選挙のしくみ P1~8

(生徒用)
選挙のしくみ
1
選挙期日(投票日)の公示及び告示
選挙期日に投票ができないことが
(1)立候補の届出
あらかじめわかっている場合
個人・政党その他の政治団体
*期日前投票
・手続書類と供託金が必要
手続きも簡単で自分で直接投票
(2)選挙運動
箱に入れる
立候補者が自分や政党等の意
*不在者投票
見を有権者にアピール
2
市役所でできる
選挙管理委員会の指定する病院
・選挙運動の制限
老人ホーム等で投票する
・選挙費用の制限と収支の報告
重度障害者・要介護5の人は自
・選挙費用の一部公費負担
宅で郵便による投票もある
選挙期日
(1)投票時間
また
その他
午前7時~午後6時
・在外選挙の制度(国政のみ)
(2)投票所へ
・点字投票・代理投票もできる
選挙管理委員会から送られた
投票所入場券に指定されてい
最高裁判所裁判官の国民審査
る投票所へ行く
衆議院議員の総選挙の期日に行う
(3)選挙人名簿と入場券を照合して本
投票の方式は罷免したい裁判官に
人であるか確認
×印
投票所には投票管理者・投票立会人
罷免しない裁判官には何も
記入しないことになっている
事務従事者がいる
3
*入場券を忘れても本人確認ができればよい
(4)投票用紙を受け取り記載台で記入
開票
(1)開票所は普通市区町村に1箇所
単記・無記名・姓名をはっきり
(2)当選人の決定(当選証書)
・筆記用具は準備してある
・候補者名や政党名(衆議院比例代表選挙
は名簿届出政党の名称・略称,参議院
比例代表選挙は名簿登録者名・政党名)
が記載する所に掲示してある
*次のような記載は無効となる場合がある
①所定の用紙を用いない投票
②候補者の氏名のほか,他事を記載した投票
③候補者の誰を書いたのか確認し難い投票
⑤単に雑事,記号,符号を記載した投票
(5)投票用紙を投票箱へ
*電子投票を実施しているところもある
-1-
④白紙投票
など
(教員用資料)
選挙について
わが国は,主権者である国民が代表者を通じて政治に参加する間接民主制
(代表民主制)をとっている。したがって,私たちは,私たちの意思を代表
する人を選ぶことによって,政治に参加することになる。その代表を選ぶの
が選挙である。選挙が公正に実施され代表にふさわしい人をみんなで選出す
ることが重要である。
1
公職選挙法
2
選挙管理委員会(中央選挙管理会)
3
選挙の原則
・平等主義
・普通選挙主義
・秘密投票主義
4
選挙権
満20歳以上の日本国民
5
被選挙権
(別表参考)
6
主な選挙
(別表参考)
衆議院議員,参議院議員
都道府県知事,都道府県議会議員
指定都市の長,指定都市の議会議員
市町村長,市町村議会議員
特別区の区長,特別区の議会議員
7
選挙のしくみ
(1)選挙期日(投票日)の公示・告示
a
立候補の届出
・個人,政治団体
・手続書類と供託金
b
選挙運動
・選挙運動の制限
・選挙運動費用の制限と収支の報告
・選挙の公営化
-2-
(2)選挙期日(投票日)
a
投票所入場券
b
選挙人名簿抄本と照合
投票所(投票管理者,投票立会人,事務従事者)
c
投票用紙
記載台で記入
・単記
・無記名
・筆記用具あり
・姓名をはっきり書く
・候補者名は掲示している
次のような記載は無効となるので注意してください
・所定の用紙を用いない投 票
・候補者の氏名のほか,他事を記載した投票
・候補者の誰を書いたのか確認し難い投票
・白紙投票
・単に雑事,記号,符号を記載した投票
d
投票(*電子投票)
e
選挙期日(投票日)に投票できないことがあらかじめわかっている場合
・期日前投票
・不在者投票
(3)開票
a
開票所(普通市区町村に1箇所)
(開票管理者(*選挙長),開票立会人(*選挙立会人)
事務従事者)
b
当選人の決定
当選証書
-3-
<参考資料
参考資料
No.1>
1
公職選挙法
国会議員や地方公共団体の議会の議員及び長等の選挙につい
てのきまり
2
選挙管理委員会
選挙に関する事務を管理する常設の機関(中央選挙管理
会・都道府県選挙管理委員会・市区町村選挙管理委員会)
で選挙の種類によって,これらの機関がそれぞれの選挙
に関する事務を管理する。委員会には非常勤の委員がいる。
(中央は5名,その他は4名)
*選挙の種類の資料参照
3
選挙の原則 ・平等主義…有権者は各人平等に一人一票の権利を持つ。
(日本国憲法第14条 法の下の平等)
憲法で保障
・普通選挙主義…一定年齢に達した人は,(特定の者を除い
て)平等に選挙権を認める。
(日本国憲法第15条
成人に保障)
・秘密投票主義…選挙人がどの候補者に投票したか判らない
ような投票方法であること。
(日本国憲法第15条
4
5
選挙権
被選挙権
投票の秘密不可侵)
満20歳以上の日本人(特定の者は除く)は,選挙権を有する。
地方公共団体の議会の議員及び長の選挙においては,引き続き
3か月以上その地方公共団体に属する市区町村の区域内に住所を
有すること。なお,都道府県議会の議員及び知事の選挙では,同
じ都道府県の中での移動の場合は,1回に限り新住所で3か月住
んでいなくても,前住所で3か月以上住んでいれば,選挙権は有
する。
選挙に立候補できる権利
*選挙の種類の資料参照
◎次のような者は,選挙権・被選挙権を有しない。
・成年被後見人(自分の財産を管理・処分することを禁じられた禁治産の宣言を受けた者)
き ん こ
・禁錮以上の刑に処せられ,その執行を終わるまでの者
・禁錮以上の刑に処せられ,その執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)
・公職のある間に犯した収賄罪により刑に処せられ,実刑期間経過後5年間(被選挙権については 10
年間)を経過しない者,又は刑の執行猶予中の者
・公職選挙法その他の法律で定める選挙に関する犯罪で禁錮以上の刑に処せられ,その刑の執行猶予
中の者
・公職選挙法に定める選挙に関する犯罪により,罰金以上の刑に処せられ,選挙権・被選挙権が停止
されている者
・政治資金規正法に定める犯罪により,罰金以上の刑に処せられ,選挙権・被選挙権が停止されてい
る者
・連座制による被選挙権の制限をうけている者
-4-
<参考資料
参考資料
No.2>
6
選挙の種類
*選挙の種類の資料参照
7
公示・告示
公の機関が一定の事項を公衆に知らせることをいう。選挙に
おいては,衆議院議員総選挙や参議院議員通常選挙は,天皇
の国事行為(日本国憲法第7条)として内閣の助言と承認に
より期日を定め詔書をもって公示する。その他の選挙につい
ては,当該選挙を管理する機関が選挙の期日を定めて告示す
る。
8
供
託
立候補の届出には,(町村議会議員を除く)一定の金額又はこれ
に相当する額面の国債証書を寄託することとなっている。これを
供託といい,そのお金を供託金という。
この制度は,売名のためとか面白半分に立候補するのを防ぐため
の制度で,選挙が終わると供託金は返還される。ただし,候補者
の得票数が,供託物没収点以下の場合は没収される。
*供託金・没収点については選挙の種類の資料参照
9
選挙運動
・選挙運動の制限
選挙運動は立候補届出を終えた後から選挙
期日(投票日)の前日までの期間すること
ができる。選挙の公正を確保するために,
運動の禁止や制限が設けられている。
・選挙運動費用の制限
選挙運動に要する費用として,支出で
きる最高限度額(法定制限額)が選挙
の種類ごとに当該選挙区内の有権者数
に応じた人数割額と一定の固定額とを
合算して計算し,選挙管理委員会が告
示する。
・選挙運動費用の収支報告
・選挙費用の一部公費負担
金のかからない選挙,候補者間の
機会均等を図る手段として採用さ
れている。公営には義務制と任意
制(地方公共団体の条例の定める
ところに委ねる)に区分される。
*選挙公営状況の資料参照
-5-
<参考資料
参考資料
10
No.3>
投票所入場券
市区町村選挙管理委員会より,公示(又は告示)後,速や
かに選挙人に郵送される。投票所は投票区ごとに設けられ
るが,選挙期日(投票日)より少なくとも5日前までに告
示する。
【投票所入場券の記載内容】
ページ
番号
性別
選挙人氏名
投票区
様
投票所
投票日時
平成
番号
年
月
照合
交付
日(日曜日)
午 前 7 時 か ら 午 後 6 時 ま で
11
選挙人名簿
日本国民が満20歳になると,自分の住んでいる市区町村の
選挙人名簿に(氏名・住所・性別・生年月日等)登録される。
一度登録されると(死亡,国籍喪失,他の市区町村へ転出し
4か月を経過した時等は,法定の手続きで抹消される)永久
に効力を有するため,永久選挙人名簿とも呼ばれる。
登録は市区町村選挙管理委員会が職権で行うが登録の要件に
は,例えば,他の市区町村からの転入者は転入届を出した日
から引き続き3か月以上その市区町村の住民基本台帳に記録
されている者であること。その他禁錮刑以上の刑に処せられ
刑の執行中の者等法律で,選挙権・被選挙権のない者は登録
されない。
登
録
・定時登録…3,6,9,12月に実施する
・選挙時登録…選挙の都度実施する
・補正登録…登録漏れ等を補正する
名簿の縦覧
定時登録の場合は登録月の3日から7日までの間,選挙
時登録の場合は事務を管理する選挙管理委員会が定める
期間に,指定された所で,自由に見ることができる。
在外選挙人名簿
海外に住む日本人にも選挙権を認める制度が創設され,
在外選挙人名簿が設けられた。この名簿への登録は,そ
の者の住所を所轄する領事館等を経由して申請すること
になっている。
-6-
<参考資料
参考資料
No.4>
12
票
投
選挙期日(投票日)に投票するのが原則であるが,選挙期日
(投票日)に投票ができないことがあらかじめわかっている場
合には前もって投票することができる。
・期日前投票
期日前投票…公示(又は告示)のあった日の翌日から選挙期日(投票
期日前投票
日)の前日までの間に投票することができる。時間は原
則として,8時30分~20時00分まで。場所は市役
所・町役場等(選挙管理委員会が指定した場所)。印鑑
も不要,手続き簡単。
・不在者投票
不在者投票…期日前投票所へ行けない人の場合,都道府県の選挙管理
不在者投票
委員会が指定する病院,老人ホーム等で投票することが
できる。それぞれの不在者投票管理者(病院長,施設長等)
の管理する記載所で行った投票を,自分で不在者投票用
内封筒に入れ封をし,更にそれを不在者投票用外封筒に
入れて封をして表面に署名して不在者投票管理者(病院長,
施設長等)に提出する方法である。
・郵便等による不在者投票
郵便等による不在者投票…重度の身体障害者,自宅介護を受ける人が,
郵便等による不在者投票
郵便により自宅で投票することができる。
・在外投票
在外投票…在外選挙人名簿に登録している人が,その者の住所を所轄
在外投票
する領事館等で国政選挙について投票することができる。
*その他
・点字投票(投票管理者に申し出る)
・代理投票(身体の故障,文盲等で候補者名等が書けない
ときは投票管理者に申し出る)
・記号式投票…地方公共団体の議会の議員,長の選挙で投
票用紙に候補者名が印刷してあり,投票し
ようとする者の欄に○印をつける(採用し
ている市区町村でのみ)。
13
得票に一票未満
候補者に同じ姓又は名の者が二人以上いる場合に,姓
があるのは
又は名のみを記載した投票について,当該候補者のそ
の他の有効得票数の割合に応じて分けることとなって
あんぶん
いる。これを按分という。投票するときには,姓名を
きちんと書くよう心がける。
-7-
<参考資料
参考資料
14
15
No.5>
得票数が同じ者
がいるとき
最下位当選となるべき者が二人以上いるときに当選者
衆議院比例代表
一定の要件をそなえた政党が,あらかじめ当選人と
選出議員の決め方
となるべき順位をつけて立候補の届出をする。衆議
を決めるのは,選挙会において選挙長がくじで決める。
院の場合は,小選挙区選出議員選挙の届出候補者を
同時に比例代表選出議員選挙の名簿登載者とするこ
とができる。これを重複立候補という。重複立候補
については,全員又はその一部の順位を同一のもの
にすることができる。選挙人は政党名を記載し投票
する方式をとっている。このようにあらかじめ候補
者名に順位をつけ,変更はできないようにしている
しくみを拘束名簿式比例代表制と呼ぶ。
*当選の決め方はドント方式の例,重複立候補
<ケース>の資料参照
16
参議院比例代表
一定の要件をそなえた政党が,候補者に順位をつけ
選出議員の決め方
ずに立候補の届出をする。選挙人は候補者名あるい
は政党名のいずれかを記載し投票する方式をとって
いる。当選の決め方は,候補者・政党の得票を合算
してドント方式で割り振る。当選人はその枠の中で
得票の多い順に決定する。
*ドント方式の例の資料参照
<参考文献>
公職選挙法令集
第一法規
実務と研修のための明るい選挙推進の手引
選挙管理研究所
選挙にのぞむ有権者として
これだけはおぼえておこう
全国市区選挙管理委員会連合会
Yahoo !みんなの政治-選挙の基本
-8-
http://seiji.yahoo.co.jp/guide/qa/