日本の名作映画鑑賞会

優秀映画鑑賞推進事業
日 本の 名作映 画鑑 賞会
9
月
19
入場料(自由席)
日 (月・祝)
9:00 開場 9:30 上映 亀山市文化会館大ホール
通し券 1,000 円 (2 本以上3本まで好きな映画をご覧になれます)
1 回券 500 円 (どの映画でも 1 本ご覧になれます)
叙情的な作風で多くの観客を魅了した木下恵介監督の作品から、戦後
に日本映画の代名詞と言える珠玉の作品を紹介します。
①喜びも悲しみも幾歳月
②二十四の瞳
[1957 年 松竹]
(9:30~12:09)カラー
[1954 年 松竹]
(13:00~15:33)白黒
[出演]高峰秀子 佐田啓二 中村賀津雄 有沢正子 他
③野菊の如き君なりき
[1955 年 松竹]
(15:50~17:22)白黒
[出演]有田紀子 田中晋二 笠智衆 他
[出演]高峰秀子 月丘夢路 小林トシ子 他
8月6日(土)前売開始
チケット前売所
亀山市文化会館、亀山エコー案内所、
亀山音楽協会(アイシ研究所)、
青少年研修センター,フジヤ、
亀山市観光協会、鈴鹿ハンター、
みどり楽器、JA津安芸芸濃支店、
(公財)鈴鹿市文化振興事業団
主催:(公財)亀山市地域社会振興会(亀山市文化会館)/ 文化庁 / 東京国立近代美術館フィルムセンター
協賛: 松竹 ブロードキャスティング株式会社
協力: 株式会社オーエムシー
お問合せ先:亀山市東御幸町63 亀山市文化会館 電話 0595-82-7111
解説
『喜びも悲しみも幾歳月』
[1957 年 松竹]
(カラー スタンダード 159 分)
原作・脚本・監督
木下恵介
[出演者]高峰秀子 佐田啓二 中村賀津雄 有沢正子 桂木洋子 田村高広 北龍二 夏川静江
仲谷昇 三井弘次 桜むつ子
ある灯台守の妻の手記からヒントを得て、木下監督が作り上げた夫婦の一代記。上海事変の 1932 年、新婚早々
の一組の夫婦が観音崎灯台に着任した。二人の生活は、戦争に翻弄される日本と同じ苦労をたどる。戦後も、一
人息子の死や娘の結婚という悲喜こもごもの連続であった。25 年にわたる夫婦の姿を通して、木下は『二十四の
瞳』と同じように、日本の同時代史を見事に描いてみせる。木下は、日本人好みの感傷を織り交ぜながら、波瀾
万丈の一代記をうまくまとめあげ、北は北海道の納沙布岬から南は五島列島の先の女島まで、全国 15 か所に縦
断ロケを敢行し、その後のロケ地とのタイアップによる製作方法のさきがけとなった。作品は記録的な大ヒット
となり、「おいら岬の~ 灯台守は~」で始まる映画の主題歌も、行進曲風なアレンジによる若山彰の歌唱によ
り、多くの人々に親しまれた。
「キネマ旬報」ベストテン第 3 位。
『二十四の瞳』
[1954 年 松竹]
(白黒 スタンダード 155 分)
原作 壷井栄
脚色・監督
木下恵介
[出演者]高峰秀子 月丘夢路 小林トシ子 井川邦子 田村高広 笠智衆 夏川静江 浦辺粂子
清川虹子 浪花千栄子 明石潮
壷井栄が 1952 年に発表した児童小説を、当時気鋭の中堅監督であった木下恵介が脚色・監督した作品。小豆島
の豊かな自然を背景に、戦争をはさんだ激動の時代を、小学校の教師とその教え子たちの成長を通して描き、国
民的大ヒットとなった感動大作である。風光明媚な島の自然をとらえるために長期にわたるロケーションが行わ
れたのはもちろんだが、セット撮影であることを感じさせず、「自然のように」見せる配慮が画面の隅々まで行
き届いていることも見逃せない。小学唱歌のみを用いた音楽も特徴的である。木下はこの作品の成功で、一般に
は叙情派監督として大きく印象づけられることになった。冒頭の場面と同じく再び自転車に乗って、岬の分教場
に向かう主人公、大石先生を小さく映し出すラストシーンには、毫も変わらぬ自然、その中を点景のごとく生き
ていく人間、そして人間の営みに対する木下の思想が集約されている。「キネマ旬報」第 1 位をはじめ、この年
の映画賞を独占した。
『野菊の如き君なりき』
[1955 年 松竹]
(白黒 スタンダード 92 分)
原作 伊藤左千夫
脚色・監督
木下恵介
[出演者]有田紀子 田中晋二 笠智衆 田村高広 小林トシ子 杉村春子 雪代敬子 山本和子
浦辺粂子 松本克平 小林十九二
原作は、明治の歌壇で正岡子規に師事した著名な歌人、伊藤左千夫の小説「野菊の墓」。数十年ぶりに故郷を訪
れた老人の追想が、信州の美しい自然を背景に回想形式で描かれる。旧家に育った少年と、2 歳年上のいとこの
少女との淡い恋愛が、古い道徳観に縛られる大人たちによってとがめられ、二人は離ればなれにされたうえ、少
女は嫁ぎ先で少年の手紙を握りしめて死んでしまう。その思い出を回想する場面で、木下監督は、スタンダード・
サイズの画面を白地の楕円形で囲むという大胆な表現形式を採用し、シネマスコープならぬ「たまごスコープ」
と称されて話題となった。この作品では、木下の叙情性がストレートに表現されているとともに、詠嘆的美しさ
としての完成度が感じられるものとなっている。主人公に起用された有田紀子と田中晋二は無名の新人で、演出
意図に沿った初々しさを充分に発揮している。
「キネマ旬報」ベストテン第 3 位。