青 警本交企第197号 平 成 2 7 年 6 月 1 7 日 各 所 属 長 殿 青 森 県 警 察 本 部 長 交通事故分析体制の強化について 本県における交通事故情勢は、発生件数及び負傷者数は平成13年をピークに平成14年以 降13年連続で減少しているものの、死者数は平成20年以降ほぼ横ばい状態にあり、下げ止 まり傾向にある。また、平成26年中の死者数54人に占める65歳以上の高齢者の割合は68.5 %(37人)と全国平均の53.3%を大きく超えており、今後の高齢化の進展を踏まえると極 めて厳しい状況にある。 交通事故死者の更なる減少を図るためには、高度な交通事故分析に基づく交通事故抑止 対策の推進が重要となっており、その基礎となる交通事故分析の推進に向け、体制を整備 するとともに、交通事故分析の前提となる正確な交通事故統計原票の作成に係る教養の強 化を図ることとしたから、所属職員に周知徹底されたい。 記 1 総合的な交通事故分析の推進に当たっての基本的な考え方 効果的な交通事故抑止対策の実施には、交通事故実態に基づき対策を企画・実施する とともに、その実施結果を検証し、検証結果を次の交通事故抑止対策に反映していく、 いわゆるPDSAサイクルを機能させる必要があるが、交通事故分析は、対策の企画及 び実施結果の検証の前提となるものであり、効果的な交通事故抑止対策を実施するため には、今後、より効果的な交通事故分析を実施していくことが必要である。 このため、交通事故分析は、単なる交通事故統計にとどまらず、事故当事者の人的要 因や車両状態、周辺の道路環境、交通規制、交通指導取締り、交通安全教室等の実施状 況に加え、社会環境等の交通事故の遠因についても考慮し、多角的見地から総合的に分 析することが重要であり、交通事故抑止対策の効果が科学的に検証できる分析手法を確 立する必要がある。 このような総合的な交通事故分析の実施には、交通部内各所属及び警察署並びに道路 管理者等関係機関の横断的な連携が必須であることから、警察本部交通企画課に重点的 な分析を行う体制を確立することとしたものである。 2 交通事故分析体制の強化 警察本部交通企画課に、交通事故分析官を平成26年7月18日に配置したところである が、新たに交通事故分析員を設置するものとする。 (1) 交通事故分析官 交通事故分析官は、青森県警察組織規程(平成18年3月青森県警察本部訓令第6号) 第35条第3項に規定される業務を行うが、設置の基準等は次のとおりである。 ア 設置の基準 交通事故分析官は、交通警察の経験豊富な警視若しくは警部の階級にある者又は 一般職員の相当職にある者をもって充てるものとし、原則として1名で専任とする。 イ 任務 (ア) 個別の交通事故に対し、多角的見地から具体的に検討を加えた調査・分析を行 うこと。 (イ) 交通事故分析に必要な分析システムを構築し、交通部内各所属及び警察署並び に道路管理者等関係機関との横断的な連携の下、効果的かつ総合的な交通事故抑 止対策の立案及び交通事故情勢等の情報発信に資する分析を行うこと。 (ウ) 交通事故統計の正確性及び斉一性を保持するための指導教養を行うこと。 ウ 留意事項 (ア) 上記イ(ア)の実施に当たっては、現場確認が必要と認められる死亡事故、社会 的反響が大きい交通事故等が発生した場合には、実況見分調書、被疑者供述調書、 関係人供述調書等を閲覧するとともに、自ら事故現場等に臨場し、当該現場の道 路環境や車両状態について調査し、また、調書等に表れない背景事情等について 捜査に従事した警察官から聴取すること。 (イ) 上記イ(イ)の実施に当たっては、人的要因、周辺の道路環境、交通規制、交通 指導取締り、交通安全教室等の実施状況に加え、社会環境等の交通事故の遠因に ついても分析可能なGIS(地理情報システム)を活用した交通事故分析システ ムを構築するとともに、情報発信に当たっては、分かりやすい資料の作成に努め ること。 (ウ) 上記イ(ウ)の実施に当たっては、全都道府県警察において統一的に運用してい る基準について、警察署等の現場担当者への積極的な指導教養を行うこと。 (2) 交通事故分析員 ア 設置の基準 交通事故分析員は交通企画課交通事故分析係に配置するものとし、警部補以下の 階級にある者若しくは一般職員の相当職にある者で、警察庁が実施する交通事故統 計分析専科を修了した者を優先的に充てるものとし、原則として専任とする。 イ 任務 (ア) 交通事故分析について、交通事故分析官の命を受け、交通事故統計及び交通事 故分析業務を行うこと。 (イ) 交通専務員に対し交通事故統計分析専科で得た知見等を活用した指導、教養等 を行うこと。 担当:交通企画課事故分析係
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