第11節 災害警備・交通規制

震災対策編
第3章
災害応急対策計画
第11節
災害警備・交通規制
第11節 災害警備・交通規制
■
基本方針
震災時には,さまざまな社会的混乱や道路交通の渋滞等が発生するおそれがある。そのため,京都府警察
の組織力を最大限に発揮して,応急対策を実施する防災関係機関と緊密に連携し,住民の生命,身体,財産
の保護,被災地の公共の安全と秩序の維持に努める。
■
役割分担
応急対策項目
担
11.1 災害警備を
京都府警察
実施する
11.2 交通規制を
京都府警察
行う
11.3 交通情報を
京都府警察
収集する
11.4 交通情報を
提供する
京都府警察
当
分
担
内
容
11.1.1 速やかに初動体制を確立して実態を把握する
11.1.2 警備本部を設置する
11.1.3 警察における災害警備活動を実施する
11.2.1 道路の被害状況等を調査する
11.2.2 被災地に通じる道路に道路交通法に基づく交通規制
を実施する
11.2.3 京都府公安委員会から緊急交通路の指定を受け,災害
対策基本法に基づく交通規制を行う
11.2.4 う回路を指定する
11.2.5 災害対策基本法に基づく交通規制を解除する
11.2.6 道路交通法に基づく交通規制を実施する
11.3.1 警察職員を派遣して現場視察を行う
11.3.2 交通障害状況,交通流動状況等の交通情報を収集する
11.3.3 交通障害事案の概況及び対策,復旧工事の見通しを報
告させる
11.3.4 関係警察機関,道路管理者,報道関係機関等と情報交
換する
11.3.5 収集した情報を整理する
11.4.1 テレビ,ラジオの各社に交通情報の放映,放送を依頼
する
11.4.2 各新聞社に交通情報の掲載を依頼する
11.4.3 交通関係機関,団体等に交通情報を提供する
11.4.4 交通情報板,広報車等により交通情報を広報する
11.4.5 住民からの交通情報の照会に回答する
11.4.6 沿道住民,通行車両等に対し,交通情報や交通規制の
周知徹底を図る
11.1 災害警備を実施する
11.1.1 速やかに初動体制を確立して実態を把握する
京都府内において震度5強以上の地震が発生した場合は,警察職員は自所属に非常参集し,初動
体制を確立して,迅速に被災実態を把握する。
11.1.2 警備本部を設置する
京都府内において震度5強以上の地震が発生した場合は,警察本部に警察本部長を,各警察署に
警察署長を長とする「警備本部」をそれぞれ設置し,警察における災害警備全般の総括指揮に当た
る。
11.1.3 警察における災害警備活動を実施する
被災者の救出救助,避難誘導等,適切な災害警備活動を防災関係機関と連携を保ちながら実施し,
住民の生命,身体,財産の保護,被災地の公共の安全と秩序の維持を図る。
(災害警備活動の内容)
ア 被災実態の把握
イ 被災者の救出救助・避難誘導
ウ 遺体の検視,調査,身元確認等
― 271 ―
震災対策編
※
第3章
災害応急対策計画
第11節
災害警備・交通規制
エ 行方不明者の捜索
オ 被災地・避難場所における犯罪の予防検挙
カ 地震に関する広報
キ 防災関係機関による災害救助・復旧活動に対する協力
ク その他災害警備に必要な警察活動
資料3-11-1 災害情報等伝達系統図
11.2 交通規制を行う
11.2.1 道路の被害状況等を調査する
警察署長,高速道路交通警察隊長(以下「警察署長等」という。)は,災害の発生を認知した場
合は,道路の被害状況等を調査する。
11.2.2 被災地に通じる道路に道路交通法に基づく交通規制を実施する
警察署長等は,災害対策基本法に基づく交通規制が実施されるまでの間,被災地に通じる道路(緊
急交通路候補路線等)に道路交通法に基づく交通規制を実施する。
(災害対策基本法に基づく交通規制が実施されるまでの間の交通規制)
ア 当該道路の主要交差点等に必要な人員を配置する。
イ 一般車両(災害対策基本法第76条第1項に規定する緊急通行車両以外の車両をいう。以下同
じ。)の被災地域内への流入抑制措置をとる。
11.2.3 京都府公安委員会から緊急交通路の指定を受け,災害対策基本法に基づく交通規制を行う
警察本部長は,被災地やその周辺における被災状況等を勘案のうえ,速やかに緊急交通路(区域
又は区間を含む。以下同じ。)を指定し,災害対策基本法第76条第1項の規定による通行の禁止又
は制限(以下「災対法交通規制」という。)を実施する。
(災対法交通規制(交通量が多い場合))
ア 規制区域内においては,ロープ,パイプ,柵等の資機材を活用する。
イ 運転者が車両を離れるときは,ドアの鍵を掛けないよう広報する。
ウ 道路の中央付近に放置された車両については,手段を尽くして道路の左側へ寄せる。
エ 混乱している交差点,主要道路等の近くに公園,空地,その他車両の収容可能な場所がある
ときは,道路上の車両をできるだけ移動させ,車道を確保するように努める。
オ 交通規制及び交通整理に当たっては,現場の運転者等の協力を求めるなど適宜の措置をと
る。
カ 運転者に対しては,ラジオ等の交通情報の傍受に努め,警察官やラジオ等による交通規制の
指示に従うよう広報する。
キ 規制区域内の住民に対しては,絶対に家財道具等を道路に持ち出さないよう指導する。
ク 被災者と緊急通行車両等が混雑した場合においては,被災者を優先して誘導するよう措置を
とる。
ケ 避難誘導に際しては,主要交差点,車両と被災者との境界部に特に配慮して避難誘導を確保
するとともに,被災者の混乱による事故防止に努める。
(災対法交通規制(交通量が少ない場合))
規制の方法は,交通量が多い場合に準じて行うほか,次の事項に留意する。
ア 警備要員が少ないときは,主要交差点等に重点的に配置する。
イ 情報板等の資機材を活用し,必要な広報を積極的に行う。
ウ 車両を用いて避難することが予想されるので,車両による避難は絶対にやめさせる。
(標示の設置)
ア 災害対策基本法施行令第32条第1項に規定する「緊急通行車両以外の車両の通行止」は,原
則として,災害対策基本法施行規則第5条第1項に規定する標示を設置して行う。う回路を設
定したときは,これを明示した立看板等を設置するほか,道路管理者の設置する道路標識,立
看板等を併設する。
イ 「緊急通行車両以外の車両の通行止」の標示は,警察本部や警察署にあらかじめ備え付けて
おく。
― 272 ―
震災対策編
第3章
災害応急対策計画
第11節
災害警備・交通規制
11.2.4 う回路を指定する
京都府公安委員会は,一般車両の円滑な通行を確保するために必要があると認めたときは,う回
路を指定する。
11.2.5 災害対策基本法に基づく交通規制を解除する
京都府公安委員会は,災対法交通規制後,人命救助等の災害応急対策がおおむね終了したと認め
た場合は,道路等の復旧状況や復旧・復興に必要な交通需要を勘案のうえ,規制を解除する。
11.2.6 道路交通法に基づく交通規制を実施する
警察署長等は,災対法交通規制が解除された場合は,必要により道路交通法に基づく交通規制を
実施する。
11.3 交通情報を収集する
地震災害の発生に伴う交通障害事案が発生したときは,迅速かつ的確な交通実態の把握に努める。
11.3.1 警察職員を派遣して現場視察を行う
交通情報対象発生箇所へ警察職員を派遣し,現場視察を行う。
11.3.2 交通障害状況,交通流動状況等の交通情報を収集する
交通管制センターにおいては現場警察官や道路管理者等から,定時又は不定時に交通障害状況,
交通流動状況等の交通情報を収集する。
11.3.3 交通障害事案の概況,対策,復旧工事の見通しを報告させる
府内各警察署,高速道路交通警察隊等から交通障害事案の概況や当該事案の対策,復旧工事の見
通しについて報告させる。
11.3.4 関係警察機関,道路管理者,報道関係機関等と情報交換する
近畿管区警察局交通担当課(吹田高速道路管理室を含む。),隣接府県警察本部交通規制担当課
(交通管制担当課を含む。),一般国道・府道・京都市道の道路管理者,日本道路交通情報センタ
ー,各新聞,ラジオ,テレビ等の報道機関と相互連絡を密にして情報の交換に努める。
11.3.5 収集した情報を整理する
収集した情報は,常に明確に把握できるように整理しておく。
11.4 交通情報を提供する
交通情報の広報については,交通規制の実施状況や解除の見通し,う回路,交通渋滞状況等について,
迅速かつ的確に広報活動を行う。
11.4.1 テレビ,ラジオの各社に交通情報の放映,放送を依頼する
テレビ,ラジオの各社に臨時情報を提供し,交通情報の放映,放送を依頼する。
11.4.2 各新聞社に交通情報の掲載を依頼する
記者クラブ所属各新聞社に随時情報を提供し,交通情報を掲載するよう依頼する。
11.4.3 交通関係機関,団体等に交通情報を提供する
京都府交通安全協会,同バス協会,同トラック協会,同乗用自動車協会,同自家用自動車協会等交
通関係機関団体に随時関係情報を提供し,傘下各企業体の運転者にその周知徹底方を依頼する。
11.4.4 交通情報板,広報車等により交通情報を広報する
交通情報板,広報車,交通機動隊,高速道路交通警察隊,自動車警ら隊,警察署のパトカーなどに
より交通情報を広報する。
11.4.5 住民からの交通情報の照会に回答する
住民からの交通情報の照会に対しては,直接又は電話応答装置などにより適切に回答する。
11.4.6 沿道住民,通行車両等に対し,交通情報や交通規制の周知徹底を図る
沿道住民,通行車両等に対しては,交通情報提供装置,立看板の設置,交通規制図の配布等により,
交通情報や交通規制の周知徹底を図る。
― 273 ―