3方向からの研究ー原作、 翻訳、 映画、 それぞれを味わう

3方 向か らの研究―原作、翻訳、映画、それぞれを味わ う
山
森
章
市
大学 2年 の後期 に、翌年 のゼ ミ履習選択があった。中でも私が 1番 興味を持 ったのは、英米文学 の中
で も日本語 に翻訳 され且 つ映画化 された作品を、原文、翻訳、映画 の 3方 向か ら分析するとい う中村 ゼ
ミであった。
ゼ ミの形式 は 1人 の学生 が指定 された部分 の原文を読み、翻訳や映画 と比較 して疑問点 などを出す。
その疑問点 についてゼ ミの学生で話 し合 うものであ った。1人 の学生 が作 ったパ ター ンを後 の学生 が踏
襲するとい う型が出来上が って しまったために、 もう 1つ 活発 な論議 ができなか ったのは多少残念であ
る。
専F5ゼ ミナール Iで は、Truman Capote(1924-84)の イヽ
t闘 '3(1958)を 取 り
説B=磁rast ar■ ■
上げ、前期、後期を通 じて研究 した。原文、翻訳、映画の 3方 向か ら分析すると同時 に、償用表現 の学
習、映画 の場面を使 っての ヒヤ リング練習 も行 なった。
専門 ゼ ミナール ⅡではDaniel Keyes(1927-)の 中編 4ヽ 説 “
Flowers for AlgernOn・
(1960)を 研究
に
対象 取 り上げた。中編 とい うこと、 またゼ ミに慣 れたためハ イペースに したとい うこと もあ って半年
とい う短 い期間 ではあ ったが無事に終 了す ることがで きた。 ただ、教育実習などで欠席 したために流れ
に乗れなか ったのが少 し残念である。
3年 の レポー トはB∼凛 rag``ι ηtttの Hollyが 抱え込 んでいた「 いやな赤」 の持 つ意味 につい
て研究 した。 Ho■ yが 持 つ「 いやな赤」 とは主人公が推■llし た憂鬱症 とかただ悲 しい こととい う意味 を
持 つ ものではな く、 自分 の生活 に、何 が起 こるか分か らない漠然 とした不安 の ことを指す と推測 した。
そ して「 いやな赤」 が形成 された背景 を分析 した。
4年 の レポー トは精神薄弱者 が主人公 の作品について研 究 した。 “
Flowers for Algemon"に 登場 す
るcharlieは l Q68の 精神薄弱者である。彼 は実験 の手術 を受け IQが 3倍 にな る。 だが それ は一 時的
なもので あ った。charlieの 葛藤 の様子 とAlgernonと い うねずみとのかか わ りを描 いた中編小説である。
精神薄弱者 に対する偏見などのことが レポー トの中心 になった。
1年 半 の間、専門 ゼ ミナールを履習 したが、小説 も原文 か ら日本文 への翻訳 の仕方で持 ち味がかな り
変 わると思 った。 そ して原文 に忠実 に、 しか も持 ち味 を壊す事 な く自分で翻訳することは英語 の勉強 に
かな り役立 つだろう。小説 に限 ったことではないだ ろうが、1つ のキー ワー ドにこだわ って作品を読む
と前 とは違 った深 い読 みがで きるであろう。原作 と映画の脚本 とを比 べて、 自分だ った らこうい う う
`、
に脚本を書 くであろうなどと考 えてみるの もお もしろいか もしれない。
(指 導教員
中村 敦志)