NPO法人スペイン文化交流センターサラマンカ〔スペイン文化瓦版 vol.8〕＜私の好きな街＞ 2007.1.15発行 <知らない街探訪> ∼Murcia ムルシア∼ クリスマスをはさんで数日間、ムルシアという都市に行ってきました。スペイン南東部に位置する、自治州の名でもあるムルシアは、日本人観光客には馴染みのない街かもしれません。なぜなら、日本のガイドブックにとりあげられることはめったにないですから。スペイン人でも、ムルシアと言うと、「あぁ、何もないところだよ。」と馬鹿にする人が多いので、相当何もないところだと思っていました。でも実際街の中は、スペインの他の地方都市に劣らないぐらい栄えていました。ムルシアのカテドラル（大聖堂）ムルシア独特の壁の色をした劇場この地方の建物は、ベージュ色または、薄ピンク色の壁で、この地方独特の特徴だそうです。旧市街にあるカテドラル（大聖堂）は、ゴシック様式が基礎となっていますが、ファサードは、スペインを代表するバロック様式、 1792年に完成した塔は、ルネサンス様式、バロック、ロココ、新古典主義が混在するという、珍しい建築です。また、ムルシアは、Huerta（ウエルタ）と呼ばれる四方を山に囲まれた低地の中央に位置するため、地中海に近いにもかかわらず、気候の変化が非常に激しいと言われています。一歩街を離れると見られる、一面に広がるオレンジとレモン畑も、マドリードやカスティーリャ地方では見られない光景です。何もない、という噂に惑わされず、訪れる価値のある街でした。（貴）【行き方】（マドリードから行く場合）鉄道：マドリード（チャマルティン駅）から、RENFE（国有鉄道）でムルシアのEstación del Carmenまで、約４時間（料金片道38.60€）長距離バス：マドリード（Estación Sur）から、ALSA社のバスで、約5時間（料金片道23.45€ 往復44.56€） Segovia Madrid Murcia ∼Segovia∼ Segoviaは、マドリードからバスで1時間程度と、交通の便が良く、世界遺産にも指定されている旧市街と水道橋があるために、日本からのツアー旅行でも、よく行く場所となっています。マドリードから行く場合、Príncipe Pío駅のそばにあるバスターミナルから出ているバスで1時間あまりで到着します（直通の場合）。 Segoviaのバスターミナルを出て、街の中心部の方へ向かって歩いていくと、左手遠くにカテドラル（大聖堂）が見えます。そして、そのまま歩いていくと、前方に巨大な水道橋が出現します。この光景は何度見ても壮観です。このあたりは、観光客も多いところで、カフェなどでゆっくりコーヒーでも飲みながら、下から水道橋を眺めるというのも悪くありません。ここで、元気のある人は、水道橋の脇にある階段を上って、水道橋を上から眺めてみてください。そうすると、水道橋がずっと先の方まで伸びていることが分かると思います。さて、水道橋見学が終わったら、旧市街を散歩してみましょう。ローマ水道橋マヨール広場から見たカテドラル土産物屋やレストランなどもありますので、気に入ったところで、お買い物をしても良いでしょう。また、お腹が空いたら、この街の名物のCochinillo asado（仔豚の丸焼き）をぜひ食べてみてください。2∼3人で1匹全部を食べるのは無理なので、3∼4人くらいなら、4分の1 カットで注文すると良いと思います。1人か2人だったら、一人分で頼むこともできます（お店によりますが）。そして、街の中心付近に見えるのが、カテドラル（大聖堂）です。Segoviaのカテドラルは、ゴシック様式の尖塔が青空に向かってそびえる外観が特に美しく、マヨール広場から見えるその姿には、感銘を受けます。高台になっているSegoviaの街の端まで行くと、アルカサル（城）があります。このアルカサルは、１５世紀末にイサベル女王が即位宣言したことでも有名で、優美な外観とは裏腹に、攻め寄せる敵を見渡せる立地や内部に飾られた武器や防具は、戦争のための城であった頃の名残りを感じさせます。もし、時間があったなら、高台の下へ下り、平野部からアルカサルを見上げてみると、その美しさと共に、難攻不落の要塞であることが、さらに実感できることでしょう。こんな魅力に溢れる街がマドリードからほんの少しの時間で行けるというのは、とても嬉しいことだと思います。もし、マドリードで半日ほど時間があるようでしたら、発行者： NPO法人スペイン文化交流センターサラマンカぜひSegoviaまで小旅行してみては埼玉県朝霞市西弁財1丁目10番9-1403号執筆：松平貴子 / 編集：河村浩一いかがでしょうか。（浩） Homepage : http://www3.to/salamanca/ e-mail : [email protected]