Pervasive PSQL™Workgroupのリリースについて

DATABASE
Pervasive PSQL™Workgroupのリリースについて
Pervasive ソフトウェア ホワイトペーパー
2006年 2月
目次
概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3
Workgroup を使用するケース . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3
MEFS (マルチ エンジン ファイル共有) と Workgroupアーキテクチャ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3
パフォーマンス . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4
信頼性 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5
Workgroup エンジンの機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5
Workgroup ゲートウェイ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5
ゲートウェイの構成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5
回避すべき構成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6
Workgroup がゲートウェイを識別する方法 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6
ゲートウェイ ロケータ ファイル . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7
Gateway Locator ユーティリティ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7
リダイレクト ゲートウェイ ロケータ ファイル . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8
License Administrator . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8
NetBIOS を使用したネットワーク . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9
トラブルシューティングおよび Workgroup の最適化 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9
バージョン 6.15 からの移行 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10
まとめ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10
付録 A: Workgroup と Server の比較 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11
付録 B: PERVASIVE PSQL バージョン比較ガイド . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12
連絡先 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13
Pervasive PSQL Workgroup のリリースについて
概要
Pervasive PSQL v9 Workgroup エンジン(WGE) は、シングルユーザー環境および小規模のマルチユー
ザー環境に配備されるアプリケーション、または Pervasive PSQL データベース エンジンをサポー
トできないネットワーク環境にとって理想的なソリューションです。PSQL Server エンジンと共通
のアーキテクチャを共有することにより、WGE は完全な機能を備えたエンジンとなり、すべての
PSQL アプリケーションと完全な互換性を持ちます。これには、すべての既存 Btrieve 6.15 アプリケ
ーションのサポートも含まれます。
本書は、PSQL v9 Workgroup エンジンを評価し、前の世代の Btrieve および PSQL との比較を行いま
す。これには以下のようなトピックがあります。
• Pervasive PSQL Workgroup エンジン を使用するケース
• テクノロジの向上: MEFS と Workgroup
• Workgroup の重要な機能
• Workgroup 環境の最適化およびトラブルシューティング
• Workgroup と Server の比較
Workgroup を使用するケース
Pervasive PSQL Workgroup エンジン については、以下の 3 通りの配備シナリオがあります。
・小規模なユーザー グループがある場合
Workgroup では、最大 5 つの同時接続がライセンスされています。これは、小規模 クライアント
/サーバー構成と同様です。
・複数のコンピュータ上にデータが分散される場合
これは、ピア ツー ピア トポロジと呼ばれます。各アプリケーションではローカルのハード ディス
クにデータが保管されますが、他のワークステーションからデータにアクセスされるか、他のアプ
リケーションと定期的にデータを共有する必要がある場合に使用されます。
• Pervasive PSQL データベース エンジンが動作できないコンピュータにデータを保管する必要があ
る場合
オペレーティング システムとの互換性がないなどの理由で、アプリケーション データを保管する
コンピュータがデータベース エンジンをサポートできない場合、WGE がユーザーにリモート接続
を提供します。別のコンピュータ上のディレクトリ内にあるファイルをオープンする最初の WGE
は、リモート コンピュータのデータベース全体にアクセスする他の用途に対応したゲートウェイと
なります。他のコンピュータは、このゲートウェイを介してクライアント/サーバー形式でデータに
アクセスします。
MEFS (マルチ エンジン ファイル共有) と Workgroupアーキテクチャ
ファイル共有は、複数のクライアントが同じファイルを操作できる機能です。複数のクライアン
トが 1 つのファイルを共有して操作する場合、アクセス、ロック、更新などを調整するために大量
のオーバーヘッドが要求されます。この仕組みはMEFS (マルチ エンジン ファイル共有) と呼ばれ、
Btrieve 6.15 および Pervasive SQL 2000 よりも前の PSQL のバージョンで使用されていたテクノロジ
です。MEFS は接続性を提供しますが、キャッシュ使用の制限やネットワーク トラフィックの増大
など多くの制限があります。
Pervasive PSQL Workgroup のリリースについて
MEFS では、各データベース エンジンが独立して動作し、ロック ファイルおよびオペレーティング
システム レベルのロックによりデータ アクセスを調整しています。このような調整では、ネット
ワーク トラフィックのオーバーヘッドが高くなり、パフォーマンス向上のために使用されるあら
ゆるタイプのキャッシュの使用が制限されます。
Pervasive PSQL Workgroup は、クライアント/サーバー モデルに基づいて、ファイル アクセスを制
御し、調整します。データベースに対するデータ アクセスは、単一のデータベース エンジン (ゲー
トウェイ) によってすべて管理されます。グループ内の他のクライアントは、このゲートウェイを
介してデータベースにアクセスします。このアーキテクチャにより、パフォーマンスと信頼性が向
上しています。
本書では Workgroup のリリースと Btrieve の以前のバージョンとの比較を中心に述べていますが、
Pervasive PSQL v9 にはさらに多くの利点が開発者やユーザー向けに用意されています。最新の
Pervasive PSQL リリースと Btrieve の比較表については、本書の付録 B を参照してください。
パフォーマンス
ゲートウェイとして動作する Workgroup エンジンは、データ アクセスの中核ポイントを提供する
ことによって、ネットワーク オーバーヘッドの軽減とデータベース キャッシュ利用率の改善を図
り、MEFS を使用する以前のWorkstation エンジンよりもパフォーマンスを大幅に向上させていま
す。
データ ファイルへのアクセスをすべて調整することによって、Workgroup エンジンは、MEFS に
よって発生したネットワーク トラフィックのオーバーヘッドを軽減し、読み取り、更新、削除な
どに関するデータベースの精度および保全性を保証しています。MEFS では、このオーバーヘッド
が非常に大きくなります。図1は、MEFS 環境でワークステーションを増設した結果を示していま
す。
データベース キャッシュでは、最も頻繁にアクセスする最新のデータがメモリに保持され、これ
によりディスクからデータを読み取る必要がなくなるため、パフォーマンスに飛躍的な効果がもた
らされます。MEFS では、複数のクライアントが共有する共通のデータベース キャッシュはありま
せん。それに対して WGE 環境では、ワークグループ 内のすべてのクライアントが共通の(ゲートウ
ェイにある)データベース キャッシュを共有します。
TPS
ネットワーク トラフィックが軽減し、キャッシュの利用率が改善され、結果的にディスクの入出
力が減少するため、PSQL Workgroup エンジンのパフォーマンスは、MEFS で実行されている既存
アプリケーションの2 ~ 100 倍も向上します。
MEFS
ゲートウェイ
1
2
3
4
6
クライアントの 数
8
10
図1. パフォーマンスの比較 - MEFS と Workgroup
Pervasive PSQL Workgroup のリリースについて
図 1 は、100,000 行のデータベースに対する TPC-B ベンチマーク テストの結果を示しています。
TPC-B は変更に重点を置いたテストで、データベース エンジンがデータベースを変更できる速度
が測定されます。TPS は、Transactions Per Second (1 秒あたりのトランザクションの数) を意味し
ます。TPC-B テストにおける各トランザクションでは、1 行が挿入され、 3 行が更新されます。ク
ライアント1 台では、 MEFS を実行しているWorkstation エンジンのパフォーマンスは、Pervasive
PSQL Workgroup とほぼ同じであることがわかります。しかし、複数のクライアントがデータに同
時にアクセスする場合、MEFS のパフォーマンスは低下し、低い状態にとどまります。
信頼性
単一の Workgroup ゲートウェイ エンジンを使用してデータ ファイルへのアクセスをすべて調整す
ることにより、データベースの保全性も向上します。まれなケースですが、クラッシュが発生した
場合には、ファイルにアクセスする他のクライアントとファイルの更新を調整するために生じるオ
ーバーヘッドにより、MEFS ではデータの損失または破損の影響を受けやすくなります。PSQL ゲ
ートウェイ エンジンを使用すると、このオーバーヘッドが解消され、より効率的で信頼性が高い
方法でデータベースに変更がコミットされます。
Workgroup エンジンの機能
Btrieve 6.15 (またはそれ以前の) Workstation エンジンのユーザーは、PSQL v9 Workgroup エンジン
の配備において、旧バージョンとの 3 つの大きな違いに気付くことでしょう。
1 . リモート ファイルへのデータ アクセスに使用するゲートウェイ エンジンと、そのゲートウェ
イを検索するクライアント リクエスタ
2 . リモート接続を追跡するユーザー カウント マネージャー
3 . NetBIOS - Pervasive の Network Services Layer。リモート クライアントとの接続に使用する
NetBIOS 対応の通信サーバー
Workgroup ゲートウェイ
ゲートウェイ エンジンは、リモート ファイル サーバー上の特定のディレクトリ内にあるすべて
のデータ ファイルにアクセスするための唯一のポイントとなります。データにアクセスする WGE
は、それ自身をゲートウェイとして識別するために、~PVSW~.LOC という名前のロケータ ファイ
ルをデータ ファイルのディレクトリに作成します。このファイルは、ゲートウェイ ロケータ ファ
イルと呼ばれ、ゲートウェイ エンジンが配置されているコンピュータのネットワーク名が含まれ
ています。このデータ ファイルへのアクセスを試みる他の Workgroup エンジンは、ロケータ ファ
イルを読み取って、データ アクセスのために通信する必要があるエンジンの名前を検索します。
ゲートウェイ コンピュータは、データ ファイルを読み書きするためのホスティング サーバー エ
ンジンとして機能します。最後のユーザーがデータベースの使用を停止すると、データベース エ
ンジンはディレクトリ内の最後のデータ ファイルを閉じ、ロケータ ファイルを解放して削除しま
す。そのデータ ファイルをオープンする次のエンジンが新しいゲートウェイになります。これに
よって、ゲートウェイの割り当てを 1 つのコンピュータから別のコンピュータへと動的に変更する
ことができます。
ゲートウェイの構成
2 つの異なるゲートウェイ構成があります。デフォルトは動的ゲートウェイ構成であり、リモート
データ ファイルをオープンする最初のエンジンが、ディレクトリ内のすべてのデータ ファイルが
Pervasive PSQL Workgroup のリリースについて
閉じられるまでそのディレクトリのゲートウェイ エンジンになります。その後、リモート データ
ファイルを開く次のエンジンが、新しいゲートウェイになります。この構成は最も柔軟ですが、エ
ンジンがさまざまなネットワーク プロトコルを試行し、既存のゲートウェイ エンジンをチェック
するため、データベースへの初回接続で遅延を引き起こす可能性があります。
2 番目の構成は、固定ゲートウェイ構成または永続ゲートウェイ構成と呼ばれます。この構成で
は、ディレクトリのゲートウェイ エンジンとして特定のエンジンが永続的に割り当てられます。
別のエンジンがデータ ファイルにアクセスしようとしたときに、割り当てられたエンジンが起動
していないと、エラー コードが生成され、そのデータ ファイルは利用できません。
Pervasive では、コンピュータ間でゲートウェイを切り替えられるようにするのではなく、永続
ゲートウェイ コンピュータを選択することを推奨しています。「動的ゲートウェイ」トポロジで
は、Workgroup エンジンがキャッシュしたゲートウェイ アドレスに接続できない場合、予期しな
い遅延が発生する可能性があり、どのコンピュータが現在のゲートウェイであるかを再検出する必
要があります。
コンピュータがゲートウェイとして使用される場合や、共有ローカル データ ファイルがある場合
に、他のコンピュータがデータ ファイルにアクセスするには Workgroup エンジンを起動しなけれ
ばなりません。また、必要な場合にMicrokernelルーターによって自動起動されるように構成する
こともできます。Pervasive では、[Workgroup エンジンの開始] メニュー項目をコンピュータ上の
スタートアップ フォルダに追加することを強く推奨しています。
回避すべき構成
複数の共有データ ソースを持つピア ツー ピア環境で動的ゲートウェイを使用するのはお勧めでき
ません。複数のエンジンが複数のデータ ロケーション間でオーナーシップを切り替えられること
は、大幅な接続遅延を引き起こす可能性があります。
データ ファイルと同じマシンで起動するエンジンがオペレーティング システムでサポートされて
いる場合は、動的/永続ゲートウェイをリモート マシンに作成しないようにしてください。これに
よって、(ローカル ユーザーの場合も) すべてのデータへのアクセスがリモート ゲートウェイ経由
で行われることが回避されます。
効率的な Workgroup 構成を確保するための最も良い方法は、データ ファイルが常駐するコンピュ
ータにローカル ゲートウェイを、グループ内のすべてのコンピュータに Workgroup エンジンをイ
ンストールすることです。これは、コンピュータの起動時に Workgroup エンジンが必ず起動され
るようにすることによって、確実なアプローチとなります。
Workgroup がゲートウェイを識別する方法
データ ファイルにアクセスするときに、WGE はまず、アクセス対象のデータ ファイルに既存のゲ
ートウェイがあるかどうかを検出しようとします。WGE がゲートウェイを検出するために使用す
る決定アルゴリズムには、以下の優先順位が適用されます。
優先順位 1 - データが常駐するコンピュータ上で起動しているエンジンがある。
優先順位 2 - ローカル エンジンが、データ ファイルをオープンできる。
優先順位 3 - ゲートウェイ エンジンが、ディレクトリを所有している。
優先順位 1 の場合、WGE は、データ ファイルがあるコンピュータ上でアクティブなエンジンが起
動していると常に想定します。これは、ディスクの入出力が速くなればどのデータベース エンジ
ンでもパフォーマンスが向上するため、常に最優先されます。
Pervasive Network Services Layer は、いくつかの異なる方法でリモート データベース エンジンを
検出し、接続します。そのため、アクティブなデータベース エンジンを持っていないファイル サ
Pervasive PSQL Workgroup のリリースについて
ーバー上のデータ ファイルをオープンするためにプロセスで最初の試行が行われるときに、時間
遅延が発生する可能性があります。ゲートウェイの永続性がオンになっていると、そのコンピュー
タ上にアクティブなエンジンがないことをMicrokernelルーターが記憶しているため、接続は再度
試行されません。
優先順位 1 が失敗すると、Microkernelルーターは優先順位 2 を試行し、ローカル エンジンでその
データ ファイルをオープンできると想定します。ローカル エンジンは、新しいロケータ ファイル
の作成とオーナーシップの取得を最初に試みます。しかし、そのディレクトリが別の Workgroup
(または Server) エンジンによってすでに所有されている場合、ローカル エンジンはステータス 116
(ファイルはゲートウェイとして機能する別の MicroKernel エンジンによって所有されています) を
返します。
最後に、Microkernelルーターは優先順位 3 (ゲートウェイ エンジンの検出) を試行します。
Microkernelルーターは、ロケータ ファイルをオープンし、Workgroup エンジンがゲートウェイ
として機能しているコンピュータの名前を読み取った後、そのエンジンに要求を送信します。
Microkernelルーターは、エンジンからステータス 116を受信していない限り、ロケータ ファイ
ルの読み取りを試行しません。したがって、ゲートウェイの機能を使用するには、ローカルに
Workgroup エンジンをインストールしている必要があります。ローカル エンジンも、データ ファ
イルにあるエンジンも存在しない場合、Microkernelルーターは優先順位 3 を試行せずに処理を中
止します。ローカル ファイルの読み取りが試行されないため、ゲートウェイが検出されず、アプ
リケーションはステータス 116を受信します。
ゲートウェイ ロケータ ファイル
ゲートウェイ ロケータ ファイルは、ゲートウェイ コンピュータのネットワーク名を含むテキスト
ファイルです。ロケータ ファイルの名前は常に "~PVSW~.LOC" であり、MicroKernel はオープンさ
れたファイルのディレクトリにロケータ ファイルを作成します。このようにして、MicroKernel エ
ンジンには、そのディレクトリ内の全データ ファイルのオーナーシップが与えられます。ゲート
ウェイの割り当てを永続的にするには、このファイルの属性を読み取り専用に変更します。読み取
り専用に変更するには、以下のようにattribコマンドをコマンド ラインから実行してください。
C:\Data>ATTRIB +R ~PVSW~.LOC
または、以下の Gateway Locator ユーティリティを使用して、永続的割り当てを設定および変更
することもできます。永続的に割り当てられたゲートウェイを使用しており、かつ、Workgroup
内のコンピュータの数が増加した場合には、Workgroup エンジンの代わりに Server エンジン
をインストールし、ゲートウェイとして機能させることもできます。このことが可能なのは、
Windows用の Pervasive PSQL Server エンジンが、リモート データ ファイルを開く要求を受け取っ
たときに Workgroup エンジンと同様にロケータ ファイルを作成および管理できるためです。
Gateway Locator ユーティリティ
Pervasive PSQL Workgroup エンジンには、ロケータ ファイルの内容を表示および変更するための
非常に簡単なユーティリティが含まれています。ディレクトリを選択するだけで、現在アクティブ
なゲートウェイを表示できます。ディレクトリ内のファイルに固定ゲートウェイを割り当てる場合
は、[変更] をクリックしてください。固定ゲートウェイの割り当てを作成/削除することもできま
す。
Pervasive PSQL Workgroup のリリースについて
リダイレクト ゲートウェイ ロケータ ファイル
リダイレクト ゲートウェイ ロケータ ファイルにより、マルチディレクトリ データベースのトラン
ザクション アトミシティが保証され、複数のデータ ディレクトリにまたがるゲートウェイ エンジ
ンの名前を容易に変更することができます。
リダイレクト ロケータ ファイルは、Workgroup エンジンを直接指定するのではなく、Workgroup
エンジンを指定するゲートウェイ ロケータ ファイルを指示します。たとえば、アプリケーション
がディレクトリ A、B、C を使用しており、これらの各ディレクトリに含まれているリダイレクト
ロケータ ファイルが、ディレクトリ D にあるゲートウェイ ロケータ ファイルを指示しているとし
ます。ディレクトリ D にあるゲートウェイ ロケータ ファイルでは、Workgroup エンジンが起動し
ているコンピュータを指定することによって、ディレクトリ A、B、C、D にあるすべてのデータベ
ースのトランザクション アトミシティを保証します。
ディレクトリ D にあるロケータ ファイルが固定ゲートウェイを指定するか、最初のエンジンによ
って動的に作成されてそれらのファイルをオープンするかにかかわりなく、すべての指定ディレ
クトリが同じゲートウェイ エンジンを使用することが、このアーキテクチャによって保証されま
す。いくつかのディレクトリに対して永続的に割り当てられたゲートウェイ エンジンを変更する
ことを決定した場合、リダイレクト ロケータ ファイルでそのような変更を行うには、ロケータ フ
ァイルを全部ではなく 1 つ変更するだけで済みます。固定ゲートウェイが指定されているかどうか
にかかわらず、指定ハード ドライブ上のすべてのデータが同じゲートウェイ エンジンを使用しな
ければならないように指定することができます。リダイレクト ロケータ ファイルの詳細について
は、『Getting Started with PSQL Workgroup』のマニュアルを参照してください。
License Administrator
License Administrator ユーティリティでは、ライセンス キーの適用、ライセンスの削除、ライセン
ス情報の表示が可能です。このユーティリティには、GUI インターフェイスとコマンド ライン イ
ンターフェイスが含まれています。Pervasive PSQL ライセンス キーを使用すると、Pervasive PSQL
エンジンに一定数のコンピュータが同時にアクセスできます。
Pervasive PSQL for Workgroups では、データベースに対する最大 5 つの同時接続がライセンスさ
れています。このライセンスは、インストール時に各 Workgroup エンジンに適用し、リモート接
続の数を 5 までに制限します。アプリケーション データへのアクセスに使用されるシステムごと
に、Workgroup をインストールする必要があります。
Pervasive PSQL Workgroup のリリースについて
Pervasive PSQL にクライアントとしてアクセスする各コンピュータは、1 ユーザーとしてカウント
されますが、カウントされるユーザーにはローカル (ホスト) コンピュータ上のアプリケーションか
らのアクセスも含まれます。単一コンピュータ上の複数アプリケーションは、1 ユーザーとしてカ
ウントされます。ユーザーはネットワーク アドレスによってカウントされます。
NetBIOS を使用したネットワーク
Pervasive PSQL Server 製品と Workgroup 製品は、どちらも同じネットワーキング コンポーネント
とともに出荷されるため、Workgroup エンジンを Server エンジンにアップグレードするのは簡単
です。クライアント側のリクエスタは、いずれかのタイプのエンジンに接続します。
Pervasive Network Services Layer は、NetBIOS を使用して、ネットワーク上のエンジンや、サポー
トされている他のプロトコルとメソッドを検索できます。Microkernelルーターは、以下のいずれ
かの方法でネットワーク上のリモート エンジンを検出します。
• Windows Server エンジンによって作成された名前付きパイプ
• DNS (TCP/IP 用の Dynamic Name Service)
• NDS (Novell® NetWare® ディレクトリ サービス)
• NetWare バインダリ
NetWare および Windows® 2000/XP/2003 では、エンジンがクライアント リクエスタからユーザー
名を取得し、そのユーザーのプロキシとして機能してファイル アクセス権を決定します。クライ
アントがファイルをオープンするときには、常にエンジンがアクセス権を実行します。この機能
は、Windows 98/Me では提供されていません。したがって、ログイン ユーザー名に割り当てられ
た権限に基づいて Workgroup エンジンがオペレーティング システム レベルのファイル セキュリ
ティを確保することはできません。小規模なオフィスは、Workgroup エンジンに最適な環境であ
り、ネットワーク専門家を必要とすることなく、ユーザーが簡単にデータにアクセスできます。
ファイル レベルのセキュリティのみが、使用可能な認証・承認メカニズムというわけではありま
せん。PSQL v9 Workgroup には、データに対するファイル レベルの権限を持つユーザーを使用せ
ずにファイルにアクセスするためのサポートが含まれています。詳細については、『Advanced
Operations Guide, セキュリティ モデルと概念』を参照してください。
トラブルシューティングおよび Workgroup の最適化
問題が発生している際にまず考慮すべき事柄の 1 つは、最新のサービス パックを実行しているか
を確認することです。Pervasive PSQL のサービス パック リリースには、問題解決につながる可能
性のある機能強化およびアップデートが盛り込まれています。最新のサービス パックは、AGTECH Web サイト (http://www.agtech.co.jp/download/update/pervasive/index.html) からダウンロ
ードすることができます。
最初の接続での時間遅延
ここでは、アプリケーションがファイル アクセスを初めて開始するときにいつも遅延が発生して
いる場合に検討すべきいくつかの方法を示します。
• 以下のコマンドを使用してスタートアップ フォルダにエンジン アイコンを追加し、ファイル
サーバー上でデータベース エンジンが起動することを確実にします。
C:\Pvsw\Bin\W3dbsmgr.exe -SRDE
• Windows 98 マシンでは、以下のレジストリ キーを追加します。
Pervasive PSQL Workgroup のリリースについて
[HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\
RunServices]
"Pervasive PSQL Workgroup" = "C:\\Pvsw\\Bin\\W3dbsmgr.exe -SRDE SERVICE"
このレジストリ キーは、ユーザーがログオンする前にエンジンを起動します。この場合、トレイ
アイコンは表示されません。ですから、その時点のエンジンの状態を示す目に見えるインターフェ
イスはありません。
ゲートウェイ トポロジを実行している場合に、ファイル サーバーでエンジンが起動していないと
きには、初回接続時の時間遅延はより重要な問題となります。以下を実行できます。
• クライアント設定でサポートされているネットワーク プロトコルの数を減らし、未使用のプロ
トコルが試行されないようにします。たとえば、トポロジに NetWare エンジンがない場合 (ほと
んどの Workgroup トポロジに当てはまる)、サポート プロトコルから SPX/IPX を削除できます。
• ゲートウェイの永続性を有効にします。ゲートウェイ環境での初回接続で発生する遅延を実質 的に排除するには、コンピュータでエンジンが起動していない場合にレジストリに書き込むよう
にクライアント Microkernelルーターに指示します。接続の失敗が記録されると、Microkernelル
ーターは、コンピュータ名をレジストリに保管し、アプリケーションが次回開始されるときにそ
のコンピュータ上にあるエンジンに接続を試行しないようにします。Microkernelルーターは、
現在のゲートウェイを判別するための次のステップへと直ちに進みます。
注意 :
デフォルトでは、ゲートウェイ一貫性保守は OFF に設定されていますが、これはエンジンの
数・配置の変更を許可しないようにするためです。ファイル サーバーにサーバー エンジンを
追加する場合は、設定ユーティリティを使用して、Workgroup 内のコンピュータごとにゲー
トウェイ一貫性保守を OFF に設定する必要があります。
バージョン 6.15 からの移行
Pervasive PSQL Workgroup のリリースは、再コンパイルしなくても、すべての Btrieve アプリケー
ションとの互換性を持つことは言うまでもありません。従来のアプリケーションでも、本書で説明
した PSQL v9 の利点のほかに、PSQL v9 のさまざまな機能強化 (強化されたセキュリティ、OS のサ
ポートなど) を活用することができます。
まとめ
Pervasive PSQL Workgroup のリリースでは、費用も管理も少なくて済む自己調整型のエンジンが
提供され、このエンジンがネットワーク上にあればユーザーは常にデータに接続されます。これに
よってデータの信頼性が向上しますが、最も重要な点は、Btrieve 6.15 MEFS ベースの古いエンジン
よりもデータ共有がはるかに高速化されていることです。多数のクライアントとデータを共有しな
い小規模のオフィスおよびワークグループにとって、Pervasive PSQL Workgroup は理想的なソリ
ューションとなります。
Pervasive PSQL Workgroup のリリースについて
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付録 A: Workgroup と Server の比較
Pervasive PSQL の Workgroup エンジンおよび Server エンジンは、共通の Pervasive PSQL コード ベースのテク
ノロジを活用します。この共通のコード ベースは、すべての PSQL v9 エンジンで同様に動作するため、エン
ジンの安定性と信頼性を保証するだけでなく、構成にかかわらず管理および配備を簡素化します。これらの
エンジンでは、API、キャッシュ、クライアント、ファイル、カーソルおよびロック管理が共通しており、永
続性に関するトランザクション ロギングのほか、アーカイブ ログ、Continuous オペレーション、その他すべ
ての MicroKernel 機能がサポートされています。
Pervasive PSQL Control Center (PCC) およびすべての関連ユーティリティは、どちらの製品にも含まれていま
す。PCC は統合されたデータベース管理フレームワークであり、ユーティリティ (SQL Data Manager、Btrieve
要求テスト用の 32 ビットの Function Executor、設定ユーティリティ、Pervasive Monitor ユーティリティな
ど) を起動するためのプラットフォームとして動作します。
機能
Server
Workgroup
データベース エンジンがインストールされていないファイル サーバー上のデータにアクセス可能。
a
Windows 98、Me、XP サポート
a
Windows 2000、Server 2003 サポート
a a
Linux サポート
a
小規模グループのためのマルチユーザー
a 6 ~数千ユーザーの規模
a
1 ~ 5 までの同時ユーザー数のサポート
インストール時にWindows サービスとして登録
a
a
a
OS レベルのセキュリティを確保
a
非同期 I/O
a
Backup Agent™
a
DataExchange™
a Btrieve、ODBC、OLE-DB、JDBC、PDAC、ActiveX サポート
a a
リレーショナル サポート ( オンライン バックアップ、 セキュリティ、 参照整合性、 管理ツールなど )
a a
全てのプラットフォームおよびエンジン バージョンにまたがるバイナリ互換データファイル
a a
a a
オンライン ドキュメントの付属
a a
簡便なプラグ アンド プレイによるアップグレード。 アプリケーションの変更は不要
Pervasive PSQL Workgroup のリリースについて
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付録 B: PERVASIVE PSQL バージョン比較ガイド
機能
Btrieve 6.15 V8 v9
~P.SQL 2000i
Btrieve API 再構築された GUI ユーティリティ(Pervasive Control Center) a
a
a
a
a
新 DDF 管理ツール (DDF Builder 4.0) a
ユーザー定義関数- CREATE 関数
a
システム ストアド プロシージャ
a
SQL アウトライン ビュー
a
バルク データ ユーティリティ
a
設定プロパティ ユーティリティ
a
コマンド ライン モニタ ユーティリティ
a
データ定義言語 (DDL) ユーティリティ
a
可変レコード レイアウトに対する SQL サポート
a
レコード内の配列に対する SQL サポート
a
a
64 GB のテーブルサイズ (注:Btrieve 6.15では最大 4 GB)
a
256 GB のテーブルサイズ (注:v9 SP1 では最大 128 GB)
a
256 GB の最大ファイルサイズ (注:v9 SP1 では最大 128 GB)
a
16K のページサイズ (注:v9 SP1 では最大 8 K)
a
ファイル バージョンの自動アップグレード
a
フリーオンライン SDK ODBC 3.51 準拠
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Backup Agent 対応(バックアップ)
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Windows 2000/Server 2003 および Linux のサポート
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DataExchange 対応(複製/同期)
Pervasive PSQL Workgroup のリリースについて
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連絡先
株式会社 エージーテック
〒101-0054
東京都千代田区神田錦町 1-21-1
昭栄神田橋ビル 3F
[email protected]
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特記事項: 本書に示されたパフォーマンスは、参照のみを目的としています。同様の構成においても、そのようなパフォー
マンスを保証するものではありません。
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WP0106B07