JAL、アジア初の「究極のエコフライト」を実施

JAL、アジア初の「究極のエコフライト」を実施
~ホノルルから関西国際空港への定期便であらゆる環境施策を盛り込んだデモフライトを実施します~
2009年10月6日
第 0 9 1 0 6 号
JALグループは、JALウェイズ77便(10月10日 ホノルル発 – 10月11日関西国際空港着)において、
「究極のエコフライト」を実施します。
この取り組みは、ASPIRE(通称アスパイア、ASia and Pacific Initiative to Reduce Emissions)といわれ
るもので、現在考えうる全ての環境負荷軽減策を盛り込んだデモンストレーションフライト(以下、デモフ
ライト)になります。
このデモフライトでは、環境負荷軽減策を実施しない「ホノルル-関西国際空港」便と比較して、消費燃
料9,421ポンド(5,362リットル、ドラム缶27本分)の削減、またCO2排出量13,140kgの削減を目指します。
ASPIREとは
ASPIREとは、米国連邦航空局(FAA)、オーストラリア管制会社、ニュージーランド管制会社が中心と
なり、アジア・太平洋における環境保全のため、航空機からの排出ガスを抑える国際的な取り組みで、
2008年2月18日に設立されました。これまで、米国、オーストラリア、ニュージーランドの各国航空会社
(米国=United Airlines、オーストラリア=Qantas Airways、ニュージーランド=Air New Zealand)が、それぞ
れの環境負荷軽減策を盛り込んだデモフライトを実施しました。
今般、アジア地区では初めて、国土交通省がASPIREに参加することになりました。これを受け、JAL
グループが、様々な環境負荷軽減策を盛り込んだアジア初の「究極のエコフライト」を実施します。
究極のエコフライト概要
「究極のエコフライト」は以下の定期便で行われます。
また、「究極のエコフライト」で実施する環境負荷軽減策は次表の通りです。
JALウェイズ 77便
ホノルル
: 10月10日(土) 13:45出発(現地時間)
関西国際空港 : 10月11日(日) 17:50到着(日本時間)
使用機材
: ボーイング747-400
JALグループは、小さな工夫を重ねて環境負荷を減らし、「空のエコ」を推進してまいります。
実施する環境負荷軽減策
実施施策
出発前
航空機重量
確定後の
燃料計算
説明
燃料の
削減量
CO2の
削減量
出発前航空機の総重量が正確に確定した後、
適切な搭載燃料を計算する。従来は、予測重
量に基づき搭載燃料を計算。
200ポンド
(114リットル)
279kg
軽量貨物
コンテナの搭載
貨物コンテナは、従来アルミ合金製であった
が、2007年度より「ツインテックス」というガラス
繊維系新素材を側面パネルに用いたものを導
入している。これによりコンテナ1台当たり25kg
の軽量化(12台搭載)。
211ポンド
(120リットル)
295kg
機内搭載品
等の軽量化
エコノミークラスのワイン容器は従来ガラス製
であったが、2009年8月6日から順次ペットボト
ル容器へ変更している。これによりワイン1本
当たり123.25gの軽量化(350本搭載)。
53ポンド
(30リットル)
74kg
また、2009年4月から機内誌(SKYWARD)のペ
ージ数を削減(1冊当たり60g削減、447冊搭
載)。その他、機内食用スプーンやフォークの
柄を薄くしたり(1本当たり2gの軽量化)、食器に
軽量磁器を採用する等の軽量化を実施。
客室乗務員
手荷物の軽量化
化粧品の小分け、飲料水の現地調達等、手荷
物を軽量化。2008年7月から社内の自主的取り
組みとして開始され、1人あたり2.5kgの削減を
目標とする。(17名の客室乗務員が乗務)
30ポンド
(17リットル)
42kg
補助動力装置
(APU)の停止と、
地上施設の活用
地上駐機中は、エアコン動力となる補助動力
装置(APU)を停止し、地上施設からの供給に
切り替えることにより、燃料消費が抑えられ
る。さらに、機内窓の日除けを下ろしたり、換気
扇を停止する等によりエアコンの負荷を抑え
る。
2058ポンド
(1171リットル)
2866kg
エンジン洗浄
エンジン内部の圧縮機に付着した空気中の
塵、汚れを定期的に洗い落とすことで、圧縮効
率を改善し、燃料使用量を削減する。(巡航時
燃料消費量が約1%程度改善)
825ポンド
(470リットル)
1151kg
実施施策
出発~巡航
出発滑走路の
変更
説明
燃料の
削減量
CO2の
削減量
通 常 の 離 陸 滑 走 路 08R/26L か ら 、 滑 走 路
08L/26Rへ変更することで、出発スポットから
の地上走行を極力短縮する。
700ポンド
(398リットル)
977kg
離陸後の
経路短縮
離陸後に通常出発経路を使用せず、極力直線
状に巡航経路へ向かう。
1000ポンド
(569リットル)
1395kg
飛行高度
最適な燃費効率が得られる巡航高度を飛行す
る。
856ポンド
(487リットル)
1195kg
UPR運航方式
従来の決められた航路ではなく、気象状況等
を考慮した安全で効率の良い飛行経路を航空
会社が任意に設定する運航方式を実施する。
(User Preferred Routeの略)
480ポンド
(273リットル)
670kg
DARPS運航方式
巡航中、最新の予測風を元に最適な航路を再
計算し、効率の良い経路を飛行する運航方式
を実施する。(Dynamic Airborne Rerouteの略)
800ポンド
(455リットル)
1116kg
降下中、水平飛行せず推力を抑えながら連続
的に降下する運航方式。他便との関係等、条
件が整えば実施する。
(Continuous Descent Arrivalの略)
900ポンド
(512リットル)
1255kg
ディレイド
フラップ進入
着陸時に使用する高揚力装置(フラップ)の操
作タイミングを調整することで、空気抵抗を減
らし着陸進入を実施する。
195ポンド
(111リットル)
272kg
ディレイド
ギア進入
着陸時に使用する脚(ギア)の操作タイミング
を調整することで、空気抵抗を減らし着陸進入
を実施する。
196ポンド
(112リットル)
274kg
浅いフラップ使用
着陸時に使用する高揚力装置(フラップ)を浅
い角度とすることで、空気抵抗を減らし着陸す
る。
210ポンド
(120リットル)
293kg
降下~着陸~到着
CDA降下方式
実施施策
説明
燃料の
削減量
384ポンド
(219リットル)
CO2の
削減量
536kg
着陸滑走路の
変更
通 常 の 着 陸 滑 走 路 06L/24R か ら 、 滑 走 路
06R/24Lへ変更することで、到着スポットへの
地上走行を極力短縮する。
逆推力装置
使用抑制
着陸時に使用する逆推力装置(スラストリバー
サー)の使用時間を短縮することで、燃料消費
を抑える。
115ポンド
(65リットル)
160kg
2エンジン
地上走行
着陸後、4発のエンジンのうち2発を停止し、到
着スポットまで地上走行する。
208ポンド
(118リットル)
290kg
9421ポンド
(5362リットル)
13140kg
合計
(ボーイング747-400)
以上