取手市立図書館資料収集基準 (目的) 第1条 この基準は,取手市立図書館管理運営規則(平成 13 年教育委員会規則第 1 号)第 2 条に規定 する事業を十分かつ円滑に運営するため,取手市立図書館における資料の収集に関し必要な事項を 定めるものとする。 (基本方針) 第2条 公共図書館としての役割,幅広い利用者層の要求及び社会的な動向を十分配慮し,広く市民 の文化,教養,調査,研究,趣味,娯楽等に関する資料を収集する。 2 「図書館の自由に関する宣言」の精神を尊重し,あらゆる資料に対して,偏見を持つことなく,次 の各号に掲げる事項に基づき,公平に幅広く収集する。 (1) 対立する意見のある問題については,それぞれの観点に立つ資料を幅広く収集する。 (2) 著者の思想的,宗教的,党派的立場にかかわらず多様な資料を収集する。 (3) 図書館職員の個人的な関心や好みによって収集しない。 (4) 個人,組織,団体からの圧力,干渉に左右されない。 3 次の資料は,原則として収集の対象外とする。 (1)人権又はプライバシーを侵害するもの。 (2)学習参考書,問題集,楽譜等。 (3)極度に低俗なもの,内容に信憑性がないもの。 (4)宣伝的要素が強いもの。 (5)漫画本。ただし,広く一般に読まれているものや一定の評価を得ているものは収集の対 象として検討する。 (6)保存に適さない形態のもの(書き込み,切り取り,組み立てを目的とした図書及び著しく 破損しやすい図書) 。 (7)その他資料として不適当と思われるもの。 4 資料の収集に当たっては,茨城県立図書館及び県内公共図書館との連携,協力に努める。 5 前各項の方針は,寄贈資料,非売品資料を含む全ての出版物を対象とする。 (収集資料の種類) 第3条 収集資料の種類は,次のとおりとする。 (1) 図書(一般図書,児童図書,YA図書,参考図書,大活字図書) (2) 地域資料(郷土,行政) (3) 逐次刊行物(新聞,雑誌,追録,その他) (4) 官公庁出版物 (5) 視聴覚資料 (6) 外国語資料 (7) 点字,録音資料 (8) その他 第4条 基本方針及び資料収集の種類に基づき,主題別の図書選択基準を定める。 (1) ア 図書 一般図書 市民の教養,調査,研究,娯楽等に資するため,各分野にわたり,基礎的,入門的な図書 を中心に収集する。極めて高度な専門書,学術書,学習参考書,各種試験のテキスト類は, 原則として収集しない。 〔0 門:総記〕 ・情報科学,コンピューターについては,入門書,概説書を中心に収集するが最新の主 要な機種についての技術書,実用書も収集する。 ・図書館,図書書誌学については,積極的に収集する。 ・百科事典は,正確な情報で定評のあるものを収集し,改訂版及び増補版が出版された ときは,更新に努める。 ・年鑑,便覧,名鑑などは,必要に応じて計画的に継続して収集する。 〔1 門:哲学〕 ・哲学,宗教学,心理学関係については,入門書,概説書を中心に古典から現代まで基本的 な資料を体系的に収集する。 ・宗教については,学説史,宗教史のほか代表的な教派の基本的解説書の収集に努め、学問 的な対象としてとらえたものを収集する。 〔2 門:歴史・地理〕 ・歴史は,幅広い利用を考慮し、各国(地域),各時代にわたり,多様なレベルのものを幅広 く収集する。 ・伝記は,各分野の代表的な人物を中心に,多様な視点から収集する。 ・地理,地誌は日本及び世界各国の基本的なものを収集し、旅行案内,観光案内等は,最新 で正確な資料を収集する。 〔3 門:社会科学〕 ・出版点数が多く,類書が多い分野であるため,各々の分野の入門書,概説書を中心に 体系的に収集する。 ・各国(地域)の政治,経済,社会,文化事情に関する資料は,多様な視点から幅広く 収集し、最近の話題や情勢についての資料は,積極的に収集する。 ・日常生活に関わる法律,税,年金などに関する資料は,実用書も含めて最新のものを 収集する。 ・教育に関する資料のうち,各教科の手引き書等は,収集しない。 ・風俗習慣,民族学は,各国(地域)にわたり収集する。 ・国防,軍事は,最新の世界情勢にも留意し,多様な観点に立ったものを幅広く収集する。 〔4 門:自然科学〕 ・進展の著しい分野であるため,最新かつ正確な資料を収集する。 ・自然科学については,入門書,概説書及び基礎的な理論書を中心に収集する。 ・医学,薬学は一般的な入門書を体系的に収集し,専門書は収集しない。健康法については, 記述の科学的な信頼性を考慮して収集する。 〔5 門:技術〕 ・科学技術分野は,進歩,発展が著しいため,常に最新の情報を提供できるよう収集保存に 留意する。 ・わかりやすい入門書,解説書を中心に収集する。 ・ 家政学,生活科学は利用の多い分野であるため,実用的価値の高いものを幅広く収集す る。 〔6 門:産業〕 ・産業社会の新しい動向について,わかりやすく書かれた資料は,積極的に収集する。 ・農業,食料問題,森林問題などについては、時事性,話題性を考慮し収集する。 ・趣味や実用に役立つ資料は,幅広く収集する。 〔7 門:芸術〕 ・鑑賞及び製作,実技に関する資料は,基本書を幅広く収集し、市民の趣向,流行に留意し, 新しい分野についての情報も迅速に提供できるように努める。 ・絵画集,版画集,写真集は,資料的価値の高いものを収集し、高価なものは厳選して収集 する。 〔8 門:言語〕 ・言語又は日本語に関する入門書,概説書及び主要な著作を中心に収集する。 ・外国語の語学書は,中国語,英語,ドイツ語,フランス語,スペイン語,イタリア 語,ロシア語を中心に収集し,その他の言語についてもできる限り収集する。また, 文法,語法,解釈,作文,会話等の解説のわかりやすいものを収集する。 ・日本語に関する辞典類は,各主題について多様な資料を幅広く収集する。 ・外国語に関する辞典類は,各国語対和訳を中心に幅広く収集する。 ・手紙,挨拶,スピーチについての資料は,実用性の高いものを収集する。 〔9 門:文学〕 ・日本及び各国の文学作品について幅広く収集する。 ・文学評論,作品研究,作家研究の資料を幅広く収集する。 ・全集,作品集については,利用が多く見込まれる作品を積極的に収集する。 ・古典,ロングセラーは,積極的に収集する。 ・現代作家の作品については,代表的な作品,社会的な関心の高いものを中心に収集する。 ・文学賞受賞作品は,一定の評価を受けたものであるため,選択の際に考慮する。 ・詩歌については,評価の定まったものを中心に,鑑賞,理論,創作を含め,基本的 なものを収集する。 ・日記,紀行,手記,ルポルタージュ等は,時事性,話題性のある作品に留意する。 ・外国文学は,古典的作品,英米文学のみならず、各国文学も幅広く収集する。 イ 児童図書 児童が読書の楽しみを発見し,読書習慣の形成と継続に役立つように,各分野の資料を 幅広く収集する。また,基本図書,推薦図書,課題図書の収集に努める。 〔0~8 門〕 ・発達段階に応じ,正確で理解しやすい内容のものを各分野ごと幅広く収集する。 ・調べ学習に対応できる資料を積極的に収集する。 ・コンピューター,地理など,最新の情報を必要とするものは,積極的に収集する。 ・趣味,娯楽は,興味及び好奇心を満たすものを収集する。 〔9 門:文学〕 ・定評のある古典,名作から現代の創作童話まで幅広く収集する。 ・定評のある著者の作品は,できるだけ収集する。 ・児童の発達段階に応じて複数収集する。 ・詩,短歌,随筆などその他の文学は,児童の発達段階により理解しやすい内容のものを収 集する。 〔E:絵本〕 ・読書推進活動の充実に資する資料の収集に配慮する。 ・身近な素材で簡潔な言葉で書かれている赤ちゃん絵本から,絵として芸術性の優れて いるものまで幅広く収集する。 ・知識の絵本は,正確な言葉づかいで興味深いテーマのものを収集する。 ・定評のある古典,名作は,児童の発達段階に応じて収集する。 ・長く読み継がれてきた絵本は,積極的に収集する。 〔P:紙芝居〕 ・定評のある古典,名作,娯楽ものを幅広く収集する。 ・生活,行事をテーマにしているものを幅広く収集する。 〔G:調べ学習〕 ・学校教育との連携を深めるために効果的な資料を収集する。 ・調べ学習に必要な項目が揃っているものを児童の発達段階に応じ複数収集する。 ・内容が正確で公平なものを収集する。 ウ YA図書 対象を 13 才から 18 才頃の青少年とし,児童から成人への橋わたしをする独立したサービ スという認識を持ち,利用者の要求にあった資料を積極的に収集する。 一般図書の収集基準に準じ、主に中高生のための生き方, 人生訓に関する資料や職業選択, 進路に役立つ資料,読み物等を幅広く収集する。 エ 参考図書 ・利用者の調査研究に必要な資料を幅広く収集する。また,常に最新の情報,データを提供 できるように努める。 ・各分野の辞典,事典,図鑑類は,選択的に収集する。 ・各国語の辞典類は,各国語対和訳を中心に幅広く収集する。 ・年鑑,白書,統計資料は,基本的なものを中心に収集する。 ・その他の参考資料は,レファレンスサービスの充実のために収集する。 オ 大活字図書 幅広い年代層の利用に供するため,大活字本等適切な形態の資料を収集する。 (2) ア 地域資料 地理上及び主題別の収集範囲 〔取手資料〕 ・取手市が著述,編集した資料を収集する。 ・個人及び各種団体等の発行する資料で,取手に関する資料を収集し,その他地理,歴史, 自然,文学など,内容が取手市に関している資料を収集する。 〔行政資料〕 ・取手市の発行する資料を網羅的に収集する。 ・取手市以外の官公庁の発行する資料で,取手市にかかわりのある資料を収集する。 〔茨城県資料〕 ・茨城県に関する資料(県史,年鑑,概要,案内書等)を収集する。 ・県内他市町村の資料については,積極的に収集する。 ・茨城県と県内他市町村にかかわる資料で,館長が地域資料と認めた資料を収集する。 〔県外の近隣市町村資料〕 ・取手市に関する資料又は重要な関連のある他県の地域で,特に取手市との政治,経済,風 土,歴史等に関連があり,館長が地域資料と認めた資料を収集する。 イ 資料の形態 以下の形態のものを収集する。チラシは,原則として市民に配布するものとし,収集はしない。 ・冊子形式のもの(図書,雑誌,その他) 。 ・小冊子類(パンフレット,リーフレット)は,地域資料として必要と思われるもの。 ・手書き資料,複写資料 ・地図(地形図,市街図,その他) (3) 逐次刊行物 ア 新聞は,国内発行の主要全国紙及び茨城県内地方紙を中心に収集する。 イ 雑誌は,国内発行の各分野における基本的な雑誌を中心に,児童及び青少年向けのもの も含めて収集する。 ウ (4) 地域誌,ミニコミ誌等は資料価値に留意した上で選択的に収集する。 官公庁出版物 ア 政府諸機関が発行する資料については,主要なものを収集する。 イ 地方公共団体その他公的機関が発行する資料は,必要度の高いものを収集する。 (5) 視聴覚資料 ア 映像資料は,国内外を問わず,社会的教育的価値の高いもの,記録的に価値が高いものを 中心に収集する。特に各種受賞作品は,積極的に収集する。 イ 音響資料は,国内外を問わず,各ジャンルにおける主要な作品,記録的な価値が高いもの を幅広く収集する。特に各種受賞作品は,積極的に収集する。音楽以外にも教育的価値のあ るものは,積極的に収集する。 (6) 外国語資料 収集する資料は,英語を中心に目的を考慮して収集する。 (7) 点字,録音資料 点字,録音資料の収集については,他機関との相互協力による資料提供を考慮し,収集し,か つ,作成する。 (8)その他 調査,研究のため,オンラインデータベースを提供する。
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