第5章 道路トンネルにおける非常用施設 第5章 〔 1〕 道路トンネルにおける非常用施設 出 典 :道 路 ト ン ネ ル 第1節 非常用施設設置基 非常用施設の設置基準 準 ・ 同 解 説 (平 成 13 年 10 月 ) 1.設置基準 ト ン ネ ル に は 、火 災 そ の 他 の 非 常 の 際 の 連 絡 や 危 険 防 止 ,事 故 の 拡 大 防 止 の た め 、ト ンネル等級区分に応じて、表5-1-1に示す施設を設置するものとする。 表5-1-1 トンネル等級別の非常用施設 トンネル等級 AA A B C 話 ○ ○ ○ ○ 押ボタン式通報装置 ○ ○ ○ ○ 火 器 ○ △ 非 常 警 報 装 置 ○ ○ ○ ○ 消 火 器 ○ ○ ○ 消 火 栓 ○ ○ ○ ○ ○ △ 栓 ○ △ 無線通信補助設備 ○ △ ラジオ再放送設備 または拡声放送設備 ○ △ 水 備 ○ △ 置 ○ △ D 非常用施設 通報・警報設備 非 消火設備 避難誘導設備 誘 常 災 導 電 検 表 知 示 板 排煙設備または避難通路 給 その他の設備 監 水 噴 視 霧 設 装 ○ (注 )上 表 中「 ○ 印 は 原 則 と し て 設 置 す る 」、「 △ 印 は 必 要 に 応 じ て 設 置 す る 」こ とを 示す。 (解 説) トンネル等級区分に応じて設置する非常用施設の標準を表5-1-1に示す。 5-1 p14 〔 図 5-1-1~ 2〕 ( 台 /日 ) 40,000 出 典 :道 路 ト ン ネ ル 非常用施設設置基 20,000 準 ・ 同 解 説 (平 成 13 年 10 月 ) p9 交 通 量 (1 本 あ た り ) 10,000 D C B A AA 4,000 2,000 1,000 400 100 200 300 500 1,000 2,000 3,000 5,000 10,000 トンネル延長 図5-1-1 ( m) トンネル等級区分 トンネルの非常用施設設置のための等級区分は、その延長および交通量に応じて5- 1-1図に示すように区分する。 ただし、高速自動車国道等設計速度が高い道路のトンネルで延長が長いトンネルまた は平面線形、もしくは縦断線形の特に屈曲している等見通しの悪いトンネルにあっては 一階級上位の等級とすることが望ましい。 2.設置位置 非常用施設の設置位置を以下に示す。トンネル内施設については、箱抜きを設けるも のとし、第 3 編 道路編 第 8 章トンネルを参照のこと。 2-1 警報表示板 〔 2-1〕 警 報 表 示 板 は 、ト ン ネ ル 坑 口 付 近 で 走 行 車 が 十 分 確 認 し 、安 全 に 停 止 で き る 位 置 に 出 典 :電 気 通 信 施 設 設置するものとする。 設計要領・同解説・ (解 説) 電 気 編 (平 成 20 年 度 警報表示板の設置位置は、トンネル坑口付近で運転者が表示内容を十分視認し、安全に 版) 停止できる位置であって、トンネル内での消火活動,避難行動等に支障のない位置に停車 できるよう考慮する必要がある。 なお、設置場所付近に障害物がある場合又は道路が屈曲している場合は、手前の見やす い 場 所 に 警 報 表 示 板 を 移 す か 、 あ る い は 警 告 灯 又 は 予 告 表 示 板 (固 定 式 )を 、 そ の 位 置 に 追 加して設置することが望ましい。さらに、トンネル坑口付近の道路線形などとの関係から 適正な位置で、表示板とトンネル坑口の一部を視認できない場合は、坑口付近に補助表示 板の設置を検討するものとする。補助表示板の表示項目は人命にかかわる「事故発生」と 「消滅」の 2 項目を標準とする。 このような点を考慮して、警報表示板と坑口との位置関係を表示すると、図5-1-2 のようになる。 警報表示板の設置場所は、各トンネル坑口付近の設計速度により、制御停止距離が異な る の で 一 概 に は 決 め ら れ な い が 、図 5 - 1 - 2 に 示 さ れ て い る A ,B ,C ,D の 距 離 と 走 行 速 度 と の 間 に 表 5 - 1 - 2 の よ う な 相 関 関 係 が あ る の で 、 一 般 道 路 で は 坑 口 手 前 105m, 高 速 道 路 で は 坑 口 手 前 220m を 確 保 で き る 位 置 を 標 準 と し 、左 側 の 路 側 あ る い は 車 線 の 上 部 な ど 、 運転者の視認しやすい場所と支持方法を選定するものとする。 また、非常警報装置はトンネル坑口付近に設置する他、長大トンネル等に設置される非 常駐車帯にも設置し、情報伝達のより一層の徹底を図ることが望ましい。 5-2 p5-14 〔 図 5-1-2,表 5-1-2〕 表示板が視野外となる位置 車の停止位置 出 典 :電 気 通 信 施 設 表示板が判読できる位置 表示板の位置 トンネル入口 設計要領・同解説・ 電 気 編 (平 成 20 年 度 版) p5-15 C D A B 図5-1-2 表5-1-2 トンネル坑口と警報表示板設置位置の関係 設計速度と制動距離,警報表示板視認距離等との関係 設計速度 項 目 一般道路 (単 位 : m) 高速道路 60km/h 80km/h A:停止余裕距離(料金所なし) 50 50 50 B:車の制御距離(反応距離+ブレーキを踏んで停止する迄の距離) 85 140 200 95~ 105 150~ 160 50 67 83 80~ 90 97~ 107 113~ 123 C:表示が運転者の視野外となる距離 30~ 40 A+B-C:トンネル坑口と表示板の距離 D:判読所要距離(4 文字とする) C+D:最小限の視認距離 備 考 1. 2. 2-2 100mk/h 「道 路 ト ン ネ ル 非 常 用 施 設 設 置 基 準 ・ 同 解 説 210~ 220 p34」 等 に よ る 。 表 中 の A , B ,C , D は 、 図 5 - 1 - 2 の A , B ,C , D に 対 応 。 押ボタン発信機 〔 2-2〕 設 置 間 隔 は 、一 方 通 行 お よ び 対 面 通 行 ト ン ネ ル に お い て 、片 側 50m 間 隔 を 標 準 と す 出 典 :道 路 ト ン ネ ル る。 非常用施設設置基 (参 考) 準 ・ 同 解 説 (平 成 13 設置間隔 年 10 月 ) p26 設 置 間 隔 は 、 一 方 通 行 お よ び 対 面 通 行 ト ン ネ ル に お い て 片 側 50m 間 隔 を 標 準 と す る 。 但 し 、対 面 通 行 ト ン ネ ル に お い て 片 側 100m 間 隔 の 千 鳥 配 置 と し て い る 例 も あ る 。ま た 、押 ボタン式通報装置の設置間隔は、消火栓,消火器の設置間隔と同じであり、設置個所に 消火栓,消火器箱および非常電話が設置される場合には箱抜の一体化を考えて併設する ことが望ましい。 設置高さ 押ボタンスイッチの取付高さは、トンネル利用者などが容易に操作できる路面または監 視 員 通 路 面 よ り 0.8~ 1.5m と す る 。 2-3 非常用電話機 〔 2-3〕 非 常 用 電 話 機 は 、 ト ン ネ ル 内 に 片 側 200m 間 隔 に 配 置 す る こ と を 原 則 と す る 。 出 典 :道 路 ト ン ネ ル (参 非常用施設設置基 考) 設置間隔 準 ・ 同 解 説 (平 成 13 設 置 間 隔 は 、一 方 通 行 お よ び 対 面 通 行 の 場 合 で 片 側 200m 以 下 と す る 。但 し 、対 面 通 行 ト 年 10 月 ) ン ネ ル に お い て 片 側 200m 間 隔 の 千 鳥 配 置 と し て い る 例 も あ る 。ま た 、一 般 的 に は 非 常 駐 車帯にも設置している例が多い。 さらに、トンネル内で事故などが発生した場合には当事者の行動としてまず坑口に向か うことが予想されること,また、トンネルに進入することを止めたトンネル利用者など が坑口付近に滞留することなどがあるため、坑口・坑外付近にも非常電話を設置するこ とが望ましい。なお、公衆電話が坑外付近にも設置されている例もある。 設置高さ 送受話器の高さは、トンネル利用者などが容易に操作できるように、路面または監視員 通 路 面 よ り 1.2~ 1.5m と す る こ と が 適 切 で あ る 。 5-3 p22 (解 説) 1.配 置 例 イ)対面通行の場合 200m 50m 50 50 50 P TP P TP P P TP P TP P TP P TP P TP P TP P TP TP 200m 程度のトンネル (250m 未満) 400m 〃 600m 〃 800m 〃 1,000m 〃 (350m 以上~450m 未満) (550m 以上~650m 未満) (750m 以上~850m 未満) (950m 以上~1,050m 未満) 図5-1-3 P TP P TP TP P ( 200m、 400m、 600m… … ) P TP P TP TP P TP P TP P TP P TP TP P TP 300m 程度のトンネル (250m 以上~350m 未満) 500m 〃 700m 〃 900m 〃 1,100m 〃 (450m 以上~550m 未満) (650m 以上~750m 未満) (850m 以上~950m 未満) (1,050m 以上~1,150m 未満) P 押ボタン発信機 TP 押ボタン発信機と非常電話(坑口より 50m 以内とする) 図5-1-4 ( 300m、 500m、 700m… … ) ロ)一方通行の場合 50m 以 内 200m 200m 図5-1-5 補足 非常電話の設置台数は、NTTとの協定との整合性があるため、十分協議を行 うこと。 2 . NTT と の 責 任 分 界 点 ト ン ネ ル 外 、ま た は 受 電 室 等 に 国 土 交 通 省 は 端 子 箱 を 設 置 し 、NTT が 取 付 け る 端 子 盤で責任分界点とする。したがって、これに伴う保安器の取付、接地工事は原則と し て NTT で 施 行 す る こ と と な る 。 (N T T と の 協 議 が 必 要 ) 5-4 2-4 〔 2-4〕 火災検知器 設置位置は、火災検知能力や水噴霧設備の放水区画等との関連および保守点検の容 非常用施設設置基 易さ等に留意し決定するものとする。 2-5 準 ・ 同 解 説 (平 成 13 消 火 器 消火器はトンネル内の押ボタン発信機の直近に設置するものとする。 (解 出 典 :道 路 ト ン ネ ル 年 10 月 ) p27 〔 2-5〕 説) 出 典 :道 路 ト ン ネ ル 設置間隔 設 置 間 隔 は 、 一 方 通 行 お よ び 対 面 通 行 ト ン ネ ル に お い て 片 側 50m 間 隔 を 標 準 と す 非常用施設設置基 る 。た だ し 対 面 通 行 ト ン ネ ル に お い て 片 側 100m 間 隔 の 千 鳥 配 置 と し て い る 例 も あ る 。 準 ・ 同 解 説 (平 成 13 なお、消火栓が設置されるトンネルにあっては併設することが望ましい。 年 10 月 ) p40 設置高さ 消 火 器 の 設 置 高 さ は 、他 の 非 常 用 施 設 (例 え ば 消 火 栓 な ど )の 配 置 と の 関 連 ,持 ち 出 しやすい高さおよびトンネル形状などとの関係を考慮して決めるものとする。 トンネル内に設置する小型消火器で押ボタン発信機と同じ位置に設置される場合 は 、原 則 と し て 同 一 筐 体 に 収 納 す る も の と す る 。ま た 取 付 高 さ は 筐 体 底 面 を 路 上 よ り 20cm 以 上 離 隔 し て 取 付 け る こ と と す る 。 消 火 器 は A B C 粉 末 6kg を 2 本 と す る 。 2-6 〔 2-6〕 消 火 栓 出 典 :道 路 ト ン ネ ル 消 火 栓 は 、 ト ン ネ ル 片 側 に 50m 間 隔 で 設 置 す る 。 非常用施設設置基 設置位置 ト ン ネ ル 側 壁 部 と し 、ホ ー ス 引 き 出 し な ど の 操 作 が 容 易 に で き る 高 さ に 収 容 箱 に 収 年 10 月 ) 納して設置するものとする。 2-7 準 ・ 同 解 説 (平 成 13 p43 〔 2-7〕 誘導表示板 出口までの距離、または避難通路までの距離、方向、位置等の情報を表示しトンネ 出 典 :道 路 ト ン ネ ル ル内の運転者等をトンネル外へ誘導するための設備で、設置間隔はトンネル延長、避 非常用施設設置基 難通路の有無等に留意して決定するものとする。 準 ・ 同 解 説 (平 成 13 1.設置間隔 年 10 月 ) p47 1)避難通路が設置されている場合 避 難 通 路 ま た は 出 口 ま で の 距 離 、方 向 を 表 示 す る も の と し 表 示 板 の 設 置 位 置 は 避 難 通 路 附 近 と 、 そ の 中 間 を 原 則 と す る が 、 間 隔 が 100m 以 上 と な ら な い よ う 設 置 す るものとする。 2)その他の場合 ト ン ネ ル 中 央 を 境 に 100m ピ ッ チ の 千 鳥 配 置 と し 、坑 口 か ら 200m 程 度 ま で と す る 。 〔 2)〕 ただし曲線トンネルの場合は坑口が確認できる位置までとする。 出 典 :電 気 通 信 施 設 ま た 、500m 以 下 の ト ン ネ ル で 両 坑 口 が 確 認 で き る ト ン ネ ル は 、表 示 し な く て 良 い 。 設 計 要 領 ・ 同 解 説 ・ 電 気 編 (平 成 20 年 度 2.誘導表示板は内照式と反射式がある。 内照式の採用等は、避難連絡坑の設置などトンネル構造並びに避難方法等を十分 検討し、決定すること。 3.表示板の大きさ ( 1,200mm) 85 (400mm) 600 1,400 130 図5-1-6 5-5 版) p5-22 4.仕様 (1) 反 射 式 1)材質は、アルミ合金とし、反射シートは、カプセルレンズ形とする。 (1) 内 照 式 1 ) 外 被 鋼 板 は 、 厚 さ 2.3mm 以 上 2 ) 表 示 面 は 、 強 化 ガ ラ ス と し 、 厚 さ は 5mm 以 上 と す る 。 3)光源は、けい光灯とするが、LEDランプ等経済性に配慮して決定する。 4)停電補償は、40分間点灯可能なインバータ蓄電池を内蔵すること。 5.文字記号の大きさ及び色 図5-1-7による。 1)避難通路のないトンネルの場合 〔 2)〕 2)避難通路のあるトンネルの場合 出 典 :道 路 ト ン ネ ル 非常用施設設置基 準 ・ 同 解 説 (平 成 13 年 10 月 ) 注 1. 白 地 に 緑 文 字 ・ 緑 矢 印 と す る 。 注 2. ピ ク ト グ ラ フ は 、 距 離 数 の 短 い 方 へ 向 け る も の と す る 。 図5-1-7 5-6 誘導表示板 p48 〔 6.~ 7.〕 6.設 置 高 路 面 よ り 1.5m 程 度 と す る 。 出 典 :道 路 ト ン ネ ル 注 ) 設 置 間 隔 の 100m ピ ッ チ の 千 鳥 配 置 と は 、 片 側 200m と な る 。 非常用施設設置基 準 ・ 同 解 説 (平 成 13 年 10 月 ) 避難連絡坑のない場合 100m 100m 100m 100m p48 100m トンネル 200m 200m 避難連絡坑のある場合 図5-1-8 7.表示距離数 10m 単 位 に ま る め た 数 字 と し て 四 捨 五 入 す る こ と を 標 準 と す る 。 2-8 〔 2-8~ 2-9〕 給 水 栓 消 防 隊 に よ る 本 格 消 火 に 資 す る た め の 設 備 で あ る 。な お 、給 水 栓 を 設 置 す る 場 合 は 、 出 典 :道 路 ト ン ネ ル 必要に応じて消防ポンプ等からトンネル内給水栓への送水用として送水口を設ける 非常用施設設置基 ものとする。 準 ・ 同 解 説 (平 成 13 給 水 栓 は 、ト ン ネ ル 両 坑 口 付 近 に 設 置 す る こ と を 標 準 と し 、必 要 に 応 じ て ト ン ネ ル 内非常駐車帯または避難連絡坑口付近に設置するものとする。 な お 、 消 防 隊 の 運 用 性 を 考 慮 し 、 200m 毎 に 設 置 す る 。 2-9 公衆電話 公 衆 電 話 は 必 要 に 応 じ 、 ト ン ネ ル 出 入 口 の 10~ 100m 程 度 の 路 側 に 設 置 す る 。 (解 説) 公 衆 電 話 の 設 置 は 、 NTT と の 協 議 決 定 の う え NTT が 設 置 す る が 、こ れ に 必 要 な ト ン ネル内配線が生じた場合は、国土交通省において無償提供することとなる。 5-7 年 10 月 ) p52,54 無線通信補助設備 〔 2-10〕 トンネル内の救助活動、消火活動等に際して、トンネル外部との連絡に共するため 出 典 :道 路 ト ン ネ ル 2 - 10 の設備である。無線通信補助設備は、漏洩同軸ケーブル等とこれに附帯する装置をも 非常用施設設置基 って構成するものとする。 準 ・ 同 解 説 (平 成 13 (解 年 10 月 ) 説) p52 1.無線通信補助設備の対象となる施設は、下記の施設とする。 国土交通省(地方整備局)、所轄の消防署、警察署 無線通信補助設備の施設計画に当り関係各署と十分協議を行うものとする。 2 .無 線 通 信 補 助 設 備 の 設 計 に あ た っ て は 、第 3 節「 無 線 通 信 補 助 設 備 」に 準 ず る も のとする。 2 - 11 ラジオ再放送設備 〔 2-11〕 トンネル内で、運転者等が道路管理者からの情報を受信できるようにするための設 出 典 :道 路 ト ン ネ ル 備である。設計に際しては、電波法及び同法設備規則を遵守するものとする。 非常用施設設置基 準 ・ 同 解 説 (平 成 13 (解 説) 年 10 月 ) p52 1.ラジオ再放送設備の設計にあたっては、第 4 節「ラジオ再放送設備」に準ずるものと する。 2 - 12 拡声放送設備 〔 2-12~ 3〕 拡声放送により、トンネル内の火災その他の事故の発生を、道路管理者から運転者 出 典 :道 路 ト ン ネ ル 等に伝達するための設備である。 非常用施設設置基 設計に際してはトンネル内の騒音、残響音等に留意するものとする。 準 ・ 同 解 説 (平 成 13 年 10 月 ) (解 説) スピーカは、トンネル全体に設置すると拡声器相互の残響による干渉が生じ、音声の明 瞭度を低下させることから、非常駐車帯,避難連絡,分岐部・合流部および坑口など、 局所的に補足する。 2 - 13 水噴霧設備 微細な粒子状の水を放水することによって火災の延焼、拡大を抑制し、消火活動等 を援助するための設備である。 放水制御方式はトンネル延長、トンネル構造、換気方式等に留意して決定するもの とする。 2 - 14 監視装置 通報装置から受けた情報の確認、消火活動、避難行動等の状況監視を行うための設 備 (CCTV 設 備 )で あ る 。 テレビカメラの設置位置は、トンネル内及び坑口付近を一様に監視できるように決 定するものとする。 (解 説) 監視装置は、トンネル内および坑口付近の本線トンネル全般を一様に監視する必要があ り、トンネル内に設置するカメラの間隔は、モニター面上に死角をなくす配置を標準と する。 5-8 p53 3.配管及び配線 配管及び配線について以下に示す。ただし、設計に際しては第 5 編 機械編 第 3 章 ト ン ネ ル 機 械 設 備 を 参 照 し 、 換 気 制 御 計 測 装 置 ( VI 計 、 CO 計 ) や 消 火 栓 設 備 な ど の 配 管 に ついて考慮すること。 3-1 配 管 非常用電話及び非常警報装置のトンネル内の配管は下記によるものとする。 1.新設トンネル 新 設 の ト ン ネ ル は 、ト ン ネ ル 施 工 時 に ト ン ネ ル 側 溝 の 外 壁 に 埋 込 配 管 し 、機 器 へ の 立ち上り部もボックスを介し埋込配管するものとする。 硬質ビニル管 ハンドホール 側 溝 舗装下 図5-1-9 配 管 断 面 の 状 況 に よ り FEP 管 ,VE 管 並 び に 多 条・ 多 般 配 管 等 を 使 用 す る こ と が で きる。埋設深さは、監査廊舗装下へ敷設する。 2.既設トンネル 既設トンネルに施工する場合も、上の方法を標準とするが、不可能な場合は、照 明配線と同じくトンネル上部側壁上露出配線し、機器への立下がりは埋込配管とす る。配線は難燃性ケーブルを使用すること。 耐衝撃性硬質ビニル管 図 5 - 1 - 10 5-9 3-2 配 〔 表 5-1-3〕 線 表5-1-3 ト ン ネ ル 防 災 設 備 の 各 機 器 に 使 用 す る 電 線 の 種 類 (例 ) 項 出 典 :電 気 通 信 施 設 設計要領・同解説・ 目 線 種 心線数 電 圧 備 考 機 器 名 電 気 編 (平 成 20 年 度 非常電話 FCPEV-S 5P 電話表示灯 CV 2C 押ボタン式通報装置 FCPEV-S 5P 同 上 表示灯 CV 制御装置 版) AC 100V 蛍 光 灯 6W×2 インバータ負荷 2C DC 24V LED 式 CV 2C AC 200V 副制御装置 CV 2C AC 200V 制御装置・副制御装置 FCPEV-S 20P CV 2C 表示部 警 報 表 示 板 DC 24V DC 24V 点滅灯 DC 24V CVV 20C ヒーター 付加機能 600W ヒーター DC 24V DC 24V 又は AC 100V 自動点滅器 誘 導 表 示 板 (内 照 式 ) ヒーター 連動線 制御回路 サイレン 付加機能 400W 付加機能 400W CV 2C AC200V 4.トンネル内表示灯回路 ト ン ネ ル 内 の 表 示 灯 回 路 は 両 側 に 設 置 す る 場 合 、原 則 と し て MC,SC よ り 半 分 ず つ 送 る ものとする。 5-10 p5-25 第2節 〔1 機器の標準 1.~ 2.〕 出 典 :電 気 通 信 施 設 設計要領・同解説・ 1.警報表示板 警 報 表 示 板 は 、 電 光 式 可 変 型 (省 エ ネ ル ギ ー 型 )又 は 、 LED と し 表 示 項 目 は 3 項 目 を 標 準 電 気 編 (平 成 20 年 度 とする。 版) (解 p5-12 説) 1 .表 示 項 目 は「 ト ン ネ ル 内 事 故 発 生 」「 ト ン ネ ル 内 作 業 中 」「 ト ン ネ ル 内 片 側 通 行 」 及び「消滅」の可変表示が可能であること。 ただし、「トンネル内事故発生」は、他の表示に優先して表示するものとする。 2 .ト ン ネ ル 内 に 火 災 検 知 器 を 設 け る 場 合 は「 ト ン ネ ル 内 火 災 発 生 」を 最 優 先 項 目 と し て 表 示 す る こ と 。停 電 時 は 、「 事 故 発 生 」 又 は「 火 災 発 生 」 の 表 示 の み を 表 示 で き る も の と し 他 の 表 示 は し て は な ら な い 。他 の 表 示 が 点 灯 中 の 場 合 は 、消 灯 す るものとする。 3.表示用ランプの仕様は、次のとおりとする。 LED 24V 公 称 値 0.96W 以 下 調光方式 〔 3.〕 パルス幅制御 出 典 :道 路 ト ン ネ ル 色 覚 障 害 者 対 策 と し て 、ド ミ ナ ン ト 波 長 625~ 630nm(±5nm)の 赤 色 LED を 非常用設備機器仕様 使用するものとする。 書 (案 )(平 成 22 年 6 月) p8 2.警報音発生装置 警 報 音 発 生 装 置 は 電 子 サ イ レ ン を 使 用 し 、音 源 か ら 20m の 位 置 で 90 デ シ ベ ル 以 上 の 警 報音が発生しうるものとする。音は断続吹鳴できること。 〔 2~ 3〕 出 典 :道 路 ト ン ネ ル 非常用設備機器仕様 書 (案 )(平 成 22 年 6 3.直流電源装置 1.直流電源装置は浮動充電方式であること。 月) p8 2 . 蓄 電 池 は 陰 極 吸 収 式 鉛 蓄 電 池 (MSE)を 使 用 し 、 容 量 は 商 用 電 源 停 電 の 場 合 、 10 分 間 負荷への供給が出来るよう設計するものとする。 (解 説) 1.整流器容量の算定は、最大負荷電流と蓄電池均等充電の電流を合計して求めるも の と す る 。 蓄 電 池 容 量 は 停 電 30 分 後 に 最 低 10 分 間 以 上 の 警 報 動 作 が 行 え る も の とする。 2.直流電源装置の設計にあたっては、第 2 章第 3 節「直流電源装置」に準ずるもの とする。 4.押ボタン発信機 押 ボ タ ン 発 信 機 は 自 治 省 令 第 17 号 に 規 定 す る 、 P 形 発 信 機 に 準 ず る も の と す る 。 (参 〔 4〕 出 典 :道 路 ト ン ネ ル 考) 押 ボ タ ン ス イ ッ チ の 接 点 及 び 回 路 方 式 は 、a 接 点 並 列 形 、b 接 点 直 列 形 の 2 種 類 が 、 非常用設備機器仕様 それぞれ得失があり双方の短所を補うため、a・b接点からなる直・並列回路により 書 (案 )(平 成 22 年 6 構成する併用方式を使用するものとする。 月) 5-11 p6 5.押ボタン式通報装置 参 考 830 75 250 75 680 1 75 2 3 仕切り板 4 1250 1100 消 火 器 75 押ボタン式通報装置(Ⅰ型) 400 50 300 140 50 1 50 2 460 360 50 ① 銘板「非常通報装置」 ② 赤色表示灯 ③ 押ボタンスイッチ ④ 通報装置説明板 3 4 押ボタン式通報装置(Ⅱ型) 5-12 5-13 押ボタン式通報装置設置例(参考) CP ( 電 気 配 管 ) 第3節 無線通信補助設備 1.設備配置 トンネル内に設置する空中線とトンネル坑外に設置する無線装置で構成する。 (解 説) 1.トンネル坑外に設置する無線装置は、基地局、中継局等常時設置の場合と、必要 時にのみ無線機を持ち込み空中線系に接続して使用する場合がある。また、トンネ ルの片側坑口から無線接続する場合と、両側坑口から無線接続する場合がある。 2.トンネル内に設置する空中線を、国土交通省、警察、消防、移動系電気通信事業 者 ( NTTDOCOMO 等 ) が 共 用 す る こ と が あ る 。 無線通信補助設備の施設計画に当り関係各署と十分協議を行うものとする。 3 .本 設 備 に 耐 雷 対 策 を お こ な う 場 合 は 、第 11 章 第 1 節 多 重 無 線 設 備 3「 耐 雷 対 策 」 に準ずるものとする。 (参 考) 1.設備配置例 FM ラ ジ オ 再 放 送 装 置 トンネル 共 漏洩同軸ケーブル 用 国 土 交 通 省 VHF 無 線 機 (常時設置する例) 無線接続箱 消防無線機(必要時無線機接続する例) 無線接続箱 警察無線機(必要時に無線機を接続する例) 器 図5-3-1 トンネル片側坑口より無線供給する例 FM ラ ジ オ 再 放 送 装 置 トンネル 漏洩同軸ケーブル 共 共 用 器 用 無線接続箱 消防無線機 消防無線機 無線接続箱 無線接続箱 警察無線機 警察無線機 無線接続箱 器 国土交通省無線機 国土交通省無線機 無線接続箱 (必要時に無線機を接続する例) 図5-3-2 トンネル両坑口より無線供給する例 5-14 無線接続箱 2.電 〔 2~ 4〕 源 無 線 通 信 補 助 設 備 と し て 設 置 す る 無 線 装 置 の 電 源 は 、商 用 電 源 停 電 の 場 合 に は 、40 分 出 典 :道 路 ト ン ネ ル 間無線装置への供給が出来るものとする。 非常用設備機器仕様 (解 書 (案 )(平 成 22 年 6 説) 1 .第 5 章 第 2 節 3 .直 流 電 源 装 置 の 解 説 に よ り 、自 家 発 電 設 備 が あ る 場 合 、自家 発 電 装 置 の 運 転 時 間 30 分 と 、さ ら に 10 分 間 以 上 の 運 転 が 規 定 さ れ て い る 。こ れ に 準 じ て 、 40 分 間 負 荷 へ の 供 給 が 出 来 る も の と し た 。 (参 考) 1 . 電 源 装 置 の 負 荷 供 給 時 間 40 分 の た め に 、 自 家 発 電 設 備 が 無 い 場 所 に あ っ て は 、 40 分 以 上 運 転 可 能 な 蓄 電 池 容 量 を 持 つ 直 流 電 源 装 置 ま た は 無 停 電 電 源 装 置 を 設 置 す る 。自 家 発 電 設 備 の あ る 場 所 に あ っ て は 、10 分 間 以 上 運 転 可 能 な 蓄 電 池 容 量 を持つ直流電源装置または無停電電源装置を設置する。 3.空 中 線 使用する空中線は次のものを標準とする。 1.耐熱型漏洩同軸ケーブルとする。 2 . 漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル の 使 用 周 波 数 帯 域 は 76MHz~ 430MHz と す る 。 (解 説) 1 .漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル の 耐 熱 性 能 は 、耐 熱 形 漏 え い 同 軸 ケ ー ブ ル 等 試 験 基 準( JCMA 試 第 1050 号 ) に 定 め る 試 験 を 施 す も の と す る 。 2 . 漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル は 、 FM 放 送 , 国 土 交 通 省 VHF 無 線 , 警 察 VHF 無 線 , 消 防 VHF 無 線 , 及 び警察 UHF 無線が共用できるものとする。ただし、移動系電気通信事業 者(NTT DOCOMO 等)と共用する場合は、周波数等別途協議とする。 3.漏洩同軸ケーブルは、使用される全周波数帯について、伝送損失,受信電圧を検討 し、漏洩同軸ケーブルのグレーデ イ ングを最適にする。 4.空中線取付位置 1.漏洩同軸ケーブルの取付位置は、トンネル側壁取付を標準とする。 (解 説) 1 .漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル は 、構 造 上 太 く て 重 い た め 高 所 で の 施 工 性 が 悪 く 、工 事 上 の 安 全 性 を 考 慮 し て ト ン ネ ル 側 壁 取 付 と し た 。こ の 際 、照 明 器 具 ,CCTV 等 と の 配 置 に 考慮する必要がある。 5-15 月) (参 考) 1.トンネル内空中線取付位置図例 誘 導 線 (O E-5. 0 Φ ) 漏洩 同軸ケ ー ブ ル 20 0 0 5 20 0 付近 560 0 付 近 50 42 00 ケ ー ブ ル の布設位 置に つい て は参考と す る 。 図5-3-3 トンネル内空中線取付位置図例 5.給 電 線 使用する給電線は次によるものとする。 1.同軸ケーブルは充実絶縁型とする。 2 .漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル に 接 続 す る 給 電 用 同 軸 ケ ー ブ ル は 耐 熱 型 を 使 用 す る も の と す る 。 (解 説) 1 .耐 熱 型 同 軸 ケ ー ブ ル の 耐 熱 性 能 は 、耐 熱 形 漏 え い 同 軸 ケ ー ブ ル 等 試 験 基 準( JCMA 試 第 1050 号 ) に 定 め る 試 験 を 施 す も の と す る 。 2 . 給 電 用 同 軸 ケ ー ブ ル の 電 気 特 性 は 、 JISC3501 に よ る も の と す る 。 6.ケーブル布設 1 . 漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル の 吊 架 間 隔 は 、 5m 以 下 を 原 則 と す る 。 2 . 露 出 配 線 給 電 線 の 支 持 間 隔 は 1.0m と す る 。 (解 説) 1 .ケ ー ブ ル 布 設 、布 設 金 物 、露 出 配 線 並 び に 露 出 配 管 支 持 間 隔 は 電 気 通 信 設 備 工 事 共通仕様書による。 5-16 出典: トンネル内情 7.受信電圧 所 要 受 信 機 入 力 値 は メ リ ッ ト 4 を 確 保 す る 値 と し 、保 守 マ ー ジ ン 3 dB を 加 え て 次 の 値 (平 成 8 年 3 月 ) と す る。 1 . 150MHz 帯 の 所 要 受 信 機 入 力 値 は 50Ω 系 開 放 端 子 電 圧 18dBμ V+ 付 加 損 失 と す る 。 2 . 400MHz 帯 の 所 要 受 信 機 入 力 値 は 50Ω 系 開 放 端 子 電 圧 14dBμ V+ 付 加 損 失 と す る 。 (解 説) 1 . 道 路 内 に お け る 通 話 品 質 は 、 標 準 変 調 に 対 し て SN 比 25dB( 無 評 価 値 ) 以 上 と す る 。 SN 比 25dB は 通 話 メ リ ッ ト 4 ( 雑 音 が 多 少 あ る が 、 十 分 明 快 に 通 話 が 通 ず る 程 度)相当。 平 均 的 な メ リ ッ ト と SN 比 の 関 係 メリット2 S/N= 10dB メリット3 S/N= 15dB メリット4 S/N= 25dB メリット5 S/N= 35dB 2 . SN 比 25dB の 所 要 受 信 機 入 力 表5-3-1 400MHz 帯 所 要 受 信 機 入 力 中 央 値 ( dBm ) 150MHz 帯 -102 -98 11 15 同 上 50Ω 開 放 端 子 電 圧( dBμ V) 3.所要受信機入力は、雑音を実測し計測するものとするが、机上計算により通信範 囲の検討を行う場合は、上記の値を用いるものとする。 (参 報通信設備の検討書 考) 1.漏洩同軸ケーブルの付加損失 漏洩同軸ケーブルの付加損失は、次の値を見込むものとする。 表5-3-2 項 目 干 渉 に よ る レベル変 動 等 車両による遮蔽損失 合 計 損 失 16.5dB 7.5dB 24 5-17 dB 備 考 距離損失を含む 8.共 用 器 トンネル内漏洩同軸ケーブルを複数の無線通信設備が共用するために使用し、各無線 通信設備は同時に使用出来るものとする。 (解 説) 1 .共 用 器 に 接 続 す る 無 線 通 信 設 備 は 、FM 放 送 ,国 土 交 通 省 VHF 無 線 ,消 防 VHF 無 線 , 及 び 警 察 UHF 無 線 が 有 る 。 共 用 器 を 設 置 す る 際 に は 、 事 前 に 消 防 及 び 警 察 と の 協 議を実施し、接続する無線設備を決定すること。 2 . 移 動 系 通 信 事 業 者 (NTT DOCOMO 等 )と の 共 用 は 、 漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル の 選 定 に ま で 影 響するので別途協議とする。 3.無線通信設備の周波数が近接している場合、無線設備相互間で混信が発生して使 用出来ない。事前に関係者間で周波数の確認を行うことが必要である。近接周波 数 の 目 安 は 、 VHF( 150MHz) 帯 で 周 波 数 差 1 MHz 程 度 で あ る 。 5-18 (参 考) 1.共用器の配置例は、図5-3-1及び図5-3-2による。 2.共用器構成例 U-V共用器(損失1.0dB) UHF 警察無線(UHF) 漏洩同軸ケーブル VHF 国土交通省VHF無線 V 警察無線 VHF V Hi VHF 消防無線 Low V-V共用器 V-V共用器 (損失5.0dB) (損失1.0dB) FMラジオ再放送 図5-3-4 共用器構成例 3.V-V共用器構成例 V-V共用器 150MH 帯 f1 BPF 150MH 帯 f2 BPF 150MH 帯 f3 BPF 図5-3-5 V-V共用器構成例 周 波 数 が 近 接 し て い る と き 、 バ ン ド パ ス フ ィ ル タ ー (BPF)が 、 複 雑 且 つ 挿 入 損 失 の 増 加 、価 格 の ア ッ プ に な る 。フ ィ ル タ ー に よ る 不 要 周 波 数 の 抑 圧 が 十 分 出 来 な い 場 合 に は 、他 の 無 線 機 に 混 信 を 与 え 、ま た 受 け る こ と に な る の で 、設 計 の 都 度 十 分 な 検 討 を行うこと。 4.トンネル両坑口に共用器を配置する例 FM ラ ジ オ 再 放 送 終 端 抵 抗 ( FM 帯 ) トンネル 共 共 漏洩同軸ケーブル 国 土 交 通 省 VHF 用 用 器 器 警 察 VHF 消 防 VHF 図5-3-6 減衰器 国 土 交 通 省 VHF 減衰器 警 察 VHF 減衰器 消 防 VHF トンネル両坑口に共用器を配置する例 5-19 ト ン ネ ル 両 坑 口 に 共 用 器 を 配 置 し た と き 、両 坑 口 無 線 機 が 同 時 送 信 す る 場 合 も あ る 。 こ の た め 、相 手 側 無 線 機 に 到 達 す る 電 力 が 、無 線 機 の 許 容 さ れ る 範 囲 ま で 落 と す た め に減衰器を挿入すること。 な お 、無 線 機 の 受 信 部 へ の 許 容 最 大 入 力 は 133dBμ V( 0.1W)程 度 で 、こ れ に マ ージ ンを6dB 程度見込んだ 127dBμV 以下にすればよい。 9.トンネル内受信電圧計算 9-1漏洩同軸ケーブルによる設計受信電圧 漏洩同軸ケーブルによる受信機入力は、送信機出力に共用器損失、給電線損失、伝 送損失、接続損失、結合損失、付加損失等を減じて求める。 受 信 機 入 力 電 圧 P r= P t- L d- L ft- L i- L j- L e- L a (参 Pr : 受 信 機 入 力 電 圧 ( dB μ V ) Pt :送信機出力 ( dB μ V ) Ld :共用器損失 ( dB ) L ft :給電線損失 ( dB ) Li :伝送損失 ( dB ) Lj :接続損失 ( dB ) Le :結合損失 ( dB ) La :付加損失 ( dB ) 考) 1.漏洩同軸ケーブルの結合損失及び伝送損失の標準値 表 5 - 3 - 3 ( NEXCO 漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル 等 仕 様 書 施 仕 第 08401 号 ( p.4-1-5,p.4-1-6) 結 合 損 失 ( dB) 線 伝 送 損 失 (dB/km) 備 考 種 400MHz 260MHz 150MHz 80MHz 400MHz 260MHz 150MHz 80MHz LCX-43D-75-HR 75 78 80 83 24 19 13 9 LCX-43D-65-HR 65 68 70 73 24 19 13 9 LCX-43D-55-HR 55 58 60 63 27 21 14 10 LCX-43D-50-HR 50 53 55 58 40 29 17 11 L-LCX-43D-75-HR 75 78 80 83 18 15 11 8 L-LCX-43D-65-HR 65 68 70 73 18 15 11 8 L-LCX-43D-55-HR 55 58 60 63 23 18 12 8.5 L-LCX-43D-50-HR 50 53 55 58 34 24 13 8.5 注 1 : 結 合 損 失 及 び 伝 送 損 失 の 基 準 周 波 数 は 、 400MHz 帯 は 350~ 430MHz、 260MHz 帯 は 262~ 266MHz、 150MHz 帯 は 142~ 162MHz、80MHz 帯 は 79~ 90MHz と す る 。 注 2 : 伝 送 損 失 の 最 大 値 は 、 標 準 値 の 115%以 下 と す る 。 注3:線種名称はメーカにより異なるため、上表の性能により規定する。 5-20 5-21 図5-3-7 150MHz 帯 レ ベ ル 計 算 書 5-22 図5-3-8 FM ラ ジ オ 再 放 送 レ ベ ル 計 算 書 第4節 〔 1〕 ラジオ再放送設備 出 典 :電 気 通 信 施 設 設計要領・同解説・ 1.設備配置 1. ト ン ネ ル に 設 置 す る ラ ジ オ 再 放 送 装 置 と 事 務 所 等 に 設 置 す る 放 送 制 御 装 置 ( 割 込 端 通 信 編 (平 成 14 年 2 月版) 末 装 置含む)の構成を標準とする。 p13-12 2.ラジオ再放送装置は、AM ラジオ再放送装置と FM ラジオ再放送装置の設置を標準とする。 3.事務所より割込放送が可能であるものとする。 4.AM ラジオの再放送方式は、AF 中継方式(オーデ イオ中継方式)を標準とする。 5.FM ラジオの再放送方式は、IF 中継方式(中間周波中継方式)を標準とする。 (解 説) AM ラ ジ オ 再 放 送 方 式 に は 、 AF 中 継 方 式 を 標 準 と す る 。 但し、トンネル長が短く、受信電波が安定している場合に限り、複数波を同時に増幅 する同時増幅方式を採用できる。 1.ラジオ再放送設備は、通常はラジオ再放送を受信増幅し、誘導線によりトンネル内 に ラ ジ オ 再 放 送 サ ー ビ ス を 行 う 。緊 急 時 に は 事 務 所 等 に よ り 全 チ ャ ン ネ ル 一 斉 (FM ラ ジ オ 含 む )に 緊 急 情 報 を 割 込 放 送 す る も の と す る 。 2 .AM ラ ジ オ 再 放 送 方 式 に は 、RF 中 継 方 式 と AF 中 継 方 式 と IF 中 継 方 式 が あ る が 、最 も 安 定 し た 再 放 送 が 可 能 で 、 運 用 面 で も 優 れ て い る AF 方 式 を 採 用 す る 。 3 . 同 時 増 幅 方 式 は 、 受 信 電 波 を AGC 増 幅 し て 再 放 送 す る た め フ ェ ー ジ ン グ 等 の 少 な い 安定した受信電波が必要である。 トンネル内に敷設する誘導線は、両側平行 2 線式とする。 受 信 点 と 送 信 点 が 同 一 箇 所 の 場 合 、「 同 時 増 幅 方 式 非 分 離 受 信 」 と す る 。 受 信 点 と 送 信 点 が 離 れ る 場 合 、「 同 時 増 幅 方 式 分 離 受 信 」 と し 、 E/O, O/E 変 換 を 使 用 し 光 フ ァイバーで信号を伝送する。 表5-4-1 方式 特徴 長 所 短 所 RF 中 継 方 式 受信電波を各波専用 増幅器で増幅する。 AF 中 継 方 式 受信電波を増幅後、 一旦オーディオに直 してから再度変調増 幅する。 構成機器が少ない。 安定度高い。 短いトンネルから長 大トンネルに対応で きる。 トンネル郡があると き、受信が共用でき る。 混信、発振を生じ易 復 調 ま で 行 う の で く安定度が悪い。 IF 中 継 方 式 に 対 し 割込放送が全チャン 構成が複雑。 ネルに共用出来ず複 ステレオ放送の対応 雑 。受 信 電 界 が 強 く 、 が 困 難 。 短いトンネルにしか 対応できない。 評 価 × ○ 〔 表 5-4-1〕 IF 中 継 方 式 受 信 電 波 を RF 増 幅 し 、IF 変 換 増 幅 後 再 度 RF 変 換 増 幅 す る 。 電波の質を変えない のでステレオ放送が 可能。 同時増幅方式 受 信 電 波 を 一 度 IF に 変 換 後 再 び RF に 変換し各波まとめて 増幅する。 電波の質を変えない のでステレオ放送が 可能。 チャンネル数が多い ほど経済性が高い。 受 信 電 波 を AGC 増 幅 して再放送するた め、フェージングが 大きい場合には適さ ない。 出 力 が 0.3W/ch で あ るため長いトンネル には対応できない。 トンネルが複数ある 場合は、電力増幅部 がトンネル数分必要 となる。 ○ (条 件 1) ○ (条 件 2) (条 件 1) 受信電波が安定していることが必要である。 (条 件 2) ・ 出 力 が 1 チ ャ ン ネ ル あ た り 0.3W で あ る た め 、 長 い ト ン ネ ル の 場 合 は 再 放 送 電 界 強 度 を 計 算 し て 確 認 し 、 周 囲 電 界 強 度 等 の レ ベ ル 差 が 20dB 以 内 と し て 採 用 を 検 討 す る 。 ・フェージング等の少ない安定した受信電波が必要である。 5-23 出 典 :電 気 通 信 施 設 設計要領・同解説・ 通 信 編 (平 成 14 年 2 月版) p13-13 4 .FM ラ ジ オ 再 放 送 方 式 に は 、RF 中 継 方 式 と AF 中 継 方 式 と IF 中 継 方 式 が あ り 、安 定 し た 再 放 送 が 可 能 で 、電 波 の 質 を 変 え な い IF 方 式 を 採 用 し て い る 。な お 、受 信 場 所 と 送 信 場 所 が 異 な る 場 合 に は 、 AF 中 継 を 採 用 し 、 一 旦 オ ー デ ィ オ に 直 し て メ タ ル ま た は光ケーブルで伝送して再送信することもある。方式の特徴は次の通りである。 〔 表 5-4-2〕 表5-4-2 方式 RF 中 継 方 式 受信電波を各波専用 増幅器で増幅する。 AF 中 継 方 式 受信電波を増幅、復 調してから再び各波 毎に変調増幅する。 特徴 IF 中 継 方 式 受 信 電 波 を IF 変 換 し 増 幅 し 再 び RF に 変換し各波毎に増幅 する。 安定度が比較的良 い。電波の質を変え ないのでステレオ放 送が可能。 文字多重データにも 対 応 。 (条 件 2) 構成機器が少ない。 安定度高い。 システムが標準化出 来ず複雑。 混信、発振を生じ易 く安定度が悪い。 復調まで行うので IF 中 継 方 式 に 対 し 構成が複雑。 ステレオ放送の対応 が困難。 文字多重データの対 応が不可。 チャンネル数分増幅 器が必要。 忠実度が悪い。 IF で 中 継 す る た め 、 受信場所と送信場所 を離すことが出来な い。 チャンネル数分増幅 器が必要。 × ○ ○ 長 所 短 所 評 価 同時増幅方式 受 信 電 波 を 一 度 IF に 変 換 後 再 び RF に 変換し各波まとめて 増幅する。 安定度が比較的良 い。電波の質を変え ないのでステレオ放 送が可能。 文字多重データにも 対 応 。 (条 件 2) チャンネル数が多い ほど有利。 出 力 が 0.3W/ch で あ るため長いトンネル には適さない。 ○ (条 件 1) (条 件 1) 同時増幅方式の使用の可否については、必ず回線設計を行い判断する. (条 件 2) FM 文 字 多 重 デ ー タ は 、電 波 の 質 を 変 え な い IF 中 継 方 式 / 同 時 増 幅 方 式 の 場 合 は 、変 調 成 分 は そ の ま ま 送 信 し て い る 為 、FM ラ ジ オ 放 送 波 に VICS 等 の 文 字 多 重 デ ー タ が 乗 っ て い れ ば 、そ の ま ま トンネル内に放送される。 但 し 、 FM ラ ジ オ で 文 字 多 重 デ ー タ を 受 信 す る た め に は 、 カ ー ラ ジ オ の 性 能 上 受 信 電 界 が 安 定 し た 状 態 で 、 最 低 「 70dBμ V/m 以 上 」 (受 信 機 入 力 電 圧 で 「 60dBμ V」 程 度 )必 要 。 ト ン ネ ル 内 の 電 界 強 度 は 、 電 波 法 の 規 定 値 で 送 信 ア ン テ ナ よ り 3m 離 れ た 地 点 で 、 最 高 「 54dBμ V/m 以 下 」 と 定 め ら れ て い る 。 そ こ で 、 ト ン ネ ル 内 FM ラ ジ オ 再 放 送 で は 、 カ ー ラ ジ オ の 性 能 に て 文 字 多 重 デ ー タ を 十 分 に 受 信 することができない。 5-24 出 典 :電 気 通 信 施 設 設計要領・同解説・ 通 信 編 (平 成 14 年 2 月版) p13-30 5 . 本 設 備 に 耐 雷 対 策 を お こ な う 場 合 は 、 第 12 章 第 1 節 多 重 無 線 設 備 3 「 耐 雷 対策」 に準ずるものとする。 (参 考) 1.設備配置例 事務所装置 放送制御装置 割込端末装置 受信空中線 トンネル AM ラ ジ オ 再 放 送 装 置 整合器 誘導線 終端器 受信空中線 共 FM ラ ジ オ 再 放 送 装 置 漏洩同軸ケーブル 用 無線接続箱 消防無線機 無線接続箱 警察無線機 器 国 土 交 通 省 VHF 無 線 機 図5-4-1 設 備 配 置 例 ( AM ラ ジ オ の 誘 導 線 に よ る 送 信 ) 事務所装置 放送制御装置 割込端末装置 受信空中線 トンネル AM ラ ジ オ 再 放 送 装 置 らせん漏洩同軸ケーブル 受信空中線 共 FM ラ ジ オ 再 放 送 装 置 漏洩同軸ケーブル 用 無線接続箱 消防無線機 無線接続箱 警察無線機 器 国 土 交 通 省 VHF 無 線 機 図5-4-2 設 備 配 置 例 ( AM ラ ジ オ の ら せ ん 漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル に よ る 送 信 ) 5-25 AM 中 継 方 式 ① 〔 図 5-4-3~ 6〕 AF 中 継 方 式 AF 中 継 方 式 は 、 受 信 と 送 信 を AF 信 号 で 伝 送 す る た め 、 メ タ ル ケ ー ブ ル で 接 続 す る 。 出 典 :電 気 通 信 施 設 設計要領・同解説・ 通 信 編 (平 成 14 年 2 月版) 図5-4-3 ② 設 備 配 置 例 ( AF 中 継 方 式 ) IF 中 継 方 式 IF 中 継 方 式 は 、受 信 と 送 信 を IF 信 号 で 伝 送 す る た め 、同 軸 ケ ー ブ ル で 接 続 す る 。(同 一局舎内のみ) 図5-4-4 ③ 設 備 配 置 例 ( IF 中 継 方 式 ) 同時増幅方式(非分離受信) 同 時 増 幅 方 式 (非 分 離 受 信 )は 、受 信 と 送 信 を RF 信 号 で 伝 送 す る た め 、同 軸 ケ ー ブ ル で接続する。 図5-4-5 ④ 設備配置例(同時増幅方式) 同時増幅方式(分離受信) 同 時 増 幅 方 式 (分 離 受 信 )は 、受 信 と 送 信 を RF 信 号 で 伝 送 す る が 、E/O,O/E 変 換 を 使 用 し 、 光 ケ ー ブ ル (SMF)で 伝 送 す る た め 長 距 離 の 伝 送 が 可 能 で あ る 。 図5-4-6 設備配置例(同時増幅方式 分離受信) 5-26 p13-16 FM 中 継 方 式 ① IF 中 継 方 式 〔 図 5-4-7~ 9〕 IF 中 継 方 式 は 、受 信 と 送 信 を IF 信 号 で 伝 送 す る た め 、同 軸 ケ ー ブ ル で 接 続 す る 。(同 出 典 :電 気 通 信 施 設 設計要領・同解説・ 一局舎のみ可) 通 信 編 (平 成 14 年 2 月版) 図5-4-7 ② 設 備 配 置 例 ( IF 中 継 方 式 ) 同時増幅方式(非分離受信) 同 時 増 幅 方 式 (非 分 離 受 信 )は 、受 信 と 送 信 を RF 信 号 で 伝 送 す る た め 、同 軸 ケ ー ブ ル で接続する。 図5-4-8 ④ 設備配置例(同時増幅方式) 同時増幅方式(分離受信) 同 時 増 幅 方 式 (分 離 受 信 )は 、受 信 と 送 信 を RF 信 号 で 伝 送 す る が 、E/O,O/E 変 換 を 使 用 し 、 光 ケ ー ブ ル (SMF)で 伝 送 す る た め 長 距 離 の 伝 送 が 可 能 で あ る 。 図5-4-9 設備配置例(同時増幅方式 分離受信) 5-27 p13-32 2.電 源 第 3 節 2 .電 源 に 準 ず る 。 3 . AM ラ ジ オ 送 信 用 誘 導 線 1.トンネル内に布設する誘導線は、片側平行 2 線式を標準とする。 〔 3〕 2 . 誘 導 線 は OE-5.0φ ( 屋 外 用 ポ リ エ チ レ ン 絶 縁 電 線 ) を 標 準 と す る 。 出典: 道路トンネル (解 内情報通信システム 説) 1 .片 側 平 行 2 線 方 式 は ト ン ネ ル 内 片 側 車 線 に 布 設 す る た め 、保 守 性 に 優 れ て い る の で 成 7 年度) 採用した。 2 .誘 導 線 は OE-3.2φ ま た は OE-5.0φ の 2 例 が あ る が 、OE-5.0φ が 標 準 市 販 品 で あ るのでこれを採用した。 3.らせん漏洩同軸は高価である。 (参 検 討 業 務 報 告 書 (平 考) 1 .平 行 2 線 式 が 総 合 的 に は 有 利 で あ る も の の 、雪 氷 時 期 に ト ン ネ ル 内 に も 凍 結 防 止 剤 を 撒 く 期 間 が 長 い 場 合 、誘 導 線 を 支 持 し て い る 碍 子 に 凍 結 防 止 剤 が 付 着 し 、そ の 結 果誘導線の伝送損失が増加しトンネル内において再放送電波が受信できなくなる 場 合 が あ る 。そ の よ う な 場 合 に は 、ら せ ん 漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル は 効 果 的 な の で 十 分 検 討する。 2 .ト ン ネ ル 坑 口 付 近 に 民 家 が 存 在 し 、ト ン ネ ル 内 の 再 放 送 電 波 の 漏 れ に よ る 民 家 へ の 混 信 妨 害 を 与 え る 恐 れ が あ る 場 合 に は 、ら せ ん 漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル は 漏 れ が 少 な く 効 果的である。 5-28 4 . FM ラ ジ オ 送 信 用 空 中 線 1.トンネル内に布設する空中線は漏洩同軸ケーブルとする。 2 . 使 用 す る 漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル は 第 3 節 3 .空 中 線 に 準 ず る 。 (解 説) 1 .FM 再 放 送 は 微 弱 電 波 の 制 限 内 で 使 用 さ れ る た め 、ア ン テ ナ 方 式 で は 100m 程 度 し か サ ー ビ ス で き な い 。漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル で は 、ト ン ネ ル 内 の 電 界 を 均 一 に 出 来 る た め に 漏洩同軸ケーブルを採用した。 5.誘導線取付位置 (参 考) 1.トンネル内空中線取付位置図例を示す。 誘 導 線 (O E-5. 0Φ ) 漏洩同軸ケーブル 20 0 0 52 0 0 42 0 0 付 近 560 0付 近 50 ケーブルの布設位置については参考とする。 図 5 - 4 - 10 トンネル内空中線取付位置図例 5-29 6.給 電 線 使用する給電線は次によるものとする。 1.同軸ケーブルは充実絶縁型とする。 2.トンネル内露出配線に使用する同軸ケーブルは耐熱型とする。 (解 説) 1.耐熱型同軸ケーブルの耐熱性能は、「日本道路公団漏洩同軸ケーブル等仕様書 機 電 通 仕第 90401 号」による。 7.ケーブル布設 1 . 誘 導 線 及 び ら せ ん 漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル の 吊 架 間 隔 は 、 5m 以 下 を 原 則 と す る 。 2 . 誘 導 線 は 、 約 200m 毎 に 引 留 固 定 す る こ と 。 3 . 露 出 配 線 給 電 線 の 支 持 間 隔 は 1.0m と す る 。 (解 説) 1 .誘 導 線 及 び ら せ ん 漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル の 布 設 、布 設 用 金 物 、露 出 配 線 並 び に 露 出 配 管 支持間隔は電気通信設備工事共通仕様書による。 2 .誘 導 線( OE 線 )の 標 準 長 は 200m で あ る の で 、約 200m 毎 に 引 留 固 定 し た 上 で 接 続 するものとした。 8.受信空中線 1 . AM ラ ジ オ 再 放 送 用 受 信 空 中 線 の 型 式 は ル ー プ 型 を 標 準 と す る 。 (解 説) 1 .ホ イ ッ プ 型 ア ン テ ナ は 安 価 で 経 済 的 で あ る が 、無 指 向 性 の た め に ト ン ネ ル か ら の 再 送 信 電 波 の 漏 れ を 拾 い や す く 、ア ン テ ナ 利 得 が 低 い の で 雑 音 も 拾 い や す い の で 、指 向 性のあるループ型を標準とした。 (参 考) 1.AM 受 信 空 中 線 の 所 要 数 は 、1 波 当 た り 1 基 を 原 則 と す る が 、お お む ね 次 の 条 件 を 満 た す場合は、1 基にて 2 波を受信するものとする。 ・ 2 波 の 周 波 数 間 隔 が 300KHz 以 内 で あ る こ と 。 ・ 2 波 の 電 波 到 来 方 向 の 差 が 30゜ 以 内 で あ る こ と 。 ・ 2 波 の 電 界 強 度 が 60dBμ V/m 以 上 あ り 、 且 つ レ ベ ル 差 が 20dB 以 内 で あ る こ と 。 2 . FM ラ ジ オ 再 放 送 用 受 信 空 中 線 の 型 式 は 八 木 型 3 素 子 を 標 準 と す る 。 (解 説) 1 .ホ イ ッ プ 型 ア ン テ ナ は 安 価 で 経 済 的 で あ る が 、無 指 向 性 の た め に ト ン ネ ル か ら の 再 送 信 電 波 の 漏 れ を 拾 い や す く 、ア ン テ ナ 利 得 が 低 い の で 雑 音 も 拾 い や す い の で 、ル ープ型を標準とした。 2 .八 木 型 空 中 線 の 素 子 数 は 、指 向 特 性 上 3 素 子 を 標 準 と し 、施 工 上 の 問 題 で 5 素 子 ま でとする。 9.放送局の選定 トンネル内に再放送する放送局は、原則として当該放送局のサービスエリアが対象ト ンネルの入口及び当該区域を走行中の車両において、安定して受信出来る局とする。 5-30 (解 説) 1 . AM ラ ジ オ の 再 放 送 す る 放 送 局 は 、 原 則 と し て 郵 政 省 例 の 「 放 送 局 の 開 設 の 根 本 的 基 準 」第 2 条 11 項( 平 成 14 年 省 令 第 5 号 改 正 )に 示 さ れ る 電 界 強 度 を 満 足 す る も のを選定する。 表5-4-3 区 域 放送局の開設の根本的基準 電界強度の範囲(単位 dBμV/m) 高雑音区域 80 以上 94 以下 中雑音区域 66 以上 80 以下 低雑音区域 48 以上 66 未満 区域については、昭和 39 年 1 月 8 日郵政省告示第 5 号(昭和 47 年 5 月 1 日改訂)によ る。 2 . SINPO コ ー ド 表 に よ り 受 信 状 態 を 測 定 し て 決 定 す る 。 3.受信状態の測定は、昼夜それぞれ行い、再放送出来る放送局は原則として昼夜共に 安定して受信出来る局とする。 4 . 安 定 し て 受 信 出 来 る 局 と は 、 SINPO コ ー ド 表 の 総 合 品 位 3 以 上 で あ る 。 総 合 品 位 3 の 程 度 は 、ラ ジ オ を 聴 い て 、雑 音・混 信・フ ェ ー ジ ン グ が 入 っ て い て も 、 ラジオを聴き続けることが出来る程度の状態をいう。 表5-4-4 S 5 SINPO コ ー ド 表 I N 信号強度 混 信 雑 音 非常に強い な い な い 伝搬上の障害 総合品位 な い 強 い 3 普 通 普 通 普 通 普 通 2 弱 い 多 い 多 い 多 い (参 かすかに聞 こ え る 非常に多い かすかにある O 4 1 かすかにある P 非常に多い かすかにある 非常に多い 優 秀 良 い 普 通 良くない 使えない 考) 1.トンネル付近の路上等は雑音源である民家等が無く雑音区域として「低雑音区域」 と な り、AM ラジオ再放送可能電界強度は 48dBμ V/m 以上となる。 2 . S/N30dB を 確 保 で き る AM カ ー ラ ジ オ の 受 信 機 入 力 電 圧 は 40dBμ V 以 上 で あ り 、 カ ー ラ ジ オ の 空 中 線 利 得( dBμ V- dBµV/m)は -5~ -40dB あ る 。こ の 点 か ら も 、カ ー ラジオの受信出来る電界強度と再放送可能電界強度がほぼ一致することになり、 AM ラ ジ オ 再 放 送 可 能 電 界 強 度 48dBμ V/m 以 上 ( 低 雑 音 地 域 ) が 摘 要 で き る 。 3 . AM 再 放 送 受 信 機 の ト ン ネ ル 内 ラ ジ オ 再 放 送 仕 様 で は 、 実 用 受 信 機 入 力 電 圧 は 35dB μ V( S/N20dB) 以 上 と 規 定 さ れ て い る 。 し た が っ て 、 受 信 空 中 線 利 得 、 給 電 線 損 失等を考慮して必要受信機入力電圧を確保することが必要である。 5-31 4 .FM ラ ジ オ の 再 放 送 可 能 電 界 強 度 は 、放 送 局 の 開 設 の 根 本 的 基 準 」第 2 条 11 に 従 え ば 48dBμ V/m 以 上 と な る 。し か し 、FM カ ー ラ ジ オ の 性 能 は S/N30dB を 確 保 す る ための受信機入力電圧は、25dBμV 程度である。車両装備の空中線利得(実効長) ( dBμ V- dBμ V/m)は 、空 中 線 の 伸 縮 度 合 に よ っ て 異 な り 、フ エ ン ダ ー ア ン テ ナ で -5~ -6dB、ピ ラ ー ア ン テ ナ で -8dB、ウ イ ン ド シ ー ル ド ア ン テ ナ で - 15dB が 実 験 的 に 得 ら れ て い る 。し た が っ て 、空 中 線 に よ っ て は 30dBμ V/m( 25dBμ V+ 5dB)以 上 の電界強度で明瞭の聞こえることになる。 FM 再 放 送 受 信 機 の ト ン ネ ル 内 ラ ジ オ 再 放 送 仕 様 で は 、 受 信 機 入 力 電 圧 は 40dBμ V 以上と規定されている。しかし、実際にはもっと低い受信電圧で受信されている の で 、 FM ラ ジ オ の 再 放 送 す る 放 送 局 は 、 受 信 電 界 30dBμ V/m 以 上 あ る 局 を 検 討 す ること。 (資 料) 1.受信電圧と受信電界とアンテナ実効長(利得)の関係は次式で表される。 受 信 電 圧 V( dBμ V) = 受 信 電 界 E( dBμ V/m) ×ア ン テ ナ 実 効 長 h( m) 2 .微 小 ル ー プ ( 波 長 に 比 べ 、一 片 が 十 分 小 さ い ル ー プ )の 実 効 長( m)は 次 式 で 表 わ される。 ア ン テ ナ 実 効 長 h( m) = 2π NA/λ N :ループの巻き数 A :ループの面積 λ: 波 長 本 式 で 計 算 す る と 、 ル ー プ の 利 得 は -26~ -16dB 程 度 に な る が 、 ラ ジ オ 再 放 用 ル ー プ ア ン テ ナ は 、 同 調 回 路 お よ び 整 合 回 路 に よ り 、 指 定 の 1 波 に つ い て の 利 得 が -20~ 0dB にすることが出来る。 10. 電 界 強 度 10- 1 関連法規 1 . ト ン ネ ル 内 AM ラ ジ オ 再 放 送 設 備 は 、 漏 洩 電 界 強 度 は 線 路 か ら λ の地点で 2π 200μ V/m 以 下 で あ る こ と 。 ( 無 線 設 備 規 則 第 61 条 ) 2 .ト ン ネ ル 内 FM ラ ジ オ 再 放 送 設 備 は 、電 波 法 施 行 規 則 第 6 条( 免 許 を 要 し な い 無 線 局 ) 第 1 項策 1 号に規定に基づき、当該無線局の無線設備から 3 メートルの距離におい て、電 界 強 度 が 500μ V/m 以 下 で あ る こ と 。 (参 考) 1 . 200μ V/m= 46dBμ V/m 500μ V/m= 54dBμ V/m 10- 2 トンネル内の所要電界強度 1 . AM 再 放 送 の 所 要 電 界 強 度 は 60dBμ V/m 以 上 と す る 。 2 . FM 再 放 送 の 所 要 電 界 強 度 は 30dBμ V/m 以 上 と す る 。 (解 説) 1 . AM 再 放 送 の 所 要 電 界 強 度 は 、 カ ー ラ ジ オ の 特 性 か ら 、 S/N30dB を 確 保 す る た め の 受 信 機 入 力 電 圧 は 40dBμ V 以 上 と な る 。 ( JIS-C-6102 試 験 法 に よ る ) 車両装備の 空中線利得(実効長)(dBμV-dBμV/m)は空中線の種類・空中線の 伸 縮 の 度 合 に よ っ て 異 な り -5~ -40dB で あ る 。一 般 的 に は カ ー ラ ジ オ の 空 中 線 を あ る 程 度 伸 ば し て い る 状 態 で 受 信 す る も の と 考 え 、 空 中 線 の 利 得 を -20dB と し た 。 所 要 電 界 強 度 ≧ 40dBμ V+ 20dB= 60dBμ V/m 5-32 〔 2.〕 2 . FM 再 放 送 の 所 要 電 界 強 度 FM カ ー ラ ジ オ の 性 能 は S/N30dB を 確 保 す る た め の 受 信 機 入 力 電 圧 は 、 25dBμ V 程 出 典 :電 気 通 信 施 設 度 で あ る 。 車 両 装 備 の 空 中 線 利 得 (実 効 長 )( dBμ V- dBμ V/m) は 、 空 中 線 の 伸 縮 度 設計要領・同解説・ 合 に よ っ て 異 な る 。 こ こ で は 、 カ ー ラ ジ オ で は 空 中 線 に よ っ て は 30dBμ V/m( 25dB 通 信 編 (平 成 14 年 2 μ V+ 5dB(フ ェ ン ダ ー ア ン テ ナ 利 得 -5~ -6dB)) 以 上 の 電 界 強 度 で 明 瞭 の 聞 こ え る こ 月版) と よ り 、 所 要 電 界 強 度 30dBμ V/m 以 上 と し た 。 10- 3 AM ラ ジ オ 再 放 送 レ ベ ル 計 算 ト ン ネ ル 内 電 界 強 度 Er は 次 式 に よ り 計 算 す る 。 Er= Pt+ 113- Lft- Ll- Lc- La Er : 受 信 電 界 強 度 (dBμ V/m) Pt : 送 信 機 出 力 (dBm) Lft : 送 信 給 電 損 失 、 整 合 器 損 失 、 分 配 器 損 失 、 出 力 混 合 部 損 失 等 ( dB) Ll : 誘 導 線 伝 送 損 失 5dB/km Lc : 結 合 損 失 65dB( 片 側 平 行 2 線 方 式 ) 55dB( 両 側 平 行 2 線 方 式 ) La : 付 加 損 失 (解 13dB 説) 1 .結 合 損 失 は 、発 信 器 出 力 の 開 放 端 子 電 圧 と ケ ー ブ ル 近 傍 に お け る 電 界 強 度 の 比 を 言う。 2 . 付 加 損 失 は 、 電 界 換 算 損 失 10dB と シ ス テ ム マ ー ジ ン 3dB の 和 。 電 界 換 算 損 失 に つ い て は 、第 7 章 第 1 節 路 側 通 信 設 備 4 .電 界 強 度 計 算 に よ る。 トンネル抗外への漏洩電界強度は次式で計算する。 Eout1= Pt+ 113+ Lft - Lc- Ldin×Ld(1)- Ldout×Ld(2) (給 電 側 ) Eout2= Pt+ 113+ Lft - Ll- Lc- Ldin×Ld(1)- Ldout×Ld(2) (終 端 側 ) 但し、Eout Ldin :漏洩電界強度 (dBμ V/m) :ト ン ネ ル 抗 口 か ら 誘 導 線 ま で の 距 離 Ldout : ト ン ネ ル 坑 口 か ら 測 定 点 ま で の 距 離 λ /2π Ld(1) : ト ン ネ ル 内 伝 搬 損 失 2.0dB/m Ld(2) : ト ン ネ ル 外 伝 搬 損 失 0.34dB/m 表5-4-5 項 目 送信電力 Pt 線路インピーダンス 電力対電圧変換 漏洩電界強度 整合器損失 分配器損失 出力混合部損失 定 数 0.3W= 24.8dBm 1W= 30dBm 3W= 34.8dBm 10W= 40dBm 300Ω 113dB 120.8dB 46dB( μ V/m) 2dB 4dB 3dB 5-33 定数表 備 考 延 長 が 概 ね 1000m 未 満 同 様 に 1000~ 3000m 程 度 平行二線 50Ω 開 放 300Ω 開 放 200μ V/m 50Ω : 300Ω 挿入損失を含む p13-37 10- 4 〔 10-4〕 FM ラ ジ オ 再 放 送 レ ベ ル 計 算 漏洩同軸ケーブルから放射された電波による坑内電界強度は、次式で計算する。 E= Vta- Lt- Lc- 4.5- Lm Vta :漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル 給 電 点 の 電 圧 ( dBμ V/m) 設計要領・同解説・ ( dBμ V) 通 信 編 (平 成 14 年 2 Lt : 漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル 伝 送 損 失 の 給 電 点 ~ 計 算 地 点 ま で の 合 計 値 ( dB) Lc :電界強度設計地点の漏洩同軸ケーブルの標準結合損失 ( dB) 4.5 : 80MHz の 半 波 長 ダ イ ポ ー ル ア ン テ ナ の 実 効 長 (1.5dB) 漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル か ら 1.5m で 規 定 さ れ て い る 標 準 結 合 損 失 よ り 3m 地 点 の 結 合 損 失 を 求 め る た め の 補 正 値 (3dB) Lm (ア) : 付 加 損 失 ( 8dB) 付 加 損 失 は 、 FM ラ ジ オ 再 放 送 が 微 弱 電 波 レ ベ ル で 送 信 し な け れ ば な ら な い 状 況 を 踏 ま え 、 多 少 の ノ イ ズ の 混 入 を 許 容 す る こ と と し 8dB と す る 。 付 加 損 失 は 、 次に示す遮蔽損失および距離損失の合計である。 ① 車両による遮蔽損失 車 両 に よ る 遮 蔽 損 失 の 実 測 で 、 大 型 バ ス , 大 型 ト ラ ッ ク に よ り 、 50% 値 で 5dB 程 度 , ピ ー ク 値 で 25dB 程 度 の 電 界 低 下 が 観 測 さ れ て い る 。 こ こ で は 、 50% 値 の 5dB を 遮 蔽 損 失 と す る 。 ② 通行車線による距離損失 電 界 強 度 規 定 地 点 は 、漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル か ら 3m 離 れ た 地 点 で 規 定 し て い る が 、 漏洩同軸ケーブルから車両に装着されたアンテナまでの距離は通行する車線 により変わる。 標 準 的 な 2 車 線 ト ン ネ ル で は 、漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル か ら 車 両 の ア ン テ ナ ま で の 距 離 が 最 大 6m 程 度 に な る の で 、 距 離 損 失 を 10 log 6 3 = 3dB とする。 (参 考 ) 1.電 界 強 度 規 定 地 点 で の 電 界 強 度 が 54dBμ V/m 以 下 と な る よ う に 、送 信 出 力 を 決 定 す る 。 所要送信電圧 Vt= 58.5+ Lc+ Lft+ Lmx+ Latt (dBμ V) 所要送信電力 Pt= Vt- 143 (dBW) Lc :結合損失 (dB) Lft : 伝 送 損 失 (dB) Lmx : 混 合 損 失 (dB) (FM 出 力 混 合 部 損 失 及 び FM 共 用 器 損 失 ) (同 時 増 幅 方 式 の 場 合 、 FM 出 力 混 合 部 損 失 は 含 ま な い ) Latt: 出 力 調 整 用 減 衰 器 の 減 衰 量 (dB) (ア) 電界強度を制限値に等しいとしたときの漏洩同軸ケーブルの給電電圧は以下に より算出する。 ① 電 界 強 度 規 定 地 点 で の 電 界 強 度 は 54(dBμ V/m) 漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル の 標 準 結 合 損 失 は 1.5m で 規 定 さ れ て い る た め 、微 弱 電 界 の 規 定 点 3m に 変 換 す る 補 正 値 10 log ② 3 1.5 = 3(dB)を 加 え 、 57(dBμ V/m)と な る 。 80MHz の 半 波 長 ダ イ ポ ー ル ア ン テ ナ の 実 効 長 が 、 20log 10 (λ /π )= 1.5(dB)(λ =波 長 = 3.75m) と な る の で 、漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル よ り 1.5m 地 点 で の 半 波 長 ダ イ ポ ー ル ア ン テ ナ の 誘 起 電 圧 (開 放 端 )は 57+ 1.5= 58.5(dBμ V)と な る 。 5-34 出 典 :電 気 通 信 施 設 月版) p13-35 ③ 漏 洩 同 軸 ケ ー ブ ル の 給 電 電 圧 は 、こ の ア ン テ ナ の 誘 起 電 圧 に 標 準 結 合 損 失 Lc を 加 え て 求 め ら れ 、 58.5+ Lc(dBμ V)と な る 。 ④ 送信電圧は、漏洩同軸ケーブルの給電電圧に給電線損失,混合損失,及び出力 調整用減衰器の値を加える。 出 力 調 整 用 減 衰 器 は 最 低 で も 3dB 以 上 見 込 ん で 設 定 し 、 施 工 後 の ト ン ネ ル 内 電 界 強 度 の 実 測 に よ り 規 定 地 点 で の 電 界 強 度 が 54(dBμ V/m)を 越 え な い よ う に 調 整する。 ⑤ IF 中 継 方 式 と 同 時 増 幅 方 式 の 各 方 式 の 計 算 例 IF 中 継 方 式 と 同 時 増 幅 方 式 の 各 方 式 の 計 算 例 を 示 す 。 a. IF 中 継 方 式 標準結合損失 Lc 給電線損失 Lft : 3.0(dB) 10D-FTXE 混合損失 Lmx : 4.0(dB) FM 出 力 混 合 部 3.0dB FM 共 用 器 1.0dB 出力調整用減衰器 : 73.0(dB) LCX-65D-HR の 結 合 損 失 100m Latt: 4.0(dB) とすると、 所 要 送 信 電 圧 Vt は 、 Vt= 58.5+ 73.0+ 3.0+ 4.0+ 4.0 = 142.5(dBµV) 所 要 送 信 電 力 Pt は 、 Pt= Vt- 143 = -0.5(dBW) = 0.9(W) b. ⇒ 1W の 送 信 部 と す る 。 同時増幅方式 標準結合損失 Lc : 63.0(dB) LCX-55D-HR の 結 合 損 失 給電線損失 Lft : 3.0(dB) 10D-FTXE 100m 混合損失 Lmx : 1.0(dB) FM 共 用 器 1.0dB 出力調整用減衰器 Latt: 8.0(dB) とすると、 所 要 送 信 電 圧 Vt は 、 Vt= 58.5+ 63.0+ 3.0+ 1.0+ 8.0 = 133.5(dBμ V) 所 要 送 信 電 力 Pt は 、 Pt= Vt- 143 = -9.5(dBW) = 0.11(W) ⇒ 0.3W の 電 力 増 幅 部 と す る 。 2.グ レ ー デ ィ ン グ 1種類の漏洩同軸ケーブルのみでトンネル内の所要電界を満足できない場合結合 損失の異なる漏洩同軸ケーブルを組み合わせることで、トンネル内電界均一化とサ ービス範囲の拡大を図る。 V H F 、U H F と 共 用 す る と 、伝 送 損 失 、結 合 損 失 の 違 い か ら 、全 部 の 帯 域 に つ い て 最 適 設 計 を す る こ と が 困 難 に な り 、そ れ ぞ れ の 最 低 電 界 を 満 足 す る よ う に 設 計 す る こ と に な る 。具 体 的 に は 、76MHz~ 400MHz の 共 用 シ ス テ ム で は 、400MHz と 80MHz にてそれぞれ最適のグレーディング設計を行いそれぞれの中間を取るようにする。 5-35 5-36 図 5 - 4 - 11 AM ラ ジ オ 再 放 送 レ ベ ル 計 算 書 5-37 図 5 - 4 - 12 FM ラ ジ オ 再 放 送 レ ベ ル 計 算 書
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