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国際関係論(1 年生)/国際関係論 II (2 年生以上) 第 04 回 12 月 4 日
「グローバル化する社会」
http://islamandeconomy.web.fc2.com/2015chuis/
I.
グローバル化と文明の衝突
サミュエル・ハンチントン『文明の衝突』
ハンチントン(レーガン政権時の大統領顧問)が 1996 年に執筆・発表
21 世紀のグローバル化と世界の秩序・枠組みを示す内容:
評判と批判
主張
文明:
もっとも大規模な文化的アイデンティティの次元、最大の空間
歴史:
20~25 の文明が誕生
→複数の文明が現存。共存⇔対立
西洋文明、イスラーム文明、スラブ文明、儒教文明、日本文明、ヒンドゥー文明、ラテンアメリ
カ文明、サブサハラ文明:
1990 年代:
アフリカ南部
東側諸国の崩壊
→旧ソ連時代に抑圧された諸問題が噴出
米中心からアジア中心へ:
儒教文明とイスラーム文明の台頭
20 世紀末~21 世紀初め:
宗教や過去へのノスタルジー>科学、合理性、シンポ
文明の相違=価値観の相違=個々人のアイデンティティの帰属先の相違
共存ではなく対立関係となり、やがて文化・政治摩擦、武力衝突へと至る?
イスラーム文明の動向
近代と西洋文明:
「西欧の合理性と普遍性に合一するだろう」
ヨーロッパによる植民地化:
20 世紀のイデオロギー:
西洋文明に組み込まれるか、自主的に取り入れ
西洋生まれの価値観・教義⇔宗教・文化は過去のもの?
南側諸国の脱植民地化とソ連の崩壊
60~70 年代のアラブ諸国:
イスラーム文明:
背景:
→近代化の枠組み認識への疑念
アラブ・ナショナリズム→中東戦争の敗北→イスラーム主義台頭
対話か対立か?
(イランの例)
イスラーム革命(1979 年)によって西側諸国と関係悪化
ハータミー大統領(1997-2005):
イスラーム(シーア派)穏健派。対話路線「文明の対話」
アフマディネジャド大統領(2005-13):
反米路線、核開発路線⇔経済悪化?
現代:
イデオロギー、アイデンティティとしての宗教の重要性
文明:
文明間の対話と対立
ハンチントンへの批判
批判①「文明」概念:
ハンチントンの理解=構造化された政治的単位
批判②アイデンティティの帰属先としての文明の妥当性
批判③文明間の衝突は予想よりも起きていない:
←他のアイデンティティを過小評価
ハンチントン=①宗教的・民族的アイデンテ
ィティに依拠した戦争が起きる、②戦争は文明の間で起きる
⇔
21 世紀の戦争・紛争: 国家
間の利権、民主化、資源・土地の領有
グローバル化と文明
現代の宗教:
グローバル化によって地域、国家、民族にかかわる政治的課題に深く関与
イスラーム勢力:
グローバル化で過激派間の連帯・勢力拡大、外国人の排除
グローバル化による各要因の変化
文明:
相互の関係を地理的に捉えることは困難
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国際関係論(1 年生)/国際関係論 II (2 年生以上) 第 04 回 12 月 4 日
「グローバル化する社会」
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宗教:
アイデンティティやイデオロギーで、科学的知見よりも重要な要素に
戦争・紛争:
単に文明間で発生するのではなく、①領土やネットワークとの関係性、②アイデ
ンティティやイデオロギー、③共同体(国家、民族など)の利害関係が複雑に絡まって発生
II.
グローバル化と人権
経済のグローバル化:
経済的グローバリゼーションの責任
原因:
グローバリゼーションが間接的・直接的な引き金
結果:
利害関係と利潤の論理によって人権問題が各地で発生
内容:
人権問題、政治的問題など。搾取、児童労働、格差拡大、抑圧・弾圧
民主主義のグローバル化
民主主義の受容:
大半の国で受容。運営実態や、理想と現実の乖離は、国ごとに様々
民主主義の普及:
近代
→2010 年代
人権のグローバル化
人権への認識:
普遍的な基軸。(例)イスラームの人権に関するカイロ宣言(1990 年)
多様な人権:
世界人権宣言~20 ほどの協定:
合計 140~150 の権利を規定
従来の人権:
平等権、自由権、社会権、請求権、参政権
新しい人権:
プライバシーの権利、環境権、知る権利、忘れられる権利
人権裁判所
国家による個人への国際的な人権条約に反する人権侵害が発生
→条約加盟国から裁判官を選定、
国家の人権侵害を裁く。国民・個人が国家を訴える権利=人権保障を担保するシステム
(例)欧州人権裁判所(59,98 年)
、米州人権裁判所(80 年)、アフリカ人権裁判所(06 年)
国際戦犯法廷
紛争・内戦を引き起こした人物(政治家、国家元首)を、その国の国民自身の手ではなく、国外
に設置された裁判所が裁く。国連安全保障理事会が設置
裁かれる罪:
例:
ジュノサイド(民族浄化)罪、戦争犯罪、国際人道法違反、など
旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷。ルワンダ国際戦犯法廷
国際刑事裁判所(ICC)
国際法違反を行った国家への責任追及:
所:
従来=民事訴訟にて国家責任を追及
→国際刑事裁判
個人(政治家、軍人など)に刑事責任を負わせる
対象となる罪:
独裁者:
ジュノサイド罪、人道に対する罪、侵略の罪
国外逃亡も逃亡先で身柄を拘束され、自国民の手ではなく国際刑事裁判所で裁かれる
設立の経緯:
1996 年、国連、常設機関としてオランダに設置を承認
→2003 年、国際刑事裁
判所設置条約批准 60 ヶ国を越え、同裁判所が開設(現在は 120 ヶ国以上)
設立までの問題点:
①開設の遅れ、②設置までに独裁者をめぐる国際政治問題が発生
ピノチェト裁判
ピノチェト:
1973 年、チリで軍事クーデター、独裁体制。反体制派数千人が「行方不明」
1998 年、病気治療のためイギリスに滞在
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・スペイン:
・英:
逮捕→「病気で裁判に耐えられない」として 2000 年にチリに移送
・チリ:
影響:
チリの旧宗主国。「在チリのスペイン人殺害」を裁くため、身柄引き渡し要求
何度も訴訟
→健康状態の悪化や嫌疑不十分で罪に問われず
独裁者の身柄引き渡しが外交カードに用いられる
・スペイン:
・英:
「在チリのスペイン人殺害」「人道に対する罪」で裁こうとするも実行できず
病気治療の引き受け
・チリ:
→スペインの要求で逮捕も、チリへの帰国を重視
旧宗主国ではなく自国で裁判
→ピノチェト支持も多く、結果的に有罪にはできず
①人道に対する罪、②国際司法・裁判、③これらをめぐる外交問題、が露呈
人道的介入の問題点
ポイント:
国際刑事裁判所=外国に逃亡した独裁者をその居住国の判事が裁く。目的=「人道
に対する罪」を国際社会の手で裁く
問題①
内政干渉:
当事国の国民が自国の容疑者を、自らの手で裁く権利との兼ね合い
問題②
適用されるのは弱小国のみ:
大国の国家元首・政治家が対象にはなりにくい。大国の
都合がいいように小国を裁く or 裁かない
問題③
民主化プロセスを阻害:
独裁者の政権の転覆と裁きは民主化過程にとって重要
グローバル化と人権
グローバル化
・経済的グローバル化
→人権・政治問題を引き起こす
・民主主義のグローバル化
→段階的に拡大
・人権意識のグローバル化
→人権問題もグローバル化
人権意識のグローバル化
・国際人道法:
ジュノサイド罪、人道に関する罪、侵略の罪への意識浸透
・国際的な裁判制度の確立
III.
⇔
内政干渉、民主化プロセスを阻害
グローバル化と自由主義
新自由主義的グローバリゼーション
意味:
ルネ・パセ「各国の民衆や政府を貪欲な搾取のために道具に仕立て上げようともくろむ
個人や制度の利益ための広大な世界財産没収計画であり、一言で言えば『略奪のグローバリズム』
に他ならない」
新自由主義:
担い手:
時期:
仕組み:
規制緩和=グローバル化。市場の原理を重視
新自由主義者とそれらが支える政府。レーガン、サッチャー、ら
1980 年代~(第三の道)~現代
国際機関=IMF、世銀、WTO、OECD。意思決定=サミット(G20)
IMF、世銀:
各国に融資
WTO、OECD:
批判:
←自由主義的な構造改革の実施が融資の条件
商品、サービス、資本が国境を越えて自由に流通する市場構築
グローバリゼーション=新自由主義による経済・市場化。悪影響が出ている
新自由主義的グローバリゼーションの歴史観
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「グローバル化する社会」
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WW1 後:
国際協調なし。1929 年の大恐慌→保護主義・ブロック経済→WW2
WW2 後:
自由貿易を促進
→経済関係良好
→国際関係好転
ブレトンウッズ体制(IMF、世銀、GATT、米ドル本位制): 過去の過ちの回避が目的
1950-70 年代:
GATT による関税引き下げで先進国が反映
1980-90 年代:
先進国の経済鈍化も、保護主義化を回避
WTO(世界貿易機関)
GATT(貿易と関税に関する一般協定):
ラウンド:
貿易と関税を定めるための各国協定
関税に関する加盟国間の交渉のこと。計 8 回実施。実行機関が不在
ウルグアイ・ラウンド(86-95 年):
実行組織が必要
1995 年、マラケシュ協定に基づき設置
WTO:
WTO と GATT の違い
・GATT:
・WTO:
工業品・農産品の貿易・関税分野のみ。紛争解決機能なし
各経済分野、環境・特許・食糧安全など多様な分野。裁判権も有する
WTO への賛否
批判的意見:
反グローバリゼーション運動。1999 年シアトルの WTO 閣僚会議
結果:
市民の反対+加盟国間の意見対立
→新ラウンド開催合意至らず
影響:
①新ラウンド開催の遅れ、②市民団体の声無視できず、③先進国では議事が進まず
新自由主義的グローバリゼーションへの疑義
WTO は欧米中心か?
紛争解決機関(DSB)の役割: 加盟国による異論や訴訟を取り扱う。発足 5 年で 200 件近く処
理したが、4 分の 1 が途上国から提出されたもの
米の独断を抑制:
米による輸出補助のための財政措置が違反
で補助や他国への制裁は行えない
→国内法規の修正。一国の独断
→WTO に委ねる必要
WTO が全てのルールを制定できるのか?
WTO=貿易の自由化促進:
グローバルなルールの統一
⇔
各国の規制緩和
全ての国が同じルールを採用した場合、対等な競争ができるのか?
批判:
①全ての国が同じ発展段階にはない。②経済問題は、環境・社会・文化的問題に関連
統一ルールにより経済競争に敗れ、貧富の差が拡大、国際政治問題化する
各国の社会・文化的特性がむしろ強調・重要視される
WTO が全てのルールを制定できるのか?
文化多様性(文化的特例):
WTO の対象=非関税障壁、サービス貿易、など。各国の文化・慣
習にも関連。文化産業(映画など)を保護する方向
商業主義への批判: WTO の懸案の中には、経済的問題を超えているものあり。商業的問題が文
化・環境・社会・倫理的問題に優先する恐れ。
(例)遺伝子組み換え作物(GMO)の輸出入
WHO、ILO、環境関連の国際機関などと役割分担が必要
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国際関係論(1 年生)/国際関係論 II (2 年生以上) 第 05 回 12 月 4 日
「日本にやってくる外国人労働者」
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I.
定義と特徴
日本人と外国人の違い:
国籍の観点から
日本人:
①日本の国籍保有者、②日本以外の国籍も同時に持つ二重国籍者
外国人:
①日本の国籍を持たない者、②無国籍者(どこの国籍も持たない者)
外国人による日本滞在の分類
合法な滞在: ①特別永住者(旧植民地・統合地で日本国籍→戦後外国籍)、②中長期滞在(滞在
期間が 90 日以上)、③短期滞在(滞在期間が 90 日未満)
非合法な滞在:
不法滞在(滞日に合法な資格を持たずに日本に滞在する者)
特別永住者
外国人となった旧植民地・併合地の出身者:
①独立した自国に帰国する、②帰化申請を行い、
日本国籍を取得する、③外国人のまま日本に留まる→特別永住者(1991 年入国管理特例法)
中長期滞在
永住者:
一定の条件を満たして許可を得た者。在留期間は無期限。一般永住者とも
ビザが必要:
短期滞在:
就業ビザ、一般ビザ、特定ビザ、外交ビザ、公用ビザ、医療滞在
90 日以内の滞在。短期商用等、親族・知人訪問、観光
国別の傾向
中国・台湾、韓国・朝鮮:
フィリピン:
特別永住者、(一般)永住者、留学、技能実習
(一般)永住者、特定ビザ(日本人の配偶者)、就労ビザ(興行)
ブラジル:
定住者(日系人)、就労ビザ
ベトナム:
定住者、就労ビザ
不法滞在
定義:
出入国管理および難民認定法に違反した状態で、日本に滞在する外国人
分類:
①不法残留:②不法入国
不法残留者の現状:
ここ 5 年で 11.3 万人→5.9 万人。正規の在留外国人の比率におおむね一致
外国人労働者
定義:
①広義:外国人であり労働者であること。②狭義:非合法で働く者、外国人労働者には
カウントされない者、などを除く
厚生労働省「外国人雇用状況の届出」
: 事業主は外国人労働者の雇入れ・離職の際、ハローワー
クへ届出義務
←対象外:外交ビザ、公用ビザによる在留外国人、特別永住者
日本での労働が認められない者:
II.
①在留カード不保持者、②在留カード「就労不可」
歴史と変化
ブラジルへの移民
背景:
①ブラジルは 1888 年に奴隷制度廃止、農園での労働力不足発生。②日本は明治期、近
代化の過程で人余りの状況発生
1892~1973 年:
ブラジル以外:
13 万人の日本人がブラジルに渡航。日系人は約 160 万人。西日本出身者中心
南米(ペルー、ウルグアイ、アルゼンチン、チリ)
、北米・ハワイ
日系ブラジル人
帰国:
1989 年、日本で出入国管理法改正、日系ブラジル人就労者の受入開始
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国際関係論(1 年生)/国際関係論 II (2 年生以上) 第 05 回 12 月 4 日
「日本にやってくる外国人労働者」
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日本:
労働者不足⇔外国人受け入れへの抵抗
日系3世までは定住ビザ発行
人口の推移:
→「日系人ならば」
→10 年後、移住ビザ/帰化
1990 年=5.6 万人
→2007 年=31 万人でピーク→減少(リーマンショック)→
再び増加→東日本大震災とブラジルの五輪景気で再減少
国内:
愛知県(8 万人)と静岡県(5 万人)に集住
←就労先が集中
第 1 次論争(1980 年代後半~1990 年代前半)
背景
日本:
①バブル経済で労働力不足の発生、②新卒者が 3K 職場を忌避
海外:
プラザ合意で円高誘導
→人手不足倒産も
→外国人労働者にとっては賃金上昇
外国人労働者受け入れ
政府:
受け入れ消極的
←人手不足で外国人労働者を受け入れるべき?
開国派・積極論
①
近隣諸国では労働力の過剰な供給
→経済的資源の効率的な再分配
②
人手不足は生産ラインが海外に流出
③
先進国の労働市場の開放は国際化に伴う必然的結果
④
日本の経済的繁栄はアジア諸国と共有すべきであり、重要な国際貢献
⑤
異文化との接触により日本の国際的受容能力が向上
→産業の空洞化を引き起こす
鎖国派・消極論
①
必要な労働量を外国人で充足
→企業の生産性向上の動機を低下
②
送出国の経済発展につねに寄与するとは限らず
③
外国人労働者、底辺労働者層を形成
④
低賃金労働者として搾取の対象になる人権侵害の発生
⑤
地域社会での軋轢
←海外送金が奢侈品へ
→労働市場を二層化と差別の温床
→膨大な行政費用を発生
議論の鎮静化
①バブル経済崩壊、②日本人労働者の人余り・リストラ
→外国人労働者は不要。議論鎮静化
研修制度
政府:
外国人の単純労働者受け入れ消極的
1990 年研修制度:
⇔
中小企業は必要
政府や商工会議所等を通じ外国人研修生に技術提供
第 2 次論争(1990 年代後半~2000 年代前半)
背景
生産年齢人口(15-64 歳):
失業率の上昇
⇔
1990 年代中ごろをピークに減少
製造業、建設業、飲食業、漁業、農業では労働力不足
外国人労働者の受け入れ論再燃
外国人労働者の扱い
①長期の正規雇用よりも調整可能な非正規雇用重視、②短期契約ベースの非正規就労
論争の内容
第 1 次論争:
好況下の労働力の逼迫への対応として、外国人労働者を一時的に受け入れるか
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第 2 次論争:
少子高齢化への懸念と労働需給のミスマッチを前提とした受け入れの是非
各派の主張
開国派・積極論⇔鎖国派・消極論:
中村二朗:
基本的には第一次論争と同じ論調
社会的コストを考慮して全労働者の 3-5%が上限
野口悠紀雄:
高齢者介護サービスは国内でしか実施できない
第 3 次論争(2000 年代後半~)
背景
①2007 年をピークに人口減少、②2000 年代の不況下で企業は人手不足+賃金水準上げられず
安価で短期の非正規雇用である外国人労働者への需要減らず
EPA スキーム
少子高齢化社会:
高齢者介護分野での絶対的な人手不足
看護師・介護福祉士候補者:
インドネシア、フィリピン、ベトナムから受入れ
技能実習制度
III.
従来:
1990 年に導入された研修制度
改正:
2010 年制度改正、技能実習制度に。新たな在留資格による労働者
外国の事例
(1)台湾
概要
外国人労働者の内訳と動向: 2013 年 2 月末 44.8 万人。①製造・建設業は 20 万人程度、②介護
労働者は 20.7 万人(うち 19.3 万人が住み込み)
外国人介護労働者:
1991 年、人手不足のため介護分野で受け入れ開始。インドネシア(15.8
万人)、フィリピン(2.1 万人)、ベトナム(1.3 万人)
台湾の介護問題
①少子高齢化、②高齢化に見合うだけの公的な介護サービスが提供されていない、③介護労働者
の人材不足、④高齢者の世話は家で」という価値観が根強い
中流以上の共働き:
外国人労働者を家庭で雇うことが現実的な選択肢
外国人介護労働者をめぐる問題
労働者側の問題:
中国語や介護の能力にばらつき
受入れ側の問題:
①人権侵害、②契約違反、③外部との関係遮断、④最低賃金
外国人介護労働者をめぐる問題への対応
業者による事前の面接、契約内容の確認
NGO による救済活動:
政府による対応:
労働者支援のNGO「台湾国際労工協会(TIWA)」
、警察と連携
24 時間受け付けの相談電話を開設
外国人介護労働者に法的な保障がない
(2)シンガポール
特徴
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国際関係論(1 年生)/国際関係論 II (2 年生以上) 第 05 回 12 月 4 日
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自国民が少数派に:
1980 年代は 9%程度
外国人労働者の選別:
→2030 年には外国人は 45%と予想
優秀な外国人は好待遇で囲い込み
⇔
単純労働の外国人は制限
外国人労働者をめぐる問題
①GDP の上昇、②外国人労働者の位置づけ、③自国民との競合
同水準の労働者:
より低い条件で雇える外国人労働者を好む
政治問題化
国民の不満:
①外国人労働者に自国民の職が奪われている、②物価水準上昇や治安悪化
2010 年代の選挙: 大統領選挙と議会選挙で与党(人民行動党)が苦戦
制限、国民の高福祉に政策の舵を切る
→外国人労働者の雇用
→政策変更がシンガポール経済の方向性と将来を左右
(3)湾岸諸国
湾岸諸国(GCC)
外国人比率(2004 年):
カタール:
UAE(81%)~オマーン(24%)。6 カ国平均 36%
2010 年の総人口 160 万人、自国民 35 万人、外国人 125 万人。2022 年サッカーワ
ールドカップに向けた建設ラッシュ、安定的な政治
UAE、ドバイ:
⇔
暴動が発生、1,000 人以上逮捕
外国人比率 90%以上。男性=南アジア、中東。女性=東南アジア
サウジアラビア
総人口(2004 年):
2,330 万人。うち外国人 25%。19 歳以下が国民の過半数
高い失業率(2013 年)
: ①外国人労働者の失業率 0.3%、②サウジ国民の失業率 11.8%、③サウ
ジ国民の若年層・女性の失業率 30%超
サウダイゼーション(saudization):
若年層の意識:
民間部門で自国民比率を高めること
高所得で暇な政府系職員志望
2013 年、不法滞在の外国人排除:
⇔
民間・製造業を回避
自主・強制退去者が 100 万人規模
結果:
市民生活や企業活動にしわ寄せ
課題:
①原油価格の動向、②若年層の勤労意欲の向上、学歴・スキルの向上
(4)教訓
台湾
状況:
少子高齢化
問題:
家庭内で発生する人権問題
取り組み:
→家庭での介護を外国人労働者が担う
政府と NGO の連携、法制度の整備
シンガポール
状況:
経済力と人口
問題:
①生産性が向上せず。②外国人と自国民が職を奪い合う
取り組み:
→GDP 向上のため外国人労働者受け入れる
①生産性向上目指す。②外国人労働者の制限。③政府の政策転向
湾岸諸国
状況:
人口規模
問題:
①自国民の失業率の高さ(シンガポール以上)、②労働意識
取り組み:
⇔
原油生産、好調なマクロ経済
→労働者不足
①サウダイゼ―ション、②違法労働者の排除⇔経済立ち行かず?
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