第 3 回 NST 専門療法士教育研修 報告

第3回
NST 専門療法士教育研修 報告
今年度で通算第 3 回となる国立病院機構鹿児島医療センターNST専門療法士認定研修が平
成 25 年 1 月 28 日から 2 月 8 日の期間の水曜日を除く平日午後 8 日間(合計 40 時間)に渡り開
催されました.当院は日本静脈経腸栄養学会認定のNST専門療法士実地修練研修施設であり,
同指導責任者(認定医)であるリハビリテーション科医長の鶴川俊洋が今回も認定研修の責任者
となり,リハビリテーション科スタッフの全面協力のもと開催いたしました.今回は鹿児島県内
の 1 病院から看護師 2 名・理学療法士 1 名,
院内から薬剤師 1 名の合計 4 名の受講となりました.
また当院看護部から 1 名のみ(講義受講のみ)の参加を受け付けました.
研修プログラム(合計 40 時間)内訳は,NST回診参加・NSTカンファレンス出席・嚥下
回診参加:5 時間,講義受講:18 時間,栄養評価実技(間接熱量計計測など)
:2 時間,その他
(情報収集,カンファレンス準備,レポート作成など):15 時間となりました.講義(各 30 分
~1 時間)は医師・歯科医師・管理栄養士・薬剤師・看護師・言語聴覚士・医事専門職が講師と
なり実施されました.内容は,①NST活動における医師の役割,②栄養スクリーニング方法,
③経腸栄養剤・栄養補助食品の種類と選択及び問題点,④静脈・経腸栄養剤の種類と選択の問題
点,⑤嚥下訓練食紹介,⑥栄養障害の抽出・評価,⑦脳卒中と栄養,⑧褥瘡と看護管理,⑨消化・
吸収,⑩栄養と代謝,⑪心不全・呼吸不全と栄養管理,⑫集中治療の栄養管理,⑬診療報酬,⑭
がん患者の口腔ケア,⑮感染対策,⑯摂食嚥下障害,⑰脳卒中と口腔ケア,⑱エネルギー代謝,
と非常に多彩でそれぞれが昨年よりもさらにレベルアップした内容となりました.特に⑤⑪⑭⑱
は過去 2 回にはない講義でしたのでより充実した講義を企画できたのではないかと思います.
症例報告は最終日までに受講生各々に栄養障害が疑われる対象症例 1 例をレポートとしてま
とめて提出していただき,最終日に研修修了証明証を各々に授与し,全日程を終了いたしました.
2 週間という長期プログラムでしたが,受講生は自病院の仕事との並行で、かつ遠方であった
にもかかわらず一日も休むことなく参加され,有意義な研修であったようでした.またプログラ
ムを企画し,講義などを実践した当院スタッフも日ごろの知識の整理をすることができると同時
にこの分野の奥深さを感じた 2 週間でした.
課題としては,今年度当院のNST活動が縮小化していること,今回の研修にあたり十分な講
義スペースや人的サポートを確保できなかったことなど,が挙げられます.過去 2 回の研修生の
中から 2 年続けてNST専門療法士受験合格生が誕生しており,これまでは質の高い研修を提供
しているといえたのですが,今回は研修としては不十分な点が多く,今後の開催内容につきまし
ては再検討が必要と考えています.平成 25 年度の研修開催につきましても,これまで同様に当
院ホームページ上でご案内いたしますのでよろしくお願いいたします.
(文責
リハビリテーション科医長
鶴川俊洋)