講演資料 (PDF: 9.1MB) - 環境放射能対策・廃棄物処理国際展2016

若狭湾エネルギー研究センターの取り組み
Overview of the WERC
公益財団法人 若狭湾エネルギー研究センター
The Wakasa Wan Energy Research Center
平成27年10月16日
常務理事・企画支援広報部長 岩永幹夫
0
1. 福井県の紹介
2. 若狭湾エネルギー研究センターの設立
3. 若狭エネ研の事業内容紹介
4. エネルギー研究開発拠点化計画策定
5. 福井県内の廃止措置
6. 開発・支援事例紹介
‥若狭エネ研&福井県工業技術センター
1
福井県の文化史跡
柴田神社
越前焼
永平寺
一乗谷朝倉史跡
お水送り(神宮寺)
県立恐竜博物館
鵜の瀬で香水を清流に流す。
香水は10日かかって奈良に
届くといわれ、若狭と奈良を
つなぐ伝統行事。
嶺北
嶺南
大野城
若狭 越前
お水取り(奈良東大寺)
2
福井県内の原子力発電所
日本原子力研究開発機構
高速増殖原型炉 もんじゅ
関西電力㈱
美浜発電所
日本原子力発電㈱
敦賀発電所
福井市
関西電力㈱
大飯発電所
日本原子力研究開発機構
ふげん((原子炉廃止措
置研究開発センター)
嶺北地方
関西電力㈱
高浜発電所
敦賀市
小浜市
嶺南地方
昭和44年関西地域に初送電(大阪万博)
昭和54年には9基稼動、関西への大供給基地
平成5年2月14基が稼動
昭和56年から
福井県を中心とした
「アトムポリス構想」 を提唱
若狭湾地域に原子力発電所が集中立地して
いる特性を活用した、地域振興を模索
33
福井県の原子力関連施設
日本原子力研究開発機構
もんじゅ運営計画・研究開発センター
関西電力㈱
嶺南新エネルギー研究センター
原子力緊急時支援機関
(建設中)
㈱原子力安全システム研究所
◎小浜市
関西電力㈱
原子力運転サポートセンター
福井県大飯原子力防災センター
関西電力㈱
原子力研修センター
福井県高浜原子力防災センター
福井県美浜原子力防災センター
日本原子力発電㈱
原子力総合研修センター
福井県敦賀原子力防災センター
◎
敦賀市
福井県原子力
環境監視センター
あっとホーム
福井大学附属
国際原子力工学研究所
福井工業大学(福井市)
原子力技術応用工学科
福井県若狭湾
エネルギー研究センター
㈱原子力発電訓練センター
日本原子力研究開発機構
レーザー共同研究所
4
1. 福井県の紹介
2. 若狭湾エネルギー研究センターの設立
3. 若狭エネ研の事業内容紹介
4. エネルギー研究開発拠点化計画策定
5. 福井県内の廃止措置
6. 開発・支援事例紹介
‥若狭エネ研&福井県工業技術センター
5
若狭湾エネルギー研究センター
法人の役割
原子力・エネルギーでの
科学技術を活用し
・研究開発・技術研修
・関係機関との交流
設立経緯
昭和56年 アトムポリス構想を提唱
平成6年9月:財団法人若狭湾エネルギー研究センター設立許可
平成10年9月:加速器と科学機器 据付開始
平成10年11月:福井県若狭湾エネルギー研究センター開所
原子力・エネルギー関連技術を
平成12年7月:加速器供用開始
平成12年10月:イオンビームを用いた 研究開始
地域産業に波及・展開
平成14年6月:陽子線がん治療 開始
活力ある地域社会の形成
平成17年3月:福井県がエネルギー研究開発拠点化を策定
平成17年7月:センター内に拠点化計画推進組織
設置
平成22年年3月:陽子線がん治療 終了
科学技術の振興
経済の健全な発展
国際社会への貢献
⇒ 平成23年3月:福井県立病院
陽子線がん治療センター 開所
平成23年4月:福井県国際原子力人材育成センター 設置
平成25年4月:公益財団法人に移行
6
放射線研究棟
加速器室
照射室:4室
太陽炉(屋外)
研修棟
研修室:4室
実習室:3室
会議室:3室
一般研究棟
研究室:18室 実験室:14室
科学機器:53種類
若狭湾エネルギー研究センター
施 設 概 要
交
流
棟
特別会議室:1室
交流室:2室
科学情報コーナ
科学体験コーナ
ホール(350名収容)
敷地面積 :81,819 ㎡
延床面積 :13,854 ㎡
職員総数 :60名(研究員:21名)
4部1センター
事業規模;約15億円
7
若狭湾エネルギー研究センターの事業概要
Ⅰ 研 究 開 発
1 加速器(高エネルギービーム)利用研究
(1)品種改良研究(2)粒子線がん治療研究(3)材料創製分析・加速器利用研究
2 エネルギー開発研究
(1)レーザー利用技術開発(2)エネルギー有効利用研究(3)原子力関連先端技術開発
Ⅱ 産 業 支 援
1 技術・研究支援
(1)技術支援(2)研究者・技術者との交流(3)公募型研究資金による研究開発
2 新事業育成支援
(1)新事業創出支援
(2)科学技術支援(科学機器利用・技術相談)
Ⅲ 原子力人材育成(福井県国際原子力人材育成センター
1
2
H23.4)
国際原子力人材育成‥IAEAとの人材育成に関する覚書締結 H25.10
国内原子力人材育成‥原子力関連業務従事者研修・保修技術技量認定講習他
Ⅳ エネルギー研究開発拠点化計画の推進
計画推進の総合的なコーディネート
8
1. 福井県の紹介
2. 若狭湾エネルギー研究センターの設立
3. 若狭エネ研の事業内容紹介
4. エネルギー研究開発拠点化計画策定
5. 福井県内の廃止措置
6. 開発・支援事例紹介
‥若狭エネ研&福井県工業技術センター
9
1 高エネルギービーム利用研究
研 究 開 発
品種改良研究
植物・菌類の品種改良研究
○ 概要
・農業分野における植物の品種改良
・醸造製品や医薬品などの製造に用いる微生物等の育種を行い、新たな品種を作出
○ 取組状況
・花卉:3種類の品種登録 8件(5件登録済・3件出願中)
・穀物、野菜類:約10種類の品種改良 トマト、エダマメ、ナス等の品種を開発
改良ペチュニア
(葉に明るい縁取り)
従来種 改良種
改良ビンカ(ニチニチソウ)
(花にピンク色の筋)
従来種
改良種
改良トマト(甘み高、
コルク質少、病気に強い)
従来種
改良種
改良エダマメ
(粒径が大きい)
従来種
改良種
植物工場用
改良リーフレタス
(生長が早い)
従来種 改良種
10
1 高エネルギービーム利用研究
研 究 開 発
粒子線がん治療研究


前立腺がん、肝臓がん、肺がん、計62名の良好な治療実績(平成14~21年度)
治療に係わる技術と経験を福井県立病院陽子線がん治療センターの設計等に反映
►
実績を福井県立病院陽子線がん治療センターに
おける治療に反映し、がん治療の総合的な水準
と患者満足度の向上を目指す。
平成14年度
平成15年度
平成16年度
平成17年度
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
前立腺がん
前立腺がん
前立腺がん
前立腺がん
前立腺がん
前立腺がん
前立腺がん
前立腺がん
6(治験)
7、肝臓がん
8、肝臓がん
7
7、肝臓がん
8、肝臓がん
6、肝臓がん
6
腫瘍
1
1
1、肺ガン1
2
1
計 62例
腫瘍
下大静脈
肺がん治療前
陽子線照射18.5カ月後
肝細胞がん治療前
下大静脈
陽子線照射1ヵ月後
各種放射線の体内での相対線量
止まる時に最も強いエネル
ギーを発生する陽子線や炭
素線は、X線と比べると、体
表面や病巣以外の正常組織
への照射量が少なくて済み
ます。
11
研 究 開 発
2 エネルギー開発研究
レーザー利用技術開発
○ 概要
・レーザーによる表面除染・切断等、原子力発電所の廃止措置への応用技術の開発
・レーザー加工技術の確立
○ 取組状況
・ファイバーレーザー装置を用いてレーザー加工プロセス時に発生する金属表面の溶融・
変形挙動の観測および温度分布の計測を実施
・高性能レーザー除染機の開発
中継ユニット
レーザー照
射部
2mm
溶融
池
金属表面の
溶融・変形挙動の観察
高出力レーザーによる
切断技術開発
フ
ァ
イ
バ
ー
伝
送
把持装置
切断装置
解体物収容容器
高出力ファイバ-レ-ザー発振器
(可搬型)
レーザー除染の
模擬試験
12
2 新事業育成支援
産 業 支 援
新事業創出支援
研究開発支援
嶺南地域の企業等を対象とした研究開発費の助成件数
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
嶺南地域新産業創出モデル事業
8件
9件
5件
4件
9件
8件
14件
8件
12件
新産業創出シーズ発掘事業
9件
5件
5件
8件
9件
6件
10件
2件
4件
4件
7件
8件
拠点化計画促進研究開発事業*
*福島第一原発事故を踏まえ「原子力防災・危機管理機能向上」および「エネルギー源の多角化」に資する事業に支援
製品化例
○嶺南新産業創出モデル事業
○シーズ発掘支援事業
○拠点化計画促進事業
若狭紅映梅
椿油搾油後の残渣利用による
化粧水の実用化研究
(廃棄物リサイクルに貢献する技術)
若狭紅映梅を使った熱中症
対策食品の開発(ゼリー)
(地域産品活用した新製品開発)
水底モニタリング装置
の研究開発
その他;「身体汚染防護服」、
「除染対応資材」、「タングステン遮へい
材」の開発 など
13
産 業 支 援
2 新事業育成支援
新事業創出支援
県内企業の原子力関連業務への参入支援
○県内企業の原子力関連事業への参入促進や販路拡大を支援するため、プラントメーカー
やメンテナンス業務を行う元請企業に向けた情報交換会および展示商談会を開催
平成26年度
平成25年度
平成24年度
平成23年度
平成22年度
平成21年度
平成20年度
平成19年度
説明会(参加企業10社)情報交換会;三菱重工業㈱(参加企業28社)
説明会(参加企業13社)情報交換会:日立グループ3社(参加企業12社)
情報交換会:三菱電機㈱(参加企業16社)
情報交換会:三菱重工業㈱(参加企業21社)
展示商談会:プラントメーカ・元請企業等(参加企業30社)
情報交換会(参加企業25社)
企業説明会・工場見学会(参加企業31社)情報交換会(参加企業13社)
企業説明会(参加企業70社)情報交換会(参加企業20社)
品質管理説明・工場見学(参加企業36社)
企業説明会
工場見学
情報交換会
14
原 子 力 人 材 育 成
国際人材育成
1.海外研修(H26年度
8コースで計82名 1~4週間)
・原子力の新規導入計画国の人材育成に貢献
上級管理者等(行政官,電力公社職員等)を対象とした
カリキュラムを用いて海外研修生を受入れ
2.研究者・研究生の受入れ(H26年度
5名受け入れ)
行政官対象メンタリングコース
国外の優秀な若手研究者について、県内の研究機関、大学等
への受入れを促進し、世界の原子力研究に貢献するとともに、
将来につながる国際的な人脈を構築
3.国際会議の開催(H27.2.3~5
人材育成会議)
原子力の新規導入を計画する政府や研究機関とのネットワーク
を構築し、人材育成のニーズを把握し、より充実した事業展開を
図るため、国際会議を開催
タイ研修生のイオンビームを
用いた植物品種改良
4.国際的なエネルギー関係機関等との連携
IAEA,FNCA等の国際的なエネルギー・原子力の関係機関
との連携を図り、事業に反映
アジア原子力人材育成会議
H27年2月3~5日
15
2 新事業創出・人材育成支援
産 業 支 援
人材育成支援
原子力関連業務従事者研修(技量認定制度含む)

現場技術の継承・向上等を図るため、新安全基準および現下の状況を踏まえ
た企業ニーズへの対応や、原子力以外にも活用できる内容を盛り込むなど、
より充実した研修を実施

平成26年11月には受講者の累計が1万人を超えた
経産省等
1400
文科省
1200
494
1000
544
373
840
691
365
800
613
257
シニア人材による技術継承を
目的に含めた現場密着研修
403
600
825
400
590
504
606
778
630
508
487
476
377
200
0
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
原子力関連業務従事者研修等受講者数推移
あと施工アンカー作業の認定試験
16
1. 福井県の紹介
2. 若狭湾エネルギー研究センターの設立
3. 若狭エネ研の事業内容紹介
4. エネルギー研究開発拠点化計画策定
5. 福井県内の廃止措置
6. 開発・支援事例紹介
‥若狭エネ研&福井県工業技術センター
17
エネルギー研究開発拠点化計画の推進
平成17年 福井県策定
①
安
全
・
安
心
の
確
保
◎原子力発電は重要な産業
単なる電力の「生産工場」からの脱却を目指す
様々な炉型の原子炉が集積する本県の特徴を最大限に活かす
高経年化研究の推進
高速増殖炉の
国際的な研究拠点化
陽子線がん治療技術の
高度化と利用促進
嶺南の地域医療を担う
医師の育成支援
③人材の育成・交流
原子力産業への参入を 国内外の原子力人材育成に
貢献する研修の実施
促進する技術研修
や認定制度の実施
海外原子力機関とのネットワーク
を構築する国際会議の開催
原子力を
中心とした
エネルギー
の
総合的な
研究開発
拠点地域
とする
「ふげん」を利用した
廃止措置の研究開発
地域型研究・支援を担う
若狭湾エネルギー研究センター
②
研
究
開
発
機
能
の
強
化
④産業の創出・育成
産学官連携による
技術開発の推進
電子線照射技術を活用した
共同研究や新製品の開発
原子力産業への参入を目指す
県内企業向け情報交換会
18
安全・安心の確保&産業の創出育成
◎高経年化研究体制
「ふげん」内の高性能分析機器室(ホットラボ)にて実機
材料を用いた研究や原子力安全システム研究所の熱流
動実験棟などの活用
(国,JAEA ,関西電力)
◎地域の安全医療システムの整備
○緊急時における医療機関への患者搬送体制の整備
○(財)嶺南医療振興財団を設立(平成19年3月1日)、
奨学金制度および研修医確保に対する支援制度を開始
(H27年度までに50名貸与、6名が嶺南地域で勤務)
○熱傷等の治療施設を杉田玄白記念公立小浜病院に整備
(関西電力・電力事業者)
原子力安全システム研究所
熱流動実験棟
美浜、大飯、高浜、敦賀の
各発電所に高規格救急車を
配備(平成18年9月~)
◎電子線照射施設 ( 「関西電子ビーム株式会社」)
(施設概要)繊維やプラスチックなどの素材の改質や滅菌等
(開発事例)銀ナノ粒子を繊維に吸着させた抗菌性繊維の開発
(設
備)電子加速器(出力:10MeV)H23年本格操業開始
関西電子ビーム株式会社
19
エネルギー研究開発拠点化計画の推進
計画推進の総合的なコーディネート
エネルギー研究開発拠点化計画 H27年度 推進方針
基 本 理 念
安全 ・安心の確保
H27年度
研究開発機能の強化
人材の育成・交流
産業の創出・育成
充実・強化分野
強固な安全対策を具体化
嶺南地域の産業・雇用対策を強化
①原子力の安全を支える人材・技術の維持発展
①企業誘致、新産業創出を加速
〇IAEAとの連携強化による国際会議の誘致・開催
〇嶺南地域の競争力を活かした企業誘致の充実・強化
〇国内の原子力安全の人材育成、技術・技能の継承
・原子力に関する新たな教育・研究施設の整備の検討
②原子力緊急事態対応の体制整備・技術開発
〇研究開発型企業の誘致促進
〇エコ園芸振興拠点化プロジェクトの推進
②エネルギーの多元化への対応
〇LNG関連インフラの整備
〇原子力緊急事態支援機関の整備
〇大規模太陽光発電設備の整備
〇原発事故に対応するパワーアシストスーツの開発
〇波力発電技術やバイオ燃料製造技術の調査・研究
〇災害対応ロボットの技術開発の推進
③将来の廃炉に備えた対応
・国産技術によるロボット開発研究会の設置
〇除染・解体に対応する高度レーザー技術の開発
・全国規模のロボット競技会開催
〇廃炉関連ビジネスの育成
〇原子力災害現場における緊急時対応資機材の開発
・県内企業の技術を廃止措置に活用するプロジェクト
〇廃炉措置に向けた人材の育成
20
20
エネルギー研究開発拠点化計画の推進
計画推進の総合的なコーディネート
エネルギー研究開発拠点化計画の推進(1)
強固な安全対策を具体化【充実・強化分野】
・福島第一の事故を踏まえ、原子力発電に対する住民の安心確保と信頼性の向上を図る
・福島第一の現場の課題を解決し、事故の収束と復旧に向けた対応や、今後見込まれる
原子力発電所の廃止措置に適用できる技術開発を推進する
●原子力緊急事態対応の体制整備・人材育成の推進
 原子力緊急事態支援機関の整備・運営
原子力発電の安全・安心を確保するため、原子力緊急時対応の要員訓練・
技術開発、および万一の原子力災害発生時の事故収束対応支援を行う原子力
緊急事態支援機関(原子力レスキューセンター)を、福井県内に整備
(電力事業者)
 緊急時を想定した原子力安全の人材育成に関する検討
シビアアクシデント等を
想定した国内外の原子力
安全に関与する人材の研
修に対し、本県の人材育
成機能の活用等について
検討
(国,県)
県内の原子力人材育成施設
21
エネルギー研究開発拠点化計画の推進
計画推進の総合的なコーディネート
エネルギー研究開発拠点化計画の推進(2)
●事故対応に貢献する研究開発の推進
 放射線環境下での重量物運搬作業に対応する
パワーアシストスーツの開発
(日本原電,県内外の企業)
 福島第一原子力発電所への応用や廃止措置への適用
高度レーザー技術の開発
レーザー除染装置の開発・実用化。
レーザ切断技術の高度化研究・開発・実用化等
(JAEA ,エネ研,県内外の企業等)
パワーアシストスーツの
開発状況
 防護服の機能性向上に向けた研究開発
県内の繊維技術を活用し、通気性・柔軟性等に優れた
製品を開発
(関西電力,県内の企業)
高出力レーザーによる
切断技術開発
 放射性物質吸着・除去素材の開発
電子線グラフト重合等の技術を活用し、放射性物質を
除去するために使用する吸着・除去素材を開発
(県内外の企業,県内の大学)
防護服(製品化イメージ)
22
エネルギー研究開発拠点化計画の推進
計画推進の総合的なコーディネート
エネルギー研究開発拠点化計画の推進(3)
嶺南地域の産業・雇用対策を強化
【充実・強化分野】
◎エコ園芸振興拠点化プロジェクト
「嶺南地域エコ園芸推進協議会」を設置し、嶺南地域
に、オールシーズン園芸施設の整備を促進
(県,嶺南市町,関西電力)
高効率ヒートポンプ空調の実証試験栽培ハウス
◎エネルギー源多角化プロジェクト
木質バイオマスや小水力発電の事業化の可能性を
検討。また、おおい町及び高浜町に大規模太陽光
発電設備(合計出力1,000kWを)設置
(県,関西電力)
研究開発機能の強化
関西電力 若狭おおい太陽光発電所
(平成25年度運用開始)
◎高速増殖炉研究開発センター
H27年5月、ナトリウム工学研究施設が竣工、今後、
ナトリウム機器の保全技術等の高度化に向けた試験
研究を実施
(国,JAEA)
高速増殖炉研究開発センター
ナトリウム工学研究施設
23
エネルギー研究開発拠点化計画の推進
計画推進の総合的なコーディネート
エネルギー研究開発拠点化計画の推進(4)
人材の育成・交流
◎国際原子力人材育成拠点の形成
「福井県国際原子力人材育成センター」を核に
「原子力安全研修施設」などを活用した研修事業を実施
(エネ研,電力事業者,JAEA)
日本原電 敦賀総合研修センター
◎広域連携大学拠点の形成
敦賀市にある「福井大学附属国際原子力工学研究所」
に原子力防災・危機管理部門を設置、研修
(福井大学,県,電力事業者,敦賀市,国,JAEA)
産業の創出・育成
福井大学附属国際原子力工学研究所
◎福井クールアース・次世代エネルギー産業化プロジェクト
EV・電力貯蔵分野、分散型発電分野、高効率エネ
ルギー利用分野、液化燃料製造分野の4分野で、
産業化を目指した産学官共同研究を実施
(関西電力、県、エネ研、国、県内外企業等)
EV・電力貯蔵分野
高効率エネルギー利用分野
24
1. 福井県の紹介
2. 若狭湾エネルギー研究センターの設立
3. 若狭エネ研の事業内容紹介
4. エネルギー研究開発拠点化計画策定
5. 福井県内の廃止措置
6. 開発・支援事例紹介
‥若狭エネ研&福井県工業技術センター
25
福井県内の廃止措置
“新型転換炉ふげん”の廃止措置計画
使用済燃料
搬出先の確保
下図は原子力研究開発機構のホームページより
様々な解体廃棄物の
処理処分方法
 放射性廃棄物でない
廃棄物の搬出・再利用策
 放射性廃棄物の処分先
◎ 福井県は平成25年10月 廃炉・新電源対策室を原子力安全対策課内に新設
平成27年3月
日本原電㈱敦賀1号機
関西電力㈱美浜1・2号機 廃炉決定
廃止措置の課題
◇長期間にわたる作業‥全体工程の把握と障壁・課題への迅速な解決策
◇作業の効率化‥除染及び解体技術と工法検討
◇解体廃棄物への対応‥早期の敷地外搬出 → 再利用技術、処分先の確保
26
若狭湾エネルギー研究センター
研究開発・支援事業の事例
紹介
27
エネルギー研究開発拠点化計画の推進
レーザー技術開発

レーザー除染装置(試作機)
④

レーザー切断試験
⑤
②
①
⑥
③
【構成部品】
①レーザー除染機本体 ②ロボットアーム
③集塵機 ④集塵ダクト ⑤3次元スキャナー
⑥監視用カメラ ⑦クローラ
(その他)・レーザー発信器
○「2次汚染物ゼロ」、「クリアランスレベル
以下への除染が可能」等の特徴を持つ
レーザーを用いた除染方法を開発。
①高出力レーザーによる切断試験
②ステンレス鋼の300mm厚を切断
○30kWのレーザー発信器を用いて厚板
(原子炉圧力容器等を想定)の切断技術
を開発。
28
(公財)若狭湾エネルギー研究センター
支援事例の成果紹介
① 放射性物質等の除染対応資材の開発 (東洋紡㈱
東洋紡㈱
機能材料開発部
峯村 慎一
Tel 06-6348-3363
開発期間:H24~H26)
福井県敦賀市に事業所を置く繊維・高機能製品総合メーカーの東洋紡㈱は、エネ研の「拠点化
計画促進研究開発事業補助金」を活用し、放射性物質等の除染対応資材の開発を行いました。
開発した製品は、東日本大震災で被害のあった地域への展開はもちろん、放射性物質を含む
瓦礫・土砂等を中間貯蔵施設や指定場所に運搬する際にも活用できます。更に東洋紡㈱では、
原発を多く抱える地域への非常用資材として展開する計画を立てています。
コスモフレッシュⓇシート
放射性物質吸着機能付シート
(コスモフレッシュⓇシート)
腐敗性廃棄物収納フレキシブルコンテナ内袋
として使用。
セシウムを吸着しコンテナ外への拡散を抑制
ボランシールⓇ600
保護マット機能を持った高吸水性膨潤繊維を用いた
不織布(ボランシールⓇ600)
仮置場下部放射性物質封じ込め、土壌や床面の
再汚染を防止。 中間貯蔵へも適用可能
29
(公財)若狭湾エネルギー研究センター
支援事例の成果紹介
② 水底放射能測定装置の研究開発
㈱環境総合テクノス
環境部 部長
生野 元昭
Tel 06-6263-7310
(㈱環境総合テクノス 開発期間:H24~H26)
福井県嶺南地域に複数の支店・営業所を持つ環境エンジニアリング企業の㈱環境総合テクノスは、
エネ研の「拠点化計画促進研究開発事業補助金」を活用し、水底放射能測定装置(製品名:「みなそこ」)
の研究開発を行いました。
開発した測定装置は、搭載した水中カメラで湖底や海底の状況を確認しながら測定でき、身近な農業
用ため池での測定はもちろん、水深160mといった深い水底でも精度の高い測定が可能であることから、
東日本大震災にともなって発生した原発事故で被害のあった地域での放射性物質の除染作業計画に
役立つと、多方面から製品化や測定依頼の要望を受けており、今後の被災地復旧への貢献が期待でき
ます。
10cm
ため池用小型軽量「みなそこ」
水中カメラ付「みなそこ」
(水深160mの海底、湖底でも測定可能)
水中カメラによる着底状況写真
(水深152m)
30
(公財)若狭湾エネルギー研究センター
③ 放射線遮蔽材の開発
支援事例の成果紹介
(サカイオーベックス㈱
開発期間:H24~H26)
サカイオーベックス㈱
テクニカルセンター
新商品開発グループ
清水 靖博
Tel 0776-36-3047
サカイオーベックス㈱は福井県嶺北に本社・工場を構え、高度な染色技術を軸に、独自のテキスタ
イル事業を展開している企業で、主な染色事業の他に炭素繊維事業、水産資材事業など、幅広い
事業で活動しています。
本開発では、放射線遮蔽性能を有する織物の作製、放射性遮蔽機能を有した樹脂成膜品(高次
加工品)のコスト合理化を検討しました(共に鉛を使用せず、人体と環境への負荷を軽減した遮蔽
材)。また、それら2つを複合縫製することで柔軟性のある無鉛放射線防護服を作製しました。原子力
関連はもとより、医療関係への展開も計画しています。
タングステンにより放射線遮蔽性
能を有し、通気性にも優れた織
物の開発
シリコーン素材にビスマス系化合物
の粉末を練りこんだ、環境負荷軽減
と機能性を両立した放射線遮蔽シー
トの開発
タングステン糸配合生地と高次加工品と
を複合縫製して製作した防護ベスト
(特許出願中)
・放射線遮蔽率 : タングステン糸配合生
地部9.6% 高次加工品部12.5%
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・重量 19.63kg
(公財)若狭湾エネルギー研究センター
④ 高通気性 防護服の開発
支援事例の成果紹介
(セーレン㈱ 開発期間:H24~H25)
環境・生活資材部門
住生活資材販売部
部長 森近 浩靖
Tel 06-4798-3068
総合繊維メーカーのセーレン㈱は、エネ研の「拠点化計画促進研究開発事業補助金」を活用し、
高通気性且つ柔軟な汚染防護服の繊維の研究開発を行いました。
開発した繊維は、通気性を従来汚染防護服の100倍以上に高めており、特に夏場の作業等に
おける暑さ対策面での作業員の負荷軽減が期待できます。
開発品
高通気性 防護服
従来品
防護服は、繊維層に撥水性能等を持たせる為にアクリル系の樹脂
を重ねた構成の物が一般的に使用されているが
セーレン製防護服は、アクリル系の樹脂を使用せず、太い繊維2層と
細い繊維2層を重ねた4層構造とすることで、防塵性・強度・撥水
性等を品質を担保しつつ、通気性・柔軟性向上を図っている。
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参
考
福井県工業技術センターでの
研究開発事例
紹介
33
参
考
e-テキスタイル
※電子技術と繊維技術を融合した高機能テキスタイル
・太陽光発電テキスタイルの製造技術の開発(H23-26)
優位技術:e-テキスタイル
新技術(太陽電池搭載糸製造技術・製織技術)
LED
球状太陽電池
太陽電池搭載糸
太陽光発電織物
金属繊維カバード糸
量産化
製品
e-テキスタイル:
織物と電子部品
の融合
軽量
フレキシブル
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参
考
強化繊維束の「開繊技術」 (福井県特許)
低コストの太い束の炭素繊維束から、極薄の中間基材 に加工する技術
<炭素繊維束内に樹脂を含浸する工程>
炭素繊維束
開繊しない場合
開繊した場合
樹脂
(硬化前のプラスチック)
樹脂
(硬化前のプラスチック)
厚い
樹脂が含浸しにくい
炭素繊維束(厚い)
開繊糸(薄い)
固めたときに空気が残りやすい
薄い
樹脂が含浸しやすい !
固めたときに空気が入らない !
⇒ 樹脂が繊維束の中に、空気が残らない状態で含浸した
極薄(0.1mm以下)の中間基材シートが実現!
エアバス社「A320neo」用の新型ジェットエンジン「PW1100G-JM」の部材に
この技術が活用されています。
薄層プリプレグシート
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