CENTER FOR BETTER LIVING SUSTAINABLE LIVING RESEARCH CENTER 一般財団法人 ベターリビング サ ス テ ナ ブ ル 居 住 研 究 セン ター 研究年報 2014/2015 ~持続可能な住まいと暮らしを目指して~ ● 一般財団法人ベターリビング サステナブル居住研究センター ● ● 2014/2015研究年報 ● ☆はじめに: 清水 一郎················································································· 2 ☆サステナブル居住研究センターの調査研究について: 村田 幸隆 ··································· 3 1.<講演抄録> 我が家をリフォームして 深尾 精一································································ 5 ★寄稿コラム「リフォーム市場の成熟に向けて」:株式会社 日本建築住宅センター 大竹 亮 ········· 13 2. <自主研究報告 その1> ①洗面・脱衣室及び便所におけるヒートショックを防止するための住宅部品・システムの開 発に関する調査研究 青木 伊知郎(株式会社 長谷工総合研究所 前 SLC 総括研究役) ·············· 15 ②居住者のこだわり度と満足度とのギャップを考慮した住宅における各要素の評価 永野 浩子······························································· 22 ③住まいと暮らしの10年間の変化 ~SLI:サステナブルリビングインデックスの更新~ 橋本 健吾······························································· 30 ★寄稿コラム「博多水炊きが生んだ住宅築年ピラミッド」: 日経 BP 社 日経 BP インフラ総合研究所 所長 安達 功 ·········································· 35 2. <自主研究報告 その2> ④住宅ストック構成の将来像 齋藤 茂樹(地方独立行政法人 北方建築総合研究所 前研究企画部調査役) ······ 36 ⑤住宅部品の長期使用を二面から検討 村田 幸隆 ······························································· 40 ★寄稿コラム「国総研建築研究部における主な研究活動等について」 : 国土交通省 国土技術政策総合研究所 建築研究部 基準認証システム研究室長 呉 祐一郎 ·· 44 3. <受託研究報告> 実証実験により医学的にも明らかになった住まいの暖かさによる高齢者への健康影響について 瀧口 祥江 ······························································· 46 ☆コラム「より良い住まいづくりと暮らしの実現に貢献する経営戦略検討のためのフィールドワーク」: 富田 興二 ··························································································· 50 ☆報告「SLC 意見交換会開催報告」:近藤 由佳 ········································ 52 ☆資料編:これまでの研究内容、発表論文等 ·········································· 54 本年報は、2013 年秋から 2015 年秋の間に得られた研究成果について、中間報告を含めて取りまとめています 1 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 1. はじめに 専務理事 清水 一郎 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 一般財団法人ベターリビング サステナブル居住研究センターの3回目の研究年報の発刊 となります。サステナブル居住研究センターでは、持続可能な住まいと暮らしの実現を目指 し、公益に資する広範な分野の調査研究を行う中で、フローからストックへという住宅市場 の流れを踏まえ、既存住宅ストックに着目し、時宜を得た調査研究を積み上げて参りました。 前回の発刊から 2 年が経ちますが、この間は、設立以来の調査研究が成果としてあらわ れはじめた時期でした。一例をあげれば、住宅ストック構成予測研究から発展した「住宅築 年ピラミッド」は、国土交通省の社会資本整備審議会住宅宅地分科会の資料としてとりあげ られました。受託研究の高齢者が居住する住宅における温熱環境に関する実証実験成果は、 平成 27 年版環境白書にとりあげられ、数多くのメディアに掲載をされるなど注目を集めま した。 研究年報の発行により調査研究成果を公開し市場の評価を受けることにより、より効果的 で充実した運営を図りたいと存じますので、皆様には忌憚の無い批評、ご意見を多数賜りま すようお願いいたします。 2 サステナブル居住研究センターの調査研究について ~5つの視点で捉え推進したい~ サステナブル居住研究センター 副センター長 村田 幸隆 1.はじめに (5)効果的運営、周知理解、結果への作用 平成20年4月に財団法人ベターリビングに 「サステナブル居住研究センター」は設置され 3.5つの視点は相互に関連 た。これからの持続可能な住まいと暮らしの実 (1)過去からの膨大なストックへの対応 現を目指し内外の関係者の協力のもと調査研究 戦後70年の住産業は住生活に多大な恩恵を を推進し、情報発信や発表、提言等を行ってき もたらしたが、結果として6000万戸以上の た。この7年間、住生活をとりまく環境変化は 住宅、生活に関わる施設や建築物がストックさ とどまることを知らない。予想されたことでは れた。そしてこれら建築物には更に膨大な生活 あるが、超高齢社会の中で、後期高齢者を中心 関連品、住宅部品も設置利用された。現在はま に小家族化は更に進み、一方で暮らしは多様さ さに膨大なストック社会である。何もないとこ を増し、膨大なストック社会が住産業の行く手 ろから新しいものを創造することも困難なこと に影響を及ぼし、グローバル情報社会は世界の であるが、すでにあるストックとの折り合いを 人々の価値変化に磨きを掛けている。一方で人 つけながら新しい持続可能な住まいと暮らしを 口やエネルギー消費増大に伴う地球環境問題に 実現するには、ストック活用という更なる工夫 見られる負のリスクは、技術進化にも関わらず と創造が必須となる。過去から継続してきた資 改善への足がかりすらおぼつかない。 産を生かせなければ持続可能な社会実現の夢は 今、我々は住生活に関わる現況変化を受けと 果たせない。ストックには継承すべき技術や事 め、どのように当センターにおける調査研究等 業者育成手法、ノウハウの活用等知的財産も複 を推進すべきか。改めて5つの視点で捉え業務 雑に絡む。まさに過去を如何に活かすかの視点 運営を効果的に行うことを念頭に、整理しつつ で研究に対処したい。 紹介して見たい。 (2)現在の多彩な暮らし方とその場 世界に類を見ない超高齢社会で、しかも急激 2.5つの視点とは な日々の変化とそれへの対応は継続していく。 これからの持続可能な住まいと暮らし実現に 高齢サポート体制が周辺の暮らしや風景も著し 向け、当センター業務を、ストック(過去)、暮 く変える。まちなみが変わり、地域の盛衰が新 らし方と場(現在)、持続可能環境への対応(未 しい変化へとかりたてる。一方、世界中の情報 来)、そして信頼向上、効果的運営という5つの を瞬時に共有し、時に体験できるグローバル価 視点で整理した。 値多様社会に至り、従来の生活慣習に囚われな (1)過去からの膨大なストックへの対応 い生活価値や暮らし方が、創造され、模索され、 (2)現在の多彩な暮らし方とその場 社会変化をもたらす。暮らしは多大な影響を受 (3)環境と技術、そして未来への持続性 ける。例えば24時間化は生活リズムに変革を (4)信頼向上のための調査研究、評価、検査 迫る。個を中心に家族変化は進み、住み続ける そしてサービス べき社会はそれを包含して新しい環境にシフト 3 していく。そこに新たな工夫が加わる。過去か ある。住管理や住宅設備管理サービス等を含め、 ら積み上げてきた生活慣習は、地域は、日本は 的確に保全維持し、時に改善を図り、新たに創 どう変わるのか。変化の兆しを我々はどうとら 造する。そこに迅速・的確な検査と評価があり、 えるか。多彩な暮らし方とその場を立体で、多 データ蓄積があり、それを活用する。住産業に 面的に、時に大胆にとらえていかねばならない。 関わる全ての分野で実行すべき視点ではないか。 (3)環境と技術、そして未来への持続性 (5)効果的運営、周知理解、結果への作用 地球環境への対応は、持続可能な住まいや暮 どの調査研究でも、その結果を経て、次のス らし実現のまさに主課題である。エネルギー消 テップに繋げることを考えてみる。当センター 費増大、人口の爆発的増大、世界規模の環境破 の調査研究は、持続可能な住まいや暮らしの実 壊と生産拡大への強い欲望等、我々の日常生活 現に向け、それに関連するものが主であるが、 から想像困難な環境改変が続き、地球環境の有 その研究結果を多くの関係者に伝え、理解を深 限性意識が更に強く求められる。この厳しさは め、時に実行可能な具体手段を考え、より広く 身近な暮らしに多大な影響を及ぼし、廃棄物処 事業者やユーザーにも伝え、実現を図って行く。 理からリサイクル処理の徹底等生活スタイルへ 住宅事業者に伝えることが適正か、生産企業に の変化も著しい。しかし、根本的な解決は将来 伝え、量産効果に応えていくのが良いか、有識 に委ねられている。膨大なストック住宅の断熱 者の研究派生として、さらに研究領域が広がり、 処理すら迅速に行かない住産業の現状で、近い 結果としてユーザーまでの理解が進むのか。調 将来の住まいと暮らしをどう構築し継続できる 査研究や関連データ説明でも、これらの効果的 か。生活をよりよくする技術発展への期待は高 作用を十分吟味して真の理解促進を図る努力を い。個々の住宅で解決を図れることが理想であ 積まなければならない。当センターの調査研究 るが、これには抜本的な技術革新が必要となる 等は、全てこうした運営と効果、伝えるべきタ のではないか。環境対応は、まさに未来に向か ーゲットを十分に練って実行していきたい。 って実現しなければならない課題である。 (4)信頼性向上のための調査研究、評価、検 査そしてサービス 4.実行すべき体制等 検討すべき課題は多く、少人数で成果を上げ 膨大なストック住宅社会ではあっても、その るのは限界がある。しかし、当センターは深尾 ストック情報を我々は必ずしも適切管理できな 精一(首都大学東京名誉教授)センター長指導 い。住宅を社会資産とするならば、そしてスト のもと、少数スタッフの力を活かし、一般財団 ックを将来の暮らしに活用させていくならば、 法人ベターリビングの培われた財産を活用し、 現状ストック住宅の実力を知らねばならないが、 多くの内外関係者との交流や協力を得て、多様 それを把握することは相当困難なことである。 な調査研究等を推進していく。企業や諸団体か 住宅や建築物の評価を適切に行うこと、膨大 らの委託調査研究等も得て、より幅広い知見成 なデータを役立てることが意図されたのは近年 果をあげるよう努力を惜しまない。また、その であり、その一部は実施され、社会にプラス効 成果や提言等については、一般ユーザーにも分 果をもたらし始めているが、まだ初歩の段階に かりやすく伝えて行きたい。そうすることで、 過ぎない。 本来の目的に沿い更に一歩前進できると確信す 持続的な住まいと暮らし実現には、こうした 様々な住宅・建築物について適切評価を行い、 社会全体として資産への信頼性を高める必要が 4 る。 A<1,=B+& ("67 ¸~¦ 26 11 µ 4 °9<?BHQ 0 ., `ÐÓ=R>TbèÇ_,ÅÖU Úªej =R>TòèÇl2©ñ$'( ').() Ýøá > 0' 8! (PG5TKÏ Î(/$3 2013 11 µ, 2014 3 µ· ¯¾¦r" ë`Þ2}ÑSºS½2Á ¡`$® ãÀPG5TK2$00 r¡. 2Øùq$J>TPFR 'PG5TK.(. 7u!þĀÿþôdLT6T® *´êMCET9Q@:4Rr2# / (-$ú{üû tÜ/ £$ #5? 0' > Ò»iw1\Y :. 439$ PG5TK 20 Vm,PG5 TK, 200 V2,000 VPG5TK$ ãÀ¿b `%Y,¶(- /,jÏÎ2(<8QARÉ¥ $¨PDJT;NR2à$ ×2-. +lï]XÔPG5TK, $Âz-ågÔ2²( /-&@ )*; PG5TKpæís³$ ¼SÔ2¬f.(ÆÈË2 æ,'$1975 öÌ ¬x¢î¤2X((-$ ÌÙ2§p,/`% /,éa()-òh& '$79 Ì$/$ 1980 Ä«³$ ± ðßkv^õ,/ Íç.'}¸IOR2Ã'Í ç2'É¥ }¸Î0 2 ìóåä2.ÛÏ -${ý+2åä-$ |¹·ë$Ì$/ -c , 1LDKU÷ PFR7\÷ %? 2 U¾¦Wóy®Zâïn - o,Õ2[¹Êô 5 $! .r£'f 't«/.À#M6Q }¦! .+ 2z´ ²-'ÂpÄà ¥(' 30 *,00 b¿(7MRI<@ vu2%T##7MRI<@u# 7MRI<@ .(# c2' pÄ#+!{LB>@2ag 'XÀ { ! 3"#U il '/, º#¨#T! $)32-' F5>8<¨ #T$·#d$ ';RO2\ / \ 1.1/(`°$_»ywY ! .+ ¾A4 V¶ | x2' ÂpÅà ¥#j$` ¤n]] ¯!'~m# |#¾$[#JR8 #"©à ¥$½§#(-¹3/( [#JR8%!µ/'' #A4$q$@6P#A4a gh#|#³2k¬' wY$9N>A=6H#;<?KwY &#wYDCO v/.+ - '450 ±#DCO / W .3/(&T!T 45 o¸.v/.wY! ' DCO$®¡!v/.#[#¼ª Z ®¡!.%!' Á¼(' S¢+#$#!:RGO?PE LAN #¼ ^' #$_®¡!¼ ®e#x 0! 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元で、安全・健康・快適な住生活を、現在のみ ンデックス(SLI)」という指標群を構築する研 ならず将来も継続的に過ごすことができる度合 究に取り組んできている。センター設立の平成 い』と定義した。 20 年から取組を開始し、 平成 23 年 10 月には、 2-2 個別指標とジャンル指標 試作版を公表した。この試作版では平成 15 年 SLI は、住まいと暮らしに関連の深いデータ と平成 20 年のデータから、5 年間におけるサス を収集し、表1に示す通り、 「個別指標」及び5 テナビリティの進展具合を発信した。 つの「ジャンル指標」を算出しており、さらに 本報は、上記 SLI を更新し、平成 15 年・20 横断比較を容易にするためそれぞれの指標につ 年・25 年の 3 時点、10 年間におけるサステナ いて都道府県毎のレーティング値を算出してい ビリティの進展具合を報告するものである。 る。SLI のレーティングは0から5の範囲で行 っており、「5=中長期的に達成すべき水準」、 2.SLIの概要 「3=短期的に達成すべき水準」となるよう算 2-1 指標群の定義 出した。 表1:個別指標とジャンル指標の構成及び算出方法(SLI14) ジャンル 個別指標 ①耐震性能 ②火災発生 1.防災・防 犯 ③住宅内事故 個別指標(X)の算出方法 持家のうち耐震基準が確保された住宅/住宅数 注5 世帯数/建物火災発生件数 注1、注2 世帯数/死亡者数のうち、死因の分類が「交通事故を除く不慮の事故」で発生場所が「家庭」 SLI11 SLI14 Y=(X-50)/8 × ○ Y=X/400-2.5 ○ ○ Y=X/1600-0.625 ○ ○ Y=X/600 ○ ○ Y=X/5 ○ ○ Y=X/5 × ○ Y=(X-200)/120 ○ ○ Y=log10(X)* 2.5 ○ ○ 個別指標のレーティング(Y)式 注1、注3 ④住宅侵入盗 世帯数/住宅侵入盗件数 注1、注4 ⑤共同住宅のバ 共同住宅のうち道路から各戸まで車いす、ベビーカーで通行可能な住宅の数/共同住宅数 リアフリー 注5 2.少子・高 ⑥高度なバリア 高度なバリアフリー化率/高齢者の居住する住宅数 フリー 齢化対応 注5 ⑦ケアのついた ケアのついた住宅等の定員数/65歳以上人口(千人当たり) 賃貸住宅 注1、注6、注7、注8 ⑧省エネルギー 二重サッシ又は複層ガラスが設置された住宅数/居住世帯のある住宅数 対策 注5 3.省エネ・ 省資源の推進 人口(千人当たり)/生活系ごみにおいて「生活系ごみ収集量+直接搬入量」 ⑨廃棄物量 注1、注9 ⑩増改築・改修 持家のうち、直近5年間で増改築・設備工事を行った住宅の比率/持家数 工事 注5 4.ストック ⑪空き家率 対応 (その他空き家+賃貸又は売買用の空き家数)/住宅総数 注5 ⑫住宅ストック 住宅総数/住宅着工戸数 /住宅着工 注5 ⑬交通機関への 最寄りの駅までの距離が1,000m未満又は最寄りのバス停からの距離が500m未満の世帯数/居住世帯のある住宅数 アクセス 注5 5.住みよい 地域づくり ⑭医療機関への 高齢者のいる世帯で医療機関までの距離が1,000m未満の世帯数/高齢者のいる世帯数 アクセス 注5 30 Y=(X-3)* 2.5 ○ ○ Y=(X-20)/2 × ○ Y=(-X+20)/3 ○ ○ Y=X/16-1.25 ○ ○ Y=(X-60)/8 ○ ○ Y=(X-50)/10 ○ ○ 4-1 「②火災発生」とその背景 3.個別指標の変化 SLI の 14 指標の推移を表 2 に示す。これに より、この間の進展度合いを「特に進展」 「進展」 「維持~やや進展」 「進展していない」の4群に 指標値は 1.29→1.85→3.05 と推移し、特に H20-25 の間の進展が著しい。 平成 22 年 4 月より、全ての住宅へ住宅用火 災警報器の設置が義務化された。平成 20 年 6 分類することができる。 月には 35.6%であった普及率が、平成 27 年 6 表 2 個別指標の推移(H15、H20、H25) 進展 度合い 月には 81.0%とこの間に大きく普及してきて H15 H20 H25 ①耐震性能 - 1.51 1.99 ○ ②火災発生 1.29 1.85 3.05 ◎ ③住宅内事故 2.10 1.85 1.76 ● ④住宅侵入盗 0.43 0.96 1.60 ◎ ⑤共同住宅のバリアフリー 2.08 3.15 3.44 平成 20 年以降では大きな減少傾向にあること - 1.51 1.70 がわかる。ピークである平成 19 年と平成 25 年 ⑦ケアのついた賃貸 住宅 1.44 1.42 1.42 ⑧省エネルギー対策 2.45 3.31 3.51 ⑨廃棄物量 3.14 2.74 3.50 ○ たことの理由として、住宅用火災警報器の普及 - 3.17 4.39 ○ により発火の危険が縮小したことに加えて、ガ 2.90 2.52 2.39 ● スコンロが進化したことにより、住宅用火災警 1.65 2.04 2.62 ○ 2.97 3.06 3.15 2.51 2.56 2.72 ⑥高度なバリアフリー ⑩増改築設備工事率 ⑪空き家率 ⑫住宅ストック/ 住宅着工 ⑬交通機関への アクセス ⑭医療機関への アクセス いる。 また、平成 20 年 4 月より生産されるガスコ ンロは、過加熱防止・消火等のセンサーが搭載 されることとなった。出火原因別の住宅火災件 数の平成 17 年から平成 25 年までの推移(図1) では、こんろが出火原因となった火災件数が、 を比較すると、こんろによる発生件数は約 57.6%にまで減少している。 これらのことから、 「火災発生」指標が進展し 報器の普及が貢献したと推察される。 注:進展度合いは◎=特に進展、○=進展、●=進展してい ない、無印=維持~やや進展 表 3 住宅用火災警報器普及率 年 H20 21 22 23 24 25 26 27 (%) 35.6 45.9 58.4 71.1 77.5 79.8 79.6 81.0 各年は、6 月 1 日時点。H21 年のみ 3 月 資料:各年消防庁報道発表資料 (件) 4.特徴的な個別指標とその背景 14 の個別指標のうち、前項に述べた特徴的な こんろ たばこ 放火 ストーブ 放火の疑い 5000 変化があった 4 指標=「②火災発生」「④住宅 4000 侵入盗」、「③住宅内事故」、「⑪空き家率」につ 3000 いて、その背景を考察する。 加えて、 「⑤共同住宅のバリアフリー化」につ いても、その背景について考察する。 2000 1000 0 H17 18 19 20 21 22 23 24 25 図 1 出火原因別 住宅火災件数の推移 31 4-2 「④住宅侵入盗」とその背景 4-3 「③住宅内事故」とその背景 指標値は 0.43→0.96→1.60 と推移し、10 年 指標値は 2.10→1.85→1.76 と進展がみられ 間での進展がみられる。 ない。 平成 15 年から施行された「特殊解錠用具の 元データとなる住宅内事故死の発生件数を図 所持の禁止等に関する法律」 (通称ピッキング法) 3に示す。住宅内事故死は、平成 15 年では約 や BL 部品の要求項目にも採用されている「防 1.1 万件であったのが平成 25 年には約 1.5 万件 犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官 と漸増となっている(平成 23 年は、東日本大 民合同会議」の試験に合格した防犯建物部品の 震災の影響が表れている)。 普及など、防犯性能の向上に資する取組みが推 住宅内事故死には、 「不慮の事故」による火災 進されてきている。 や転倒転落による死者が含まれるが、このうち、 住宅対象侵入盗の侵入手段別認知件数の推移 住まいの寒さと関係が深いと言われている「浴 を図2に示す。住宅を対象とした侵入窃盗では、 槽内の溺死溺水」による死者は、平成 15 年で 平成 16 年以降減少しており、平成 25 年(認知 は約 3 千件であったのが平成 25 年には約 5 千 件数 57,891 件)には平成 16 年(認知件数 件に増加している。 170,991 件)と比較すると 66.1%減少している さらに、住宅内事故死を年齢別にみると、図 3の折れ線で示した通り、80 歳以上の比率が増 ことがわかる。 また、全体としては減少傾向ではあるものの、 加し、直近(H26 年)では、5 割を超えている。 平成 25 年時点でも一日当たり約 160 件の住宅 人間は加齢により、住宅内の段差や温度差など で侵入盗が発生していることとなり、無施錠率 に反応しづらくなり、住環境の影響を受けやす は増加傾向にあることがわかる。 くなることと関係が深いのではないだろうか。 以上のことから、住宅侵入盗については改善 これらのことから、指標が進展しない背景と しているといえるが、一方では消費者の防犯に して、人口の高齢化による住宅内事故の増加が 対する意識が薄れてきているという側面も伺え あること及び、住宅内の温度差や段差などの危 る。 険が改善されていないことがあるといえよう。 施錠開け ガラス破り 無締まり その他・不明 無施錠率 70,000 認知件数[件] 60,000 80 70 60 50,000 50 40,000 40 30,000 30 20,000 20 10,000 10 無施錠率[%] 80,000 0 0 H16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 資料:警察庁「平成 25 年の犯罪統計」 図 2 住宅対象侵入盗の侵入手段別認知件数の推移 32 資料:各年厚生労働省「人口動態統計」 注:住宅内事故は、交通事故を除く不慮の事故のうち発生場所が 家庭のもの 図 3 住宅内事故の発生件数 4-4 「⑪空き家率」とその背景 4 指標値は 2.90→2.52→2.39 と進展がみられ H15 2 全国の住宅総数と空き家率は、平成 25 年に -2 0.5 -6 帯数も減少していく一方で、住宅は長寿命化し -8 ているため、空き家率はますます増加するもの -10 SLI における空き家率指標は、空き家のうち、 37 香川 38 愛媛 46 鹿児島 19 山梨 19 山梨 36 徳島 39 高知 県ごとの空き家の実態を分析し、空き家要因の うち、 「賃貸・売却用空き家」と「その他空き家」 の相関がある都道府県では、人口・世帯数の減 少に対応しているとされている。SLIにおい ても、指標値の変化が大きかった6県の空き家 率指標と人口増減率を図5に示す。これにより、 指標値の変化が大きい県では、人口減少が進展 していることがみてとれる。 今後も、人口世帯の減少が加速するにつれ、 空き家増→指標値の悪化が予測されるため、1 世帯1住宅の固定概念にしばられない、柔軟な 既存住宅の活用が期待されるところである。 13.5% 14% 13.1% 12.2% 11.5% 12% (百万戸) 住宅総数 空き家 9.4% 9.8% 図5 SLI空き家指標×人口増減率 (変化の度合いが大きかった6県) 8% 31.1 38.6 10 1.7 2.7 3.3 42.0 3.9 45.9 4.5 50.2 5.8 53.9 6.6 57.6 60.6 7.6 8.2 6% S53 S58 指標値は 2.08→3.15→3.44 とやや進展がみ られるが期待されている伸びはない。 図6に全国における共同住宅の利用関係別着 工戸数の推移を示す。共同住宅は、平成 18 年 には約 70 万戸の着工戸数であったが、平成 19 年度以降減少し、平成 26 年には 37 万戸程度と なっている。貸家の比率でみると、分譲住宅の 着工戸数が大幅に減少した平成 21 年に 70%を 超え、近年では貸家の比率が増加している傾向 にある。 80 (万戸) 分譲住宅 72.1% 貸家 70 給与住宅 持家 貸家の比率 67.9% S63 H5 42.5 45.2 10 64.5% 35.2 資料:各年総務省統計局「住宅・土地統計調査」 図4 住宅総数と空き家率の推移 66% 65.0% 36.2 64% 23.3 20.8 23.1 24.0 19.3 21.7 24.8 25.1 62.6% 60.7% 17.0 18.3 7.7 H10 H15 H20 H25 70% 66.3% 65.2% 63.9% 2% 72% 67.9% 30 20 74% 68% 40 4% 0% 0 S48 の背景 50 5.5% 35.5 4-5 「⑤共同住宅のバリアフリー化」とそ 10% 7.6% 20 39 高知 60 8.6% 40 36 徳島 46 鹿児島 -14 空き家」としている。齋藤 2011 では、都道府 50 37 香川 全国 2 2.5 3 全国 19 山梨 38 愛媛 37 香川 36 徳島 46 鹿児島 39 高知 38 愛媛 注:人口増減率は、総務省人口推計(各年 10 月 1 日時点の前年比) 別荘を除く「賃貸・売却用空き家」+「その他 空き家率 1.5 -12 と推察される。 60 1 -4 過去最高となった(図4)。今後、人口に続き世 30 全国 H25 0 ない。 70 H20 9.1 62% 60% 11.7 12.4 12.8 11.1 58% 0 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 資料:各年国土交通省「住宅着工統計」 図6 共同住宅の着工戸数(利用関係別)の推移 33 図7に建築時期別のバリアフリー化の状況を できる。 示す。共同住宅のうちエレベーターがある住宅 一方で、「住宅内事故」「空き家」=進展がみ の比率は平成 18 年以降減少傾向にあり、当指 られなかった項目は、人口構造の影響が大きか 標の判定基準としている、道路から各戸まで車 ったと総括できる。 いす、ベビーカーで通行可能な住宅の比率は伸 さらに、「共同住宅のバリアフリー化」では、 びていない。なお、都道府県別の分析では、主 指標の「5」を国土交通省の住生活基本計画の に青森県、秋田県、群馬県等の地方において、 成果指標と合わせて設定したが、成果指標の目 エレベーターの設置がない低層の共同住宅が増 標達成のためには、さらなる促進が必要である 加していることが分かった。 と考えられる。 以上のことから、指標値としては改善傾向に 今後一層、人口構造は高齢化し、人口世帯の はあるものの、実態としてはバリアフリー化が 減少が進んでいく。このような社会において、 まだ不十分であるといえる。 穏やかで健やかな住生活を実現するためには、 住宅の安全性(バリアフリー化、断熱化)を高 70% 57.8% 58.0% 60% 55.4% 52.4% 45.8% 50% 共同住宅のう ちエレベーター がある住宅の 比率 40.1% 40% 31.3% 30% 25.5% 20% 10.4% ーム及び多様な活用を一層促進していくことが 重要であることが、SLI の更新を通じて再確認 された。 28.7% 28.0% 12.7% 10% 共同住宅のう ち、道路から 各戸まで車い す、ベビーカー で通行可能な 住宅の比率 0% 資料:総務省統計局「平成 25 年住宅・土地統計調査」 図7 共同住宅のバリアフリー化の状況 (建築の時期別) 5.まとめ 以下に、本研究を通じた所見を述べる。 平成 15 年からの3時点・10 年間の指標群の 変化より、向上した指標とそうでない指標が明 らかとなった。 「火災発生」及び「住宅侵入盗」=特に進展 がみられた項目は、火災警報器や消火センサー の設置義務化など法制度の整備や、ピッキング 法の制定やCP認定製品の開発・普及など、公 民による努力の成果が表れたものであると総括 34 めていくことは急務である。既存住宅のリフォ 参考文献 1) 福田卓矢ほか:「住生活に係るサステナビリティの 進展具合を示す指標群の構築に関する研究」日本建築 学会大会学術講演梗概集(関東)、2011 年 8 月 2) 福田卓矢:「サステナブルな住生活の進展状況の計 測のために」SLC 研究年報 2010/2011、2011 年 7 月 3) 齋藤茂樹「住宅ストックを概観して」SLC 研究年 報 2010/2011、2011 年 7 月 ÕGZX #$#$ " ! ÷q>1$?.ù°2©¯2f C ¬2Ñ2')&.í#,?n¡ ëú#&Ù!.2TZWMQ-?č`~Ď 2t&ĊĀ-{Ä2w¼ÁC**0 =f-czTZWMQ8&023- 00.Òì.ċæä¶"Dč·ąx ÃĎ3#î%0ĉC#0=;ć& 1©ÜU\XS[L\ai$?f dzJWR\-kCçá#,&%2¢ (_-2]GV-?ªĂ2JWR\-ċ æ"DÏ#&czTZWMQ2u2O \K1àñß}C2D' . 2©¯2czC¹ö$?.Ú j ^cÞ¦2u30## @Cer2cz TZWMQ1å.#ø9.ô2u]ËÍ -×(Æ@? ¸ecz67v¿$?]¨ - ¸ecz3Ú Č= Č1h#&Ć -)(2Å.0? ë?u2Ý0t ²-?č`3©ċæ"D2Ï#&ó§Ď ċæ"Ds>o#&ÙTZWMQ3© ¯m ýüÌ!.2fIPMF2° Cëú$òþ0O\K.#,©ÜďĐÐÉ ç$?fIPMF ā 1yÿ" @&!.1ë¹5,.f2° 3Ôµ0ĉC#,>´:,â|¾ ë?u2tÈ.#,3]ã1»+2g û2lup±N\[0/.ìB@? @CfIPMF2¤ÓbÀ1,3:, éÆ#&=Ê2»+Cg#;#A2 -30. .C¼ÁC**0 d2f¥Ø3!.1°2ðĈCl #fºCøD'IPMF½È èCÛ 8_?ê?«Ă3%@6/0 f2ÙTZWMQ3fIPMF2 =£(&B-? °Cë?u#2ðĈCl$?&:2 fIPMF2¤ÓbÀO\K3$-1ċæ ă1B><$SHYE[N\[-? "D2ÎÖ².#,#,& Cø9&:2lúìï24.*.#, 2O\ KC .«Ăõ- ¨Ą1½È"@? .C®#& 35 `(Z[:5 ,<PC=L. 9HV\cGS) 2Tg\_4Z[RP 2HB]_4Z[E jb aQ k1 '"% #>,Z[%' Z[+Wh@C A J I8*l nm wU(.&-0 EZ6875'\yj ¥&T ^mMEZ6875d&¬0 [ ±tw`YDWDY§}~®±¬z² ^ u²&OH3+'"0 omZ[YX EZ6875'¨(©`!q`¦^C #&%0#.1'dBa$' 6n )3! k Al &j03hk0#(Ba'EZr 3|0?"ª¡"0`T &0 ¯T 'l,4:&04:T 'l('Na&`!.1EZ'¨3VP #.1sX'EZ6875'¨3 0_j«0Lpxo&%0#.10* EZ'^m('6875#!'GI3 Lp0?"Rc&¬2.ª¡%i# 6o ,<U;$%- !&g21!0 w"(sU j¥'{&T &-0EZ6875'\y BaEZ6875'd ^m&@3&$'&VP0 3£¤&'#&-/F)AQ d3]b#&£¤&¢0P>Kv0f "0 ^°MAQdS±AQ;=<79² ±S³²'-& 0#"B_'EZ6 6p ,<=LFe-k/7l 875'q3¥0?"T%Lp i3nJ0#3#0 pm0MHS nl,<=LFeOd sU'EZ6875'\yj¥'{3 0##EZ6875'\yj¥'~¡ #!(`¦^C©`!qM'Eem 36 6q KfDB&i?B Fe^Nk-l ?ªs ÷ ïötð/Z Lx zÑØܱZ LxzÑØܱ :<a! >?«Îc.GJDE"=+*nBMH ME.=ÒZ ¥/}h?£!%ïuòð #/а;¬8)04</Ö/ m2 ?¬SR·.:<t!Z »/ EIKF+"= *& '% *0Í ÷ Ê/®à)Z Í WP/8/8 O3, y!)= .=Í¥dZ CEDA³? 5=+QÕ;@&1!/:-½?! )< Wæ/¦ÚZ Å¥/¹/ ê5;>=³àd.5=+®àÏ /:.!)%Z »EIKF?~ Oé®àÏ O*<®àZ "=+.:<nBMHME/Z CEDA Í¥*5=+®àZ Í ÷ ¥?¡Ø"= ¬8/.!)é®à*0Í ;. 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然と良いこととしてきたが、長期使用に関わり きた。しかし、いつの間にか、住宅部品の耐久 ある事故が生じたことから、それを意識しない 性能も上がり、十数年の利用は当たり前のよう ことがかえってリスクを招くことを広く認識さ になってきた。むしろ、住宅部品の性能に関す せた。製品寿命は、よくバスタブ曲線で説明さ る強い要望は希薄となり、住生活においてほど れるが、その初期故障に関してはメーカー努力 ほど満足できる機能を発揮してくれれば、それ や制度整備等で解決が図られてきた。商品開発 で十分であるという意識が強くなり住宅部品の 時のモニターや工場出荷段階での厳密な検査、 存在そのものが気にならなくなった。そこでは、 流通における商品の取り扱いや施工における留 意徹底などから、いわゆる初期故障は減少して きた。商品の開発改良と成熟化も改善に寄与し た。生活者がこうした住宅部品を使い慣れたこ とも良い影響を与えた。また、その保証体制の 整備も図られてきた。しかし、偶発故障期を経 て、製品の摩耗故障期に至った場合の対策は十 分であったのだろうか。耐久性試験や従来ノウ ハウ蓄積を通じてある程度故障に至る過程と故 障しやすい部位や故障の仕方等は把握されてき 40 図1 バスタブ曲線 何年使用したから新しい性能のものに替えよう くは、それ以上の期間にわたり可能となってい というような欲求はなく、いまのまま使えるの る。しかし、熱交換器フィンが汚れ、内蔵ファ であるなら使っていこうという意識が働く。こ ン劣化で給排気性能が低下すると、熱交換性能 うした状況で長期使用の問題は検討しなければ が劣り、所定の湯を効率よく確保することが困 ならなくなったのである。 難になるかもしれない。また、センサー劣化が 進むと、所定の湯を安定して保持できないかも しれない。もっとも恐れるのは、電装関係の故 3.長期使用の課題を検討する 今後の住生活を長きに渡り安心して享受でき 障で、コンデンサーや抵抗が不良となって基本 るために、以下から考えを進めよう。 性能が保持できず、エラーが出て使用できなく (1)地球環境問題からある程度長期にわたり なる。あるいは、点着火が不安定になったり異 使用でき、特に高効率性能を保持できること 音、異臭が生じたりする。生活者は、さすがに (2)住生活に欠かすことができない多くの住 こうした状況になると、おかしいと気がつくの 宅部品や家電製品を包括対象として、安全への であるが、機器によってはある程度の劣化には 配慮により安心して長期継続使用できること 全く気がつかないで使用継続してしまう場合も 我々の生活は、地球環境への配慮なくしては あり、これらは機器の性質による。 成立せず、また多くの住宅部品等の包括的安全 高効率給湯機器のような場合には、従来の給 継続使用は生活の基本であるから、これらを取 湯機器に比べ、高効率を維持するために構造が り上げる。いずれも現在進行課題であって、今 複雑になり、それだけ高価になっている。この 後の更なる進歩に期待されるところが大である。 ため、 「費用が嵩んだ分だけ元をとりたい」とい う投資対効果が問題にされることがある。従来 よりも高価な機器を設置して、はたして十分な 4.長期にわたる基本性能保持 どの住宅部品も経年劣化は免れないが、その 性能が継続保持でき元がとれるのであろうかと 性能を長期にわたり保持することはある程度可 いう疑問は、生活者ならすぐ問題にするだろう。 能である。例えば、給湯機器の場合に、所定の 現実問題として、こうした意識が普及に大きく 出湯を行えることは、現在では10年程度もし 影響を及ぼすと思われる。 回収(年) 25 給湯機器の費用対効果について 20 太陽光発電 15 エネファーム エコウィル(黒) 10 ハイブリッド(白抜き) エコジョーズ 5 0 エコキュート →下は、実勢価格 0 500000 1000000 1500000 2000000 価格(円) 2500000 3000000 3500000 4000000 4500000 図2 給湯機器関係の費用対効果 41 しかし、この件については、多くの企業は、 システムの場合には十数年の使用継続が必要と 環境に良いという、例えば CO2 削減メリット され、それにどのように応えていけるのか、今 等しか説明しておらず、本当に長い期間使用し 後も注視しなければならないであろう。昨今、 て十分な節約効果が得られるのかについて、客 メーカーも販売促進を兼ねて、10年保証、2 観的な比較数字を示し得ていないのが現状であ 0年保証体制を組むところが出てきた。このこ る。環境配慮の設備機器は、特にランニングコ と自体は、素晴らしいことではあるが、長期に ストが問題にされる。高性能を保持できて環境 わたる保守管理、そして部品の交換体制整備が にやさしく、しかも投資対効果に応えるもので 従来とは比較にならないくらい重要な問題とな なければ結局はその後も継続使用するという信 ってきていることを十分認識する必要がある。 頼が構築できず長続きしない。この点、多くの 高効率給湯機器が2000年代に登場したが、 5.包括的に安全継続使用 実勢価格を当てはめた場合に、何とか投資対効 現在の家庭生活を眺めると、様々な住宅部品 果は得られそうに見える。実勢価格が安くなけ や設備機器が使用されている。エアコンや洗濯 れば10年以上性能の保持が必要とされ、厳し 機、冷蔵庫、テレビ等の家電商品も生活に密着 い場合も考えられよう。各社の機器を同一比較 した商品であるが、給湯機、システムキッチン、 したデータがないため、カタログを中心に分析 ユニットバス、温水洗浄便座、洗面化粧台、換 した結果を図2に示す(ガス給湯機価格35万 気扇、照明器具、水栓器具等も大切な生活の一 円とした比較)。かなり理想的なカタログ数値を 員である。これら代表的部品は、日々の生活を そのまま使用しているので、図のような投資対 支えているが、長期にわたり使用していると、 効果が得られるかについては多少疑問が残る。 劣化することを生活者は漠然と認識している。 いずれにしても、10年程度は同じ性能で使い しかし、認識していても、日常気にしているこ たい、給湯を利用する家族も同じように使って とは少ない。特に古い機器は、使えるなら継続 いるという前提があるので、家族数の変化や使 して使いたいと考え、無頓着に使用している場 い方が変わった等の原因で厳しい事態も考えら 合も多い。そして、事故や故障に至ると初めて、 れる。もちろん、短期間に故障してしまったら 途方にくれ混乱する。住宅部品の長期使用でも 投資対効果は全く期待できない。 っとも懸念するのは、こうした住宅設備部品が 給湯機器と異なって、発電という大きなメリ いつの間にか制御できなくなるような事態であ ットがある太陽光発電システムの場合には、余 る。発火、不完全燃焼、異常振動や異常音、漏 剰電力買い取り制度の後押しもあって、普及が 電等がそれである。電装部品の劣化があっても、 進みつつある。しかし、投資対効果を考慮した 自動的に停止して故障個所を知らせるのであれ 場合には、大いに疑問が残る。システム価格が ば、むしろ幸いであるが、電線からの発火や、 高価であって、太陽光発電パネルの耐久性能が 腐食欠落等、住宅部品が制御不能、暴走する事 議論となるが、それよりもパワーコンディショ 態はなんとしても防がなければならない。身近 ナーや蓄電装置の耐久性や点検整備の問題の方 な生活の中で生じるだけに生命や財産に及ぶ危 が大きい。こうしたシステム商品は、システム 険が高いのである。 全体が安定して性能を保持できなければならず、 こうした事態を防ぐために、生活者には長期 複雑な機器の場合には、どの部位の問題が大き 使用でかならず劣化が生じることの理解を得る いか、交換は容易か、安価に交換できるか等多 ことが重要であるとされるが、様々な住宅部品 くの検討が必要になる。少なくとも太陽光発電 で、それぞれ機能の発揮の仕方も異なり、警告 42 の仕方や故障に至る性質も大きく異なるので、 の機能をはたしていなくても、気がつかないで 大きな負担になる。故障に至る時期もまちまち 生活している場合も多い。こうしたことも踏ま である。さらに家電商品等住宅内には、大小商 え、適切な点検と保守によって、より良い住宅 品や住宅部品があふれているので、どれに対し 部品管理と生活環境を維持することや、これを て十分留意すべきか等は、判断できず生活者が 補う点検保証サービス等が効果的とされよう。 とまどうことは容易に想像がつく。つまり、留 具体的な計測や検査で、事実を具体把握して対 意すべきことが取扱説明書に明記されていても、 処できること、劣化原因を明らかにして適切対 多種類の商品等をいちいち覚えてはおられず、 処することが、長期に使用継続する上で大切な しかも長期に使用した後で(忘れた頃に)、ある ことである。しかも、多くの住宅設備や一部家 種の異常現象が生じるので、それにすばやく気 電等もまとめて取り扱うことが、更に重要で、 が付き対処するのは、事実上かなり困難なこと こうしたサービスが登場してきたことに注目す と言わざるを得ない。 るのである。 ひとつの住宅部品に立脚すれば管理が可能で も、様々なメーカーの様々な機能の住宅部品を、 6.現状把握が欠かせない 様々な人が様々な意識で使用する。この課題解 住宅部品の寿命は延びてきたが、それをどの 決を、生活者に押しつけることは基本的に無理 ように扱っていくのが良いかについては、まだ がある。もちろん、意識して注意深く使用して 検討継続課題である。ある程度の期間、所定性 もらい、時に点検をし、異常に気がつく目を養 能を保持しつつ使用できることが基本であるが、 ってもらいたいが、往々にしてそうしたことに 問題はその先の対処である。この検討のために まったく無頓着な生活者のところから事故は生 は、住宅部品の実力把握、故障過程に至る分析、 じる。メカニズムに弱い高齢者が使用するかも 性能劣化や故障の適切な検知方法の確立、長期 しれない。子供が理解不足のまま使用するかも 使用状況の表示や周知、生活者の理解促進等現 しれない。しかも、使い古した住宅部品で今ま 状の把握が欠かせない。それを関係者とともに では使えたとして、更に使うことも十分考えら 推し進めたいものである。 れるのである。 こうした状況を考慮すれば、住宅部品が常に 安全設計制御が確立されていること、二重三重 の安全機構があること等の根本的な対処に留ま らず、タイムスタンプのような時間経過警告や 点検依頼、点検をしなかった場合の機能ダウン 運転や一時停止等についても検討せざるを得な いかもしれない(設置年月明記もしてほしい)。 照明器具やエアコンのように、初期性能から は多少機能低下が起こっても、生活者はほとん ど気がつかず長く使用し続けることが出来るも のも多い。断熱材等の場合には施工不良等によ って、壁内断熱材が脱落し、湿気を吸って断熱 効果が著しく低下しても気がつかず、生活を続 ける。こうした徐々に機能が低下するか、所定 参考文献 1) 2013年度住宅部品の残存率等推計調査報告書 平成26年3月 一般社団法人リビングアメニティ 協会 消費者・制度部会 2) 平成22年度経年劣化製品事故の分析について 独立行政法人 製品評価技術基盤機構 中谷行宏 3) 耐久消費財等の経年劣化への諸対応策に関する調 査研究報告書―要旨― 平成21年3月、平成22年 3月 財団法人機械システム振興協会 注 注 1)製品パンフレットには、メーカー独自の調査とし てランニングコスト効果等を示したものはあるが、そ れぞれの理想的ともいえる条件に過ぎず、客観的な比 較データではないため、生活者には判断しにくい。 注 2)太陽光発電の記事や解説資料は、HP 上でもあふれ ているが、故障事故や耐久性、費用対効果に疑問を持つ ものが多い。メーカー保証も10年~25年無償保証も あるが、周辺機器については10年が多く物足りない。 注 3) 住宅設備機器延長保証には対象商品と最大年限 が設定されているものなどがあり、メニューが細かく分 かれているが、最大でも10年保証が多い。 43 寄稿コラム ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 国総研建築研究部における主な研究活動等について 国土交通省 国土技術政策総合研究所 建築研究部 基準認証システム研究室長 呉 祐一郎 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 1.はじめに 私は本年 4 月にベターリビングから、つくば 建築試験研究センターに隣接した、国土交通省 対竜巻 ・外装材の飛来物耐衝撃性能試験法の開発 災害後 ・設備システムの機能継続技術に関する調 査分析 国土技術政策総合研究所に異動となりました。 私の所属する建築研究部では、国民や社会のニ ーズに応え、安全・安心で快適な生活環境を実 ○ 巨大地震に対する中低層建築物の地震被害 軽減技術に関する研究(H26~28) 現するため、建築基準法、品確法、省エネ法な 建築物の多くを占め、また建築基準法令の構 どの構造、防火、設備、材料の各分野の技術基 造基準に準拠して設計されていることがほとん 準の策定、見直しについて、科学的・技術的な どである中低層建築物を対象に、使用材料や、 知見に基づき基準原案を作成することを使命と 基礎構造と上部構造のバランス等の工夫を加え して、国立研究開発法人建築研究所と連携しつ ることで、効率的に中低層建築物の地震被害を つ、研究活動を実施するとともに、技術基準の 軽減させる耐震技術の研究を行うものです。 普及のための技術指導等を行っています。 (表2) 今回は、当部が現在取り組んでいる主な研究 活動等の状況をご紹介します。 2.主要研究課題(プロジェクト研究等) ○ 災害拠点建築物の機能継続技術の開発 (H25~28) 東日本大震災では、災害拠点となるべき庁舎 においても、津波による構造被害や、非構造部 材(非構造壁、天井等)の損傷により機能が喪 失し被害が顕在化した他、H24 年 5 月につくば (表2)技術開発テーマ ① RC 造における二次壁の損傷抑制技術の開発 ・例えば、繊維補強コンクリートの活用によりひ び割れの拡幅や剥落を抑制させる技術普及のた めの、材料品質基準、構造性能評価法の検討等 ② 基礎構造と上部構造のバランスを考慮した耐震 設計技術の開発 ・上部構造を傾斜させないための要件及び上部建 物-基礎-地盤連成系の各構造部分での設計用 地震力の設定方法の検討等 市等で発生した竜巻等では建築物に大きな被害 が生じました。このため応急・復旧活動等の拠点 ○ 地震誘発火災を被った建築物の安全性・再 となる建築物が災害後も直後から機能を継続す 使用性評価法に関する研究(H27~29) るための技術開発を行うものです。 (表1) 首都直下地震等による地震被害によって同時 多発的な火災が誘発され、それにより中高層の (表1)技術開発テーマ ・外壁材脱落を考慮した耐津波設計法の開発 《S 造の代表的外壁材のうち ALC パネル、 対 鋼板製外壁を対象に水理実験等を実施》 津 ・低抗力津波避難ビルの開発 波 耐火建築物も甚大な被害を受けるおそれがあり ・津波漂流物対策技術に関する調査分析 使用のための評価技術の構築、体系化を図り、 ・非共振天井材の開発 ・非構造壁を活用した損傷制御設計法の開発 《二次壁つき実大 5 層 RC 造建物の公開実験 の実施》 使用可能な建築物の再使用を促進して、早期に、 対 地 震 動 44 ますが、現在の応急危険度判定は火災被害につ いては考慮されていません。そこで誘発火災被 害を受けた中高層建築物の危険度判定方法、再 効率的な復興を支援しようとするものです。 ○ 防火・避難規定等の合理化による既存建物 活用に資する技術開発 (H28~32 予定(要求中)) 近年、既存建築物の用途変更による有効活用、 歴史的建築物や古いまちなみの保存活用のニー ズが高まっていますが、現行の防火・避難規定や 用途規制に適合せず、コスト負担や活用そのも のを断念する例もみられます。このため、既存 建築物の有効活用や用途変更の円滑化を可能と するよう、建築基準法の規定の合理化、都市計 画の運用方法の検討などを行うものです。 (表3) (表3)技術開発テーマ(案) ① 建築基準法の防火・避難規定の合理化に関する 技術の開発 ② 地区における防火・避難上の安全性の確保に向 けた技術の開発 ③ 既存建築物の用途変更に係る建物用途規制の 合理化に向けた技術の開発 木・鉄骨系防耐火構造の壁および柱の合理的な 性能評価に関する検討 ・木質内装空間の部分的な不燃化による避難安 全・延焼防止の効果に関する検討 ・混合セメント等を使用したコンクリートの水セ メント比の評価方法に関する検討 ・仕上材を施した既存鉄筋コンクリート造建築物 の鉄筋腐食抑制に関する評価方法の検討 ・各種空調設備システムの潜熱負荷処理メカニズ ムを踏まえたエネルギー消費量評価法に関す る検討 ・非住宅建築物のための高度な省エネルギー技術 の評価手法構築に関する検討 ・積雪後の降雨の影響を考慮した積雪荷重の設定 に資する検討 ・指定建築材料の大臣認定制度における審査に関 する検討 ・防火・避難規定に対応する建築基準法令の建築 物用途の合理化に資する検討 (住宅市場整備推進事業による調査) ・CLT を用いた木造建築基準の高度化推進事業 (2)建築構造基準委員会の運営 建築基準法等に基づく建築物の構造基準に関 3.技術基準の策定・見直し等 する技術基準原案を審議するために国総研に設 (1)建築基準整備促進事業等による検討 置されているもので、今年度は超高層建築物等 国が建築基準の整備を促進する上で必要な調 における長周期地震動への対策、新しい特定天 査事項を設定し、公募で選定した民間等事業主 井の基準案等について審議を行い、さらに今後 体に補助を行い、技術基準原案に必要な実験や CLT の基準案等の審議を進めます。 基礎資料作成を推進するものです。国総研は事 (3)建築防火基準委員会の運営 業主体への指導等を行っています。 (表4) (表4)平成 27 年度基準整備促進事業調査事項 ・構造スリットを設けない有壁鉄筋コンクリート 造建築物の構造計算の合理化に資する検討 ・全面に土が塗られていない土塗壁等で構成され た木造建築物の設計基準に関する検討 ・木造建築物における壁倍率の仕様の追加に関す る検討 ・風圧力、耐風設計等の基準への数値流体計算の 導入に関する検討 ・木造建築物の許容応力度等計算の基準の明確化 等に関する検討 ・あと施工アンカーを用いた部材の構造性能確認 方法に関する検討 ・湿式外壁等の定期調査方法の合理化の検討 ・防火に関する大臣認定仕様の告示化の検討 ・防火被覆の効果を考慮した燃えしろ設計法の合 理化に資する検討 ・防火被覆等の仕様にバリエーションを有する 同様に、防火に関する技術基準原案を審議す るために設置され、木造建築関連基準の見直し、 旧 38 条認定建築物の評価内容を踏まえた規定 の見直し案等について審議しています。 (4)その他 省エネ基準に関して一次エネルギー消費量算 定値に関する分析と義務化に向けた検討などの 他、免震材料の不正事案の発覚を踏まえた指定 建築材料に係る大臣認定制度の見直しや、建築 基準法新 38 条大臣認定に係る審査の技術的支 援などにも取り組んでいくこととしています。 今後とも皆様方からのご指導を賜りますよう、 よろしくお願いいたします。 (H26/7~27/3 まで、ベターリビングサステナブ ル居住研究センター研究企画部長) 45 0UMO53 8V8Z/6LB +D [\R,;<Y "$%&9+MO' ( MO*KW I1 NH `_ É! f1á /2µP,êTò čČċ$ 23 .0# 4 ÿ ¦À k"!1321ĄĆ¯$ĉª# DB6HCÔ".0!© Y n4Y`ù+Y`#¼ #¼ÀÅ"Y)ĄĆâ#\¢´ ! 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より良い住まいづくりと暮らしの実現に貢献する 経営戦略検討のためのフィールドワーク サステナブル居住研究センター 研究企画部 (兼総合企画室長) 富田 興二 画手法の”発明”が求められているのである。 1.はじめに 我が国の人口は長期的には急減する局面 1)に 社会の価値観が180度変わったと考えて行動 ある。また、資源制約や「2030 年度の新設住宅 すべきなのだ。」 (西村浩氏)5)との指摘がある。 着工戸数は 53 万戸に減少 ~リフォーム市場 中長期はもとより5年先までの経営戦略を立 規模は、6 兆円台で横ばいに~」(2015 年 6 月 案することが困難な時代であり、小さいリスク 15 日株式会社野村総合研究所)2)との予測など、 を取りながらトライ&エラーする「発明」や観 どの調査 3)も明るい話題に乏しい。 察による”兆し”の「発見」が必要である。 そ 1行アキ こで、経営戦略の検討に役立てるためのフィー ルドワークを試みた。その際、ベターリビング のミッションとスピリットも念頭に、とりわけ、 既存住宅流通・リフォームと省エネルギー対策 の市場動向に係るフィールドワークとして若干 の観察・参与観察を行い、今後の住宅・建築市 場の”兆し”の発見に努めることとした。 1行アキ 1. 定量的分析 ①長期人口推移 ⑤参考図書『 「豊かな地域」はどこがちがうのか ②コーホート分析 ---地域間競争の時代』(根元祐二,2013) ③各世代の年別人口推移 ⑥不動産価値推移 ④その他の分析手法 ⑦遊休不動産調査 (従業・通学地分析、経済活動分析) 2. 図1 将来推計人口(平成 23 年) 1行アキ また、国土交通省住宅局の平成 28 年度概算 要求において、住宅市場分野に関しては、 「中古 住宅流通・リフォームの活性化」 「住宅・建築物 の省エネルギー対策」を講ずるとされている。 このような状況下において、 「新たな住宅供給 定性的分析 ① 3. 考現学的フィールドサーベイ エリアマーケティングの仮説構築 ┌―――――――――――――┐ │スモールエリアの定量的把握├――――――――――┐ └―――――――――――――┘ ┌――――┴――――――――――┐ │エリアマーケティングの仮説構築│ ┌―――――――――――――――――┐ └――――┬――――――――――┘ │エリアとその周辺のまちの定性的把握├――――――┘ └―――――――――――――――――┘ 出典:『リノベーションまちづくり』(清水義次、2014)p.36 出典:国土交通大学校都市行政研修「戦略的都市経営と官民連携まちづくり」宮本恭嗣講師資料を基に作成 図2 都市再生等に係るフィールドワーク 1行アキ 2.フィールドワークの対象について よりもリニューアルがテーマになりつつあるな 先進性と実証性を重んじ、①イノベーター~ かで、住宅メーカーや住宅供給業、建築職人の アーリーアダプター層、②実績有る学識者の取 社会はどうなっていくのか。」(日本建築学会) 4) 組、③情報発信力が有り行動変容を促すような という議論が始まっており、あるいは、 「未だ誰 話の分かりやすい話者等の公開講座やワークシ も体験したことがない縮退の時代に向かって、 ョップ等をフィールドワークの対象とした。 根拠のない”前例主義”を捨て、新しい都市計 50 1行アキ 表1 ワークショップ等(時系列順、上半期) ナカムラクニオ(6次元店主)の金継ぎワークショップ HEAD 研究会総会&シンポジウム「HEAD meets HEAD」@Arts Chiyoda 3331 銀座まちづくり会議シンポジウム@GINZA キレイが丘 【トークライブ】なぜ私は「建築」をやらないか?「建築」をやる か?-嶋田洋平×藤村龍至 初対談@Arts Chiyoda 3331(主催者:リ ノベリング) 【座談会】リノベーションスクールとリノベーションまちづくり@ 大正大学(主催者:リノベリング) 賃貸でもできる。夏涼しく冬温かい家を DIY でつくろう!みかんぐ み竹内昌義さん、エクセルギーハウス黒岩さんと学ぶエコハウス DIY クラス(主催者:NPO 法人グリーンズ) キャンピングスツールワークショップ@新宿伊勢丹(主催者: PADDLERS COFFEE × MOBLEY WORKS) 学芸セミナー原科幸彦・小泉秀樹・横張 真 人口減少時代のプラニ ングシステム『都市・地域の持続可能性アセスメント』を語る@東 京大学(主催者:学芸出版社) 宇都宮まち歩き(主催者:リノベーション TF/HEAD 研究会) 30mm のユカハリタイルを目にする機会が 多かったが、断熱性に優れ CO2 を削減し、肌あ たりが柔らかく居心地が良かった。 「日本の建築 ストックが延床面積 74 億㎡ 6)あるうち 3%が床 を国産材利用することで林業は完全に再生する」 (西粟倉村 森の学校 井上達哉氏)など、資金の 地域循環・雇用創出等の我が国の課題をいくつ も同時に解決する話も”兆し”だと思われた。 「住宅ストックの 39%が無断熱 7)であり、非 住宅も合わせ考えると、省エネ断熱改修市場は 《リノベスクール番外編》つくる!TANGA TABLE!(主催者: Tanga Table - Hostel and Dining) ブルーオーシャンである」 (竹内昌義氏)との提 2015 年度日本建築学会大会[関東]「いま/地域と生きる建築」人 口減少化社会の転換期シンポジウム「ストック活用時代に都市の課 題解決を担う”建築”」(主催:湘南地域連携プロジェクト)企画協力、 モデレーター 言がひときわ明るい”兆し”に思われた。 コンソ・プラザ(特別講演会)「スマートウェルネス住宅のすすめ」@ トリトンスクエア 「ほしい暮らしは自分でつくる」であり、DIY 嶋田×木下初対談「ここだけで明かす、地方創生ビジネスの真実- まちづくり怪談2-」@都電テーブル(主催者:リノベリング) 精神、ヒップカルチャー、パブリックマインド ミニ太陽光発電システムをつくろうワークショップ@東京都港区 (リトルトーキョー)(主催者:NPO 法人グリーンズ) を共有していることが特徴的だと思われた。 シ ン ポ ジ ウ ム : 今 さ ら 聞 け な い 建 築 と エ ネ ル ギ ー の 話 @ Arts Chiyoda 3331(主催者:エネルギーTF/HEAD 研究会) ベターライフリフォーム・シンポジウム@すまい・るホール(主催 者:一般社団法人ベターライフリフォーム協会) インターTF ディスカッション(KENNZAI バトル 2015)(主催: HEAD 研究会) 1行アキ 3.”兆し”について 民間主導で数多くの公開シンポジウムや参加 型ワークショップが開催されていることがまず” 数多くの実践者が唱えるキーワードの一つが そのほか”兆し”は日常業務の中にも潜んで いる。ベターリビングの証紙販売実績と建築着 工統計の月次時系列データには、連動する増減 変動が読み取れた。特に四半期ごとのデータで 計算すると、(n-1)期の証紙販売金額・枚数と n 期の建築着工床面積・戸数との相関係数は 0.4018~0.5641 が得られた。証紙販売実績は建 築着工に3ヶ月先行する経済指標であった。 兆し”だと思われた。法律による規制ばかりで はがんじがらめの息苦しい世の中になるし、補 助金・税制等による誘導も砂漠に水を撒くよう なものである。生産者と消費者を対立ではなく 信頼で結び、より良い住まいと暮らしの価値を 提供する当財団の役割は重要性を増している。 行動変容を促すには説得よりも「見て、感じて、 変化する」戦略が有効だが、 「省エネ断熱」のよ うに「見えない価値」に関しては「平成 11 年 基準(Q 値=2.7、C 値<5cm2/㎡)の省エネ性能の 住宅では足下が冷えお金が無駄に感じるが、Q 値=1.0、C 値<1cm2/㎡だと身体の負担が減って 居心地良さを実感し省エネにもなる」 「体感しな いと、いくら説明しても分からない。温水洗浄 便座のようなものである」との意見があった。 参考文献 1)『建築 ―新しい仕事のかたち― 箱の産業から場の 産業へ』(松村秀一) 2)『フィールドワークの技法』『質的データ分析法―原 理・方法・実践』(佐藤郁哉) 3)『キャズム Ver.2』(ジェフリー・ムーア) 4) 『ジョン・コッターの企業変革ノート』(ジョン・コ ッター、ダン・S・コーエン) 5)『未来の住宅』(竹内昌義、馬場正尊) 6)『自分のためのエコロジー』(甲斐徹郎) 7)『地球基準の「いい家」を建てる』(森みわ) 8)『エクセルギーハウスをつくろう』(黒岩哲彦) 9)『ほしい暮らしは自分でつくる ぼくらのリノベーシ ョンまちづくり』(嶋田洋平) 10)『脱・住宅短命社会』(山﨑古都子) 注 1) http://www.mlit.go.jp/common/000135837.pdf 2) http://www.nri.com/Home/jp/news/2015/150615_1 3) http://www3.keizaireport.com/ 4) http://www.aij.or.jp/20150424dialogue.html 5) http://www.jctc.jp/about/kikanshi/vol134 6) http://www.mlit.go.jp/common/001098683.pdf 7) http://www.mlit.go.jp/common/001043842.pdf 51 報告 SLC意見交換会 開催報告 サステナブル居住研究センター 研究企画部 近藤 由佳*・橋本 健吾 (※:執筆当時。平成 27 年 9 月 30 日まで在任) 1.はじめに 見交換を行いました。 当サステナブル居住研究センターでは、これ 聴講して頂いた方からは、 「住宅の建設につい まで実施した調査・研究に係る知見や当センタ て様々な角度からの話や動向が聞けて勉強にな ーが有する人的なつながりを活かし、少子高齢 った。」 、 「社会課題をどう咀嚼して商品企画に至 社会やストック型社会への対応など大きな変化 るのか、過程をもう少し詳しく知りたかった。」 が求められている住宅・建築業界の活性化に寄 等のご感想を頂きました。 与することを目的として、今年度から、住宅業 界でご活躍の方々にお話を伺うとともに、意見 交換を行う意見交換会を実施しています。 本コラムではこれまでに開催した3回の意見 交換会の様子をご紹介します。 3.第2回(平成 27 年 7 月 22 日(水)) 独立行政法人住宅金融支援機構調査部の小西 正一郎氏を講師としてお招きし、 「最近の住宅金 融市場の動向について」というテーマでご講演 頂いた上で、ベターリビング職員との意見交換 2.第1回(平成 27 年 6 月 30 日(火)) 積水ハウス株式会社技術部部長の穐本敬子氏 を実施しました。 ご講演では、「日本の住宅金融市場の動向」、 を講師としてお招きし、 「住宅市場の現在と未来 「海外の住宅金融市場等について」、「日本の住 ~社会課題に対応した住まいづくり~」という 宅分野と海外について」という幅広い内容につ テーマでご講演頂いた上で、ベターリビング職 いて、最近の市場動向や住宅金融支援機構の取 員との意見交換を実施しました。 組をご紹介頂きました。 ご講演では、「住宅は社会課題の中心にあり、 その中で、 「住宅に係る専門的な情報(住宅ロ 住宅が変われば、社会が変わる」とのお考えの ーンの金利リスク、住宅や住宅部品の性能等) 下、 「安全・安心」、 「省エネルギー」 、 「地球温暖 を消費者に対して適切に伝えることが必要であ 化防止」、「少子化」、「高齢社会」、 「コミュニテ る。」 、 「東南アジア等国際的な対応や海外展開す ィの再生」等の社会課題に対応した積水ハウス る住宅事業者への支援が今後より求められる。」 株式会社の取組に関して、具体の事業を例に新 など、住宅金融支援機構とベターリビングの共 たな技術や会社の方針について幅広くご紹介頂 通する役割や課題について言及頂きました。 きました。 次に、住宅市場業務二部長の高瀬茂幸がコー 次に、会後半では、住宅市場業務一部長折田 ディネーターを務めた会後半の意見交換では、 信生がコーディネーターを務め、ストック型社 消費者と直接的な接点がない中、専門的な情報 会・人口減少社会等が進行する中での今後の国 をより多くの消費者に提供するための取組や公 内市場に対する見通し、住まいの価値を維持す 的機関としての今後の国際対応のあり方、既存 るための住まい手に対する取組、リフォーム事 住宅の流通を促す取組や賃貸市場に対する金融 業や既存住宅の流通に係る取組等について、意 面からの取組、海外市場における賃貸・持ち家 52 別の技術的な要求事項等について、意見交換を が洋服を購入すると購入年月をタグの裏に書き 行いました。 込んでいること及び、テレビやエアコンなどの 聴講して頂いた方からは、 「講師にベターリビ 家電製品には「○○年製」というシールが貼っ ングに対する意見や質問を伺えたことは勉強に てあることが紹介され、住宅部品にも使用年数 なった。」 、 「ラウンドテーブルの提言について意 が表示されることが必要ではないかという問題 見を聞いてみたかった。 」等のご感想を頂きまし 提起を頂きました。 た。 5.おわりに 4.第3回(平成 27 年 10 月 7 日(水)) 最後に、住宅業界の最近の動向について、幅 当サステナブル居住研究センター副センター 広いテーマでご講演頂き、ベターリビング職員 長の村田幸隆が、 「主要住宅部品における近年の や聴講者の方からの様々な意見・質問に対して 動向~長期使用に関する調査研究のために」と 丁寧にご回答下さった講師の皆さま、そして、 いうテーマで講演した後、ALIA会員企業よ コーディネーターの皆さま、聴講して下さった りの参加者およびベターリビング職員との意見 皆さまに感謝申し上げます。 交換を実施しました。 講演では、住宅部品の劣化パターンを整理し これまでに3回の意見交換会を実施して、 「意 見交換の時間を長くとったほうが良い」、「聴講 た後に、統計データをもとに、住宅市場全体と 者からの発言時間をもう少し確保できると良い」 6つの住宅部品(=「給湯機器」 「浴槽(浴室ユ という意見が聴講者から多く上がりました。確 ニット)」 「洗面化粧台」 「トイレ(温水洗浄便座)」 保していた1時間では足りないほど意見交換の 「キッチン(システムキッチン、加熱調理機器)」 議題があがることは、開催側として大変有難い 「冷暖房・換気扇」)について、25 年間の市場 と同時に、より議論が深められるような方法を 規模・出荷台数について分析した結果が紹介さ 検討する必要があります。 れました。この中で、住宅投資が減少しつつあ また、 「毎回のテーマから、ベターリビングの る中で、住宅部品市場規模は一定に維持されて 事業につながる案が出てくる場になってほしい」 いること、すなわち新築中心だった住宅市場が といった意見がありました。今後は、これまで リフォーム中心に推移しつつあることに言及が 以上に、意見交換会がベターリビングや住宅業 なされました。 界にとって発展的な場になるようにしていきた 次に、事業推進部長の細井久嗣がコーディネ いと考えています。 ーターを務めた会後半の意見交換では、長期使 用に関して、部品メーカーから、耐用年数は金 属等の疲労の状況と使用条件を鑑みて、コスト とバランスの関係から決まってくることから、 長く使えるように設計するとコストバランスが 悪くなってしまうことについて意見交換が行わ れました。議論を受け、リフォーム市場におけ る住宅部品市場の規模は、住宅ストックの量と、 住宅部品の耐用年数から決まってくることなど が浮き彫りとなりました。最後に、深尾精一セ ンター長(首都大学東京名誉教授)より、自身 写真 意見交換会の様子 53 資料編 研究テーマリスト --------------------------------------------------------------SLC は、設立以来、下記の自主研究を実施してきています。 研究年報掲載 研究名 1 2 研究年度 住まいと暮らしのサステナビリティ指数 (SLI)に関する研究 構造・建て方を考慮した住宅ストック構 成の将来推計手法 主担当者 2010 /2011 2012/ 2013 2014/ 2015 H21~24、 福田卓矢→ ● ● ● H27~ 大野謙三→ (継続中) 橋本健吾 H22~24、 齋藤茂樹→ ● ● ● H26~ 橋本健吾 (継続中) 3 維持管理にかかる情報伝達システムの H22 齋藤茂樹 ● H22~24 永野浩子 ● H22 山本洋史 ● H23~24 西本賢二 H25 齋藤茂樹 ストック住宅活用につながる住宅部品開 H25~ 永野浩子 ● 発の調査研究 (継続中) 洗面・脱衣室及び便所におけるヒートショ H26~ 青木伊知郎→ ● ックを防止するための住宅部品・システム (継続中) 永野浩子 優良住宅部品を中心に住宅部品の寿命と H26~ 村田幸隆 保証期間の在り方についての調査研究 (継続中) サステナブルな都市の実現のための住宅 H26 評価方法に関する研究 4 超高齢社会におけるサステナブル居住の ● ために~緊急通報・安否確認システムに関 する研究から~ 5 住宅インフィルリフォームの潜在ニーズ と顕在化手法の研究 6 住宅履歴情報を活用した生産情報の多段 ● 階利用に関する研究 7 応急仮設住宅建設に係る住宅部品のあり 方について 8 9 の開発に関する調査 10 11 市街地における土地利用規制のあり方に 関する調査 54 青木伊知郎 ● SLC年報(巻頭言・研究センター紹介・トピックス)テンプレート 110510 対外発表リスト ----------------------------------------------------------------SLC は、設立以来、下記の研究成果を発表してきています。 ○研究論文 2015 年 ・ 居室の断熱改修施工による温熱環境・健康指標への効果 第5~8報 ○高橋 龍太郎,○小川まどか,○齋藤 宏昭,○宮良拓百,坂本 雄三,都築 和代,永井 敏彦,宮内 亨, 布井 洋二,田中 裕造,岡島 慶治,吉田 卓生,石岡 良子,永野 浩子(日本建築学会大会学術講演梗概集 2015) ・ 住宅ストックの将来推計に基づく築年数別住宅ストック構成に関する考察 ○齋藤茂樹,深尾精一,安達功,呉祐一郎 ・ (日本建築学会大会学術講演梗概集 2015) 居住者のこだわり度と満足度とのギャップを考慮した住宅における各要素の評価 第 1 報 集合 住宅居住者のこだわりと満足に関する考察 ○永野浩子,深尾精一,村田幸隆,呉祐一郎,齋藤茂樹 (日本建築学会大会学術講演梗概集 2015) 2014 年 ・ 居室の断熱改修施工による温熱環境・健康指標への効果 第1報 調査概要 ○永野 浩子,高橋 龍太郎,齋藤 宏昭,都築 和代,坂本 雄三,永井 敏彦,宮内 亨,布井 洋二, 田中 裕造,小浦 孝次,岡島 慶治,吉田 卓生 (日本建築学会大会学術講演梗概集 2014) 2013 年 ・ 住宅ストックの構造、建て方、建設年代別の滅失傾向と将来推計に関する考察 ○齋藤 茂樹,深尾 精一,西本 賢二,村田 幸隆,秋林 徹 ・ 離れて暮らす親がいる子世代における高齢者の見守りニーズに関する研究 : 緊急通報・安否確認 機器による高齢者見守りサービスに関する研究 ○永野 浩子,村田 幸隆,齋藤 茂樹,深尾 精一,秋林 徹 ・ (日本建築学会大会学術講演梗概集 2013) (日本建築学会大会学術講演梗概集 2013) 住宅履歴情報の多段階活用手法の検討 ○西本 賢二,秋林 徹,齋藤 茂樹,村田 幸隆,深尾 精一,野城 智也 (日本建築学会大会学術講演梗概集 2013) 2012 年 ・ 住生活サービスとの連携による住宅履歴情報の価値向上について ・ 空き家率の推移による都道府県の類型化 ○西本 賢二,深尾 精一,齋藤 茂樹,野城 智也,鈴木 昌治 (日本建築学会大会学術講演梗概集 2012) ○齋藤 茂樹,鈴木 昌治,西本 賢二,深尾 精一 (日本建築学会大会学術講演梗概集 2012) 2011 年 ・ 構造及び建て方を考慮した住宅ストックの将来推計 ○齋藤 茂樹,深尾 精一,鈴木 昌治,青木 仁,永野 浩子 ・ (日本建築学会大会学術講演梗概集 2011) 住生活に係るサステナビリティの進展具合を示す指標群の構築に関する研究 : サステナブルリ ビングインデックスの提案 ○福田 卓矢,深尾 精一,鈴木 昌治,青木 仁,永野 浩子 (日本建築学会大会学術講演梗概集 2011) ○シンポジウム ・ 『我が国』における見守りサービスの類型と課題 都市住宅学会主催公開シンポジウム 見守り・安否確認による“孤立死”予防と地域マネジメント 2011 年 10 月 21 日、東京都(口頭発表) ○永野 浩子 55 SLC年報(巻頭言・研究センター紹介・トピックス)テンプレート 110510 プレスリリースリスト ----------------------------------------------------------SLC は、研究成果をPRするため、下記のプレスリリースを発行してきています。 リリースタイトル 発行日 1 「サステナブル・リビング・インデックス (SLI)試作版」 の公表について H23/10/28 2 緊急通報・安否確認システムによる高齢者の 見守りサービスに関するニーズ調査結果 H24/11/27 3 リーフレット「人は住まいとともに生きる」 H26/11/11 公表のご案内 4 “部分断熱リフォーム”が高齢者の“健康” H27/1/20 に好影響 3年間に及ぶ実証実験でその相関 を実証 記 自主研究「住まいと暮らしのサステナビリテ ィ指数(SLI)に関する研究」の試作版を作成 し、発表しました 自主研究「超高齢社会におけるサステナブル 居住のために」において、ニーズ調査を実施 し、発表しました。 受託研究において住まいの暖かさと健康維 持に関する実証実験を実施し、成果をまとめ た生活者向けリーフレットを作成しました。 受託研究において住まいの暖かさと健康維 持に関する実証実験を実施した成果につい て、記者発表会を実施するとともに、同日プ レスリリースを発行しました。 構成員リスト ------------------------------------------------------------------サステナブル居住研究センターの構成員は以下の通りです。【下段:旧メンバー】 ■平成 27 年 9 月 1 日時点 ・深尾 精一(ふかお せいいち) センター長(首都大学東京 名誉教授)【H20/4~】 ・村田 幸隆(むらた ゆきたか) 副センター長【H27/4~】、技術顧問・アドバイザー【H25/4~H27/3】 ・富田 興二(とみた こうじ) 研究企画部 企画課長(兼 総合企画室)【H27/4~】 ・近藤 由佳(こんどう ゆか) 【H27/4~H27/9】 研究企画部 研究課長(兼 住宅部品評価グループ) ・永野 浩子(ながの ひろこ) 研究企画部 副参事役【H20/11~】 ・瀧口 祥江(たきぐち さちえ) 研究企画部 企画課 上席調査役【H24/4~】 ・橋本 健吾(はしもと けんご) 研究企画部 研究課 課員(兼 住宅部品評価グループ)【H27/4~】 ■旧メンバー ・青木 仁 (あおき ひとし) アドバイザー(当時:東京電力株式会社 【H20/4~H24/3】 ・鈴木 昌治(すずき しょうじ) ・秋林 徹 (あきばやし とおる) 副センター長【H22/4~H24/3】、研究企画部長【H21/4~H24/3】 副センター長【H24/4~H26/12】 ・梅村 里司(うめむら さとし) ・大竹 亮 (おおたけ りょう) ・呉 祐一郎(ご ゆういちろう) 研究企画部長【H20/4~H21/3】 研究企画部長(兼 総合企画室)【H24/8~H26/3】 研究企画部長(兼 総合企画室)【H26/7~H27/3】 ・大野 ・山本 ・齋藤 ・青木 総括研究役【H24/4~H25/3】、副センター長【H20/4~H22/3】 総括研究役(兼 住宅市場業務グループ)【H22/4~H26/3】 次長(兼 (一社)住宅性能評価・表示協会)【H25/4~H27/3】 総括研究役【H26/4~H27/6】 謙三(おおの けんぞう) 洋史(やまもと ひろし) 卓三(さいとう たくぞう) 伊知郎(あおき いちろう) ・大泉 誠司(おおいずみ せいじ) ・西本 賢二(にしもと けんじ) ・高橋 ・福田 ・猪飼 ・齋藤 明子(たかはし あきこ) 卓矢(ふくだ たくや) 万由子(いかい まゆこ) 茂樹(さいとう しげき) 技術開発研究所 主席研究員) 研究企画部 企画課 上席調査役(兼(一社)環境共生住宅推進協議会) 【H20/4~H24/3】 主席研究役【H23/4~H25/3】 調査研究部 研究企画部 研究企画部 研究企画部 ~H27/3】 調査課 課員(兼 住宅部品評価グループ) 【H20/4~H22/3】 調査研究課 調査役【H20/4~H23/12】 研究課 課員(兼 住宅部品評価グループ)【H24/1~3】 研究課 調査役(兼 (一社)住宅性能評価・表示協会) 【H22/4 ※肩書、兼務先等は退任時点のもの 56 一般財団法人ベターリビング サステナブル居住研究センター 研究年報 2014/2015 <2015年 11 月発行> 〒102-0071 東京都千代田区富士見 2-7-2 ステージビルディング4階 TEL :03-5211-0585 FAX :03-5211-1056 E-mail:[email protected] CBL-SLC ホームページ:http//www.cbl.or.jp/slc/index.html 本掲載内容の無断転載を禁じます
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