第4章 基本理念・基本的視点・基本目標 37 1 基本理念 名称は、「刈谷市次世代育成支援行動計画(前期計画)」の理念を引き継ぎ「元気に育て か りやの子どもたち-刈谷市次世代育成支援行動計画(後期計画)-」とします。 計画のねらいは、家庭や地域における子育て機能の低下が危惧される中、父母その他の保 護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、子どもが健やかに 育ち、また、安心して子どもを生み育てることができるように、社会全体で支援していこう とするものです。その理念は、「市民力」「地域力」「総合力」を生かし、幼稚園・保育園 をはじめ、関係機関・団体、企業、市民の協力によって「安心して子育てに取り組み、子ど もたちが心も体も元気に成長できる環境の実現」を目指しています。 元気に育て かりやの子どもたち 安心して子育てに取り組み、子どもたちが心も体も元気に成長できる環境の実現 38 2 基本的視点 視点1 子どもの視点と次代の親づくりの視点の尊重 子どもは、生まれながらにして一人ひとりがかけがえのない存在であり、周りの人に大切 にされ、愛され、信頼されることによって、自分に自信を持ち、安心して健やかに育つこと ができます。 そのためには、子どもの視点に立ち、子どもの年齢や発達に応じた支援をし、子どもが自 立した若者に成長するまでを見守ることが必要です。 また、子どもは、次代の親となります。豊かな人間性を形成し、自立して家庭を持つこと ができるように長期的な視野に立ち、支援していくことが必要です。 視点2 利用者の多様な意向を反映したサービス 家族の形態、保護者の就労形態をはじめ、価値観や生活様式の多様化に伴い、子育て支援 サービスのニーズも多様化しています。 共働き世帯、専業主婦世帯、ひとり親家庭など、それぞれのニーズを正確に把握し、実効 性のある施策を講じます。 視点3 すべての子どもと家庭への支援 核家族化の進行により世代間の育児知識の継承が困難になるとともに、地域における子育 ての助け合い機能が希薄化しています。 子育ては、父母など保護者に第一義的な責任があるとの基本的な認識を持ち、子育てと仕 事の両立支援のみならず、広くすべての子どもと家庭に子育て支援が必要との観点に立って、 支援策の充実に努めます。 視点4 社会全体による子育て支援 子どもは、子ども同士のふれあいや、様々な人、自然、地域社会そして文化との適切な関 わりを通じて、他を思いやる心を持つことにより、ルールを守るなどの社会性を身につけ、 豊かな人間性と創造性を備えるとともに、自分の行動に責任を持ち、他者と共生し、社会の 責任ある一員として自立することができます。 家族、地域、企業、行政など、あらゆる社会の構成メンバーが協力して次世代を担う子ど もたちを育てる環境を構築する視点を持ちます。 39 視点5 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)※6の実現 女性の社会参加などが進み、人々の生き方が多様化している一方で、働き方や子育て支援 などの社会基盤は必ずしもこうした変化に対応したものとなっていません。また、職場や家 庭、地域では、男女の固定的役割分担意識が残存しています。 市民一人ひとりがいきがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、 家庭や地域生活などにおいても、子育て期などの人生の段階に応じて多様な生き方が選択・ 実現できる社会を目指します。 視点6 子育て支援関連部門の連携 子育て支援という観点から、子育て支援、児童福祉、母子保健、教育、労働、生活環境な どの関連部門が連携を図り、有効な資源の活用、施策の実施に取り組みます。 3 基本目標 目標1 地域における子育て支援 安心して子どもを生み育てることができるように、身近な地域における保護者の子育て支 援体制の充実に取り組みます。 地域の子育て支援の場として、地域子育て支援センター、幼稚園、保育園、児童館、ファミ リー・サポート・センターなどの活動の充実を推進するとともに、行政、民間事業者、市民 団体、育児サークルなどが、それぞれの特徴を生かした支援環境の充実を進めます。 特に、不安感が強く、孤立しやすい就園前の保護者向けの相談・仲間づくり・リフレッシュ の機会づくりの充実に取り組みます。 目標2 子どもが健やかに生まれ育つ環境づくり 子どもが健やかに生まれ育つように、安全に妊娠・出産期を過ごすことができ、子どもの 健康づくりや疾病の予防を図るなど、妊娠期から継続した保健事業や小児医療の充実に取り 組みます。 障害のある子どもとその保護者に、それぞれの子どもと家庭に合わせたきめ細かな支援に 取り組みます。 また、児童虐待などの発生予防と適切な対応、ひとり親家庭の自立支援、子育て経費の負 担軽減など、様々な困難を抱える家庭への支援に取り組みます。 用語解説 ※6 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス):平成 19 年 12 月総理大臣官邸において開かれた「官民トップ会議」 において、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」が決 定されました。その中で、仕事と生活の調和が実現した社会とは、「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、 仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様 な生き方が選択・実現できる社会」と定義しています。 40 目標3 子どもがのびのびと育つ教育環境づくり 次代の担い手として、また、次代の親として、子どもが個性豊かに「生きる力」を育むた め、確かな学力の向上、健やかな心身の育成に取り組みます。 また、いじめ・不登校・非行などに適切な対応を行います。 このような環境をつくるため、開かれた学校づくりを推進するなど、学校と家庭・地域社 会との連携を進めます。 特に、現代の子どもに不足しがちな、社会・生活・自然など様々な体験をすることと、親 への準備として小さな子どもと遊んだり、子守りをすることの重要性を啓発するとともに、 その機会の充実を進めます。 目標4 仕事と子育ての両立支援 仕事・社会活動などと子育ての両立を支援するため、多様な保育サービス、児童クラブの 充実を推進します。 また、男性を含めたすべての人が、仕事と生活時間のバランスがとれる働き方の選択がで きる環境づくりが重要です。 このため、企業などには多様な就業形態を可能にする制度の導入を働きかけ、家庭には家 事・育児の男女の協力について広報、啓発、情報提供などを行います。 目標5 子どもにやさしいまちづくり 子ども、親子、妊産婦が快適に生活し、気軽に安心して外出できる環境をつくります。 そのために、犯罪や交通事故に遭う心配がなく、ユニバーサルデザイン※7の観点から快適 な都市空間を整備するなど、子どもにやさしいまちづくりを推進します。 また、子どもがいきいきと遊び、ゆったりと過ごすことができるように公園などの整備を 進めます。 用語解説 ※7 ユニバーサルデザイン:あらかじめ、障害の有無、年齢、性別、人種などに関わらず多様な人々が利用しやすいよう 都市や生活環境をデザインする考え方です。 41 4 施策体系 基 元気に育て 本 理 念 かりやの子どもたち ~安心して子育てに取り組み、子どもたちが心も体も元気に成長できる環境の実現~ 基 本 的 視 点 子どもの視点と次代の親づくりの視点の尊重 社会全体による子育て支援 利用者の多様な意向を反映したサービス 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現 すべての子どもと家庭への支援 子育て支援関連部門の連携 基 本 目 標 地域における子育て支援 仕事と子育ての両立支援 子どもが健やかに生まれ育つ環境づくり 子どもにやさしいまちづくり 子どもがのびのびと育つ教育環境づくり 1 地域における子育て支援 (1)地域子育て支援拠点事業の充実 (2)幼稚園・保育園運営の充実 (3)児童館運営の充実 (4)ファミリー・サポート・センターの充実 (5)多様な子育て支援サービスの充実 (6)子育てに関する連携・協働の促進 (7)子育て支援の市民活動の促進 (8)子育て家庭等への情報提供 2 子どもが健やかに生まれ育 つ環境づくり (1)母子保健事業の推進 (2)小児医療の充実 (3)障害児の療育・教育等の充実 (4)児童虐待等の防止 (5)ひとり親家庭への支援 (6)子育ての経済的負担の軽減と適正化 3 子どもがのびのびと育つ教 育環境づくり (1)生きる力を育てる学校教育の推進 (2)問題行動へ適切に対応するための施策 (3)開かれた学校づくりの推進 (4)地域で多様な経験や価値観を学ぶ場づくり 4 仕事と子育ての両立支援 5 子どもにやさしいまちづくり (1)多様な保育サービスの充実 (2)児童クラブの充実 (3)仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実 現を目指した環境づくり (4)男女共同参画社会の促進 (1)子育てを支援する都市環境の整備 (2)安全・安心なまちづくり (3)遊び場の確保 42
© Copyright 2024 Paperzz