションし、HCZモデルの界面特性を調べる。
静止気泡の計算結果
静止液滴の計算結果
気泡及び液滴の密度分布
格子ガス気液モデルと同様、界面には6~8格子の厚み
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
3次元拡張HCZモデルの界面特性
界面張力の測定
ラプラス則を用いて、界面張力を決める。HCZモデルでは界面の強さκを
与えるが界面張力は、理論からは得られない。
p in - p out
界面位置 Rs
2s
=
Rs
内部
圧力差と界面曲率の関係
外部
k 及び密度と界面張力の関係
ラプラス則を満たし、界面張力には、s » kr h r l がある。
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
気泡上昇及び液滴落下シミュレーション
上昇気泡、液滴落下のシミュレーションにより、Graceの実験相関図を再現
し、3次元拡張HCZモデルの二相流数値解析への適用可能性を評価する。
シミュレーション条件
[初期状態]
40
40
[計算パラメータ]
エトベス数、モートン数を指定し、その
値となるように計算パラメータを決める。
2
Eo = gde2 Dr s , M = gn 4Dr rout
s3
128
(a)
Eo 8.67
4.38
M 7.11 2.98x10-3
D r 2.0
0.2
rl
気泡上昇
液滴落下
[境界条件]
垂直方向:跳ね返り壁条件
水平方向:周期的境界条件
2012/11/15
(b)
1.0
0.1
(c)
(d)
116
115
1.31
4.63x10-3
0.2
0.2
0.1
0.1
d = dt = 1
[測定方法]
液滴や気泡が一定速度になった時
の体積等価直径と速度を測定する。
筑波大学「数値流体力学」
気泡上昇及び液滴落下シミュレーション
シミュレーション結果
計算と相関図のReの関係
上昇気泡、落下液滴は、Graceの
相関図をほぼ満足する。気泡の形
状は、実験及び他の計算手法
(VOF法)とほぼ同じである。
実際的な二相流動への適用可能性
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
ケルビン-ヘルムホルツ不安定性の検証
3次元拡張HCZモデルによる水平二相流の流動様式変化の考察を目指し、
二相界面のケルビン-ヘルムホルツ不安定性の定量的に再現する。
理論背景
ケルビン-ヘルムホルツ不安定性:密度が大きな流体の上の密度が小さい
流体の流速が大きくなり、両者の流速差がある値を超えると界面が不安定
となり、成長を始める。水平二相流の流動様式変化の基本機構の1つ。
[二次元の臨界速度差]
ducth = ul - uh =
I h ,l = coth( khh ,l )
r h I h + rl I l
r h I h rl I l
k :波数
gü
ì
k
s
+
(
r
r
)
í
ý
h
l
kþ
î
hl :低密度相の高さ hh:高密度相の高さ
[三次元の臨界速度差]
三次元の場合は、オイラー・ダルシー解析の結果を用いる。
( rh + rl ) 2 ì ks + ( rh - rl ) g k
36n 2 ü
du = ul - uh =
tanh(kH / 2) - 4 2 ý
í
r h rl î
r h + rl
W k þ
th
c
H = hh + hl :流路高さ
2012/11/15
W :流路幅
筑波大学「数値流体力学」
ケルビン-ヘルムホルツ不安定性の検証
シミュレーション条件
[初期状態]
•密度分布
[計算パラメータ]
H = 40, L » 3(2p / k ),W = 1 ~ 39
rl = 0.1, r h = 0.3,s = 0.0
n = 0.01, g = 1.0 ´10-5 , A = 5.0
d = dt = 1
(A:振幅、kは波数)
灰色:界面、青:低密度、赤:高密度
上下方向:すべり壁条件
幅方向:周期境界(2次元)
跳ね返り壁(3次元)
流入条件:正弦波
初期流速分布
流出条件:一格子上流の物理量
•流速分布(3次元)
uh
u h + du
[境界条件]
init
[測定方法]
Wとkを変化させたそれぞれの場合において、異なるduinitをに対し、
上図の白丸部分の波の成長を測定する。同時に流速差も測定する。
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
ケルビン-ヘルムホルツ不安定性の検証
シミュレーション結果
[界面挙動(2次元)]
k = 0.1, W = 39, du = 0.1
界面位置:
1
2
(r h + r l )
速度分布:W/2の平面上
赤:高速 緑:低速
[理論との比較]
2次元(臨界速度差)
3次元(臨界速度差)
3次元(幅の影響)
2次元及び3次元のケルビン-ヘルムホルツ不安定性を再現可能。
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
水平層状二相流の界面成長シミュレーション
タイテル-ダクラーの流動様式線図の界面成長に関する曲線を再現し、
HCZモデルによる流動様式変化の再現可能性を見る。
理論背景
タイテル-ダクラー流動様式線図(Taitel、Dukler,1976):水平流路内の気
液二相流動の様式変化を表した理論的線図。
マルチネリパラメータ:
X =
( dp / dx ) sL
( dp / dx ) Gs
フルード数:
F=
rG
r L - rG
u Gs
Hg
G:気相 L:液相
s:みかけ量
赤色の曲線(X,F)で表される波の成長・非成長の境界を再現する。
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
水平層状二相流の界面成長シミュレーション
シミュレーション条件
[初期状態]
•密度分布
[計算パラメータ]
H = 58, L = 198
e = W / H = 0.19, 0.40, 0.64
r l = 0.1, r h = 0.6, g = 1.0 ´ 10 -5
n h = 5.6 ´ 10 -3 , s = 0.0, p0 = 0.02
灰色:界面、青:低密度、赤:高密度
•流速分布
uhinit
h0h
2012/11/15
h~h0 = h h0 / H = 0.25, 0.51, 0.77, 0.85
A = 1.0, k = 0.01, d = d t = 1
[境界条件]
上下・幅方向:跳ね返り壁
流入条件:正弦波、圧力一定
流出条件:一格子上流の物理
量、圧力一定
筑波大学「数値流体力学」
水平層状二相流の界面成長シミュレーション
シミュレーション結果
[界面挙動]
h~h0 = 0.25, e =W / H = 0.19,
Reh =11.4, Rel = 87.0
界面位置:
1
2
(r h + r l )
速度分布:W/2の平面上
赤:高速 青:低速
[密度分布]
Re l = 128 . 4 , Re h = 21 . 4
e = 0 . 64 , h~ 0 = 0 .25
h
2012/11/15
= 126 . 4 , Re h = 14 . 1
e = 0 . 40 , ~
h 0h = 0 . 25
Re
l
筑波大学「数値流体力学」
Re l = 87 . 0 , Re h = 11 . 4
e = 0 . 19 , ~
h 0 = 0 . 25
h
水平層状二相流の界面成長シミュレーション
低密度相の流速分布形状の比較
[測定方法]
x/L=0.5
[シミュレー
ション結果]
h
界面高さ:
流れ方向流速分布: u
(幅方向平均)
e = 0 . 64
e = 0 . 40
( z -h ) (H -h )
u umax
~ 0 = 0.25 に対して
h
h
この2つの値をプロット
e = 0 . 19
• e=0.64 の場合、 Rel が大きくなると、流速分布の最大値の位置が高くな
る傾向が見られる。[Akai, et al, (1979).]
• e が小さくなるとその傾向が小さくなる。
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
水平層状二相流の界面成長シミュレーション
線図の再現
[測定方法]
初期界面高さと流路幅を変えたそれぞれの場合において、粘性比を変
えて2相の流速差を与え、界面成長を見る。
[線図との比較]
e=W/H=0.64
e=W/H=0.40
e=W/H=0.19
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
•e=0.64の場合、
計算結果はT-D
線図の界面成
長曲線をほぼ再
現する。
•e が小さくなると、
両者の間のず
れが大きくなる。
水平層状二相流の界面成長シミュレーション
T-D線図の再現の考察
なぜ、流路が矩形の時に、計算結果はT-D線図の界面成長曲線を再現し、
幅が狭くなると、両者の間のずれが大きくなるのか?
横から見たの流れ方向流速分布
e=0.64の場合について
e=0.5 以上では、高さ方向の流速分
布形状は、流路幅の影響をほとん
ど受けず、放物線型となる。
(2次元性を示す)[Gondret, et al, (1997)]
e=0.64 の場合に、T-D線図とほぼ
一致している。
狭隘流路におけるT-D線図からのずれについて
アスペクト比が小さくなる(流路幅が狭くなる)と、高さ方向の流速分布形
状が、放物線型から台形型となる。(流れの3次元性の影響)
界面が成長するために、より大きなみかけ流量が必要となり、Fの値が
大きくなる。(∵F~[みかけ流速])
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
水平層状二相流における液滴発生シミュレーション
HCZモデルで液滴の発生を再現し、発生条件をイシイ-グロメスの実験相関
式と比較する。
理論背景
イシイ-グロメスの実験相関式(Ishii,Grolmes,1975):条件の異なる多数の実
験結果に基づき、液膜からの液滴が発生する時の流動状態を無次元数で
整理した相関式
Vl =
N m0.8
( N m £ 151 )
0.1146
( N m > 151 )
11 .78 N m0.8 Reh-1/ 3 ( N m £ 151 )
1.35 Re
-1 / 3
h
( N m > 151 )
1.5 Reh-1/ 3
2012/11/15
( Re
h
³ 1635 )
Vl =
jl m
s
粘性数:
(160 < Re h £ 1635 )
( Re
r h :密度 m h :粘性率 u h
気相: r l :密度 j l :みかけ流速
液相:
無次元気体速度:
h
< 160 )
筑波大学「数値流体力学」
h :厚さ
rl
rh
æ
ö
s
÷
N m = m h çç rh s
÷
g
(
r
r
)
h
l ø
è
液膜レイノルズ数:
Re h =
:流速
h
4r hu hh
mh
s :界面張力
g :重力加速度
- 1/ 2
水平層状二相流における液滴発生シミュレーション
シミュレーション条件
[初期状態]
•密度分布(成層二相流)
[計算パラメータ]
H = 38 , L = 383 , W = 37 , 63
e = W / H = 0 .29 , 0 .97 , 1 .66
h 0 = 10 .0 , r l = 1 . 0 , r h = 4 .0
m = m = 0 . 01 3& , p = 0 . 2
l
灰色:界面、青:低密度、赤:高密度
h
g = 1 . 0 ´ 10 - 5 , s = 1 .37 ´ 10 - 3
d = dt =1
•流速分布(成層二相流)
[境界条件]
上下:跳ね返り壁、左右:すべり壁
流入境界:初期分布
[シミュレーション方法と測定方法]
•予め生成してた成層流に以下の擾
乱を流入させ、液滴発生と流動状
態を測定。異なる流速条件で測定
y
a =5,
w=W-2,
l = 40
u
max
h
u
max
l
流出境界:一格子上流の物理量
2012/11/15
0
w
x
z
z
a
l
•密度が ( r l + r h ) / 2 以上の2以上
格子点の集まりを液滴とみなす。
筑波大学「数値流体力学」
水平層状二相流における液滴発生シミュレーション
シミュレーション結果
[界面挙動]
W = 37 (e = 0 .97 ), L = 383 ,
u hm = 0 .025 , u lm = 0 .13
界面位置:
1
2
(r h + r l )
[相関式との比較]
Nm = 6.9´10-2 > 1/15, 160< Reh < 500
e=W/H=0.97(W=37)
e=W/H=1.7(W=63)
V l = 1 . 35 Re h- 1 / 3
実験データ分布
•実験データ分布の範囲内において、ほぼ相関式を再現している。
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筑波大学「数値流体力学」
液体ジェットシミュレーション
[松尾、他、第18回動力・エネルギーシンポジウム講演論文集(千葉、2013)75]
シミュレーション条件
[境界条件]
[計算領域と初期状態]
低密度相で計算領域を満たす
ui0
上面:直径Dの領域において
ジェット侵入の流入境界
側面、底:跳ね返り壁
x
y
z
[計算パラメータ]
X = 120 , Y = 120 , Z = 500
Dj0
(20grid)
z-length
(500grid)
y-length
(120grid)
2012/11/15
Fr1/2(=uj02/gDj0)1/2
1.98
Re(=uj0Dj0/nj)
744
We(=uj02rjDj0/sj)
162
実験に近い無次元数になるよ
うにパラメータを選択
x-length
(120grid)
[シミュレーション方法と測定方法]
• 高密度相を上部境界から流速
uj0で侵入させる
• ジェットの先端位置を測定
筑波大学「数値流体力学」
液体ジェットシミュレーション
シミュレーション結果
[ジェット挙動の実験との比較]
[ジェット先端位置とブレイクアップ長さの
測定]
実験
計算
ブレイクアップ挙動及び
ジェット先端位置の変化,
ジェットブレイクアップ長
さは試験を良く再現
0
0
Experimental data
Analysis data
0.02
100
Front Position [m]
0.06
0.08
Jet breakup position
0.1
Approximate
straight line
after jet breakup
0.12
Front Position [grid]
0.04
200
Jet breakup position
Approximate
straight line
after jet breakup
300
0.14
0.16
400
Approximate curve,
including gravity effect
0.18
Approximate curve,
including gravity effect
0.2
500
0
2012/11/15
0.1
0.2
Time [sec]
0.3
0
5000
10000
Time Step
15000
20000
筑波大学「数値流体力学」
格子ボルツマン法3次元
拡張HCZ モデルは,
ジェットブレイクアップ体
系へ適用可能であると考
えられる。
まとめ
格子ガス気液モデル:
• 二次元最大相互作用モデルで落下液滴の形状を再現
• 実際的な二相流数値解析には、未だ解決すべき問題あり
格子ボルツマン法3次元拡張HCZモデル:
• 二相界面が、2次元及び3次元の場合において、ケルビンーヘ
ルムホルツ不安定性理論を再現。
• 水平矩形流路内の界面成長シミュレーションは、T-D線図を再
現。
• 流路幅が狭くなると、流れの3次元性が顕著となり、界面成長に
必要なみかけ流量が、T-D線図から得られる値より大きくなる。
• 液滴の発生がシミュレーションし、実験データの分布の範囲にお
いて、I-G実験相関式が再現。
• より複雑な液体ジェットの解析への適用
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」
主な参考文献
üed.by G.D. Doolen, U.Frish, B.Hasslacher, S.Orszag and S.Wolfram,
“Lattice Gas Methods for Differential Equations”( Addison-Wesley
Publishing Company, 1990).
üD. H. Rothman and S.Zaleski, “Lattice-Gas Cellular Automata Simple
models of complex hydrodynamics” (Cambridge University Press,
1997).
üS. Succi, “The Lattice Boltzmann Equation for Fluid Dynamics and
Beyond”(Clarendon Press Oxford, 2001).
üX.He, S.Chen and R. Zhang, J.Compt. Phys. 152 (1999) 642.
üX.He and L-S Luo, Phys. Rev. E 56 (1997)6811.
üX.He, X. Shan and G. D. Doolen, Phys. Rev. E 57 (1998) R13.
ü海老原健一、渡辺正、蕪木英雄, “格子ガスセルオートマトンの気液
モデルによる相分離の研究”,JAERI-Research 97-043(1997).
ü海老原健一、“格子ボルツマン法による水平層状二相流の界面成長
及び変形の数値解析”,JAERI-Research 2005-004(2005).
2012/11/15
筑波大学「数値流体力学」