7-7 ホーム照明の適用例 7-7 ホーム照明の適用例 本節では、ZigBeeワイヤレス・センサ・ネットワークの適用例として、標準照明 プロファイルを採用したワイヤレス照明スイッチとライトのアプリケーションの適 用例を紹介します。 ホーム照明プロファイル ZigBeeアライアンスはすでにホーム照明関係のプロファイルを完成しています。その 中には照明スイッチを定義する「スイッチ・リモート・コントロール(SRC : Switch Remote Control)デバイス・プロファイル」[10]とライトを定義する「スイッチロー ド・コントローラ(SLC:Switching Load Controller)デバイス・プロファイル」 [11]が あります。 この2つのプロファイルを図7-8に示すスイッチ・ノードとライト・ノードにそれぞ れ実装して、ZigBeeワイヤレス照明ネットワークを構成することができます。スイッチ の SRC プロファイルに必須な属性は、出力の開閉制御 SRCOnOff のみです。ライトの SLCプロファイルに必須な属性は、入力のライト開閉状態SLCOnOffのみです。それ以 外にオプションの属性がいくつありますが、ここでは省略します。 第 7 章 SRCプロファイル SLCプロファイル SRCOnOff SLCOnOff EP5 EP6 スイッチ・ノード ルータ アドレス=0x01 ライト・ノード コーディネータ アドレス=0x00 スイッチ・ノード ライト・ノード 図7-8 SRCとSLCプロファイル 201 第 7 章 ZigBee アプリケーション層 例えば、ライト・ノードの論理タイプをコーディネータに設定すると、ネットワー ク・アドレスは 0x0000 となります。また、エンド・ポイント6はSLCライトのアプリ ケーション・オブジェクトに与えられます。一方、スイッチ・ノードの論理タイプを ルータにすると、コーディネータから与えられたネットワーク・アドレスは 0x0001 になります。また、エンド・ポイント5はSRCスイッチのアプリケーション・オブジェ クトに与えられます。 ホーム照明の動作手順 このようなホーム照明ワイヤレス・センサ・ネットワークでは、図7-9に示すよう な、次の手順で動作します。 [1] ライト・ノードは、電源を入れると、コーディネータとして自動的にネットワー クを立ち上げます。 [2] スイッチ・ノードは、電源を入れると、自動的にビーコン要求をブロードキャス トして、周辺のネットワークを探します。 [3] コーディネータ(ライト・ノード)は、ビーコン要求を受けると、ビーコンを発行 します。 [4] スイッチ・ノードは、受信したビーコンによって、周辺にあるライト・ノードの 存在がわかるため、ネットワークへの参加をコーディネータ(ライト・ノード)へ 申請します。 [5] スイッチ・ノードのネットワークへの参加が許可されると、スイッチ・デバイス でLEDを点灯させるなどといった何らかの手段で設定待ち状態に入っていること を表します。 [6] 設定待ち状態に入っているスイッチ・デバイスにある「設定」ボタンを押すと、コー ディネータ(ライト・ノード)へエンド・デバイス・バインドを要求します。 [7] 一定の時間内で、スイッチの制御対象のライト・デバイスにある「設定」ボタンを 押すと、コーディネータ(自身)へエンド・デバイス・バインドを要求します。 [8] 双方のプロファイルとクラスタの照合を行い、一致すれば、スイッチ・ノードが バインディングの確立をコーディネータへ要求します。 [9] その後、スイッチ・デバイスは、結ばれたバインディングでスイッチの開閉状態 をライトへ送信でき、ライトの開閉を制御できるようになります。 202 7-7 ホーム照明の適用例 バインディングの設定情報は、EEPROMに保存できます。電源が切れてから再起動 した場合、 「設定」ボタンの操作がなくても、EEPROMの情報を利用して直接バインディ ングを再確立することができます。 スイッチ・ノード起動 (ルータ) ライト・ノード起動 (コーディネータ) [2]ビーコン要求 [1]ネットワーク立ち上げ チャネル・スキャン [3]ビーコン発行 [4]参加申請 ネットワーク参加 [5]参加許可 エンド・デバイス・バインド要求 [6] 「設定」ボタンを押す 結果通知 エンド・デバイス・ [7] 「設定」ボタンを押す バインド要求 [8]バインド要求 バインディング確立 成功 N スイッチ開閉? Y データ送信 開閉状態送信 ACK 遅延 ライト開閉制御 図7-9 ホーム照明のフローチャート 第 7 章 203
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