IT によって変化するライフスタイル 4グループ 中村健三郎 門前英輔 鐵 寛子 常深友美 水谷聡子 目次 1 はじめに・・・中村健三郎 P. 1 2 IT によって変化する「娯」 ・・・門前英輔 P. 2 3 IT によって変化する「学」 ・・・中村健三郎 P. 7 4 IT によって変化する「衣」 ・・・水谷聡子 P.12 5 IT によって変化する「食」 ・・・鐵 寛子 P.16 6 IT によって変化する「住」 ・・・常深友美 P.20 7 あとがき ・・・門前英輔 P.24 8 参考文献 P.25 2 10151252 中村 健三郎 1.はじめに そもそも IT とは「information technology」という言葉の略で、情報技術という意味で す。社会にこの言葉が出てきてから、我々の生活や会社の様子が随分と変化しました。 日常的に変化した最大の事は携帯電話でインターネットができるという事だと思います。 その事により、我々は携帯電話から色々な情報を手に入れる事ができるようになりました。 例えば、飲み会がある時でも終電を調べて、ギリギリの時間までいる事も可能です。このよ うな事ができるようになり、大変便利になりました。 社会的に変化した事は、会社に IT 革命が起きて、日本の製造業の製造スピードが随分と 速くなりました。シャープは携帯電話の製造ラインに IT を導入し、製造時間を大幅に短縮 する事に成功しました。他にも会社間どうしの情報のやり取りも早くなり、さらには企業と 我々の生活を近くする事にも IT は役立っています。 もはや私たちの生活に完全に IT が関わらない事は考えられなくなってきています。そし て IT 化の波はまだ終わりではなく、数年前に始まったばかりなのです。 このような日常的、社会的に IT 化される事によって、様々な事が次々と起きています。 私たち4グループは我々の生活を、「娯楽」「学習」「衣服」「食事」「住まい」の五つの視点 に分けて、これからどのようにそれぞれの分野に IT 化の波が押し寄せ、変化するかを探っ ていきたいと思います。 3 10151411 門前 英輔 2.ITによって変化する「娯」 〜メディアの変化〜 1.はじめに 私たちが家で生活する中で、娯楽を感じるのは何をしているときだろうか?ほとんどの人 がTVを見たり、インターネットをしている時が娯楽を感じるときではないだろうか? 私たちが普段何気なしに見ているテレビ(放送)も、これからはデジタル化に伴い多チャ ンネル時代に入って行き、またインターネット(通信)も私たちの生活では欠かせない娯楽 になっている。このプロジェクトでは今まで私たちの生活の中で一番の娯楽であったテレビ が、ITの発展にともなって「テレビを見る」という娯楽に、どう変化を与えていくかを見 ていきたい。その中で新しいビジネスモデルを探っていきたいと思っている。 2.放送の娯楽 〜地上波デジタル放送〜 私たちが現在見ているテレビは、アナログ放送である。しかし、このアナログ放送は20 10年を目処に廃止され、新しくデジタル放送が開始される。2003年には、先陣を切っ て3大都市圏でスタートされる。簡単に言うと、現在私たちが家で見ているテレビ本体がデ ジタル放送対応でなければ、電波を受信できなくなり、テレビを見ることができなくなるの である。つまりデジタル放送に対応した新しいテレビを購入しなければならないのである。 このデジタル対応のテレビには、ハードディスク搭載の物も出てくるとも言われている。 (こ のデジタル化に伴い、家電業界は「10年間で40兆円に及ぶ巨大な市場が出現するので は?」と期待されている。) しかし、デジタル化が叫ばれているなかでも、一体何がどうなるのかということがハッキ リとわかる人は少ないのではないか?今回は娯楽の変化ということがプロジェクトの目的 なので、デジタル化でどうなるか?ということをここで示したいと思う。 デジタル放送とアナログ放送の大きな差としては、情報を圧縮できるという点であろう。 この情報を圧縮できるということが、 「多チャンネル化」 「高画質化」 「双方向化」 「データ放 送」ということにつながるのである。「多チャンネル化」に関しては、文字が示すとおり、 今までのチャンネル数の何倍ものチャンネル数ができ、視聴者にとっては見たい番組が増え る。 「高画質化」は、デジタルハイビジョンとも呼ばれている。データ量が圧縮されるので、 今までよりも多くのデータを送り込める。そのため高精度な画面を見ることが出来る。「双 方向化」に関しては今までのアナログ放送ではできなかった特徴である。今までは一方的に 放送し、一方的に見るだけだったが、これによって見る側からの発信も可能になった。それ 4 に伴い、現在BSデジタル放送で人気が集まっているのはクイズ番組という結果になってい る。このクイズ番組では、われわれ視聴者が、テレビの前で番組の出演者と共に問題に参加 でき、その場で全国ランキングなども出るというものだ。しかしまだ問題が残されており、 今後どううまくこの特徴をビジネスに繋げることが出来るか、が焦点になってくるだろう。 「データ放送」は、リモコンを使って、番組表示や番組検索をテレビ画面上で行う「EPG (電子番組案内)」というシステムが代表的なものである。これは多チャンネル化に伴うも のである。またデータ放送の中には番組に連動したもの(料理番組のレシピやサッカーの選 手データなど)や、番組にまったく関係のないニュースや天気予報などを表示することもで きる。 以上のような点がデジタル放送の主な特徴になる。この時点でもわかることだが、今まで の「テレビを見る」ということにプラスされて「テレビを使う」という時代になっていくこ とがわかってもらえたであろうか。この変化によってテレビの娯楽性が増し、番組を選ぶ選 択肢が多くなるのだが、それが我々にとってプラスなのかが心配されることである。 次に地上波デジタル放送における放送局側のメリットは何なのか、という点で考えてみた い。一番大きいことは、先述の特徴によって様々なサービスを視聴者に提供することができ るようになる事だ。言い換えると、ビジネスチャンスの拡大につながるのだ。また番組制作 の多様性・効率化や、双方向により視聴者との一体感も得ることが出来る。以上の点が放送 局のメリットだが、その反面デジタル化にかかる費用が莫大なものであるという点や、テレ ビ局にとって収益にかかわる視聴率が多チャンネルによって分散しないかという点、多チャ ンネル化することにより番組の内容の質が落ちないのか、など色々心配される点は多い。 3.通信での娯楽 私たちの生活において近年最も成長してきた娯楽というのは、インターネットである。回 線があれば誰でも楽しめるという手軽さ、またEメールの使い勝手の良さがうけて日本では 約 4,619 万 6 千人の人が普段の生活の中で使用していると予想されている。 近年日本においてのインターネット環境はブロードバンドが普及しつつある。このブロー ドバンド人口はまだまだ少ないのだが、2004年にはブロードバンドユーザーが日本国内 で1460万人達し、インターネット人口の30%を占めるようになると予想されている。 ブロードバンド、つまり高速大容量通信がもたらすインターネットの利用の変化をここでは 紹介したい。 現在インターネットでどういうコンテンツを利用しているのか、という質問をインターネ ット利用者に聞いた調査結果がある。この調査結果によると、ユーザーの約90%の人々が 「情報検索サービス」を利用している。その後には「ニュース」などが続いている。この結 果は現在のインターネット環境、つまり非ブロードバンドな状況が大いに影響した結果であ る。この次の調査結果に、将来利用を希望したいコンテンツは?という質問には次のような 5 結果が出ている。なんとユーザーの約70%の人々が「インターネット放送」を一番に上げ、 以下「音楽配信」「オンラインゲーム」を利用したい、という結果が出ているのである。こ の結果の差というのは明らかにブロードバンドにあるのは間違いない。高速大容量通信によ り、動画をスムーズに見ることができるということがこの結果を生んだのだが、この「イン ターネット放送」についてもう少し詳しく見ていくことにしよう。 現在YAHOO!JAPANにインターネット放送のコンテンツは200近く登録され ている。その内容は株式から音楽配信まで様々だ。今以上に重要な役割を果たすと思われる このインターネット放送に、なぜみんなが期待するか。それにはもちろんいくつかの理由が ある。その理由としてまずブロードバンドを低価格で楽しめるようになったということがあ げられる。今では当たり前になった「常時接続・定額固定」というサービスがなくては、も ちろんインターネット放送を利用したいという考えにはならない。また、ほかの理由として 「好きな時間に自分の好きな番組をみることができる」という点においてもインターネット 放送が期待される大きな理由だ。今までダウンロードしてから見ていたものが、ストリーミ ングという技術により、コンサートや野球中継などのリアルタイムの放送にも対応できるよ うになったのもまた理由のひとつだろう。 このようにインターネット放送も技術が上がり、地上波デジタル放送も始まるという現状 なのだが、今後この二つはどのような関係になっていくのだろうか?「放送VS通信」とい う世界になるのか、 「放送+通信」という世界になっていくのか。それを次の章では考えてい きたいと思う。 4.放送と通信 今まで見てきたように、放送の世界では「デジタル化」、通信の世界では「インターネッ ト放送」が将来飛躍を期待されているわけだが、この二つはどういう形になっていくかを考 えてみた。デジタル化は、今まで放送の世界ではできなかった双方向でのコミュニケーショ ンを可能にさせた。インターネット放送は、ブロードバンドによってリアルタイムな映像配 信が可能にさせた。今までお互いが棲み分けてきたものが、技術の進歩により領域が曖昧に なった。これは一見「放送と通信」が対立するのではないかと思うかもしれないが、しかし 「放送と通信」は集合という形で将来飛躍していくだろう。なぜなら私たち視聴者にとって 娯楽性が増すからだ。しかし通信産業、放送産業から見てみると新市場の開拓を迫られてい るということになり、これからメディアという一つの枠組みの中で激しい争いがあるのは間 違いない。 ここまでで私たちの生活に大きく関わっているテレビに、もうすぐで大きな変化が起ころ うとしているのはわかっていただけたのではないだろうか。私たちは今や「テレビのパソコ ン化」「パソコンのテレビ化」によって、自分の好きな番組を好きな手段で見るという域に 達しようとしているのである。また映像を見ると言うこと以外に、そこに発生する様々なサ 6 ービスが自分にとっては必要なのか、そうではないのかということも判断しなければならな い時代になってきた。またこの変化は、今まで私たちが朝刊のテレビ欄を広げ、今日はこれ を見ようと決めていた動作をしなくなるかもしれないということも意味している。毎朝届い ていた新聞もすべてが画面上で済まされ、ビデオもなくなり、ハードディスクやDVDがそ の代わりをするということにもなるかもしれない。 このような世界になりつつあるなかで、次のような心配の声も聞かれる。新しいメディア の登場や情報端末の高機能化は、さまざまな情報を氾濫させ、その結果、利用者が自分の必 要とする情報になかなかたどりつけないような事態も危ぐされる。また、だれもが簡単に情 報を発信できる社会では、無責任な情報が流され、個人のプライバシーや人権を傷つけるお それも生まれている。また、人によって情報に接する機会に大きな差が出て様々な面で不平 等が生じるという問題も起きてくる。例えば、高齢化がいっそう進む社会において、心身の 機能の衰えや障害、あるいは経済的理由から不利益をこうむる人々が常にいて、情報社会の 中にあって、だれもが安心して生活できる情報バリアフリーを推進していくことも、デジタ ル化やブロードバンド化される中では大事になってくるのではないではないか?というこ とだ。 このようにITがメディアに入ってきたことにより、まさにわれわれの生活全体の流れが 変わろうとしている。 5.ビジネスモデル ここまで放送と通信が集合するということを述べたが、実際、集合化した中からどういっ たビジネスを見つけることができるだろうか?次の時代を考えていくと、まずプロバイダー と放送局が合同でビジネスモデルを作ることができるだろう。プロバイダーは低価格でイン ターネット利用者を増やすことをまず目標とし、放送局はコンテンツの充実を図らなければ ならない。現在多チャンネル化されているのは644万世帯。それが何年か後、日本の全世 帯になると考えれば、そこに生まれるビジネスチャンスというのは計り知れない。しかし、 その反面この流れに少しでも遅れたら大変不利な状況になる。それはもちろんプロバイダー や放送局もそうなのだが、携帯電話会社も不利になるだろう。というのも地上波デジタル放 送はデータが圧縮されるため、携帯電話でも受信が可能になる。つまり、携帯電話はインタ ーネット、デジタル放送の二つを受信できるようになる。この携帯電話における市場も日本 では発達しているため、将来のビジネスチャンスとしては十分見込めるところだ。さて、そ こで考えられる新しいビジネスモデルだが、今現在テレビというのは大衆に向けて放送され ている。しかし、プロバイダー、多チャンネル、携帯電話を使えば個人向けのメディア産業 が完成する。具体的に見ていこう。例えば、サッカーが好きな人がいるとする。その人は携 帯電話で試合の予定をデジタル放送のEPGから探し、データを自宅のテレビへ転送し、試 合時間になると録画を開始、テレビのハードディスクへ保存する。保存されたものはネット 7 上に上げられ、いつでもその試合をパソコン一台あれば見ることができる。そんな時代が来 てもおかしくはないし、また携帯電話が小型テレビとして活用することもできる。今小型テ レビが出ているが、アンテナの受信状況が悪ければ画像が汚いと言う理由で売れなかった。 しかし携帯電話ではデジタル受信が可能なのでそんな心配もいらなくなるだろう。このビジ ネスを成功させるためには、プロバイダーは契約者に対してできるだけ安く、また個人向け の容量をどれだけ用意できるかが、各社の競争する点だろう。放送局は個人向けに番組を作 っていては莫大な制作費がかかってしまう。だからできるだけ多くの人に受け入れられる番 組を安く作るところが課題であろう。携帯電話会社は第4世代携帯電話を多くの人に安く提 供することが課題である。具体例に出したビジネスモデルで成功を収めるかはわからないが、 プロバイダー、放送局、携帯電話会社各社がメディアの変化とニュービジネスの波にうまく 乗ることができれば大きな収益モデルになることは間違いない。 6.まとめ いま私たちの生活はITによって本当に大きく変わろうとしている。今放送業界では将来 に向け各社がいろいろな取り組みを行っている。その中でブロードバンド放送を試験的では あるがはじめている。将来私たちの生活はユビキタス時代になる。「ユビキタス」の意味が 示す通り「だれでも、いつでも、どこでも」娯楽としてのテレビを楽しむ時代がまもなくや ってくる。 8 10151252 中村 健三郎 3.ITによって変化する「学」 1. はじめに 現在の社会には様々な資格が溢れています。ですがその資格を取る側である我々学生や、 社会人の人たちは、それらの資格を十分に勉強する時間を作るのは、学校やバイト、会社が あるために非常に難しいです。そこでその様な人たちをターゲットにした、自宅にいながら、 専門学校でする資格の勉強をできるシステムを開発した所があります。私はそのシステムが どのような物かという事と、そのシステムがどのような物に応用できるかを考えていきたい と思います。 2. 専門学校 TAC TAC とは様々な資格試験を対象にした授業を行っている専門学校です。この専門学校は設 立時から、個人が企業を越えて力を付ける事を目的に運営されており、公認会計士や税理士 などで、高い合格率をあげております。 授業形態は、以下の六点があります。 ・ 教室講座・・・決められた日程・時間にあわせて通学する学習スタイルです。教室講座 のメリットは、受験指導のプロである講師に接し、情熱あふれる授業が受けられるとと もに、疑問点をその場で解決することができます。 ・ ビデオ講座・・・通学したいが仕事や学校の都合で決まった時間の授業に出席できない 方のための講座がビデオ講座です。ご自身のスケジュールに応じた都合の良い日を予約 して、TAC ビデオルームで、臨場感あふれる教室講座の生録ビデオで学習できるスタイ ルです。 ・ 通信講座・・・TAC の通信講座は在宅学習の不利を感じさせない工夫がされています。 教室講座と同じオリジナルテキストを使用し、添削指導も充実しています。 ・ 衛星講座・・・「SKY Perfec TV!」で衛星講座を開講しています。講座は、リアルタイ ムでの配信。講義は、ベテラン講師によるスタジオ収録で最新の電子黒板を使用したデ ジタル映像が配信されます。衛星講座の開講によって多忙な方や地方在住の受験生も自 宅でリアルタイムに TAC の授業をご覧いただけます。 ・ Computerized Learning System(CLS講座)・・・TAC の合格ノウハウを満載した、 パソコンによる超効率的、効果的な学習システムです。CLS 学習ソフトは、TAC が永年の 国家資格受験指導で培ってきた合格ノウハウとパソコンの事務処理能力とを有機的に結 9 合させた、TAC ならではの画期的なパソコン合格ソフトです。 ・ Web 講座・・・インターネットを利用したオンライン学習講座です。 TAC Web 講座の大きな特長は、学習画面に「動画」をとりいれたことです(一部の講座 を除く)。例えば、ある単元の説明の場合、画面に講師が登場し解説を話し、同時にテ キストやポイントフィリップなどが映し出されます。目と耳に訴えることで、バーチャ ル効果はさらに高まります。 (以上 TAC ホームページより抜粋) 以上の六点の中で、これからさらに伸びると思われる最後の二つに付いて詳しく探ろうと 思います。 3. Computerized Learning System(CLS) Computerized Learning System とは先に説明しましたとおり、TAC の開発した合格ソフト です。このソフトには様々な機能がついており、このソフトを完全に仕上げれば資格テス トで合格できると宣伝されており、落ちてしまっても授業料の80%が返還される仕組み になっています。 私がこのシステムが何故伸びるのかと思うのは、このソフトは教科書とテストを兼ねて いるようなソフトで、このソフトに入っているテキストを読んでいる時に、マスクボタン というボタンを押せば、重要語句が隠れ穴抜き問題のようになり、αボタンを押すと、選 択形式のテストに成るのです。 そしてこのソフトの面白いところは自分がいつ、どの分野を何回学習したか、また苦手 な分野はどこなのかを一目で把握できるので、本試験まで何をすべきかパソコンで管理で きるというところです。つまり自分の勉強過程や苦手分野、どのような勉強でそれを克服 するかがすぐに分かるのです。そして、当たり前の事ですが、非常に重要な事は、パソコ ンさえあれば、いつ、何処でも勉強ができるという事です。 私はこのシステムはこれから先、非常に伸びていく物と思われます。何故なら、非常に 色々な事に応用できるからです。例えば、受験勉強の時などは、自分の苦手な所がすぐに 分かり、何回も復習できるのです。 4. Web 講座 Web 講座とは先程説明したとおり、インターネットを利用したオンライン講座です。こ れだけならばあまり衛星講座と変わらないようにも思えますが、この講座の中に面白いシ ステムがあります。それは i‑support です。 i‑support は、インタラクティブサポートの略で、今までの通信教育では困難だった「受 講生と講師」「受講生と受講生」などの双方向のコミュニケーションを可能にするもので 10 す。例えば、「i‑メール」では学習上の不明点や疑問点はメールでいつでも質問でき、TAC の専任スタッフが答えます。また、受験仲間の情報交換の場所「i‑倶楽部」は、受験生同 士でコミュニケーションやディスカッションの場として利用できるという仕組みです。 このようにインターネットの特徴である、他の学生との交流ができ、もちろん講師との メールも出来るのです。他の学生との交流は今までの通信講座ではなかった特徴です。 5. 不登校生 今までは TAC の中にある授業システムを述べてきましたが、ここでは新しいビジネスの ターゲットについて述べたいと思います。 下の図は文部科学省のホームページより抜粋しました、不登校児の推移です。 不登校児童生徒数(30日以上欠席者) 小学校 区 分 中学校 計 不登 不登 (B)不登 (B)不登 校児 校生 校児童数 校生徒数 (A)全児 童数 (A)全生 徒数 (A)全児 (人)カッコ (人)カッコ 童数 の増 徒数 の増 童生徒数 内 内 (人) ▲減 (人) ▲減 (人) (B/A×100 (B/A×100 率 率 (%)) (%)) (%) (%) (B)不登 校児童生 徒数の合 計(人)カッ コ内 (B/A×100 (%)) 不登 校児 童生 徒数 の増 ▲減 率 (%) 3年度 9,157,429 12,645 (0.14) - 5,188,314 54,172 (1.04) - 14,345,743 66,817 (0.47) 4年度 8,947,226 13,710 (0.15) 8.4 5,036,840 58,421 (1.16) 7.8 13,984,066 72,131 (0.52) 8 5年度 8,768,881 14,769 (0.17) 7.7 4,850,137 60,039 (1.24) 2.8 13,619,018 74,808 (0.55) 3.7 6年度 8,582,871 15,786 (0.18) 6.9 4,681,166 61,663 (1.32) 2.7 13,264,037 77,449 (0.58) 3.5 7年度 8,370,246 16,569 (0.2) 5 4,570,390 65,022 (1.42) 5.4 12,940,636 81,591 (0.63) 5.3 11 - 8年度 8,105,629 19,498 17.7 4,527,400 (0.24) 74,853 15.1 12,633,029 (1.65) 94,351 15.6 (0.75) 9年度 7,855,387 20,765 (0.26) 84,701 13.2 12,336,867 (1.89) 105,466 11.8 (0.85) 6.5 4,481,480 10年度 7,663,533 26,017 25.3 4,380,604 (0.34) 101,675 (2.32) 20 12,044,137 127,692 21.1 (1.06) 11年度 7,500,317 26,047 (0.35) 0.1 4,243,762 104,180 (2.45) 2.5 11,744,079 130,227 (1.11) 2 12年度 7,366,079 26,372 (0.36) 1.2 4,103,717 107,910 (2.63) 3.6 11,469,796 134,282 (1.17) 3.1 (注)調査対象:国公私立小・中学校。 以上の図をみて分かるとおり、年々不登校児の数は増えています。理由は登校の意志は あるが身体の不調を訴え登校できない,漠然とした不安を訴え登校しない等,不安を中心 とした情緒的な混乱によって登校しない(できない)、という不安など情緒的混乱が25, 7%。いやがらせをする生徒の存在や,教師との人間関係等,明らかにそれと理解できる 学校生活上の影響から登校しない(できない) 、という学校上の理由が7,3%。 以上の合計が34%が、人数になおしますと、約四万四千人の生徒は現在ある程度の学 習の意志がある。または将来に不安を感じて学習を始める人たちです。そして他の理由の 者達は、遊び・非行や無気力といった学習の意志、意欲が現在は確認できない人達です。 そして、新たなビジネスのターゲットは前者である四万四千人の人達です。彼らは学校 や、彼ら自身の不安の為に、学校に行けない。人に会えない。義務教育に馴染めないとい った状況になっているそうです。ですが彼らは全くの学習の意志が無い訳では無く、実際 にフリースクールといった義務教育ではない、自分自身の意志で行く学校に行っている人 達もいます。ですが、その学校は正規の学校でないために、高校卒業資格はおろか、中学 卒業資格も認められない事もあります。 そこで次に彼らにどのようなビジネスを行うかを説明したいと思います。 6. 新しいビジネス 先程も言いました通り、ターゲットである不登校生は学校に馴染めない故に、学校に行 けない生徒や、情緒不安定により人と接するのが難しい人達です。そして彼らに中学卒業 検定と高校卒業検定を与えるまでの授業をするのが新しいビジネスです。 12 今現在の彼らは通信制の学校や、フリースクールに通っています。しかし通信制の学校 では本当に人と会話をする機会が無く、フリースクールでは卒業資格が貰えません。そこ で彼らに3と4で説明をしました Web 講座と CLS ソフトを両方受けて貰うのです。授業と しての勉強は CLS ソフトを使いまして、自分に合った時間で勉強して貰います。そして、 Web 講座で分からない問題の質問を尋ねたり、「i‑倶楽部」で同じ境遇にある生徒達と交 流を取って貰い、少しずつ人に慣れて貰うのです。そしてこの勉強の目標は大学入学資格 検定、つまり大検の取得です。大検を取りますと、高校卒業認定だけでなく中学校卒業認 定もして貰えるのです。つまりは中学校を卒業していなくても、大検は取れるのです。 7.まとめ このように不登校生に学習を提供するビジネスを提案しましたが、このソフトとインタ ーネットを使ったビジネスはこれから先、ますます増えてゆくと思います。これからは物 や情報や学ぶことが益々増えてゆき、時間を有効に使わなければ、得られる物が少なくな ると思います。ですから、空き時間や、自分のペースで学べるような学習が注目を集める のです。このソフトに類似のソフトは TLT ソフトという名前で特許を取られていますが、 まだまだソフトだけでは補いきれないものがあると思います。そこを「i―倶楽部」のよう な物で補うビジネスをすれば、まだまだそこにビジネスチャンスはあると思います。 13 10151374 水谷 聡子 4.ITによって変化する「衣」 1.ITによる現状 現在、IT はインターネットの急速な浸透によって、私たちの身近な生活に及んでき ている。しかし現状では、衣服をインターネットで買うより店まで足を運ぶ人の方が多い。 つまり、IT 化が進んでいるといっても、まだまだ不十分なのである。 2.ITで変わるライフスタイル インターネット上には、さまざまなコンテンツ(情報の中身)を載せたウェブサイトが数多 く存在している。店のバーゲン情報を知りたいと思えば、お目当ての店のサイトで、日にち やどんな服が売られているのかを調べることができ、そこへ行くのに必要な電車や時刻表も 調べることができる。しかも「Yahoo!」や「goo」などのサイトにアクセスすれば、こうし たたくさんの情報の中から必要なものを検索できる。 さらにインターネット上では、単に情報を探して閲覧できるだけではない。服や靴を購入 したり、オークションに参加して商品を売買したりすることも可能なのである。これらは、 私たちの消費行動を大きく変えていく可能性を秘めた分野といえる。 2−1.IT が変える消費行動 2−1−1.普段の買い物で経験する「越えられない壁」 普段買い物をする時、私たちは、百貨店、スーパー、ユニクロ、専門店、カタログ通 販などを、その服を着る目的、値段に応じて使いわける。しかし通常、消費者はどの店 でいくらの値段で売っているのか、完全に知ることはできない。何軒も店を「はしご」 するのにも限界がある。 また、自分の好みに合うものを探し出すのには、相当の労力を伴う。探し回った割に、 買い損も多いというのが実情である。店員も良い点しか言わないし信用もあまりできな い。 ネットで買い物をする場合、これらの壁をかなりクリアすることができる。つまり、 消費者は、IT を手に入れたことで、買い物の時に必要な情報の収集能力を高め、より賢 い消費行動をとることができるようになる。 2−1−2.多くの品揃え インターネット上には、百貨店でも太刀打ちできないほどの品揃えを誇る超大型のシ ョッピングモールがある。 14 それだけの品揃えだとかえって買いたいものを探すのが難しくなりそうだが、衣服、 靴と商品別またはブランド別でモール内を検索することができたり、ページの作りが 工夫されていたりするので、売っている店にたどり着くのはむしろ簡単といえる。ま た、モール内の加盟店に共通の「ショッピングカート(買い物かご)」を使って買い物 をするので、店をまたがっての買い物も楽にできるようになっている。 さらに、インターネット上のモールは、百貨店などのように店内が客で混雑するこ とはないし(ただし回線は混雑することはある)、夜の八時や九時で閉店してしまうこ ともない。深夜でも欲しい商品を探すことができる。 このようなモールのサイトにアクセスすれば、消費者はわざわざ店まで出かけなく ても、一ヶ所で幅広い商品を見て回ることが可能なのである。 2−1−3.急速に広がる「口コミ」の輪 企業と消費者との関係は、市場の成熟化に伴って、売り手と消費者が「どういうモノ が欲しいか」についてお互いに情報を交換するようになり、最近では、パソコンなどの インターネット端末を持つ消費者が増えてきたことで、消費者同士の情報交換が盛んに なってきている。IT が消費者行動を変えている様子を示す、一つの象徴といえるだろう。 2−1−4.消費者が値段を決める 最近、利用者が急速に増えているものに、「オンライン・オークション」というサー ビスがある。これは、欲しいものを探している人と不要なものを売りたいと思っている 人を、ネット上で仲介してくれるサービスである。売りたい人が売りたいものをオンラ イン・オークションのサイトに出品し、それを欲しいと思った人が買い取る値段を提示 して、その中で一番高い値をつけた人が落札するという仕組みになっている。 オンライン・オークションは、中古品を売買するという点では特別新しいサービスで はない。フリーマーケットや古着屋を利用すればいいからである。何が違うのかという と、出品数とそこに参加する人が比較にならないほど多いということである。また、欲 しいと思った人が売り手に対して買い取る値段を提示できるというのも異なる点であ る。 2−2.IT 化による問題と解決策 2−2−1.金を支払う時のセキュリティー 問題 ネット上で、セキュリティー上最もリスクが高い決済手段は、クレジットカー ドでの決済である。注文画面に入力したカード番号が漏れ、悪用される可能性があるか らである。例えば、カード番号が盗まれて、買った覚えのない商品の代金を請求される といったトラブルである。 解決策 インターネット通販を行なっているサイトの中には、SSL という、情報を暗 15 号化して送受信するための手順に対応しているところが増えてきた。カード番号が暗号 化されていれば、データが漏れる可能性は小さくなる。もし注文画面が SSL に対応し ていない場合には、そのサイトで買い物をしなければいいのである。 2−2−2.ネット上に出店している店の信頼性 問題 ネット上には誰でも簡単に出店できるうえ、匿名性が高いことから、詐欺目的 で出店をしている悪質な店も中にはある。そのため、代金を支払ったのに商品が届かな い、偽のブランド品を売りつけられるなどの犯罪が起きる可能性もある。 解決策 サイト上に販売責任者や代表者の氏名、住所、電話番号のほか、代金支払い の時期・方法、送料、商品の引き渡し時期などがきちんと明記されているかが一つの目 安になる。インターネット通販は法律上、通信販売にあたり、訪問販売法によってこれ らの項目をサイト上に表示することが義務付けられているからである。その他、更新の 頻度や消費者向けの情報提供サービスの充実度なども、判断の材料になる。 3.IT で変わるビジネス 現在、インターネット上には、これまでにない大量の情報が飛び交っている。IT 化による 産業構造の変化のうち、かなりの部分はこうした「情報の流れ」の変化が直接的、あるいは 間接的な原因となって生じると考えられる。 3−1.IT が変えるビジネス 3−1−1.情報の受発信が容易になる インターネットの普及以前、広く一般に情報を発信するのは非常に手間とコストがか かることだった。企業は消費者に対してさまざまな宣伝を行なっているが、そこで伝達 される「製品情報」は非常に限定されたものだった。例えば、ユニクロなどがしている TV の CM や、TV の番組中に流されるファッション情報などは、効果的な宣伝方法の 一つだが、その中で伝えられるのは、ほとんどが限られた商品のイメージである。ファ ッション雑誌では、もう少し詳しく衣類の紹介をすることができますが、それでもその 商品の特徴をすべて表現することはできないだろう。消費者がそれ以上の情報を得よう とすれば、自ら店まで行って直接店員に尋ねたり、手にとって確かめなければならない。 インターネットによって、この問題はかなり解消された。ホームページ上には、安価 で大量の情報を載せることができるので、企業は公表したいだけの情報を公表すること ができる。店員が説明するより詳しい情報を用意することも簡単である。もちろん、消 費者はすべての情報を見るわけではないが、関心がある情報については自ら探して入手 することができる。企業にとっては、情報発信が容易になるのであり、消費者にとって は情報を入手するのが容易になるのである。 16 3−1−2.価格競争の激化 インターネット上で商品を販売している以上、その価格やサービス内容は、すべてイ ンターネット上に公開されているので、あらゆる競争、特に価格競争が激化することは 間違いないだろう。 価格競争に陥らないようにするためには、サービスや品揃えなど、他の面での差別化 が必須である。しかしそれも難しいのが事実である。ネット上で新たなサービスを開始 すれば、それはすぐに競合企業の知るところとなり、それが効果的なものであれば、競 合企業も短期間のうちにそれを導入してくるからである。 もう一つ、オンライン・オークションの普及がもたらす効果を見逃すことはできない。 中古品は新品に比べて性能や品質により大きなばらつきがあり、消費者が自らのニーズ に適合するものを見つけるのが難しいうえ、持っている情報などの面で販売者側が有利 な立場にある。特に衣類は、その品目の種類が多いことから、需要があるところに適切 な供給が行なわれていないケースもあると思われる。 オンライン・オークションは、これまでの中古市場を本来の意味での「市場」に近づ ける。オークションでは、価格を決めるのは買い手である。企業が定価をいくらに設定 しようと、「それだけの価値がない」と思われたものに、決して高い値段はつかない。 また、売り手と買い手が十分に多くなることで、安定した「適正な」価格が形成される。 価格競争は、インターネット上だけでなく、実店舗にも影響を及ぼすようになる。異 なる仕組みで価格が決まる複数の市場が並存することで、全体の効率性はさらに高まる が、同時に、販売価格の引き下げ要因として働くことになる。 3−1−3.百貨店 百貨店は、IT 革命の恩恵をあまり受けることができないかもしれない。百貨店を通じ て販売される商品のうち、単価が高いブランド品(バッグやアクセサリーなど)は EC で の販売に適しているが、EC で販売するのであれば、品揃えや知識の豊富さといった専 門店の特性が有利に働く。百貨店の特性である、「あらゆるジャンルの商品がそろって いる」ことはあまり有効ではない。異なる売り場へ行くのと同じような感覚で、複数の 専門店を訪れることがネット上では容易なためである。IT 化は小売店の専門化を促進す る方向に働くと思われる。 4.まとめ 今起きつつある IT 革命で変わるのは、情報を巡る環境すべてである。情報の発信者、受 信者が変わり、情報の流れ、使われ方が変わる。ビジネスに影響が生じるのはもちろんのこ と、人々の生活にも大きな影響が生じる。ビジネスへの影響を見ても、結果として最も大き な恩恵を受けるのは、消費者ということになるだろう。 17 10151135 鐵 寛子 5.ITによって変化する「食」 1.はじめに 最近インターネットが普及し、大変便利になっています。知りたいニュースは即知るこ とができるし、好きなことを追求するツールにもなってくれます。 そこで私たちの生活には欠かせない「食」と IT の関係にターゲットを絞って考えていき たいと思います。 B to C(Business to Consumer)のサービス 2.健康を考えたものを注文できる 本格的な EC 時代の到来を受けてインターネットを通じて商品やサービスを提供する企 業が急増しているが、加工商品事業の大手「ニチレイ」では日本ユニシスのインターネッ ト通販アプリケーション「ICESHOPS!」を導入して糖尿病食を主体とする健康食品をイ ンターネット上で直販する Web サイトを立ち上げ、固定客やリピート客を着実に増やす など好調に推移している。 ニチレイは独自の冷凍技術を応用して、わが国初の冷凍食品の発売以来、多様化する顧 客ニーズに対応しながら総合食品メーカーとして業界をリードしてきた。また差別化商品 の一つとして低カロリーの糖尿病食シリーズを開発・販売してきた。顧客として爆発的に 増えているインターネット人口をターゲットにした結果インターネット通販につながる のは納得がいく。 導入した「ICESHOPS!」機能概要 ・ショッピング機能 商品検索、商品注文、顧客登録変更、クレーム問い合わせ、カタログ請求登録などイ ンターネット通販に必要な機能全般を装備。多様な取扱商品の分類、表示、関連商品 の購入も可能。 ・運用管理機能 ショッピングサイトの運営をスムーズに行うための機能を装備。商品、顧客、各種運 用環境の設定がすべて Web ブラウザで行える。 ・コンテンツ管理機能 Web サイトのコンテンツを自由に作成し、プロモーション単位、イベント、季節、会 員、商品ジャンルごとにショッピングサイトのテンプレートを作成・変更が通販事業 者自ら行える。 18 ・利用状況分析機能 ショッピングサイトへの訪問者やその属性情報、購買履歴などを蓄積・分析すること で顧客一人ひとりに合わせたマーケティング展開が可能。 ショッピングサイトのほかに、健康などの話題に関する掲示板も設置し消費者の要望を 聞いたり、糖尿病や薬膳の効能などを知りたい人のために「糖尿病ネットワーク」とリン クを貼り、詳細情報が手軽に得られるようにしている。人間にとって健康は大事である。 少々お金をかけてでも健康のため、という人は多いだろう。そういった人に焦点を当てた 効率的な方法であるといえる。 これからの時代はますます高齢化社会になっていくという状況にあるので役に立つだろ う。老人でも簡単に使えるシステムにしておけば利用する人口は今後ますます増えていく に違いない。 3.新鮮なものを直接注文できる 食材インターネット宅配事業を展開する「オイシックス」は鮮魚類の販売を拡大する。 キンメダイの切り身や天然ブリなど二十数品目の取り扱いを開始。神奈川県の三浦半島の 市場などと組み商品を調達する。舌平目や真アジ、マグロの赤身といった三浦の漁港で採 れた魚を市場で14時間以内に加工・処理して真空パック詰めしたという。商品は冷凍状 態で過程に届ける。 これまで魚関係は干物が主体で十品目程度だったが鮮魚や貝類を中心に十五品目を追 加し、また再び七、八品目を新たに増やす。オイシックスは有機・無農薬栽培の野菜を中 心に扱っていた。市場と連携してすぐに加工できるので新鮮で顧客も満足がいくシステム である。これからどんどん増えていくと思われる。 4.安全を確認して注文できる ユニクロによる野菜や果物や米などが購入できる「SKIP」というホームページもある。 野菜がどこで作られたか、生産者は誰なのか、などの情報がわかる仕組みになっている。 これを「栽培履歴」といい、農薬の種類、使用量、使用回数が記録される。商品は SKIP と契約した農業家との信頼関係によってできる。情報が公になる程、作る側も責任感を強 く抱く。 またマルハという会社は水産・農産加工品の新商品「ピュア」シリーズで商品パケット に記載されたバーコードの番号などをホームページ上の専用画面に入力することで、原材 料や産地、アレルギーなどの情報がわかるサービスを始めた。インターネットに接続可能 な携帯電話向けにも情報を提供する。消費者が店頭で商品を購入する際の判断材料にして 19 もらう。 いずれも消費者が興味を示すことで、インターネット上において自分で食品の安全性を 調べることができる画期的な仕組みである。これからは消費者は自分が食べる食材は自ら チェックできる時代になっていくであろう。企業が提供するそういった情報をキャッチし て生活の中に組み込んでいくことは私たち消費者にとって都合が良い。うまく利用してい けば自分にとって理想的な生活が送れるだろう。 5.給食にも IT 学校の給食でも IT が取り入れられた。福井県の中学校では生徒がパソコンを使って毎 日のメニューを選択する「選択制 IT 給食」がスタートした。自分の給食は自分で選ぶと いう自主性を養う狙いがあり、初日は給食の食べ残しもなかった。メニューは和食や洋食 など4つあり、専用のパソコンを使って生徒は1か月先までメニューを選ぶことができ、 選択肢の中ではこれまで通り自宅から弁当を持参することもできる。給食は一食あたり2 50円でカロリーはどれも820キロカロリーを目安に作っている。生徒のコメントは 「お弁当だと冷たいけれど給食は温かいから嬉しい」など。給食のメニューの変更や取り 消しは3日前まで受け付けており、パソコンや携帯電話からでも確認できる。「お昼に何 を食べるか」を生徒自らがパソコンを使って選ぶ新しいスタイルのこの給食。IT によって 以前より食生活を自分が望む環境にしていけるのである。 B to B(Business to Business)のサービス 6.業務用の食材を注文 農産物などの食材を仲介する企業間電子商取引サイトの利用が増えている。外食企業や スーパーなどが生産者との直接取引に活用する。この最大の理由は「既存の取引業者との 馴れ合いをなくし、デフレに対応するために仕入れ原価を抑えたい企業が増えている」と いうことである。 経済産業省などの企業電子商取引の市場推計調査によると 2001 年の食品部門の取引高 は 8170 億円で、2006 年には約十倍に拡大すると予測している。 野菜の場合、全体の7〜8 割は青果市場での取引といわれ、具体的には生産者から農協 の集荷場、さらに卸や仲卸を経て小売に至る。こうした複雑な経路で生産・流通履歴をさ かのぼるのは容易ではない。食材取引サイトを利用すれば、受発注業務を自動化+商談プ ロセスの合理化による時間・経費の削減=処理時間・コストの削減が可能になるのである。 また食材取引サイトを利用する店側は生産者と直接情報交換できるので安全性の高い 食材を安心して仕入れることができるという。ただし情報交換できるといっても開示情報 20 の正確さに責任がある。安全チェック機能を磨き、生産者を選別するなど制度を高める努 力が欠かせない。 ちなみにサイトでは法人向けで、信頼を得るために会員登録をしないと利用できない。 現在オンライン上で食に関わることを調べてみると他にも以下のようなものがある。 ・レシピ(中には材料を指定してレシピを検索できるものも) ・普段手に入らないような外国の食材などの販売 ・バーチャル工場見学(製品ができるまでの説明) ・CM ・ワイン・カクテルの楽しみ方 ・おいしいビールのお店の紹介 ・献立が載っていてそれに必要な分量に切り分けられた食材が注文できる 作り方メールも一緒に届く ・クーポン券・店の検索 ・店探し(「イタリアン」など目的を指定して検索できる) ・インターネットで出前ができる ・栄養成分ナビゲーター (簡単な操作で一般食品とグリコ製品の中から知りたい栄養成分情報をリアルタイム で取り出すことができるシステム。それぞれの食品に含まれるエネルギー(カロリ ー) ・たんぱく質・脂質をはじめ、カルシウムやビタミン、食物繊維など私たちの健 康に欠かすことのできない栄養成分の含量が表示される。食品と摂取量を入力する とエネルギーやたんぱく質などの計算結果がでる。) 6.まとめ IT と食とのつながりはそんなにないと思われたが知っていたら結構役に立つ情報が多か った。ただ単に市場やスーパーに行って食材を購入するのもいいけれどインターネットを使 って買い物をするのも結構楽しいと思う。インターネットで自分が望む情報を得るのと同じ ように食材もパソコンで探せるようになってきている。例えば多忙などで買い物に行けなか ったりするときなどはとても便利である。インターネットをうまく利用して自分から企業が 提供するサービスを受け入れ、自分自信を管理していくことが望ましいと思う。 21 10151225 常深友美 6.ITによって変化する「住」 1.はじめに インターネットやデジタル放送など、IT化の波は家庭にも着実に押し寄せ、いまや私た ちの日常生活に欠かせないものになっています。今、この加速するIT社会に対応できる、 将来を見据えた住まいづくりがもとめられています。 2.現状 インターネットを利用すれば、外出することなく自宅に居ながらにして、書籍や日用品な どを購入したり、オークションに参加したり、株式・公社債を売買したりでき、距離や時間 差を感じさせない生活様式が可能です。例えば、新しく住まいを購入するとき、検索すれば 直ぐにほしい情報が手に入ります。マンションがいいか一戸建てがいいか、価格をこだわる かこだわらないか、駅からの距離を考慮するかしないかなどを指定すれば、即座に自分の希 望を満たす情報だけが出てきます。これは便利であり、手間も省け効率的です。 実際、私自身インターネットでモノを購入したことがあります。特に大変な手間もなし に、相手の口座に振り込むと、数日後には郵送で自宅に届きます。取引相手の実体はわから ないし、本当に商品が届くかなどの心配は少しあったけれど、何の問題もなく無事取引はお わりました。また、実際に店に出向いたり色んなところから情報を収集しなくとも、ほしい モノ・情報が簡単に手に入るこの便利さに、IT化の波を感じました。 3.次世代ネットワーク 3−1.IPv6 今、次世代IPネットワークの代名詞といわれる IPⅴ6 (インターネットプロトコ ルバージョンシックス)が期待されています。IPⅴ6により情報家電が現実のものとなる のです。今までネットワークでつながっていなかったものが、ネットワークでつながり、エ ンドユーザーまでの世界を広げる。どんなものでもどんなところでも、どんな時でもすぐに 通信が可能となるのです。 現在は約43億個のアドレスを持っている IPv4 で、 IPv6 に凌ぐ天文学的なアドレスを持っています。簡単に言えば、 IPv4 子供用バケツ1個分の中の砂粒の数であり、 IPv6 のアドレス空間は のアドレス空間だと地球と月の距 離の2倍弱を一辺とした立方体の中の砂粒の数になるのです。 22 はこれをはるか IPⅴ6と情報家電について考えてみると、外出先から家庭内のエアコンの電源のON/ OFF、VTRの番組予約、風呂の温度設定、ドアの閉鎖センサーの確認など家電機器の操 作や状態確認が可能となります。この遠隔作業により、外出していても家の中をコントロー ル可能なのです。 身近なことを言えば、夏の暑い日に、携帯電話で家の冷房を入れて、家に帰った頃には、 すでに冷房が効いているという状態にすることができるし、スーパーで買い物をしていて何 が不足しているか迷ったとき、直ぐに携帯電話で冷蔵庫の中を確認する事が出来るようにな ります。また、夜遅くまで仕事をしている人なら、その旨を販売店に連絡して食料品などの 注文・配送をしてもらうこともできます。 3−2.ユビキタス 最近はじめて ユビキタス という、いつでもどこでもあらゆる情報機器がネットワーク で結ばれた環境を意味するIT用語を耳にしました。人間がコンピュータを使っていること を意識しないことで、人にやさしいコンピュータ環境となり、コンピュ−タが生活の一部と なる社会です。またユーザーやユーザーが置かれている状況に応じてコンピュ−タが提供で きるサービスを変化させる事が可能になることでもあります。 例えば、家庭では、情報家電がホームネットワークに接続され、電力マネジメント、家電 のリモートコントロールなどが可能になります。 TV、冷蔵庫、エアコンなどの家電機器、パソコン、DVD、携帯電話、ゲーム機、自動 車など様々なものが接続され、屋外からでもコントロールできるようになり、そこでは人が コンピュータを使っているという意識がなくてもコンピュ−タ環境が作られ、自動的に機能 していきます。家電では、部品にIPアドレスをつけることで、部品の自動分別・収集がで き、リサイクルに大いに役立つともみられています。 4.次世代ネットワークマンション 【リビオ北千里古江台 ハイクォリティマンションの例】 新日鉄都市開発のプロデュースの新しい時代の快適な住環境を先取りしたITマンショ ンライフ ・Livioコミュニティボード・・・新しいIT時代を先取りした、ワイヤレスのWeb タッチパネル端末を全戸装備した本格的なITマンション。ワイヤレス方式と、バッテリ ー搭載で、住戸内どこでも持ち運びでき(住内LAN)、使う場所を選ばない。操作は簡 単なタッチパネル方式で、画面に触れるだけでインターネット、eメールがワンタッチで 操作可能。施設内カメラで、玄関、駐車場、公園などが見れ、回覧板や行事予定も確認で 23 きる。管理会社からの連絡事項、毎日の生活に便利な情報などが届く。 (SANYO) ・FOMA・・・玄関、駐車場など共用部分に設置したカメラの映像を確認できる。また防 犯センサーの作動時に室内の様子を確認する事もできる。 (NTT ・Kitchen DoCoMo) Yell・・・買い物する時間がとれない忙しい家庭には、新鮮な食材 を玄関先まで翌日無料配達してくれるサービスも有り。(阪急キッチンエール) ・24時間セキュリティシステム・・・異常信号受信の際は綜合警備保障のガードマンが駆 けつける。設備などの異常(火災警報、ガスもれ感知器他)も管理会社と連動するので安 全体制がとれる。 ・カラーTVモニター付オートロックシステム・・・全住戸にハンズフリー・カラーモニタ ーインターホンを標準装備。来客者をカラー画像と音声で確認でき、暮らしの安全を守る。 ・24時間換気システム・・・大阪ガスの「カワック24」を採用 ・光ファイバー・ブロードバンド対応、高速インターネットが24時間使い放題。 ・365日有人管理 【HOMESTの例】 技術やサービスの進歩により、趣味や楽しみ方もますます多様化するこれからの時代には、 住まいにも家族みんなが満足できる多様な機能が求められる。ホーメストが提案しているの は、様々なマルチメディアに対応する「IT空間」。 常に「楽しく」 「便利に」 「安心して」暮らすことが出来る新しい生活シーンをこれからの住 まいに提案するとうたっている。 ・家事にもIT<家事コーナー・家事デスク> 効率的な家事動線ふまえながら、ダイニングやキッチンに家事コーナーや家事デスクなど の家事スペースを確保。家事をしながらでも、銀行振込を済ませたり、ショッピングを楽し むことが可能。 ・家族でIT<マルチスペース> 家族構成の変化やテクノロジーの進歩などにより、様々に変化していくライフスタイルに、 柔軟に対応するオープンスペースを設置。 以上の例をみてもわかるように、これからの暮らしにITを取り除くことなど出来ないほ どに私たちの生活に浸透していることが分かりました。 5.ITと行政 さらに、少し違った面からみてみると、行政とITも大きくかかわってることが分かりま 24 した。 例えば、住民票が必要なときなど、私たちは必要なものをもってわざわざ役所へ出向かね ばなりません。しかし、近い将来こういった住民票の取得、あるいは公共施設利用の申し込 みなどといった面倒な行政手続がインターネットで簡単にできるサービスが受けられるの です。選挙も電子投票が出来るようになれば、政治参加意識も高まるかもしれません。人手 と手間のかかっている投開票の省略化、スピードアップも一挙に実現できるというわけです。 住民基本台帳ネットワークでは、国民に「住民基本台帳カード」が交付されることになり ます。このカードの中には、膨大な情報を記録できるICチップが組み込まれていて、本人 確認のための身分証明書としての地位を確立することになります。そして、ICカード一枚 で様々な行政サービスを受けられることになるのです。 6.まとめ ITにより、正確な情報が各家庭に行き渡れば、安心して暮らすことが出来ると思いま す。災害や危険に対してもすばやい対応ができるようになるでしょう。その他にも、学校 教育、地域社会の連絡、趣味、買い物など、情報通信技術がすすめば、過疎化のすすんだ 地域も中央に比べ何の遜色もなくなります。 多様な分野での技術開発の推進を期待したいと思います。 25 10151411 門前 英輔 7.あとがき このプロジェクトでは、ITによって私たちの生活がどう変わるかということを見てきま した。今、私たちはITなしの生活は考えられなくなっています。当たり前になっているこ の生活をもう1度見直し、今後どういった形になるのか?という疑問でスタートしたこのプ ロジェクトだったのですが、みなさんはどうお感じになられましたか?調べていく中で将来 の可能性は本当に無限大であると感じました。しかしその一方で、ITをうまく使えない人 など、なんらかの事情でITに触れられない人には今よりももっとしんどい生活が待ってい るのでは?という疑問も浮かびました。今後重要になるのは「情報のバリアフリー」です。 このプロジェクトをまとめるのはこの言葉だと思います。 26 8.参考文献リスト ITによって変化する「娯」(門前) ・放送VS通信 湯浅正敏編著 ・NHK どうなるメディア大再編」 日本実業出版社 2001年12月 発行 (http://www.nhk.or.jp/) ・WOWOW (http://www.wowow.co.jp/) ・SKYPerfecTV (http://www.SKYPerfecTV.co.jp/) ITによって変化する「学」(中村) ・SSネットワーク「TLTソフトについて」 (http://www.ss-network.com/tlt/dak.html) ・ProjectE「フリースクール」について (http://contest.thinkquest.jp/tqj2000/30202/frame/) ・文部科学省のホームページ「不登校児」「大検」について (http://www.mext.go.jp/) ・TAC ホームページ (http://www.tac‑school.co.jp/) ITによって変化する「衣」(水谷) ・「図解 IT 革命が面白いほどわかる本」 著者 士総合研究所 発行者 杉本惇 中経出版 2000 年 発行 ITによって変化する「食」(鐵) ・日本ユニシスホームページ(http://www.unisys.co.jp/) ・日本経済新聞 ・ユニクロ(SKIP)ホームページ (http://www.e-skip.com/) ・FBC ニュースホームページ (http://www.fbc.jp/news/) ・アサヒ飲料(http://www.asahiinryo.co.jp/) ・サントリー(http://www.suntory.co.jp/) ・楽天(ニチレイ水産物を販売する HP)(http://www.rakuten.ne.jp/) 27 ・ボブとアンジー(http://www.bob-an.com/) ・すかいらーく(http://www.skylark.co.jp/) ・ぐるめぴあ(http://g.pia.co.jp/) ・エキサイト出前(http://excite.demae-can.com/) ・栄養成分ナビゲーター(http://www.glico.co.jp/cgi-bin/navi/gonavi.cgi) ITによって変化する「住」(常深) ・「見る見るわかる図解IPv6」 株式会社ビジネス社 小島郁夫 編者 2002年4月10日 発行 ・リビオ北千里古江台「ハイクォリティなマンションの例」 (http://www.livio‑furuedai.com/) ・株式会社ホーメスト「住まいを創る会社の例」 (http://www.homest.co.jp/contents.html) ・IT革命の行方 (http://www.koshien.ac.jp/staff/ nakai/profile/Paper/ITrevolution.html) ・IT革命と地域活性化 (http://www.miuraissui.com/it/it.html) ・IT時代を考える (http://www.uozumi.gr.jp/it/uoit.html) 28
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