計算機基礎 根来�均� (第 10, 11 週) ハードウェア (補助記憶装置)� 授業の目的� 各種、補助記憶装置の働きと構造を理解し、 用途に応じて適当な製品が選べるようになる。� 1 授業の目的� 各種、補助記憶装置の働きと構造を理解し、 用途に応じて適当な製品が選べるようになる。� 補助記憶装置と外部インターフェイス� CPU Core/Chip L1 Cache CPU Video Chip HD, CD/DVD Drive USB FireWire Ethernet L2 Cache Chip Set Main Memory (North Bridge, Memory Controller Hub) Chip Set (South Bridge, I/O Controller Hub) PCI PCI slot Bus SCSI board HD Mouse, Keyboard, Floppy 2 補助記憶装置� n n 電源を落として消えない、大量のプログラムやデータ を保存する装置 磁気的に記憶 n n n 光特性を用いた記憶 (CDなど) n n 磁性体に磁気的な変化を与えて書き込み、読み込み(HD、 FD、テープなど) レーザ光線と磁気を併用して書き込み、読み込み(MO ディ スクなど) 基盤上の孔(凸凹)や物質の反射率の違いにより記憶 電気的に記憶(フラッシュメモリなど) n 不揮発性半導体を用いて記憶� 計算機に内蔵しない HD を除いて、 他は「リムーバブルディスク」などと呼ばれる� 磁気による記憶� n 原理 n n 書き込み:(電流)磁場による磁性化(磁化) 読み込み:磁場の向きの違いを以下の原理で(電流の変化と して)検出 n n n 特徴 n n n 物性物理学� (コイルを通過する磁場の変化による)電磁誘導 (磁場により抵抗値が変化する)磁気抵抗 (MR) 効果 電磁気学� 物性物理学: 07 年ノーベル物理学賞� (高密度化による)大容量化が可能 (→ ハードディスク、 テープ) 比較的長い保存期間(10-30 y) 安価(これも大容量のデータ保存に適している重要な要因) 3 原理: 0/1 情報と磁極� ハードディスク (Hard Disk, HD) [ハードディスク駆動装置 (HD Drive, HDD)] n 計算機での最も主な補助記憶装置 n 高速、大容量 起動のためのプログラム(OS)や、頻繁に利用するプ ログラム(アプリケーション)やデータを収納� n n 「シンクライアント」:セキュ リティ問題から、HDD を内 蔵しない端末 → それほど広がらず� 4 現行の HDD の種類� n 3.5 inch HD(主にデスクトップコンピュータ用) n n n n 2.5 inch HD (主にノートパソコン用) n n n 容量: 1 TB - 2 TB が主流 (max 5 TB 14/12 現在) (連続) 実効�読/書き速度: 50-200 MB/s 5,000~10,000 円/TB (= 5-10 円/GB) (14/12) 容量: ~500 GB が主流 (max 2TB 14/12 現在) 3.5 inch に比べ、読み書き速度は、20-50 % 遅い。(主にディ スクの回転数の違いから) 1.8 inch HD (主に小型•薄型ノートパソコン用) 05 年から記録する磁場の向きを 横から縦にして高密度化。� S NS N N 水平磁気記録方式� 垂直磁気記録方式� S (フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 より)� 5 inch 3.5 inch 2.5 inch PCMCIA 型?! (1.8 inch) 5 HD における動作原理� n 書き込み� n 読み込み� このヘッドの先端に 磁気抵抗 (MR) 効果 を利用� 44Ru (ルテニウム) が使用されている� SSD について� n n (量子力学で習う)トンネル効果を利用して電荷を閉じ 込める、次世代の HDD SSD (Solid State Drive) n n n 日本では、フラッシュドライブ (Flash Memory Drive) とも呼 ばれているが、海外では Flash Drive は一般にフラッシュメ モリのことを指すようである (“USB Flash Drive”, “Clip Flash Drive” など) 記録媒体としてフラッシュメモリ(後述)を用いる ディスクを用いず電気的に処理 n n n n シーク/サーチ時間なし → 高速(特にフラグメンテーションに強い) 機械的に動く部分がない → 衝撃に強く、消費電力も少ない 容量: 128-256 GB が主流 (max 1 TB 14/12 現在) 5,000~10,000 円/100 GB (= 50~100 円/GB, cf. HD 5~10 円/GB) 6 磁気による他(過去)の記憶装置� n フロッピーディスク Floppy Disk (FD) n n n n n 10 年ほど前までの保存や流通 のための主な媒体(メディア) 大きさは、3.5, 5, 8 インチの3種 類 容量は 3.5 インチで、720 kB (2DD型), 1.44 MB (2HD型) な どがある。 読み書きは極めて遅い(~数10 kB/s) すでに国内メーカー生産中止� n 磁気テープ Magnetic Tape (MT), DAT, Exabyte (8mm), DLT, … n n n n n バックアップのために主に利 用 大容量 (数 GB~数十GB) 様々な規格あり(互換性低い) 読み書き遅く、データ検索に も時間がかかる。 Zip, Jaz n n Lomega 社が開発したリムー バブル磁気ディスク 日本ではほとんど利用されず。 (米では MO より主。)� FD, 8mm (Exabyte), MO 7 FD と FDD 光磁気による記憶装置の原理� n 書き込み:レーザー光により、磁性体を(キュリー温度 ~200 oC まで)高温化して磁性を一旦無くし、冷え始め たところを外部磁場により磁化 物性物理学� 常温でも高い磁性を持つ 64Gd (ガドリニウム) が記録層に使われている� n 読み込み:弱いレーザー光を当て、(磁場の影響を受け た)反射波の偏光方向の違いを検出� 電磁気学、光学� 8 MO (エムオー, Magneto-Optical Disk) n 数年前まで、保存やデータ受け渡し(流通)のための媒 体(メディア)として主に国内で利用 n n n n 現在は DVD が主に利用されている。 容量: 230, 540, 640 MB が主流。「ギガモ (GIGAMO)」と呼ばれる 1.3, 2.3 GB も 読/書き速度: (最大) 数 MB/s 保存期間が非常に長い (50-100 y) MD (MiniDisk) も同じ原理� 9 光による記憶装置の原理� 読み込み:基盤に付けられた凸凹や、状態 (相)変化、化学的変化を起こした領域のレー ザー光に対する反射率の違いを検出 n 書き込み:レーザー光による媒体表面の状態 (相)変化、化学的変化� n 10 CD DVD-RW DVD-RAM CD と DVD の違い� 780nm 635nm 11 CD (Compact Disk) ■ n n 3規格(記録方法の違いによる分類) 規格� 特徴� 記録方式� CD-ROM 読み込みのみ� 金属(Al)のプレス� CD-R 一度だけ書き込み可能� (熱による)有機色 素の化学変化� CD-RW 複数回書き換え可能� 結晶とアモルファス の相変化� 容量: 650 MB, 700 MB が主流 読/書込み速度: max 52/52 倍速 (14/12 現在, 1倍速 は 150 KB/s) DVD (Digital Versatile Disk) n n n 規格は乱立状態(装置依存に注意) 規格� 特徴� 記録方法� DVD-ROM 読み込みのみ� 金属のプレス� DVD-R, -R DL DVD+R,+R DL 一度だけ記録可能� 色素の化学変化� DVD-RW, +RW 複数回 記録可能� 結晶の相変化� DVD-RAM (HDやMOのように) 書き換え記録可能� 結晶の相変化� 容量: 4.7 GB, 8.5G (片面2層, DL), 9.4 GB (両面各1層) 書込み速度: max 24 倍速 (12/06現在, 1倍速は 1.385 MB/s) 相変化を起こす記録膜には 52Te (テルル) が使用されている� 12 Blu-ray (DVD の次世代規格) n HD-DVDと競合したが、2008 年に HD-DVD が実 質撤退。 n HD-DVD: n n n n 405 nm の青紫色レーザーを用いた次世代規格 ハイビジョン放送の録画が主目的 n ハイビジョン規格 (High Definition n n n 15 GB, 30 GB (片面2層) DVD と構造が近く、互換性高い HDV 720p (1280x720) or 1080i (1440x1080) cf. DV (720x480) → HDV は従来の約4倍の情報量 (7.5, 23.3,) 25 GB, 50 GB (DL 片面2層), 100 GB (XL 3層) [128 GB (XL 4層) 14/12 まだ流通せず] n ROM, R, RE, あり 参考:http://www.sony.jp/bd/about/column/vol02/index.html 量子力学� n (トンネル効果を利用し)電気的に消去、書込み n n n n n n n n 不揮発性 (cf, SRAM, DRAM) EEPROM バイト単位で、フラッシュはセクタ単位でデータを消去するところ が違う 以下、どれも基本的に同じ原理(形状は異なる) n n Flash Memory USB フラッシュメモリ [主な用途: データ移動/保存] SD (SDHC, SDXC), miniSD, microSD メモリカード [写真、映像] コンパクトフラッシュ (CF) [写真] スマートメディア (Sony) [マルチメディア] xDピクチャーカード [写真] 記憶容量は max 256 GB (特殊な�1TB もあり) (USB メモリ), 32 GB (SD メモリ), 256(512) GB (SDXC) [14/12 現在] SSD として、ハードディスクに代わるものになりつつある。� 13 入出力インターフェイス� n シリアル (Serial) n RS-232C (Recommended Standard 232, 昔) n n (D-sub wikipedia より)� USB (Universal Serial Bus) n n n n Dsub 9 pin, 25 pin, 転送速度: max 115 kbps 転送速度: max 12 Mbps (USB 1.1), 480 Mbps (USB 2.0), 4.8 (5) Gbps (実効 500 MB/s) (USB 3.0, 2012 から Chipset に内蔵?) ハブを使ったスター型の接続, MAX 127 台 キーボード、マウス、プリンタ等に利用 IEEE1394 (Firewire, iLink) n n n 転送速度: max 100, 200, 400, 800 Mbps (USB wikipedia より)� デイジーチェーンまたはツリー接続, MAX 63 台 AV 機器、HD 等の接続に利用されていた (過去の規格となりつつあり) (続き)� n シリアル (Serial) – 続き n Serial ATA (Advanced Technology Attachment) n n n n SAS (Serial Attached SCSI) n n n 実効転送速度: 150 (SATA), 300 (SATA2), 600 (SATA3, 6 Gbps) MB/s HD 等を計算機内部で接続するための規格 (主にホームPC用) eSATA 外部装置接続用の I/F SCSI (後述) のシリアル発展版 150, 300 600 MB/s SATAより最大ケーブル長が長く、サーバー用途が多い Thunderbolt n 次世代の高速データ伝送の規格 max 1250 MB/s� (SATA wikipedia より)� 14 n パラレル (Parallel) n セントロニクス準拠インターフェイス n n SCSI (Small Computer System Interface) n 転送速度: 5 MB/s (SCSI-1), 10, 20 MB/s (SCSI-2), 20, 40, 80 MB/s (SCSI-3) など。最速は SCSI-3 の�1 つである Ultra640 SCSI の 640 MB/s。 n n 主にプリンタ(パラレル、というとこれを指す場合が多い。) チェーン型がで最大7台(距離の制限がネック) IDE (ATAPI) n n かつての HD の主流 (現在 Serial ATA が主流) HD 等を接続するインターフェイスの規格の遷移 n SCSI → IDE → EIDE → Ultra ATA (→ Serial ATA) Modular Ethernet cable cable USB FireWire これら以外に、 モニター等をつなぐ、 (デジタルでは)DVI, HDMI などの規格がある。� 15 補助記録メディアの用途のまとめ� n (長期)保存目的 n n データの受け渡し n n CD, DVD, Blu-ray, MO USB メモリ, DVD, CD (大容量)バックアップ ハードディスク n 磁気テープ n (Blu-ray) n 16
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