公開空地の活用手法としての移動飲食店に 関する研究

い 創 出 計画 を 行 っ た のは 、2005 年 2 月 現 在 で 4 件 の大 規 模 再 開 発
公開空地の活用手法としての移動飲食店に
関する研究
に 限 ら れて お り 、総合 設 計 で 作 ら れ た多 く の 公 開 空地 に つ い て は
まだ事例がない。
本来の総合設計制度の目的である良好な市街地環境の整備や、
A study of the possibility of mobile food stalls as a use in
the vitalization of privately owned public spaces
歩行者や住民が快適に利用できる公開空地の創出という観点か
ら 、大 規 模 開 発 に 限 らず 、中 小 規 模開 発 へ の 適 用を 考 慮 し た 制度
の見直しを考える必要がある。
01-2596-0
指導教員
レ・フ・ヴ・ナ ム
中井
検裕
Adviser
Le Huy Vu Nam
Norihiro Nakai
3
公開空地活用手法として移動飲食店利用の可能性
3−1
1
はじめに
1−1
公開空地ではない空地の活用事例の調査
・東京サンケイビル(東京都千代田区)
研究の背景と目的
一 般 空 地 に イ ベ ン ト ス ペ ー ス が 設 け ら れ て い る ( 図 1) が 、 公
都心部でのオープンスペース確保を目的とした総合設計制度
開 空 地 と混 在 し て お り 、利 用 は 境 界線 上 で 分 割 され て い る 。2002
であるが、それによる公開空地は利用方法・日数に制限があり、
年 12 月、 ク リ ス マ ス イベ ン ト が 開 催さ れ 、 移 動 飲食 店 が 出 店 し
利 用 手 続き も 煩 雑 で、賑 わ い 創 出 と いっ た 面 か ら の利 用 は 難 し い
た。実験販売を経て、現在も継
現 状 が ある と 言 わ れ てい る 。一 方 、東 京 国 際 フ ォ ーラ ム や 東 京 サ
続的にランチタイムに移動飲食
ン ケ イ ビル 等 、公 開 空 地で は な い も のの 敷 地 内 広 場の 有 効 利 用 方
店が出店している。管理者は事
策 と し て、移 動 飲 食 店 に販 売 許 可 を 与え 滞 留 性 を 高め 賑 わ い を 生
前のビル内飲食店との協議にお
み 出 し てい る 。こ れ は 公開 空 地 の 賑 わい 創 出 方 法 とし て も 非 常 に
いて、広場が賑わうという理由
有 効 で ある と 考 え ら れ、今 後 の 利 用 方法 を 考 え る 上で 検 討 の 価 値
か ら 出 店に 好 意 的 で ある 。ま た、
が あ る と思 わ れ る 。移 動 飲 食 店 側 にと っ て も 、安 定 し た 経 営 場所
事前にビル内飲食店の取り扱う
の確保という点で利点がある。
商品と重なる移動飲食店は出店
既 存 研 究で は 、公 開 空 地 の 有 効 利 用の た め に、空 地 の 形 態 や 利
用 実態
1)
、 滞 留 性 の 構成 要 素
飲 食 店 やオ ー プ ン カ フェ
3) 4)
2)
等 に 言 及 し た も のは あ る が 、 移動
そ こ で 本研 究 で は 、公開 空 地 の 有 効 な利 用 方 法 の 一つ と し て 移
動飲食店の出店可能性を検討することを目的とする。
1−2
を許可しないようにしている。
・東京国際フォーラム(東京都千代田区)
な ど サ ービ ス 提 供 の 面か ら 論 じ た も
のは少ない。
図 1 東京サンケイビルの
移動飲食店設置スペース
2003 年 7 月 の経 営 難 に よる 民 営 化 を 機に 、
空 き ス ペー ス の 活 用 に努 め 、同 年 度 の売 上
高 は 前 年度 比 13%増 加 し た 。フ ォ ー ラム 内
の空地(図 2)は、公開空地ではない。
移動飲食店の定義と特性
民営化当初からフォーラム内飲食店の
本 研 究 にお い て 移 動 飲食 店 と は 、ワゴ ン や 軽 ト ラ ック を 用 い た
出 張 販 売を 計 画 し て いた が 、保 健 所 の許 可
移 動 店 舗と 定 義 す る 。そ の 特 性 と して 容 易 に 場 所を 移 動 で き 、準
や施設等の必要性から各飲食店が断念し
備 時 間 や撤 収 時 間 が 要ら ず 、限 定 的 な営 業 時 間 に より 歩 行 者 通 行
た 。し かし 上 述 の 東 京 サン ケ イ ビ ル での 成
の 妨 げ を最 小 限 に で きる こ と が 挙 げら れ る 。また パ フ ォ ー マ ン ス
功 の 経 緯か ら 、実 験 販 売を 経 て 、2003 年 9
性を持ち、営業者と顧客との間でのふれあいの機会が生まれる。
月から継続的に出店している。
店 舗 が 定期 的 に 入 れ 替わ る こ と が でき 、顧 客 を 飽 きさ せ な い と い
3−2
う特性もある。
図2 東京国際フ
ォーラムの移動飲
食店設置スペース
各主体の利点・問題点の調査
ビ ル 内空 地 に 移 動 飲食 店 を 出 店 する こ と の 、ビ ル 経 営 者・管 理
者 側 と 移動 飲 食 店 側 の効 果・問 題 点 を 明 ら か に する た め 、両 者 に
2
公開空地の利用制限について
2−1
ヒアリング調査を行った。
総合設計制度の概要
東 京 サン ケ イ ビ ル・東 京 国 際 フ ォー ラ ム の 管 理者 は 、移 動 飲 食
総 合 設 計制 度 と は 、 建築 基 準 法 第 59 条 の 2 の 規 定 に 基 づ き 、
店 出 店 許可 を 、と も に 利 益 目 的 で はな く 、空 地 の 賑 わ い や 集 客に
敷地の共同化や大規模化による土地の有効かつ合理的な利用と
より他のテナントや施設の利益を向上させることを目的として
公 共 的 な空 地・空 間 の 確保 を 図 る こ とを 目 的 と し た計 画 に 対 し て、
い る 。現 状 で ビ ル 内 飲食 店 か ら の 反対 は 見 ら れ ない 。ま た 移 動飲
特 定 行 政庁 が 容 積 率・斜 線・絶 対 高 さ制 限 を 緩 和 する 許 可 制 度 で
食 店 が 集中 出 店 す る こと で 賑 わ い が発 生 し 、マス コ ミ か ら 注 目 さ
あ る。東 京 都 は 独 自 に、都 の 特 性 を考 慮 し た「 東 京 都 総 合 設 計許
れ 、ビ ル の 認 知 度 が 高ま っ た と 評 価し て い る 。敷 地 内 空 地 で 移動
可 要 綱 」 5) ( 以 下「 許 可 要 綱 」と 言 う。)を 定 め て お り 、そ の も と
飲 食 店 を営 業 さ せ る 場合 、そ の 管 理 の問 題 に よ り 一般 的 に は 敬 遠
で 2003 年 4 月現在までに竣工した物件は 506 件である。
さ れ る 場合 が 多 い が、上 記 2 施 設 で はと も に 管 理 をイ ベ ン ト 会 社
2−2
ワ ー ク スト ア・ト ウ キ ョ ウ・ド ゥ( 以下 、「WSTD」)に 委 託 し て い
公開空地の利用制限と問題点
許 可 要綱 に よ る と 、公 開 空 地 は「 歩 行 者 が 日 常自 由 に 通 行 また
るため、スムーズな運営が可能となっている。
は 利 用 でき る 」開 放 空 間 で あ り 、基 本 的 に 他 の 用途 に 転 用 で きな
次 に 、 移動 飲 食 店 側 の意 識 と し て 、2004 年 8 月現 在 80 台 の 登
い 。占 用 は 知 事 の 許 可を 受 け た 一 時的 な も の に 限ら れ 、継 続 的 な
録 移 動 飲 食 店 を 持 ち 、 上 記 2 施 設 に も 出 店 を 斡 旋 し て い る WSTD
使 用 や 営利 行 為 は 認 めら れ て い な い 。ま た 、利 用 エ リ ア の 線 引き
へ の ヒ アリ ン グ 調 査 を行 っ た 。その 結 果 大 規 模 空 地へ 出 店 す る メ
を明瞭にしなくてはならず公開空地以外の空地との一体的な活
リ ッ ト は 、出 店 場 所 、時 間 が 決 定 して い る た め 安定 し た 運 営 が可
用が困難になっている。
能 で あ るこ と が 挙 げ られ た 。一 方 、私 有 地 で あ る ため 高 い 賃 料 を
公開空地利用に関する申請手続きの煩雑性の緩和を目的とし
支払わなければならないことがデメリットとされた。
て 、東 京 都は 2003 年 に「 東 京 の し ゃ れた 街 並 み づ くり 推 進 条 例」
5) 注 1)
を制定した。
と こ ろ が団 体 登 録 の 要件 は 、1)都 市 開発 プ ロ ジ ェ クト を 活 用 し
た 開 発 で、そ の 面 積 が 概ね 1ha であ る こ と 、2)活 用 する 公 開 空 地
以 上 か ら公 開 空 地 に 出店 す る 場 合 も同 様 の メ リ ット・デ メ リ ッ
ト が 想 定さ れ 、移 動 飲 食店 を 出 店 さ せる こ と に よ る賑 わ い 効 果 を
持 た せ るこ と が で き る反 面 、移 動 飲 食店 経 営 者 側 の賃 料 の 問 題 や
管理の問題を考慮する必要がある。
等 が 概ね 1,500m 2 以 上あ る こ と、3)法 人 格 を 有 す る 団体 で あ る こ
と 、と ほ ぼ 大 規 模 再 開発 に 限 ら れ てい る 。こ の 条 例 を 運 用 し 賑わ
4
公開空地活性化に関するビル管理者の意識
4−1
公開空地において移動飲食店が出店可能な場所
いう回答もあった。
ま ず 移 動飲 食 店 が 出 店可 能 な 公 開 空地 を 把 握 す る。前 章 よ り 対
象 は オ フィ ス 街 で あ ると 考 え 、港・中 央・千 代 田 の都 心 3 区の 公
5
出店者側から見た公開空地に対する需要
開 空 地 とし た 。そ れ ぞ れ公 開 空 地 の 数は 97・72・60 ヶ 所 で あ る 。
出 店 者 側の 公 開 空 地 への 出 店 意 向 を明 ら か に す るた め 、WSTD の
そ の 中 から 出 店 可 能 な形 態 の 公 開 空地 を 選 定 す るが 、以 下の 2.点
担 当 者 にヒ ア リ ン グ 調査 を 行 っ た 。こ れ よ り 、移 動 飲 食 店 の 採算
を 理 由 とし て 幅 員 6m 以 上 の 空 地 を 対象 と し た 。 ただ し 共 同 住 宅
性を考慮した出店場所適性は以下の3つで判断するという。
の公開空地は除外している。
1 )昼 食時 に お 弁 当 営 業業 者 が 出 店 して い る こ と(固 定 店 舗・移
動店舗を含む)
1 ) 総 合 設 計制 度 の 性 質 上、歩 行 者 が 日 常自 由 に 通 行 また は 利 用
2)昼食時の各飲食店前に行列があること
できる広さを確保する必要がある。
3)コンビニのレジの数が多いこと
2) 自動 車 を使 っ た移 動 飲食
店 は 出 店 に 幅 員 2m 以 上
また近年建設されたビルにおいては、飲食店が充実しており、
千代田区
のスペースが必要である。
利 用 者 が飽 き て い な いた め 、よ り 古 いビ ル の 方 が 好ま し い と 言 う。
「ゼンリン電子地図帳」を
以 上 の 基準 よ り 、担 当者 が 出 店 を 希 望す る エ リ ア の一 覧 を 表 1
用い、上記の選定基準に合致
に 示 す 。担 当 者 に よ ると 、こ れ ら 内の 多 く の エ リア で 既 に 飲 食店
する 89 ヶ 所 を 抽 出 し た 。さ ら
状 況 を 把握 し て お り 、表1 の「 昼 食 時の 飲 食 店 状況 」は 、全 て 担
に現地調査し、実際の形態、
当 者 の 語 っ た も の で あ る 。 (* )が つ い て い る ビ ル は 、 担 当 者 が 出
店 可 能 性の あ る と し てい る ビ ル で あり 、そ の 他 は その エ リ ア に 立
歩行者動線や歩行者量、自動
中央区
車搬入動線や植栽の有無を観
察 し 出 店可 能 な 33 ヶ 所 を 把 握
港区
し た。そ の 結 果 、港 区 17 ヶ 所 、
ア イ・ガ ー デ ン・エ ア で は 出 店 交 渉を し た こ と があ り 、紀 尾 井 町
ビ ル で は 2 週 間 実 験 出店 実 施 し た とい う 。 4 − 1で 把 握 し た 33
千代田区 9 ヶ所、中央区 7 ヶ
所 で あ り( 図 3)、 そ の 多 く は
地 し て おり 出 店 を 検 討し て も い い ビル と い う こ とで あ る 。飯田 橋
ヶ 所 の 約半 分 を 占 め るこ の 16 ヶ 所で は 、 移 動 飲 食店 経 営 上 は 出
図3
選定された公開空地の分布
店実現性が十分に高いと言える。
広場状空地であった。
表1
出店需要があるエリアと公開空地
エリア
昼食時の飲食店状況
飯田橋
路上販売の移動飲食店が存在している
活性化及び公開空地活性化手法としての移動飲食店に対する管
大手町・丸の内
路上販売の移動飲食店が多く存在して ・パシフィックセンチュリープレイス(*)
いる。固定店舗も弁当販売を行う
・オアゾ
理 者 意 識を 把 握 す る こと を 目 的 と しア ン ケ ー ト 調査 を 行 っ た( 郵
紀尾井町
4−2
ビル管理者への意識調査
上 記 のビ ル の 管 理 者に 対 し 、公 開 空 地 の 利 用 実態 と 、公 開 空 地
送 配 布 、郵 送 回 収)。 な お 調 査 期 間 は平 成 17 年 1 月 27日 〜2 月
4 日 、 標 本 数 は 30 通 、 回 収 数 は 10 通 ( 回 収 率 33.3% ) で あ る 。
そ の 結果 、公 開 空 地に お い て 、歩 行 者 が 最 も 多い 時 間 帯 に つい
て は 5 件(50%)が、滞 留 者 が 最 も 多 い 時間 帯 に つ い ては 8 件(80%)
が 、11 時 〜13 時 と 答 えた 。 昼 食 時 に歩 行 者 ・ 滞 留者 が 多 い こ と
が 分 か る 。過 去 の 一 時占 用 の 経 験 につ い て は 、イ ベ ン ト を 行 った
こ と が ある と い う 回 答が 4 件 で あ るが 、 城 山 ヒ ルズ に て 2004 年
5 月 〜10 月 の 天 気 の 良い 日 に 無 料 コン サ ー ト な どを 10 回 実 施 さ
出店可能な公開空地
・東京しごとセンター
・飯田橋アイ・ガーデン・エア(*)
実際公開空地での移動飲食店営業が実
験的に行われた。実績よかったが、公開 ・紀尾井町ビル(*)
空地のため中止となった。
古いオフィスビルが多く、利用者が飽き
・城山ヒルズ (*)
虎ノ門
ている傾向がある。路上販売のお弁当
・虎ノ門琴平会館
売りや移動飲食店がよく見られる。
比較的に大きな古いオフィスが集中して
・住友不動産芝公園タワー
芝・芝公園
いる。飲食店がすくない。実際メソニック
・芝公園ファーストビル
38MTタワーの私有地に出店している。
路上販売の飲食店が見られる。また、お ・NTTドコモ品川ビル(*)
品川駅
弁当販売の固定飲食店が約20件があ ・リバージュ品川(*)
るようである。
・品川クリスタルスクエア
地価が高いため、飲食店の単価も高く、
・時事通信社本社ビル
銀座4、5・築地1,4
オフィス利用者をターゲットとするお弁当
・ADK松竹ビル
屋が多く存在する。
繁華街から離れ、飲食店が数少なく、古 ・IBM箱崎ビル(*)
日本橋箱崎・新川1,2
い大型オフィスが立地している。
・住友ツインビル
面積(㎡)
1,525
11,500
3,034
9,088
3,611
11,930
1,397
3,839
1,297
5,853
3,098
1,422
860
2,420
10,142
11,804
れ た も のの 、他 の 3 件 は い ず れ も 1 回 限 り し か 実 施さ れ て い な い。
多 く のビ ル 管 理 ・ 経営 者 (8 件) は 、 公 開 空 地 活性 化 に つ い て
関 心 を 持っ て い る が、具 体 的 な 賑 わ い創 出 を ま だ 検討 し て い な い。
6
おわりに
本 研 究で は 、公 開 空 地の 賑 わ い 創 出方 法 と し て 移動 飲 食 店 に 着
ま た 、公 開 空 地 の 利 用規 制 に つ い ては 、多 く の 管理 者 が そ れ に賛
目 し 、制 度 上 の 公 開 空 地の 位 置 付 け 及び 出 店 可 能 な公 開 空 地 を 把
成している。一方で「歩行者の通行を妨げない条件さえ守れば、
握 し た。そ し て ビ ル 管 理者 の 意 識 及 び移 動 飲 食 店 経営 者 の 観 点 か
一 時 占 用許 可 制 は 不 要で あ る 」と い う 意 見 も あ る 。継 続 的 な 利用
ら出店可能性を探った。これより本研究の結論をまとめる。
や 営 利 行 為 を 行 う こ と が 好 ま し く な い 主 な 理 由 は 、「 歩 行 者 が 自
1) 現 行 制 度 で は 移 動 飲 食 店 が 中 小 規 模 ビ ル の 公 開 空 地 に 出 店
由 に 利 用で き な く な る」や「 飲 食 テ ナン ト と の 競 合に な る」が 挙
す る こ とは 不 可 能 で あり 、公 開 空 地 の管 理 者 も 無 難な 運 営 に
げ ら れ た。ビ ル 管 理・経 営 者 は、賑 わ い 創 出 の ため に 公 開 空 地を
設 け た ので な く 、ビ ル の 容 積 率 を 増や す た め に 設け た た め 、建 設
許可を得たデザイン段階での形態を保持すればいいという意識
が 強 い こと が 分 か っ た 。ま た 、可 能 性 を 持 つ 公 開空 地 活 性 化 手法
留めている。
2 ) 移 動 飲 食店 出 店 者 側 の出 店 意 向 は ある が 、ビ ル の 管理 者 は 出
店によるメリットを理解していない。
こ れ ら の問 題 に 対 し て、公 開 空 地 に おけ る 移 動 飲 食店 の 活 用 を
に つ い て、 オ ー プ ン カフ ェ (5 件 )、 店 舗 の テ ラ ス拡 張 (3 件 )、
図るため、以下の 3 点を提言する。
という回答を得た。
1)大規模開発に限らず、中小規模開発への条例の要件の緩和
一 方 、移 動 飲 食 店 に対 す る 意 識 は「 や や 関 心 があ る 」 が 4 件、
「 関 心 があ ま り な い 」また「 ま っ た くな い 」の 回 答が 5 件 と い う
結 果 を 得た が 、移 動 飲 食店 導 入 に よ る公 開 空 地 の 活性 化 効 果 に 疑
問 を 感 じて い る 回 答 が多 数( 90%)で あ っ た。移 動 飲 食 店 に 対 し
て 関 心 を持 ち 、出 店 許 可を 与 え た い とい う の は 唯 一東 京 し ご と セ
2)公開空地における移動飲食店の実験的出店
3)管理者のみでなく、ビルのオーナーへの働きかけの必要性
【注】
1) 公開空地を利用し、街の活性化に取り組む特定非営利活動法人(NPO法人)や企業を「まちづくり団体」として登録、優遇す
るもので、登録団体は必要な申請手続きの大半を免除され、オープンカフェやイベント開催が可能になる。
【参考文献】
ン タ ー の管 理 者 だ け であ る が 、当 ビ ル は 東 京 都 の施 設 で あ り 、現
1) 東京都総合設計制度によって生み出された公開空地の実態に関する研究
日本都市計画 都市計画報告集 2003年5月 p35
状では公開空地での販売許可が出せないということが分かった。
2) 都市空間における滞留型公開空地の構成要素とその評価構造
2002年8月
ま た、移 動 飲 食 店 の 衛生 面 や 飲 食 テナ ン ト へ の 影響 お よ び テ ナ
−
三谷・志水・三戸・西村
‐
日本建築学会大会学術講演梗概集
3) 街路空間・公開空地を利用したオープンカフェの空間特性と利用実態−名古屋市中区久屋大通・広小路通での社会実験を通
して−、清水・井澤・浦山 日本建築学会大会学術講演梗概集 2002年8月
ン ト の 利便 性・快 適 性 を 阻 害 す る こと を 懸 念 し 、ほ と ん ど の 管理
4) 都市公共空間のにぎわい利用に関する研究−オープンカフェの事例と制度−
ター 年次報告2002
者が出店許可を敬遠している。赤坂パークビルの管理者からは、
5) 東京都都市計画局市街地建築部
推進条例」
「( 移 動 飲 食 店 を 用 い る こ と は ) 社 会 的 貢 献 の 見 込 み が な い 」 と
長岡篤・小島勝衛・根上彰生・宇於崎勝也
(財)都市づくりパブリックデザインセン
「東京都総合設計許可要綱」&「総合設計制度事業一覧」「東京のしゃれた街並みづくり