芸術特論II_No.3

3. 映像表現の構成要素としての音・音楽
3. 映像表現の構成要素としての音・音楽
(映像表現の構成要素)
(映像表現における音の種類)
u 静的図像
u 話し言葉
u 動的画像
u モノ音
u 話し言葉
u 音楽
n
u モノ音
u 音楽
⇒C h r i s t i a n
M e z t ," L a n g a g e e t C i n e m a " ,
n
E d i t i o n s A l b a t r o s, P a r i s 1 9 7 7 , P P 1 5 7)
3. 映像表現の構成要素としての音・音楽
⇒全米音楽教育者会議(MENC)
n
n
包括的な概念で,音楽の実態を思い浮かべる
ことは難しい。
しかし,ミュージック・コンクレート(Musique
conqréte/具体音楽)等を指すには便利な定義。
u
便宜上,音楽と言う言葉を古 典 的 な 概 念で用
いる。つまり楽音を中心とした音で構成され,
楽譜に記譜され,楽器もしくは声でそれが「演
奏され」た結果として鳴り響くものである。
じつは,今日では音楽の概念は広い。
3. 映像表現の構成要素としての音・音楽
(音楽の定義)
u 時間的に組織された音と沈黙。
映像表現の中では,
これらは越境しあう。
(音の位置)
u イン の 音 (現実音)
u フレーム外の 音 (現実音)
u オ フ の 音 (注釈音)
⇒ミシェル・シオン著/川竹英克他訳,『映画にとっ
て音とは何か』,勁草書房, 1 9 9 3, p p 3 1- 3 4
サウンドトラックとの関連で重要。
u 古典的な意味での音楽と,包括的な意味
での「音・音楽」とを,使い分ける。
3. 映像表現の構成要素としての音・音楽
3. 映像表現の構成要素としての音・音楽
(音の位置ー続き1)
u
インの音 (現実音)
(音の位置ー続き2)
u
フ レ ー ム 外 の 音 (現実音)
1
3. 映像表現の構成要素としての音・音楽
3. 映像表現の構成要素としての音・音楽
(音の位置ー続き3)
u
オ フ の 音 (注釈音)
(音の位置ー続き4)
u
現 実 音:映画の中の現実に存在する音。
n
n
u
現実として認識する音は,まさに認識仕方そ
のもののに関わっている。
けっしてあるがままの音ではない。
注 釈 音:映画の中の現実には存在しない
が,ある表現目的(演出目的)のために鳴
らされる音。
n
「映画音楽」といわれるものの大部分は注釈
音である。
3. 映像表現の構成要素としての音・音楽
3. 映像表現の構成要素としての音・音楽
(音の位置ー続き5)
u
u
創造的な映像表現においては,音の位
置は絶えず移動し,
現実音であるか注釈音であるかの境界
もあいまいになっていることが多い。
“ 非 ”映画的表現(後述)においては,
現実音であるか注釈音であるか,
の区別を超越してしまっていることが多
い。
(映画と “ 非 ” 映画)
便宜上,映像表現を映画と“非”映画に分けて説明する。
u 映画:「劇として物語る
」ことを中心に作られ
た映像表現。Narrativeな映画。
n
劇としての内容理解に第一義的な価値が求め
られる。
u “ 非 ”映画:構成要素自体の表現と,それら
の組み合わせによる映像表現。
n
映像メディアの特質を活かした表現に第一義
的な価値が求められる。
3. 映像表現の構成要素としての音・音楽
3. 映像表現の構成要素としての音・音楽
(映画と “ 非 ” 映画ー続き)
u 映像メディアの特質:
n
n
形が動き,その動きと 同 じ 時 間 軸 上で音が鳴
る。
形・音ともに実写を利用することができる。
u
n
u 映像メディアの特質:
n
n
現実感を与える。
形・音ともに自由に生成・加工編集することが
できる。
u メディアアートとしての映像表現。
n
(映画と “ 非 ” 映画ー続き)
実験映画,実験映像と呼ぶことがある。
形が動き,その動きと 同 じ 時 間 軸 上で音が鳴
る。
形・音ともに実写を利用することができる。
u
n
現実感を与える。
形・音ともに自由に生成・加工編集することが
できる。
u メディアアートとしての映像表現。
n
実験映画,実験映像と呼ぶことがある。
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