安全・環境報告書2004 地 球との「共存」そして「共栄」 ∼安全を基盤としたCSR活動の報告∼ 2003.4 2004.3 飯野海運株式会社 OUR VISION トップメッセージ 安全を基盤としたサステナビリティの実現に向けて 事業を通じた社会への貢献 当社は、全ての液状貨物、ガス状貨物、一般炭を含むエネルギー輸送、チップなどの基礎原料を対象とする海運事業、並びに東 京都心を中心に中大型オフィス空間を提供する不動産事業、という二つの事業を核としています。 日本の貿易量全体の中の海上貿易の割合は2002年に金額ベースで68.2%、トン数ベースで99.7%を占めており、海運は日 本の貿易にとって不可欠な輸送手段となっています。このような状況において、確実な海上輸送サービスを提供することを通じ て日本の産業経済に貢献することは、当社の使命であると考えています。また、東京都心におきまして、テナントの皆様にご満 足いただける文化的で快適なオフィス空間を提供することも、当社の大切な使命の一つです。 安全なくして当社の事業なし これらの使命の遂行にあたりましては、何よりもまず「安全」が不可欠であり、当社は、経営理念の第一に「安全の確保が社業の 基盤」とうたっています。海上運送業におきましては、顧客の資産である「積荷の安全」、乗組員等の「人命の安全」、船主の資産であ る「船体の安全」、社会全体の資産である「環境の安全」の4つの安全が重要であり、不動産業におきましても、テナントの皆様の人命 と資産の安全、来館者の安全が極めて大切です。まさに「安全」なくしては、海運業、不動産業は成立せず、お客様へのよいサービ スの提供は成り立ちません。 このような考えを表して、この度初めて発行する報告書を「安全・環境報告書」と名づけました。 環境面につきましても、当社の主要2事業は大きな関わりを持っています。船舶は大量の重油を燃料として動いており、また、仮 に一たび大事故を起こすと海洋環境への影響ははかり知れません。オフィスビルも多量の電気、ガスを消費しており、環境保全は避 けて通れない当社の責務と考えています。継続的な環境負荷低減に向けたシステムを確立し、全社員が日々努力しています。なお、 2004年3月22日にまずは本社事務所を含む海上運送業を範囲としてISO14001・9001の認証を同時取得致しました。 当社が進めている事業が社会に有用であり、また当社も社会から助けられている、という考え方を大切に事業を進めて参りたいと思 います。 当社の運航船舶の乗組員の多くは外国人船員であり、船内ではグローバル化したコミュニテイを形成していますので、人権に配慮 した運営に努め、国籍、人種、宗教、年齢、性別その他不当な理由による差別が発生しないよう行動憲章を定めています。また不動 産事業では、基幹ビルである飯野ビルにおいて、イイノホールから各種の文化情報を発信しているほか、ビル所在の近隣地域との共 生を図り、社会に貢献できるよう努めています。 2 安全・環境報告書2004 サステナビリティに向けた飯野海運のビジョンと戦略 Sustainability 企業の持続可能性の達成 社会の持続可能性に貢献 Going Concern ステークホルダー コーポレートガバナンス 経営理念 法令・社会的規範 キーファクター 飯野海運の社会的責任(CSR) Corporate Social Responsibility ステークホルダー コンプラ リレーションズ イアンス 経済性 環境性 社会性 事業活動を通じて実践 事業活動を通じて実践 Economic Environmental Social 人 マネジメント体制 安 全 Safety サステナビリティ(Sustainability): 持続可能性。現在の経済・環境・社会のニーズのバランスを取り、将来世代のニーズを犠牲にしないことで実現する。1987年 環境と開発に関する世界委員会 により「持続可能な開発」(Sustainable Development)の概念が提唱され、1992年の地球サミットによるリオ宣言で世界的な方針として採用された。 当社の社会的責任 ∼安全に経済・環境・社会を加えた4要素 企業価値を最大化し持続的な企業として存続していくために、当社は、安全を基盤としたよいサービスの提供によって顧客 満足度の向上を図り、法令を遵守し、環境負荷の軽減・環境保全に努め、社会に貢献してゆくこととします。 この報告書の中では、新たな試みとして「安全・環境会計」の仕組みを構築し公表しています。従来から広く普及している 環境会計に加えて安全会計の考え方を導入し、当社におけるCSR会計として整備・充実していく予定です。 報告書の記載内容は、現時点で入手可能な範囲で正確な情報ですが、今後も開示範囲の拡大、精度の向上など一層充実させて いきたいと考えています。第三者レビューとして、財団法人日本海事協会の常務理事 鍛冶楯生様より、第三者所感をいただき ました。頂戴したご評価・ご意見は、今後の活動・取り組みに活用していきたいと存じます。 またこの報告書を更に充実させるために関係各位の皆様からのご意見、ご感想を頂戴することができれば幸いです。 平成16年7月 飯野海運株式会社 代表取締役社長 杉本 勝之 3 安全・環境報告書2004 OUR PHILOSOPHY 経営理念・行動憲章 経営理念 安全の確保が 社業の基盤 よいサービスと商品を 社会に提供し適正な 価格で安定的に供給 顧客ニーズに 迅速・的確に対応 法令を遵守し 社会と環境に十分配慮 株主、 そして役職員への リターン充実を目指し 企業価値向上を志向 行動憲章 「経営理念」を実現する具体策として「行動憲章」を定める。 当社ならびに飯野グループとその役職員は、企業活動を行う場合、この憲章に従って行動するものとする。 1.社会への貢献と企業価値の向上 ●海運業、不動産業並びにグループの事業目的を遂行するにあたり、公正、透明、自由な競争のもとで、質の高いサービスを適正な価格で安定的に供給 することを通じ、社会に貢献する。 ●企業は利益をあげるために設立され、当社も中長期に業績を向上させ、企業の価値を高めなければならないことはいうまでもない。しかし企業価値を 上げるために社会の利益を損なうことがあってはならないのみならず、積極的に社会に貢献しなければならない。常に「会社のため」のみならず 「世のため、人のため」に十分配慮しなければならない。 2.法令遵守と社会秩序の維持 ●この憲章でコンプライアンスとは「法令の遵守」と「社内に遵守するための体制を整備すること」をいう。 ●当社は、事業の遂行にあたっては、法令を遵守するのみならず、すすんで法令の目指す社会的規範・道徳律の趣旨を踏まえて行動する。 ●事業遂行にあたっては商法、独占禁止法、証券取引法等の国内法令、及び船舶に関わる国際ルール、規則ならびに事業活動を行う各国・地域の法令・ 規則を遵守する。 ●役職員は会社にとって不利なまたは不利となる懸念のある情報を知った場合はステークホルダー リレーションズ マネジメント グループ等に直ちに 報告しなければならない。 ●社会の秩序や安全を脅やかす反社会的勢力・団体とは一切かかわりを持たないものとする。 3.差別の廃絶・人権の尊重 ●雇用、取引行為等において国籍、人種、宗教、年齢、性別その他不当な理由によって差別することをしない。 ●職場においては人権を尊重し働きやすい環境の整備に努める。 4.安全の重視 ●当社事業で使用する船舶およびオフィス・ビルにおける事故は人命・顧客財産の損傷、環境汚染等をもたらす危険性が高く、安全優先を経営上の使命 とする。 5.環境保全 ●当社の事業から生ずる環境への負荷を低減するため、内外の関連法規ならびに国際ルールを遵守し、海洋、大気、港湾、建造物、土壊の環境保全に努める。 6.顧客尊重 ●この憲章で顧客とは代金を受け取る相手および代金を払う相手等広義の取引先をいう。 ●顧客を、代金を受け取る立場あるいは支払う立場あるいは会社やその企業規模等で分け隔てることなく、どの顧客とも常に対等の立場にたち誠心誠意 かつ親切丁寧に応対しなければならない。また顧客のニーズに迅速、的確に対応し、顧客満足度の向上に努める。 ●顧客との永い信頼関係は当社の繁栄をもたらす宝であり、各役職員は応対の都度自分が会社を代表して信頼関係を築いているという意識をもって行動 しなければならない。 7.情報開示とコミュニケーション ●株主、顧客、従業員、地域、市民団体等全てのステークホールダーの利益に配慮し、理解をうるため、十分なコミュニケーションを行うよう努めるも のとする。 ●当社に不利な情報も含め企業情報を適切かつ遅滞なく開示するものとする。 ●個別顧客に関する情報、法人個人を問わずプライバシーに属する事項は開示対象としない。 4 安全・環境報告書2004 編集方針 目 次 「安全」を社業の基盤とする当社の経営理念に即した編集としました。 トップメッセージ 2−3 経営理念・行動憲章 4 編集方針・目次 5 企業概要・中期経営計画 6−7 報告範囲 8 マネジメント体制とコーポレートガバナンス 9 SRMグループ管掌役員より 10 そこで、私たちはこの冊子を「安全・環境報告書」と名づけることに しました。 共通的な内容に続き、「経済性」「安全・環境性」「社会性」の3部構 成で作成し、この一冊で飯野海運の全体像をご理解頂けるよう努めま した。 環境報告書としてもサステナビリティ報告書としても、今年が初めて の発行となりますので、海運業・不動産業に詳しくない方にもご理解 頂けるように、事業の解説や用語集を充実しました。 経済性報告 12−13 経済性パフォーマンス 14−16 安全・環境性報告 17 読みやすさと充実した情報を両立したレポートを目指し、レイアウトや ビジュアル表現に工夫をしました。「経済性」「安全・環境性」「社会 性」の各報告のはじめにポイントとトピックスを設けました。お急ぎの 方は該当ページだけお読みになれば、当社の取り組みの概要を把握で きます。 可能な限り定量的に情報を開示するよう努めました。また不利益情報 も開示する方針で編集を進めました。 GRI サステナビリティ リポーティング ガイドライン2002 を主に 安全・環境会計 安全・環境性トピックス 18−19 20−21 安全・環境に関する組織 20−21 海運業の安全・環境性 22−35 不動産業の安全・環境性 36−43 全社的な取り組み 42−43 ステークホルダーの声 参考にしています。また環境省及び経済産業省のガイドラインも参考 P.8 にしました。(詳細 ) 11 経済性トピックス 44 社会性報告 この報告書は、飯野海運株式会社 ステークホルダー リレーションズ マネジメント グループ(略称:SRMグループ)が編集致しました。 P.57 (お問い合わせ先等 ) なお、原則として本文中で「当社」は報告対象範囲内のグループ会社 P.8 「当社グループ」は飯野海運グループ全体(60社)、 、 「飯野海 45 社会性トピックス 人事制度・教育研修 46−47 48−49 CSR先進企業からのメッセージ 第三者所感 安全理念の実践に向けて 50 51 52 運(株)」は飯野海運株式会社単体を指します。 用語集 53−55 GRIガイドライン対照表 56 お問い合わせ先等 57 本書内でのガイド表示について 「経済性」「安全・環境性」「社会性」のうち、 どれについて報告しているかを各ページ右上のサ インで表示しています。 「安全・環境性」報告の中では、見開き左ページで 安全 に関する報告、右ページで 環境 に関する報告 を行っており、右のように見出しを色分けしてい ます。 経 済 性 安 全 ・ 環 境 性 左(偶数ページ) 海運業についての報告は青字、不動産業について の報告は茶字の見出しにしています。 社 会 性 右(奇数ページ) 安全に関する報告 海運業に ついての報告 環境に関する報告 不動産業に ついての報告 このマークの用語の解説は、P.53∼55の用語集をご覧下さい。 P.0 他のページに関連する記述がありますので、ご参照下さい。 5 安全・環境報告書2004 CORPORATE PROFILE 企業概要・中期経営計画 企 業 概 要 (2004年3月末現在) ■商 号:飯野海運株式会社 IINO KAIUN KAISHA, LTD. (略称:IINO LINES) ■主要取引先: 出光興産 出光タンカー 出光ガスアンドライフ 三菱商事 新日本石油ガス 新日本石油 三井物産 電源開発 日本ゼオン 中越パルプ 全農 Sabic Marketing Ltd. 東ソー 九州電力 SK Shipping 帝人 中国塗料(順不同) ■創 業:1899年7月(明治32年) ■本 社:〒100-8506 東京都千代田区内幸町二丁目1番1号 ■主要取引銀行: 日本政策投資銀行 株式会社みずほコーポレート銀行 株式会社三井住友銀行 中央三井信託銀行株式会社 ■資本金:10,752,675千円 ■株式数:398,300,000株(発行する株式の総数) 100,725,980株(発行済株式の総数) ■株主数:9,572名 ■大株主: (千株) (%) ■事業所: 国内 本社、舞鶴 海外 ドバイ、ロンドン(2004年4月より現地法人) 海外現地法人 シンガポール、コネチカット 株主名(上位10名) 持株数 議決権比率 川崎汽船株式会社 5,940 6.05 ザ バンク オブ ニューヨーク トリーティー ジャスデック アカウント 5,225 5.32 東京海上火災保険株式会社 5,117 5.21 ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー ■主要事業内容: 海運業、不動産業、流通小売業 5,096 5.19 株式会社みずほコーポレート銀行 4,796 4.88 三井物産株式会社 4,200 4.27 ■事業免許・登録: 内航運送業、貨物利用運送事業(内航) 宅地建物取引業、不動産鑑定業 日本トラスティー・サービス信託銀行株式会社 3,622 3.68 株式会社損害保険ジャパン 3,060 3.11 飯野海運取引先持株会 2,848 2.90 株式会社アイ・エイチ・アイマリンユナイテッド 2,692 2.74 ■上場取引所:東京、大阪、名古屋、札幌、福岡 (証券コード:9119) ■所 属 団 体 :(社)日本経済団体連合会 (社)日本船主協会 (社)不動産協会 ■グループ会社: 連結対象子会社36社、持分法適用関連会社2社、 連結対象外関係会社22社 合計60社 ■運航船腹量(共有船を含む): 86隻 3,255,438重量トン(MT)* ■主要賃貸ビル: 6棟 延床面積133,483.17m2 ■従業員数: 単体 138名(陸上94名 海上44名) 連結 537名 ■労働組合: 飯野海運労働組合(陸上)、全日本海員組合(海上) 海運業の紹介 オイルタンカー ガスタンカー 我が国初の本格的外航タンカー「富士山丸」竣工(1931年)以来 の豊富な経験、運航管理ノウハウに基づいて30万トン級の大型船か ら中小型船まで最新鋭の船舶を保有・運航し ています。環境保全のため既に全ての船舶は ダブルハル となっています。 液化石油ガス(LPG)、液化天然ガス(LNG)や石油化学系ガスを 特殊荷役設備を有する専用船で輸送しています。特にLPG輸送の分野 では日本のパイオニアで、またクリーンエ ネルギーとして注目される大型LNG船の自 主運航も2003年から開始しました。 運航船腹 8隻 985,137 重量トン* (社船1隻、用船7隻) 運航船腹 44隻 1,104,544 重量トン* (社船12隻、用船31隻、受託船1隻) 隆邦丸 豊洲丸 ケミカルタンカー ドライカーゴ 全船ステンレスタンクを有するケミカル船隊は業界でトップクラスで、 中東とアジアを結ぶ航路では世界のトップシェアを確保しています。 さらに米国のオペレーター(運航者)と連携 して大西洋及び中南米の航路も拡大してい ます。 貨物輸送では、遠洋・近海・内航のすべての水域にわたり、定期・ 不定期貨物船サービスを幅広く提供しています。電力向け一般炭輸送 では海外からの輸入開始当時から携わって おり肥料・木材チップ輸送でも独自の地位 を確立しています。 運航船腹 22隻 514,434 重量トン* (用船22隻) 運航船腹 12隻 651,323 重量トン* (用船12隻) CHEMSTAR MOON *:載貨重量トン のこと。MT(メトリックトン)で表す。(1MT=1,000kg) 6 安全・環境報告書2004 BLUE ISLAND 中期経営計画 ■ 内 容: 1. 安定配当が可能な収益体質の構築 2. 顧客満足度の向上 3. コスト競争力の強化 4. 財務内容の一層の改善 5. 人事制度、組織運営の合理化 6. グループ会社の強化 7. 安全対策・環境対策の強化 ■ 名 称:New IINO RENOVATION 21 ■ 略 称:New IR21 New IR 21 ■ 標 語: 「急激な変革にスピードと創意をもって対応」 ■ 期 間:2001.4.1∼2004.3.31(3ヶ年) ■ 内 容: 1. 営業力の強化(顧客満足度の向上、コストダウン、海運部門 の海外業務強化等) 2. 収益力と財務体質の安定・強化 3. コーポレートガバナンスの充実 4. マンパワーの育成強化と組織の効率化 5. 安全環境対策、コンプライアンス、IR 活動の推進 6. グループ会社の強化 ■ 名 称:“IINO's Value Creation to 2007” (2007年にいたる飯野価値創造計画) ■ 略 称:IVC 07 IVC 07 ■ 標 語:∼企業価値の創造を目指して∼ 「変化にスピードと創意と熱意で挑戦」 ■ 期 間:2004.4.1∼2007.3.31(3ヶ年) NEW IR21 終了時から新3ヵ年計画IVC 07 に向けての主要数字の実績と見通し(連結) 2003年度 IVC 07(予想) (実績) 売上高 2004年度 2005年度 単位:億円 2006年度 583 570 597 615 営業利益 59 64 68 69 経常利益 36 45 50 51 当期純利益 ROE 23 27 30 31 7.8% 8.3% 8.6% 8.4% 注)ROE は当期純利益(税引き後)に対して算出しています。 不動産業の紹介 流通小売業の紹介 賃貸ビル事業 千代田石油(株) ブルー・オーシャン(株) プラニングから運営、管理及びメンテナンスまで総合的かつ長期的 な視点から質の高いオフィス空間等を提供しています。 東京都内、神奈川県内でガソ 天然のフレーバーをブレンドした リンスタンドを経営する千代田 お菓子「ジェリービーンズ」の輸入販 ●主要賃貸ビル (6棟:延床面積133,483.17m2) ・飯野ビル(千代田区) ・東京桜田ビル(港区) ・東京富士見ビル(千代田区) ・飯野竹早ビル(文京区) ・蒲田グリーンビル(大田区) ・笹塚センタービル(渋谷区) 石油(株)は飯野ビル他の駐車場 売の日本代理店であるブルー・オー の管理なども行っています。 シャン(株)は、帝国ホテル及びソニ ープラザ等、輸入専門店ほか、800 ●サービスステーション5店 店鋪を超える全国の小売店に商品を 供給しています。また、インターネッ ●管理物件2件 トによる通信販売も行っています。 飯野ビル ●賃貸住宅(3棟) ●賃貸商業施設(スポーツクラブ等) 戸建分譲事業 販売実績:1,010区画 不動産関連事業 飯野ビル内直営店 「Candy Spot 101」 千代田SS フォトスタジオ(2棟) スープカフェ(4店) イイノホール ※なお、安全・環境報告書に関するアンケートにお答え 下さった方に「ボックス50gミックス」を進呈します。 詳細は会社案内又はホームページをご覧下さい。http://www.iino.co.jp/kaiun/company/ 7 安全・環境報告書2004 REPORT SCOPE 報告範囲 報告範囲 ■報 告 内 容 :飯野海運グループのサステナビリティに向けての取り組みを総合的に報告しています。経済性、安全・環境性、社会 性の各分野の取り組み・パフォーマンスを系統立てて報告しています。 ■ 報 告 対 象 期 間 :原則として2003年4月1日から2004年3月31日までの2003年度(財務会計の期間と同一:第113期) 但し、報告書の発行初年度のため、過去の取り組みのうち特徴的なものも掲載しています。 なお、今後の目標等報告対象期間以降の情報を提供することが適切なものについては、新しい情報を掲載して います。 ■ 報告組織の範囲:飯野海運株式会社がグループ会社も含めた範囲について、以下の通りの考え方で報告します。 2004年3月末現在 海運業 対安 象全 範環 囲境 会 計 の ・ 報 告 書 の 記 述 対 象 範 囲 飯野海運(株) 海運部門 不動産業 本社管理業務 不動産部門 本社管理部門 <船舶管理会社> <ビル管理会社> イイノマリンサービス(株) イイノ・ビルテック(株) <仕組船会社> 18社 <石油小売業> <不動産関連事業> <船員配乗会社> POBAR Marine Services,Inc. 飯野海運(株) 流通小売業 国内出張所(1) 海外事務所(2) 2社 東京桜田ビル(株) イイノホール(株) (株)イイノ・スープ&カフェ (株)イイノメディアプロ 千代田石油(株) <調査会社> <食品輸入販売業> イイノリサーチアンドパソナ(株) ブルー・オーシャン(株) <他の不動産関連事業> <機能分社> 泰邦マリン(株) イイノビジネスサービス(株) イイノマネジメントデータ(株) <凡例> <海運会社> <システム開発・管理> 近海液化ガス輸送(株) 光洋汽船(株) など計5社 飯野システム(株) 持分法適用関連会社 海外現地法人 連結対象子会社 報 告 対 象 外 非連結関係会社 <海運関連事業> イイノエンタープライズ(株) 合同船舶工業(株) セトシップマンジメント(株) トランスオーシャンサービス(株) 飯野港運(株) <他の仕組船会社> 15社 注)1. 経済性報告の対象範囲は飯野海運(株)及び連結対象子会社です。 2. 報告対象組織の2003年度中の異動は以下の通りです。 連結対象子会社:6社増(+7社 −1社) ・これにより、安全・環境会計の対象会社(仕組船会社)が5社増加しました。 非連結関係会社:4社減(+0社 −4社) ・これにより、報告書の記述対象会社の異動はありません。 3. 今後、報告対象範囲の拡大と系統化に努めて参ります。 ■参考としたガイドライン 報告書:「サステナビリティ リポーティング ガイドライン2002 」(GRI ) 「環境報告書ガイドライン(2003年度版)」(環境省) 「環境報告書作成基準案」(環境省) 「ステークホルダー重視による環境レポーティングガイドライン2001」(経済産業省) 会 計:「環境会計ガイドライン2002年版」(環境省) 「環境保全コスト分類の手引き2003年版」(環境省) 「環境管理会計手法ワークブック」(経済産業省) 指 標:「事業者の環境パフォーマンス指標ガイドライン2002年度版」(環境省) 「事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン(試案ver1.5)」(環境省) 「Technical Protocols(測定規定)」(GRI) ※当社では、環境マネジメントシステムの運用を始めたばかりであり、また環境情報システムも十分でないため、情報収集の網羅性や精度に不十分な面があります。 今後報告書の発行とステークホルダーの方々とのコミュニケーションによって課題を特定し、より適切な報告ができるよう継続的な改善に努めます。 8 安全・環境報告書2004 CORPORATE GOVERNANCE コーポレートガバナンス マネジメント体制とコーポレートガバナンス ■ 執行役員制の導入 《 ガバナンス体制図 》 当社グループ全体のガバナンス体制の確立に向けて、2004年 株主総会 6月29日より執行役員制度を導入しました。取締役の持つ経営 選任・解任 意思決定・監督機能を明確化し、機能強化を図っています。また 執行役員は関係会社を含めた業務執行機能を担当するものとして 会計監査人 選任・解任 (外部) 会計監査 取締役会 選任・解任 監督 選任・解任 (内部) 会計監査 監査役会 業務監査 社内監査役 社外監査役 代表取締役 明確化し、執行機能の強化を図っています。 助 言 招集 投融資運営委員会 ■ 監査役制度の継続 人事委員会 当社の4名の監査役のうち半数は社外監査役であり、また従来か 指揮 答申 執行役員 安全委員会 業務執行 ら会計監査人や顧問弁護士の意見を尊重し経営に取り入れており、 監査体制は十分確立しています。現状の体制で、株主利益の保護の ための客観的な監視機能が働いていると判断し、委員会等設置会社 への移行はせず、監査役制度を継続しています。 品 質 ・ 環 境 委 員 会 情 報 セ キ ュ リ テ ィ 委 員 会 任命 経営執行協議会 諮問 チーフコンプライアンスオフィサー 業務監査 顧 問 弁 助言 護 士 コンプライアンス協議会 助 言 参加 関係会社 社内各部門 従業員 ホ ッ ト ラ イ ン ステークホルダーリレーションズ マネージメントグループ 法務・保険チーム ■ 主要委員会等の機能 ・経営執行協議会 : 取締役会に付議または報告を要する事項の審議、代表取締役の業務執行に関する重要事項の審議、経営に関する 意見交換ならびに情報交換を行っています。安全・環境等に関する重要事項を含みます。 ・安 全 委 員 会 : 当グループに共通する安全ならびに環境に関する事項の徹底・強化を図っています。安全委員会内に品質・環境 委員会と情報セキュリティ委員会を設置しています。 ・投融資運営委員会: 担当役員を委員長とし、新規投融資案件について全社的観点からその妥当性、リスク管理などについて多面的検 討を行っています。 ・人 事 委 員 会 : 担当役員を委員長とし、担当役員ほかにより構成され必要に応じ随時開催されます。 従業員全員のレベルアップ、モチベーションの向上、人件費の適正な配分を基本方針とし、人事評価、研修、昇格 について討議をしています。 ■ 役員 取締役・監査役 代表取締役 代表取締役 取締役 取締役 取締役 取締役 取締役 取締役 取締役 監査役 監査役 監査役 監査役 執行役員 会長執行役員 社長執行役員 専務執行役員 専務執行役員 常務執行役員 常務執行役員 常務執行役員 執行役員 執行役員 執行役員 執行役員 執行役員 執行役員 執行役員 執行役員 執行役員 氏 名 野口 章二 杉本 勝之 古賀 啓 松本 隆彦 渡辺 利一 田村 孝昭 愛葉 光彦 山内 宗次 田川 豊 河原 一夫 山根 修 石川 廣行 浅田 研二 関根 知之 星野 憲一 安斎 容一郎 岡田 俊雄 貞苅 紳 佐藤 安彦 覚明 敏之 業務分担・職位委嘱 オイルタンカーグループ管掌、貨物船グループ及び海外担当 イイノマリンサービス(株)社長兼船員グループ担当 経理グループ、不動産事業グループ及びステークホルダー リレーションズ マネジメント グループ管掌 IINO UK LTD. 社長 調査グループ、オペレーショングループ及びケミカルタンカーグループ担当 千代田石油(株)社長 ステークホルダー リレーションズ マネジメント グループ リーダー委嘱 経理グループリーダー委嘱 イイノマリンサービス(株)常務取締役 不動産事業グループ担当 オイルタンカーグループリーダー委嘱 ガスタンカー第2グループ担当兼ガスタンカー第1グループリーダー委嘱 総務・企画グループ、業務管理グループ担当及び人事グループリーダー委嘱 ドバイ事務所代表 常勤監査役 社外監査役 社外監査役 ※当社では独立した社外取締役は選任していません。また環境性や社会性に関して、特に優れた専門性を有する取締役は選任していません。 ※株主提案権や帳簿閲覧権等の少数株主権については、商法等の関連法規の規定に従っています。 ※役員賞与を含めた役員報酬については、内部でガイドラインを定め、財務的目標及び非財務的目標の達成度を考慮して定めています。 9 安全・環境報告書2004 ステークホルダー リレーションズ STAKEHOLDER マネジメント グループ管掌役員より RELATIONS MANAGEMENT ステークホルダーとの良好な関係の促進 取締役 常務執行役員 渡辺 利一 当社は2003年6月27日にステークホルダー リレーションズ マネジメント グループ(略称:SRMグ ループ)を発足させ、全てのステークホルダー(利害関係者)との関係を見直し、より改善するための経 営サポートシステムを作りました。会社は、株主、投資家、金融機関、格付け機関、従業員、地域、社会全 体等の様々な利害関係者との関係をもっております。このうち、従来必ずしも担当が明確でなかった利 害関係者への情報開示の促進、良好な関係の促進がSRMグループ設置の主たるねらいです。当社は現 在、ステークホルダーとの関係を下に示した図のように捉えて、SRMグループだけでなく社内の各部 門が連携して、利害関係者との対話に努めています。 SRMグループは発足して1年ですが、この間SRMグループが事務局となって、環境面、品質面(顧客満足度の向上)に安全面を加え P.20 た総合的なマネジメントシステムを確立し、2004年3月22日 海上運送業においてISO14001とISO9001の統合認証 を 受けました。環境面では、天然資源の消費低減、省エネルギー・省資源、リサイクル促進と廃棄物の低減を目的に環境負荷の低減を 図っています。また、顧客満足度向上の面では、安全運航と貨物の効率的輸送・安定的なサービスの提供を目的としています。これ らを踏まえより具体的な目標を定め、PDCA(PLAN→DO→CHECK→ACTION)サイクルを継続的に推進し具体的な成果に向け て活動中です。 また、この度、当社として初めて「安全・環境報告書」を作成し公表することに致しました。当社グループの事業の基盤である安全性に、 企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility) の三要素である経済性、環境性、社会性の観点を含めて、その活動内容を CSR報告書として作成したものです。この報告書は今後毎年発行していきますので、社会に対し、あるいは環境に対し、当社グループがどの ようにコミットし改善を図っているかを理解して頂くための一助となると考えています。同時に、公表することにより当社グループ自身が社 会を含めた利害関係者との関係改善に努力するための動機付けにもなり、社会等との共生がより一層促進されるものと期待しています。 当社は2004年度に105周年を迎えましたが、当社グループはあらゆるステークホルダーに配慮し、社会貢献を通じてより一層 持続的な発展を促し、永続的な企業を目指したいと考えています。 ステークホルダーと当社の関係性 顧 客 投資家 顧客満足度の向上 適正取引の推進 迅速な情報開示 飯野海運 グループ 株 主 企業価値の最大化 迅速な情報開示 雇用確保、人権尊重 労働安全衛生、教育訓練 従業員 金融機関 適切な金融取引関係 法令遵守、納税 環境保全 地域/社会貢献 地域/社会 10 安全・環境報告書2004 取引先 行政 ECONOMIC 経済性報告 経済性トピックス ・海運業 ・不動産業 経済性パフォーマンス ・売上高 ・損 益 ・総資産・負債・資本 ・ステークホルダーとの経済的関係 経 済 性 安 全 ・ 環 境 性 社 会 性 12∼13 12 13 14∼16 14 15 15 16 経済性報告のポイント 当社の連結事業基盤は、海運業、不動産業、流通小売 業の3部門で構成されています。 2003年度の連結業績は、前期に比べ売上高23億円増、 経常利益4.4億円増で、増収増益でした。 これは以下の要因等による海運業の増収増益によるものです。 ①貨物船部門における市況上昇の享受 ②タンカー部門における好採算の中長期契約をもっ た船腹拡充 これらの状況は、今後も当面続くと予想されます。 また、不動産業においては、2006年開業予定の汐留新 規ビル計画を推進中です。 飯野ビル 11 安全・環境報告書2004 ECONOMIC 経済性報告 経済性報告トピックス 海 運 業 ■2003年度に推進したプロジェクト ●新造LNG船竣工 ●ドバイ駐在員事務所開設 2003年9月30日 韓国三星重工巨済造船所においてLNG船の引渡 当社は2003年10月20日に、アラブ首長国連邦(UAE)の首都ドバイ しを受けました。21年間の長期契約で韓国ガス公社向けにカタールから に駐在員事務所を開設しました。 のLNG輸送に従事します。 中東資源国の荷主は当社ケミカルタンカー部門の主要顧客であり、また ガスタンカー部門においても、中東は新規LNGプロジェクトを多く抱えて 船名 SK SUNRISE 総トン数 92,927トン タンク容量 138,270m3 全長×幅×深さ 278.8× 42.6×26.0m おり重要な営業先と位置づけられます。これら中東資源国の荷主や新規プ ロジェクト等に対し、駐在員による直接対応を図るため、その拠点として 中東の要衝であるドバイに事務所を開設しました。 ●新造ケミカル船竣工 2004年1月9日(株)新来島どっく大西工場においてメタノール専用船の 引渡しを受けました。世界最大のメタノール製造会社であるメタネックス社 の貨物(メタノール)を、15年間の契約でトリニダードやチリから欧米に輸 送する航路に配船されます。 ●8隻の船のオフバランス化 2003年9月に船舶資金の調達コスト削減ならびに有利子負債の削減を企 船名 CARIBIAN SPIRIT 載貨重量トン数 46,383トン タンク容量 58,226m3 全長×幅×深さ 185.9×32.2×19.3m 図し、船舶の流動化(オフバランス化) を実施しました。金融機関との協 力により船舶金融における様々なノウハウを活用し、当社グループの保有 船舶8隻を特別目的会社に売却後、新たに海外子会社が用船を行ったも ので、その結果有利子負債を約155億円削減することができました。 ■格付けダウン 飯野海運 株式会社格付投資情報センター(R&I)は当社の格付けを 2003年1月にBBBからBBB−へと1ノッチ下げました。 現状の海運各社の格付け状況は右の通りです。 ・船舶は世界のどの港にも行くことがで き、本質的に国境のない事業 2)市況産業 ・どの国の船でも同一条件で競争 ⇒均一化された市況を形成 ・世界の経済動向、船腹と積荷の需給バラ ンスにより市況形成⇒用船料と運賃の2 つの相場 ・中長期と短期(SPOT)の2つの相場 12 安全・環境報告書2004 商船三井 川崎汽船 格付投資情報センター(R&I) BBB− AA− A− BBB+ 日本格付研究所(JCR) BBB AA− A− A− ■海運業の事業構造・事業特性 1)国際化した産業・ボーダレス産業 日本郵船 《 海運業の一般的な事業スキーム 》 3)外貨収入が多く為替リスクあり ・為替変動の影響大 4)巨額の投資資金が必要な産業 ・船舶取得の投資金額が大きい 5)連結での業績把握 ・船舶は、①外国人船員の活用と②税制 メリットの享受の2つの狙いから、 パナマ等の海外子会社(仕組船 会社 と言う)に保有させることが一般的 ⇒海運業の業績は、単体でなく連結で みることが不可欠 貨物輸送受託 海運 会社 荷主 運賃 用船(借船) 船主 借船料 運航費 負担 用船 (借船) 船舶管理委託 借船料 企業グループ 仕組船 会社 船舶保有 (償却費負担) 船舶管理 会社 船舶管理委託 船舶管理料 船費負担 経 済 安 全 ・ 環 境 性 性 社 会 性 不動産業 ■東京都汐留・浜松町地区に新規ビルを建設 設計・施工会社より 当社と日本土地建物株式会社は共同で東京都港区海岸1丁目の土地3,418m (約1,034 株式会社竹中工務店 設計部 坪)を取得し、賃貸オフィスを中心とした商業ビル1棟を建設する予定です。 副部長(設計担当) 多田 壮文 様 2 当該地は、JR山手線・京浜東北線・モノレール「浜松 汐留再開発地区の南玄 町駅」、都営浅草線・大江戸線「大門駅」、 「汐留駅」、 関口、交通の要衝浜松町 新交通ゆりかもめ「汐留駅」の6路線4駅が利用可能 に立地するオフィス・商 であり、モノレールを利用して空の玄関「羽田空港」ま 業複合ビルです。複合機 で約23分に位置する交通利便性が非常に高い地区に 能を活かした賑わいのあ あります。また、周辺には旧芝離宮恩賜庭園、浜離宮庭 るまちづくりを目指し、 園があり、歴史漂う緑豊かな環境にあります。 歩行者デッキと直結する 計画建物は地上21階、地下3階、延床面積約 商業店舗を低層部に配しています。 35,000m で、2004年8月着工、2006年開業の予 また、オフィス部分には、高いテナント競争力 定であり、周辺の環境に充分な配慮をし、最新の工法 を永く保つべく、時代を先取りした付加価値を盛 により工期を短縮するとともに万全な安全対策のもと り込み、天井高3mの整形大空間、省エネルギー・ 2 長寿命、身障者・健常者の共存、最新の防災性能 に施工するものです。 を計画しました。外観は、石張りの単窓とコーナ なお、持分割合は当社が2/3、日本土地建物株式会社が1/3です。また、設計は株式会社竹 ーカーテンウォールを組み合わせたハイブリッド 中工務店、施工は株式会社竹中工務店と清水建設株式会社が担当する予定です。また、設計監 な構成で、格調・先進性と永続する価値を表現し 修・施工監理は株式会社日建設計が行っております。 ています。 ■好調な関連事業 −(株)イイノ・メディアプロ(フォトスタジオ経営) 広尾(1998年開業)と南青山(2002年開業)でフォトスタジオ事業を展開する子 会社(株)イイノ・メディアプロは、充実したスタジオ設備・機材及びスタッフ、立地条 件等によりお客様に支持され好調な業績をあげています。 なお、2002年6月にオープンしましたイイノ・南青山スタジオが、2003年11月 第4回「タイルデザインコンテスト 」建築エクステリア部門で佳作、2003年12月 第37回「SDA賞 」で入選に選ばれました。 イイノ・南青山スタジオ タイルデザインコンテスト SDA賞 ■不動産業の事業構造・事業特性 ∼当社不動産業の中心である賃貸ビル事業について∼ 1)立地条件が極めて重要な要素(立地産業) 5)大きな投下資本が必要(資産保有の場合) ・立地場所の持つポテンシャルが基本的な事業構造・収益構造を決定 ・土地、建物を取得する場合は必要資金大 ・交通アクセス、周辺の施設集積度、その他周辺地域の特性・環境等の ・不動産流動化により資産を保有しない場合、自己資金は不要 要素が重要 2)需給バランスが賃料水準と空室率を決定(市況産業) ・需要は全体・業種毎の経済動向および就業者数の変化に左右され、 供給は大規模再開発等を含む新規ビル建設計画の影響を受ける 3)設備・サービス面の充実が競争力の条件 ・OA床、空調、警備・セキュリティシステム等の充実が競争力に影響 4)一定以上の面積規模と形状の良さが重要 ・1フロア面積、総延床面積が大きく、形状の良いビルの方が高い競争力を持つ 《 不動産流動化スキーム例 》 テナント 転貸 一括賃貸・ 管理委託 信託銀行 信託配当 不動産会社 配当 匿名組合出資 国内SPC 不動産信託 貸付 銀行 出資 信託受益権譲渡 原始所有者 海外SPC 13 安全・環境報告書2004 ECONOMIC 経済性報告 経済性パフォーマンス 売 上 高 ■総売上高 億円 700 600 当社の売上高は、3年前に比べ大幅に減少しておりますが、これは 総売上高の推移 連結 636 626 482 業)を売却したためであり、その影響から2003年3月期では前期比 583 560 568 500 2002年7月に子会社のコンビニエンスストア事業の会社(流通小売 単体 で61億円の売上高減となりました。 518 478 446 当社の事業の2本柱は海運業と不動産業ですが、不動産業売上高は 404 400 は戸建住宅販売の多寡により変動し、また賃貸ビルの空室率の上昇と 300 ともに減収傾向にありますが、これに対し海運業では増収基調にあり 200 ます。 100 従いまして、総売上高は増加傾向を示しています。 0 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 ■セグメント別売上高の推移(連結) 海運業 億円 600 120 477 500 400 不動産業 億円 428 444 98 100 446 363 95 90 90 87 80 60 200 40 40 100 20 20 0 110 100 300 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 115 120 87 80 0 流通小売業 億円 140 60 24 19 0 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 ■地域別売上高の推移(連結) 日本 億円 300 277 274 200 169 100 50 30 20 100 10 50 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 アジア・オセアニア 146 168 173 0 121 122 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 (2004年3月期) 80 109 110 40 50 72 60 77 46 37 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 (参考)売上の部門別構成比(連結) その他 億円 150 0 150 202 191 200 30 29 0 億円 100 31 21 150 0 250 40 40 193 中近東 億円 50 256 250 北米 億円 流通小売業 3.3% 不動産業 14.9% 46 33 オイルタンカー部門 12.0% その他 6.2% 20 0 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 貨物船部門 18.3% 海運業合計 81.8% ガスタンカー部門 21.9% ケミカルタンカー部門 23.4% 14 安全・環境報告書2004 経 済 安 全 ・ 環 境 性 性 社 会 性 損 益 ■営業利益・経常利益・当期純利益 億円 連結 70 3月期には前期比7億円増と拡大に転じました。この要因は、中国 単体 の経済成長を背景とした貨物船市況の高騰があります。 64 61 59 60 今後については、中国経済は、過熱感から多少のブレーキはかかる 52 51 50 40 営業利益は4年前をピークに漸減傾向にありましたが、2004年 営業利益の推移 ものの全般的に高い成長率が見込まれ、貨物船運賃市況は高い水準で 43 43 39 推移すると予測されていることから、当社利益の成長は見込めるもの 34 30 と予想しています。 20 20 10 0 00/3期 02/3期 03/3期 経常利益の推移 億円 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 01/3期 連結 42 04/3期 (参考)ROE の推移(連結) 当期純利益の推移 億円 単体 連結 単体 10% 30 39 36 36 34 35 31 28 29 23 20 15 14 13 13 8% 18 16 16 5 5.2% 5.3% 2% 3 0 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 7.8% 6.0% 6% 4% 9 10 2 9.4% 25 25 0% 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 ■セグメント別営業利益の推移(連結) 海運業 億円 40 34 37 36 不動産業 億円 40 33 32 25 24 20 10 23 20 -0.2 −0.5 -0.6 −1.0 −1.5 10 7 0.2 0.0 28 30 30 流通小売業 億円 0.5 -1.3 −2.0 0 0 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 -1.9 −2.5 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 総資産・負債・資本(連結) 総資産 億円 1,500 1,435 1,400 1,300 1,427 1,050 249 257 277 150 1,063 1,100 250 238 200 1,097 1,100 1,200 301 300 1,127 1,295 資本 億円 350 1,159 1,150 1,343 1,299 負債 億円 1,200 1,039 100 50 1,000 1,000 00/3末 01/3末 02/3末 03/3末 04/3末 0 00/3末 01/3末 02/3末 03/3末 04/3末 00/3末 01/3末 02/3末 03/3末 04/3末 ※少数株主持分は未掲載 当社は、このところLNG船(2003年9月竣工)に約212億円、汐留の土地に約167億円(2004年3月取得)と大型投資が続いたた め、総資産が増加する傾向にあります。一方、利益の蓄積にも努めた結果、株主資本比率(連結)は2000年3月期の18.3%から、 2004年3月期には21.1%と上昇しています。 企業内部への留保「株主資本と株主資本比率の推移グラフ」参照 P.16 15 安全・環境報告書2004 ECONOMIC 経済性報告 経済性パフォーマンス ステークホルダーとの経済的関係 ■顧客 ■取引先 売上高についてはp.13をご参照下さい。 支払いにおいて、下請代金遅廷防止法や独占禁止法に抵触する事案 は発生していません。 船員(海上従業員) 従業員及び役員(陸上) 陸上従業員数の推移 連結 従業員給与及び役員報酬の推移 単体 連結 外部船員含む合計 単体 人 百万円 人 350 3,000 1,500 連結 単体 百万円 3,000 2,678 300 287 271 250 2,500 275 2,051 275 1,500 150 102 2,214 87 90 83 50 500 0 0 2,006 1,184 1,150 1,000 1,066 942 907 958 2,000 1,062 1,500 1,000 500 870 250 277 274 263 253 262 56 51 43 44 44 0 00/3末 01/3末 02/3末 03/3末 04/3末 2,567 2,500 750 1206 1,000 94 1,281 1,250 2,016 2,000 227 200 100 船員への給付額* 船員数の推移 0 百万円 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 621 570 500 日 本 00/3末 01/3末 02/3末 03/3末 04/3末 韓 国 フィリピン他 *給付額は配乗会社経由(当社従業員以外) を含むため概算額 株主(飯野海運(株)単体) 配当金総額及び1株当り配当金 株式の分布状況 証券会社 0.47% 百万円 (2004年3月末) 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 外国人 14.21% 金融機関 41.99% 個人・その他 16.84% その他法人 26.50% 512 410 5 4 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 千株 出来高 5,500 5,000 4,500 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 550 500 450 400 350 300 250 03 年 4 月 04/3期 利息の支払額とインタレスト・カバレッジ・レシオ (連結) 利息の支払額(左軸) 03 年 5 月 03 年 6 月 03 年 7 月 03 年 8 月 03 年 9 月 03 年 10 月 03 年 11 月 03 年 12 月 04 年 1 月 04 年 2 月 200 04 年 3 月 3,528 3.6 3.3 2,821 2,732 税金の支払額 百万円 インタレスト・カバレッジ・レシオ(右軸) 百万円 3.6 2,447 3.6 倍 4 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 国 税 427 814 921 860 1,081 地方税 922 1,075 1,141 1,092 1,131 3 2,275 2 1.3 1 (参考) 有利子負債残高(連結) 950億円 (2004年3月期末) 0 ※飯野海運(株)単体、日本国内 企業内部への留保(連結) 株主資本と株主資本比率の推移 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 株主資本(左軸) 社会 400 ※2004年3月期 社会・文化・教育 自社実施 (社)日本船主 協会経由 株主資本比率(右軸) 億円 寄付金の内訳 合計 円 終値 行政 債権者 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 株価及び出来高の推移 1株当たり配当金(右軸) 円 9 794 8 7 604 6 504 5 8 4 6 3 5 2 1 0 配当金総額(左軸) 503,333円 金刀比羅宮等 3,110,000円 その他 370,000円 25.0% 301 300 238 22.5% 277 257 250 21.1% 200 19.8% 19.3% 118,010円 0円 398,563円 100 621,343円 3,110,000円 768,563円 0 18.3% 17.5% 15.0% 00/3末 01/3末 02/3末 03/3末 04/3末 16 安全・環境報告書2004 20.0% 18.6% SAFETY & ENVIRONMENTAL 安全・環境性報告 経 済 性 安 全 ・ 環 境 性 社 会 性 18∼19 20∼21 安全・環境会計 安全・環境性トピックス ∼ISO9001・14001の統合認証取得∼ 安全・環境に関する組織 20∼21 海運業の安全・環境性 海運業を取り巻く要因と対策の全体像 22 危険要因の全体像 24 23 環境負荷の全体像 海運業のマネジメントシステム 安全マネジメントシステム 22∼23 24∼25 25 環境マネジメントシステム 海運業のマネジメントプログラム・パフォーマンス 26∼27 品質及び安全マネジメントプログラム 26 海運業の安全・環境への取り組み 安全運航のための設備対策 28 事故防止のための活動 30 事故分析と再発防止 32 事故損害軽減のための活動 34 27 環境マネジメントプログラム 28∼35 海洋環境保全①∼船体の対策 29 海洋環境保全②∼排出物の適正処理 31 地球温暖化防止 33 大気汚染防止(酸性雨の防止) 35 オゾン層破壊防止 35 不動産業の安全・環境性 不動産業の安全・環境マネジメント 危険要因の全体像 36 不動産業の安全マネジメント 36 38 防火・防災活動 40 その他の安全に対する取り組み 42 全社的な取り組み ステークホルダーの声 37 37 環境負荷の全体像 不動産業の環境マネジメント 不動産業の安全・環境への取り組み 館内の警備・安全状況の監視 36∼37 38∼43 省エネルギー化のための大規模熱源改修 39 廃棄物対策 41 その他の環境に対する取り組み 43 42∼43 44 安全・環境性報告のポイント 独自の考え方による安全・環境会計を構築しました。 2003年度の安全対策コストは2,477百万円、安全ロスは779百万円でした。 環境保全・評価コストは226百万円、内部負担環境ロスは7,446百万円でした。 飯野海運(株)本体の海上運送業を範囲としてISO9001・14001の認証を取得しました。 2004年度は不動産業での認証取得に取り組みます。 17 安全・環境報告書2004 SAFETY & ENVIRONMENTAL 安全・環境性報告 安全・環境会計 安全・環境会計 当社では、2001年から独自の考え方による安全会計の構築に取り組み、2003年度には環境会計とあわせて、安全・環境会計として集計 を行いました。安全・環境に対する活動のコストと効果を定量的に把握し、効果的な施策の実施につなげることが狙いです。また安全・環境 情報を統合的に表現・開示するツールでもあります。 安全会計:リスクマネジメントの観点から、事故を起こさない「回避」「予防」、発生しても損失を小さくする「軽減」に取り組むことによ り、リスクの「保有」や「保険による移転」を縮小することを目指しています。 環境会計:「環境保全」や「環境評価」に取り組むことで、エネルギーコストや廃棄物処理費などの企業負担「内部負担環境ロス」と社会に 与えている負荷「外部負担環境ロス」を低減することを目指しています。 安全会計(2003年4月1日∼2004年3月31日) 金額単位:千円 危険・事故の発生率を下げる活動 活動の分類 項目 危険回避のための活動 75,868 労働安全衛生 7,257 船員の健康診断(乗船前・中・後) 危険予知訓練 海 589 7,257 人的水準を高めるための活動 保有・保険による移転 人的水準を高めるための活動 105 テーブルトップドリル (緊急時対応訓練) 1,261,847 <衝突・座礁事故防止> 水先料、曳船料他 天候ニュースとの契約 <積荷関連事故防止> 積荷固定用資材 安全荷役のための指事監督 健康保険料(陸員) 労災保険料(陸員) 船員保険料等 75,868 安全のための活動(損失軽減) 0 損失を軽減する安全設備等 0 6,140 小 計 105 良好な職場環境の整備 従業員の健康管理 安全衛生委員会(法定外を含む) 人的水準を高めるための活動 防犯・警備のための教育訓練 安全(事故予防)のための活動 2,673 287 1,074 1,312 1,743 1,743 184,933 安全衛生管理(消毒・衛生活動) 32,494 防火・警備活動(警備・巡回・備品購入)125,712 協力業者会安全衛生協議会活動 292 安全監督・その他事故防止活動 26,435 事故予防のための安全設備 安全衛生設備・防犯設備 身体障害者の安全のための設備 漏水事故防止工事 危険設備の保守・整備 その他事故防止設備 建物・躯体の安全性確保 外壁面はく離事故防止工事等 業 小 計 187,942 23,122 11,590 106,643 45,996 591 各コスト の解説 人的水準を高めるための活動 945 警備員防災教育 事故発生を想定した対応訓練 ビル総合防災訓練等 260 21 665 安全のための活動(損失軽減) 642 防災関連用品の整備・更新等 風水害の損失軽減のための措置 305 337 損失を軽減する安全設備 不燃化工事 33,350 365,593 1,764 健康保険料等 労災保険料等 その他保険(対物保険等) 事後に負担する安全ロス 14,785 5,816 12,748 15,595 会社負担医療費 事故対応コスト 90 15,505 210,350 210,350 15,791 393,082 小 計 579,330 小 計 48,945 3,029 予防コスト 合計 257 2,441 205 125 1,722,701 【危険回避活動コスト】は、予想される危険を 回避するために追加的にかかる費用です。 軽減コスト 合計 580,404 98,319 安全対策コスト 総合計 2,477,291 【労働安全衛生】は従業員の安全、【人的水準向上】は教育研修、【安全活動】は人 の働きによる対策、【安全設備】は設備による対策、【建物・躯体安全確保】は不動 産の安全対策の費用です。 望ましいあり方: 【安全対策活動支援コスト】は、安全対策を支える共通・間接的な活動の費用です。 18 安全・環境報告書2004 367,357 防災・消防・避難設備等 電気関係の事故損失軽減設備 建物・躯体の安全性確保 事前に負担する安全ロス 36 15,791 安全対策活動支援コスト 合計 望ましいあり方: 36 救護室等の整備 安全委員会 安全状態の監視 警備業界団体 社会活動(地域パトロール等) 回避コスト 合計 75,868 617,219 865 79,693 1,200 311 労働安全衛生 安全対策活動支援 本社部門 含む 全社合計 小 計 82,070 労働安全衛生 産 0 912 1,323,023 SMS・ISO9001維持・運用費用 飯野検船、内部監査、メジャーオイルインスペクション、訪船 安全管理業務委託 安全協力会 動 事後に負担する安全ロス 612 3,501 112 1,003 安全対策活動支援 不 5,923 1,643 59,939 2,325 227 <衝突・座礁事故防止> ECDIS(電子海図システム) 係船索(ドラム数以上) コースレコーダー関連 計測機器較正 <海賊対策> パイレーズセンサー・キセノンランプ 小 計 322,523 227,191 1,257,502 1,793 事故予防のための安全設備 業 617,219 船舶保険 P&I保険 12,640 35,138 安全(事故予防)のための活動 運 事前に負担する安全ロス 105 2,045 台風による停泊・回避 73,233 小 計 軽減 47,778 優秀な船員の確保 各種安全研修等 東京港入港待機 発生した事故に対応する活動 予防 回避 関門海峡・来島海峡 通峡回避・夜間停泊 事故発生時の損失を小さくする活動 安全ロス 総合計 779,124 【事前負担安全ロス】は保険付保、 【事後負担安全ロス】は事故対応の 費用で、安全対策により低減すべき 費用です。 望ましいあり方: 経 済 性 安 全 ・ 環 境 性 社 会 性 集計基準 「飯野海運グループにおける安全・環境会計ガイドライン」を作成し、これに従って集計しています。集計対象は投資額及び人件費を含む 費用額です。減価償却費は含みません。また物量情報も対象としています。事業別では以下のような基準で集計しています。 海 運 業:保有船の船費、運航船の運航費及び物量情報を対象としています。 但し、船費のうち設備機器・船用品については、原則として条約・法令等に定める基準を超えるものを計上してい ます。また、入渠・新造船にかかる投資・費用は対象としていません。 不動産業:ビルオーナーの責任による投資・費用及び物量情報を対象としています。共有ビルについては持分を考慮した負担分 のみを計上しています。 環境会計については、工場等とは異なる事業特性を踏まえ、ビル内の社会への環境負荷の低減のための費用を含めています。 「飯野海運グループにおける 安全・環境会計ガイドライン」 ガイドラインは、本編、安全会計ガイド ライン、環境会計ガイドライン、海運業 の手引き、不動産業の手引き、本社管理部 門の手引きで構成されています。 ※ 集計範囲については をご参照ください。 P.8 環境会計(2003年4月1日∼2004年3月31日) 金額単位:千円 コストの分類 環境問題の発生を予防し、損失 (ロス)の発生を減少させる費用 環境保全対策が不十分であるために 企業が被る損失 環境保全対策が不十分であるために 地域社会や住民が被る損失 コスト項目 環境保全コスト及び環境評価コスト 内部負担環境ロス 外部負担環境ロス 事業エリア内コスト 海 <地球環境保全コスト> タンクのレベルゲージ ビルジセパレータ関連 防錆テープ オイルフェンス・流出油処理剤/用具 錫フリー塗料での船底塗替え 29,691 非効率コスト(投入) 7,119,014 2,545 1,472 429 3,956 21,288 燃料費(A・C重油) 7,119,014 非効率コスト(排出) 上・下流コスト 0 管理活動コスト 1,710 ISO14001取得・維持コスト 船員への環境教育研修 燃料投入量(A・C重油) 372千t 11,093 船上生活系廃棄物陸揚処分費(主にプラスチック類) 6,635 スロップ・スラッジ陸揚処分費 4,459 運 環境負荷(投入) 環境負荷(排出) 温室効果ガス排出量(CO2換算) 大気汚染物質排出量(NOx) 大気汚染物質排出量(SOx) 環境損傷対応コスト 0 △環境保全対策に伴う実質的収益 0 287 1,422 1,165千t 32,4千t 22,5千t 船上生活系廃棄物排出量 ・プラスチック・ビニール類 ・食物屑 ・ビン缶など 238m3 367m3 263m3 業 研究開発コスト 0 廃棄物処理に伴う有価物の売却収入 社会活動コスト 不 動 産 業 小 計 31,401 小 計 事業エリア内コスト 161,806 非効率コスト(投入) <公害防止コスト> 粉塵飛散防止・汚染負荷量賦課金 アスベスト対策 悪臭防止・水質汚濁防止 <地球環境保全コスト> ハイブリッド車の使用 省エネルギー運転管理 監視・制御装置 設備・機器の調整 <資源循環コスト> リサイクル委託料 廃棄物の中間処理装置 マニフェストの購入 各コスト の解説 9,250 4,440 4,775 165 63,456 16,086 62,833 298 475 29 上・下流コスト 0 管理活動コスト 13,423 環境負荷測定 事業所周辺緑化 10,831 2,591 研究開発コスト 0 社会活動コスト 0 小 計 本社部門 含む 全社合計 0 0 175,228 事業エリア内コスト 合計 上・下流コスト 合計 管理活動コスト 合計 環境保全・評価コスト 総合計 191,497 375 34,104 225,976 【事業エリア内】【上・下流】【管理活動】【研究開 発】【社会活動】の各コストは「環境会計ガイドライ ン」(環境省)に準じています。 望ましいあり方: 7,130,107 263,324 電力購入 ガス購入 重油購入 上水使用料 183,271 31,037 1,728 47,288 環境負荷(投入) 電気 都市ガス A重油 水 9,821千kWh 562,501m3 73,349 118,569m3 113,342m3 5,227m3 (上水使用量) (井水・湧水使用量) 非効率コスト(排出) 52,666 一般廃棄物処理費 産業廃棄物処理費(ビル工事による排出含む) 下水処理料 環境損傷対応コスト 8,390 17,234 27,042 0 環境負荷(排出) 電力購入による温室効果ガス排出量(CO2) 燃料使用による温室効果ガス排出量(CO2) 大気汚染物質排出量(NOx) 大気汚染物質排出量(SOx) 一般廃棄物処理量 産業廃棄物処理量(ビル工事による排出含む) △環境保全対策に伴う実質的収益 廃棄物処理に伴う有価物の売却収入 0 0 小 計 315,990 非効率コスト(投入) 合計 非効率コスト(排出) 合計 7,382,338 63,760 内部負担環境ロス 総合計 7,446,097 【非効率(投入)】はエネルギーや資源の購入費、【非 効率(排出)】はゴミ等の処理費、【環境損傷対応】は 環境破壊等に対応するための費用で、いずれも低減すべ き費用です。 望ましいあり方: 3,71千t 1,38千t 1.116kg 125kg 767.7t 115.9t 92,493m3 26,076m3 下水排出量 減水量(大気排出等) 環境負荷(排出) 温室効果ガス排出量(CO2換算) 大気汚染物質排出量(NOx) 大気汚染物質排出量(SOx) 1,170千t 32.4千t 22.5千t 【環境負荷(投入)】と【環境負荷(排出)】は社会に 与えている環境負荷で、低減すべきものです。 望ましいあり方: 19 安全・環境報告書2004 SAFETY & ENVIRONMENTAL 安全・環境性報告 安全・環境性トピックス ISO9001・14001の統合認証取得 当社は、事業特性から何よりも安全が大事であることを認識し、経営上の最重点事項として、 安全の確保について高度の水準を維持して参りました。また環境保全についても、海運業を とりまく国際的な世論を真摯に受け止め、配慮してきました。しかし、 これまでの当社の取り組 みは、自主的な取り組みが中心であり、客観的な評価を受けたものではありませんでした。 2004年3月22日に当社は、財団法人日本海事協会を審査登録機関として、ISO9001 (品質マネジメントシステム)及びISO14001(環境マネジメントシステム)の認証を取得 しました。当社では、安全を基盤として品質と環境は一体不可分なものと考えており、今回 の審査・登録に当たっても、品質・環境複合マネジメントシステムとして、統合認証を受けて おります。今後は引き続き国際的なスタンダードに基づいた取り組みを推進し、一層の成果 を上げていきたいと考えております。ISO9001・14001とも、決められたことを実行する 認証証書授与式 という形式主義に陥ることなく、本来の目的をよく理解し、また自らの創意工夫も加えて実 左: (財)日本海事協会 会長小川 健兒様 施していく所存です。 右:当社社長(当時)太田 健夫 なお、当社グループの外航船舶管理会社イイノマリンサービスでは、既に1994年に ISO9002、2002年にはISO9001・ISO14001の認証を取得しています。 安全・環境に関する組織 トップマネジメント 安 全 (代表取締役社長) 経営執行協議会 (議長:社長) 取締役・執行役員及び常勤監査役 イイノマリンサービス(株) ( 事 務 局 : 総 務 ・ 企 画 グループ) 船舶安全対策委員会 災害対策委員会 安全委員会 (委員長 : イイノマリンサービス(株)社長) (委員長:社長) (委員長:社長) 飯野海運(株)社長・役員・グループ リーダー、イイノマリンサービス(株)役員・ 部長、海運関連グループ会社海技者 (事務局:イイノマリンサービス(株)海務部) 半期ごとに開催し、半期に発生した事故、 防止対策、安全運航対策について討議 従来より実施していたが、2003年からは イイノマリンサービス(株)の安全マネジメント システム(SMS)に組み込んだ 情報セキュリティ基本ポリシー 飯野グループ各社は、情報資産をヒト・モノ・ カネに次ぐ第4の重要資産と位置付け、故意や 偶然の別を問わず、改竄、破壊、漏洩から保護・ 管理する「情報セキュリティマネジメント」 を全社をあげて、継続的に実践しなければな らない。 20 安全・環境報告書2004 総務・企画グループ担当役員、 グループリーダー 関係役員、関係会社社長、 グループリーダー ほか (事務局:総務・企画グループ) ( 事 務 局 : SRMグループ安 全 環 境 室 ) 災害対策の計画・立案・実施・推進、その 他災害対策に関する事項を管轄 グループリーダーを防災委員に任命し、常設 委員会として日常防災業務を統括する 災害発生時・発生予測時は「災害対策本部」 として対応・指揮に当たる 毎月1回開催し、飯野海運グループ各社に 共通する安全ならびに環境に関する事項の 徹底・強化を図る 情報セキュリティ委員会 (委員長:SRMグループ担当役員*) 総務・企画グループ担当役員、システム関連 の関係会社社長、グループリーダーほか (事務局:SRMグループ) 年2回開催し、当グループの情報資産の保 全管理の徹底・強化を図る *SRMグループ担当役員は、品質・環 境マネジメントシステムの管理責任 者を務める。 経 済 性 安 全 ・ 環 境 性 社 会 性 継続的改善のスタートラインに立って 2003年6月のステークホルダー リレーションズ マネジメント グループ発足以来、本社各部門・関係会社 の協力を得て、ISO9001とISO14001の認証取得を目指しました。 「側面」、「抽出」といった聞きなれないISO独特の専門用語にとまどいながら、品質と環境の各マネジメント システムの内部監査員養成講座にも2日間ずつ出席して仕組みの理解に努め、習得した知識を活用してシステム ISO9001登録証書 構築を進めました。そして2004年3月に海上運送業を範囲として、ISO9001・14001の統合マネジメント システムとして認証を得ることができました。 2004年度には不動産部門も加え、会社全体としてISOに取り組むことになります。認証を取ることも大変 ですが、システムの維持と運用を通じた継続的改善が今後の課題だと考えています。ISO担 当者として、日常の業務にISOの概念が自然に生かされるよう、環境作りをしていきたいと 考えております。 ステークホルダー リレーションズ マネジメント グループ 安全環境室長 鈴木 康昭 ISO14001登録証書 安全・環境共通 環 境 ステークホルダー リレーションズ マネジメント グループ 内部監査員 ISO内部監査チーム 従業員を除く全てのステークホルダーとの関係の向上・改善に関する事項 法務・保険チーム 法務・コンプライアンスに関する事項。海上保険・損害保険に関する事項 安全環境室 内部監査員 安全及び環境に関する事項。ISO推進責任部門 イイノリサーチアンドパソナ( 株 ) ISO推進事務局 危機管理対策の基本方針 1)地域社会に対しての責務を果たす。 品質・環境委員会 危機管理対策本部 (委員長: SRMグループ担当役員*) (本部長:社長) 総務・企画グループ担当役員、関係会 社社長、グループリーダー ほか 各グループ、イイノマリンサービス(株)、 イイノ・ビルテック(株) (事務局:SRMグループ) 年2回開催し、品質・環境マネジメントシ ステムの運用を通じた継続的改善の推進を 図る。また、危機管理計画書の策定を管轄 (事務局:総務・企画グループ) 品質ならびに環境側面に重大な影響を及ぼす 事項を管轄し、緊急事態に対応。事前の被害 抑止活動、従業員への教育・訓練を含む 2)事業活動に支障となる悪影響に対し、可能 な限り被害を極小化する。 3)緊急時に実施した対応が人道的な対応であ れば、当社が一時的に不利益を被っても、 会社はその責を追及しない。 4)対策に必要な資源を経営が用意する。 21 安全・環境報告書2004 SAFETY & ENVIRONMENTAL 海運業の安全・環境性 海運業を取り巻く要因と対策の全体像 危険要因の全体像 悪天候による危険 (強風・高波など) 衝突の危険 火災の危険 座礁の危険 漏油の危険 (貨物油・燃料油) 乗組員の 傷病の危険 海賊・テロの危険 戦争の危険 主要な安全確保策の全体像 狭水路通過回避 危険回避 事故防止 海運業に おける 安全確保 安全設備の導入 座礁・衝突防止設備,海賊対策設備等 監視活動の励行 水先案内人(パイロット)、曳航船(タグボート)等 安全教育の徹底 各種安全教育、危険予知訓練(KYT )等 P.49 労働安全衛生 乗組員の健康管理(健康診断、病気予防等) P.49 事故原因の分析と再発防止策の実施 損失軽減設備の導入 P.32 消火設備、救命設備等 事故損失軽減 事故発生想定訓練の実施 安全管理の体制と仕組みの整備充実 P.24 P.34 P.26 主要な安全確保規制 SOLAS 船舶の安全確保に関する最も基本的かつ包括的な国際条約。海上人命条約。船舶の構造・設備面を中心に規定 ISMコード ISPSコード STCW COLREG 22 安全・環境報告書2004 P.30 台風/暴風雨の回避・停泊 SOLASに規定される国際安全管理規則 SOLASのもとに2004年7月に発効した国際船舶港湾保安規則 船員の訓練、資格証明、当直基準等について規定した条約 海上における衝突防止のための航行ルール等を規定した条約 P.28 経 済 性 社 安 全 ・ 環 境 性 会 性 環境負荷の全体像 ∼ 30万DWTクラスの大型原油タンカー1航海(中東ー日本往復)当たり∼ インプット(投入) アウトプット(排出) 燃料油 温室効果ガス(CO2換算): C重油:3,400t 10,710トン A重油:22t ×32万人分*2 人間 ⇒合わせて約3,550 NOx:298トン SOx:210トン ×6.3個分*1 船上生活系廃棄物 プラスチック類: 6m3 25mプール ×120杯分*3 *1:25mプール=25m(長さ)×15m(幅)× 1.5m(深さ)で計算 ポリバケツ 3.4m3 食物屑: その他の環境負荷要因 ×68杯分*3 ・フロン・ハロンの放出に よるオゾン層破壊 ポリバケツ ビン・カン等: 2.5m3 ・座礁・衝突事故による 貨物油・燃料油の流出 ×50杯分*3 ・バラスト水の移動による 生態系への影響 ・船底防汚塗料による 生態系への影響 ポリバケツ *2:呼気によるCO2排出量842g/人日 (医科生理学展望、理科年表) *3:家庭用ポリバケツ50 で計算 主要な環境保全施策の全体像 流出油防止 海洋環境保全 生態系破壊防止 排出物の適正処理 安全運航による座礁・衝突防止 P.22 タンカーのダブルハル (二重船殻構造)化 P.29 有機スズ(TBT )を含まないTF船底防汚塗料の使用 P.29 バラスト水 の適正処理(外洋交換など) P.31 ビルジ の適正処理(油・水分離処理) P.31 生活系廃棄物の適正処理 P.31 船首・船尾・プロペラ形状の改善 省エネルギー策 地球温暖化防止 温室効果ガスの排出抑制 (=燃料消費効率向上策) の推進 海運業に おける 環境保全 省エネ機関の使用 船体洗浄・プロペラ研磨 P.33 燃料改質剤・助燃剤の使用 P.33 窒素酸化物(NOx)の排出抑制 新型ディーゼル機関の採用 P.35 硫黄酸化物(SOx)の排出抑制 硫黄(S)分の少ない燃料の使用 P.35 フロンの使用取り止め 空調機・冷凍機の冷媒の代替フロン 転換 P.35 ハロンの使用取り止め ハロン 消火装置の使用取り止め P.35 大気汚染防止 (酸性雨防止) オゾン層破壊防止 環境保全規制 73/78MARPOL および附属書 船舶による環境保全に関する最も基本的かつ包括的な国際条約。海洋汚染防止条約 附属書にI∼VIがあり、油、廃棄物、排出ガス等による海洋及び大気の汚染を規制 23 安全・環境報告書2004 SAFETY & ENVIRONMENTAL 海運業の安全・環境性 海運業のマネジメントシステム 飯野海運(株)ではこれまでも、安全運航・環境保全に取り組んできましたが、2004年3月に海上運送業でISO9001・14001の認証を 取得し、国際標準に準拠したマネジメントシステムが確立されていることが認められました。このうち、品質マネジメントシステム (QMS)では、単に顧客満足度の向上のみならず、安全に関する方針・目的を設定し、重視しています。 安全マネジメントシステム(SMS:Safety Management System) 国際航海に従事する旅客船・タンカー・ばら積貨物船等に関しては1998年7月より、 その他の貨物船に関しては2002年7月より、会社(船舶管理会社等)には国際安全管理 規則(International Safety Management Code:ISMコード) に基づいた安全マネ ジメントシステム(SMS)の確立が義務付けられています。 ●ISMコードの要件(システム要求事項) ・安全及び環境保護の方針の確立 ・会社の責任及び権限の明確化 ・船舶の責任及び権限の明確化 IMS*のSMS適合証書 ・船舶及び設備の保守手順の確立 IMS*のISO9001登録証書 ・船舶における緊急事態への対応 ・不具合の報告及び是正措置手順の確立 H・S・E 基本方針 ・船舶運航に関する文書管理手順の確立 ・内部監査を含むシステムの検証、見直し及び評価手順の確立 船舶管理会社のイイノマリンサービス(株)では、1998年の発効に先行すること4年、 1994年に安全マネジメントシステム(Safety Management System)を構築して適合 証書(Document Of Compliance)を取得し、同時に国際標準化機構による品質管理の国 際規格(ISO9002)の認証を受けました。さらに2002年9月には品質マネジメントシステム (ISO9001:2000)を構築し、認証を受けています。飯野海運(株)がISO9001の認証取 H:Health [健康]:疾病、怪我、麻薬の回避 S:Safety [安全]:労働災害、船舶事故の回避 E:Environment [環境]:漏油事故、環境汚染の回避 得した現在では、イイノマリンサービス(株)を含めたグループとしての一体的なシステム運 イイノマリンサービス(株) 用を行っています。 方針と目的【 安 全 】 飯野海運(株) 方 針 目 的 イイノマリンサービス(株) 品質[Q] 安全[S] 健康[H] 品質方針 品質方針 安全方針 健康方針 ・顧客満足度向上に向けた ・顧客の高い満足度維持 ・労働災害、船舶事故の回避 ・疾病、怪我、麻薬の回避 業務体制及び作業環境の確立 品質目的 品質目的 安全目的 健康目的 ・安全運航 ・顧客の満足度向上 ・衝突事故防止 ・疾病、怪我の防止 ・貨物の効率的輸送 ・火災発生防止 ・麻薬の回避 ・安定的サービスの提供 ・座礁事故防止 ・機関故障防止 ・荒天回避 ・人身事故防止 24 安全・環境報告書2004 経 済 性 安 全 ・ 環 境 性 社 会 性 イイノマリンサービス(株)では、安全マネジメントシステム(SMS)・品質マネジメントシステム(QMS)・環境マネジメントシステム (EMS)を確立し、それぞれISMコード・ISO9001・ISO14001の認証を受けています。これらのシステムをバラバラに運用するのではなく、 「H・S・E 基本方針」(Health・Safety・Environment)のもとに統合し、一体的な取り組み・改善を目指しています。 環境マネジメントシステム(EMS:Environment Management System) 飯野海運グループでは、飯野海運(株)(海運業)とイイノマリンサービス(株)(船舶管理業)でISO14001の認 証を受けた環境マネジメントシステム(EMS)を運用しています。 飯野海運(株)のEMSで、イイノマリンサービス(株)を単なるアウトソース(外部委託)先として位置付けるので なく、飯野海運(株)の船舶管理部門として位置付けることで、一体的な取り組みを推進しています。 【一般的なEMSの構成】 【飯野海運グループEMSの構成】 別々のマネジメントシステム 一体的なマネジメントシステム 継続的改善 IMS*のISO14001登録証書 継続的改善 海運業 継続的改善 IMS*のEMS 外 部 委 託 継続的改善 飯野海運(株)のEMS 船舶管理業 *イイノマリンサービス(株) 方針と目的【 環 境 】 イイノマリンサービス(株) 飯野海運(株) 環境[E] 環境方針 環境方針 ・海上運送業務及び会社事務所における環境負荷の ・漏油事故、環境汚染の回避 低減に努める対策の確立 環境目的 環境目的 ・廃棄物を低減し省資源・リサイクルを推進 ・海洋汚染の防止 ・天然資源の消費低減及び省エネルギーの実施 ・廃棄物の低減 ・天然資源の消費削減 ・大気汚染防止 方 針 目 的 25 安全・環境報告書2004 SAFETY & ENVIRONMENTAL 海運業の安全・環境性 海運業のマネジメントプログラム・パフォーマンス 品質及び安全マネジメントプログラム ■ 飯野海運(株)の2003・2004年度の品質目標 飯野海運(株)は2003年度半ばに品質マネジメントシステムを構築し運用を開始しました。 2003年度後半と2004年度の品質目標は以下の通りです。なお、品質目標には安全面を含めて設定しています。 分野 目 的 2003・2004年度目標 行動内容 コスト管理の徹底 (ドックを除く不稼動をゼロとする) (営業部門) イイノマリンサービスとの定期的打合せ 的確な動静連絡の徹底 (顧客からの動静連絡に対するクレームをゼロとする) 安全運航・貨物の効率的輸送・ 安定的サービスの提供 市況・業界情報の提供 (顧客から評価をして貰う) 定期的な顧客訪問 発生の都度実施 顧客データの蓄積 品 質 年度内2回 システム改善提案の実施 (管理部門) IR活動資料の充実 業務改善に向けた 部門別目標の 設定・推進 部内会での周知徹底 グラフ化等投資家に分かりやすい資料の作成 年2回以上役員会議に報告する 役員会議向け説明資料の充実 目標の設定を行い、目標を実現させる 資金管理の効率化 教育・訓練の見直し 海技大学校研修計画の作成・実施 重要なものから実施する 階層別社員研修 ■ イイノマリンサービス(株)の2003年度目標と結果、2004年度目標 イイノマリンサービス(株)では、1994年から品質マネジメントシステムを運用をしていますが、2004年度より安全目標も加えて 一体的な運用を行っています。 2003年度の各分野の目標と行動結果・評価、及び2004年度の各分野の目標と計画している行動内容は以下の通りです。 分野 品 質 ︻ Q ︼ 管理目的 顧客の満足度向上 2003年度目標 健 康 ︻ H ︼ 評価 2004年度目標 海難事故の発生件数を 前年度比10%削減 前年度比83%削減 発生件数3件 (前年度18件) 海難事故の発生件数を 10%削減 機器の不良による 不稼動日発生率3%以下 不稼働日発生率2.90% 機器の不良による不稼動日 発生率3%削減 乗組員のリピーター率 85%以上を維持する 顧客満足度評価の 平均点を「3」以上とする 安 全 ︻ S ︼ 行動結果 乗組員リピーター率89.6% 日本人海上従業員の リピーター率は100% 総合評価の平均点は3.3 但し、前年度の平均点3.4 より0.1ポイントダウン 乗組員のリピーター率 85%以上を維持する 顧客満足度評価の 平均点を「3」以上とする 行動内容 リスク評価による事故未然防止 船舶への迅速な情報供与 各船の監視強化、船体・機器装置の事故原因の 分析及び再発防止対策の実施 船員配乗会社の監督強化、離職理由の分析 改善対策実施 船費削減、保険料の低価格獲得 衝突事故防止 衝突事故の発生件数を 0とする 見張りの強化 特殊運航手順書の遵守 船員の資質向上 火災発生防止 火災事故の発生件数を 0とする 船員のKYT意識向上、危険物取扱いの知識向上 火災探知機の保守点検 訓練、講習による防火に対する意識向上 座礁事故の発生件数を 10%削減 海図、水路誌、港湾事情の解析力向上 船舶への適切、迅速な情報供与 座礁事故防止 2003年度は、安全目標は 設定していませんでした。 機関事故防止 重要機器損傷事故を 10%削減 荒天回避 荒天遭遇による船体損傷事故を 10%削減 人身事故防止 職務傷病を10%削減 健康・衛生の維持 保護具の装着、労働時間の管理、 危険作業の安全確認により、 事故件数前年比25%削減を目指す 前年比 6%増 健康管理教育実施回数を 昨年より5%増やす 前年比 7%増 食品、調理、摂食からの 発病0を目指す 発生量 0 (昨年度 0) 気象情報の解析力向上 船舶への適切、迅速な情報供与 閉鎖区域への立入り手順遵守、 高所作業の手順遵守、職務傷病防止の指導徹底 × 食品、調理、摂食からの 発病0を目指す 疾病・けがの防止 疾病発生率を5%削減 麻薬の回避 薬物使用者の発生件数を 0とする 26 安全・環境報告書2004 保守整備の徹底 船体・機器装置の事故原因の分析及び再発防止 対策の実施 食料、調理、摂食における衛生教育 乗船前の健康状態の監視強化 乗船前健康診断の監視強化 KYTについては用語集をご参照下さい。 経 済 性 安 全 ・ 環 境 性 社 会 性 環境マネジメントプログラム ■ 飯野海運(株)の2003・2004年度の環境目標 飯野海運(株)は2003年度半ばに環境マネジメントシステムを構築し運用を開始しました。 2003年度後半と2004年度の環境目標は以下の通りです。 分野 目 的 2003・2004年度目標 行動内容 紙文書使用量の削減のためのペーパーレス化 廃棄物を低減し省資源 ・リサイクルを推進 環 境 天然資源の消費低減及び 省エネルギーの実施 紙コップを1%削減 ドキュシェアによる文書管理、社員の意識啓発教育 意識啓発教育 オフィスの廃棄物を1%削減 ごみの分別処理・飯野ビル廃棄物管理規程の徹底と 意識啓発教育 社内電力使用量の0.5%削減 意識啓発教育、不要照明の消灯、夏季ノーネクタイの奨励、 空調設定、温度の変更 ■ イイノマリンサービス(株)の2003年度環境目標と結果、2004年度環境目標 イイノマリンサービス(株)では、2002年から環境マネジメントシステムの運用をしています。 2003年度の環境目標と行動結果・計画、及び2004年度の環境目標と計画している行動内容は以下の通りです。 分野 管理目的 海洋汚染の防止 廃棄物の低減 環 境 ︻ E ︼ 天然資源の消費削減 大気汚染防止 2003年度目標 行動結果 評価 2004年度目標 行動内容 船舶から海上への漏油事故の 発生件数を0とする 船員の意識啓発教育 SMSの維持管理による海難事故の発生防止 甲板廃水栓・漏油受けタンク栓の確認 燃料給油中や潤滑油冷却装置からの漏油の防止 荷役装置/連絡手段/計測措置の適正整備/操作 船舶から海上への漏油事故の 発生件数を0とする 発生件数 0 (前年度1件) 船舶上での漏油事故の 20%の減少 発生件数 2件 (前年1件:100%増) (ケミカル・動植物油3件) × ビルジ/バラスト排出監視機器/排出 装置の使用時の故障0を目指す 発生件数 1件 (前年度 0) × ビルジ/バラスト排出監視機器/排出 装置の使用時の故障0を目指す 船員の意識啓発教育、メンテナンスマニュアルの 遵守、バラスト水管理手順書の遵守 オフィスのゴミ発生量を 昨年より5%削減する。 ゴミの排出量の昨年比 40%増 × オフィスのゴミ発生量を 5%削減 再生紙の利用、リサイクルに併せてゴミの分別 を徹底する。紙コップ消費の削減 船内ゴミ/廃棄物の 発生処理量の前年比10%減 前年比 発生量 30%減、 陸揚げ処理量 28%減 船内ゴミ/廃棄物の 発生処理量を10%削減 船員の意識啓発教育、手順書の遵守、包装屑の 適正処理 プラスチック/ビニール廃棄物の 全量陸揚げ 全量陸揚げ処理 (前年比 発生量 6%増) プラスチック/ビニール廃棄物の 全量陸揚げ ペーパーレスシステムの推進に よる紙使用量の前年比3%削減 事務用紙消費量 昨年比 8.9%減 ペーパーレスシステムの 推進による紙使用量の3%削減 意識啓発教育、書類のIT化、使用済みレポート 紙などの再利用 オフィス/船内電源の節減による 電力使用量の前年比1%削減 前年比 3%減 オフィス/船内電源の節減による 電力使用量の1%削減 意識啓発教育、空調設定温度の変更、不要照明 の消灯 船舶燃料使用量の前年比1%削減 船舶潤滑油使用量の前年比1%削減 (いずれも輸送トンあたり) 燃料油 前年比 4%減 CO2排出量の前年比1%削減 前年比 1%増 NOx排出量の前年比減に努める IMO承認機関の搭載船比率の 昨年比 45%増 ダイオキシン対応焼却炉を搭載 した管理船の割合を10%増やす ダイオキシン対応焼却炉搭載 船比率の昨年比 45%増 機関室からの黒煙排出への クレームを0とする 発生件数 0 (前年度 0) 貨物タンクからの石油ガスの 放出回数の前年比5%削減 前年比 45%減 CFCs補充量の前年比2%削減 前年比 13%減 ハロンガス補充量の 前年比2%削減 補充量 0(昨年度 69kg) 船舶燃料油使用量の1%削減 (輸送トンあたり) 潤滑油 前年比 8%減 ビルジ、バラスト水、IMO、ダイオキシン、ハロンについては用語集をご参照下さい。 プラスチック/ビニールの全量陸揚げ 機関、船体整備の促進、最適航路の選定 新造船建造計画による省エネ機関の採用 × 2004年度からは、安全目標を定めたこともあり、 環境目標は、重点を絞って設定しました。 機関室からの黒煙排出への クレームを0とする ハロンガスの補充量の2%削減 船員の意識啓蒙教育、ボイラー取扱い手順書の 遵守 ハロンガスの補充量の記録、 ハロンガス漏洩の防止対策 27 安全・環境報告書2004 SAFETY & ENVIRONMENTAL 海運業の安全・環境性 海運業の安全・環境への取り組み 安全運航のための設備対策 ■安全航海のための設備/機器 船舶には、極めて多くの設備や機器が搭載されていますが、殆どが安全のための設備機器と言っても過言ではありません。船舶設備を安全確保の 観点で、以下のように分類できます。 分類 主な設備機器 堪航性 設備 機関室内の主機・発電機・ボイラー・各種ポンプ、及び船体等 目的地まで安全航海する設備 レーダー等の航海計器や各種通信設備 係船設備 錨及び錨巻揚機、舵及び操舵機、係船索等の甲板機械 等 荷役目的設備 安全に積荷・揚荷をするための機械設備 緊急時対応設備 救命設備、消火設備、警報設備 等 その他の安全設備 海賊/テロ対策設備、曳航用機器 等 以上の設備機器の殆どは、SOLAS やISMコード をはじめとする条約や規則等で搭載が義務付けられていますが、当社はより一層の 安全確保のため、ECDIS(電子海図システム:Electronic Chart Display and Information Systems)等の機器導入に取り組んでいます。 ■海賊対策/テロ対策 海賊など武装集団による船舶に対する強盗事件の発生件数は、2000年をピークに減少傾向にありますが、その発生件数は全世界で毎年300件以 上が報告され、その約5割が東南アジア海域に集中しています。襲撃された船舶の国籍、船種については、特段の傾向、規則性は見られませんが、最 近の海賊は銃器やナイフで武装するなど凶暴化しており、2002年には327人の人的被害が報告されています。また人質を取り、多額の身代金を要 求したり、一部ではテロ行為準備のため船舶運航技術の習得を目指していることも推測されています。 最近の武装化された海賊を一度船舶に乗せてしまうと、その対応は難渋を極めるため、乗船させないことが海賊対策の第一のポイントと考えています。 当社では、海賊の予防対策としてキセノンライト(極めて強力なポータブルサーチライト)2台の搭載、海賊予防センサーの危険海域での設置、世 界中どこでも通信可能なイリジウム携帯電話を搭載するとともに、安全管理マニュアルに海賊対策手順書を規定して万全を期しております。また シージャック対策としては船舶の通信衛星システムであるインマルサット Cを利用して船舶の位置を追跡するシステムを導入しています。これら の対策もあって、当社の船舶では、この十数年海賊事件は発生しておりません。 2004年7月1日には、国際船舶港湾保安規則(ISPSコード )が発効します。当社では攻撃を受けた際に、警報と同時に自船のIDコード、 船名、位置、時刻を通知できる船舶警報通報装置(SSAS:Ship Security Alert System)を搭載するなど、海賊および船舶へのテロに 対する厳重な予防対策を推進していきます。 ■船舶管理会社と安全運航・環境保全 飯野海運(株) イイノマリンサービス(株) 取締役 専務執行役員 代表取締役社長 松 本 隆 彦 イイノマリンサービス(株)では飯野海運フリートを中心に40隻以上の船舶管理を行っていますが、 管理船のほとんどは原油、石油製品、ガス、ケミカル、石炭などの危険品及びエネルギー輸送に従事し ています。安全運航と環境保全を会社の最重要課題と位置付け、安全管理システム、品質管理システム(ISO9001)および環境管理システム (ISO14001)の深度化に海陸の全従業員が一丸となって取り組んでいます。 事故発生要因を統計的手法でつきとめ再発防止のために効率的な経営 資源の配分をしながら、安全研修と社内教育の充実をはかることで管理体制を強化し、事故発生率などの成績において業界をリードして参りま す。国内外の用船者、船主、その他業界関係者から安全かつ経済的な船舶管理会社として一層の評価を頂けるよう努力を続ける所存です。 28 安全・環境報告書2004 経 済 性 安 全 ・ 環 境 性 社 会 性 海洋環境保全①∼船体の対策 ダブルハルタンカーの構造模式図 ■タンカーのダブルハル化 バラストタンク 1989年にアラスカ沿岸で発生したVLCC バルディーズ号座礁による原油大量流出 貨物油タンク バラスト水 事故を契機に、1992年3月、IMO 海洋環境保護委員会で、1993年7月以降に建造 される原油タンカーのダブルハル (二重船殻)化の義務づけと既存タンカーの使用年 シングルハルタンカーの構造模式図 限を制限するMARPOL 条約の改正案が採択されました。 ダブルハルとは、船体が二重構造になっており、事故で外板に穴があいても、貨物油 貨物油タンク タンクには直接影響を与えにくい構造になっているものです。 バラストタンク その後、1999年12月のフランス西沖におけるエリカ号折損事故、2002年11月ス オイルタンカーのダブルハル化率推移 ペイン沖で発生したプレステージ号折損事故などシングルハルタンカーによる油流失事 故が続き、IMO海洋環境保護委員会で数回にわたりシングルハルタンカーの段階的廃船 規制強化が採択されました。2005年4月から、5,000DWT以上のシングルハルタン カーは一定の例外を除き2010年までの廃船が義務付けられる予定です。 当社では、ダブルハルタンカーを1982年に初めて導入し、それ以降もダブルハル化 に積極的に取り組み、現在では当社船隊における、オイルタンカー(原油タンカーとプ ロダクトタンカー)のダブルハル化率は100%となっています。また、ケミカルタンカ ーを含めても、全船がダブルハルタンカーとなっています。 シングルハルタンカー ダブルハル化率 隻 8 7 6 5 4 3 2 1 0 ダブルハルタンカー 100% 83.3% 100% 75.0% 80% 1 60% 8 1 5 3 01/3末 100% 02/3末 40% 4 20% 03/3末 04/3末 0% ■有機スズを含まない船底防汚塗料の使用 船舶の航行に伴い、海藻類や貝類などの海中生物が船底に付着すると、船体抵抗が増加して、船速が低下します。それによって燃料消費 効率が低下するとともに、多くのCO2やNOX、SOXを排出し、大気汚染につながってしまいます。 これを防ぐために、1960年代半ば頃から、動植物の付着防止効果が高いTBT (有機スズ)を含む塗料が広く使用されてきました。し かし、1974年にフランスで養殖カキの生育異常が発生し、これを機に、海水に溶け出したTBTが魚介類に悪影響を与える環境ホルモン作 用について疑いが持たれるようになりました。微量のTBTが巻貝のメスをオス化するとの報告もされています。 これに対応して、2001年10月のIMO国際会議において、①2003年1月以降はTBT塗料の新たな塗布を禁止し、②2008年1月以降は TBT塗料を完全に除去するか、または過去に塗布したTBT塗料が海水へ溶出しないように塗料を上塗りすること(シーラーコート)を義務付 ける条約が採択されました。 当社では独自に前倒し対策として関係業界と協力して新造船・修繕船への高仕様TF塗料 (有機スズを含まない塗料)を採用しており、 シーラーコートした上にTF塗料を塗装した船舶を含めて、2004年3月には96%の管理船舶がTF塗装船となり、早期のTF化率100%実 現を目指して活動しています。 TF塗料化比率の推移 ②シーラーコート+TF塗料塗装船 TF塗料化比率(②+③の割合) ①TBT塗料塗装船 ③TF塗料塗装船 隻 25 81.0% 20 80.0% 4 1 15 4 1 91.3% 2 2 95.8% 1 1 海水側 100% 80% 60% 22 10 16 40% 19 船体側 15 20% 5 0 0% 01/3末 02/3末 03/3末 TF塗料は、有機錫を含まないため海水に溶け出しても生態系への影 響が少なく、航行中に加水分解することにより船底表面を滑らかに 保ち、燃料消費を抑えてCO2などの排出を抑制します。 04/3末 29 安全・環境報告書2004 SAFETY & ENVIRONMENTAL 海運業の安全・環境性 海運業の安全・環境への取り組み 事故防止のための活動 ■検船・臨船活動 1.メジャー オイル インスペクション メジャー オイル インスペクションの実績 当社の船舶は、オイルタンカー、ケミカルタンカー、LPGタンカーが多く、 受検数 不合格数 再受検 合格数 2002年度上期 28 隻 0 隻 ― 2002年度下期 34 隻 2 隻 2 隻 2003年度上期 35 隻 0 隻 ― 2003年度下期 36 隻 2 隻 2 隻 メジャーオイル会社の検船を受ける機会が多くあります。この検船はハー ド・ソフト両面の安全性が重要視され、それに合格することは船舶の安全運 航の指標でもあります。 過去2年間のメジャー オイル インスペクションの受検件数及び不合格 件数は右記の通りとなっておりますが、不合格船も是正措置を取った結果、 再検査で合格しています。 2.内部監査 ISMコード の規定に基づき、全ての管理船舶を対象に、安全マネジメント システム(SMS)及び環境マネジメントシステム(EMS)の実施状況を中心に、 毎年1回以上の内部監査を実施しています。2003年度は29隻の管理船を対象 に内部監査を実施しました。 安全監督臨船延べ隻数・日数推移 3.飯野検船システム 飯野グループでは、内部監査に加えて独自の検船システムを導入しており、 全ての管理船を対象に、安全管理の状況を中心に、年2回の検船を実施してお ります。2003年度は29隻の管理船を対象に58件の検船を実施しました。 4.安全監督臨船 オイルタンカー、LPGタンカー及び、場合によりケミカルタンカー、貨 物船についても主に日本で荷役を行う際には、安全監督を派遣し、荷役の監 督、荷役機器を含む本船船体、機器の状態についての確認を行っています。 延べ日数 延べ隻数 隻・日 300 250 252 239 232 232 233 200 200 150 100 87 92 78 89 81 50 0 必要に応じ、外国の港にも安全監督を派遣しています。 01上期 01下期 02上期 02下期 03上期 くるしま ■関門海峡・来島海峡の通峡自主規制 瀬戸内海西部の地図と 関門海峡、来島海峡の位置 日本の海峡の中でも、関門海峡・来島海峡は海上交通の難所であり、事故発生率も高くなって います。両海峡とも、潮流が早い上に航路が狭く、来島海峡については、転流時(潮流の方 向が変わる時)の航法が特に複雑で大きな危険を伴います。 当社においては、関門海峡・来島海峡について、自主的な通行規制を設けています。両 海峡とも原則として夜間の通峡を禁止し、水先人の乗船と事故時の連絡体制の確立を条件 とし、通峡には事前に安全担当部の許可の取得を義務づける体制を取っています。加えて、 来島海峡については、オイルタンカー、ケミカルタンカーについては空船時のみ、また 視界も1海里以上あることを条件として通峡を許可しており、関門海峡より厳しい規制 をしています。 関門海峡 来島海峡 これらの通峡規制により、滞船・迂回などが生じますが、安全性確保のためには必要な措 置と考えています。 この当社の自主規制については用船者にご理解頂くよう営業各部門より事前に申し入れ ています。 2003年度通峡実績 関門海峡 来島海峡 28 隻 34 隻 (用船を含む) 30 安全・環境報告書2004 101 03下期 経 済 性 安 全 ・ 環 境 性 社 会 性 海洋環境保全②∼排出物の適正処理 ■ビルジ処理システム 船舶の運航により機関室内では汚水・油水混合物が発生します。これを機関室ビルジと言い、その まま船外に排出するのではなく、73/78MARPOL 附属書Iに従って適正に処理するよう規制されて います。ビルジセパレーターというビルジを油分と水分に分離する装置によって油分のみを分離除去し、 排出基準値(油分濃度15ppm未満)を満たした水分のみを航海中に海中に排出するとともに、油分は 廃油として焼却処理しています。 これら法規制の遵守に加えて、当社では、独自のビルジ発生源分離方式を採用しビルジの発生量を極 力抑制しています。前処理段階でプライマリータンクにおいてビルジを水分と油分等を分離した上でビルジ 左側がビルジプライマリータンク 右側がビルジセパレーター セパレーターを通し、ビルジ処理量を減少させ、ビルジからの海中排出水分量を極小化しています。 当社のビルジ処理システム ビルジセパレーター ポンプ 水分のみ 排出基準値を 満たした水分 船外排出 ビルジ ビルジタンク セパレーター ビルジ等 油水混合物 油 プライマリー タンク 油 スラッジタンク・ ビルジセパレーター オイルタンク IMOの型式承認を得た 廃油タンク スラッジポンプ 船内 焼却炉 焼却処分 ■バラスト水の適正処理 船舶は空荷時に、船体の喫水 及びトリム を変化させ船体の安定性とプロペラ効率や舵効を確保するために海水(バラスト水 )を バラストタンクに注入して航行しています。バラスト水は通常、揚荷港で注水され積荷港で排水されますが、バラスト水に伴ってこれに含まれる 小動植物や有害病原体などの海中生物が移動し、積地の海洋生態系に悪影響を与えるとして、特に1980年代後半から問題視されてきました。 IMO ではバラスト水対策について何度も討議を重ね、2004年2月にバラスト水の管理や処理基準を定めた国際条約が採択され、将来は バラスト水処理装置の設置が義務付けられることになりました。 当社は、現在ではこれらの取決めや寄港国の規制に従い、外洋でバラスト水交換を実施し、寄港国の港に他地域の海中生物を持ち込まな いように努めています。 ■船内生活系廃棄物の適正処理 船舶では、乗組員の船内での生活に伴って様々な生活系廃棄物が発生します。これらは 73/78 MARPOL附属書Vに基づき適正に処理し、海洋環境の保全に努めています。 廃棄物は手順書に従い、分別収集され、焼却処理、海洋投棄、または陸上受入施設 へ移送されます。特にプラスチック類等は、本船で保管の上、全量陸揚げ処分し、受 領書を付して記録簿へ記載しています。 左から、紙ゴミ・雑布類(黒)、廃プラスチック類(赤)、金属・ ガラス・陶磁器(緑)、食物くず(青)、梱包材等の事業系廃棄物 (黄)に分別して保管しています。 31 安全・環境報告書2004 SAFETY & ENVIRONMENTAL 海運業の安全・環境性 海運業の安全・環境への取り組み 事故分析と再発防止 ■事故件数の推移と4M別事故原因分析 ■乗組員の傷病件数推移 ここ数年間の半期ごとの事故件数推移をみると、2002年下期をピー 乗組員の傷病についても統計を取り、傾向を分析して、傷病 クに減少傾向にあります。 の撲滅を図っています。 各々の事故原因を4M別に区分して分析し、防止対策を立案しております。 2003年度までの傷病発生については下記のグラフで表してい 4Mとは、Man(人)、Machine(機械)、Media(情報/環境)、 ますが、2003年下期は若干減少傾向にありました。特に職務 Management(管理)のことです。 傷については大幅に減少しており、この傾向を維持すべく努め 各事故とも発生原因は単一ではなく重複しているのが特徴で、主因を特定 ます。 してグラフ化したものが下図です。やはり、Manを主因とする事故が多いこ とが分かります。Manに起因する事故防止対策として、教育訓練を重点的に 推進しています。 主因別事故件数推移 件 Management Media Machine 傷病発生状況 件 Man 職務傷 疾病 30 25 20 15 4 25 3 20 7 15 1 1 2 3 2 1 10 0 1 7 5 9 1 3 1 2 4 3 03上期 03下期 9 5 0 01下期 02上期 8 02下期 10 5 0 6 5 3 16 10 15 7 4 1 11 18 10 6 3 5 8 11 9 99上期 99下期 00上期 00下期 01上期 01下期 02上期 02下期 03上期 03下期 ■KPI(Key Performance Indicator)の導入 事故発生傾向を分析し問題点を抽出するため、2003年度より測定可能な業績管理指標(KPI:Key Performance Indicator)を導入し、 次の3指標の値を半期ごとに把握し管理することにしました。①航海数当たりの事故発生件数、②労働時間当たりの傷病事故件数、③傷病に よる非就業時間の3つです。時系列で分析するにはデータ量が不足していますが、今後も継続して把握し、目標設定と問題点の分析に活用し ていく予定です。 ■事故原因究明と再発防止対策立案・実施事例 事故が発生した場合、迅速かつ適切な対応をとり、損害や影響を最小限に止めるとと もに、事故発生原因を究明して再発防止策を立案・実施することが極めて重要です。 ここでは、2004年2月に発生したケミカルタンカーの揚荷時のカーゴタンク損傷事故 について、事故の内容と発生原因および講じた再発防止策の内容について紹介します。 【事故内容】 当該ケミカルタンカーは東南アジアで凝固性植物油を積載しオランダのロッテルダム で揚荷を行いました。 ・当該貨物は低温で凝固する性質があり、冬季で気温低下が著しかったため凝固しました。 ・航海の途中ビスケー湾でシケに遭遇し船体動揺が激しかったため、植物油がカーゴタンクの 換気を行う通気システム(Vent System)で凝固して閉塞しました。 ・カーゴタンクの圧力を監視する圧力計のセンサーも植物油で覆われ凝固して作動不良となりました。 ・このような状況を十分確認せず、ロッテルダムで揚荷を続行したため、カーゴタンクが過度の真空状態となり、甲板材、船体強度材、タンク 隔壁に損傷を生じました。 【発生後の対応】ロッテルダムでは仮修理を実施して出港し、中国で揚荷をした後、日本に回航して本修理を実施しました。 【事故原因】 貨物の凝固及びカーゴタンク圧力の監視不足でした。 【再発防止策】 ・ソフト面では、入港前の通気システム(Vent System)の作動確認、荷役中のカーゴタンク圧力の監視・記録の徹底を指示しました。 ・ハード面では、①ほぼ水平になっていた換気装置を、傾斜をつけて液体が換気装置に溜まらない構造に変更すること、②圧力センサーの 外部を被覆し、凝固性貨物対策をとることとしました。 32 安全・環境報告書2004 経 済 性 安 全 ・ 環 境 性 社 会 性 地球温暖化防止 ■温室効果ガスの排出抑制 地球温暖化は、二酸化炭素CO2等の温室効果ガス により地表付近の温度が上昇する現象のことです。海水の膨張や氷河の融解による海面水位の 上昇による低地の水没、生態系の変動、台風・干ばつなど異常気象による農業被害等、様々な影響が懸念されています。温室効果ガスには、CO2をは じめとしてメタンCH4や一酸化二窒素N2Oなど6種類があります。これらは、太陽の可視光線は透過させますが、暖められた地表から放射される赤外線 は吸収し、地表付近の大気を暖めることから「温室効果ガス」と呼ばれています。 温室効果ガスの主たるものはCO2であり、船舶の燃料である重油がディーゼル機関で燃焼することによりCO2を排出します。CO2は燃料中の炭素分 がほぼ完全燃焼して排出されるため、燃料消費量の削減、燃料効率の向上、すなわち省エネルギーの推進がCO2の排出削減につながります。 当社では、そのために以下のような対策を講じています。 ● 船底船側洗浄・プロペラ研磨 当社では各船の船舶性能解析によるデータにより、船体及びプロペラ汚損による船体抵抗及び燃料消費量増減傾向を正確に把握しております。各船の船体 汚損状況、船底塗料及び配船状況等を考慮し適切な時期にダイバー作業による船底・船側洗浄、プロペラ研磨等を実施し、船舶性能の向上に努めています。 また、プロペラ効率改善装置の取付けにより、推進効率の向上を図っています。 ● 燃料油前処理システム及び燃料助燃剤・改質剤の活用 船舶用燃料油として補油する重油には、泥分、水分、スラッジ 、石油精製過程中に添加されるシリカ・アルミナ等の触媒、精製過程において最終的 に残る残渣物等が含まれており、そのままでは使用できません。そのためエンジン性能に悪影響を及ぼす物質を可能な限り除去する燃料油前処理を行い ます。前処理システムの導入により燃料油の燃焼を良好に保ちCO2等の大気汚染物質の排出を削減でき、環境保護が図れます。 また燃料油への効果的な助燃剤・改質剤の投入により性状を改善し、廃油・スラッジ等の発生抑制、及び燃料油の燃焼効率を高めるとともにディーゼ ル機関の起動時や低負荷時に発生する黒煙、及び荷役中の補助ボイラーへの急激な負荷変動により発生する黒煙の抑制を図っています。 上記の他にも、省燃費型エンジンの採用、排熱を再利用して燃料消費を抑制する排気ガスエコノマイザー、及びVLCC にはタービン発電機を設置するな どの機器装備面の改善にも努めています。 燃料消費量の推移〈当社運航船舶〉 A重油 千トン 250 C重油 229 200 193 排出量合計・CO2換算(左軸) 稼動延トン当り排出量(右軸) 千トン 800 214 200 温室効果ガス排出量の推移〈当社運航船舶〉 kg 80 721 673 210 661 629 609 600 57 50 150 60 53 49 49 400 40 200 20 100 50 0 0 00/3期 ■造船会社より 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 0 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 株式会社 アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド 船舶営業部長 進藤 様 近年船舶に対する環境負荷低減に関する議論が国内外を問わず盛んに行われるようになりましたが、貴社はそういう時流に 先駆け環境対策を意識されている会社として認められていることに敬意を表します。 長年にわたり弊社は貴社向けの船舶を建造してまいりましたが、人・環境にやさしい船を目指されていると常に感じてお りました。主機の排気ガスを再利用し発電することにより化石燃料の使用を削減する設備を長年採用されていることは、単に経済性からの判断で なく社会に対する貢献を考えられてのことと高く評価しております。また錫入り船体塗料の使用規制やフロン使用規制の実効に先んじて、それら の使用を自主的にとりやめられたことを見ても貴社の環境対策への積極性がうかがわれます。 今後も船舶の環境負荷低減が求められていくものと思われますが、これからも環境にやさしい海運会社として安全運航に従事されることを切に お願いいたします。 33 安全・環境報告書2004 SAFETY & ENVIRONMENTAL 海運業の安全・環境性 海運業の安全・環境への取り組み 事故損害軽減のための活動 ■誌上再現:テーブルトップドリル「東京湾内での衝突 原油流出事故」 船舶運航に際しては、事故予防のための安全対策とともに、事故発生時の対応が極めて重要です。特に、適切な初期対応を取ることにより、環境 被害・人的被害を最小限にとどめることが可能となります。また事故情報の迅速・的確な開示が大切です。 当社では、毎年2回、様々な事故を想定した机上訓練(テーブルトップドリル)を実施しています。 2003年3月には、東京湾で大型原油タンカーがコンテナ船と衝突し、原油が流出したことを想定した机上訓練を実施しました。以下にこの訓練 の状況を誌上再現してみました。 【想定事故内容】 日 時:2003年3月24日10時00分 事故内容:東京湾中の瀬西海域を北航中のVLCC が、コンテナ船と衝突。 被害状況:本船のバラストタンク・貨物タンクが破損、積載していた原油のうち、1,000 が海上に流出。 衝突時に、本船乗組員が1名が海中に転落、行方不明。 初期対応の内容:火災防止のため不活性ガスを注入。貨物(原油)を破損したNo.2タンクより他のタンクに移送。 機関を停止し、現場より約2海里北の海域に錨泊。 この訓練の主体は記者会見の訓練で、実際の新聞記者やテレビ関係者にもご参加を頂き、テレビカメラも 準備して本番さながらの訓練を実施しました。 記者会見には、飯野海運(株)社長、広報担当取締役、イイノマリンサービス(株)社長が臨み、 最初に飯野海運社長の挨拶、イイノマリンサービス社長の事故概略の説明、記者よりの質問に対 する応対という手順で進行しました。このような本番さながらの記者会見の訓練が2回目という こともあり、大きな不手際もなく進行しました。 訓練実施後、全員で反省会を行い、記者の諸氏より、事故情報の開示は極めて重要であり、一般の人 にも理解できる言葉で図などを用いて分かり易く、丁寧に、冷静に説明し対応することが大切とのご指 摘を頂きました。 ■機関室と環境 機関長 橋本 隆弘 この数年、にわかに脚光を浴びている環境問題でありますが、船においても例外ではありません。 特にアラスカでのタンカー バルディーズ号の座礁・油流出事故以来、海洋汚染は地球環境の中でも極 めて重要になりました。 機関室から発生する環境破壊としては燃料、潤滑油の油類の船外流出による海洋汚染、推進装置及び発電装置 の排ガスによる大気汚染があります。 環境汚染防止として機関部が注意するのは主に次の3点です。 ①機関室に溜まる油類は除去する装置を通し船外に排出しますので、その装置の保守、整備。 ②潤滑油は冷却器を通して使用しますので冷却管破損による船外流出を防ぐ為の定期点検。 ③燃料補油及び移送時には、責任者及び作業従事者が万全の準備と細心の注意を払い、油の船外流出防止に努めること。 排ガスによる大気汚染については、最近ディーゼル機関からの排ガスにはNOX規制が条約化されましたが、燃焼管理及び機器整備が基本となります。 地球の7割が海であり、そこで働いている乗組員各自が自覚することが一番の環境保護につながると考えます。 34 安全・環境報告書2004 経 済 性 安 全 ・ 環 境 性 社 会 性 大気汚染防止(酸性雨の防止) ■窒化酸化物(NOX)、硫黄酸化物(SOX)の排出防止 燃料が燃焼することによりNOxやSOxが排出され、それが大気中で硝酸や硫酸に変化して雨に取り込まれて降下したものが酸性雨です。酸性雨に より森林被害や建築物への影響が報告されています。 NOxには、燃料中の窒素(N)分が酸化されてできるFuel NOxと、高温高圧下で燃焼空気中のN2とO2が化合してできるThermal NOxの2種類があ り、後者の排出量が大幅に上回っています。Thermal NOxは一般に燃焼温度が高いほど、酸素濃度が高いほど、高温での滞留時間が長いほど多く発 生する性質があり、燃焼機関の規模や回転数等により定まります。当社では、NOx排出を抑制するため、73/78MARPOL 附属書VIに適合した 新型ディーゼルエンジンの採用を進め、地球環境への悪影響を防いでいます。 これに対し、SOxは燃料中の硫黄(S)分が全量酸化物として排出されて生成するため、燃焼状態や機関に拠らず燃料種類によって排出量は定まりま す。硫黄含有率の低い燃料を使用することがSOx排出抑制につながります。SOx対策として当社はISO規格に適合した燃料油を使用し、73/78 MARPOL附属書VIに定める基準をクリアしています。 窒素酸化物排出量の推移〈当社運航船舶〉 硫黄酸化物排出量の推移〈当社運航船舶〉 NOx排出量(左軸) 稼働延トン当りNOx排出量(右軸) 千トン 20 kg 2.0 19.9 18.6 18.3 17.4 16.8 1.58 15 1.38 1.35 1.36 1.47 SOx排出量(左軸) 稼動延トン当りSOx排出量(右軸) 千トン 15 13.6 12.9 1.5 1.09 10 0.95 10 1.0 5 0.5 12.5 12.0 11.6 kg 1.5 1.02 0.94 0.93 5 0 0 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 1.0 0.5 0 0 00/3期 01/3期 02/3期 03/3期 04/3期 ■廃油の適正な焼却処理 船舶用燃料油には不純物が多く含まれており,燃料油使用時の前処理システムで不純物を取り除く際に発生する水分・不純物が混ざった不要な油 を廃油と言います。これらを廃油タンクに集めて、新たに加熱し、水分等を蒸発分離した上で、廃油焼却炉で焼却処分しています。 また焼却処分に際し発生するダイオキシン を極力抑制できる、73/78MARPOL附属書VIに基づく型式承認を得た廃油焼却炉を2000年より全 ての新造船に採用しています。 オゾン層破壊防止 地球の周囲の高度20∼30km付近に広がっているオゾン層は、太陽光に含まれる有害な紫外線を吸収し地上の生物を保護する働きをしています。 フロン やハロン 等のオゾン層破壊物質は、上空でオゾンと化学反応を起こしオゾンを分解してオゾン層を破壊します。当社では、次のような フロン・ハロン対策を進めています。 ■代替フロンへの転換 ■ハロン対策 船舶の空調機・冷凍機には、冷媒としての性能に優れ、信頼性が高い ハロン消火装置 HCFC冷媒R-22が、これまで広く使用されてきましたが、オゾン層破 については既に採 壊や地球温暖化への悪影響が明らかになり、代替フロンへの転換が進め 用を取り止め、殆 非ハロンガス消火装置装備率の推移 ハロンガス消火装置装備船 非ハロンガス消火装置装備船 非ハロンガス消火装置装備率 隻 25 られています。当社新造船においては、オゾン破壊係数ゼロのHFC冷媒 どの船舶でCO2式 20 R-404aを採用しています。 消火装置や高膨張 15 なお、当社グループではコンテナ船は保有・運航していません 式消火装置を搭載 ので、冷凍コンテナ用の冷媒は使用していません。 しています。 10 91.3% 81.0% 80.0% 4 4 17 16 2 21 95.8% 1 23 80% 60% 40% 5 0 100 % 20% 01/3末 02/3末 03/3末 04/3末 0% 35 安全・環境報告書2004 SAFETY & ENVIRONMENTAL 不動産業の安全・環境性 不動産業の安全・環境マネジメント 危険要因の全体像 火災の危険 (失火や放火) 落雷の危険 風水害の危険 (台風・大雨・洪水) ガス漏れ・水漏れの危険 漏電・停電の危険 ビル設備の危険 (自動扉・エレベータ等) 工事に伴う危険 地震の危険 (倒壊・破損・落下物等) 不衛生の危険 (空気環境・水質悪化・害虫等) テロや犯罪の危険 不動産業の安全マネジメント ■ 安全管理体制 過去に所有・管理ビルで発生したトラブルを教訓に、安全管理体制を確立し、ハード・ソフト両面での対策を実施しました。今後も継続的にビル の安全・衛生の確保に努めて参ります。 《 不動産業の安全管理体制 》 《 主要な安全対策工事(2002年5月以降)》 ・非常用自家発電機の更新 ・電気設備室の改修工事 飯野海運(株) 安全委員会 ・地下駐車場消火設備更新 イイノ・ビルテック(株) 安全衛生委員会 飯野ビル その他のビル 監視センター 安全衛生委員会 協力業者会 安全衛生協議会 各ビル監視員等 ■ 安全・衛生パフォーマンス 事故・トラブル等発生件数 原因 2002年度 空気環境測定結果(目標値達成地点数/測定地点数、達成率) 2003年度 人的要因*1 10件 15件 設備要因 19件 11件 2件 3件 31件 29件 外部要因・不明*2 合計 対象範囲:全所有・管理ビル *1当社グループ社員、業者、テナント等による *2いたずら電話等 ビル管法*3規定項目 空 気 清 浄 度 二酸化炭素含有率 2002年度 565/583(96.9%) 2003年度 546/548( 99.6%) 一酸化炭素含有率 579/583(99.3%) 548/548(100.0%) 浮遊粉塵量 578/583(99.1%) 547/548( 99.8%) 対象範囲:主要賃貸6ビル(P.7参照) *3建築物における衛生的環境の確保に関する法律 で定める目標基準値 水質検査結果 検査結果*4 2002年度 異常なし 2003年度 異常なし 対象範囲:主要賃貸6ビル(P.7参照) *4検査項目は、 「水道法」及び「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」に定める項目 36 安全・環境報告書2004 経 済 性 安 全 ・ 環 境 性 社 会 性 環 境 負 荷 の 全 体 像 ∼ 飯野ビル1日当たり(テナント使用分を含む)∼ インプット(投入) アウトプット(排出) 電気:32,503kWh CO2:14.9トン × 3,337軒分*1 ×18千人分*6 一般家庭 人間 都市ガス:1,231m3 NOx:2.1kg SOx: 0kg × 751軒分*2 一般廃棄物:4,202kg 一般家庭 水(上水・地下水) :286m3 ×5,602人分*7 生活系ゴミ × 364軒分*3 一般家庭 産業廃棄物:2,385kg ∼参考∼ 使用済自動車 A重油:200 (東京桜田ビル)*4 ×2.2台分*8 排水:229m3 ×1本分*5 ×1,147杯分*9 ドラム缶 家庭用浴槽 *1:一般家庭電力使用量297kWh/月(東京電力) *2:一般家庭都市ガス使用量50m3/月(東京ガス) *3:一般家庭水使用量24m3/月(東京都水道局) *6:呼気によるCO2排出量842g/人日 (医科生理学展望、理科年表) *7:生活系ゴミ排出量750g/人日(環境省) *8:使用済自動車重量1,100kg(経済産業省) *9:一般的家庭用浴槽容積200 (国土交通省) ビル内での環境負荷要因 粉塵・ほこり、騒音、振動、 悪臭、ホルムアルデヒド *4:飯野ビルでは重油不使用のため *5:1種ドラム缶容量200 (JIS Z 1601) 不動産業の環境マネジメント ■ 環境マネジメントシステム 不動産業では、2004年度中のISO14001の認証取得を目指し、環境マネジメントシステムの構築に取り組んでいます。2003年度は法律や条例 の定める規制や努力義務等に基づいた活動・管理を行いました。 ■ 地球温暖化対策 ● 自社使用エネルギーの削減 ● ビル使用エネルギーの削減 飯野ビルは、「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ 東京都「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確 法)」で定める「第二種エネルギー管理指定工場」に該当します。 保条例)」の規定により、飯野ビルでは「地球温暖化対策計画書」 当社では、2003年5月よりエネルギー管理委員会を設置し、自社 を作成・提出し、ビル全体での対策を実施しています。 で使用するエネルギーの合理化・削減に努めています。 ビル排出CO2の実績と目標 自社使用エネルギーの実績 電気の種類 昼間買電 2002年度 2003年度 対前年度比 3,466千kWh 3,209千kWh 92.6% 夜間買電 3,275千kWh 3,237千kWh 98.8% 合計 6,741千kWh 6,446千kWh 95.6% 0.089 0.085 95.5% 原単位*1 排出活動 2001年度*2 燃料使用 1,130 t-CO2 電気使用 4,236 t-CO2 合計 5,366 t-CO2 2004年度目標 基準年度比で1.8% の削減 (△97t-CO2) *2 2001年度が 現計画の 基準年度 (以後3年毎) 具体策: ① テナントに対して省エネ・節電の協力依頼を行います。 ② 共用部照明の点消灯時間の見直しを行います。 ③ 空調機・給排風機の運転時間の見直しを行います。 *1昼間・夜間の排出係数の違いと生産数量の変化を考慮した値 但し、当社の生産数量(延床面積)は両年度で一定 ④ 照明・設備機器の省エネタイプへの取替えを行います。 ⑤ 空調機・冷凍機の効率運転を行います。 ■ 廃棄物対策 当社の主要賃貸ビルでは、各特別区の「廃棄物の処理及び再利用に関する条例」に基づき、「事業用大規模建築物における再利用 計画書」を作成・提出し、廃棄物対策に取り組んでいます。 廃棄物排出量と再生利用率の実績 排出量(6ビル) *3 再生利用率 1999年度 2000年度 2001年度 2002年度 2003年度 2,407.0t 2,357.7t 2,462.6t 2,472.5t 2,454.0t 44.9% 46.1% 45.6% 46.5% 45.8% *3排出量は、一般廃棄物と産業廃棄物の合計(工事に伴う排出量は含まない) 37 安全・環境報告書2004 SAFETY & ENVIRONMENTAL 不動産業の安全・環境性 不動産業の安全・環境への取り組み 館内の警備・安全状況の監視 ■警 備 機械警備システム 警備会社(基地局) ビ センサー 設 センサー 防 による飯野ビルの自社警備を開始しました。その後、永 発 ル センサー センサー 非 監 中 センサー 線 盤 表 司 信 示 令 1987年にビル管理会社(現イイノ・ビルテック(株)) 装 装 装 が東京都公安委員会の警備業の認定を受けて警備業務を 置 置 置 視 継 無 NTT回線 信 センサー センサー 常 受 犯 備 間 センサー 盤 年にわたりつちかったビル警備の知識・経験を生かし、 引き継ぎ、所有ビルの安全かつ快適な利用を目指した施 設警備を行っています。 機 装 2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ以降、各ビ ビ ル 監 視 卓 置 1960年のビル竣工に伴い、旧飯野不動産(株)警備課 無線・電話 ルでは点検口の封印、防犯用カメラでの入館者の監視等 を行っていますが、特に官庁街に所在する飯野ビルでは 警備員の増強配置、外周警戒の強化等の特別警戒を実施 警備車輌 しています。 設備警報等必要 に応じて出動 ビル間非常無線 警備の形態は、24時間警備員をビルに常駐させる「常 駐警備」と、警備員の常駐はなくビルに設置したセンサ 常駐警備システム ビル間 非常無線 ビ センサー 設 ル 間 センサー 非 常 線 N T T 回 線 備 中 センサー ビ ル 間 非 常 無 線 装 置 センサー ビル群 遠隔監視 システム 盤 装 置 第一警備室 (防災センター) 放送システム 館内モニタ− 警備員 内線・無線 ・館内放送 する「機械警備」の2種類で行っています。 常駐の警備員は、警察官・消防官のOBを積極的に採用 するとともに、火災等の災害活動時の中核となるため自 衛消防技術認定、防災センター講習修了、救命技能認定 ビル内巡回 中央監視センター 継 無 ーで感知した異常センサーに基づき車両で警備員が出動 基幹ビル(飯野ビル) 等の有資格者の育成を図るなど警備員の資質の向上に努 めています。 中央監視卓 飯野ビル監視システム ビル監視卓 NTT回線 警 備 員 ・ 監 視 員 必要に応じて応援要請・出動 空調・熱源 システム 電気・衛生 システム 監視員 館内警備 第一警備室モニター ■設備投資 ■監視センター 2001年には熱源改修と同時に、飯野ビルの監視システムの更新を行い 飯野ビル地下3階の中央監視センターでは飯野ビル内の電気・空調・ ました。 衛生設備の状態を常時3名24時間体制で監視し、テナントニーズに応 さらに2004年4月には大規模災害等により電話回線が不通となった場 じた調整を行っています。 合に備え、ビル間非常無線装置を設置しました。(投資額約370万円) またビル内の巡回活動を行い、安全及び環境の状況を把握し、適切な 状態を保っています。 ■イイノ・ビルテック(株) 保有資格名一覧 エネルギー管理士(電気・空調)、エネルギー管理員(電気)、第3種 さらに各ビル監視センターとの間は、飯野ビルを基地とし、電話回線を 利用して監視しており、警報発報の際には直ちに出動し対処しています。 電気主任技術者、第1・2種電気工事士、1級ボイラー技士、第1種冷凍 機械責任者、第3種冷凍機械責任者、甲種乙種消防設備士、警備員指導 教育責任者、1級建築士、2級建築士、建築設備点検資格者、建築物環 境衛生管理技術者、宅地建物取引主任者、業務管理主任者、1級管工事 施工管理技士、1級電気工事施工管理技士、その他保有資格多数 38 安全・環境報告書2004 空調・熱源システム 中央監視センター 経 済 性 安 全 ・ 環 境 性 社 会 性 省エネルギー化のための大規模熱源改修 ■大規模熱源改修 《 熱 源 改 修 》 飯野ビルでは1999年11月から2001年6月までの1年7ヶ月をかけて、地下3階にある 改修前熱源 改修後熱源 空調用熱源機器を「環境にやさしく省エネルギー化を目指して」というテーマで、約21億円の 重油焚 ボイラー ガス焚 冷温水発生機 ターボ 冷凍機 氷蓄熱 システム 投資を行って大幅に改修しました。 特に、既存水蓄熱槽を改修して設置した氷蓄熱槽に、夜間電力を使用して大量の氷を作り、その冷気 を昼間の冷房等に利用することで、環境負荷の低減と冷房効率の向上を実現しました。 具体的な改修工事の目的は以下の通りです。 ①氷蓄熱槽設置による昼間電力の削減、夜間電力の有効利用 ②重油焚きボイラーの廃止とクリーンエネルギーへの転換 ③オゾン層破壊・地球温暖化防止のため冷媒フロン を代替フロンに転換 ④冷房用ターボ冷凍機の更新 ⑤高効率の機器の導入 氷蓄熱槽 ■東京電力株式会社 銀座支店 ご担当様より 冷温水発生機 ■東京ガス株式会社 都市エネルギー事業部 ご担当様より 東京電力としては、お客さまとともにCO2排出量を削減することを基 東京ガスは、エネルギーの効率的な利用と快適な都市環境の実現に貢献 本とし、エネルギーを効率的に使用できる夜間電力利用による蓄熱システ するため、経済性及び環境性に優れた天然ガスの普及拡大に努めています。 ムを提案しました。当社の電源は、安定したエネルギー供給とCO2排出 飯野ビルは、大規模熱源改修工事において、給湯・暖房用温熱源システ 抑制のために、火力とCO2を排出しない水力・原子力をバランス良く組 ムを「重油」から「都市ガス」を主要燃料とするシステム(ガス吸収冷温 み合わせた電源のベストミックスを基本としています。特に夜間は原子力 水機と温水ヒーターのシステム)に切り替えられました。 発電が主となり、更に単位当たりの C O 2 排出量(CO2排出原単位)の NOx その結果、 年間約150tのC O 2 の削減が達成されるとともに、 小さいエネルギーとなりますので(昼の約82%)、夜間電力の利用は環境 とSOxの大幅な削減にも貢献することができました。また、ガス吸収 負荷を低減する有効な手段のひとつです。 冷温水機をご採用頂いたことにより、夏場の電力負荷のピークカットが 同時に経済性の面でも、蓄熱調整割引やピーク時間調整割引等により、 可能となり、電力負荷平準化に寄与しております。 エネルギーコストの大幅な削減となるメリットもあります。 環境負荷の低い都市ガスを主体とする空調熱源をご採用頂いたことに より、環境負荷の低減及び省エネルギーを達成されております。 ● 蓄熱によるCO2排出量の削減効果試算結果 ● 都市ガス利用による C O 2 排 出量の削減効果試算結果 CO2排出原単位 昼間電力(08時∼22時)① 0.378kg-CO2/kWh 夜間電力(22時∼08時)② 0.310kg-CO2/kWh 参考:電力会社以外 0.602kg-CO2/kWh 1997年度 1998年度 1999年度 2000年度*1 重油 重油使用量( ) 234,443 249,776 201,662 136,935 重油排出CO2(t)① 635 677 547 371 換算ガス量(m3) 2002年度実績 蓄熱電力量③ 1,387,269 kWh 蓄熱によるCO2排出削減量④ 94 t 199,060 212,079 171,227 116,268 都市 ガス 都市ガス排出CO2(t)② 470 501 404 274 CO2排出量削減効果(t)①-② 166 176 142 97 *1 2000年度は設備改修年度のためA重油使用量は通常年度より少ない ④= ③×( ①− ②) CO2排出量の比較 電力需要量の変化 蓄熱あり(改修後)2002/7/23実績 非蓄熱設定(改修前) 重油排出 CO2 都市ガス排出 CO2 kW 4,500 4,000 3,500 t 800 700 契約電力の縮減 600 3,000 夜間 負荷を夜間へシフト 2,500 2,000 ピーク時間調整割引 500 400 300 1,500 1,000 500 0 200 100 熱源機蓄熱運転 蓄熱調整割引 0 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 時刻 0 98/3期 99/3期 00/3期 01/3期 39 安全・環境報告書2004 SAFETY & ENVIRONMENTAL 不動産業の安全・環境性 不動産業の安全・環境への取り組み 防火・防災活動 ■ビル共同防火管理協議会 ■非常食の常備 複数の事務所が入居する建物では、火災・地震等の災害時の混乱を防ぐため、統制の 飯野ビルでは、大規模災害時の非常食(乾パン)を、建物 とれた防火管理を進める必要があります。当社の主要賃貸ビルのうち、飯野ビル・東京 入居事業所の残留職員用として2,000食(共同防火管理協議 桜田ビル・蒲田グリーンビルは消防法によって入居する全事業所で構成する共同防火管 会の管理)及びイイノホールの入場者用として500食を、備 理協議会の設置が義務付けられています。当社ではこのほかに、笹塚センタービルでも 蓄しています。なお、乾パンには①賞味期限が長い、②加熱 自主的に協議会を組織しています。 等の調理が不要、③休日・夜間等で建物管理要員が少なくて 協議会では、建物全体の消防計画の作成・変更、消防訓練の実施方法など共同防火管 も配食が容易、という非常食として優れた特性を持っています。 理に必要な事項を決定し、防火管理体制の連携強化を図っています。 2003年10月、新宿歌舞伎町のビル火災を契機に消防法が改正され、 「防火対象物定 期点検報告制度」が導入されました。これを受けて飯野ビルでは、協議会として入居 事業所に制度の説明を行い、協議会事務局員が点検資格を取得して各事業所の防火管 理上必要な業務等が基準に適合しているか点検を行い、2004年2月 丸の内消防署長に 備蓄場所:4ケ所 (屋上、7階、4階、地下3階) 結果報告(73事業所)を行いました。 ■避難訓練や消火器取り扱い訓練、防災週間等 火災等の災害が発生したとき、迅速・的確な行動により被害の拡大防止の措置が行えるよう、防災週間や春秋の火災予防運動等の機会を捉えて、 各建物入居事業所対象に地震防災対応訓練、 避難訓練を重点とした総合訓練、 消火器・屋内消火栓による初期消火訓練等を行っています。 訓練種別 ビル名 総合訓練 消火訓練 地震訓練 放送訓練 備 考 年2回 年2回 年2回* − 年1回 年1回 年1回 毎日 週1回 − − − − *消火栓放水訓練あり 防災週間 飯野ビル 東京桜田ビル 東京富士見ビル 飯野竹早ビル 蒲田グリーンビル 笹塚センタービル 年1回 年1回 年1回 年1回 − − − − 入居事業所計画を含む 入居事業所計画を含む 初期消火訓練 ■耐震性能 ■不燃化工事 当社が所有・賃貸する建物はすべて関東大震災(1923年 震度6)や阪神大震災 飯野ビルでは計画的に不燃化を進めていますが、2003年 (1995年 震度7)に相当する地震に対して、倒壊・崩壊の危険性が少ない構造強 度は1階エントランスホール及び廊下天井の改修・整備工事 度を確保しています。中でも、当社の基幹ビルである飯野ビルは、新耐震設計 を行い、同部分の不燃化を図りました。 法(1981年)以前の建物ですが、「耐震改修促進法」の施行(1995年)を契 機に耐震診断を実施し、特に耐震補強等を施す必要が無いことを確認しています。 ●主要な耐震規制の変遷 年 1924年 1950年 1971年 1981年 1995年 法規等 市街地建築物法改正 建築基準法制定 建築基準法施行令改正 建築基準法施行令改正 耐震改修促進法 内 容 契 機 耐震規定設置 旧耐震設計法 せん断補強筋規定 新耐震設計法 耐震診断 関東大震災 福井地震 十勝沖地震等 宮城県沖地震 阪神・淡路大震災 1階エレベータホールの 施行計画(図) ■今後の取り組み 当社取り組みに、丸の内消防署 から感謝状を頂いています。 今後も継続的に防火・防災活動 に取り組んで参ります。 40 安全・環境報告書2004 経 済 性 安 全 ・ 環 境 性 社 会 性 廃棄物対策 ■第12回 BELCA賞(ロングライフ部門)受賞 (社)建築・設備維持保全推進協会(略称BELCA)より、当社所有の飯野ビルが第12回BELCA賞ロングライフ部門に選考され、2003年5月15日に 表彰されました。わが国のストック建物の健全化に中心的な役割を果たしている同協会は、毎年10件前後の建築物を対象に表彰を行っています。ロン グライフ部門は、竣工20年以上を経過し維持管理が良好で世の範となる建物に対して贈られるものです。 建物のロングライフ化には、建設廃棄物の発生を抑制するなど環境面での効果もあり、良質な建築ストック 賞碑 (飯野ビル正面入口脇掲示) の形成に向けての活動は社会的に意義が大きいと考えています。 選考委員会副委員長 三井所 清典 教授(芝浦工業大学建築学科)講評(抜粋引用) 「飯野ビル」は竣工以来、日比谷公園の緑に連なる白い颯爽とした姿が印象的で、イイノホールは多くの人に知られている。また地下の充実した 商店街、地下鉄との直結などが利用しやすいビルとして多くの人に親しまれてきた。バランスの良い耐震壁の堅牢な構造は、今日も十分な耐震性を 有している。外壁の清掃や時代の要請に応じた設備機器の更新は計画的に実施され、エネルギーの削減にも効果をあげている。ビル所有者、管理 者、施工者が定期的に会合し、「ゆとりをもったビル」、「荘重なモダン」といった当初の設計思想をよく維持している。 かつて、時代の先端を担った多くの建物が、「非効率」の理由によって建て替えを余儀なくされ、消えて行く中にあって、半世紀近い年月を得て なお、その存在価値を確かなものにしつづけている意義は大きい。このビルを誇り、愛しみつづけ、今日に至らしめたビル所有者と管理者の姿勢と 努力が第一に賞賛されなければならない。 設計・施工会社より 株式会社 竹中工務店 東京本店 FM部 神奈川 一郎 様 ビル管理会社より 飯野ビルは、外航海運を営む飯野海運 (株) が1960年欧米に負けない近代 当社は建築技術と、船でつちかった技術・ 技術の粋を結集して建設した複合ビルであり、弊社はその設計施工を担当しま 経験をビル管理に生かし、早い時期から計 した。同ビルは、竣工直後第3回建築業協会賞(BCS賞)を受賞し、築42年を 画営繕による予防保全と省エネ活動に取り 経て今般BELCA賞を受賞しました。建設時の理念を踏襲した哲学とも言える維 組んできました。これらに加え、時勢に合 持保全に対する基本姿勢で設計思想を守り、竣工当時の形状・美しさを保ち続 わせたグレードアップの提案、顧客へのサ ける一方、社会環境の変化・技術の革新進歩に常に対応し、オフィスビル・ホ ービス向上等も含め、真摯な取り組みがロ ールとしての装備を建築設備両面にわたって維持改良し続け、今なお「優雅に ングライフビルの評価につながったもの して壮重」な外観を維持しながら内部機能を最新装備に整えて入居者の満足を充足し、常に高 と自負致しております。 い入居率を達成していることが高く評価されたものです。 今後とも賞の名に 安全面では「大海を航海する」海運業でつちかった予防保全の考えに立脚し、オフィス・ホール・ 恥じぬよう、一層の 店舗・駐車場という、利用時間帯・利用形態の異なる要素全てに万全を期しており、また環境面でも 改善に努めて参ります。 P.43 PCBやアスベスト の適切な処置、 省エネルギーに配慮した氷蓄熱システムの導入等の配慮 がなされています。 維持保全に当っては、飯野海運(株)、イイノ・ビルテック(株)、 (株)竹中工務店の三者で定 イイノ・ビルテック株式会社 期的に「技術検討委員会」を開催し、三位一体となった取り組みを計画的・積極的に行っている。弊 取締役社長 砂田 豊人 社は今後もこの体制に沿い、健全なビルの維持に貢献していく所存です。 ■発泡スチロール・缶の減容処理 ■廃蛍光灯のリサイクル ■PCBの回収・適正管理 飯野ビル地下のゴミ集積場には、廃棄物処理業 所有・管理ビルで使用した廃蛍光灯は、 ビル内のPCB 使用の蛍光灯安定器の回収 者(株)那須商会と共同で廃棄物の容積を減少させ 水銀の飛散による環境汚染を防止するため、 は全て終了しており、回収した蛍光灯安定器は る中間処理装置を設置し、リサイクルの容易化・ (財)東京都環境整備公団を通じて、割ら その後変圧器更新で回収したPCB使用のコン 効率的な運搬ができるようにしています。 ずに回収・リサイクルしています。 デンサーとともにPCB廃棄物として廃棄物処 理法等の法令に基づいて適正な管理・保管を行っ ています。 発泡スチロール熔解装置 缶減容装置 41 安全・環境報告書2004 SAFETY & ENVIRONMENTAL 不動産業の安全・環境性 不動産業の安全・環境への取り組み その他の安全に対する取り組み ■(株) イイノ・スープ&カフェ ∼食を通じた安全∼ 不動産関連事業の(株)イイノ・スープ&カフェでは、健康や安全に配慮した商品を提供しています。 ●飯野ビル本店 倉田店長 ●日本橋高島屋店 佐藤店長 ●ファンケルキッチン 徳田店長 肉や魚は厳しい基準をクリアーしたものだ ワタリガニのビスクほか5種類のスープをお 滝が見える店内はマイナスイオンがあふれて けを購入しています。野菜は季節にあった新 持ち帰り用冷凍パックで販売しています。スー います。ファンケルは青汁と発芽米をセールス 鮮な低農薬野菜を使っています。場所がらか プデリの冷製スープは添加物を一切使用してお ポイントにしていますので、当店のメニューも らお客さまの9割は近辺にお勤めの方ですの りませんので、安心して召し上がって頂けます。 それに沿った工夫をこらしています。売れ筋は で同じ素材でも風味に変化を加えたメニュー 発芽米を使ったおにぎりやピラフです。2階の になるよう工夫 ファンケルカフェ を し て い ま す。 (田口店長)では、 発芽米を生地に したタルトなど が人気です。 ●運営店舗一覧 店舗名 SOUP DELI(飯野ビル本店) SOUP DELI(日本橋高島屋店) ´ FANCL CAFE(ファンケルカフェ) FANCL KITCHEN(ファンケルキッチン) 運営形態 業 態 直営店 直営店 運営受託 運営受託 スープ飲食店(65席) 物販及びテイクアウト カフェ(44席) カフェテリア(44席) ■飯野ビル協力業者会安全衛生協議会 所在地 千代田区内幸町2-1-1 飯野ビルB1F(霞ヶ関・虎ノ門) 中央区日本橋2-4-1日本橋高島屋B1F(日本橋) 中央区銀座5-8-19 ファンケルスクエア2F (銀座) 中央区銀座5-8-19 ファンケルスクエアB1F(銀座) 全社的な取り組み 飯野ビルでは、協力業者会で安全衛生協議会を組織し、毎月目標を定めて事故防止・ ■危機管理マニュアル 労働災害防止に努めています。 災害対策として社員に「危機管理計画書」(自宅 ●飯野ビル協力業者会 ・葵設備工事(株) ・寺田工業(株) ・東京防災設備(株) ・ (株)アンドウ ・ (株)東京三木塗装店 ・ (株)イトウ産業 ・ (有)ナイス・インテ ・ (株)奥島産業 リア・サービス ・ (株)兼藤 ・ (株)那須商会 ・ (有)亀井工業所 ・ (株)廣橋電気 ・三和装工(株) (株)松下産業 ・渋谷電設工業(株) ・ ●月間安全標語(2003年度) 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 朝の準備と帰りの点検 指差呼称で安全確認 安全は守る気持ちと続ける努力 ゼロ災目指して ゆとり作業 目配り 気配り 危険予知 基本に戻って事故防止 作業の前に「点検」「確認」「危険予知」習慣つけて 無災害 気のゆるみ 慣れと過信は事故のもと わずかな不安も 再確認 つぶそう災害 危険な芽 その目 その指 その口で 安全確認 指差呼称 慣れた作業も 危険予知 災害ゼロの明るい職場 怠るな 小さな確認 大きなゆとり 自信過剰と心の油断 慣れた作業も再確認 いつもの職場にいつもの作業 慣れた仕事が事故のもと 初心忘れず安全作業 毎日変わる危険箇所 点検・見守りもう一度 42 安全・環境報告書2004 用/職場用)、「災害発生時のネットワーク」(ポ ケット携帯用)を配付し、緊急時に備えています。 また社員は、自衛消防隊として編成されており、 災害等発生時には各班に分かれて任務に当たります。 自宅用(右・赤) 職場用(中・青) 携帯用(左下) ■金刀比羅宮 こんぴらさんと呼ばれ、海運の神様としても全国的 に有名な讃岐の金刀比羅宮の分宮が飯野ビルの屋上に 祭られ、毎月の月初めの大安の日に海運、不動産の安 全を祈願してお参りを しています。 安全祈願風景 ∼後方には社員が列をつくって お参りしています。 経 済 性 安 全 ・ 環 境 性 社 会 性 その他の環境に対する取り組み ■周辺環境との調和 ■電波障害対策 当社の所有ビルは、近隣に緑地・公園等がある良好な環境に立地して テレビ電波の伝搬路に高層建築物を建設した場合、受信電波に遮へ います。周辺環境と調和するよう、ビルの美観の維持や植栽の手入れに い障害及び反射障害が発生します。飯野海運グループでは建築前の 十分な配慮をしています。 近隣電波受信状況を調査、障害発生範囲を把握し、地域ケーブルテレビ への接続や、共同受信施設の設置により受信障害の解消を円滑に行っ ●所有ビルと近隣の緑地・公園 所有ビル 飯野ビル・東京桜田ビル 東京富士見ビル 飯野竹早ビル 汐留ビル(建設中) ています。 周辺緑地・公園 日比谷公園 靖国神社 小石川植物園 旧芝離宮恩賜庭園 《共同受信施設の設置(笹塚センタービル)》 送信アンテナ 共同受信アンテナ 増幅器 分配器 反射障害範囲 飯野ビル 東京富士見ビル 飯野竹早ビル 遮へい障害範囲 ■アスベストの撤去 ■紙の分別収集 オフィスでは、両面コピーの励行(紙使用量 アスベスト(石綿)は、吸音性、耐火性、絶縁性、耐磨耗性等に優れ、かつ安価のた め長年建材として用いられてきました。しかし、繊維が空気中に飛散し、人が吸入する 削減)、裏紙使用(再利用)、新聞・雑誌・使用 と肺がんや石綿肺などの健康障害を引き起こします。飯野ビルでも竣工当時にはアスベ 済みコピー用紙の回収(再生利用)に取り組ん ストが断熱・吸音材として各機械室の天井をはじめ各所で使用されていましたが、計画 でいます。 的に撤去を行い、現在では全ての撤去が終了しています。 ■ビル清掃会社の環境対策 株式会社シービーエス代表取締役 西村 日出穂 様 紙分別ボックス 弊社はISO14001の認証取得企業として責任を持って環境負荷を低減 する清掃作業に取り組んでいます。具体的には適切な作業技法による洗剤 ■ノーネクタイ運動 使用量の削減、環境に優しい洗剤の使用を実施しています。使用する洗 省エネルギー対策として、6∼9月の間来客 剤は事前に製品安全データシートを取り寄せ、含有されている化学物質 応対時等を除き、ネクタイ着用を義務付けない を確認し、法律の規制を受ける有害化学物質を含まない洗剤や自然界で ノーネクタイ運動を実施しています。 分解されやすい洗剤を使用するなどの配慮をしています。 またこれらの活動を確実に実施するため定期的な教育・訓練を実施しています。清掃作業 に携わる企業として、自らの作業が環境に与えている影響を常に意識し活動する。そして、 この活動を継続していくことがさらに環境を改善していく大きな力になると考えています。 今後も研究を重ね、環境に優しいビルメンテナンス業者として、ビルを取り巻く環境問題の 執務風景 解決に寄与したいと考えています。 43 安全・環境報告書2004 SAFETY & ENVIRONMENTAL 安全・環境性報告 ステークホルダーの声 ■出光タンカー(株)常務取締役 川田 廣太郎 様 ■株式会社 ディー・エヌ・エー 代表取締役 南場 智子 様 弊社では用船を対象として年二回の安全巡視を実施し ています。飯野海運の船の印象は、規律正しい乗組員と 5Sが徹底していることです。技術革新の進んだ今日に 於いても、大自然を舞台とする海運業は常に大事故発生 のリスクと隣り合わせです。とりわけ危険物を輸送する 石油タンカーの運航は相当に神経をすり減らすものであ り、ひとたび事故が発生すれば大きな環境破壊を伴います。このタンカー 事故防止のためには、常に経営者から現場の乗組員まで社員全員の安全意 識を高めておくことが必要です。飯野海運では業界に先駆けて高度な海技 力に裏打ちされたイイノマリンサービス (株)を立ち上げたことからも経営 層の安全・環境問題に対する強い意識が窺え、その地道な取組み姿勢が会 社の体質として連綿と息づいていると感じます。 飯野海運との取引は、弊社設立以来40年以上に及び、今日迄、延べ十 数隻のタンカーを長期用船していますが、一度も事故らしい事故がありま せん。これほどの長期間無事故であるところに、「H・S・E基本方針」を 策定し不断の努力を積重ねている会社全体の意識の高さが推察されます。 激しい国際競争下にある海運業にあって、安全とコストを見事に両立させ ていることは驚嘆すべきことでもあります。 弊社は事業ビジョンの大きな柱として、 「循環型社会への貢献」を掲げています。 現在の主サービスであるオークション & ショッピングサイトの 「 ビッダーズ」 (http://www.bidders.co.jp/)、リサイ クル総合情報サービス[おいくら] (http://www.oikura.co.jp/)では、モノのリサイクル、リユー スのためのインフラを提供しています。もちろんそうしたサー ビスの提供者である弊社社員には、最も身近な循環型社会への 貢献の第一歩であるオフィスでのゴミの不用意な処理は許され ません。現在お世話になっている笹塚センタービルでは、ゴミ の分別について細かな指示を受けました。初めは戸惑いました が、環境への身近な取り組みを考える貴重な機会を頂戴したと 思っています。提供するサービスと同じ視点でまずは自分の出 すゴミを分別することから循環型社会に貢献するという姿勢。 まだまだ徹底しきれていませんが、会社として、個人としてそ の責務を果たしていきたいと思います。 ■三井物産株式会社 有機化学品本部 メタノール・アンモニア部 メタノール事業室長 本庄 一成 様 当社の化学品部門は以前より飯野海運には種々の化学品輸送に関してお世話になってまいりました。1999年より中東・カタ ールでメタノール生産が開始され、当社は現在その70%の輸出数量についてマーケティングを請負っており飯野海運とは年間 20万トンのアジア向け数量契約を締結しています。この商売発展の一つの重要な鍵として、運賃競争力は当然のこととして、 飯野海運のこれまでの化学品運送のプロとしての厳格な品質管理・安全管理・運航管理が期待通りのものであったこと、また更 に今後に関しても十分に期待されることが挙げられることは想像に難くありません。 また、当社がメタノール事業の将来を託すサウジアラビアでのメタノール事業投資に於いて、2002年には飯野海運をパー トナーとして迎え入れることとなりました。これは化学品タンカー業界では初めての試みであり、当社が飯野海運のメタノール輸送に関して全幅の 信頼を置いていることがお分かり頂けると思います。このサウジアラビアに於けるメタノール生産(年産100万トン)は本年末の稼働を予定しており、 飯野海運に依頼するメタノール運送数量は飛躍的に増大します。 メタノールは引火性が高く、衝突や座礁が発生すれば爆発する危険性があり、一度事故が起きれば環境への影響は甚大です。無事故は船社として 当然のことではありますが、それを実際に長期間続けるには厳格な運航管理・安全管理が求められます。また船舶に関する事故とは別に、運送する メタノールの品質管理も非常に重要です。メタノールは不純物の混入が起こりやすく、基準以上の不純物が混入した場合には精製し直すか、最悪は 廃棄処分を余儀なくされます。このトラブルは業界ではかなりの頻度で発生していますが、飯野海運の場合は今迄一度もなく、これは厳格な品質管 理を行なっている証明と言えるでしょう。 今回の「安全と環境」というテーマを別の視点で見れば、メタノールは天然ガスを主原料としており、これを燃料として使えば地球環境にやさしい クリーン・エネルギーとなります。一部で使用されているメタノール自動車はこうした考え方から生まれたものと言えます。更に現在ではクリーン な動力源として開発が進められている燃料電池の水素発生源としてもメタノールは有望視されています。クリーン・エネルギーであるメタノールを 生産地から消費地に輸送すること自体が地球環境保全上の大きな役割であるとも言えるのではないでしょうか。 ■中越パルプ工業株式会社 原材料担当部長 村島 和夫 様 「安全」と「環境への配慮」、 これは現代の企業活動において最優先されるべきものであり、企業存続を左右する要因と言っても過言 ではありません。 「安全」は職場の安全はもとより、地域社会、消費者の安全を守るために必要不可欠なもの、 また「環境」問題では海洋 汚染、大気汚染、地球温暖化などへの対応が急務となっており社会の大きな関心事です。とりわけ地球温暖化問題は人類存亡の問題で あり京都議定書の発効を前に日本国としての対策が急がれています。我々紙パルプ業界も古紙等資源の再利用はもとより、CO2吸収源 としての社有林の持続可能な経営、更には早生樹種の海外植林を営々と進めています。 飯野海運には輸入ウッドチップ輸送の役割を担って頂いていますが、安全運航は勿論海洋汚染防止、大気汚染防止の諸対策、 危機管理体制の確立等、多方面に十二分な留意を頂いています。更には社会的存在としての企業責任、我々人類も地球上生物 の一員であるとの立場からCO2対策となるこの海外植林にも前向きな協力検討を頂いているところです。人類あるいは産業界 共通の問題解決には異業種分野とも積極的に係わり連携する、かような精神を持つことこそ社業の基盤充実を確たるものにし、更なる発展のために 必要かと思います。 今回「安全・環境報告書」の発行を機に社内外に対し、「安全・環境」の更なる啓蒙を図ってもらえればと期待しております。 44 安全・環境報告書2004 SOCIAL 社会性報告 経 済 性 安 全 ・ 環 境 性 社 会 性 46∼47 46 46 47 47 社会性トピックス ・文化活動支援 ・社会的活動 ・労働安全衛生 ・多様性への配慮 48∼49 48 49 人事制度・教育研修 ・人事・教育研修制度(陸員) ・船員の教育研修・健康管理 社会性報告のポイント 1960年 飯野ビル建設時に を 併 設、 文化・社会貢献は当社の精神として根付いています。 2003年度には 新人事制度を導入 、人材育成と社員の意欲 向上を重視しています。 陸 上 ・ 海 上 と も 教 育 研 修 制 度 を 充 実 し て お り 、従 業 員 の 能力開発・エンプロイアビリティの向上に努めています。 雇用者の責務として 従業員の安全と健康 の維持に取り組み、 また従業員や来館者の多様性に配慮 しています。 イイノホール 45 安全・環境報告書2004 SOCIAL 社会性報告 社会性トピックス 文化活動支援 ■ イイノホール ■ NHK交響楽団支援 ■ スポーツ支援 当社は飯野ビ 日本を代表する サッカーJリーグ1部(J1) ル建設当初より、 オーケストラである 所属のFC東京を運営する東 ホール運営によ (財)NHK交響楽 京フットボールクラブ(株) る社会・文化貢 団を賛助会員とし に出資し、活動を支援して て支援しております。 おります。 献を目指してき F.C.TOKYO ました。 四季の彩りの美しい日比谷公園に隣接し、交 ■ 愛知万博 東京事務所 様 通のアクセスの良い霞ヶ関に1960年開館。 2005年愛知万博「 」東京事務所様には、飯野ビルにご入居頂く一方、当社 以来、芸術、文化的催し物を中心にホール業界 も寄付を行っています。 のパイオニアとして活動して参りました。 そのなかでも演奏会、音楽コンクールの公演 は数限りなく、当ホールの舞台を経験された演 奏家も大勢いらっしゃいます。 2000年に開館40周年を迎えたのを機に、 ホール全体のリフレッシュ工事に着手しま したが、今後とも一層の質の向上を目指し 続けて参ります。 一方ソフトの面では開館以来の歴史に裏打ち された舞台技術を有し、当ホールの施設と舞台 技術のコラボレーションにより、お客様に最高 の催し物を提供致します。 ●(財)2005年日本国際博覧会協会 東京事務所 横澤 力 様 今世紀最初の国際博覧会である2005年日本国際博覧会は、21 世紀の人類が直面する気候変動、環境汚染、食糧問題等の地球的課 題に対する解決の方向性と人類の生き方を、自然が有している素晴 らしい仕組みである「自然の叡智:Nature's Wisdom」に学び、発信 することをテーマとして、2005年3月25日から185日間、愛知県 の長久手町・豊田市・瀬戸市にまたがる「長久手会場」と「瀬戸会場」 で開催されます。 自然と人類の共生に関する様々な知恵や文化を持ち寄り、国境や組織を超えて、共通の 体験をして、人類の新しい生き方を発信しようと考えており、また、楽しさと夢も共有で きる国際博覧会を目指しています。 社会的活動 ■ 地域安全運動への参加 ここ数年の急激な治安の悪化が懸念される中、 ■ 切手・プリペイドカードの回収ボランティア 使用済み切手やプリペイドカードの回収BOXを設置してかれこれ6年 本社所在地を管轄する丸の内警察署が街頭犯罪 経ちました。サンケイリビング新聞社「シティリビング」のボテンティア 抑止対策の一環として行っている「JR東京駅 募集の記事を見て始めたのがきっかけで、 (財)ジョイセフ(家族計画国際 構内合同パトロール」に参加、また子供達に励 協力財団)を通じて発展途上国の援助に役立てられています。 ましや注意のひと声をかけ少年の健全育成を図 ゴミの分別と同じような感覚で使用済みの切手やカードをBOXに入れ る少年警察ボランティア(ひと声運動推進員) て頂いているようで、年に2・3回小さなダンボール箱に入れて送る程の量が回収できます。 として活動するなど、地域の安全活動に積極的 「どうせ捨ててしまうものだからBOXに入れよう」という気持ちからでしょうか、募金より に参加しています。 持続力のある活動となっていると思います。 イイノ・ビルテック(株) 総務・業務部 岡田 佳世子 ■ 近隣ビル懇話会 ■ 内幸町町会活動 内幸町・西新橋地区に所在するビルの運営・ 内幸町で土地とビルを所有している法人 管理者と地域の西新橋1丁目町会役員が情報の がメンバーで、防犯・防火情報の共有、講習 交換を主とした懇話会を隔月で開催しています。 の実施や、地域内の治安問題(放置自転車・ パトロール風景 イイノ・ビルテック(株)保安部 社員への感謝状 46 安全・環境報告書2004 年末・年始にはビジネス街としてはユニークな 浮浪者対策)の警察への対策要望提出を行っ 「火の用心」夜回りを実施しています。 ています。 経 済 性 安 全 ・ 環 境 性 社 会 性 労働安全衛生 ■ 会社としての労働安全衛生への取り組み 飯野海運(株)では、陸上従業員について人事グループが中心となり、従業員の健康・安全の維持・向上に努めています。従業員の健康管理 や疾病発見のため、毎年5月と10月の2回、定期健康診断を行っています(法定では年1回)。また、毎月1回労使懇談会・安全衛生委員会 を開き、従業員とのコミュニケーション及び安全・衛生問題への共同での取り組みを実施しています。 ● 労働災害発生状況 飯野海運(株)単体 イイノマリンサービス (株)* イイノ・ビルテック (株) 年度 '99 '00 '01 '02 '03 年度 '99 '00 '01 '02 '03 年度 '99 '00 '01 '02 '03 総件数 0件 2件 4件 3件 0件 総件数 0件 0件 0件 0件 0件 総件数 1件 1件 0件 0件 2件 負 傷 0件 0件 1件 2件 0件 負 傷 0件 0件 0件 0件 0件 負 傷 1件 1件 0件 0件 2件 疾 病 0件 2件 3件 1件 0件 疾 病 0件 0件 0件 0件 0件 疾 病 0件 0件 0件 0件 0件 死 亡 0件 0件 0件 0件 0件 死 亡 0件 0件 0件 0件 0件 死 亡 0件 0件 0件 0件 0件 *陸上従業員のみ ■ 産業医の積極的な活用 ■ イイノ・ビルテック (株) の労働安全衛生への取り組み 毎月一度(財)日産厚生会診療所から産業医の先生に来て頂き社内の イイノ・ビルテック(株)は従業員数が50人未満のため、安全衛生委 応接室で社員の健康相談を実施しています。当社では、産業医を形式的 員会等の設置は義務付けられていませんが、自主的に安全衛生委員会 に選任するだけでなく、実質的に機能するよう配慮と工夫を行って活用 を設置し、毎月定例会を開催し、労働災害防止に努めています。 しています。 また、法定の定期健康診断は年1回ですが、 病院の診療室で白衣の先生に向かうのとは違って、応接室でブレザー 深夜勤務従事者は年2回受診、その他の従業 姿の先生が相手であると本人のことのみならず家族のことなども気軽に 員は法定外の検査項目を選択し受診するこ 相談できる雰囲気があり、幅広い内容について助言を頂けています。 ととし、健康管理に努めています。 多様性への配慮 ■ 国籍別人員数と割合 ■ 身体障害者対応改修工事 飯野海運グループ全体では、外国人船員を中心に多くの外国人が業務 飯野ビルでは、時代の要請に応じ常に新たな機能の付加を心掛け に従事しています。陸上従業員を含めた総人員数約1,500人のうち、 ており、2003年には車利用の身体障害者が安全に入退館できるよ 1/3が日本人で2/3が外国人となっています。 うに専用駐車スペースの確保、エレベータホールへの出入口のオー 外国人の内訳はフィリピン人が最も多く、次いで韓国人、その他の トドア化、スロープの整備等を実施しました。 順となっており、多様性に配慮し、人権等に十分留意した運営を行っ 今後も他の所有・管理ビルを含め、計画的に改善・改修を進めて ています。 参ります。 国籍別人員数(グループ全体) その他のアジア人 49人 (3%) フィリピン人 778人 (50%) ● 最近の改修工事 1996年 1997年 2003年 合計 1,556人 (100%) 日本人 531人 (34%) 身障者対応エレベータへの更新工事 アプローチにスロープ設置(2ヶ所) 身障者用トイレの設置(7階) エントランスドア自動扉化 身障者用トイレの増設(2階) 地下駐車場に身障者専用スペース設置 地下1階 エレベータホール出入口自動扉化 同 エレベータホール前スロープ設置 韓国人 198人 (13%) 身体障害者対応トイレ スロープ 47 安全・環境報告書2004 SOCIAL 社会性報告 人事制度・教育研修 人事・教育研修制度(陸員) ■ 人事制度の見直し 人事基本方針 当社では、2002年度下期に、陸員(陸上勤務を前提に採用 1)少数精鋭による運営を目指す。 ・一人ひとりが持てる力を最大限発揮する。 し入社した社員)の人事制度を見直し、2003年度より新人事 制度を実施しました。見直しの主たる狙いは、以下の2点です。 ①人材育成の促進 2)人材育成を重視する。 ・部下や後輩の育成は、管理職および先輩の大切な任務である。 3)モチベーションの向上、活性化を推進する。 ②評価・処遇の納得性向上によるモチベーションの引き上げ 加えて、右に示す6点を当社の人事基本方針と定め、社員 ・会社に貢献した人を高く処遇する。 4)人事制度の仕組みを公開する。 ・各種基準(評価基準・昇格基準)や運用ルールをオープンにする。 一人ひとりが適切に評価・処遇され、高い意欲を持って仕事に 5)納得性の高い評価を行う。 取組むことを通じて、顧客や社会に貢献することを目指して ・基準の公開に加え評価者全員による確認、評価結果と理由のフィードバック により、社員に分かりやすく公平性を高める運用を心がける。 います。 6)一人ひとりをきめ細かくみる。 ・顔と名前が一致する人員規模を生かす。 ■ 教育研修体系 人材育成を促進するための教育研修 教育研修体系図 対象者 役割等級 年次 体系の充実を進めており、体系図を右 M-3 に示しました。 M-2 off-JT(階層別/全階層対象) 社内集合研修 社外研修 自己啓発支援 GL研修 M-1 管理職研修 S-3 中堅社員研修 S-2 4年目 I S O 研 修 英 語 研 修 簿 記 研 修 海外 短期研修 国内 短期研修 実務研修 3年目 S-1 2年目 1年後研修 乗船実習 半年後 フォローアップ研修 代理店研修 新入社員 新入社員研修 入社前 入社前研修 各 部 門 か ら の 社 外 研 修 参 加 各部門の 人材育成計画 に基づく OJTの推進 公 的 資 格 取 得 奨 励 金 制 度 推 薦 図 書 登 録 制 度 パソコン研修(MOUS資格) ■ 船舶における安全・環境について フィリピン船員配乗会社より 船長 細井 政助 飯野グループ乗組員の使命は、国籍を問わず船舶の運航に関して荷 物を安全・迅速に目的地に運ぶこと、そして質の高いサービスを提供 することです。そのためには安全及び環境に対する意識を各人が自覚 して日々の職務、生活に活かしていくことが重要です。 船長とシニア・オフィサーは、会社の方針に従いジュニア・オフィサー及び 乗組員を船内で教育します。船内での教育、訓練を通じて、個々の事故例に学びヒューマンエラ ーを限りなくゼロに近づけるべく努力しています。乗組員が船舶の安全・環境に対する意識を持つ よう次の4点を実施しています。 ① 船内安全衛生環境委員会の開催(原則乗組員全員参加) ② 毎朝のミーテング、始業前のタッチアンドコール (当日の重要事項の確認とゼロ災害スローガンの唱和) ③ 荷役ミーテング、危険予知トレーニング等 ④ OJT(安全管理マニュアルにより実施し記録する) これらは、マニュアルに従い実施し記録しますが、日常業務を正しく行えばそのまま安全、 環境に配慮した運航になっていることが大切です。 48 安全・環境報告書2004 OJT POBAR Marine Services, INC. 会長 渡辺 信義 氏 ポバール マリンサービスでは、現在約600 名の船員を38隻の船舶に配乗し、予備員を 合計すると約1,000名の船員を抱えています。 ポバールでは、フィリピン人船員に世界一 流の安全・環境意識を習得してもらうこと を目指して、予備船員を対象に、インハウス・ トレーニング及びシミ ュレーター・トレーニ ングを反復して実施し ています。 経 済 性 安 全 ・ 環 境 性 社 会 性 船員の教育研修・健康管理 ■ 安全・環境を中心とした船員教育の推進 安全運航と環境保全を達成し、海運事業者としての社会的使命を果たすために、船上での現場実務を推進する船員の担う役割は極めて大き いと言えます。また一般に、海運事故の発生原因の80%はヒューマンエラーと言われており、当社においても人を主因とする事故比率が高い ことからも 、事故防止のための船員の役割は大きいことが分かります。 P.32 当社では、事故防止と安全運航、環境保全に向けて、次のような船員の教育研修を実施しています。 ●乗船前研修 上級者に対しては海外の船員配乗会社での研修に加えて、乗船前にイイノマリンサービス本社(東京)で研修を実施しており、会社の現 状、最近の事故、公文書の内容、乗船する船舶の状況に加え、特に注意するべき事項を教育しています。 ●短期安全研修 当社では船員配乗会社による教育研修に加えて、韓国、フィリピンで年2回、3日間の安 全研修を実施しています。カリキュラムの内容は、1日目は安全マネジメントシステムを中 心とした教育、2日目は事故を教訓とした技術的教育、3日目はKYT (危険予知訓練)研 修となっています。 短期安全研修(左:韓国、右:フィリピン) ●大学との連携 兵庫県芦屋市にある海技大学校(国立の船員教育機関)に、当社の船員を毎年10∼15名程度派遣して教育を受けています。 また、韓国の木浦海洋大学(Mokpo National Marine University)の学生を、イイノマリンサービスで毎年6名実習生として受け入れ、 韓国の船員教育に協力しています。韓国船員の短期安全研修において、同大学の教授に特別講義をして頂きました。 ●フィリピンに研修用シミュレーター施設設置 フィリピンの船員配乗会社であるPOBAR Marine Serviceに2003年にコンピューター・シミュレーション訓 練設備を導入しました。オイル・ケミカル・LPGタンカーの荷役シミュレーション、機関部のシミュレーション による船員の技術の向上を図っています。また船舶料理士の講習施設も設置しました。 シミュレータ−研修 ●KYT ビデオ英語版の製作 当社ではヒューマンエラー防止の一環としてKYT(危険予知訓練)運動の推進を行い、朝 の作業前ミーティングを実施し、事故、傷病の防止を図っています。船員の多くが外国人 であることを考慮し、2003年に英語版のKYT教育ビデオを独自に製作し、全船と海外の 船員配乗会社に配布しました。 KYT教育ビデオより ■ 健康管理 乗組員の健康管理は安全運航にとって重要です。乗船中の病気・怪我を防ぐ為に、乗船前の健康診断及び「KYT(危険予知訓練)」講習を 実施しています。また、船内では「船内安全衛生委員会」を設置し船内作業の安全対策及び衛生管理を実施しています。加えて船内融和維持 を目的とした「船内苦情処理制度」を導入し、人的トラブルの防止及びストレスの解消に努めています。 しかしながら、救急の事態は常に発生する可能性があります。現在は船医は乗船していませんので、傷病者の発生に際しては船舶管理会社 に連絡すると同時に、その状況に応じて無線医療センター(船員保険病院)の医療助言を受け、緊急を要する場合は最寄の港に入港、あるいは ヘリコプターの手配を要請しています。 ■ 韓国・フィリピンでのクリスマスパーティー 当社では外国人乗組員及びその家族の皆様をお招きしてクリスマスパーティーを開催して います。 2003年12月には、韓国のプサンとフィリピンのマニラで開催し、それぞれ約240名、 1,000名もの方にご参加頂きました。会場では普段直接お会いすることがない家族の方と直 接話ができるため、相互理解・相互信頼に役立っています。また、その様子をビデオに撮り 各船に配付し乗組員から好評を得ています。 クリスマスパーティー(左:プサン、右:マニラ) 49 安全・環境報告書2004 CSR COMMENTARY CSR先進企業からのメッセージ CSRへの取組みの重要性 CSRを基盤に企業価値を向上 株式会社 みずほコーポレート銀行 株式会社 損害保険ジャパン 産業調査部(海運担当) 調査役 岩野 秀一 様 CSR・環境推進室長 関 正雄 様 今日、CSR(企業の社会的責任)への取組みは、 「企業としての社会的責任(Corporate 企業の存立基盤を強固にするうえで重要な位置付 Social Responsibility:CSR)」に対する世 けとなっている。 の中の関心が高まる中、「安全対策」に、「経 特に、海運業は環境面や安全面との関係を抜き 済」「環境」「社会」を加えた4要素を自社の社 にしては語れないことから、CSRへの取り組み 会的責任であると定義し、この4つの分野におい が重要になってきている。 てどのような取り組みを行っているかを、いち 環境面では、海上輸送による二酸化炭素排出量は、トラック輸送 早くCSRレポートとして開示された貴社の情報開示姿勢に改めて の25%程度と言われており、地球温暖化対策として極めて効果的 敬意を表したいと思います。貴社では昨年度、ステークホルダー であることから、多くの荷主はCSRと位置付けて環境負荷の少な リレーションズ マネジメント グループという部署を新たに設けら い海上輸送への転換(モーダルシフト)を進めようとしているが、 れていますが、このような点からも株主以外のあらゆるステイクホ 当社は海上輸送を担う企業として、2004年3月にISO14001の ルダーを大切にし、コミュニケーションをとろうとされている貴社 認証を受けるとともに、PDCAサイクルに基づく環境マネジメント の企業姿勢がよく理解できます。何よりも「安全対策がCSRの基 システムを導入するなど、 環境負荷低減への継続的な取り組みを行っ 盤である」という考え方が、海運と不動産を中心にビジネスを展開 ている。 されている貴社らしく、また、安全に関する情報開示が充実してい 安全面では、2002年11月にスペイン沖で発生したプレステー る点もリスクマネジメントを業とする損害保険会社の立場として好 ジ号の原油流出事故を契機として、海運業界では安全性の高いダブ 感を持ちました。さらに社会貢献活動として「イイノホール」のよ ルハル(二重船殻)への転換が世界的に求められているが、当社は うな芸術・文化発信の場の提供を、1960年代から継続的に実施さ 他社に先駆けてダブルハル化を進め、これを完了させている。 れていることにも感銘を受けました。 このように、当社は従来からCSRを重視し、業界内でも環境と安 今後とも、安全を基盤としたCSR活動全般に関して、経年的な 全の双方に積極的に取り組む企業と位置付けられている。 パフォーマンス情報を発信し、取り組みの継続的改善と企業価値の また、海運業と並ぶ事業の柱である不動産業でも、ヒートアイラ 向上を図ってください。また、社内の重要なステ−クホルダーであ ンド現象の主な原因である人工排熱量を減らすべく、所有オフィス る貴社の従業員の声に関しても、ぜひレポートを通じて積極的に社 ビルの夜間電力を利用した省エネルギー化を進めている。 外に発信していただきたいと思います。 さらに、当社の企業姿勢を示すものとしてイイノホールの存在も 見逃すことはできない。同ホールは多くの芸術・文化的催物に利用 されており、その社会貢献は業界関係者のみならず、広く一般市民 の知るところである。 当社は、既に新中期経営計画「IINO's Value Creation to 2007(略称IVC 07)」で、環境・安全対策等企業の社会的責任 の遂行を重要課題の一つと位置付けているが、今般、報告書という かたちで対外的に発表することになった。 これを機に当社がCSRへの取り組みをますます充実させることで、 社会的信用を一層高め、ひいては企業価値を向上させていくことが 期待される。 50 安全・環境報告書2004 INDEPENDENT REVIEW 第三者所感 第三者所感 今回、飯野海運(株)(以下、同社という)が初めての「安全・環境報告書」を公表するに当り、今後の内容充実に向けて、当協会が実施 しましたISO監査結果に基づき、所感を述べさせていただきます。 海上運送業における安全の大切さは改めて論じるまでもありませんが、海運業界では、タイタニック号の海難事故を契機として締結された SOLAS条約及びその改正を初めとする国際条約、船級規則等に安全確保及び環境保全のための取り決めが細かく規定されています。船舶及び 人命の安全の確保、環境保全及びこれらによる社会貢献が、まさに、企業存続の条件であるとも言えます。 その意味では、海運と不動産を業とする同社が、「安全・環境報告書」記載内容として、安全報告と環境報告に相当数のページ数を割いて おられることは、安全と環境を重視する同社の姿勢を表したものであると評価できるものです。 ISO登録に関しては、この報告書作成の中心部門である同社のステークホルダー リレーションズ マネジメント グループが主体となって、 田川執行役員グループリーダーのもと各システムを構築され、今年3月にISO9001・14001の認証を海上運送業の範囲で取得されました。 現在はその運用初年度ですが、構築されたマネジメントシステムが効果的に機能し、その具体的成果が、来年度の「安全・環境報告書」の中 に記載できますよう願っております。 さらにISOのマネジメントシステムでは、システムの「有効性の継続的改善」も重要な要素となっています。現状に満足せず、より高い段階 を目指すこと、すなわち高いレベルのマネジメントシステムを無理なく運用できる体制になることが、まさに企業としての実力を示すものだ と思われます。 また、不動産業は、まだ対象に入っていませんが、今後、同認証を取得される予定と伺っており、取得されますと同社の安全・環境面の改 善に大いに寄与されることと期待されます。 今回の報告書はマネジメントシステムにおける活動の結果を示すものです。企業において、より大切なことは、日々の活動の中身であり、 活動のプロセスです。同社及び関連会社の全役職員の方が、安全や環境などに対して、日々どのように意識し、どのように行動するかが、な によりも重要なことだと思います。 ISO9001・14001の認証取得と今回の「安全・環境報告書」の発行を契機に、同社の皆さんがこれまで以上に高い意識を持って、安全の 確保、環境負荷の低減、社会への貢献に向けて行動されることを願ってやみません。 それこそが、飯野海運(株)殿及びグループ各社殿の永続的な発展につながるものと確信しております。 財団法人 日本海事協会 常務理事 第三者所感への対応 この度、当社が安全・環境報告書を初めて発行するにあたり、財団法人 日本海事協会様から第三者所感を頂きました。 同協会様はISOの審査登録機関であり、また船舶の安全性(海運では堪航性 と言います)を検査する機関でもあり、当社が 目指す安全と環境問題等について適切な所感を頂ける協会であります。今回の第三者所感でISOのマネジメントシステム につき現状に満足せず、より高い段階を目指し、また日々の活動の中身を充実することが大切であると指摘されており、 これを真摯に受け止めて活動に反映して参りたいと考えています。 マネジメントシステムの運用を通じた活動については、当社はISOのシステムの適用範囲を今年度中に不動産業まで 広げることを目指しています。現在、本社の不動産部門のみならず関係会社のビル管理業でも同時に認証を受ける べく、システムの構築を進めています。不動産業・ビル管理業として具体的な品質・環境目標を掲げるとともに、本社 部門の環境目標を更に増強し、産業廃棄物削減等の目標の中身も充実したいと考えています。 情報開示とそれを通じた従業員の意識の向上については、今回の本報告書の適用範囲から外れている関係会社も将来この報告書の範囲に取入れる ことによって、グループ全体の従業員に対する一貫した安全・環境に関する教育システムをより充実すると共に、また各ステークホルダーに対する 個々人の意識を高めて参りたいと考えています。 執 行 役 員 ステークホルダー リレーションズ マネジメント グループリーダー 田 川 豊 51 安全・環境報告書2004 POSTSCRIPT 安全理念の実践に向けて 安全への全社的取り組みの経緯 当社が8年前、はじめて経営理念を策定するとき、「安全は社業の基盤」を冒頭においた。しかし誰もが当然のことと受け入れる理念は、い P.30 わゆる“おかざり”になりかねない。しかしこの理念はまもなくその存在感を示した。それは“関門・来島通峡自主規制” が海務サイ ドから提案されたときである。瀬戸内海から韓国に行くのに鹿児島を回っていては、コストは上がるし時間もかかり、お客さんを失いかねない。 営業サイドが消極的になるのは当然である。しかし「安全は社業の基盤」を理念としながら、利益を優先することはできない、ということで この提案は了承された。勿論この提案が承認されたこと自体、意義のあることである。しかしより大事なのは、 「安全は社業の基盤」という経営 理念が“おかざり”でないことを、これにより示せたことである。 とはいえ企業はあくまで利益をあげることを目的としている。安全や環境保護の費用がかかりすぎ、赤字になるのであれば、その事業はや めなければならない。 「安全や環境保護のために、一体どれぐらいのコストをかけているのか。」もし株主総会でこう問われたら「はっきり把握 しておりません」では、今後はすまされない。そういう考えから「安全会計のすすめ」という小論を、4年前日本船主協会の機関誌に寄稿した。 書いたからには早く実現したい。しかし他にやるべき課題も多く、先のばしせざるをえなかった。そうこうするうちに他社の環境報告書が次々 と出され、一方CSR(企業の社会的責任論)、SRI(社会的責任投資)といった動きも一段と活発になってきた。このままでは世の動き に遅れかねない、ということで昨年6月ステークホルダー リレーションズ マネジメント グループを設け、安全・環境会計を中心とした報告書 の作成を急いでもらうことにした。 今後の安全・環境報告書 同グループや関係者のご努力により、予定通りこの報告書が作成されることになり、ホッとしている。内容をみると、多くのステークホー ルダーに読んでいただくということや、最初の報告書ということもあり、テーマは大変多岐にわたっている。読んで勉強になることも多く、 関係者の労に大いに感謝したい。ただテーマの難易度、説明の丁寧さにかなり幅があり、またどこから読んでもよいように作られているこ ともあり、体系的に理解するには読む側にも努力が必要とされるように思う。そういう意味で一層利用しやすいものに改善していく余地は かなり残されている。特に会計部分を充実させていくことは欠かせないと思う。というのは、環境保護について特にいえることだが、世の 中にいろいろな考え方があるため、共通に受け入れられる客観的基準はまだ見当たらない。客観的基準を作るにはやはり数字的、統計的裏 付けがあることが前提になる。この点営利企業は、判断の基準を数字に置く組織であり、安全・環境会計の作成を通じ事故、環境破壊等に よる損失やその防止策、原状回復策を会計的に表現する技法を向上させていくことに適しているし、長けてもいる。勿論全てのアイテムを 金銭表示できるわけではなく、量的表示が妥当なものもあろう。数字化が難しいアイテムには格付に似た評価手法を導入することも考えら れる。そういった工夫を通じ、社会全体が受け入れられる客観的基準の作成に貢献することは決して不可能なことではないように思われる。 当社の安全・環境報告書も、そういった努力を重ねることにより、いつの日か社会に寄与してもらいたい、そういう期待をこめて会計部分 の一層の充実を望みたい。 最後に、寄稿して下さった社外の方々とこの報告書を手にとって読んで下さった方に、この場を借りて感謝申し上げます。 相談役(前社長) 太田 健夫 52 安全・環境報告書2004 用語集 A ~ Z 青字は海運業関連、茶字は不動産関連、黒字は共通の用語を示します。 ■ COLREG:Convention on the Internatinal Regulations for Preventing Collisions at Sea 国際海上衝突予防規則に関する条約。海上における衝突防止のための運航 ルール等を規定した条約。現在のものは、1972年にIMCO(現在のIMOの 前身)で採択され、1977年7月に発効した。 ■ Class ⇒船級 ■ CSR:Corporate Social Responsibility 企業の社会的責任 すべてのステークホルダーを視野に入れ、経済・環境・社会など幅広い分野 での社会ニーズの変化を捉え、それをいち早く「価値創造」や「市場創造」 の確立、陸上安全管理者の選定、安全運航マニュアルの作成、船舶およ び設備の維持・管理、緊急時の対応措置などを義務付けるもの。これを船 舶の旗国政府または認証機関が審査し、会社には適合証書(DOC: Document of Compliance)、船舶には安全管理証書(SMC:Safty Management Certificate)が発行される。2002年7月1日以降、国際 航海に従事する全ての船舶に適用された。わが国では、2000年6月から、 内航船舶についても任意でISMコードを認証取得できる制度が実施され ている。 ■ ISPSコード:International Ship and Port facility Security Code 国際船舶港湾保安規則 に結び付けることによって、企業の「競争力強化」や「持続的発展」ととも に、「経済の活性化」や「より良い社会づくり」をめざす取り組み。(経済 同友会 第15回企業白書「『市場の進化』と社会的責任経営」より) ■ DWT(D/W):Deadweight Tonnage 載貨重量トン数 満載喫水線の限度まで貨物を積載したときの全重量から船舶自体の重量を差 し引いたトン数。運航に必要な燃料・水・食料などの重量も含まれるが、積 める貨物量を示す目安となる。一般に用いられるトン(メトリック・トン= 1,000kg)の他にロングトン(約1,016kg)、ショートトン(約907kg) 2002年12月にIMOにより採択された、テロ対策強化を主眼に定められた国際 輸送に関わる船舶・港湾の保安管理規則。2004年7月1日に発効した。国際 輸送に従事する船舶は、セキュリティ管理体制を整えてISSC(International Ship Security Certificate)証書を取得すること、港湾も同様にセキュリティ 管理体制を整えて承認を得ることが義務付けられている。 ■ KYT:Kiken Yochi Training 危険予知トレーニング 職場における災害・事故を防止するためのトレーニングのこと。 ■ MARPOL:Internatinal Convention for the Prevention of がある。 Pollution from Ships 海洋汚染防止条約 ■ GRI:Grobal Reporting Initiative 全世界に適用可能な持続可能性報告のガイドラインの策定・普及を使命と Marine Pollution(海洋汚染)を略してMARPOL条約と称する。海洋汚染 して1997年に設立された国際組織。米国のNPOであるセリーズ(CERES: 防止を目的として、油の排出規制等のために船舶の構造、設備などの技術 Coalition for Environmentally Responsible Economies「環境に責任を持 基準を定めている。 つ経済のための連合」)と国連環境計画との合同事業。 1973年条約の1978年議定書(73/78MARPOL条約)は次の附属書から ■ GRIサステナビリティリポーティングガイドライン2002 構成されている。 GRIが2000年に発表した持続可能性報告書ガイドラインをもとに内容を 改訂して2002年に発表したガイドライン。持続可能性報告の質・厳密性・ 利便性を向上する全世界で適用可能なガイドラインを目指して現在も改訂中。 附属書 I II ■ GRT(G/T):Gross Tonnage 総トン数 III 船全体の大きさ(容積)を表す単位。 IV V VI* 外航船で総トン数と言えば、一般に国際トン数を意味する。それまで各国ま ちまちであった計測方法が、IMCOにおいて1969年に制定された条約によ り統一された(1982年7月発効)。主として客船等の大きさを示す際に 使われる。 わが国のみで用いられる総トン数は、国際総トン数とは異なり、船舶内の合 計容積から除外場所の容積を差引いたものに一定の係数を掛けて表した数値。 100立方フィートで1総トン。 総トン数から機関室、船員室、バラストタンクなど貨物を積載できない部分 の容積を差引き、純粋に貨物を積むことが出来るスペースを表すのが純トン 数(NRT)である。 ■ IMO:International Maritime Organization 国際海事機関 海上の安全、船舶による環境汚染防止など、海運に関する技術的・法律 的問題について政府間の協力を促進し、各種規則や条約等の作成を行う 規制内容 油による汚染防止 ばら積みの有害液体物質による汚染防止 容器・コンテナ・タンク等に収納されて 輸送される有害物質による汚染防止 汚水による汚染防止 廃棄物による汚染防止 発効日 1983.10.2 1987.4.6 排ガスによる汚染防止 2005.5.19 1992.7.1 2003.9.27 1988.12.31 *1997年9月に1997年議定書として採択されたもの。 ■ OPA90:Oil Pollution Act of 90 油濁防止法 1989年アラスカ沿岸でのバルディーズ号の事故を契機として1990年に制定 された米国の油濁事故防止のための法律。タンカーの二重船殻の強制及び、油 濁事故が発生した場合の油濁防除および除去費用や損害補償財源の確保などが 厳格に規定されている。 ■ PCB:polychlorobiphenyl ポリ塩化ビフェニル 水には溶けにくいが油には溶ける性質をもつ。化学的に安定し、耐熱性や 電気絶縁性に優れ、かつては電機の絶縁油、熱媒体、可塑剤、潤滑油等に 多用されたが、人体に対する毒性が強く、蓄積されやすいため、現在製造・ 国連の専門機関。 使用禁止。世界保健機関(WHO)は環境ホルモン(外因性内分泌撹乱物質) 1958年IMCO(Inter-Governmental Maritime Consultative の可能性を指摘しており、廃棄物処理法、PCB特別措置法、PRTR法など Organization政府間海事協議機関)としてロンドンに設置され、 の法令の規制対象。 1982年にIMOに名称を変更した。 ■ P&I保険:Protection and Indemnity Insurance ■ ISMコード:International Safety Management Code 国際安全管理規則 船主責任保険 油濁等の第三者に対する責任、船員の死傷に対する賠償、あるいは積荷に関す 1993年11月にIMOにおいて採択された国際的な船舶管理のための規則 る責任を担保することを目的に、船舶所有者や運航者が相互保険組合を組織し で、 SOLAS附属書第IX章「船舶の安全運航の管理」として位置づけられて 船舶の所有、賃貸運航に伴う事故による経済的損失を相互に補填しあうもの。 いる。船主や会社(船舶管理会社等)に安全マネジメントシステム(SMS) JAPAN P&I保険などがある。 53 安全・環境報告書2004 用語集 名称 ■ ROE:Return On Equity 株主資本利益率 一般に、税引後当期利益/株主資本(期首・期末の平残)で算出される。企業 パナマックス が株主の持分である株主資本を用いてどの程度の利益を上げているかを見 る指標。この値が高ければ株価を押し上げる要因になると言われている。 対象船種 タンカー/ バルクキャリア− スエズマックス タンカー ■ SDA賞:JAPAN SIGN DESIGN ASSOCIATION 内容 パナマ運河を満載状態で通航しうる最大船型。通航可能な船舶 の最大幅は32.31mであるため、通常は船幅を32.2mとして いる。一般的には6∼7万DWT程度。 スエズ運河を満載状態で通航できる最大船型で14∼15万トン DWT程度。 Average Freight Rate Assessmentの略。元々は79,999DWT アフラマックス タンカー AWARD CONTEST のタンカーの呼称だったが、現在では、8∼10万DWTクラスの ことを言う。 社団法人日本サインデザイン協会が運営する、優れたサインデザイン作品 南アフリカ共和国のリチャードベイ港に入港可能な15∼20万 を広く社会にアピールすることによりサインデザインの普及及び啓発を図 ケープサイズ バルクキャリア− ることを目的として、1966年以来続けられてきたわが国で唯一のサイン DWTクラスの鉱石・石炭船の総称。満載喫水が18.1mに制限 される。 デザインに関する顕彰事業。(同協会ホームページより) ハンディ・バルカー バルクキャリア− 世界の殆どの港に入港できる2∼5万DWTクラスの貨物船の総称。 ■ SOLAS:The International Convention for the あ ~ん Safty of Life at Sea 海上人命安全条約 ■ インタレスト・カバレッジ・レシオ:Interest Coverage Ratio 航海の安全を図るため船舶の検査、証書の発給などの規定を設け、船舶の 構造・設備・救命設備・貨物の積付けに関する安全措置等の技術基準を定め 一般に(営業利益+受取利息・配当金)/(支払利息+手形割引料)で算出 た条約。 される。当社においては、営業キャッシュフロー/利息の支払額で算出し 1912年4月14日に発生したタイタニック号事故を受けて、最初の ている。企業の通常の営業活動により得た利益が支払利息の何倍になって SOLAS条約が1914年に採択された。その後、新条約が採択され、現在 いるかを示し、その企業の金利負担能力を表す。一般に、この値が大きけれ ば債権者にとって安全性が高く、企業は有利な条件で資金調達できる。社 の条約は1974年11月に採択された1974年SOLAS条約である。1980 債の格付け時にはこれが有力な指標の一つとして用いられる。 年5月に発効した。 ■ 温室効果ガス:green house gas ■ SRI:Socially Responsible Investment 社会的責任投資 地球温暖化の原因となる気体の総称。太陽により暖められた地表より放射 投資対象の短期的な財務パフォーマンスだけでなく、社会、環境、倫理側 される赤外線を吸収し熱エネルギーとして蓄積して地表付近の大気を暖め 面からの価値判断も加えて意思決定を行う投資行動。その形態は投資対象 の選択の他、株主行動などにも及ぶ(環境省 平成15年6月調査による定義)。 経済性も含め、CSRを評価軸とした投資と言える。「経済性」「環境性」「社 る「温室効果」作用を有することから、こう呼ばれる。二酸化炭素CO2、 メタンCH4、一酸化二窒素N2O、代替フロンであるハイドロフルオロカー ボンHFC、パーフルオロカーボンPFC、六フッ化硫黄SF6の6種類がある。 会性」「人」の4側面を評価するという考え方もある。日本では、企業の ■ 稼動延べトン 環境面での取り組みを銘柄選定(スクリーニング)基準に含めた「エコ・ 貨物輸送の運航量を示す単位。積貨重量トン×月間航海日数/30日で算出 ファンド」が有名。 する。 ■ STCW:International Convention on Standards of ■ 株主資本比率 Training, Certification and Watch-keeping 自己資本比率とも言い、株主資本(自己資本)/総資産で算出される。総資 for Seafarers 船員の訓練及び資格証明並びに 産に占める株主資本(自己資本)の割合であり、自己資本は返済されるべ 当直の基準に関する国際条約 き他人資本(負債)の担保になるという考え方から、この値が高いほど、経 営が健全であると言われている。 1978年に採択、1984年に発効したが、1992年末からの連続的タンカ ■ 喫水:draft ー事故、海難事故により包括的見直しが行なわれ、1995年に改正条約が 船体の水中に没している部分の深さ。船の最下点から水面までの垂直距離。 採択され、1997年2月1日に発効した。 ■ 建築ストック ■ TBT塗料:Tributyl Tin塗料 現存する建築物の蓄積のこと。わが国では戦後膨大な数の建築物が造られ 有機スズを含む防汚塗料のこと (Tinはスズの意) 。船底への海中生物の付着 たが、経済発展の中で新築・建て替えを重視したフローの考え方が主流で 防止性能の高さから、船体抵抗の増大・燃費悪化を防ぐ船底防汚塗料として あった。鉄とコンクリートなどでできた建築物が、人間の寿命の半分の年 広く使用されてきたが、 TBTの環境ホルモン作用や海中生物への有機スズの 数で建て替えられてしまうのが現実である。現在では地球環境問題や人口 蓄積が指摘されたため、2001年10月にIMOでTBT船舶塗料等規制条約が 構造の変化などを背景に、何百年も使用される社会的な資産としての良好 採択された。2003年1月以降の新たな塗布の禁止と2008年1月以降の除 な建築ストックの形成が求められている。 去または海水への溶出防止のための塗膜の塗布を義務付けている。 25カ国以上の批准と合計船腹量が世界の25%を超えた1年後に発効する。 ■ 建築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管法) 特定建築物等(延床面積3,000m2以上など) の維持管理などについて定め ■ TF塗料:Tin Free塗料 る法律。特定建築物については、知事への届出、建築物環境衛生管理基準に 有機スズを含まない防汚塗料のこと。船底に塗布し加水分解により海中に溶 基づく維持管理、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の選任を義務 け出して生物の付着を防止する。海中生物に対する害は少ないとされている。 付けている。管理基準は、空気環境の調整、給水及び排水の管理、清掃及 ■ VLCC: Very Large Crude Carrier びねずみ等の防除について定めている。このうち空気環境の調整の基準に 最近では28∼30万DWTクラスの大型原油油槽船(タンカー)のことを ついては、最低基準ではなく指導目標的基準である。 言う。30万DWT以上のものはULCC(Ultra Large Crude Carrier)と言う ■ サステナビリティ:Sustainability 持続可能性 ことが多い。 ■ サブスタンダード船 その他の商船の船型には以下のようなものがある。 51 安全な航行に必要とされる船の構造や設備、船員の資格、管理責任等の点 で国際的な安全基準を満たしていない船のこと。 54 安全・環境報告書2004 P.3 ■ 仕組船 規模で移動していると言われている。これらが、新たな環境で定着すれば、 日本の外航海運会社が、パナマ、リベリア等の便宜置籍国に設立した子会 その海域の生態系や水産業等への影響が問題となり、また一部の病原菌に 社を通じて建造し、それらの国の船籍で登録、保有させ、外国人船員を配 よる人体の健康への直接影響も指摘されている。このため、IMOにおいて、 乗させて用船(チャーター)する船舶のこと。税金の軽減、法規制の緩和 2004年2月「船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際 などの利点がある。 条約」が採択された。30ヶ国以上の批准、かつ合計船腹量が世界の35% ■資産の流動化(オフバランス化) を超えてから1年後に発効する。 資産の流動化とは、その資産を他の資産と切り離しその資産の価値や生み ■ ハロン 出すキャッシュフローを裏付けとして資金調達すること。企業の信用力で 臭素を含むハロゲン化炭素の一種。オゾン層破壊物質の一つで、フロンよ はなく、資産の信用力により資金調達することとも言える。 りも破壊力は強い。不燃性で安定しており毒性も少ないことから、消火剤 オフバランス化とは、貸借対照表(バランスシート)の資産の部から特定の として広く使用されてきた。先進国においては1994年以降の製造は禁止 資産を除外することを言う。オフバランス化により、ROA(総資産利益率) され、CO2消火設備等への転換が進められている。 の上昇など資産効率の向上につながる。通常の場合、資産の流動化により ■ ビルジ:bilge オフバランス化になる。 船底に溜まった油水混合物のこと。 ■ スラッジ:sludge ■ フロン 船舶の貨物油や燃料油、潤滑油中の不純物のこと。タンクの底部に堆積す メタンまたはエタンの水素原子の一部または全部をフッ素または塩素原子 ることが多い。 で置換してできた化合物の総称。日本独自の慣用的な名称であり、特定フ ■ スロップ:slop ロンとも呼ぶ。CFC(クロロフルオロカーボン)のこと。不燃性で熱的・ 原油や重油等を揚荷した後のタンククリーニングによって発生した油水混 化学的に安定で、強い毒性も認められないことから、かつては冷媒や、半 合液(スロップ水)をスロップタンクに集め、水切りをした後残った油分 導体や精密機器の製造過程での洗浄剤、スプレーの噴霧剤、プラスチック のこと。陸揚げ処分される。 の発泡剤として極めて多用されていた。ところが、大気中に放出されたフ ■ 船級:Class ロンによるオゾン層破壊作用が指摘されたため、特定フロンの1996年以 船舶ごとに付与された等級のこと。保険契約や用船契約等を円滑に行うた 降の製造は禁止されている。 めの国際的な標準となる。船級協会(中立的な立場で船舶を検査し証明す 特定フロンの代替物質を代替フロンと言い、塩素を含むHCFC(ハイドロ る民間の非営利団体)が機関、船体、艤装品等を一定の基準に基づいて検 クロロフルオロカーボン)と塩素を含まないHFC(ハイドロフルオロカー 査し、船級を決定する。船級協会には、日本のNK、英国のLRS、米国のABS、 ボン)の2種類がある。HCFCはオゾン破壊係数はゼロではなく、HFCは フランスのBV、ノルウェーのDNV、ドイツのGL、イタリアのRINA、ロ オゾン破壊係数はゼロだが、地球温暖化係数が大きく、温室効果ガスの一 シアのRS等がある。 つとなっている。 ■ ダイオキシン:dioxin ■ 便宜置籍船:FOC Flag of Convenience 人工物質の中で最も毒性が強い物質。主に廃棄物の焼却・燃焼過程で発生し 所有権や管理者が、掲げている旗の国とは別の国である船舶のこと。固定資 大気中に排出されたり、焼成灰に含まれる。金属精錬や化学品製造過程で 産税や登録税等の税金の軽減や賃金の安い外国人船員の雇用による運航費 も副次的に生成され、また森林火災や火山活動でも発生する。発ガン性が の削減を目的に先進国の船主が、パナマ・リベリア・キプロス等の諸国に便 あり、奇形や免疫力低下の原因ともなる。わが国国内においては、1997 宜的に置籍した船舶を言う。 年8月に大気汚染防止法施行令の改正が行われ、現在取りうる限りの厳し ■ ポート ステート コントロール:PSC Port State Control い規制基準が定められている。 船舶が寄港する国が入港船舶に対し、船舶設備や乗組員の資格等につい ■ タイルデザインコンテスト:TILE DESIGN CONTEST て国際条約の基準に適合しているか検査すること。地域ごとの検査手順 の統一と検査情報の集中化のために、 Paris MOU(欧州地域)、Tokyo MOU タイル製造メーカーのダントー株式会社が、2000年より運営実施してい (アジア太平洋地域) 等、世界で8つのMOU(Memorandum of Understanding) るタイルを用いた優れた建築作品を表彰する制度。 が結ばれている。 ■ ダブルハル:二重船殻(船体)構造 衝突や座礁などで船体に多少の損傷を受けても貨物油が流出し海洋汚染に ■ ホルムアルデヒド:formaldehyde つながらないように、タンカーの船体を二重構造にすること。1992年3 化学式HCHO。各種合成材料の原料として使用される。身近では壁紙、家 月にIMOにおいて、73/78MARPOL条約附属書 Iの一部改正が採択され、 具、合板などの接着剤の原料として使われ、ここからホルムアルデヒドが 1993年7月以降に建造契約が締結される/1994年1月以降に起工・改造 長期にわたり放散されてシックハウス症候群の原因物質になる。発癌性も に着手される/1996年7月以降に竣工・引渡される、600DWT以上の石油 指摘されており、厚生労働省による室内濃度指針は0.08ppm以下とされ タンカーのダブルハル化が義務付けられ、1993年7月に発効した。 ている。ビル管法、大気汚染防止法、PRTR法などの法令の規制対象。 ■ 堪航性:seaworthness ■ マニフェスト:manifest 船舶が安全に航海できる性能、能力のこと。 産業廃棄物管理票。廃棄物処理法によって定められ、排出事業者が産業廃 棄物の運搬・処理・処分のプロセスを最後までチェックするために交付す ■ トリム:trim る複写式伝票。このほか条例等の定めによる一般廃棄物管理票がある。 船舶の喫水の状態。特に船首・船尾喫水の差。これで船体の前後の傾きが ■ メジャー オイル インスペクション:Major Oil Inspection 分かる。 メジャー(石油の探鉱・精製から販売までを行う国際石油資本)が、原油や ■ バラスト水:ballast 水 石油製品の輸送を委託する際に、独自に定めた安全運航に関する基準に基 船体の姿勢制御や復元性確保のためにバラストタンクに積載される海水の づきタンカーを検船する仕組み。 これに合格することが契約の条件となる。 こと。船舶の安全運航には不可欠のもの。バラスト水は、通常、揚荷港で 積載され積荷港で排出されるため、バラスト水の移動に伴って、これに含 まれる微小生物(バクテリアやプランクトン)や魚類の卵・幼生などが地球 51 ※海運業関連の用語の一部については、 (社)日本船主協会のホームページを参考 にさせて頂きました。 55 安全・環境報告書2004 GRIガイドライン対照表 GRI サステナビリティリポーティングガイドライン2002の項目に沿って、本報告書での対応状況を記載しています。 1.ビジョンと戦略 1.1 組織のビジョンと戦略 3 1.2 最高経営責任者の表明 3 2.報告組織の概要 組織概要 2.1 報告組織の名称 6 2.2 主な製品やサービス 6-7 2.3 報告組織の構造 (8) 2.4 主要部門、子会社等 8 2.5 事業所の所在国名 6 2.6 企業形態 6 2.7 対象市場の特質 12-13 2.8 組織規模 6 2.9 ステークホルダー 10 報告書の範囲 2.10 問い合わせ先 57 2.11 報告期間 8 2.12 前回報告書発行日 5 2.13 報告組織の範囲 8 2.14 前回以降の重大な変更 8 2.15 重大な基礎的事柄 × 2.16 再報告の性質、理由等 − 報告書の概要 2.17 GRI原則/規定不適用の決定 × 2.18 コストと効果の算出規準 19 2.19 測定手法の変更 − 2.20 正確性等の方針、取組み 8 2.21 第三者保証書の方針、取組み 3,51 2.22 追加情報報告書入手方法 57 3.統治構造とマネジメントシステム 構造と統治 3.1 組織の統治構造 9 3.2 独立取締役の割合 9 3.3 専門的知見取締役選任プロセス 9 3.4 リスク・機会の監督プロセス 9 3.5 役員報酬と目標達成度 9 3.6 責任組織構造と主務者 9,20-21 3.7 使命、行動規範、方針 3,4 3.8 株主による取締役会勧告 9 ステークホルダーの参画 3.9 主要ステークホルダーの定義・根拠 10 3.10 ステークホルダーとの協議手法 × 3.11 ステークホルダーよりの情報 × 3.12 ステークホルダー情報の活用方法 × 統括的方針およびマネジメントシステム 3.13 予防的アプローチ・予防原則 × 3.14 参加・支持している憲章等 × 3.15 主な加盟団体 6 3.16 上下流影響の管理方針等 × 3.17 間接的影響の管理取組み × 3.18 所在地・事業内容変更決定 14 3.19 パフォーマンスのプログラムと手順 24-25 3.20 マネジメントシステム認証状況 24-25 4.GRIガイドライン対照表 4.1 セクション指標ごとの対照表 56 5.パフォーマンス指標 EC.経済的パフォーマンス指標 顧客 EC1 総売上 14 EC2 市場の地域別内訳 14 供給業者 EC3 全調達品の総コスト × EC4 合意条件で支払済件数割合 16 EC11 組織別国別供給業者内訳 × 従業員 EC5 給与等の国・地域別の内訳 16 投資家 EC6 投資家・株主への配当 16 EC7 内部留保の増減 16 公共部門 EC8 支払税額の国別内訳 (16) EC9 助成金等の国・地域別内訳 × EC10 地域社会・団体等への寄付 16 EC12 非コア領域のインフラ支出 0 間接的な経済影響 EC13 間接的な経済影響 × EN.環境パフォーマンス指標 原材料 EN1 種類別総物質使用量 19 EN2 外部廃棄物の使用割合 0 エネルギー EN3 直接的エネルギー使用量 19 EN4 間接的エネルギー使用量 19 EN17 エネルギー効率向上取組み 33,37,39 EN18 主要製品生涯エネルギー消費量 − EN19 他の間接的エネルギー使用 × 水 EN5 水の総使用量 19 EN20 影響ある水源と生態系等 (31) EN21 利用可能水量と取水量 (19) EN22 リサイクル水量と再使用量 × 生物多様性 EN6 生物多様性地域の土地・面積 0 EN7 生物多様性への影響内容 31 EN23 生産・採掘用の全土地 − EN24 不透水性地表面の割合 × EN25 脆弱な生態系への影響 × EN26 自然生息地の改変・復元 × EN27 劣化地域の回復方針等 0 EN28 ICUN絶滅危惧種数 × EN29 脆弱生態系地域周辺事業 0 排気・排水・および廃棄物 EN8 温室効果ガス排出量 (19) EN9 オゾン層破壊物質使用/排出量 × EN10 NOx、SOxその他 19 EN11 種類/処理方法別廃棄物総量(19,31,37) EN12 種類別主要な排水 19 EN13 化学物質・石油・燃料の漏出 0 EN30 間接的温室効果ガス排出量 (19) EN31 バーゼル条約での有害廃棄物 × EN32 排水・流出で影響ある水源等 × 供給業者 EN33 供給業者の環境パフォーマンス × 製品とサービス EN14 主要製品サービスの環境影響 23,37 EN15 再利用可能製品・再生利用 − 法の遵守 EN16 環境規制違反への義務罰金 0 運送 EN34 物流の重要な環境影響 −(本業) その他全般(総合) EN35 種類別の環境への総支出 19 社会的パフォーマンス指標 SO.社会 LA.労働慣行と公正労働条件 地域社会(地域) SO1 地域への影響管理方針等 雇用 LA1 労働力の内訳 × SO4 社会・倫理・環境パフォーマンス表彰 (40,46) LA2 雇用創出総計と平均離職率 × 贈収賄と汚職 LA12 従業員への法定以上の福利厚生 × SO2 贈収賄・汚職に関する方針等 (4) 政治献金 労働/労使関係 LA3 独立労働組合所属従業員割合 × SO3 政治的ロビー活動・献金方針等 × LA4 従業員への情報提供方針等 × SO5 政党や団体への献金額 LA13 経営への従業員参画規定 × 競争と価格設定 安全衛生 LA5 労災記録・通知の発行等 LA6 労働安全衛生委員会 × (47) LA7 疾病、病欠、欠勤率、死亡者数 47 LA8 HIV/AIDS方針・プログラム 0 LA14 ILOガイドライン遵守の立証 × LA15 労働組合との取決め × 教育研修 LA9 従業員当り年間研修時間 × LA16 従業員支援・職務終了対処 プログラム (48) LA17 技能管理・生涯学習の 特別方針とプログラム LA10 機会均等方針・プログラム等 × SO6 独占禁止法令関連訴訟判決 0 SO7 不正競争行為防止の方針等 (4) PR.製品責任 顧客の安全衛生 PR1 顧客の安全衛生保護方針等 (4) PR4 顧客の安全衛生規制への 不適合、処罰・罰金の件数等 0 PR5 監督・規制機関への苦情件数 × PR6 自主規範、製品ラベル、受賞 × 製品とサービス PR2 商品情報・品質表示方針等 0 PR7 製品情報・品質表示規制への 不適合の件数と類型 × 多様性と機会 0 PR8 顧客満足度に関する方針等 (24) 広告 × LA11 上級管理職・企業統治機関構成 × HR.人権 PR9 広告規準に関する方針等 0 PR10 広告、マーケティング関連の法律 違反の件数と類型 方針とマネジメント 0 プライバシーの尊重 HR1 人権問題方針・ガイドライン等 (4) PR3 消費者プライバシー保護方針等(4) HR2 投資・調達決定時の人権配慮 PR11 消費者プライバシー侵害に関し × HR3 サプライ・チェーン/請負業者の 人権パフォーマンスの評価等 HR8 人権問題の従業員研修 ての苦情件数 0 × × 差別対策 HR4 差別撤廃方針、手順、プログラム (4) 組合結成と団体交渉の自由 HR5 組合結成自由の方針等 × 児童労働 HR6 児童労働撤廃方針等 0 強制・義務労働 HR7 強制・義務労働撤廃方針等 0 懲罰慣行 HR9 不服申立ての業務慣行 × HR10 報復防止措置と実効的な 秘密保持・苦情処理システム × 保安慣行 HR11 保安担当職員の人権研修 × 〈対応状況についての凡例〉 0 (数字) : 部分的な対応記述のあるページ 数字 : 対応記述のあるページ 先住民の権利 HR12 先住民ニーズ取組方針等 HR13 共同運営の地域苦情処理 制度/管轄機関 − : 該当しない項目 0 HR14 営業収入の地元地域社会 への再分配割合 ※「5.パフォーマンス指標」の黒色の字はGRIガイドラインの必須指標を、灰色の字は任意指標を示します。 ※ 上表の各項目ごとの記述はキーワードを抽出したもので、各項目の意味を正確に表現したものではありません。 ガイドラインの具体的な内容は、以下のURLをご参照下さい。 http://www.globalreporting.org/ http://www.globalreporting.org/guidelines/2002/2002Japanese.pdf 56 安全・環境報告書2004 47 0 : 未実施または件数0の項目 × : 対応記述していない項目 0 お問い合わせ先等 編集後記 印刷技術の紹介 今まで環境についてあまり意識して生活することがありませんでした。 水なし印刷 しかし、この報告書作成を担当することになり、業務を進めていくう 近年最もポピュラーな印刷方法である「オフセット印刷」は、インク しめ ちに例えば環境に影響の与える可能性のある塗料を船に使わないなど、 の成分である油と、湿し水と呼ばれる印刷用の水を反発させることによっ 当社が色々な面で環境に対する取り組みを行っていることを、私自身 はじめて知ることができました。地球という私たちにとってかけがえ て行う印刷方法のことを指します。しかしながら、湿し水には、印刷力 を引き上げる等の目的からH液やIPA(イソプロピルアルコール)等の 有害物質を含んでいますので、使用後は産業廃棄物となります。そこで、 のない財産を守るためにはやはり一人一人が意識をもってできること 印刷をするための版(=刷版)にインクをはじく特性をもつシリコン層を からはじめることだと思います。まずはオフィスで紙コップではなく 重ねることにより、印刷工程では水を全く使用せず、有害な物質を排出 マグカップを使うことから環境活動に参加しようと思いました。 (松井) しない印刷技術が注目されるようになりました。その印刷技術を『水なし 印刷』と呼びます。更に水なし印刷用の刷版は、現像時にも使用後に産業 廃棄物となる現像液を使用せず、水道水などで現像することができます。 この報告書も『水なし印刷』で印刷しています。 編集担当部署 飯野海運株式会社 大豆油インキ ■ ステークホルダー リレーションズ マネジメント グループ 通常オフセット印刷に使用されるインキには石油系溶剤が含まれてい グループリーダー 田川 豊 チームリーダー 鈴木 康昭 (中央) (左) 松井 美奈子 (右) ます。これは限りある石油資源を消費するばかりでなく、印刷中に大気 汚染の原因ともなるVOC(揮発性有機化合物)を排出するため、環境への 負荷が問題視されるようになりました。そこで、1970年代後半のオイル ショックを契機に石油系溶剤に代わるものとして、「大豆油インキ」が誕生 しました。大豆油インキは印刷中に大気排出していたVOCをセーブでき、 植物油なので自然に還元する比率が石油系溶剤よりもはるかに高く、印刷 〒100-8506 東京都千代田区内幸町二丁目1番1号 をしても紙の繊維の損傷が少なく、脱墨性にも優れているため明度の高い 電話: 03(3506)3868 FAX: 03(5511)7069 再生紙にリサイクルできるなど、環境に配慮したインキとして注目される 電子メール:[email protected] ようになりました。この報告書も『大豆油インキ』を使用しています。 その他の発行媒体 非木材紙(タケ) タケの中でも、紙の原料に使用されているのは、バンブーと呼ばれる株 【 1 】会社案内(日本語版/英語版) 【 2 】有価証券報告書 【 3 】営業報告書 から生育する種類のタケです。バンブーパルプは繊維が長く、強度に優れ、 針葉樹パルプに似て腰があるのが特徴です。この報告書は 『タケ100%用紙』 を使用しています。 (タケバルキーGA100) 【 4 】事業報告書・中間報告書 表紙デザインに込めたメッセージ ■ 入手方法 ステークホルダー リレーションズ マネジメント グループにお問い合わせ 世界をつなぐ海と、私たちの暮らす陸。私たち飯野海運の事業 【 4 】はインターネットホームページからもご覧頂けます。 下さい。【 2 】 の舞台です。この美しい風景(ニュージーランド・アイランズ湾)に、 http://www.iino.co.jp/kaiun/ir/ 地球を走る緯線 ・ 経線を重ねて、「地球との『共存』そして 『共 栄』」のメッセージを込めました。 安全・環境報告書2004 ① ② ⑧ ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ 発行日:2004年7月 発 行:飯野海運株式会社 ⑧ http://www.iino.co.jp 制作協力:日本経営システム株式会社 ① BLUE ISLAND ⑤ 飯野ビルより望む日比谷公園 印刷所:丸中印刷株式会社 ② スープ・デリ ⑥ SK SUNRISE ③ 飯野ビル ⑦ イイノ・広尾スタジオ ④ 豊洲丸 ⑧ アイランズ湾(ニュージーランド) 次回発行予定:2005年夏頃 57 安全・環境報告書2004 www.iino.co.jp 非木 材紙普 及 協 会
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