曲目解説 - 兵庫芸術文化センター管弦楽団

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13.12.19
14.01.20
第67回定期演奏会プログラム/3分ですぐわかる今回の聴きどころ
第67回定期演奏会
定期演奏会
PROGRAM
サティ:パラード (約15分)
Erik Satie: Parade
Ⅱ. アメリカの少女 Petite fille Americaine
Ⅲ. 軽業師 − 終曲 Acrobates - Finale
R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」op. 35 ★ ◆ (約38分)
Richard Strauss: Don Quixote, op. 35
ー
休 憩(20分)ー Intermission
ビゼー:アルルの女
第1・第2組曲
Georges Bizet: L'Arlésienne Suite No. 1 & No.2
【第2組曲】(約18分)
【第1組曲】(約17分)
Ⅰ. 前奏曲 Prélude
Ⅰ. パストラール Pastorale
Ⅱ. メヌエット Menuetto
Ⅱ. 間奏曲 Intermezzo
Ⅲ. アダージェット Adagietto
Ⅲ. メヌエット Menuetto
Ⅳ. カリヨン Carillon
Ⅳ. ファランドール Farandole
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揮:井上
指
チ
ェ
ロ:堤
剛
道義
Michiyoshi Inoue,Conductor
Tsuyoshi Tsutsumi,Cello(★演奏曲)
ヴ ィ オ ラ:ダニール・グリシン Daniil Grishin,Viola(◆ 演奏曲)
管
弦
楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団 Hyogo Performing Arts Center Orchestra
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2014
91年という長い生涯で15万点以上の作品を残したとされ、
あのギネスブック
『アビニオン
にも多作家として掲載されたというパブロ・ピカソ
(1881-1973)。
の娘たち』
『ゲルニカ』
『 泣く女』ほか、多くの作品が知られるスーパー・アーティ
ストが今回の主役です。30代から40代にかけ、有名なバレエ・リュス(ロシア・
バレエ団)
とコラボレーションした衝撃作(サティ)、
自らのルーツであるスペイン
の魂を静かに表現したドン・キホーテ伝説(R.シュトラウス)、そして彼が魅了
された南フランスの太陽と風が伝わってくる音楽(ビゼー)。作風がまったく違う
この3作を一度に聴けるのは、
ピカソというキーワードゆえだと言えるでしょう。
指揮台に登場すると何かが起こる?! マエストロ・ミッキー降臨
常に生き生きとした演奏はもちろん、音楽作品に別の角度から光を当てて
「こんな楽しみ方や魅力もあったのか」
と新鮮な驚きを提供してくれるのが、井上
道義の真骨頂。
コンサートは「そんなマエストロだからこそ楽しめる」
と特筆したい
“芸術的ドンチャン騒ぎ”
(コンサートで聴けるのは貴重!)のサティ作品で幕を
開けます。ベテラン・チェリストの堤剛と、異才ギドン・クレーメルのアンサンブル
で演奏するダニール・グリシン(2人は初共演!)
をゲストに迎えた「ドン・キホー
テ」では、予想のつかないスリリングな展開に期待。最後は皆さんを風光明媚な
田園地帯へご招待するという、
なんともドラマティックなコンサートなのです。
2 /21(金)・22(土)・23(日)3:00PM開演
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主催:兵庫県、兵庫県立芸術文化センター
※演奏時間は目安となります。前後する可能性がありますので予めご了承ください。
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20世紀のトップ・アーティスト、
パブロ・ピカソと音楽の関係は?
名曲コンサート
Ⅰ. コラール − 赤いカーテンの前奏曲 − 中国の手品師 Choral - Prélude du rideau rouge - Prestidigitateur Chinois
オヤマダアツシ
(音楽ライター)
ここだけは絶対チェックしておきたい!ライターおすすめ『必聴ポイント』
check
おもちゃ箱をひっくり返したようなサティ、
ある男の妄想物語が映画のように展開されていく
R.シュトラウス、そして憧れに満ちた南フランスの風景。今回は想像力で楽しみましょう。
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第67回定期演奏会 PROGRAM NOTE
第 67 回定期演奏会
曲目解説ー演奏をより深く楽しむために オヤマダアツシ(音楽ライター)
(1866 -1925) 初演:1917年 パリ
あの
「春の祭典」
に匹敵する問題作は、見せ物小屋が舞台
今年が生誕150年となるリヒャルト・シュトラウス。1897年末、33歳のときに完成
した交響詩『ドン・キホーテ』は、
『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』
(1895年)、
『ツァラトゥストラはこう語った』
(1896年)
という連続ヒット作を送り
伝説的な
『春の祭典』
や
『ダフニスとクロエ』
『牧神の午後』
『三角帽子』
などで20世紀
出した時期の意欲作。
この翌々年(1899年)
には
『英雄の生涯』
を発表して交響詩量
初頭のパリを湧かせたバレエ・リュス。
その中でも特に異色の作品であり
『春の祭典』
の
産の時代を締めくくり、
20世紀になるとその関心はオペラへと移っていく。
初演時におけるスキャンダルにも劣らない騒ぎを起こしたのが、サティ作曲によるバ
スペインの作家ミゲル・デ・セルバンテスが17世紀の初めに発表した
『ラ・マンチャの
レエ『パラード』だった。美術と衣装をピカソが、台本をジャン・コクトーが担当したこの
ドン・キホーテ』は音楽家たちの創作意欲を刺激したが、
ピカソもまた主役2人(ドン・
舞台は、言わば究極の実験作品。
「見せ物小屋に客を呼び込むため、手品師や軽業師、
キホーテと従者サンチョ・パンサ)の姿を、影絵のようなタッチで描いている。
自分は
アメリカからやって来た少女などが芸を披露する」
というストーリーはあるものの、人々
騎士であるという妄想に取り憑かれた男の滑稽な姿は、
ミュージカル『ラ・マンチャ
は奇妙奇天烈な音楽に驚き、初演されたパリのシャトレ座は大混乱になったと伝えられ
の男』でも克明に描かれているので、
むしろそちらをご存知の方が多いかもしれない。
ている
(16ページもご覧ください)。その驚きは、2014年の私たちもきっと共有できる
R.シュトラウスはドン・キホーテを独奏チェロに、サンチョ・パンサを独奏ヴィオラ
だろう。小編成のオーケストラに加え、
サイレン、
タイプライター、
ピストル、宝くじのルー
に託し、
オーケストラを語り役としてさまざまな場面やストーリーを描いていく。
レット盤(ビンゴのガラガラ)
などが次々と鳴らされるのだから。幻想的なピアノ曲「ジム
1)序奏……オーケストラによる長いプロローグ。ある男が「騎士道」の本に感化
ノペディ」などでサティを知る聴き手には、
あまりにも意外な作品かもしれない。
され、
自らを勇敢な騎士ドン・キホーテだと思い込む。
クラリネットが空想のモティーフ
ファンファーレ風の短い「コラール」で幕を開けると、バスーンとチェロが先導して
を、
オーボエが憧れの貴婦人ドゥルネシアのモティーフを演奏。
この2つも曲のあち
「赤いカーテンの前奏曲」
が始まる。音楽が活気を帯びて
「中国の手品師」
が登場。次々
こちで顔を出す。
と多彩な音楽が演奏されては消えていく。
タイプライターとけたたましいピストルが
2)主題……ドン・キホーテが独奏チェロで演奏され、続いてサンチョ・パンサが
聞こえる「アメリカの少女」を経て、場面は後半の「軽業師」へ。
フィナーレでは前半の
バス・クラリネットほかや独奏ヴィオラで演奏される。
ドンチャン騒ぎが回想され、最後はスルスルと幕が下りるように終わる。
3)第1変奏……巨人に見立てた風車に突進していく有名な場面。
楽器編成
フルート2、
ピッコロ、
オーボエ2、
イングリッシュ・ホルン、
クラリネット2、E♭クラリネット、バスーン2、
ホルン2、
トランペット2、
コルネット、
トロンボーン2、
バス・トロンボーン、
テューバ、
ティンパニ、
大太鼓、
シンバル、小太鼓2、
トライアングル、
ビンゴのガラガラ 、
タンブリン、
タムタム、
シロフォン、サイレン、
ガラスビン14音、水しぶき、
ウッドブロック、
タイプライター、
ピストル、
オルガン、ハープ、弦楽5部
06
妄想から生まれたヒーロー、
ドン・キホーテの音楽一代記
名曲コンサート
サティ:パラード
(1864 -1949) 初演:1898年 ケルン
定期演奏会
R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」op. 35
4)第2変奏……羊の群れを敵軍だと思い込んで突進していく。
5)第3変奏……ドン・キホーテとサンチョ・パンサが冒険の意味を語り合う長い場面。
6)第4変奏……憧れの貴婦人が誘拐されたと思い込み、助け出そうとするもの
の返り討ちにあってしまう嵐のような音楽。
07
定期演奏会
名曲コンサート